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航空機エンジンの衝突に対する金属キャスクの閉じ込め性能評価

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Academic year: 2021

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(1)主要な研究成果. 航空機エンジンの衝突に対する金属キャスク の閉じ込め性能評価 背 景 重要な原子力施設のシビアアクシデントに関する評価として、欧米では民間航空機衝突に対する安全性評価 が実施されている。しかしながら、設定条件や評価方法が非公開となっており、その安全性評価の詳細を把握 することが困難である。一方、我が国においても使用済燃料貯蔵施設に関するシビアアクシデントとして、安 全設計要件を上回る民間航空機衝突が想定されており、貯蔵施設内に貯蔵される金属キャスク(使用済燃料を 収納するための金属製の乾式容器で、直径約 2.5m ×高さ約 6m ×質量約 120ton :図 1)の閉じ込め性能への影 響を科学的に明らかにする必要がある。. 目 的 貯蔵施設への民間航空機の衝突により、航空機エンジンが施設内に侵入し、金属キャスク上面に垂直方向か ら衝突した場合を想定し、衝撃荷重を受ける金属キャスク密封部(金属ガスケット)の挙動を試験および解析 により明らかにし、シビアアクシデントに対する金属キャスクの閉じ込め性能を評価する。. 主な成果 1.実物大蓋部モデルを用いた高速飛来物垂直衝突試験 本試験装置では、飛来物内部に充填した推進薬により、飛来物が被衝突体に誘導するランチャー上を加速 しながら進み、所定の速度で被衝突体に衝突する仕組みとなっている。垂直衝突試験(図 2)では、航空機 エンジンを 2/5 に縮尺した飛来物(直径 50cm、質量 300kg)を用いて、横向きに設置された実物大蓋部モデ ル(蓋構造は実機と同様に一次蓋と二次蓋からなる二重蓋構造で蓋間にヘリウムガスを充填・高さ方向縮尺 率 1/3)に対し、鉛直方向から二次蓋中央部に速度 66m/sec で衝突させ、衝撃荷重を載荷した。 (1)一次蓋や二次蓋の蓋締付ボルトや密封境界面に塑性変形は発生していない。 (2)二次蓋の漏えい率については、衝突直後に発生する口開き変位により検知レベル 1.0 × 10−3 Pa・m3/sec を超える漏えいが発生したものの、衝突荷重の載荷終了後は口開き変位が初期の値に復元したため、漏 えい率は 1 × 10−6 Pa・m3/sec以下の値を保持する結果となった。なお、瞬間的な二次蓋からの漏えいに より、軽微な蓋間の圧力変化(初期値 305kPa から 10kPa の低下)が発生した。 (3)一次蓋ガスケット部の漏えい率は、衝突後も 1.0 × 10−7 Pa・m3/sec オーダーの値を保持しており、金属 キャスク内部の負圧が直ちに損なわれることはない(図 2)。 2.実機金属キャスクの密封性能の数値解析評価 1.で実施した衝撃試験に対し、解析コード LS-DYNA を用いた衝撃解析を行い、蓋部の横ずれや口開き変 位、蓋締付けボルトの軸力等の再現性を確認し、数値解析手法による閉じ込め性能評価手法の妥当性を確認 した(図 3)。 本研究は、経済産業省 原子力安全・保安院からの受託研究として実施したものである。 主担当者 関連報告書. 地球工学研究所 バックエンド研究センター 上席研究員 白井 孝治 「航空機衝突時の使用済燃料貯蔵施設の耐衝撃性評価─衝撃荷重を受ける金属キャスクの密 封性能に関する数値解析的評価─」電力中央研究所報告: N07040(2008 年) 「航空機衝突時の使用済燃料貯蔵施設の耐衝撃性評価(その 2)─縮尺金属キャスクを用い た高速飛来物水平衝突試験─」電力中央研究所報告: N08079(2009 年). 90.

(2) 5.原子力発電/リサイクル燃料の輸送・貯蔵. キャスク蓋上面. 飛来物. (金属キャスクの密封部). (垂直衝突試験の概要). (金属ガスケットの構造) キャスク胴体部と蓋部の間には金属ガスケット を設置し、金属ガスケットを挟み込むことで内 部に密封空間を構築する。 図1 金属キャスクの概要. (一次蓋ガスケットで測定された漏えい率) 飛来物を実物大蓋部モデルに垂直方向から衝突させ、 キャスクの蓋や本体各部の変位量、ならびに蓋間圧力 や密封部金属ガスケットの漏えい率の測定を行った。 図2 高速飛来物垂直衝突試験. 二次蓋の口開き変位 (mm). 0.25. 実験結果 解析結果. 0.20 0.15 0.10 0.05 0.00. -0.05 0. 5. 10 15 時 間 (msec). 20. (二次蓋口開き変位の解析結果と試験値の比較). (解析モデル). 解析コードLS-DYNAを用いた金属ガスケット密封境界部に対する閉じ込め性能評価については、 ・モデル化の容易な金属材料を除くコンクリートや樹脂材料等について検証された物性モデルを使用すること。 ・蓋部構造および本体との取り合い条件(ギャップ等)を忠実にモデル化すること。 ・蓋ボルトの初期応力を考慮し、応力変動を評価できる要素あるいはモデルを適用すること。 等に留意することにより、密封部の衝撃応答(変形状態や漏えい発生の有無)を再現できることを確認した。 図3 実機金属キャスクの閉じ込め性能の数値解析評価. 91. 5.

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