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母親の養育態度及び育児不安が幼児の自己制御機能に及ぼす影響

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Academic year: 2021

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(1)母親の養育態度及び育児不安が幼児の自己制御機能に及ぼす影響              学校教育学専攻              幼年教育コース.                M09015K               鈴木 亜由美.         問題と目的. 4∼5歳の幼児を持つ母親376名に絞った。.  幼児期の中核的な発達課題として、自己制御機. (3)調査内容. 能の発達があげられる。幼児は、自己主張的側面. 1)フェイスシート. と、自己抑制的側面の2つの側面を持ち合わせて、.  母親の年齢、子どもの年齢、性別を尋ねる。. 自己を表出していく(柏木,1988)。幼児期の人格形. 2)母親の養育態度尺度:母親の養育態度について、. 成において、親の養育が及ぼす影響は大きい。田. 中道ら(2003)のr親の養育態度尺度」を用いた。. 中(1997)は、幼児を養育することは、両親にとっ. この尺度は「応答性」に関する8項目、「統制」. て大きな喜びであるが、現役割の獲得、新たなス. に関する8項目、計16項目である。. キルや責任の獲得、自由な行動の制約を伴うもの. 3)育児不安尺度:育児不安については、既存の育. であり、時として大きなストレスの源泉となりう. 児不安尺度項目(手島・原口,2004)を参考にした。. ると述べている。幼児を養育するにあたり起こる、. その申でも、育児不安の定義に沿った、中核的育. 対処不可能なことや有害性のあるものが、不適切. 児不安(自分が育児をすることに対する不安)を測. な養育や育児不安を引き起こす要因となっている. 定する8項目を用いた。. と言えよう。. 4)幼児の自己制御機能尺度:幼児の自己主張・自.  そこで、本研究では、母親の養育態度(権威的態. 己抑制については、首藤(1995)を用いた。この尺. 度、権威主義的態度、許容的態度)と育児不安(島. 度は自己制御機能を測定する20項目であり、「自. 群、低群)の組み合わせによって把握される養育パ. 己主張」8項目、「自己抑制」12項目からなる。. ターンが、幼児の自己制御機能にどのように影響.           結果. しているのかを明らかにすることを目的とする。. (1)調査対象者の属性.           方法.  調査対象者は4歳から5歳(平均年齢4.76歳. (1)研究デザイン. (SD=O.43))までの幼児をもつ母親(平均年齢35.52. 独立変数を母親の養育態度(権威型、権威主義型、. 歳(SD=4.41))であった。また、対象者376名のう. 許容型)と母親の育児不安(島群、低群)、従属変数. ち、134名が権威的養育態度、93名が権威主義的. を幼児の自己主張得点、自己抑制得点とした対応. 養育態度、149名が許容的養育態度に分類された。. のない2要因計画。. また、育児不安得点の平均値を基準に各母親を育. (2)調査対象. 児不安高群(175名)と低群(201名)に分類し. 公立幼稚園に通う4∼6歳の幼児を持つ母親576. た。さらに、母親の養育態度と育児不安に関連が. 名に質問紙を配布し、480名から回答を得た。回. あるか、パ検定を行った。養育態度と育児不安に. 収率は83.3%であった。その中で分析対象として、. は有意な連関があることが認められた(パ. 一38一.

(2) (2):8.02, pく05)。. 的な検討を要するであろう。母親が権威的養育態. 1)幼児の自己抑制得点に対する母親の養育パター. 度の場合の方が、権威主義的養育態度や、許容的. ンの影響. 養育態度に比べて、幼児は自己抑制が高いことが.  養育態度、育児不安共に主効果が有意であった. 分かった。母親の養育態度を考える場合、r統制か. (それぞれ、F(2,375)=7£8,pく.01,F(1,375)=10.15,. 応答性か」r先導的か受容的か」といった二者択一. pく.01)。養育態度と育児不安との交互作用は見ら. ではなく、両面性に着目していく必要があるだろ. れなかった。養育態度の主効果について、. う。. Bo曲㎜ni法による多重比較を行った結果、母親. 2)母親の養育パターンと幼児の自己主張との関連. が権威的養育態度の場合、幼児の自己抑制得点が、.  母親の養育態度と育児不安が相互に関連し、幼. 有意に高かった(権威的>権威主義、許容)。. 児の自己主張に影響していた。母親の育児不安が. 2)幼児の自己主張得点に対する母親の養育パター. 低い場合は、母親がどのような養育態度をとって. ンの影響. いても、幼児の自己主張に差が認められないこと.  養育態度の主効果が有意であり⑮(2,375):8.36,. が明らかにされた。育児不安が高い場合であって. pく.01)、育児不安の主効果は有意な傾向が見られ. も、母親が権威的態度であれば、幼児の自己主張. た(F(1,375)=3.14,pく、10)。養育態度の主効果に. は変化しないことが明らかになった。また、母親. ついて、Bo曲皿。㎡法による多重比較を行った結. が権威主義的養育態度をとる場合のみ、育児不安. 果、母親の権威的養育態度の場合、幼児の自己主. が高いと幼児の自己主張に負の影響を与えていた。. 張得点が、有意に高かった(権威的>権威主義、許.  今後はそれらの養育パターンをとる母親の具体. 容)。さらに、養育態度と育児不安の交互作用が有. 像に迫り、幼児の自己制御機能の影響関係につい. 意であった⑰(2,375)=3.13,pく.05)。交互作用が. て論考を加えていく必要があるだろう。. 有意であったので、下位検定を行った。まず、育.          総合考察. 児不安群別にみると、育児不安高群においてのみ、.  今回の研究で、幼児の自己制御機能を検討する. 養育態度の単純主効果が見られた(F(2,174)=8.85,. 際に、母親の養育態度に加えて、今後育児不安に. p<.01)。Bo曲m㎡法による多重比較の結果、母. も一層着目する必要があることが分かった。よっ. 親の養育態度が権威的養育態度の場合、幼児の自. て、教育現場等で不適切な養育を行う母親を支援. 己主張得点が有意に高かった(権威>権威主義、許. する場合、適切な養育方法を提案するだけではな. 容)。養育態度別にみると、養育態度が権威主義的. く、母親の内面理解に努めた支援を行うことが必. 養育態度の場合、育児不安の単純主効果が認めら. 要であろう。. れた(F(1,92)・・5.75,pく.05)。.  今後の課題としては、①幼児の自己抑制と自己.           考察. 主張の相互の関連性、②育児不安の潜在的な変数、. (1)母親の養育パターンと幼児の自己抑制との関. ③許容的養育態度の性質による分類、④父親の養. 連. 育態度とその影響、⑤自己主張因子の構造分析、.  母親の養育態度と育児不安が、それぞれ独立に、. ⑥養育態度と育児不安との関連性について検討す. 幼児の自己抑制に影響していた。母親の育児不安. ることが挙げられよう。. が低い場合の方が、幼児の自己抑制は高くなるこ.       主任指導教員 樹11和章 教授. とが言える。しかし、育児不安についての潜在的.       指導教員  石野 秀明 准教授. な要因については明確ではない。今後さらに実証. 一39一.

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