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脊髄損傷後の機能回復機序の解明と機能を補う人工神経接続

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Academic year: 2021

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<シンポジウム 06―1>Brain-machine interface はどこまで可能か?

脊髄損傷後の機能回復機序の解明と機能を補う人工神経接続

西村 幸男

(臨床神経 2011;51:923) Key words:脊髄損傷,巧緻性,手,ブレインコンピューターインターフェイス,人工神経接続 脊髄損傷や脳卒中などの中枢神経障害は,大脳皮質から脊 髄への下行路である皮質脊髄路の損傷が原因で四肢に運動麻 痺がおこる.しかしながら,損傷の領域の上流である大脳皮質 およびその下流の脊髄内神経回路自体は,機能を有しており, これらを人工的に神経接続する“人工皮質脊髄路”が形成でき れば,失った運動機能を再獲得できる可能性がある.そこで, 本研究では,マカクサルでの,人工神経接続による運動機能再 建の例を報告する. 1)人工皮質脊髄路による機能再建 大脳皮質一次運動野と頸髄とを人工的に神経接続を施し, それに対して運動野の神経細胞がどのようにその人工皮質脊 髄路に適応するか検討した. 二頭のマカクサル(4.5∼6.6kg)に一次運動野(M1)手領域 に単一細胞活動の記録用に電極アレイを,頸髄 C7-Th1 に電 気刺激用の電極アレイを,前腕に 12 の筋に筋活動記録用の電 極をそれぞれ慢性的に埋め込んだ.脊髄への電気刺激(10∼ 400μA,1∼3 発)は随意運動中の筋活動に対して,1 例として, 屈筋群には興奮性,その拮抗筋群には抑制効果というように 機能的に影響を与えることができた.このような,性質を持つ 脊髄の刺激箇所に対し,M1 の単一神経細胞の活動による Activity-dependent stimulation することによって,人工皮質 脊髄路を形成すると,M1 細胞が人工皮質脊髄路に対して,柔 軟にその活動パターンを変化させることにより,適応して いった. 2)人工皮質脊髄路によるシナプス増強 脊髄運動ニューロンへの単シナプス結合を持つ Cortico-Motoneuronal(CM)Cell に人工皮質脊髄を形成して,自由行 動下で適応させたところ,CM 結合のシナプス伝達効率を意 味する post-spike effect の振幅が 20∼25 時間の人工皮質脊 髄路への暴露により上昇した.この CM 結合のシナプス増強 は M1 細胞と脊髄刺激の遅延時間が 5∼25ms の時のみおこ り,Hebbian plasticity によるものだと考えられる. これらの結果から,人工皮質脊髄路は下行路の損傷により おこる運動麻痺に対する神経補鉄法として提案できるのでは ないかと考えられる. Abstract

Neuronal mechanisms of functional recovery after spinal cord injury and restoring lost function using artificial neuronal connection

Yukio Nishimura, Ph.D.

1)

Department of Developmental Psysiology, National Institutes for Physiological Sciences

2)

Precursory Research for Embryonic Science and Technology, Japan Science and Technology Agency (Clin Neurol 2011;51:923) Key words: Spinal cord injury, Dexterity, hand, Brain computer interface, Artificial neuronal connection

生理学研究所認知行動発達機構研究部門〔〒444―8585 愛知県岡崎市明大寺町字西郷中 38〕 科学技術振興機構・さきがけ

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