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東京電力株式会社新信濃変電所周波数変換設備用制御保護装置

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小特集・直流送電技術

∪・D・C・〔る21.31る.72十る21.31る.9]:る21.314.27.077.る5

束京電力株式会社新信濃変電所周波数変換

保護装置

Controland

Protection

Equipment

for

Shin-Shinano

Frequency

Converting

Station

of

The

Tokyo

Electric

Power

CoりInc.

周波数変換での制御保護装置は,主にサイリスタバルブのゲート点弧位相制御, 変換用変圧器のタップ制御により変換電力の調整,直流系機器の保護を行なうもの である。東京電力株式会社新信濃変電所に納入した周波数変換用制御保護装置は, 動作安定度の向上,高調波発生量の軽i成を目的として,走力率制御方式,パルス間 隔一定制御方式を新たに開発しj采用した。また,保護方式については,直i充系特有 の現象を考え,多重化された保護システムを採用するとともに,交流系保護リレー についても,その高調波特性を検討し適用リ レーを決定した。 また装置の試験はシミュレータを有効に活用し,系統連系試験の円滑化を図った。 tI

言 直流送電での制御保護装置は,適用システムの使用日的, 運用計画連系交流系統及び変換用機器との協調などを考え製 作しなくてはならない。その基本的な機能は,サイリスタバ ルブのゲート点弧位相制御及び変換用変圧器のタップ制御に より変換電力量を操作することにある。特に,周波数変換で は緊急時の電力応接と・いう目的から,その高速応答性及び安 定な運転性能が要求される。 今回,東京電力株式会社新信濃変電所に納入した制御保護 装置は,昭和45年から電源開発株式会社佐久間サイリスタ試 Tr275kV/110kV ♭ CT 拳 DC125kV,DCl,200A DCPT DCL PD ェ∼ エ 電 力 検出部 催出鼻路 定 設計回 んp 電流検出部 電圧検出部 -_.■___________I-1 Z V 附矧 溝仙転令 潮反指 =仙 選最 大 釈値 最大値 選 択 タップ 制御部 定電流制御部 + 定電圧制御部 十

・令

余裕角リミッタ 最低電圧検出回路 L--I---一-____-_____ 電流検出部 淡仙ス部 ■”御 電バ制 α ・ノ 】十 十 電圧検出部

奥原文悟*

橋本定王台**

河合忠雄*** 丸山勝也***

0ん伽九αγ8月伽乃gの 〃αgムよmoJo Sαdαんαr址 gαぴα∼ 托dα0 〃αγ〟yαれα ∬d′ぎ加yα 験所で行なった実証試験の結果を基礎にし,更に高調波発生 量の軽減,系統じょう乱時の安定運転領J或の拡大に効果のあ る制御方こ式を開発し適用した。 また超高圧交流系統と直接連系されるため,直i充及び交i充 系事故に対する保護協調,適用保護リ レーの特件などにつし、 てもシミュレータを用いて静特性,動特件の両面より検討を 行なった。 この論文では,今回納入した60Hz側装置の基本的な制御保 護方式を中心に,その特長及び試験結果について述べる。 Tr275kV/110kV q ON・OFFパルス シフトパルス D,APPS パルス 移相回路 P L O ルーフ パルス 移相回路 シフトパルス パ ルス選択回路 パ ルス選択回路 Tdqノ与 Z V

パル不 アンプ ス。フ ル ン パア _______________J ON・OFFパルス l ___._.+

人図l

制御回路ブロック【司 60Hz側制御装置の回路基本構成を示す。同様機能の制御装置が50Hz側に も設置され,協調制御を行なう。定電流,定電圧制御は.2回路間の最大値による12相一括制御方式を採用した。 注:略字等説明 一順変填器制御ループ ーー…逆変換器制御ループ んp=電流設定値 ∠仏p=電流マージン Vdp=電圧設定値 DCL=直流リアクトル DCPT=直流変成器 DCCT=直流変流器 D.APPS=ディジタル式自動′りレス移相器 PLO=ループ位相制御発振器 PD=電圧変成器 * 束京電力株式会社松本電力所 **東京電力株式会社信濃工事事務所 *** 日、ンニ製作所人みか工場 19

(2)

