お口の
渇き
、気になりませんか?
北川善政 北海道大学大学院歯学研究科 口腔診断内科学教室(旧第1口腔外科) [email protected] ホテルオークラ札幌 2013.10.25 北海道大学病院 歯科診療センター 新棟竣工記念講演会 お口の悩み 解決人が生きている証は?
咀嚼 重要機能
嚥下
発音: しゃべる
呼吸: 息を吸う
審美性 「顔という場」
人間の存在の根幹:尊厳
QOLに直結する領域
如何にしてQOLを低下させないか?
食べる
生物として社会的存在として生きるために 基本的な機能である
噛むことで脳が活性
prefrontal area: 前頭前野
集中力、意欲、共感力、切り替え力 → 認知症が治る ガムを噛むことで、眠気が消える海馬
(
記憶
を司る)
血流が増加
歯が健康な高齢者は元気
片足立ち40秒以上の 高齢者の割合と歯数
• 歯の数が多い高齢者は
身体能力
が高い
よく噛むことの意義
昔から知られていたこと 1.食べ物の消化、吸収を高める 2.食べ物の味がわかる 3.顎や顔の発育を促進 4.唾液の分泌を促進 5.口の中をきれいにする 噛めよ 噛めよ よく噛めよ 噛めば体が強くなるよく噛むことの意義
近年になってわかってきたこと 1.肥満の防止(少ない食事量で満腹感) 2.精神状態の安定 ストレスの緩和 3.脳の血流量を増加 4.認知症の予防、改善 前頭前野、海馬の活性化 よく噛まないことで これらの機能が阻害される静岡市歯科医師会8020コンクール表彰者 80歳 女性
歯の数と医科診療費との関連
北海道国保連合会(平成19年5月) 75歳以上の高齢者 高齢者では歯が多い ほど元気 • 全身の健康 • 医療費の抑制 北大で安心で安全な 歯科医療
患者さんのお口の訴え
「口内炎ができちゃいました」
「口内炎がなかなか治りません」
「口が乾く」「口の中がねばねばする」
「舌がヒリヒリする」
「口の中が苦い、酸っぱい」
「
舌の色がまっ赤になっています
」
「
食べ物の味が昔とちがってきました
」
「粘膜が白くなっています」
「歯ぐきが腫れてきました」
再発性アフタ ベーチェット病 口腔カンジダ症一般の人にとって唾液=不浄なものである
唾液に関することわざ 「天にツバする」 「ツバをつける」 「唾棄すべき」 「眉にツバをつける」 「虫唾がはしる」 「ツバもひっかけない」 あまり気色がよくない 汚い 臭い 気持ち悪いの3Kしかし、・・・・
唾液のおかげで ・素敵な会話 ・食べ物の味わい ・咀嚼、嚥下できる 唾液は、口腔内の環境を 維持増進していく上で 不可欠なもの しかし、私達はそれを ほとんど意識しない口腔乾燥症
ドライマウス
口腔内水分の
循環障害
口腔内の砂漠
化
800万人〜
3000万人
う蝕、歯周病 カンジダ症 摂食嚥下障害 味覚異常 口臭 言語障害 上部消化管異常 粘膜疾患 舌痛症 異常乾燥感 義歯不適合
口腔乾燥
口腔乾燥に起因する病態
「口が渇く」 「ネバネバする」 ↓ 様々な病気につながる!唾 液
1.1.0~1.5 ℓ/日 2.日中は増加 3. 睡眠中は極端に減少 4.食事中、空腹時 → 分泌が増加 5.ストレス → 分泌が減少お口の渇き
飲むだけで
• 老化を防ぐ
• 外敵から身を守る
命の渇き
69歳男性
「口が渇く」
「舌がヒリヒリ」
ドライマウスを主症状
既往歴:不整脈、陳旧性心筋梗塞、狭心症、喘息。9 年前より薬剤内服中(初診時9種類)。 現病歴:2009年1月頃より口腔乾燥を自覚していた 。病院歯科受診し人工唾液処方されるも症状が改善せ ず当科初診した。舌のヒリヒリ感は安静時に強く、食 事中は軽減するとのこと。1-2前より味覚低下があり 、口内がネバネバして不快感を感じている 脱水による口腔乾燥 ⬇ 水分補給 保湿ケア不快症状が
治った!
