二〇一九年度卒業論文要旨集
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(2) 『札幌国語研究』第 25 号 北海道教育大学国語国文学会・札幌(2020 年). 卒 業 論 文 提 出. 中 間 発 表 会. 構 想 発 表 会. 十 二 月 二 十 七 日 ( 金 ). 十 月 八 日 ( 火 ). 五 月 二 十 八 日 ( 火 ). 於 ・ 国 語 科 教 育 学 第 一 研 究 室. 於 ・ 管 理 棟 第 一 ・ 二 会 議 室. 於 ・ 管 理 棟 第 一 ・ 二 会 議 室. め ま す 。 令 和 元 年 度 は 、 次 の ス ケ ジ ュ ー ル で 進 め ら れ ま し た 。. け る こ と に な っ て お り 、 非 常 に 綿 密 な 指 導 の 中 で 学 生 た ち は 卒 業 研 究 を 進. ま た 、 提 出 後 も 、 こ こ に 掲 載 す る 卒 業 論 文 要 旨 を 書 き 上 げ 、 口 頭 試 問 を 受. ど う か ご 高 覧 の 上 、 忌 憚 な い ご 意 見 を い た だ け ま す と 幸 い で す 。. 卒 業 論 文 構 想 発 表 会 、 卒 業 論 文 中 間 発 表 会 を 経 て 、 卒 業 論 文 を 提 出 し ま す 。. か ら 各 研 究 室 に 所 属 し ま す 。 研 究 室 に 所 属 し た ら 卒 業 研 究 の 準 備 を 始 め 、. 札 幌 校 の 国 語 教 育 分 野 で は 、 二 年 次 の 終 わ り で ゼ ミ 分 け を 行 い 、 三 年 次. 究 室 で 学 ん で き た 成 果 が 結 実 し た も の で す 。. ま し た 。 こ こ に 掲 載 い た し ま す の は 、 そ れ ぞ れ の 学 生 が 二 年 間 、 一 つ の 研. 年 間 学 び 、 初 の 国 語 科 教 育 学 第 二 研 究 室 卒 業 生 と し て 卒 業 論 文 を 書 き 上 げ. 業 生 た ち の 卒 業 研 究 の 成 果 で す 。. ( 国 語 科 教 育 学 第 二 研 究 室 ) に 所 属 す る 三 名 の 学 生 も 、 菅 原 先 生 の 元 で 二. た 。 二 〇 一 九 年 五 月 一 日 に 元 号 が 平 成 か ら 令 和 に 替 わ っ て 以 来 、 最 初 の 卒. む 者 が 三 名 お り 、 今 号 で は 計 二 十 一 名 分 の 卒 業 論 文 要 旨 を 掲 載 い た し ま し. の 道 に 進 む 者 や 、 留 学 等 の 事 由 に よ り 五 年 目 も 引 き 続 き 卒 業 研 究 に 取 り 組. 令 和 元 年 度 卒 業 生 は 、 入 学 時 は 二 十 四 名 で し た が 、 途 中 で 本 学 を 退 き 別. る こ と が で き ま し た 。 平 成 三 十 年 四 月 に 着 任 さ れ た 菅 原 利 晃 先 生 の 研 究 室. で 要 旨 を 掲 載 す る 学 生 た ち は 皆 、 三 年 次 ・ 四 年 次 と 同 じ 教 員 の 指 導 を 受 け. が 退 職 し 、 他 の 研 究 室 に 移 ら ざ る を 得 な い 学 生 も お り ま し た 。 幸 い 、 本 号. 札 幌 校 教 員 の 入 れ 替 わ り も 多 く 、 研 究 室 に 所 属 し て か ら そ の 研 究 室 の 教 員. 41. 士 論 文 ( 卒 業 論 文 ) の 要 旨 を 掲 載 し ま す 。. 四 年 間 の 集 大 成 と も い え る 卒 業 論 文 を 書 き 上 げ る こ と が で き ま し た 。 