「やさしい日本語」に関する一考察
―「やさしい日本語」を用いたガイドブック作成を中心に―
元 木 佳 江
第 1 節 近年、日本を訪れる外国人旅行者は増加の傾向にある。政府は観光庁を中心に外国人旅行 者を増やし日本の魅力を発信するためインバウンド政策を実施している。その一つとして、 「未来を支える観光ビジョン」を策定した(注 1)。観光客目線での文化財の「理解促進」や「活 用」については、わかりやすい多言語解説に関する事業も盛り込まれている。多くの外国人 旅行者を受け入れるにあたって、日本人と外国人の間のコミュニケーションは重要な課題の 一つである。国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、総務省のユビキタスネットワー ク社会の実現に向けた政策(注 2)のもと、多言語音声翻訳システム『VoiceTra』の開発を行っ た。また、東京都オリンピック・パラリンピック準備局には多言語対応協議会が設置され、 訪日外国人に対する多言語対応について検討している。この多言語対応の一つに「やさしい 日本語」がある。筆者は、日本人と外国人の間のコミュニケーションにおいて「やさしい日 本語」が重要な位置づけとなると考え、地域における「やさしい日本語」使用の可能性につ いて研究を行っている。本稿では、まず、「やさしい日本語」の普及に関してその役割と意 義を確認し、近年注目されつつある観光分野における「やさしい日本語」使用に関して、ガ イドブック作成を通して得た気付きを述べる。さらに、「やさしい日本語」が社会の中でど のように使われることが期待されるのかといった点について検討を行うものである。 第 2 節 研究の目的 本稿は、日本を観光で訪れる外国人に対する「やさしい日本語」を用いたガイドブック作 成を通して得た「やさしい日本語」使用に関する新たな知見を示すとともに、「やさしい日 本語」使用に期待されることについて検討することを目的とする。 第 3 節 「やさしい日本語」とは 1995 年 1 月の阪神・淡路大震災で、日本語も英語も十分に理解できず、必要な情報を受 け取ることができない外国人がいたことから、彼らが災害発生時に適切な行動がとれるようにと弘前大学人文学部社会言語学研究室と「やさしい日本語」研究会が中心となり「やさし い日本語」が考え出された。同研究会では、外国人にわかりやすいというだけではなく、情 報を提供する日本人にも使いやすいようにと「やさしい日本語」の開発を進めていった。そ の後、「やさしい日本語」は定住外国人を対象とした生活情報の提供や、学校や医療、行政 においても用語や文書の書き換えなどに用いられ(庵 2013、岩田 2013)、近年では訪日外国 人観光客をターゲットとした観光分野にもその使用が拡大している(吉開 2018)。本節では、 さまざまな分野で使用が拡大している「やさしい日本語」について概説する。 3.1 災害減災のための「やさしい日本語」 弘前大「やさしい日本語」研究チームは阪神・淡路大震災直後から実験・調査を繰り返し、 外国人被災者に確実に災害情報を伝えるための「やさしい日本語」を提案してきた。「減災 のための「やさしい日本語」」はあいまいさのない簡潔な言い方で、基本的に旧日本語能力 試験 3、4 級(新試験 N4、N5)(注 3)程度の 1,500 ∼ 2,000 語を用い、1 文の拍数は 24 拍程度、 1 文の情報量は 1 つとするなどの文作成ルールに基づき言い換えを行う(注 4)。こうすることで、 日本に住んで 1 年以上の外国人の 80%は行動を起こすことができるとしている(注 5)。「やさ しい日本語」の有効性が検証され現在に至るまで、地方自治体においても「やさしい日本語」 を用いた防災ガイドブック等が作成されている(注 6)。 3.2 地域社会における「やさしい日本語」 「やさしい日本語」の使用は、災害時のみならず平時においてもその活用が広がっていった。 弘前大「やさしい日本語」研究チームは、2017 年 3 月に『生活情報誌作成のための「やさ しい日本語」ガイドライン∼街の外国人に生活情報を伝えるために・カテゴリーⅡ∼』を刊 行した。カテゴリーⅡで扱う生活情報(注 7)に用いられる語は難易度が高いものが多く、2,000 語程度では表しきれない。そこで、カテゴリーⅡで扱う語彙は新試験の認定基準 N2 程度と し、1 文の拍数、漢字数、情報量、文構造についても災害時より基準を緩和し、「やさしい 日本語」カテゴリーⅡの文作成ルールを設定した(注 8)。今後、地域のイベントや法律相談、ペッ トに関わる情報などカテゴリーⅡに当てはまらなかった情報を扱う新たなカテゴリーが検討 されている。 外国人との共生社会を実現するには、言語の問題を無視することはできない。庵(2014)は、 「地域社会の共通言語が存在するとすれば、論理的に、それは「やさしい日本語」でしかあ りえないということになる(下線、原文ママ)」(p.3)として、共通言語としての「やさし い日本語」の可能性を示した。岩田(2010)は、共通言語として一番に取り上げられる英語 は、実は定住外国人にとっても地域住民にとっても扱いやすい言語ではないという結果を示 した。さらに、庵を代表とする「やさしい日本語」研究チームは、「やさしい日本語」は外 国人だけのものではないことを示し、外国人と日本人が日本語でやり取りするためには外国
