障害者の社会生活情報に関する研究 : 地域福祉資源調査の実践を通して
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(2) “北海道生涯学習研究”北海道教育大学生涯学習教育研究センター紀要 第2号. 平成14年3月. ReportoftheResearchandEducationCenterfbrLifヒlongLeaming−HokkaidoUniversityofEducationNo・2 March. 2002. 障害者の社会生活情報に関する研究 一地域福祉資源調査の実践を通して− 安井友康1)・松川敏道2)・小野 忍3) 北海道教育大学岩見沢校1)・北海道医療大学2)・札幌福祉専門学校3). Constructionofthelivlnginfbrmationdatabaseforpeop]ewithdisability Tbmoyasu YASUI(HokkaidoUniversityofEducationIwamizawa) TbshimichiMATSUKAWA(HealthSciencesUniversityofHokkaido) ShinobuONO(SapporoSocialwelfareVbcationalSchool) Manypeoplewithdisabilityneedmoreinformationfortheirdailyliving・Butinhabitants,. especiallylnlocalarea,didnotknowinformation about service and support group of. peoplewithdisability・The purpose ofthis studywas to make the database throughto collecttheinformationforthelifbofpeoplewithdisabilityinIwamizawa−City・Therewere 9topICS丘omlOlitemsofinformation・Thosewere8consultationdesks,9helpservices, 33pension and grant systems,15socialwelfareinstitutions,6employment support SyStemS,7volunteergroups,12leisureandsportsactivitygroupsandOthers・Theresults. Showedthatthereweremanyinformalgroupsforlifbsupportsofpeoplewithdisabilities・ Keywords:障害(disability)、生活(1ifb)、福祉(welfare)、情報(information). Ⅰ.はじめに 障害者の福祉に対する制度が大きな変革を迎えようとする中で、その生活を支える福祉情報が 注目されるようになってきている。障害のある者が生活していく上で必要な「障害者にとって」 の情報は、地域福祉の進展にともない、その重要性が相対的に向上してきた分野である。特に福. 祉の基礎構造改革に伴う法改正(社会福祉の増進のための社会事業法等の一部を改正する等の法 律)により平成15年度4月から従来の措置制度から利用制度(支援費制度)へ移行することになっ たが、その成否には、福祉サービスの利用や主体的な生活を選択するための情報の確保が重要な. 要因となることが予想されるからである。このことは、介護保険の実施に伴い、情報の充実がケ アマネージメントの質の向上を左右する大きな要因となっていることからも裏付けられている。 ケアプランの作成にあたり、地域にどのような福祉資源が存在し、それをいかにコーディネート できるかが、質の高い福祉サービスにつながっている。この関係が障害者福祉の分野においても 始まろうとしているのである。. 障害者が地域で主体的な生活を営むためには、従来の行政サービスを中心とした福祉サービス とともに余暇活動やスポーツ活動への参加、ボランティア活動1)など生涯学習の機会を含めたイ ンフォーマルな活動への参加機会が保障されているかどうかが、その生活の質を担保するための. −125−.
