論文 セメント量及び打設温度によるコンクリートの断熱温度上昇特性
具冏謨*1・金圭庸*2・宮内博之*2・金武漢*3 要旨:本研究では,コンクリートの断熱温度上昇に影響を及ぼすセメント量と打設温度との関係を検討した。 コンクリートの断熱温度上昇特性を評価するためにコンクリート調合を考慮して結合材量を設定し,コンク リート打設温度は 25℃及び 35℃の 2 水準とした。セメント量は断熱温度上昇量と温度上昇速度に線形的関係 があり,打設温度 35℃は 25℃より初期温度上昇速度が急激であったものの,断熱温度上昇の最大温度は同等 以下となった。また,コンクリートの練混ぜ後の断熱温度が上昇する時間は,終結時間と高い相関性があり, 終結時間を考慮して断熱温度上昇速度を分析する必要がある。 キーワード:セメント量,打設温度,断熱温度上昇量,温度上昇速度,終結時間 1. はじめに セメントの水和反応は化学的発熱が伴うため,コンク リート硬化進行過程において温度が上昇する。一般的に コンクリート温度上昇に関しては,式(1)のように断熱温 度上昇式を用いている1)。)
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(1) 一方,図-1 のようにコンクリート温度上昇において はセメント種類,単位セメント量などのコンクリートの 調合,又はコンクリート練混ぜ温度と養生温度などの環 境条件の様々な要因が影響を及ぼす。また,コンクリー トの断熱温度上昇の挙動は,水和発熱の開始時間と密接 な関係があることから,凝結時間のような初期材齢の物 理的特性を分析する必要がある。 そこで,本研究では単位水量または結合材量を一定に 設定した状態で,セメント量と混和材の種類及び置換率 に対するコンクリートの断熱温度上昇特性を検討した。 また,水和発熱の開始時間及び凝結時間の関係を調べ, セメント量の影響の観点から断熱温度上昇式を分析す ることを目的とした。 2. 実験計画および方法 2.1 実験計画 表-1 に本研究の実験計画を示す。断熱温度上昇試験 の実験要因について,各コンクリートのセメント量は, W/B の変化による単位セメント量と,同一 W/B で混和 材の置換率によるセメント量の変化で区分して実験を 行った。W/B は 40,34 及び 29%の 3 水準で設定し,W/ B29%のコンクリートに対しては混和材としてフライア ッシュを 20 及び 35%,高炉スラグ微粉末を 40 及び 70% を置換して,断熱温度上昇特性に対する影響を検討した。 *1 大韓民国 忠南大学校 大学院 建築工学科 博士課程 (正会員) *2 大韓民国 忠南大学校 建築工学科 教授 工博 (正会員) *3 大韓民国 忠南大学校 建築工学科 名誉教授 工博 (正会員) 断 熱温度 (℃ ) 発熱量及び 上昇速度低減 水和反応速度の上昇 材齢 混和材混入 打設温度の 上昇 断熱温度 (℃ ) 実験によ る コン クリートの 温度履歴 ) 1 ( rt e K Q 材齢 (a)結合材及び打設温度の影響 (b)発熱時 図-1 断熱温度上昇曲線に及ぼす要因 表-1 実験計画 混和材置換率(%) 区分 W/B (%) 単位 結合材 (kg/m3) SF* FA* BFS* 打設 温度 (℃) WB40-OPC 40 400.0 - - - WB34-OPC 34 470.6 - - - WB29-OPC 5 - - WB29-F20 5 20 - WB29-F35 5 35 - WB29-S40 5 - 40 WB29-S70 29 551.7 5 - 70 25±1 35±1 * SF : シリカフューム FA : フライアッシュ BFS : 高炉スラグ微粉末 表-2 コンクリートの調合 単 位 量 (kg/m3 ) 区分 W/B(%) S/a W C SF FA BFS G S SP (B×%) WB40-OPC 40 43 160 400 - - - 1046 762 0.60 WB34-OPC 34 48 160 470 - - - 924 824 1.20 WB29-OPC 160 524 27 - - 885 776 1.40 WB29-F20 160 413 27 110 - 864 771 1.25 WB29-F35 160 331 27 193 - 848 757 1.10 WB29-S40 160 303 27 - 220 877 782 0.90 WB29-S70 29 48 160 137 27 - 386 870 776 0.80 コンクリート工学年次論文集,Vol.35,No.1,2013また,W/B29%のコンクリート調合ではシリカフューム を 5%混入して適用した。 