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液状化による地盤・基礎構造物の3次元挙動に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

液状化による地盤・基礎構造物の3次元挙動に関する研究(

内容の要旨(Summary) )

Author(s)

田口, 洋輔

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(工学) 甲第062号

Issue Date

1997-03-25

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/1783

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

液状化による地盤ノ・基礎構造物の3次元挙動に関する研究

平成9年1月ノ

学位鼓動博士(工学)甲占ネ

(3)

氏 名(本 籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月日 専 攻 学位論文題 目 学位論文審査委員 田 口 洋・輔(京都府) 博 士(工学) 甲第 62 号 平成 9 年 3 月 25 日 生産開発システム工学専攻 液状化による地盤・基礎構造物の3次元挙動に関する研究 (仙reedi眠mSional玩加Ⅳiorof鮮℃undandfoundation Str肛ttlredue toliqtIefactiom) (主査)教 授 岡 二三生 (副査)教 授 宇 野 尚 堆 教 授 六 郷 恵 哲

論文内容の要旨

地震時における力による地盤の液状化は土木構造物に多大の被害を与えるため、 地盤 と基礎構造物の液状化時の挙動を予測することは、 社会基盤の整備維持にとってきわめ て重要である。 特に、 基礎構造物との3次元挙動の解明はこれまで研究が少なく、そ の解析予測法の開発が求められていた分野である。 本論文は、 このような観点から、 新たに開発した砂の弾塑性構成式を用いた土と水を達成させた3次元有効応力解析手法を 開発している。 さらに、提案手法を用いた液状化する地盤および地盤一基礎構造物系の 解析を行ない、これらの結果と模型実験結果や実挙動との比較・検証を通して、液状化時 における地盤あるいは基礎構造物の挙動を明らかにしている。 まず、地震時の液状化を考慮した構成モデルに関して、従来のモデルの拡張を行った。 実地盤に想定される多様な応力状態を考慮して、種々の応力状態のもとで繰返し非排水中 空ねじり試験を実施した。試験データの分析をもとに、構成モデルの拡張を行っている。 すなわち、(1)初期異方性の減退記憶特性の導入。(2)流れ別の係数に4階のテンソ ルの導入。(3)塑性および弾性剛性のひずみ依存性の導入などである。拡張したモデル は、初期せん断応力状態や主応力軸が変化した状態でも良い再現性を示すことが確認され た。上記の拡張と検証により、構造物の近傍などの複雑な応力状態のもとにおいても精度 の高い再現性をもつ構成モデルが開発された。 Biotの二相混合体理論に基づいた3次元達成解析プログラムを作成した。固相の変位u と液相の間隙水圧pを未知数とするu-p形式の定式化による支配方程式を、FEMと FDMで離散化している。達成型の定式化を行っている。したがって、 間隙水圧の伝播や 消散を考慮でき、また、液相の圧縮性を考慮することにより、鉛直動の増幅特性の再現を 考慮することができる。本研究においては、作成した3次元プログラムおよび従来の2次 元プログラムに上記の拡張した構成モデルを組み込み、比較検証を行った。 はじめに、地震アレ一概測記録を用いた液状化地盤の地震時シミュレーション解析を行

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-14-った。用いたデータは1987年のWildl脆および1995年兵庫県南部地震のポートアイラン ドのデータである。各サイトにおける地盤情報からパラメータの特定を行い、時刻歴解析 を実施し、概ね良好な結果を待た。これらの検討においては2次元・3次元解析の比較、 多方向人力の影響、液相の圧縮性の影響、入力彼の方向補正の影響などが調べられた。ポ ートアイランドでは人工島全体の地盤の3次元解析を行い、良く観測結果を再現する結果 を得た。 次に地盤あるいは地盤一基礎構造物系をモデル化した振動実験を行い、実験結 果と2次元・3次元シミュレーション解析結果の比較を行った。振動実験は遠心装置を用 いて50G填で実施された。水平成層をモデル化した実験は、地盤の相対密度と透水性をパ ラメータとして行われた。シミュレーション解析において、各実験をモデル化した結果は それぞれ良く整合した結果を得た。特に透水係数に関しては間隙水に水、シリコンオイル のいずれを用いてもそれぞれの透水試験より得られた透水係数を用いれば、実験結果を良 く再現できることが確認された。同じく遠心装置を用いてケーソン基礎をモデル化した地 盤一基礎構造物系モデルの振動実験が行われた。ここでも解析的アプローチとして2次 元・3次元解析を実施し、両者の相違を実験結果と比較するとともに、構造物に作用する 土庄について検討し、 重要な知見と問題点を明らかにしている。本検討において2次元 解析と3次元解析の差異が明らかとなった。3次元的な構造物の挙動を2次元的にモデル 化する場合、変形および構造物に作用する土水圧が過小評価される傾向が確認された。最 後に、阪神地域沿岸部の埋め立て地盤に存在する護岸付近のケーソン基礎を想定した2次 元および3次元解析を実施した。本解析により護岸付近の変形あるいは基礎に作用する土 庄について考察を行った。 以上、本研究においては、より精度の高い構成モデルへの拡張、解析ツールの3次元化 と検証が行われ、開発されたツールを用いて地盤および地盤一基礎構造物系モデルの2次 元・3次元液状化解析を行った。解析結果から本手法の安当性が証明され、地盤一基礎構 造物系の液状化挙動の再現に有益なツールであることが確認されたとともに、液状化地盤 の3次元的挙動が明らかとなった。

