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住宅内電力システムに対する出力平準化制御のリアクティブ設計

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Academic year: 2021

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(1)組込みシステムシンポジウム2016 Embedded Systems Symposium 2016. ESS2016 2016/10/20. 住宅内電力システムに対する 出力平準化制御のリアクティブ設計 齋藤 司1,a). 薄 良彦2,b). 引原 隆士1,c). 概要:本発表では, 住宅内電力システムの出力電力平準化を目的としたリアクティブシステムの設計と実機 検証に関する筆者らの取り組みを報告する. 出力平準化とは, 住宅内システムと外部の商用系統とが融通す る有効電力を所望の値に調整する制御技術である. 住宅におけるエネルギー利用は居住者, 天候, 地域など のシステムを取り巻く物理的環境の変化に影響を受けるため, 出力平準化を達成するためには物理的環境の 変化に対応可能な制御システムの設計が必要となる. 筆者らは, 組み込みシステムで用いられている線形時 相論理式に基づくリアクティブシステムの設計手法に着目し, 住宅内システムの制御アルゴリズムの設計 への適用を進めている. 具体的には, システムを取り巻く物理的環境の変化に応じてリアクティブに住宅内 電力機器の動作を切り替えることで出力平準化を達成する. 本発表では, 1 軒の戸建住宅を対象として設計 したリアクティブシステムを示し, 実機実験を通してシステムの動作と出力平準化への有効性を議論する. キーワード:HEMS, 出力平準化, リアクティブシステム, 形式手法, 線形時相論理. 家庭用エネルギー管理システム (HEMS) は, 家庭 (戸建住 宅等) を対象とした居住者 (人間) に直接関わるエネルギー 利用の制御・意思決定を行うシステムである [1]。HEMS の設計では, 居住者, 天候, 地域などのエネルギーシステム を取り巻く物理的環境の変化に対応し, 所望の機能を実現 することが求められる. 本発表では, HEMS の 1 つの機能として住宅内電力シス テムの出力電力平準化を目的としたリアクティブシステム の設計と実機検証に関する筆者らの取り組み [2], [3], [4] を 報告する. 出力平準化は, 住宅内電力システムと商用系統 とが融通する有効電力を所望の値に調整する制御技術を意 味し, 出力変動を伴う太陽光発電 (PV) 等の分散型電源と 商用系統との調和にあたり重要である. 住宅内の消費電力 は, 前述の PV の変動に加えて, 居住者の行動により変動 する. このような物理的環境の変化に対応し所望の出力平 準化の性能を達成する制御アルゴリズムを設計するため に, 本研究では文献 [5], [6], [7] で提案された線形時相論理 (LTL) とゲーム理論を用いたリアクティブシステムの設計 手法に着目する. 具体的には, 文献 [8] の出力平準化のため の出力フィードバック則を導入した蓄電系, 出力制限が可 能な PV 連系用パワーコンディショナ (PCS), 及び電気自 動車に相当する負荷の組み合わせを環境の変化に応じて決 定するリアクティブシステムを設計した [2], [3], [4]. 以下 にその概要をまとめる. 本研究の制御対象である住宅内電力システムの構成を図 1. 2. a) b) c). 京都大学 大学院工学研究科 電気工学専攻、京都府 Department of Electrical Engineering, Kyoto University, Katsura, Nishikyo, Kyoto, 615–8510 Japan 大阪府立大学 大学院工学研究科 電気・情報系専攻 電気情報シス テム工学分野、大阪府 Department of Electrical and   Information Systems, Osaka Prefecture University; 1-1 Gakuencho, Nakaku, Sakai, Osaka 599-8531, Japan [email protected] [email protected] [email protected]. ⓒ 2016 Information Processing Society of Japan. 制御可能な機器 制御不可能な機器. 家庭. 既存系統. 蓄電系. 太陽光発電. 家庭内負荷. 電気自動車. 電子負荷(Load1) (蓄電系の一部). 電子負荷(Load2). (PCS). 直流電源 (蓄電系の一部). 直流電源 交流電源(AC). 図 1. (PV). 蓄電池 (蓄電系の一部). 住宅内電力システムの構成 (上) と実機シミュレータの外観 (下). 上図はシステムの構成及び電力の流れを表しており, 環 境の変化に影響を受け制御不可能な機器を赤, 制御可能な機器 を青で示している. 下図は住宅内電力システムを実機により構 成したシミュレータであり, 括弧内に上図の機器との対応を示 している.. 1 に示す. 本システムは, 天候により発電量が変動する PV アレイ (PV), 居住者の行動により消費量が変動する負荷 (Load1), 定格範囲内の任意の充放電が可能な蓄電系, PV の発電量を制限可能な PCS, 及び満充電となるまで一定電 力を充電可能な電気自動車 (Load2) から構成される. 出力 平準化の目的は, 図中の商用系統への出力電力 P0 を一定 目標値 P0ref に追従させることである. 図中の赤枠で示さ れた PV 及び Load1 は物理的環境により出力が変動するた 100.