人側に最低限の日本語習得を求める一方で、日本人側も相手に合わせて自らの日本語を調整 する訓練をする必要があると指摘している(注 9)。 3.3 「やさしい日本語」使用の拡大 近年、「やさしい日本語」は日本人と外国人の間のコミュニケーションツールとしての役 割だけにとどまらず、日本に居住する全ての人に対してディスコミュニケーションの解消を 目指す方向で研究が進められている。例えば、子どもや高齢者がわかるような表示や話し方 を工夫したり、知的障がい者やろう者に対するコミュニケーションとして活用したりするな ど、「やさしい日本語」の対象者も広がってきている。また、防災・減災から始まった「や さしい日本語」は、公文書や役所で使われる言葉や表現、医療や介護現場での使用言語、年 少者教育のツールとしてなど様々な場所でその使用が拡大している。 以上、「やさしい日本語」の使用についてその始まりから現在に至るまでを概観した。「や さしい日本語」の実効性は、外国人だけでなく小さい子どもや障がいのある人にも情報が伝 わりやすくなること、外国人にとっては生活に必要な最低限の表現を早く学習できること、 日本人も「やさしい日本語」が使えるよう訓練することで、だれでも素早く情報を発信でき るようになることがあげられる。このように、「やさしい日本語」の研究は、情報のバリア フリーという点においてユニバーサルコミュニケーションの手段として重要な役割を担って いることが窺える。 第 4 節 観光分野における「やさしい日本語」 共通語としての「やさしい日本語」は、観光分野においても新たな展開を見せている。本 節では、まず、訪日外国人に対する観光交流促進のために「やさしい日本語」でのおもてな しを実践している事例、訪日外国人受け入れに対する環境整備に関する調査報告、2020 東 京オリンピック・パラリンピックに向けた多言語対応について国や地域の動きを概観する。 次に、徳島県の実態に目を向け、地域における観光交流促進のための「やさしい日本語」の 可能性について考える。 4.1 「やさしい日本語ツーリズム研究会」の取り組み 「やさしい日本語ツーリズム研究会」(注 10)は、「やさしい日本語」を観光分野におけるコミュ ニケーションに転用し、自治体や観光・商業施設などに向けた新しい訪日観光客対応の提言 活動を行っていくことを目的に、観光で日本を訪れる外国人観光客に対し「やさしい日本語」 でおもてなしをするプロジェクトを推進している。このプロジェクトの目指すところは、日 本語が少しでも話せる外国人に対し日本語で会話をする機会を提供すると同時に、日本人に
対しては外国人との間のコミュニケーションの障壁を下げ、多言語で対応することの負担を 軽減することである。 電通と国際交流基金が共同で実施した調査(注 11)で、台湾・香港・韓国から日本に来る旅 行者の 3 人に 1 人はかなり高い確率で日本語を話せる人がいるということが示された。福岡 県柳川市では、日本語が理解できる台湾人観光客が多いことに注目し、内閣府の地方創生交 付金を受け 2016 年 8 月「やさしい日本語ツーリズム」事業を開始した。「やさしい日本語ツー リズム研究会」は、この柳川市の取り組みを全面的に支援してきた。「やさしい日本語で、 おもてなし」をするために、日本語で話したい外国人観光客は「やさしい日本語、お願いし ます」のバッジを付け、日本人は「やさしい日本語の、おもてなし」のバッジを付ける。ま た、事業の一環として観光事業者や一般市民向けにやさしい日本語研修や実践の場を提供し、 「やさしい日本語」が外国人との現実なコミュニケーションとして活用されるよう様々な取 り組みを行っている。最近では、観光分野における「やさしい日本語」は、コミュニケーショ ン領域だけでなく、文化財の紹介や翻訳においても注目されている。 「やさしい日本語ツーリズム研究会」の事務局を務める吉開章(株式会社電通)は、「観光 を通じた文化交流というアプローチは英語コンプレックスや多文化への無理解などから外国 人に距離を置いてきた大多数の日本人に、「自分自身のこと」として〈やさしい日本語〉を 捉えるきっかけになる(吉開(2018))」として、〈やさしい日本語〉普及の社会的意義につ いて言及している。 4.2 訪日外国人旅行者の受け入れ環境整備 観光庁による「訪日外国人旅行者の国内における受け入れ環境整備に関するアンケー ト」(注 12)(平成 28 年度調査結果)では、外国人観光客の 28.9%が旅行中に最も困ったこと として、「スタッフとのコミュニケーションが取れないこと」をあげている。