100 日立評論 VOL.61No.Z=9了9-2) 臣l

装置の基本構成

制御保護装置は,周波数変換設備の起動・停止,潮i充反転 などの操作を与えられた電力設定値に結こじて行なう。その制 御方式としては,種々の方式がこれまでに開発されている。 図lに,今回の東京電力株式会社新信濃変電所周i度数変換設 備用制御保護装置の制御回路ブロック図を示す。同図は60Hz 側を示しているが,50Hz側にも同様な機能をもった装置が設 置され,その制御協調によr)電力融通が行なわれる。図2に 装置の外観を示す。制御回路は,ほとんどがICなどの半導 体素了・により構成されているため,耐ノイズ件,更には装置 のコンパクト化を目的とし,補肋変成,変流器(P.CT)を-一一 箇所に集約するセントラルP.CT方式を採用した。 2.1周波数変換の基本原王里 二つの連系交i充系統間の電力融通は,図3に示すように直 i充電流(ん)と変換昔旨出力電圧(Edl,E戯)の値及び極惟によ り決定される。一般に,サイリスタの極性に対し順方向の電 圧を発生してし、る側を順変換器,逆方向の場合を逆変換器と 呼び電力は順変換器から逆変換器へと送電される。この直子充 電流と変換器出力電圧をサイリスタのゲート点弧位相と変圧 器のタップ位置を制御することにより所定の電力融通を行な うことができる。 2.2 遷幸云制弓卸方式 東京電力株式会社新信濃変電所周i疫数変換設備の運転制御 方式を表1に示す。特に今回の設備は,二つの並列配置され た直流回路を同時に制御する12相一括制御を行なうため,2 回路間の電流不平衡に起因する第5,第7次高調波の抑制, 1回路だけの転流失敗のような不平衡事故時の不必要な電流 表l 運転制御方式 基本的な運転制御方式を示す。定力率制御方式を 基本とL,2回路間の不平衡を防止するため12相一括制御を書采用Lた。 項 目 順 変 換 器 側 i望 変 換 器 側 備 考 ゲート制御 定電力補正付定電■余裕角リミッタ付 流制御 喜定電圧制御

l

l走力捌御方式

l 変圧器タップ制御 無負荷二三欠電圧-定制御 l無負荷二次電圧-+定制御 走宣動方式 停止方式 潮流反転方式 その他 〃≒900から同期デフ′ロック 電)充バランス制御イ寸 最低電;売値からのl瞬時ゲートブロック 電流マージン(』Jdp)切換方式 直充電圧,電三克とも2回路間の最大値 .選択によるIZ相一才舌制‡卸

J

こき、ミ㌻や 制御演算部 補助P・CT部 図2 制御保護装置の外観 装置は,セントラルP.CT方式を採用L装 置下部に外部とのインタフェース郡を集中させ,演算保護部の耐ノイズ性及び 糞置のコンパクト化を実現Lた。 20 断続防止のため,適応性の良い電流.バランス制御を設けた。 更に,交流系統電圧変動などの過亨度動手ご詫に対し逆変換器側 の余裕角不足をド方止するため,開ループの余裕角リ ミッタ回 路を設けている。 このような制御系の運転特惟曲線を図4に示す。順変換器 と逆変換器を決定する電流設定値の差(電i充マ】ジン)は10% とし,順変換器側の交流電圧が低下して逆変換器側の定電i元 利御となっても,直ラ充電流の減少を3%程度に抑え,電流の 断続を防止した。 田

制御方式上の特長

3.1 走力率制御方式 従来の直音充送電系統では,逆変換器側は余裕角が-一定とな るようゲート制御を行なういわゆる定余裕角制御方式が採用 されていた。これにヌ寸し今回新しく開発した方式は,直i充電 圧が-・定になるようにゲート制御を行ない,変換電力量に関 ん

60Hz系統 60Hz系統

†Edl占gJ2†

〔順変換器〕 〔逆変換器) 1£.Jl】>+且J2⊇, P=g′Jl・ん (送電電力) (a)60Hz→50Hzへの送電モデル Jd

卜占一且並1

乎【逆変換器〕

【旗変換器) Edlぎ<lだJ21 P=一月d2りd (送電電力) (b)50Hz→60Hzへの送電モデル 5()Hz系統 50Hz系統 図3 直流電力の制御原理 直流電力は,変換器の出力電圧を制御す ることにより任意の方向へ必要量だけ融通することができる。 八U 5 0 0 5 2 〈U 5 ー50 "100 -125 肌150 (>三世伊横側

/α内浦域定電圧制御領域

/(逆変換器)

安定点 定電流制御領域(順変換器) 電流マージン(』ム,一)10% ll l l l l l l l _J 0.5

電流設定値‖エ)直流電流

αリミッタ領域 (kA) 図4 制御特性曲線 50Hz側と60Hz側との制御系は,このレギュレー ション特性の交点で安定となり,直流電圧と直;充電涜が定まる。

(3)