(3) 安井友康・松川敏道・小野 忍. 大きな要因となる。しかし大都市圏をのぞき多くの地域、とりわけ地方の中小都市部では、この ようなインフォーマルなサポートグループは十分組織されておらず、まして余暇やスポーツ活動 の情報については、系統的、組織的情報化がはとんど行われていないのが現状である。 このような問題を背景として、我々は地域の障害者の生活を支える情報のデータベース化を図 ることを目的に、公的機関による情報としてではなく住民の視点から障害者の地域生活情報の収 集を行った。この過程を通して情報ニーズの洗い出しを行うとともに、インフォーマルな生活支 援の掘り起こしについてもその可能性を探ることができた。そこで本稿では、障害者の生活を支 える情報の収集過程とともにその内容について報告する。. Ⅱ.方法 1.対象 北海道空知支庁所在地の岩見沢市(人口約85000人)ならびにそのエリア内の障害者の生活に関 連すると考えられる施設、サービス、グループ等を対象とした。. 2.調査方法 (1)1次調査. 岩見沢市内の障害者福祉関連の情報データベース作成のため、広報、社会福祉施設・福祉サー ビス従事者に対する聞き取り等を行った。さらに各機関や団体等のサービス・活動内容につい て調査紙を送付し郵送等により回収を行った。. 調査内容については、名称、所在地、連絡・問い合わせ先、活動・業務内容、利用時間、利 用条件、その他の留意事項などの項目についての自由記述とした。またパンフレット等参考に なる資料についてもあわせて提供を依頼した。 なお調査は平成9年に行われた。 (2)2次調査. 第1次調査の資料並びに情報冊子をもとに、新しい事項の収集を行った。さらに各施設、窓 口、グループに対し1次調査の内容の確認を調査メンバーによる電話、訪問により行った。こ. の調査はおもに平成12年度に行ったが、平成13年度まで継続して随時情報収集を行った。 (3)分析. 収集された事項について、関連すると考えられる項目をカテゴリー化して分類し、内容の整 理を行った。さらに1次調査と2次調査においてカテゴリー化された項目について、項目数な. どの比較検討を行った。. Ⅲ.経過と結果 1.障害者の生活情報に関する項目について 項目数について1次調査と2次調査の結果を比較したのが図1である。1次調査ではあがらな. かったボランティア・企業、余暇・スポーツ活動、その他の項目の計24項目が追加されたほか、. 相談が5項目から8項目へ、サービス・援助が8項目から9項目へ、手当・年金・助成制度が31 項目から33項目へ施設が12項目から15項目へそれぞれ増加した。反対に就労関連の情報が12項目 から9項目へ減少したが、これは相談窓口の一本化などによるものであった。その結果、合計で. −126−.
(4) 障害者の福祉生活情報に関する研究. 71項目から101項目へ項目数が増加した。. 集められた情報をもとに、データベースを作成した。表1は、障害者の生活情報について、相 談関係の窓口や機関、サービスや援助、手当・年金・助成制度に分類したものである。相談関係. の窓口や機関については8項目、サービスや援助については9項目、手当・年金・助成制度につ いては33項目が挙げられた。また表2は、医療、施設、就労、ボランティア・企業、余暇スポー ツ活動、その他についてまとめたものである。医療については3項目、施設について15項目、就 労について9項目、ボランティア・企業10項目、余暇・スポーツ活動について12項目、その他に ついて2項目が挙げられた。. 団その他 口余l写・スポーツ. 臼ボランティア・企薫 鴎就菊 田施設 悶医療 皿手当・年金・助成 白サービス・堰助 樗相議. 1次調査. 2次調査 国1情幸尉頁目数の変化. −127−.
(5) 安井友康・松川敏道・小野 忍. 表1障害関係の生活情報1(2次調査結果) 1.相談関係の窓口や機関 (1)岩見沢児童相談所 (2)岩見沢保健所. (3)民生委員・児童委員 (4)身体障害者相談員 (5)知的障害者相談員 (6)精神保健福祉相談員 (7)弁護士による法律相談 (8)就職採用についての相談. 2.サービス・援助 (1)身体障害者ホームヘルプサービス事業 (身体障害者家庭奉仕員派遣制度) (2)身体障害者デイサービス事業 (3)在宅重度心身障害者(児)ショー. トステイ事業. (心身障害者(児)短期入所事業・在宅重度身体障害者短期入所事業) (4)日常生活用具給付事業 (5)補装具の交付・修理 (6)身体障害者手帳 (7)療育手帳. (8)精神障害者保健福祉手帳. (9)福祉タクシー(リフト付)ふれあい号 3.手当・年金・助成 (1)在宅介護手当. (2)身体障害者更生資金(生活福祉資金賃付制度) (3)岩見沢市身体障害者年金 (4)特別障害者手当 (5)公的年金. (6)北海道高齢者・身体障害者住宅整備資金貸付 (7)業務災害補償制度 (8)心身障害者扶養共済制度 (9)身体障害者自動車運転訓練費補助 (身体障害者自動車運転免許取得費の補助) (1切身体障害者自動車改造費補助 (身体障害者自動車改造費の補助) (11)指定駐車禁止場所における適用除外車両について (1a心身障害者JR旅客運賃割引事業 (13)バス運賃の割引. (14タクシー料金の福祉割引制度 (15)タクシー料金の助成. (16)有料道路通行料金の優遇措置 (17)心身障害者航空旅客運賃割引 (18)NHKテレビ受信料の減免. 捌郵便料金の減免 捌障害者控除(特別障害者控除) el)同居特別障害者扶養控除(所得税) 闘障害者控除(住民税). 捌特別障害者控除(住民税) 馴障害者等の非課税限度額(住民税) 闘同居特別障害者扶養控除(住民税) 俊錮目続税の障害者控除 (抑特別障害者に対する贈与税の非課税. 幽重度の視覚障害者のあん摩、はり等医療に類する事業税の非課税 餉自動車税・自動車取得税の免除 鋤軽自動車税の免除 馴心身障害者扶養共済制度に係る掛け金の控除 闘健康保険法による福祉用具のレンタル料7割助成. 闘労働者災害補償保険法の介護機器レンタル事業. −128−.
