絵本に関する臨床心理学的考察 学校教育専攻 臨床心理士養成コース 三木佑子
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問題と目的 近年,携帯電話やインターネットの普及に より私たちの周りは急速に電子化が進んでい る。しかし,全ての物事にメッリトとデメリ ットがあるように電子化にもたくさんのメリ ットの他にデメリットも存在するのである。 そのひとつがコミュニケーションの機会の減 少である。それらはあくまで画面上のやりと りであり,相手の顔や声は分からない。つま り,相手の感情や状況を正確に把握すること が困難なのである。そのため,容易に他者を 傷つけることにもなるし傷つけられるという ことにもなる。 また,自分の周りの人々に自分の気持ちゃ 状況などを理解してもらいにくいという状況 が出来上がってしまうのである。人と人が直 接コミュニケーションをとるということは自 分や相手の感情や状況を理解する上で重要で ある。つまり,このように電子化が進み非常 に便利な世の中になっているが,それらに依 存することなく人とコミュニケーションをと ることが大切なのである。 では,まずコミュニケーションはし、かに発 達していくのであろうか。近年,母子間のコ ミュニケーションの方法のひとつとして絵本 の読み聞かせが注目されている。寄り添い, 体に触れ合うことや,絵本を読み聞かせる時 の独特の語り口調はマザリーズに通じるもの が感じられるため子どもを安心させることが 指 導 教 員 佐 藤 亨 できるのであろう。その他にも,絵本を読み 聞かせることによって様々な効果があるとさ れている。 絵本の読み聞かせには様々な効果があり, その効果の研究もなされている。その中でも 今回注目したのが「絵本のストーリーを通じ て絵本の中で語られているこれから社会で生 きていく上で必要とされる教訓を学ぶことが できる」という効果である。 そこで本研究では,ひとつの絵本を様々な 視点から解釈・分析し,r
ひとつの絵本から得 られるメッセージや意味は複数存在するJ と 仮定し,検証することを目的とする。E
方法 1 絵本の選択 本研究ではShelSilversteinの作品であるrTHE MISSING PIECEJ
の日本語訳であ る「ぼくを探しに」を使用する。この絵本の 中で,W
ぼく』も『かけら』も何者であるかの 表現は全くされていない。つまり,読み手に よって様々な解釈が出来るものである。本研 究では,絵本を先入観によらず,様々な角度 や視点からの分析を行なうことが必要なため にこの本を選択した。 2 場面分け 5つの場面に分けることとする。 ①の場面は “気付きと探求"の場面,②は “W the pieceJlとの出会い③は“Wanother pieceJlたちとの出会し¥"④は “Wperfect pieceJlとの出会い"⑤は “W perfect pieceJl - 1一との別れと再出発"の場面であるとする。 3 ケースの設定 。『ぼく