次いで「無料 公衆無線 LAN 環境」28.7%、「多言語表示の少なさ、わかりにくさ(観光案内版、地図等)」 23.6%となっている。「施設等のスタッフとのコミュニケーション」で困った場所は、都市 部では「飲食・小売店」(21.5%)が最も多く、次いで「鉄道駅・ターミナル」(14.3%)、「城 郭・神社仏閣」(11.6%)となっている。また、都市部以外の地域では「城郭・神社仏閣」 のほうが「鉄道駅・ターミナル」を若干上回っており、訪日外国人に対する情報発信の表現 方法や手段について検討の必要性が示されている。 インバウンド政策、東京 2020 オリンピック・パラリンピック開催など今後日本を訪れる 外国人の増加が見込まれる中、多言語対応についての受け入れ環境の整備は急務である。 4.3 「多言語対応協議会」 2014 年 3 月、2020 年オリンピック・パラリンピック東京大会の開催に向け、国、関係地 方公共団体、民間の参画のもと、多言語対応を官民一体で推進するために「多言語対応協議
会」が設置された。東京都オリンピック・パラリンピック準備局は、この協議会の取り組み を「多言語対応協議会ポータルサイト」(注 13)で紹介し、多言語対応の推進を図っている。 この「多言語対応協議会」の「基本的な考え方」(注 14)は、外国人旅行者が円滑に移動し、 安心して快適に滞在できる都市環境の向上を目指すもので、対応言語の考え方としては、日 本語+英語およびピクトグラムによる対応を基本としている。この多言語対応の一つに「や さしい日本語」があげられている。 2017 年に開催された「多言語対応・ICT 化推進セミナー∼東京 2020 オリンピック・パラ リンピックに向けて∼」(注 15)で、庵功雄氏は「やさしい日本語を用いたわかりやすい情報 発信」をテーマに情報発信における「やさしい日本語」の可能性について論じている。受け 入れる日本人自身がどのような日本語を使うのかといった点を指摘し、地方自治体で「やさ しい日本語」に取り組むことの重要性を述べている。 2018 年 2 月に開かれた学習院女子大学主催「〈やさしい日本語〉と多文化共生」シンポジ ウムにおいても、やさしい日本語が求められる背景や自治体の取り組みなどについて報告や 提言が述べられ(注 16)、多文化共生社会におけるコミュニケーションツールとしての日本語 について議論が交わされた。このシンポジウムの内容は、多言語対応協議会ポータルサイト でも紹介されており、訪日外国人旅行者に向けても「やさしい日本語」が多言語対応の重要 な役割を担っていることが窺える。 4.4 徳島県における観光振興施策 日本政府が 2020 年までに訪日外国人観光客数 4,000 万人を目指す中、徳島県は訪日外国 人の訪問率、訪問数ともに全国最下位、外国人観光客宿泊数も 44 位(注 17)とインバウンド需 要の低さが目立つ。このような現状に対し、徳島県は「観光振興基本計画(第 2 期)」(注 18)で、 「外国人宿泊者数を平成 30 年までに、平成 25 年の約 32,000 人から 80,000 人以上にすること を目標」とし、外国人観光客の誘致に向けた政策を戦略的、積極的に推進する方針を示した。 徳島県を訪れる外国人の国籍は、韓国、台湾、香港からの観光客が約 4 割、中国を含める と 5 割以上を占める。つまり、平成 30 年に 80,000 人の宿泊客が訪れることになれば、これ ら 4 か国から約 4 万人の外国人観光客が徳島を訪れ、県内の宿泊施設を利用するということ になる。外国人がスタッフとのコミュニケーションに困った場所として宿泊施設は 3 位にあ げられていること(4.2)などを考えると、徳島県においても外国人観光客の受け入れ促進 に当たり言語面での対策が急がれる。 徳島県の地域性と、台湾・香港・韓国からの旅行者が多い(注 19)ことから考えると、「柳川 方式」(注 20)が示すように、観光を通じ地域住民と外国人が交流するために「やさしい日本語」 の使用を検討する意義は十分にある。そのためには、地域住民が「やさしい日本語」の存在 を知り、理解し、使えるようになることが求められる。しかし、インバウンド拡大に向けた