近 年 、. 年 度 生 一 名 、 令 和 元 ( 二 〇 一 九 ) 年 度 の 卒 業 生 二 十 一 名 、 計 二 十 二 名 の 学. と は い え 、 ど の 学 生 た ち も 、 卒 業 研 究 に 関 し て は 真 剣 に 取 り 組 み 、 学 部. 北 海 道 教 育 大 学 教 育 学 部 札 幌 校 ・ 国 語 教 育 分 野 の 、 平 成 三 十 ( 二 〇 一 八 ) く 、 社 会 に 巣 立 た ざ る を 得 な か っ た 学 生 た ち で す 。. 二 〇 一 九 年 度 卒 業 論 文 要 旨 集. 掲 載 に あ た っ て. 幸 坂 健 太 郎. ち 令 和 元 年 度 卒 業 生 は 、 大 学 か ら 卒 業 式 と い う 形 で 盛 大 に 祝 わ れ る こ と な. 業 式 は 中 止 と な り ま し た 。 そ の た め 、 以 下 に 卒 業 要 旨 を 掲 載 す る 学 生 の う. 下 で し た の で 、 右 に 示 し た 通 り 、 三 月 中 旬 に 予 定 さ れ て い た 令 和 元 年 度 卒. 二 十 八 日 、 北 海 道 知 事 か ら 緊 急 事 態 宣 言 が 出 さ れ ま し た 。 そ の よ う な 状 況. 令 和 元 年 度 は 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 拡 大 の 影 響 で 、 卒 業 式 間 際 の 二 月. 卒 口 業 頭 式 試 問. 中 一 止 月 二 十 八 日 ( 火 ) 於 ・ 国 語 ・ 国 文 第 三 演 習 室.
(3) 『札幌国語研究』第 25 号 北海道教育大学国語国文学会・札幌(2020 年). 価 対 象 に 他 者 を と り や す く な る こ と も 判 明 し た 。. る こ と を 明 ら か に し た 。. の 相 関 が 見 ら れ 、 「 面 白 さ 」 と 「 巧 拙 」 の 認 知 に は 「 理 解 容 易 性 」 が 関 連 す. 対 象 の 選 択 に 関 す る 分 析 も 行 っ た と こ ろ 、 匿 名 性 が 高 い ほ ど 待 遇 表 現 の 評. を 及 ぼ し て は い な い こ と が 分 か っ た 。 ま た 、 待 遇 表 現 選 択 に 付 随 し て 評 価. グ と ネ ッ ト ス ラ ン グ で な い 表 現 の ど ち ら を 用 い る か の 選 択 に は 大 き な 影 響. ー の 匿 名 性 の 度 合 い に 有 意 差 は 見 ら れ ず 、 匿 名 性 の 度 合 い は ネ ッ ト ス ラ ン. 易 性 」 と 「 面 白 さ 」 、 「 面 白 さ 」 と 「 巧 拙 」 、 「 巧 拙 」 と 「 理 解 容 易 性 」 に 正. の 大 学 生 を 対 象 に 行 い 、 各 要 素 間 の 相 関 分 析 を 行 っ た 。 そ の 結 果 、 「 理 解 容. 白 さ 」 「 意 外 性 」 「 巧 拙 」 ) の 評 定 ( 四 段 階 ) を 求 め る 質 問 紙 調 査 を 、 十 八 名. 次 に 、 比 喩 表 現 ( 四 十 一 文 ) の 認 知 に 関 す る 各 要 素 ( 「 理 解 容 易 性 」 「 面. 投 稿 を し た ユ ー ザ ー と ネ ッ ト ス ラ ン グ で な い 表 現 を 含 む 投 稿 を し た ユ ー ザ. 待 遇 表 現 を 用 い や す く な る こ と が 分 か っ た 。 