(6) 障害者の福祉生活情報に関する研究. 表2 障害関係の生活情報2(2次調査結果) 4.医療関係 (1)更生医療の給付. (2)重度心身障害者医療費助成 (3)進行性筋萎縮症療養給付. 5.施設等 (1)岩見沢清丘園(社)岩見沢酒丘園 知的障害者更生施設 (2)栗山ハロー学園岩見沢分場 知的障害者適所授産施設 (3)くびどハイム(社)クピドフェア 身体障害者療護施設 (4)アゴラ(社)クピドフェア 身体障害者通所授産施設 (5)くびとワークショップ(社)クピドフェア 身体障害者重度授産施設 (6)K・P96′ (社)クピドフェア身体障害者福祉工場 (7)岩見沢光明舎(社)岩見沢光明舎 身体障害者授産施設・身体障害者通所 (8)いこいの家共同作業所 (9)こぶし共同作業所. (1α岩見沢手をつなぐ育成会 (11)こくわ共同作業所 (12)岩家連共同作業所 (13)精神科医療機関. (141岩見沢市立病院デイケア (19点字図書館(視力障害者福祉センター). 6.就労 (1)身元保証. (2)公共職業訓練 (3)職場適応訓練 (4)短期職場適応訓練 (5)職業準備訓練 (6)職業講習. (7)知的障害者職親制度 (8)授産施設の相互利用(適所)制度 (9)知的障害者生活能力訓練. 7.ボランティア・企業 (1)岩見沢さつき会. (2)岩見沢市点訳赤十字奉仕団 (3)こすもす. (4)視力障害者に対するガイド (5)岩見沢手話の会. (6)手話サークル エプロン (7)ガイドボランティア はたる (8)精神保健サークル YOU (9)ボランティアサークル ひとみの会. ㈹岩見沢友の会 8.余暇・スポーツ活動 (1)車椅子バスケットボールクラブ KP96 (2)車椅子バスケットボールクラブ 岩見沢高等養護学校OBC (3)ハンディキャップサッカークラブ ZERO′s (4)テニス 岩見沢高等養護学校OBテニスクラブ (5)チェアスキー ノースドルフィン(岩見沢地区). (6)障害者クロスカントリースキー協会に関する問い合わせ (7)クロスカントリー シットスキー. (8)障害児・者水泳サークル ミッキークラブ (9)障害児・着水泳サークル コスモスクラブ ㈹スポーツチャンバラ・フライングディスク 仙余暇活動サークル ひまわりクラブ(手をつなぐ育成会) (1カ余暇活動サークル 手をつなぐ育成会. 本人部会(結成に向けてのトレーニング部会) 9.その他 (1)地域福祉権利擁護事業 (2)成年後見制度. −129一.