様々な政策の中で「やさしい日本語」に関する具体的取り組みは見られない。そこで、本稿 は、徳島県内の観光施設を対象とした「やさしい日本語」を用いたガイドブック作成を通し て、観光分野における「やさしい日本語」の可能性について論ずることを目的とする。 次節では、「やさしい日本語」を用いたガイドブック作成の試みについて述べる。 第 5 節 「やさしい日本語」を用いたガイドブック作成 第 4 節では、観光分野における「やさしい日本語」について概観し、徳島県における訪日 外国人受け入れと「やさしい日本語」の使用を検討する意義について述べた。本節では、徳 島県の観光における「やさしい日本語」の使用に焦点を当て、「やさしい日本語翻訳チーム」 によるガイドブック作成に関する試みを詳述する。 5.1 ガイドブック作成の目的と対象の設定 「やさしい日本語」を用いたガイドブック作成は、四国大学学術研究助成を受け「やさし い日本語ツーリズムに関する研究」の一環として実施した。研究の目的は、より多くの外国 人に徳島の魅力を発信するために、観光分野におけるやさしい日本語を用いた情報発信に関 する調査、研究を行うことである。研究の方法には、外国人の視点を重視することも盛り込 んだ。本研究の目指すところは、訪日外国人への日本語での情報発信による観光振興への貢 献であるが、その一方で、作業に取り組む留学生の地域理解や地域の人たちとの交流促進、 さらに日本語力の向上や日本語学習意欲の増進が副次的効果として表れることも期待した。 どの観光施設を対象としてガイドブックを作成するかについては、観光庁の訪日外国人に 関する調査報告や、徳島県国際交流協会のスタッフからの聞き取り調査などをもとに、訪日 外国人が興味関心を持ち、また、地域住民にとっても身近な場所を検討した。その結果、最 近特に外国人が増え、世界遺産登録に向けた取り組みが進められている「四国遍路」を対象 とすることにした。 5.2 ガイドブック作成行程 ガイドブック作成は、次のような 4 段階の行程で実施した。 5.2.1 現地調査 まず、遍路宿を提供している S 氏の紹介で、初めて四国遍路を体験する台湾人 H 氏に同 行し、S 氏の通訳を介しながら巡礼の出発地である第一番霊場霊山寺で準備から参拝までの 手順を観察した(2017 年 10 月 3 日)。独学で日本語を学習して来た H 氏は、「遍路をしなが 現地調査 「やさしい日本語」 翻訳チーム設置 資料収集 編集作業 試作版試用と修正
ら簡単な日本語が理解できるようになりたい」と期待を表した。 次に、留学生対象の日本文化体験プログラムで訪れた第二十三番霊場薬王寺で参拝の様子 を観察した後、参加した留学生に「わかりにくい表現」や「説明を必要とする表現」などに ついて聞き取り調査を行った(2017 年 10 月 28 日)。 これらの現地調査を踏まえ、次の段階ではガイドブックの目的や内容について検討するた めのチームを編成した。 5.2.2 「やさしい日本語」翻訳チームの設置 ガイドブックを「やさしい日本語」で書くために、「やさしい日本語」翻訳チーム(以下、 翻訳チーム)を設置した。メンバーは、留学生の日本語教育を担当する筆者(以下、日本語 教師)を代表に、日本語教師が勤務する大学の文学部交換留学生 3 名で編成した。メンバー 構成は中国人 2 名(女)、台湾人 1 名(男)で、出身国の大学で日本語を専攻し、N2 程度の 日本語力を有していた。3 名ともガイドブック作成に取りかかる 3 ヶ月ほど前に来日したば かりであったが、来日間もない外国人の視点がガイドブック作成に効果的に働くことを期待 した。 5.2.3 資料収集・編集作業 翻訳チームのメンバーで資料収集のため、第一番霊場霊山寺(2017 年 12 月 4 日と 2018 年 1 月 12 日に調査)と第二番霊場極楽寺(2018 年 1 月 12 日に調査)を訪れた。ガイドブッ クのタイトル、内容、作業分担、編集方法など翻訳チームで意見を出し合い進めていった。 ・タイトル 『やさしい日本語で四国遍路を体験したい外国人のための参拝作法』 ・ガイドブックの内容 ( )は作業分担者 ①ガイドブック作成の目的:日本語(日本語教師)、中国語(留学生)、英語(留学生) ②四国遍路とは(日本語教師) ③旅の<ミニ会話>全員 ④四国遍路の準備(留学生) ⑤参拝作法(留学生) 現地調査をした段階では遍路に必要な準備物と参拝作法を中心とした簡単な案内書をイ メージしていたが、翻訳チームで内容を検討していくうちに、①の「ガイドブック作成の目 的」と②の「四国遍路とは」の項目が加わった。③「旅の<ミニ会話>」には、現地調査の 協力者 S 氏と台湾人 H 氏から遍路の道中で使われる日本語表現を取り上げてほしいという 要望をもとに、「場所を尋ねる」、「トイレを借りる」、「宿坊に電話する」など遍路旅で最も 必要と思われる場面を選んで作成した。 5.2.4 ガイドブックの試用と修正 当初の研究計画ではガイドブックの試作版の作成までであったが、第 4 段階を追加し修正