一方, 打設温度は初期のセメント水和反応に直接的 な影響を及ぼす。そこで,打設温度の影響を検討するた め,練混ぜ直後にコンクリートの目標温度を 25±1℃及 び 35±1℃に設定した。なお,本研究では調合条件及び 打設温度による凝結時間を ASTM C 403『Standard Test Method for Time of Setting of Concrete Mixtures by Pe netration Resistance』に準して評価し,初期の断熱温度上 昇曲線との相関性を分析した。 2.2 コンクリートの調合及び使用材料 表-2 にコンクリートの調合を示す。すべてのコンク リート試験体は単位水量を 160kg/m3で設定し,W/B と混 和材種類及び置換率によって調合を決めた。 また,表-3 は使用材料の種類及び特性を示したもの であり,本研究の主要変数としてセメントには普通ポル トランドセメントを用いた。 2.3 断熱温度上昇試験方法 コンクリートの打設温度を満足するための使用材料 の温度は式(2)に準じて計算した。 なお,セメント及び混和材は高温による化学的変化の 影響を受けるため,目標打設温度は骨材及び練混ぜ水の みを対象とした。 目標打設温度で練り混ぜたコンクリートは,図-2 に 示す 50ℓの断熱温度上昇試験装置内の容器に移して,試 験体の中央部に熱電対を挿入後,10 分毎に材齢 2 日まで 温度を測定した。 3. 実験結果及び考察 3.1 コンクリートの断熱温度 図-3 及び図-4 は,結合材量と打設温度に対する試 験装置内部のコンクリートの断熱温度履歴を示したも のである。すべての試験体の断熱温度は打設後 2 日以内 に最高温度を記録後,定常状態となった。Wb29-OPC の 試験体を基準とした場合,W/B と混和材の置換率が増加 するに従い,温度勾配と最高温度ともに減少した。また, コンクリートの打設温度 35±1℃は 25±1℃に比べて, 最高温度は約 6~10℃上昇し,温度勾配も大きくなる傾向 が見られた。 表-3 使用材料の種類と特性 種 類 物理·化学的性質 セメント 普通ポルトランドセメント 密度: 3.15g/cm3 , 粉末度: 3,770cm2/g 細骨材 海砂, 密度 : 2.54g/cm 3 F.M. : 3.05, 吸水率: 1.01% 粗骨材 砕石, 密度 : 2.65g/cm 3 F.M. : 6.02, 吸水率: 1.39% シリカフューム 密度:2.50g/cm3 , 粉末度:200,000cm2/g フライアッシュ 密度:2.20g/cm3 , 粉末度:3,000cm2/g 高炉スラグ 微粉末 密度:2.91g/cm 3 , 粉末度:4,000cm2/g 高性能減水剤 ポリカルボン酸系 wa w c a wa a w w c c a a
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(2) ここに, Ta: Tc: Tw: Wa: Wc: Wa: Wwa: 骨材の温度(℃) セメントの温度(℃) 水の温度(℃) 骨材の乾燥重量(kg) セメントの重量(kg) 水の重量(kg) 骨材の吸収量(kg) 図-2 断熱温度上昇試験装置(50ℓ) 材齢 (日) 1.0 10 1.5 2.0 0.5 0.0 0 20 30 40 50 60 70 80 90 断 熱温度 (℃) WB29-OPC (78.7℃) WB34-OPC (75.8℃) 試験体名 最高温度 WB40-OPC (68.6℃) 打設温度 25±1℃ (a) 打設温度 25℃ 材齢 (日) 1.0 10 1.5 2.0 0.5 0.0 0 20 30 40 50 60 70 80 90 断熱温度 (℃ ) WB29-OPC (89.1℃) WB34-OPC (83.5℃) WB40-OPC (75.5℃) 試験体名 最高温度 打設温度 35±1℃ (b) 打設温度 35℃ 図-3 単位セメント量及び打設温度に対する 試験装置内部のコンクリート温度履歴図-5 にコンクリートの打設温度ごとのセメント量と 最高温度との関係を示す。