北海道新聞掲載
2010年1月11日
「味覚異常は亜鉛欠乏
だけではない」
「味覚異常は歯科医師
が担当」
0 20 40 60 80 100 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 (人)
新
患
数
(人
)
味覚異常患者の年度別頻度
(口腔内科新患) 新患の 4%糸状乳頭 茸状乳頭
乳頭の萎縮 舌苔
「何もしゃべれない」
「食べられない」
悪性リンパ腫の患者さん
(57歳男性)
・
たった3か月で
• 口が
カラカラ
• むし歯
になった
悪性リンパ腫
保湿ケア
口腔ケア1週
合併症なく治療の アドヒアンス向上咀嚼、会話が可能
食べる
↓
生きる活力=闘う気力
↓
病気を克服
味覚異常を主症状とした症例
患者:72歳、男性 既往歴:糖尿病(コントロール良好)、高脂血症、逆 流性食道炎。ロコール®、パリエット® 現病歴:2か月前より「食べる物の味がしなくなって きた」と訴えたため、内科より当科紹介 現症:舌が赤い、舌乳頭の萎縮「ご飯の味がしない」
症例4 検査結果
患者:
65歳女性
【現病歴】 近歯科医院:2009年12月、歯の処置後、 歯が気になり、口内の塩味を自覚した。 近耳鼻科:同年12月、口内の塩味を主訴に受診。 血液検査・エックス線検査施行し、異常なし。 同歯科医院にて歯を抜歯するも、塩味が改善せず、紹 介にて同月当科初診。 【既往歴】高血圧、糖尿病(
HbA1c 5.8)
常用薬:糖尿病薬、ビタミン製剤、高脂血症薬「口の中が塩味がして
気持ち悪い!」
10mg 1mg メイラックス パキシル 味 覚 の V AS 【症例65F】 口の不快症状 「口内の塩味」が 治った! 心理テスト ⬇ うつ傾向
北海道新聞 2008.11.30朝刊掲載
口腔カンジダ症
口腔カンジダ症が増 えている。 薬剤性、口腔乾燥、 義歯が関与。口腔カンジダ症の症状
・舌にピリピリした痛みがある
・飲食時に口内がしみる
・味覚異常(苦味)
・口内が荒れる
・口角が切れている
・舌が赤く腫れている
・口の中に白い斑点ができている
・口内の違和感
特に、熱い物、刺激物
・口の中が乾く
「粘膜が白くなっています」
・白いカンジダ ・摩擦で除去できる 偽膜性カンジダ症 2週間前から肺炎と喘息 で抗菌剤とステロイド剤赤い
カンジダ症
萎縮性カンジダ:義歯性口内炎 義歯床下の粘膜全体の紅斑と発赤 「入れ歯の下が赤い、ヒリヒリ痛い」 「口角炎が治らない」 「口の中がひりひりして痛いです」 治らない口角炎は カンジダ症 カンジダ菌 既往歴:膀胱炎の治療薬、降圧薬含め7種の内 服薬を常用。 現病歴:9か月前より舌の食事中の痛みが発症 。近医耳鼻科で漢方薬等の投薬処置がなされ たが軽快傾向なかった。徐々に食べられなくな り体重が減少してきた。
84歳、女性
「舌が痛い」
「口が渇く」
ミコナゾールゲル(フロリードゲル®) 口腔内および義歯粘膜面にも塗布 「舌がピリピ リ」 「口も渇く」 「痛みとれた」 「口も渇かなくなった」
舌痛症
「舌の表面に
痛み
や
異常感
を訴
えるがそれに見合うだけの病変
が認められないもの」
1. 朝よりも午後、
夕方
が痛みが強い
2. 食事中は痛くない
3. 歯科治療
を契機に発症
4. 舌ガンを心配
5. 心理社会的背景➡
家庭や人間関係
北大病院 ・脳ミソのガス欠 ・電気の配線のミス67歳、女性、主婦 「舌がピリピリ」 「味覚も鈍くなった」 舌全体に舌苔が少量 摂食時には痛みを感じない。 歯肉と口唇にも痛み 水分をとると疼痛が改善 「身内に舌癌の人がいて心配」
薬の治療で
ピリピリ感と
味覚障害が治った!
脳内のセロトニンを増加ドライマウスとストレス
・最近、20~30歳代の若い人達に、 唾液の分泌量が激減が多発 ・ほとんどの場合、唾液腺自体には異常がない ・過度のストレスによる、自律神経の失調が原因 → 自律神経のバランスが崩れ、交感神経から 副交感神経への“切り替え”がうまくいかない → 本来一時的なはずの口の渇きが慢性化 不況が一番の原因(?)大唾液腺と小唾液腺
大唾液腺のマッサージ
小唾液腺のマッサージ
粘膜保湿剤
リキッドタイプ
ジェルタイプ
1. 粘膜表面をきれいにする 2. 粘膜表面を濡らす