し か し ネ ッ ト ス ラ ン グ を 含 む. こ れ ら の 調 査 ・ 分 析 の 結 果 、 匿 名 性 が 高 い ほ ど 評 価 対 象 を 低 く 評 価 す る. 技 法 を ベ ー ス に し つ つ 、 ト ー ク 場 面 特 有 の 表 現 が 多 く 見 ら れ た 。. の 再 発 見 」 に よ る ツ ッ コ ミ な ど ) の よ う に 、 コ ン ト や 漫 才 に お け る 笑 い の. そ の も の に 面 白 さ が あ る 表 現 、 ト ー ク 場 面 に 特 徴 的 に 見 ら れ る 表 現 ( 「 ボ ケ. 選 択 に つ い て 分 散 分 析 や t 検 定 を 行 っ た 。. す る 表 現 や 、 ツ ッ コ ミ や ボ ケ と し て 機 能 し て い る わ け で は な い が 比 喩 表 現. 書 か れ た 情 報 を も と に 匿 名 性 の 度 合 い を 点 数 化 し 、 こ の 点 数 と 待 遇 表 現 の. i t t e r で 収 集 し た 。 収 集 の 際 、 投 稿 し た ユ ー ザ ー の プ ロ フ ィ ー ル 欄 に. ラ ン グ で な い 表 現 ( 賢 い 、 死 ぬ な 、 優 し い ) で あ り 、 こ れ ら の 用 例 を T w. し 、 そ れ ぞ れ の 特 徴 を 考 察 し た 。 用 例 に は 、 ツ ッ コ ミ や ボ ケ の よ う に 機 能. つ の 比 喩 法 ( 直 喩 、 隠 喩 、 諷 喩 、 活 喩 、 引 喩 、 張 喩 、 換 喩 、 提 喩 ) に 分 類. ま ず 、 ト ー ク バ ラ エ テ ィ 番 組 か ら 一 〇 五 例 の 用 例 を 収 集 し 、 こ れ ら を 八. 42. で な い 表 現 ( 馬 鹿 、 死 ね 、 情 緒 不 安 定 ) 、 評 価 対 象 を 高 く 評 価 す る ネ ッ ト ス. 申 、 生 き ろ そ な た は 美 し い 、 仏 ) 、 評 価 対 象 を 低 く 評 価 す る ネ ッ ト ス ラ ン グ. グ ( 池 沼 、 タ ヒ ね 、 メ ン ヘ ラ ) 、 評 価 対 象 を 高 く 評 価 す る ネ ッ ト ス ラ ン グ ( ネ. 調 査 ・ 分 析 の 対 象 と し た 表 現 は 、 評 価 対 象 を 低 く 評 価 す る ネ ッ ト ス ラ ン. を 分 析 す る こ と を 目 的 と し た 。. 比 喩 表 現 の 「 面 白 さ 」 「 巧 拙 」 の 認 知 と 「 理 解 容 易 性 」 「 意 外 性 」 の 関 連 性. を 生 み 出 す 比 喩 表 現 を 対 象 と し 、 そ の 使 用 実 態 を 明 ら か に す る と と も に 、. 本 研 究 で は 、 バ ラ エ テ ィ 番 組 の 芸 人 の 会 話 ( ト ー ク 場 面 ) に 現 れ る 笑 い. を 明 ら か に す る た め に 調 査 ・ 分 析 を 行 っ た 。. 本 研 究 で は 、 イ ン タ ー ネ ッ ト の 匿 名 性 の 度 合 い と 待 遇 表 現 選 択 の 関 係 性. 日 本 語 学 研 究 室 六 一 四 七 平 間 愛 花. 日 本 語 学 研 究 室 六 一 四 〇 羽 田 沙 詠. 「 面 白 さ 」 「 巧 拙 」 の 認 知 ― ―. ― ― ト ー ク 場 面 に お け る 笑 い を 生 み 出 す 比 喩 表 現 の 使 用 実 態 と. イ ン タ ー ネ ッ ト の 匿 名 性 が 待 遇 表 現 の 選 択 に 与 え る 影 響 に つ い て. 笑 い を 生 み 出 す 比 喩 表 現 に つ い て.