論文審査の結果の要旨

地震時における力による地盤の液状化は土木構造物に多大の被書を与えるため、 地盤と 基礎構造物の液状化時の挙動を予測することは、 社会基盤の整備維持にとってきわめて 重要である。 特に、 基礎構造物との3次元挙動の解明はこれまで研究が少なく、その 解析予測法の開発が必要である。本論文は、 このような観点から、新たに開発した砂の 弾塑性構成式を用いたBiotの混合体理論に基づき、土と水を達成させた3次元有効応力解 析手法を用い、液状化する地盤および地盤一基礎構造物系の解析を行なうとともに、模型 実験結果や実挙動との比較・検証を通して、液状化時における地盤あるいは基礎構造物の 挙動を明らかにしている。

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-15-まず、地震時の液状化を考慮した構成モデルに関して、従来のモデルの拡張を行った。 実地盤に想定される多様な応力状態を考慮して、種々の応力状態のもとで繰返し非排水中 空ねじり試験を実施した。試験データの分析をもとに、構成モデルの拡張を行っている。 拡張により、構造物の近傍などの複雑な応力状態のもとにおいても精度の高い再現性をも つ構成モデルが開発された。 はじめに、地震アレー観測記録を用いた液状化地盤の地震時シミュレーション解析を行 った。用いたデータは1987年のWildlifeおよび1995年兵庫県南部地震のポートアイラン ドのデータである。各サイトにおける地盤情報からパラメータの特定を行い、時刻歴解析 を実施し、概ね良好な結果を得た。これらの検討においては2次元・3次元解析の比較、 多方向入力の影響、液相の圧縮性の影響、入力彼の方向補正の影響などが調べられた。ポ ートアイランドでは人工島全体の地盤の3次元解析を行い、良く観測結果を再現する結果 を得た。 次に地盤あるいは地盤一基礎構造物系をモデル化した振動実験を行い、実験結果と2次 元・3次元シミュレーション解析結果の比較を行った。振動実験は遠心装置を用いて50G 填で実施された。水平成層をモデル化した実験は、地盤の相対密度と透水性をパラメータ として行われた。シミュレーション解析において、各実験をモデル化した結果はそれぞれ 良く整合した結果を得た。特に透水係数に関しては間隙水に水、シリコンオイルのいずれ を用いてもそれぞれの透水試験より得られた透水係数を用いれば、実験結果を良く再現で きることが確認された。同じく遠心装置を用いてケーソン基礎をモデル化した地盤一基礎 構造物系モデルの振動実験が行われた。ここでも解析的アプローチとして2次元・3次元 解析を実施し、両者の相違を実験結果と比較するとともに、構造物に作用する土庄につい て検討し、 重要な知見と問題点を明らかにしている。本検討において2次元解析と3次 元解析の差異が明らかとなった。3次元的な構造物の挙動を2次元的にモデル化する場合、 変形および構造物に作用する土水圧が過小評価される傾向が確認された。 最後に、阪神 地域沿岸部の埋め立て地盤に存在する護岸付近のケーソン基礎を想定した2次元および3 次元解析を実施した。本解析により護岸付近の変形あるいは基礎に作用する土庄について 考察を行った。 以上、本研究においては、より精度の高い構成モデルへの拡張、解析ツールの3次元化 と検証が行われ、開発されたツールを用いて地盤および地盤一基礎構造物系モデルの2次 元・3次元液状化解析を行った。解析結果から本手法の妥当性が証明され、地盤一基礎構 造物系の液状化挙動の再現に有益なツールであることが確認されたとともに、液状化地盤 の3次元的挙動が明らかとなった。以上のように、 本論文の内容は、 学術的に高いレ ベルに達していることおよび実際に適用できる工学的価値を十分有するものであり、 工 学における博士論文として十分価値あるものと判定された。

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