(7) 安井友康・松川敏道・小野 忍. 2.各調査項目の内容について. 表3は、収集された情報の内容について、福祉施設を例に示したものである。各施設から寄せ られた回答をもとに、所在地、設置目的、サービス内容、利用料や利用時間、対象、定員、問い 合わせ等について内容の集計と整理を行った。なおそれぞれの項目については、すべて各団体や サービスの性格に合わせて情報を集計し、生活情報誌として製本を行った。. また余暇・スポーツ活動の項目について、試験的にweb上に公開したものを示したのが図2であ る。図に示した目次部分から、各項目を選択することによって、下欄の具体的内容が記述された 部分へジャンプできるよう設定を行った。. 表3 社会福祉施設に関する情報内容の例(1) (1)岩見沢清丘園㈱岩見沢清丘園 知的障害者更生施設. 所在地 〒068−0825 岩見沢市日の出町604番地 TEL22−1398 FAX25−1096. 目的 判断能力が不十分な者(痴呆性高齢者・知的障害者) 内容 知的障害者に対し、主に入所の形態をとりながら心身共に健康で豊かな生活が送れるよう、また社会自立にも向けて様々なサービスを提供 している。他に、通所の形態で利用することもできる。 利用料∼所得に応じて福祉事務所の設定に基づき負担金が徴収される。 利用時間・回数∼通所は午前9時から午後4暗まで 対象 ・15歳以上の知的障害者. 定員 入所200名 通所7名 その他 ・短期入所事業(1回7日間、回数制限なし)、地域生活援助事業も行っている。 ・障害者のどんな相談にも応じている。 問い合わせ 居住地の福祉事務所、または支庁社会福祉課 (2)栗山ハロー学園岩見沢分場 知的障害者通所授産施設 所在地 〒068−0822岩見沢市日の出台1丁目58番地 TEL22−0614 FAX22−0614. 内容 在宅の知的障害者の施設利用を容易にするため岩見沢市内に作業活動の場を設け、主に木工を中心とした授産作業を行いながら知的障害 者の日中活動を支援している。 利用料∼所得に応じて福祉事務所の設定に基づき負担金が徴収される。 利用時間・回数∼午前9暗から午後4暗まで 対象 ・15歳以上の知的障害者. 定員10名 その他 短期入所事業、レスパイトサービスも実施している。 問い合わせ 栗山ハロー学園(01237−6−3656)、栗山ハロー学園岩見沢分場(22−0614)、居住地の福祉事務所、または支庁社会福祉課 (3)くびどハイム(社)クピドフェア 身体障害者療護施設 所在地 〒068−0833岩見沢市志文町301番地 TEL23−1111FAX22−5638. 内容 身体障害者で常時介護を必要とする者を入所させ、身体的・精神的自立に向けた様々なサービスを提供している。作業では、主に陶芸・手芸・ 紙粘土細工・パソコンなどを行っている。 利用料∼所得に応じて福祉事務所の設定に基づき負担金が徴収される。 対象 ・身体障害者で常時介護を必要とする著 その他 短期入所事業も行っている。障害者のどんな相談にも応じている。 問い合わせ 居住地の市福祉事務所、または町村役場福祉課. −130−.
(8) 障害者の福祉生活情報に関する研究. 岩見沢 スポーツ・余暇情報 古漬. 1.■摘サ「.加 呈ッキークラブ 1■書珊サニ如− コ瑚ク.ラ.ブ 1左ポ=芝王九迦享ラ・?貴イ.軸 I.金町束ホリまラブ(手皇.コな∫甘地H. 乱射■孟曲サークル 手車ユ故地 6.ヰ拙サワトガールケ皇フ.岬且旦 丁.1■チノくスケ甘卜蝕まラブ 出正義尊書慣養鯉 l.ハンディキヤサブサ貨ねこ皇皇王_邸8. 9,テニス #見訳真如モ宗主皇丘ヨ 袖,里=丁ス.キー ノ1−スf世フイ.瀾卜 什■書♯ヱ眉墨州鼻=触堤嵐五重贋払増わせ 11−.吏q慕束主_ヒ且丁 叫長与T‖(幸助白.スカ舞上且岬慕圭_.1. モ巾■ ■書手Mわー●祖で書も許廿. m■書艶▼肴鳶饅サ¶クル ミγキークラブ 帯¶日韓ヰ■【旺鵬−1T劇〉. 韓11肝 ■よ榊1水ブール 藷■内書. t千で♯誅辞書曹集■(蒙鼻翼市¢拝書書綱■軌†ス触手で瀾和 義♯・間合いわせ. 伽ん血血■血i血. −131一.