の機会を設けた。ガイドブックの実効性を検証するため、翻訳チームは初級レベルの留学生 2 名(中国)を対象に第一番霊場霊山寺と第三番霊場金泉寺の 2 か所で参拝体験を行った(2018 年 2 月 1 日実施)。検証結果や体験後の自由記述アンケートの回答をもとに、ガイドブック の修正を行った。 5.3 ガイドブック作成の概要 5.3.1 目的 台湾、香港、中国、韓国を中心とした、簡単な日本語が理解できる外国人旅行者が四国遍 路を初めて回る際に、「やさしい日本語」を使った旅の案内書を読むことで日本語で理解し ながら旅を続けることができると同時に、言葉のバリアフリーを限りなく少なくし、旅を楽 しみ、日本への関心をより高められることを目的として、ガイドブックを作成することにし た。ガイドブックの冒頭に、日本語、中国語、英語の 3 か国語で目的を記載した。 5.3.2 「やさしい日本語」文作成基準の検討 まず、それぞれ割り当てられた項目について、個々の基準で「やさしい日本語」で文を書 き、その後、全体を通して「やさしい日本語」への変換基準について検討を行った。台湾、 香港、中国からの観光客が多いことを踏まえ、表記は漢字かな交じりを用い、漢語の使用、 漢字の積極的使用など全般的な統一を図った。参拝に関する特別な用語はそのまま用いたた め、可能な限り写真を挿入した。四国遍路や参拝方法の説明と旅の<ミニ会話>では内容や 表現の性質上、異なる基準を設定した。 ⑴ 四国遍路、参拝方法の説明に用いる「やさしい日本語」文 ①漢字かな交じり表記:漢字には振り仮名をつける ②漢語の使用 ③漢字の使用 ④参拝用語の言い換え:基本的には用語はそのまま用い、「やさしい日本語」で補足する 例)清める=きれいにする ⑤文体:説明は「丁寧体」、手順は「普通体」で記述 次に、ガイドブックの一部を転記する。 この冊子は、四国遍路に興味をもって、初めて回る人のために作りました。外国人旅 行者は年々増加しています。台湾、中国、韓国からの旅行者のうち、3 人に 1 人が日本語 が理解できるそうです。この人たちは、旅行中に日本語で話ができたら、もっと日本に 関心を持つでしょう。そこで、私たちは「やさしい日本語」を使って、旅の案内書を作 ることを考えました。今回は、四国遍路の「参拝の作法」について書きました。試作版 ですから、ぜひ感想をお聞かせください。
四国遍路についての説明(2 ページ) 参拝の準備(6 ページ) 参拝の作法(8 ページ) ■四国遍路とは 四国遍路は、弘法大師(空海)が修行で歩いたお寺を回ることです。 1200 年前に始まりました。お寺は全部で 88 あります。お寺を参拝したら、お札を納めます。 それで、88 のお寺を「札所」といいます。 お寺は1番の札所から回っても、88 番の札所から回ってもいいです。 5.納札 表:名前、住所、参拝年月日を書いてください。 裏:参拝の目的を書いてください。 注意:初めて書く時、年月日は「吉」日です。 ●手水舎 清める / きれいにする ①左手を清める/柄杓で左手を洗う ②右手を清める ③ 左 手に水を取り/入れ、口を漱ぐ 柄杓から直接水を飲まない ④柄杓の柄を清める/柄杓を立てにして、柄に水を流す ⑤柄杓をもとの位置に静かに戻す (表) (裏)
⑵ 旅の<ミニ会話>に用いる「やさしい日本語」文 ①日本語レベル N4、N5 程度の文法表現を用いる ②会話の部分は、分かち書きをする ③漢字かな交じりで、漢字にはフリガナを打つ ④英語と中国語で簡単な解説を入れる (4 ページ) 第 6 節 結果と考察 ガイドブック作成は、翻訳チームのメンバー構成が漢字圏の留学生であったことから、「や さしい日本語」の捉え方が日本語母語話者である日本語教師と留学生の間で異なる場合が見 られた。特に、5.3.2 で示した「⑴四国遍路、参拝方法の説明」の②漢語の使用と③漢字 の使用について日本語教師と留学生の間でいく度か議論が行われた。中でも意見がまとまら なかったのは「蝋燭」の表記で、中国人留学生は普段よく目にするカタカナあるいはひらが な表記を提案したが、台湾人留学生が漢字表記を主張したためガイドブックには「蝋燭」と して記載された。 簡単な日本語が理解できる漢字圏出身の外国人旅行者を主な対象としたため、翻訳チーム の留学生は「漢字表記のほうがわかる」として「やさしい日本語」の言い換えを行わないケー スもあった。弘前大学の「やさしい日本語」研究チームが「やさしい日本語」の有効性を検 証するために行った実験(注 21)で、漢字圏出身の外国人は表記の仕方によっては普通の日本 語よりも理解度が下がるということを指摘したが、「蝋燭」のようにひらがなあるいはカタ カナで表記される場合が多い言葉に関しては、この表記が好ましいか検討する必要がある。 また、参拝用語は言い換えずそのまま用いたが、どの程度まで「やさしい日本語」で説明 を補うべきであるかといった点についての議論はまだ十分とは言えない。文体は項目によっ て「丁寧体(敬体)」と「普通体(常体)」を使い分けたが、辞書を引く際は「辞書形」を用 いるため、巻末に用語集などがあればさらに利便性が高まると思われる。 ガイドブックの実効性を検証するために実施した参拝体験で、参加した留学生からは以下 の感想が送られてきた。 のどが渇いたとき(口渇時 ・When thirsty) ここの 水は 飲めますか? 近くに 自動販売機は ありますか? 近くに コンビニが ありますか?
