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物語文で叙述を根拠に自分の考えを述べる小学校国語科授業の構想と実践・評価 : PISA型読解力のプロセスを手がかりとして

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Academic year: 2021

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(1)物語文で叙述を根拠に自分の考えを述べる小学校国語科授業の構想と実践・評価           一PlS^型読解カのプロセスを手がかりとして一.                                教育実践高度化専攻                                授業実践リーダーコース.                                学籍番号 P11030C                                氏  名 並河  智之 1.研究の背景. 表1 PlS^型読解カと学習指導要領の指導事項との関連.  2008年に示された中教審答申において,学習 指導要領改善の基本方針の具体的事項に「目的 に応じて自分の立場から解説や意見,報告を書 き,理由や根拠を示しながら説明する」ことが.  熟考・評価はPISA型読解力のプロセスの最上位. 挙げられている。しかし,全国学力調査やPISA. の側面である。そこで,熟考・評価の定義を分析. 調査結果から,日本の生徒は,文章に対して叙. することで目的に従って文章を読み取るプロセス. 述を根拠にしながら自分の考えを述べることに. を整理した。熟考・評価や統合・解釈につながる. 課題があることが分かっている。. この思考プロセスに沿った読み方を身に付けさせ.  そこで着目したのがPISA型読解カである。PI. ることは,本研究の目的につながると言える。こ. SA型読解力は,文章の解釈だけでなく文章に対. の思考プロセスに沿って読み,読んで考えたことを. する評価までを読解力に含め,解釈や評価に至. 表現できるようになるためには,①「思考プロセス. る思考のプロセスが明確に整理されている。そ. に沿って形成した解釈や評価のr述べ方」の指導」. のプロセスは必ずテキスト内の叙述を根拠にす. ②「文学的文章に. るところに特徴があり,この特徴が本研究の手. 特有な「読み方」. がかりになると考えた。. の指導」が必要で. 一す1. 根拠を盤一二した明腕な見岬の主弧. テキスト外ω知置や蛭騒との. 述る獺 ぺ,提 カ通を のぺ掘 ワ方撮. 値び村1寸. ザ」1:. 】拍白 真分. 相. 明言されていないもωω. 推n:よる邊銅. ωω. 2.研究の目的. あると考え,この.  本研究は,PISA型読解力のプロセスを手がか. 2点を本研究の具. りにr物語文で叙述を根拠に自分の考えを述べ. 体的な指導内容. る」ことを目指した授業を構想し,授業実践を. とした(図1)。. 通してその有効性を確かめることを目的とす.  続いて先行研究や先行実践の分析を行い,指. る。なお,文学的文章特有の優れた叙述への指. 導の手立てとして次の4点を導き出した。. 拠 裏付1寸となる■実・制述ω聰リ出し. 1. 必考 ■え 性を. 1. 、_____y. 裏. 環. ②文字的文章ω特有な咽み方」指構の必要性 伽詰を読むワザ】. 身に付けさせたい思考プロセスと指導のポイント 図1 身に付けさせたい思考プロセスと指導のポイント 図1. 導も視野に入れたいとの思いから,教材として 物語教材を取り上げることとした。. l i叙述を根拠に主張することのよさを.経験を通して1. 3.研究の概要. :ii叙述を根拠に自分の考えを述べることを伴う言語=.  まず,PISA型読解力と平成20年版学習指導要領. : 活動を設定し、単元を貫いて目的意識を持たせる。=. 「C読むこと」との関連を明確に整理した1表1〕。. l iii r述べ方のワザ」やr物語を読むためのワザ」を1. この整理から,rC読むこと」の指導事項は概ね. 1 実感させる。餓1のみ〕              1. = 手引きとして示し,継続的に言語活動の中で活用=. 1 させ.活動後に振り返らせることで定着させる。l. PISA型読解力の各側面の性格を有していることが. liV自分の意見持たせた上で互い1こ交流するr伝え1. 分かり,PISA型読解カを基盤にした指導は平成20. 1 合い」の活動を充実させる。俣釦のみ〕     1 ■.’一一一一一■..一一一一■一一.一.・一■■一一■一一.’’一一一I■一■一一一一’・」. 年版学習指導要領につながることを確認した。.