(9) 安井友康・松川敏道・小野 忍. lV.考察 今回我々は、障害者の生活を支えるための地域情報に関するデータベースの試案を作成するこ とを目的にデータの収集を行った。障害者の地域生活の進展に伴い、福祉施設を中心にした福祉 情報については、徐々にその重要性が認識され、情報のデータベース化が進みつつある。一方で. 障害者の社会参加や生活の質を向上させるためには、インフォーマルな情報としてのボランティ アグループや余暇・スポーツ活動、地域の生涯学習の場に関する情報についても必要となる。し かし一元的な情報の集約が十分行われていない場合がほとんどである。. 今回の1次調査に見られたように、行政サービスや福祉施設に関する情報については、既存の 刊行物やリストなどをもとにした調査紙の配布を行うことによって比較的容易に収集できた。こ れに対し、インフォーマルな生活サポート情報については、行政サービスを中心に公的なサービ. スを明らかにした上で2次調査として収集された。公的サポートに関する情報がトップダウン式 に集約できたのに対し、インフォーマルな情報は人的ネットワークを通して入手される傾向があ. る。このような情報を収集するにあたっては、公的サポートに関する情報の構築をまず進め、そ れと組み合わせることにより効率的なデータ収集が図られるのではないかと考えられる。. また障害者を含めた地域住民の生活を支援する「福祉資源」として、企業を始めとした民間の 組織が期待されるようになってきている。福祉産業に直接従事していない業種であっても、生活 を支える大きな可能性を持っていると考えられるからである。しかし今回の調査では、そのよう. な認識を持つ企業はほとんどなく、十分な項目を起こすことができなかった。情報収集と併せて、 広く地域住民に対する情報の提供を行うことで企業等の協力も得られるような意識変容を図る必 要があろう。これについては、テレビ番組や報道などに見られる「障害者について」の情報をい かに一般化するかが鍵となる。障害者が実際に「どこで、どのような生活を送っているのか」と いう情報は、障害に対する認識や障害者観に大きく影響することが知られている。障害者の生活 に関わる情報を地域で共有すること、すなわち情報分野におけるインテグレートを進めることに よって、多くの住民が「障害のない社会の形成」の主体者になることが期待される。こうしてみ. ると情報の収集・公開と地域の福祉資源の普及はまさに表裏一体の関係といえる。 一方で障害者の生活に関する具体的な情報は、プライバシーとの関連など個人情報を含む場合 があり、その取り扱いについて検討の余地があることが指摘されている。いずれにせよ、このよ うに障害者の生活に関する情報の普及が、地域住民の障害理解等につながると考えられることか. ら、今後は得られたデータベースの普及をどのような形で進めるかの検討が必要である2)。 このような意味から今回試験的に導入したインターネットを利用した情報の公開は、今後様々 な展開の可能性を持つものと考えられる。インターネットを利用した福祉分野の情報化の試みは、 近年急速に進んでおり、今後は技術的な革新と相まって、双方性の情報ネットワーク化が進むこ とが予想される。その際いかに質の高い情報コンテンツを用意できるかが、その成否に関わって いると考えられていることから、さらに充実した情報の確保が求められるといえる。. Ⅴ.展望 今後、全項目についてインターネット上で障害者の地域情報の入手を可能にすることを計画し ている。また岩見沢市にある障害者の地域生活を支える福祉資源調査の結果をもとに、他市町村. においても同様の手法で地域情報を集約する試みが始まりつつある3)。平成15年から施行される. ー132−.
(10) 障害者の福祉生活情報に関する研究. サービス利用制度を控え、地域に根ざした障害者にとって暮らしやすい地域形成を図るためにも、 それぞれの地域の実情にあわせた草の根の地域情報のデータベース構築を考える必要があろう。. 註. 1)福祉分野におけるボランティア活動は、「する・受ける」の関係から共同相互関係の重要性が 指摘されるようになってきている。詳しくは拙論:ボランティアの今日的意義と課題、(北海道 教育大学岩見沢校ボランティア研究会編、ボランティア活動と地域社会・大学)13−20、1996を 参照のこと。. 2)すでにこれらの情報を利用した情報誌「暮らしやすい町を求めて一岩見沢生活情報誌12−13年 度版−」600冊を印刷し、その配布を行っているが、定期的な情報更新と刊行の継続に課題があ る。. 3)南幌町、栗沢町、栗山町、由仁町の南空知4町において行われている地域試行的事業において、 障害者の地域生活情報のデータベース化を始めている。さらに美唄市でも社会福祉協議会が中 心になり、福祉情報誌作成の試みが行われるなど周辺地域にも広がりを見せつつある。. 文献. 森本佳樹、地域福祉が変える情報化、月刊福祉、1996−6、44−49、1996 森本佳樹、社会福祉における情報化の意義と課題、社会福祉研究、78、28−34、2000 生田正幸、福祉情報システムの課題と展望一福祉情報の活用と共有のあり方をめぐって−、社会 福祉研究、78、48−56、2000. ー133−.
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