初到日本,便被日本独特的寺院文化所吸引,对我所在四国地区的“四国遍路”产生了浓 厚的兴趣。所以在老师的带领下,使用了这本手册进行了参拜体验。 手册大都是用通俗易懂的日本语写成,像我这样的日语初学者也能轻松的理解大概含义。 对四国遍路的介绍、参拜的准备和流程都有详细的解说。很快就能熟悉参拜的步骤和方式, 使参拜者对日本寺庙文化有最基础的理解,更能让他们对此产生兴趣并喜欢上这种文化。 因为是试作版,还仍然有一些地方值得修改,比如说参拜时各个动作的顺序在真正参拜时 还是会因为各个设备的摆放位置而摸不清头脑,对寺院的每个场所也缺少最基础的渊源介 绍,使人在参拜后难以留下自己的理解和印象。希望正式版能有更加好的改变。 祝这部 やさしい日本語 的旅行指南越做越好。(原文ママ) (初めて日本に来て、直ぐに日本独特の寺院文化に引きつけられ、私がいる四国には 四国遍路があり、とても興味を持ちました。冊子は簡単で分かりやすい日本語で書かれ ているので、私のような日本語学習初級者でも楽に大体の意味を理解出来ます。四国遍 路の説明、参拝の準備品や手順など詳しい解説が書かれているので、直ぐに参拝の順序 や仕方がよく分かります。参拝者には日本の寺院文化の最も基本的なことを理解させ、 そのことにより、更に興味を深めると共に、楽しめるようになります。試作版なので、 やはり数箇所は改訂した方が良いと思います。例えば参拝の各順序を、実際に参拝する 時、それぞれのものが、その位置に設置されているのかどうかはっきり分かりません。 寺院のどの場所も基本的な起源の意味の説明が少ないので、参拝の後、自分の理解や 印象を残しにくいように思いました。正式版はより良く改訂されることを希望していま す。この冊子「やさしい日本語」旅行ガイドブックがさらに良くなることを願っていま す。(日本語訳:筆者)) 実際、ガイドブックを用いて参拝した際「本堂」や「太子堂」の場所がわからなかったり、 納経所の場所に迷ったりして、同行の留学生に尋ねる場面があった。寺院によって配置が異 なるため、一番札祖を例に配置図を書くなどの工夫も考えられる。今回は参拝作法に絞って ガイドブックを作ったが、遍路に関する歴史を知ることも重要である。四国遍路については 英語や中国語で訳されている印刷物もあるので、既存のものを活用する方法も考えられる。 第 7 節 まとめ 以下に、やさしい日本語ガイドブック作成を通しての気づきをまとめる。 ⑴ 「やさしい日本語」の変換は漢字圏の外国人を対象とした場合、漢字仮名交じり表記で 漢語を適度に用いたほうが内容が伝わりやすいことがわかった。
⑵ 漢字圏の外国人を対象とした場合でも、一般的に使用頻度が低い漢字については、ひら がなやカタカナで表記するほうが望ましい場合もあるため検討が必要である。 ⑶ 参拝用語の言い換えや「やさしい日本語」での説明について、効果的な方法を検討する 必要がある。 ⑷ どこに何があるかがわかりにくいので、配置図を入れるなどの工夫が必要である。 ⑸ 遍路についての説明があると、さらに興味深く参拝できる。 ⑹ 試作版は中国人が対象であったため、概ね良い評価が得られた。今後は、非漢字圏の外 国人を対象として試作版の効果の検証が求められる。 現在、「やさしい日本語」は、災害時のみならず平時の日常生活の中でも重要視されている。 庵(2009)が主張するように「やさしい日本語」が日本人と外国人の間の共通言語となるな らば、「やさしい日本語」の普及は外国人のみならず、その地域で暮らす住民にとっても多 文化共生社会に向けての意識改革ともなるであろう。そのためには、情報受け取り側(日本 語非母語話者)に対する日本語教育と同じように情報発信側(日本語母語話者)に対する日 本語教育も必要とされる。 最後に、本稿で筆者が示した「やさしい日本語」の使用については、日本語しかコミュニ ケーション手段がない場合と、日本語でコミュニケーションを取ったほうが通じやすい場合 の 2 つの側面から検討を行うものであり、外国語を用いたコミュニケーションの必要性を否 定するものではないということを明確にしておきたい。本稿の目的は、徳島県内の観光施設 を対象とした「やさしい日本語」を用いたガイドブック作成を通して、観光分野における「や さしい日本語」の可能性について論ずることであるが、同時に、本研究が「やさしい日本語」 に対する理解を促すとともに日本人母語話者自身が日頃使っている日本語を見直す契機とな ることを期待するものである。日本人自身が母語である日本語の使用を、相手の立場を考え て使えるようになることを支持するものであることを改めて伝えたい。 注 1 観 光 庁 ホ ー ム ペ ー ジ「 明 日 の 日 本 を 支 え る 観 光 ビ ジ ョ ン 」http://www.mlit.go.jp/ kankocho/topics01_000205.html(参照 Aug. 10. 2018) 2 総 務 省 ホ ー ム ペ ー ジ 平 成 19 年 度 版 「 情 報 通 信 白 書 」http://www.soumu.go.jp/ johotsusintokei/whitepaper/ja/h19/html/j3541000.html(参照 Jul. 31. 2018) 3 日本語能力試験は日本語を母語としない人たちの日本語能力を測定し認定する試験とし て、国際交流基金と日本国際教育支援協会が共催で実施しており、レベルは難易度の高い ほ う か ら N1、N2、N3、N4、N5 と な っ て い る。https://www.jlpt.jp/index.html( 参 照
