商業科(簿記)学習指導案
広島県立広島商業高等学校
教諭 津久井 詩子
1 日時 平成 25 年 10 月 15 日(火) 第6校時
2 学年・組 第1学年6組(男子 10 名 女子 30 名 計 40 名)
3 場所 1年6組HR教室
4 単元名 決算(その2)
5 単元について
○教材観 本単元は,決算手続き全体の流れを理解し,決算整理,8桁精算表,帳簿決算,財務諸表
の作成について学習する単元である。決算(その1)で学習した決算整理(売上原価の計
算,貸し倒れの見積もり,減価償却の直接法)に加え,新たな決算整理(
費用・収益の繰り 延べ・見越し,有価証券の評価,減価償却の間接法)の意味と記帳方法を習得させ,8桁精算 表,帳簿決算,財務諸表が作成できるようになることを目標とする。○生徒観 授業中は非常に静かで和やかな雰囲気である。積極的に発表する生徒は少ないが,発問に
対してはきちんと答える。1学期期末考査の結果を分析すると,学習内容を十分理解でき
ていない生徒もいたが,夏休みに補習を行った結果,学習に前向きに取り組むようになっ
ている。
○指導観 これまで,決算整理を含まない財務諸表(貸借対照表・損益計算書)の作成,決算予備手
続き(売上原価の計算,貸し倒れの見積もり,減価償却の決算整理,8桁精算表の作成)
については学習しているが,決算の本手続き(帳簿決算,決算整理を含めた財務諸表の作
成)については初めて学習する。決算の一連の流れのどの部分を学習しているかを意識さ
せるため,決算の流れをプレゼンテーションソフトを使用して大型モニターで提示し,繰
り返し説明することで決算の全体像を理解させる。また,決算整理仕訳や精算表と財務諸
表の作成に何度も繰り返し取り組ませることにより,
「決算整理仕訳ができるようになっ
た。
」
「当期純利益が一致した。
」等の達成感を感じさせる。この達成感を積み重ねることで
生徒に簿記の学習に対する自信を持たせ,学習意欲を高められるよう指導する。
6 単元の目標 決算の意味や目的,決算整理の必要性について理解させるとともにその記帳方法を習得さ
せる。また,各勘定記録をもとに財務諸表を作成する方法を習得させ,作成した財務諸表
から企業の状況を把握できるようにさせる。
7 単元の評価規準
関心・意欲・態度 思考・判断・表現 技能 知識・理解 決算整理を伴う決算手続きにつ いて関心を持ち,新しい決算整 理事項(費用・収益の繰り延べと 見越し,有価証券の評価,間接法 による減価償却)に進んで取り組 もうとしている。 新しい決算整理(費用・収益の繰 り延べと見越し,有価証券の評 価,間接法による減価償却)を行 う意味と必要性について考えて いる。また,財務諸表を見て企業 の状況について判断することが できる。 新しい決算整理事項(費用・収益 の繰り延べと見越し,有価証券の 評価,間接法による減価償却)を 伴う決算のための基礎的・基本的 な技術を身に付けている。 決算手続きと新しい決算整理事 項の意味を理解し,決算整理仕 訳や財務諸表の作成に関する基 礎的・基本的な知識を身に付けて いる。8 単元の指導計画(全 20 時間:本時は3次の1時限目)
次 学習内容(時数) 評 価 関 考 技 知 評価規準 評価方法 1 次 決算整理 (10) ○ ◎ ○ 決算整理の意味とその必要性を考え,費用・収 益の繰り延べ・見越し,有価証券の評価,減価 償却の間接法の記帳方法を理解し,習得してい る。 提出物 行動観察 定期考査 2 次 8桁精算表 (5) ◎ ○ 8桁精算表の意味を理解し,その作成方法を習 得している。 提出物 行動観察 定期考査 3 次 帳簿決算と 財務諸表の作成 (5) ○ ◎ 決算整理を含む帳簿決算の流れと記帳方法,財 務諸表の作成方法を理解し,習得している。 提出物 行動観察 定期考査9 本時の展開
(1)本時の目標 決算整理仕訳を行い,記帳することができる。
(2)本時の評価規準
関心・意欲・態度 思考・判断・表現 技能 知識・理解 ・新しい決算整理事項(費用・収 益の繰り延べと見越し,有価証券 の評価,間接法による減価償却) を含む決算整理仕訳を行い,記 帳することができる。(3)本時の評価基準
A (十分満足) 決算整理仕訳を自ら行い,記帳することができる。 B (おおむね満足) 決算整理仕訳を行い,記帳することができる。 C (努力を要する) 決算整理仕訳について解説を聞きながら仕訳を行い,記帳することができる。(4)
「B:おおむね満足できる」状況に至らなかった生徒に対する指導の手立て