(2) 組込みシステムシンポジウム2016 Embedded Systems Symposium 2016. ⓒ 2016 Information Processing Society of Japan. Load2が充電可能. Load2が満充電. モード2. モード5. 1. 1 1. 環境変数. 2. 2. モード1. 3. 2or3. モード3 1. 2or3. 3. モード6,7. 2or3. 1. 動作機器. : モード. PPV / kW. MODE. 1.6 1.2 0.8 0.4 7 6 5 4 3 2 1 0 1 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5. PCS1. Load2. 蓄電系. P0 / kW. め, 本研究では制御不可能な機器とする. 一方, 青枠で示さ れた蓄電系, PCS 及び Load2 は制御可能な機器とし, 環境 変化に応じてリアクティブに組み合わせを変更する. また, 蓄電系の出力電力 PB は −PBmax から PBmax までの値を 自由にとることが可能とし, PCS は PV の出力を指令値以 下に制限することが可能とする. そして, Load2 は 0 kW ま たは一定消費 PL2ref のどちらかを取るものとする. 続いて, 出力平準化をリアクティブシステムにより実現 するために, 文献 [5], [6], [7] に沿って出力平準化の制御仕 様を LTL で記述する. 文献 [8] の蓄電系による出力平準化 制御は, 計測された出力電力 P0 に対して積分要素を含ん だフィードバック制御器により蓄電系への出力指令値を決 定する. このとき, 出力平準化制御により決まる蓄電系の 指令値 PBref が出力可能な電力値の範囲から逸脱し, 蓄電 系のみでは平準化が達成できない場合がある. 本報告では, 蓄電系を含めた複数の可制御な電力機器を自動で組み合わ せることにより, 出力電力平準化を達成することを考える. 具体的には, 制御量 P0 のとり得る値を, 0:平準化不可能, 1:蓄電系の制御により平準化可能, 2:蓄電系及び Load2 の 制御 (もしくは PCS の制御) により平準化可能, 3:蓄電系, Load2 及び PCS の制御により平準化可能となる 4 つの区 間に分割し, それぞれに 0 から 3 の数字を割り当てること により変数 (以下, 環境変数と呼ぶ) を定義する. また, 制 御機器 Load2 及び PCS に対して, 1:動作させる, 0:動作さ せないという変数 (以下, 制御変数と呼ぶ) を定義する. そ して, 環境変数が 0 とはならないという環境に求める条件 (環境仕様と呼ぶ) の下で, 環境変数 1 から 3 に対して平準 化可能となる制御変数の組み合わせを割り当て, 制御仕様 として LTL で記述する. さらに, 本発表では, Load2 が電 気自動車の充電を模擬しているため, 充電可能時間の制限 を設定する制御仕様も上記に加えて導入する. 以上の LTL により記述した制御ならびに環境の仕様か らソフトウェア TuLiP[9] を用いて, 制御ルールを表すリア クティブシステムのオートマトン表現を生成する. この自 動生成されたオートマトンを, 動作機器の組み合わせに対 応する制御モードを切り替えるルールとして使用する. 制 御ルールの一部を図 2 の上側に示す. 環境変数の変化に応 じて, 動作機器を決定する制御モードが遷移する. ここでは, 生成された制御ルールを図 1 に示した実機シ ミュレータに導入し, 実験により動作を調べた結果に沿っ て, 制御ルールを具体的に説明する. 実験結果を図 2 の下 側に示す. 制御ルールにおいて青枠のモードと赤の矢印で 示した遷移が実験での遷移と対応している. 環境変数の初 期値は 1 であり, 蓄電池のみで平準化可能なため, 制御モー ドは 1 となっている. 時間の経過と共に PV の発電量が増 加し, 発電量が極大値を取る約 90 秒において環境変数が 2 に変化した後に 1 に戻り, 約 125 秒で完全に 2 へと変化し た. 蓄電池のみでは平準化不可能となったため, Load2 を 併せて動作させる制御モード 2 へと遷移したことを意味す る. その後, 発電量は維持され, 約 240 秒で Load2 が満充電 となったため, Load2 を動作させずに PCS を動作させる制 御モード 7 へと遷移した. 図 2 の下側の結果から, 蓄電池 のみでは平準化不可能な時刻においても, Load2 及び PCS を併用する制御モードに切り替えることにより, 出力電力 P0 が目標値 P0ref に近づけられていることが分かる.. ESS2016 2016/10/20. Load2が満充電. 発電量が増加. P0. 0. 50. 100. 動作機器の 組み合わせを決定. 150. P0ref. 200. 250. 300. TIME / s 図 2. 出力平準化のためのリアクティブシステム (制御ルール) の一 部 (上) と実験結果 (下). 制御ルールにおいて, 各 (制御) モー ドに枠内の動作機器の組み合わせが対応し, 矢印上に示す環境 変数の変化ならびに Load2 が満充電か否かに応じてモードが 切り替わる. 実験結果において, 上から PV の発電量, モード の遷移, 出力電力と及びその目標値の時系列を示しており, 制 御ルールにおいて青枠のモードと赤の矢印で示した遷移が発 生している.. 参考文献 [1]. [2] [3] [4] [5] [6]. [7] [8] [9]. 例えば, HEMS アライアンス (編):HEMS アライアンスの 取り組み,技術総合誌 OHM, Vol. 98, No. 11, pp. 21–24 (2011). 齋藤 他:電気学会産業応用部門大会講演論文集,p. Y–151 (2015). 齋藤 他:自動制御連合講演会講演論文集,p. 1C2–3 (2015). 齋藤 他:家庭内電力システムの出力平準化のためのモー ドスイッチング制御: 実機実験と性能評価 (投稿中). Xu, et al.: Proceedings of the 51st Annual Conference on Decision and Control, pp. 1124–1129 (2012). Xu, H.: Design, Specification, and Synthesis of Aircraft Electric Power Systems Control Logic, PhD Thesis, California Institute of Technology (2013). Xu, et al.: IEEE Transactions on Control of Networked Systems, Vol. 2, No. 2, pp. 193–203 (2015). 山口 他:システム制御情報学会論文誌,Vol. 28, No. 7, pp. 299–309 (2015). Wongpiromsarn, et al.: Proceedings of the 14th International Conference on Hybrid Systems: Computation and Control, ACM, pp. 313–314 (2011).. 101.

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