Aug. 15. 2018) 4 〈増補版〉「「やさしい日本語」作成のガイドライン」http://human.cc.hirosaki-u.ac.jp/ kokugo/ej-gaidorain.pdf(参照 Aug. 15. 2018) 5 「やさしい日本語」の有効性検証のための『本実験解説書』」http://human.cc.hirosaki-u. ac.jp/kokugo/kaisetsusyohtml/kai-mokuji.html(参照 Aug. 10. 2018) 6 『外国人のための防災ガイドブック』(2010 年、京都府国際センター編)、やさしい日本 語を用いたラジオ「SIRA 多言語情報局」放送・配信(仙台国際交流協会)、『地震から命 を守る防災ハンドブック』(徳島県国際交流協会編)など全国の自治体で取り組みが広がっ ている。 7 カテゴリーⅡで扱う情報として、5 つの選定基準が設けられた。①国や地域の制度で、 日本での生活に直接かかわるもの(税、確定申告、補助金、年金、市営住宅の案内、外国 人登録に係る情報)②日本で生活していく上で特に必要なもの(就業、教育、保育に係る 情報)③命を守るために必要なもの(防災、救急、保健・予防、交通ルールに係る情報) ④生活情報誌全てにみられたもの(ごみに係る情報)⑤その他外国人向けのもの 8 「やさしい日本語」カテゴリーⅡの 14 の文作成ルール http://human.cc.hirosaki-u.ac.jp/ kokugo/CATtwo-rule.htm(参照 Aug. 15. 2018) 9 庵は共通言語が生まれるためには何が必要であるかについて次のように述べている。「自 然に任せた場合に最も普通に考えられるのは、いかなる共通言語も生まれない。つまり、 地域社会の外国人住民と日本人住民は永遠に会話ができないという状況です。(中略)地 域社会に共通言語が生まれるとすれば、それは、そうした共通言語を日本人住民が必要だ と感じ、(中略)外国人が理解できる日本語に自分の日本語を調整するということを実践 したときなのです。」(庵 2015、pp.42 − 43) 10 「やさしい日本語ツーリズム研究会」はヒューマンアカデミー株式会社協賛による産学 連携プロジェクトとして座長に東京外国語大学荒川洋平教授(2017 年 3 月 31 日退任)を、 事務局を株式会社電通に置き 2016 年 8 月に発足した。 11 電通・国際交流基金が共同で実施した「台湾・香港・韓国の日本語学習者数と訪日経験」 の調査によると、旅行者の 3 人に 1 人は 70 ∼ 80%の確率で日本語を話せる人がいるとい う結果を示した。日本語学習経験者はそうでない人より訪日経験率が高く、台湾・香港で は訪日回数 2 回以上が 50%を超えている。また、日本を訪れたときに日本語で話したい と思う日本語学習者は 60%以上となっており、日本人に英語で話してもらいたいという 割合は 15%前後にとどまった。参考資料『台湾・香港・韓国の日本語学習者調査結果』(2016 年 12 月 20 日)
https://drive.google.com/fi le/d/0B_YYwiD-_l6lblRNVElULUpwS28/view( 参 照 Aug. 15. 2018)
12 観光庁「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート」結果(平 成 28 年実施)http://www.mlit.go.jp/common/001171594.pdf(参照 Sep. 30. 2018) 13 「2020 年オリンピック・パラリンピック大会に向けた多言語対応協議会ポータルサイト」 https://www.2020games.metro.tokyo.jp/multilingual/examples/index.html(参照 Aug. 15. 2018) 14 「多言語対応の基本的な考え方」https://www.2020games.metro.tokyo.jp/multilingual/ council/pdf/kangaekatah2712.pdf(参照 Aug. 20. 