打設温度に係わらず,セメン ト量が多いほどコンクリート内の最高温度も増加し,両 者は直線的な関係を示した。 図-6 にコンクリートの打設温度差と最高温度差との 関係を示す。コンクリートの打設温度 9~11℃の上昇に対 して,試験体の最高温度は 6~10℃上昇した。しかし,コ ンクリートの打設温度差と最高温度差は比例関係では なく,最高温度差が低くなる傾向を示した。この現象に ついて,打設温度が高いほど,初期の水和反応が活性化 して温度上昇速度は速くなるが,一方でセメント粒子周 りの結晶が早期に成長することによって,セメント粒子 内の水和を阻害するために温度上昇量は低くなると推 察される2)。 本研究においては温度上昇率を温度曲線上での各時 刻における勾配と定義し,温度上昇率の最大値とその時 材齢 (日) 1.0 10 1.5 2.0 0.5 0.0 0 20 30 40 50 60 70 80 90 断熱温 度 (℃) WB29-OPC (78.7℃) WB29-F20 (71.1℃) WB29-S70 (53.5℃) WB29-S40 (68.5℃) WB29-F35 (69.1℃) 打設温度 25±1℃ 試験体名 最高温度 材齢 (日) 1.0 10 1.5 2.0 0.5 0.0 0 20 30 40 50 60 70 80 90 断熱温 度 (℃) WB29 -OPC (89.1℃) WB29-S70 (60.5℃) WB29-F20 (81.7℃) WB29-F35 (76.2℃) WB29-S40 (74.7℃) 試験体名 最高温度 打設温度 35±1℃ (a) 打設温度 25℃ (b) 打設温度 35℃ 図-4 混和材の混入及び打設温度に対する試験装置内部のコンクリート温度履歴 y = 0.0734x + 51.104 R2 = 0.9941 y = 0.0642x + 46.215 R2 = 0.9632 0 100 200 300 400 500 600 セメント量 (kg/m3) 打設温度 35℃ 打設温度 25℃ y = 0.0666x + 54.138 R2 = 1 y = 0.0506x + 51.53 R2 = 0.9435 0 100 200 300 400 500 600 セメント量 (kg/m3) 打設温度 35℃ 打設温度 25℃ y = 0.1098x + 31.618 R2 = 0.9995 y = 0.0825x + 35.955 R2 = 0.9743 0 20 40 60 80 100 0 100 200 300 400 500 600 セメント量 (kg/m3) 最高 温度 ( ℃ ) 打設温度 35℃ 打設温度 25℃ (a) W/B の影響 (b) フライアッシュ置換率の影響 (c) 高炉スラグ微粉末置換率の影響 図-5 セメント量と最高温度との関係 5 6 7 8 9 10 11 12 5 6 7 8 9 10 11 12 打設温度差( ℃) 最高温度差( ℃ ) 材齢 水和 温 度 最高温度差 打設温度差 0 0 y = 730.65x-1.9178 R2 = 0.8213 0 5 10 15 20 0 5 10 15 20 25 材齢 (hr) 最大 温度上 昇率 ( ℃/ h r) y = 730x-1.92 R2= 0.83 材齢 温 度上 昇率 打設温度 25℃ 打設温度 35℃ 図-6 打設温度差と最高温度差との関係 図-7 調合及び打設温度による最大温度上昇率