係なく力率を一定としている。このような制御方式を走力率 制御と呼ぶ。表2に従来の定余裕角制御方式と今回の走力率 制御方式の比較を示す。今回の方式は,変圧器の無負荷二次 電圧を一定に保ち,ゲートの点弧位相によr)定格直流電圧を 確保するよう制御を行なう_。その運転特性は図5に示すとお りである。 そのため,

(1)変圧器のタップ位置は,直流電流値(ん)に関係なく一定

であるので,タップ変動幅としては交流系統の電圧変動をカ バⅦできればよく,完余裕角制御方式に比べてタップ調整幅 が狭くて済む。

(2)軽負荷時の余裕角が大きいため,交流系事故時の転流失

敗発生領域が′トさく,波形ひずみなどに対しても安定に運転 で-きる という特長がある。 3・2

ディジタル式自動パルス移相器(D.APPS)の採用

一方,サイリスタバルブのゲート点弧位相のばらつきは, 高調波電流の増大,変換用変圧器,交流変流器の直流偏磁

の原因となる。そのため,位相制御発振器(PLOループ)付

のパルス間隔-・定制御方式を採用したD.APPSを使用しこれ らの問題点の解決を図った。図6に,このD.APPSのブロッ

ク図を示す。この方式は電圧制御発振器(VCO)により基準

クロックパルスを発生し,PLOループによ-)同期電源と出 力パルスとの位相差を補正するものである。また出力パルス は,このクロックパルスの分局により発生させている。その ため各相のパルスばらつきは,クロックパルス1周期分の誤 差だけとなり,パルス間隔のそろった高精度のパルス発生が 可能となった。 ー 0 0 0 0 「コ.m)ひ.N叫 -一一-■I 亡ん y㌢′ 50 二=、40 C) q1 30 `く 20 0 0.2 0.4 0.6 0.81.0 ん(P.∪.) (a)変圧器二次電圧鳩),無効電力(¢) と直流電溝川)の関係 譲二…-は定余裕角制御を示す。-は定力率制御を示す。 ノ■ ′ ⊥⊥_ 0.2 0.4 東京電力株式会社新信濃変電所周波数変換設備用制御保護装置101 表2 制御方式の比卓餃 従来から行なわれている定余裕角制御方式に対 L今回の走力率制御方式は.変圧器タップ範囲の減少.安定運転領土或の拡大な どに特長がある。 項 目 従 来の制御 方 今上司の制御方式 (定余裕角制御方式) (走力率制御方式) 制 御 順変換器側 タップ 制御 制御角(α)一定刺子卸 定電)充制御 変圧器二二次無負荷電圧一定制御 ゲート 制御 定電流制御 変圧器二次無負荷電圧一定制御 逆変換器側 タッ70 制御 定電圧制御 ケビート 定余裕角(γ)制御 + 定電圧制御 制 御 (余裕角リミッタイ寸) ゲート制御 タップ制御 (り軽負荷から定格出力までの 応答時間が瞬時へ (2)変圧器のタップ睾臣園が少なく て済む(交)充電庄変動分のみ).. r3)定力事制御のため,無効電 力の変動が少ない。 (4)軽負荷での余裕角(γ)が大 きし、ので,季云〉充失敗Lに〈い.、 負荷変動による 直)充電圧変動補償 タップ制御 受電AC電圧変動補償 タッ7D制御 l (り 無効電力最小制御 b

保護方式

周波数変換設備のイ米諸方式としては,サイリスタバルブを 中心とした変換設備機器の保護が中心となる。 4.1 保護協調 大部分の直流系の事故は,サイリスタバルブのゲート操作 により除去することができる。そのため,制御系と十分協調 のとれた保護方式としなければならない。すなわち,図7に示 すような直流短絡が発生した場合,直流電流は暗定数約60∼ 1、0 0.8 γ 巴 0.6 こJ J o、4 0.6 0.8 1.0 ん(P.∪.) (b)余裕郎γ),制御進み角(β)と直流電流の関係 図5 走力率制御の運転特性 変圧器のタップ範囲の絹減,軽負荷時の安定運転に対L効果が大きし、。

P顎

同期電源 差 出 相 位 検 PLOループーーー1、

「…__空望+カ

l 制御g亡電圧 l VCO リングカウンタ ヽ、■---■-一■t-′ 一 一 一 一 一 一 8ノも

力言彗タ(∪)

リセット

力諾タ(W)