(4) 『札幌国語研究』第 25 号 北海道教育大学国語国文学会・札幌(2020 年). す る 」 と い う 役 割 ・ 効 果 を 担 っ て い る こ と が 明 ら か に な っ た 。. 校 歌 で 見 ら れ た よ う な 文 体 の 移 行 は な か っ た 。. に 対 し て 好 印 象 を 抱 き や す く し 、 参 加 者 間 に 心 理 的 な 一 体 感 を 生 み や す く. 己 紹 介 時 に お け る 雑 談 は 、 「 議 論 の 結 論 に 対 す る 満 足 度 を 高 め 、 議 論 参 加 者. に 満 足 し て い る か に 気 を 配 っ て い る こ と が わ か っ た 。 以 上 の こ と か ら 、 自. 談 グ ル ー プ の 参 加 者 は 、 全 員 で 意 見 を 出 し 合 う こ と や 、 他 の 参 加 者 が 結 論. が 高 く 、 議 論 参 加 者 へ 好 印 象 を 抱 く こ と が わ か っ た 。 ま た 、 あ い づ ち ・ 雑. 分 析 の 結 果 、 あ い づ ち ・ 雑 談 グ ル ー プ の 方 が 議 論 の 結 論 に 対 す る 満 足 度. 校 歌 の 混 在 期 が あ っ た 。 混 在 期 の 前 後 で は 、 文 語 体 が 主 流 で あ り 、 小 学 校. は 、 一 九 六 〇 年 代 後 半 か ら 一 九 八 〇 年 代 前 半 に か け て 、 文 語 体 と 口 語 体 の. 九 四 〇 年 代 後 半 の 口 語 化 の 動 き を 移 行 の 要 因 と し て 挙 げ た 。 中 学 校 校 歌 で. 一 校 の み で あ っ た 。 日 本 国 憲 法 の 口 語 化 、 「 現 代 か な づ か い 」 の 告 示 等 の 一. 行 が 見 ら れ た 。 移 行 期 前 は 文 語 体 の 校 歌 の み 、 移 行 期 後 は 文 語 体 の 校 歌 は. が 一 九 四 〇 年 代 後 半 か ら 一 九 六 〇 年 代 前 半 の 間 に 文 語 体 か ら 口 語 体 へ の 移. 割 合 も 調 査 し 、 こ れ ら の 調 査 結 果 に 基 づ い て 相 関 分 析 を 行 っ た 。. 文 体 と 校 歌 制 定 年 と の 関 連 性 に つ い て 、 小 学 校 校 歌 で は 、 校 歌 制 定 年. 足 度 な ど を 尋 ね る 質 問 紙 調 査 を 行 っ た 。 ま た 、 自 己 紹 介 時 に 現 れ る 雑 談 の. 設 定 し 、 そ れ ぞ れ 自 己 紹 介 と 議 論 を し て も ら い 、 そ の 後 、 議 論 に 対 す る 満. 入 れ な い グ ル ー プ ( あ い づ ち グ ル ー プ ) を 各 四 グ ル ー プ 、 計 八 グ ル ー プ を. 談 を 取 り 入 れ る グ ル ー プ ( あ い づ ち ・ 雑 談 グ ル ー プ ) 、 積 極 的 に 雑 談 を 取 り. あ っ た 。 中 学 校 校 歌 の 歌 詞 は 文 語 体 が 多 い 傾 向 が 見 ら れ た 。. 同 様 に 文 語 体 の 形 容 詞 の 占 め る 割 合 は 、 そ れ ぞ れ 約 二 割 及 び 約 九 割 で. 校 校 歌 及 び 中 学 校 校 歌 の 歌 詞 そ れ ぞ れ で 約 二 割 及 び 約 八 割 で あ っ た 。. 分 析 対 象 と し た 全 用 例 数 の う ち 文 語 体 の 動 詞 の 占 め る 割 合 は 、 小 学. 43. 調 査 は 、 初 対 面 の 五 人 組 を 一 グ ル ー プ と し て 、 自 己 紹 介 時 に 積 極 的 に 雑. る 用 例 の み を 対 象 と し て 分 析 を 行 っ た 。. 象 が 変 化 す る か に つ い て 調 査 分 析 を 行 っ た 。. の 校 歌 を 収 集 し 、 動 詞 及 び 形 容 詞 の う ち 文 語 体 と 口 語 体 と で 形 の 異 な. に 対 す る 満 足 度 、 自 己 紹 介 に 対 す る 満 足 度 、 議 論 参 加 者 に 対 す る 好 悪 の 印. ら か に す る た め に 、 議 論 前 の 自 己 紹 介 時 に 雑 談 を 取 り 入 れ る こ と で 、 議 論. 本 研 究 で は 、 議 論 前 の 自 己 紹 介 に お け る 「 雑 談 」 の 担 う 役 割 ・ 効 果 を 明. 明 ら か に す る こ と で あ る 。 札 幌 市 内 の 小 学 校 八 十 八 校 、 中 学 校 四 十 二 校. 「 校 歌 の 歌 詞 の 文 体 ( 文 語 体 ・ 口 語 体 ) と 校 歌 制 定 年 の 関 連 性 」 の 二 点 を. 本 研 究 の 目 的 は 、 「 校 歌 の 歌 詞 の 文 体 ( 文 語 体 ・ 口 語 体 ) と 校 種 の 関 連 性 」. 日 本 語 学 研 究 室. ― ― 自 己 紹 介 を 取 り 上 げ て ― ―. 雑 談 の 持 つ 役 割 ・ 効 果. 六 一 五 〇 秋 間 朋 子. 日 本 語 学 研 究 室 六 一 六 三 野 澤 春 花. ― ― 札 幌 市 の 公 立 学 校 を 対 象 と し て ― ―. 校 歌 の 歌 詞 の 文 体 に 関 す る 言 語 学 的 研 究.