・復習プリントでつまずきが多くある場合は全体にヒントを与えるとともに,答え合わせで補足する。
10 学習の展開
学習活動 ◇指導上の留意事項 (◆努力を要すると判断した生徒への手立て) 評価規準 (評価方法) 導入 (5分) 1 前時まで学習した決算の一連の流 れについて振り返る。 2 本時の目標を確認する。 ◇日常の取引「仕訳→転記」と期末にまとめる「決算」 の違いを確認する。 ◇これまでは決算予備手続き(決算整理→精算表)を学 習していたが,本時からは「決算本手続き」を学習する ことを意識させる。 ◇本時の2つの目標のうち「決算振替仕訳を理解するこ と」を意識させる。 展開① (15 分) 3 問題集P52(18-4)の帳簿 を見て,資産・負債・資本・収益・費 用のどの要素かを再確認する。 ◇総勘定元帳は資産から順に並んでいることを思い出 させる。特に,資本と収益の境界線(資本金/売上)を 明確に区別できているかを再確認させる。 4 決算整理事項を復習プリントで仕 訳する。隣の人と交換し,答え合わせ をする。 ◇前時で行った決算整理仕訳を自分で解くことができ るか,復習プリントで理解を確認する。 ◆机間指導でつまずきが多いような問題があれば全体 に向けてヒントを与え,答え合わせで補足説明をする。 ◇計算式も記入するように指示する。 決算整理事項を読み,自ら仕 訳ができる。【技能】 (机間指導・復習プリント) 5 各勘定へ転記を行う。 ◆新しく出てくる勘定科目(勘定口座)は5つの要素の うちどこに属するかをきちんと記入しているかを確認 し,隣同士でも確認させる。 ◇正確に転記できるように,転記する勘定は生徒と同時 に黒板に書いて確認できるようにする。展開② (25 分) 6 損益勘定について説明を聞く。 決算振替仕訳を行う。 (収益の各勘定→損益勘定) ◇決算振替仕訳とは収益と費用の各勘定を損益勘定に 集合させて,この1年で儲かったのか損をしたのか(当 期純損益)を計算することで確認する。損益勘定とは当 期純損益を計算するための集合勘定であることを意識 させる。 ◇収益と費用の各勘定は当期一年分を計上しているの で,損益勘定に振り替えて残高を0にすることを確認す る。 ◇収益→費用の順に行うことを指示する。 ◇収益は貸方残高なので借方に移して振り替えること を確認する。 ◇転記する際,損益勘定には相手科目と金額を一つずつ 個別に記入することを指示する。 決算振替仕訳(収益→損益) を仕訳,転記ができる。【技能】 (机間指導・発問) 7 決算振替仕訳を行う。 (費用の各勘定→損益勘定) ◇費用は借方残高なので貸方に移して振り替えること を確認する。 ◆仕入勘定に注目させ,転記が多く記入してあるために 金額の計算を間違えやすいことを意識させる。 ◇費用については決算整理仕訳で2つの新しい勘定(貸 倒引当金繰入,減価償却費)が出てきていることを確認 する。また,総勘定元帳の番号順に振り替えていくこと も再確認する。 ◇転記する際,損益勘定には相手科目と金額を一つずつ 個別に記入することをもう一度指示する。 決算振替仕訳(費用→損益) を仕訳,転記ができる。【技能】 (机間指導・発問) 8 損益勘定から当期純利益を計算し て求める。 ◇集合勘定である損益勘定を見て借方(費用)と貸方(収 益)の大きさを比べさせ,差額を計算させる。 ◆損益勘定に合計金額を入れた図でイメージをさせて, 当期純利益か当期純損失のどちらかを考えさせる。 ◇当期純利益の場合は資本金勘定(純資産)の増加を意 味していることを気付かせる。 9 決算振替仕訳を行う。 (当期純利益→資本金勘定) ◇転記する際は損益勘定の摘要は相手勘定科目なので 「当期純利益」では無く,「資本金」と書くように指示 する。 決算振替仕訳(損益→資本金) を仕訳,転記ができる。【技能】 (机間指導・発問) まとめ (5分) 10 本時のまとめと次時の説明を聞 く。 ◇決算の本手続きである「総勘定元帳の締め切り」の中 の「決算振替仕訳」の手続きについて理解し,記帳でき たかを確認する。 ◇この後,各勘定の締め切り,繰越試算表の作成などの 本手続きを終えて,決算の報告となる財務諸表(損益計 算書と貸借対照表)の作成へと続いていくことをイメー ジさせる(時間が余っていれば各勘定の締め切りを行 う)。 ◇次時までに各勘定の締め切りを行ってくることを宿 題とする。 ◇次時は,繰越試算表の作成を行い,本手続きの内容を 全て終える予定であることを伝える。また,この問題か ら損益計算書と貸借対照表を作成し,決算の報告までを 学習することを伝える。