リセット

力男タ(V)

リセット 注:略字説明

ホ三電源周波数

VCOニ電圧制御発振器 PLO=位相制御発振器 切 換 回 路 D/A 変換器 比較器 切換指令 リングカウンタⅠⅠ 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 ん(P心) (8)交流電圧(Vlr)と転売失敗領域の関係 図6 ディジタル式自動パ ルス移相器(D.APPS)の構成 パルス間隔一定制御を行なうこと により,高調三度の低.減,変圧器の 直三荒偏1滋防止に効果が大きい。 21

(4)

102 日立評論 VOL.61No.2(I979-2) α=100国定 ズ=20%

76D 1h Jd

注:76D=二直流過電流リレー

く D

CT CT DCPT「 ̄ ̄ ̄- ̄、 ̄ ̄丁 】直. 流 薮. 逓 電 荘∵.′不尽零 リ、、、レ ノア ′り 凸0 ごU 4 0 0 0 (<三蝶絆横側 2 0 転読限界電流 保護リレー動作レベル(ゲートシフト→ゲートブロック→停止) 定格電洗 20 40 60 80 100 120 140 時 間(ms) 図了 直流短絡時の電流とリレー動作レベル 変換器の転流動作可 能領土或と十分協調のとれた保護リレー設定が必要である。 70msで増加するが,保護操作時に正常転流できる限界電流 は定格の約200%までである。そのため,直i充系の過電子売り レーは,設定値を200%以下とし,動作時間も3∼5msの高 速動作のものを開発した。 4.2 保護方式 通常,制御系が正常であれば走電流制御回路により過電流 は抑制され,事故発生後1サイクルで定常値に落ち着く。こ のような場合は,事故波及の可能性が少ないので直流不足電 圧リ レ【の動作により保護動作を行なうことになる。 図8は,今回採用した保護システムのブロック図である。 保護リレーは,CT誤差,高調波の影響を受けにくい過電流 リレMなどの単入力形を主体とするとともに,交流系,直流 系の両面より,異常電圧,異常電流を検出できるように保護 の多重化を行ない,動作信頼度の向上を図った。

■l試験結果

東京電力株式会社新信濃変電所周波数変換設備はシミュレ wタとの組合せ試験系統連系試験などにより制御系の最終調 嬰,保護動作の確認及び系統との協調確認を行ない,昭和52 年12月に商業運転を開始し,現在好調に稼動を続けている。 図9は系統連系言式験での潮流反転のオンログラムである。 潮流反転時間は約225msで,電子充断続もなく安定な運転を行 パルプ電圧 U Z V X W 直流電圧レ■′/60 直流電圧り.J50 直流電読んJ寸 410A T 125kV 22

生PD

「 ̄ ̄「l ̄ ̄ ̄1 I過電圧I

∃;+,r上)-:

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l不足電圧:

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流 過 り DCCT 「  ̄■▲ ̄ ̄ 不足電 り ′レ

流 庄一 ー【「 l 涜流-電レ 直過、1リ 涜日量 て ′ ■レ 蟄り ′ 出 交発積 読 一

孟 ̄′姦′芸 ̄、姦…卜転読条敗

検出リレー ′検針ルーく!′健かルこ 繚流一 驚レ 埠過リ +  ̄丁、 ̄ ̄ ̄ ̄「 ンゲ ー トl

/=レ、スヱ:

′監視リレーてl _:_._⊥二__+ 直 洗 過、電 光 り′レ、∵ 図8 保護方式ブロック図 過電流リレーを主体とした直流系の保護 リレー配置を示す。 なっている。 【司

言 以上,今回束京電力株式会社新信濃変電所に納入された周 波数変換用制御保護装置の特長について述べた。この装置は, 基本的には直流送電用の制御保護装置と同一の機能をもって おり,今後の直流送電用装置の其礎となるものである。 現在,製作中の北海道・本州聞直流速系用装置に対して, 今回の実績を基礎に更に新技術の開発を進めている。 参考文献 1)森,ほか3名:125kV,300A,37.5MWサイリスタ変換装置 用制御保護装置,日立評論,53,401∼405(昭46-4) 2)渡部,ほか2手1:直流送電の制御方式,昭和50年電気学会予 稿集(昭50) 上宝:直流送電と周波数変枚,電気書院(昭40-10) 町田:直流送電,東京電機大学出版局(昭46) 図9 潮流反転時のオシロ グラム 100MW運転時の潮 流反転で,直流電圧極性が反転 Lて電力融通の方向も変わった白

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