の材齢(時間)との関係を図-7 に示した。コンクリートの 打設温度が高く,かつセメント量が多いほど,最大温度 上昇率は増加し,温度上昇率が最大となる時間は早くな る傾向を示した。この結果により,最大温度上昇率と時 間との関係は初期の水和反応を促進させる評価尺度と して利用でき,両者は高い相関性があると判断された。 3.2 断熱温度上昇特性 図-8 に WB40-OPC,WB29-OPC 及び WB29-S40 におけ る打設温度に対する断熱温度上昇履歴を示す。また,表 -4 に調合及び打設温度に対する最大断熱温度上昇量を 示す。コンクリートの同一調合条件において,材齢1日 までは打設温度 35±1℃の断熱温度上昇量が高くなった。 しかし,材齢の経過とともに,打設温度 25±1℃におけ る試験体の断熱温度上昇量が,打設温度 35±1℃の試験 体の上昇を上回った。これは前述の通り,コンクリート の打設温度を上昇させることで,セメント粒子の水和反 応が促進されたと考えられる。 また,W/B と混和材の置換率が高いほど断熱温度上昇 量は減少した。 3.3 断熱温度上昇式の検討とモデル定数の分析 (1) 断熱温度上昇曲線の検討 本研究の範囲で,断熱温度上昇履歴の過程を考察する と,図-9 のように 3 区間に分類することができる。 ま た,本研究では断熱温度上昇履歴の挙動を考察するため に,既往の研究2) ,3)で用いられている式(3)を用い,式中 の定数 K,r,及び t0を導出した。
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(3) ここに,Q: K: r: t: to: 材齢 t で断熱温度上昇量(℃) 最終の断熱温度上昇量(℃) 温度上昇速度(℃/hr) 材齢(日) 発熱が始まる時点(日) (to以前の Q 値は 0 にする) 図-9 より,区間Ⅰは水和発熱が殆どない区間であり, 一般的に水和発熱の観点からは影響は小さい。区間Ⅱは 断熱温度が急激に上昇する区間であり,本研究で使用し た式(3)の断熱温度上昇式の温度上昇速度(r)で表現され, セメントの水和速度とも相関性がある区間である。また, 区間Ⅲは最大断熱温度上昇が維持される区間として,式 (3)の断熱温度上昇式では最終の断熱温度上昇量(K)と密 接な関係がある。 断熱 温度 (℃ ) 10 0 20 30 40 50 60 材齢 (日) 1.0 1.5 2.0 0.5 0.0 材齢 (日) 1.0 1.5 2.0 0.5 材齢 (日) 1.0 1.5 2.0 0.5 打設温度25℃ 打設温度35℃ 打設温度 35℃ 打設温度 25℃ 打設温度25℃ 打設温度35℃ 43.1 ℃ 41.5 ℃ 53.9 ℃ 54.1 ℃ 40.0 ℃ 44.6 ℃(a) WB40-OPC (b) WB29-OPC (c) WB29-S40 図-8 打設温度に対する断熱温度上昇履歴 表-4 調合及び打設温度による最大断熱温度上昇量 W/B 40% W/B 34% W/B 29% 打設 温度
OPC OPC OPC F20 F35 S40 S70 25 43.1 50.7 54.1 46.2 43.8 44.6 29.3 35 41.5 49.3 53.9 45.6 41.2 40.0 26.2 0 10 20 30 40 50 60 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 材齢(日) 温度 (℃ ) 実験結果 提案式 Ⅰ区間 Ⅱ区間 Ⅲ区間 WB40-OPC WB29-OPC 図-9 断熱温度上昇量のパターン分析 及び評価式との比較
(2) 断熱温度上昇量 K の検討 図-10 はセメント量及び打設温度による断熱温度上 昇量を示したものである。セメント量が多く,かつ打設 温度が低いほど,断熱温度上昇量は高くなる傾向を示し た。また,セメント量 400kg/m3以上の結果を比較すると, 打設温度による断熱温度上昇量の差が 0.2~1.6℃と小さ かった。フライアッシュおよび高炉スラグ微粉末にて置 換した場合のセメント量 400kg/m3以下の結果は,その差 が 2.6~4.6℃と大きくなった。 一般的に断熱温度上昇量 K は単位結合材量に比例して 増加すると報告 3)されている。しかし,本研究で実施し た単位水量を 160kg/m3に統一した条件の範囲では,混和 材を除いたセメント量に比例して断熱温度上昇量が増 加した。 (3) 温度上昇速度 r の検討 図-11 にセメント量及び打設温度による温度上昇速 度を示した。WB29-OPC の試験体を基準とした場合,W/B 及び混和材の混入が増加するに従い,温度上昇速度は減 少する傾向が見られた。 また,コンクリートの打設温度 35℃の温度上昇速度は, 打設温度 25℃に比べて 30~55%高くなった。温度上昇速 度は初期の打設温度による影響が大きいことが分かっ た。特に高炉スラグ微粉末を混入したコンクリートの場 合は,他の結合材の条件に比べて打設温度上昇による温 度上昇速度が非常に高くなった。これは高炉スラグ微粉 末の温度依存性による材料的特性が起因すると推察さ れた4)。 本研究の範囲では,温度上昇速度 r も 断熱温度上昇量 K と同様,調合条件のセメント量に対し比例的に増加し た。また,セメント量から求めた 1 次式は高い相関関係 を示した。 (4) 発熱が開始する時点 t0の検討 図-12 はセメント量及び打設温度による発熱が始ま る時点 t0の結果を示したものである。断熱温度上昇履歴 を考慮して設定した t0の値は,コンクリートの打設温度 が高いほど小さくなった。また,セメント量が多いほど, t0の値は小さくなり,打設温度差による t0の差も小さく なった。 図-13 に調合及び打設温度に対する凝結時間を示し た。全般的にコンクリートのセメント量が少なく,混和 0 100 200 300 400 500 600 セメント量 (kg/m3) 0 100 200 300 400 500 600 セメント量 (kg/m3) 0 10 20 30 40 50 60 0 100 200 300 400 500 600 セメント量 (kg/m3) 断熱温度上 昇量 (℃ ) 打設温度 25℃ 打設温度 35℃ y =0.09x + 7.7 R2= 0.98 y =0.07x + 17.5 R2= 0.95 y =0.05x + 25.2 R2= 0.98 y =0.07x + 18.8 R2= 0.99 y =0.06 x + 22.4 R2= 0.95 y =0.07 x + 17.1 R2= 0.99 <調合条件> ①W/B:29~40% ②単位セメント量:400~524 kg/m3 ③単位水量:160 kg/m3 <調合条件> ①W/B:29% ②フライアッシュの置換率 :0~35% ③単位水量:160 kg/m3 <調合条件> ①W/B:29% ②高炉スラグの置換率 :0~70% ③単位水量:160 kg/m3 (a) W/B の影響 (b) フライアッシュ置換率の影響 (c) 高炉スラグ微粉末置換率の影響 図-10 セメント量及び打設温度による断熱温度上昇量 0 100 200 300 400 500 600 セメント量 (kg/m3) 0 100 200 300 400 500 600 セメント量 (kg/m3) 0 1 2 3 4 5 6 7 8 0 100 200 300 400 500 600 セメント量 (kg/m3) 温度上昇速度 (℃/ h r) 打設温度 25℃ 打設温度 35℃ y =0.011x + 0.81 R2= 0.95 y =0.009x + 0.06 R2= 0.95 y =0.011x + 0.58 R2= 0.94 y =0.005x + 2.02 R2= 0.99 y =0.003x + 4.82 R2= 0.99 y =0.003x + 3.82 R2= 0.93 <調合条件> ①W/B:29~40% ②単位セメント量:400~524 kg/m3 ③単位水量:160 kg/m3 <調合条件> ①W/B:29% ②フライアッシュの置換率 :0~35% ③単位水量:160 kg/m3 <調合条件> ①W/B:29% ②高炉スラグの置換率 :0~70% ③単位水量:160 kg/m3 (a) W/B の影響 (b) フライアッシュ置換率の影響 (c) 高炉スラグ微粉末置換率の影響 図-11 セメント量及び打設温度による温度上昇速度