2018) 15 「多言語対応・ICT 化推進セミナー∼東京 2020 オリンピック・パラリンピックに向け て ∼」https://www.2020games.metro.tokyo.jp/multilingual/examples/pdf/1707forum_02. pdf(参照 Aug. 20. 2018) 16 学習院女子大学主催「(やさしい日本語)と多文化共生」シンポジウム発表資料集(開 催日 2018 年 2 月 17 日) 17 観光庁「訪日外国人消費動向調査」(2016 年の年間値の推計(暦年)http://www.mlit. go.jp/kankocho/siryou/toukei/syouhityousa.html 18 徳島県議会ホームページ:「平成 27 年 2 月 10 日広域交流対策特別委員会」資料 3「観 光 振 興 基 本 計 画( 第 2 期 ) 案( 概 要 )」https://www.pref.tokushima.lg.jp/gikai/iinkai/ kiroku/h27/201502/2702koj.html(参照 Sep. 30. 2018) 19 「台湾・香港・韓国の日本語学習者数と訪日経験」の調査によると、旅行者の 3 人に 1 人は 70 ∼ 80%の確率で日本語を話せる人がいる。 20 「やさしい日本語ツーリズム研究会」は、柳川市の実践例を地方都市でも共有できるよ う「柳川方式」としてモデル化している。 21 弘前大学人文社会科学部社会言語学研究室「やさしい日本語」の有効性検証のための『本 実験解説』http://human.cc.hirosaki-u.ac.jp/kokugo/kaisetsusyohtml/kai-mokuji.html (参照 Aug. 15. 2018) 参考ウェブサイト 四国八十八ケ所霊場会公式ホームページ http://www.88shikokuhenro.jp/knowledge.html(参照 Aug. 5. 2018) 豊橋市文化市民部多文化共生・国際課(2015)「「やさしい日本語」を使ってみよう!」 http://www.city.toyohashi.lg.jp/23542.htm(参照 Aug. 5. 2018) 弘前大学人文社会科学部社会言語学研究室 http://human.cc.hirosaki-u.ac.jp/kokugo/index.html(参照 Aug. 10. 2018) 「減災のためのやさしい日本語」 http://human.cc.hirosaki-u.ac.jp/kokugo/EJ1a.htm(参照 Aug. 10. 2018)
「生活情報誌作成のための「やさしい日本語」ガイドライン∼街の外国人に生活情報を伝え るために・カテゴリーⅡ∼」 http://human.cc.hirosaki-u.ac.jp/kokugo/CATtwo-gaidorain.htm(参照 Aug. 8. 2018) やさしい日本語ツーリズム研究会 http://www.yasashii-nihongo-tourism.jp(参照 Aug. 5. 2018) 参考文献 庵功雄(2009)「地域日本語教育と日本語教育文法:「やさしい日本語」という観点から」『一 橋大学機関リポジトリ』人文・自然研究 3、pp.126 − 141 庵功雄(2013)「第 1 章 やさしい日本語とは何か」庵・イ・森(2013)所収、pp.3 − 13 庵功雄(2014)「「やさしい日本語」研究の現状と今後の課題」『一橋日本語教育研究』2、 pp.1 − 12 庵功雄(2015)「「やさしい日本語」研究が日本語母語話者にとって持つ意義―「やさしい日 本語」は外国人のためだけのものではない―」『一橋大学国際教育センター紀要』6、pp.3 − 15 庵功雄・岩田一成・筒井千絵・森篤嗣・松田真希子(2010)「「やさしい日本語」を用いたユ ニバーサルコミュニケーション実現のための予備的考察」『一橋大学国際教育センター紀 要』1、pp.31 − 46 庵功雄・イ、ヨンスク・森篤嗣(編)(2013)『「やさしい日本語」は何を目指すか―多文化 共生社会を実現するために』ココ出版 岩田一成(2010)「言語サービスにおける英語志向―「生活のための日本語:全国調査」結 果と広島の事例から―」『社会言語科学』13 ⑴、pp.81 − 94 岩田一成(2013)「第 2 章 やさしい日本語の歴史」庵・イ・森(2013)所収、pp.15 − 30 山田泉(2002)「第 8 章 地域社会と日本語教育」細川英雄(編)『ことばと文化を結ぶ日本 語教育』pp.118 − 135、凡人社 吉開章(2018)「「〈やさしい日本語〉とは何か」:観光分野とやさしい日本語」『「〈やさしい 日本語〉と多文化共生」シンポジウム発表資料集』p.18、学習院女子大学 「附記」 (試作版)『やさしい日本語で四国遍路を体験したい外国人のための参拝作法』は、平成 29 年度四国大学学術研究助成を受け「やさしい日本語ツーリズムに関する研究」の一環と して作成したものである。 (もとき よしえ・四国大学)