(2)  実践(I)では,繰り返し同じ言語活動に取. 4、実践及び手立ての有効性の検証  実践(I)では,まずプレ単元で叙述を根拠に. り組むことによって,人物の考え方や変容を読. 自分の考えを述べることのよさを経験を通して感. み取る力と共に,徐々に叙述を根拠に自分の考. じさせ,本単元で情報の取り出しと統合・解釈を. えを述べることができるようになっていった。. 繰り返し最終的に熟考・評価する言語活動を通し.  実践(n)では,児童は登場入物の考え方や. て,自分の考えを述べることと「述べ方のワザ」. 相互関係を読み取るカや,優れた叙述について. の定着を目指した単元を構想した(表2〕。. の自分の考えを持つ力を身に付けた。また,物. 2 次. I. 語の中心的なテーマとそれを支える部分の叙述. 一言面 1+8 学習活動く簡易ブックレポートを書こう〉 日. とをつなげて考える力を身に付けた。言語活動. プレ. 副教材を使って,叙述に根拠を求めながら解釈や意. ①. 見の理由を説明することの良さに気づく【手立てi. 一. 内容の大体を読んで初発の感想を書き,. とっての「名人像」の判断基準を持つ 場面ごとに内容を読み取り.その時点におけrド. ④. ラガンは名人と言えるか」についての評価をする。. 一一. の継続的なワザの活用と振り返りによってこれ. 自分に. 二. ②. の記述分析やアンケート結果から,言語活動で. ; 妾 i1. らの力が身についたことが示唆された。. 手立てiV「伝え合い」の有効性の検証. ユ.  実践(n)において,発話記録より,話し合い. 物語の粗筋やドラガンの人物像についての自分. の評価をまとめて簡易フックレポートを書く。 教材文:主教材「ばらの谷」,副教材「あいさつ」 ②. によって新たな気づきを得ることができ,そのこ.  実践(II)では,大切な一文を取り出してそ の理由を述べる情報の取り出しと統合・解釈の 言語活動の中で,「物語を読むワザ」の習得・活. 用を繰り返しながら,自分の考えを述べること を目指した単元を構想した(表1〕。. とで解釈の再構成が起きたことがうかがえた。目 に見える形で自分の考えを文章化してから伝え合 いに臨んだことと,最後に自分の考えを文章で表 現させたことが有効に作用したと思われる。. 5.結論  物語教材において,叙述を根拠に自分の意見. 次. 3I■号i面158. を述べるために,本研究で導き出した4つの手. 学習活動くブックレポートを書こう〉. 一内容の大体を読んで初発の感想とテーマを書き, ②学習課題と学習活動についての見通しを持つ。 二内容面と形式面についての「自分が大切と思う一 ⑫文」を説明する活動を通して物語を読み深める。.  物語の中心的なテーマについて,テーマを支え. 立てを用いることの有効性が示唆された。PISA 手 立. 型読解カのプロセスを手がかりにしたことが具. て. 体的な指導内容の明確につながり,このことが. i}. 有効に作用したためと考えられる。また,叙述.  る叙述を明らかにしながらまとめる。 三② 「海のいのち」のブックレポートを書く。 教材文:「海のいのち」. を根拠にしながら読む意識や力を高めたこと が,学習者がr叙述に基づいた自分なりの読み」. 手立てi r叙述を根拠1こ考えを述べるよさ」の有効性の検証. を生み出すことにつながった。r叙述に基づい.  実践(I)の学習後の児童の振り返りの記述. て自分なりの読みを形成すること」は,物語教. より,叙述を根拠に自分の意見を述べることが. 材における学習指導の目標の一つであり,大き. 説得力のある意見につながるという「よさ」を. な意義があると考える。今後は,表4に示した. 理解したことが示唆された。. 課題について,検証を行う必要がある。. 手立てii「目的意識」の有効性の検証.  実践(I)・(II)共に,児童に目的意識を. 表4本研究1こおける今後の課題 (1〕説明的文章の指導における「ワザ」の検討. ②叙述を根拠に文章を読む力を高める視点を持った年間指導計画の作成. 持たせたことが,与えられた課題に応じて物語.  授業評価において導き出された4つの改善策く①ワークシートの改善、②rよさの. を読むことにっながったことが示唆された。.  の有効性の検証. 手立てiii rワザ表と振り返り」の有効性の検証. 1・)芳瀧繁竜1螂去鱗鵜蠕欄㌶誤篤膿穣灘菱駆機. 修学指導教員 伊藤博之 佐藤 真. 指導教員増澤康男.

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