材の置換率が高く,そして打設温度が低いほど,初結時 間と終結時間が遅延された。 図-14 にコンクリートの凝結時間と提案式の t0を比 較した結果を示した。本実験の範囲において提案式(3) で提示した水和発熱が始まる時点 t0は,コンクリートの 調合及び打設温度による終結時間と非常に高い相関性 を示した。これらの結果より,コンクリートの断熱温度 上昇特性に関して,打設直後の水和発熱が殆どない区間 は,終結時間を中心に分析されることができると判断さ れる。今後もさまざまな条件で,凝結時間と t0との相関 関係を高めたデータを蓄積することにより,発熱挙動の 領域区分及び分析に活用ができると考えられる。 4. まとめ 本研究では,セメント量及び打設温度によるコンクリ ートの断熱温度上昇特性を定量的に示した。その結果を 要約すると以下の通りである。 (1) 単位水量または結合材量を一定に設定した条件で, コンクリートの単位結合材量のうち混和材を除いた セメント量と最大温度,断熱温度上昇量(K)及び温度 上昇速度(r)は非常に高い相関性が得られた。これよ り,断熱温度上昇挙動に対してセメント量が評価尺 度として活用できると判断される。 (2) 本研究の範囲では,断熱温度上昇履歴を①発熱が始 まる時点,②温度が急激に上昇する区間,③温度が 定常状態となる区間の 3 種類に区分して分析した。 この中で,発熱が始まる時点 t0はコンクリートの終 結時間と等しく設定することができると判断される。 (3) 打設温度は凝結時間と水和発熱の開始時間を促進し, 温度上昇速度を増加させるなど断熱温度上昇履歴に 直接影響を及ぼす。しかし,打設温度の影響はコン クリートの断熱温度上昇量に対して小さかった。 謝辞 本論文は教育科学技術部と韓国研究財団の地域革新 人力養成事業(2012H1B8A2025606)の支援を受けて遂行 された研究であり,研究者の一部は DAEWOO 建設技術 研究院の支援を受けました。 参考文献
1) Korea Concrete Institute, Standard Concrete Specifica tion-Chapter 18 Mass Concrete, Seoul, Korea, 2009, pp. 202-216 2) 塚山隆一,マッシブな鉄筋コンクリートの温度上昇 ならびに温度ひび割れに関する,東大学位論文,19 74.3. 3) 日本コンクリート工学協会,マスコンクリートの温 度応力研究委員会報告書,1985.11. 4) Kim,S.C.,Kang,S.C.,Kim,J.K.,Evaluation of Thermal Characteristics in Association with Cement Types in Massive Concrete Structure,Korea Concrete Institute,Vol.11,No6,1999.12. 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0 100 200 300 400 500 600 セメント量 (kg/m3) 発熱 が始ま る 時 点 ( t o , 日 ) 打設温度 25℃ 打設温度 35℃ y = -0.31Ln(x) + 2.19 R2= 0.93 y = -0.09Ln(x) + 0.80 R2= 0.87 図-12 セメント量及び打設温度による 発熱が始まる材齢 t0 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 25 35 25 35 25 35 25 35 25 35 25 35 25 35 凝結 時間 (h r) 終結時間 初結時間 凝結 時間 (h r) 打設温度(℃): 試験体名 : WB40 -OPC WB34 -OPC WB29 -OPC WB29 -F20 WB29 -F35 WB29 -S40 WB29 -S70 図-13 調合及び打設温度にる凝結時間 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 凝結時間 (日) 発熱 が始ま る 時 点 (to , 日 ) 初結時間 終結時間 y = 1.4x + 0.01 R2= 0.68 y = 0.9x + 0.04 R2= 0.91 図-14 凝結時間及び toとの相関関係