(5) 『札幌国語研究』第 25 号 北海道教育大学国語国文学会・札幌(2020 年). あ の 見 た る こ 出 り 。 と し 、 で た 補 あ 。 助 り な 発 お 、 「 、 問 不 「 等 調 認 に 和 知 よ 」 的 っ と 標 て は 準 「 、 」 不 そ と 調 の は 和 「 、 」 認 人 を 知 間 低 的 が 減 標 予 さ 準 め せ 」 持 た に っ り 矛 て す 盾 い る が る こ 起 思 と き 考 」 る や の こ 知 二 と 識 つ で 等 を な 効 果 が 発 揮 で き る の か を 検 討 し た い 。. 劇 的 手 法 を 用 い た 指 導 法 を 提 案 し た 。 今 後 は 、 本 提 案 を 実 際 に 行 い 、 十 分. 調 和 」 の 状 態 に 応 じ 、 加 え て 「 ゆ さ ぶ り 」 を か け て 「 不 調 和 」 を 増 大 さ せ. 応 じ 、 「 ゆ さ ぶ り 」 の 言 語 表 現 を 使 い 分 け る こ と 」 「 二 「 ゆ さ ぶ り 」 後 の 「 不. る た め の 条 件 と し て 、 「 一 教 師 が 把 握 し た 学 習 者 の 「 認 知 的 標 準 」 の 状 態 に. 分 析 を 通 し て 、 「 ゆ さ ぶ り 」 が よ り 学 習 者 の 学 習 意 欲 を 喚 起 す る も の に な. ま え て 、 斎 藤 喜 博 の 国 語 科 授 業 の 実 践 の 分 析 を 行 っ た 。. 成 し た 。 次 に 、 そ れ ら 整 理 の 枠 組 み や 、 心 理 学 の 認 知 的 動 機 づ け 理 論 を 踏. 整 理 す る 枠 組 み と 、 授 業 展 開 上 の 位 置 づ け の 観 点 か ら 整 理 す る 枠 組 み を 作. た 。 ま た 、 定 義 し た 「 ゆ さ ぶ り 」 に つ い て 、 言 語 表 現 上 の 差 異 の 観 点 か ら. が 教 師 の 指 導 言 全 て で あ り 、 〈 機 能 〉 が 矛 盾 ・ 葛 藤 を 起 こ す も の だ と 定 義 し. 整 理 す る 枠 組 み を 作 成 し 、 そ の 枠 組 み を 基 に 、 「 ゆ さ ぶ り 」 を 、 〈 表 現 形 式 〉. ま ず 、 「 発 問 」 「 ゆ さ ぶ り 」 「 ゆ さ ぶ り 発 問 」 を 〈 表 現 形 式 〉 と 〈 機 能 〉 で. 件 を 提 示 す る こ と で あ る 。. け る 「 ゆ さ ぶ り 」 が よ り 学 習 者 の 学 習 意 欲 を 喚 起 す る も の に な る た め の 条. え る 授 業 方 法 の こ と で あ る 。 本 研 究 の 目 的 は 、 実 際 の 国 語 科 授 業 場 面 に お. っ の な 践 こ を と 論 科 問 働 国 力 以 た 教 か 例 の わ し を 書 題 性 ま 語 を 本 上 。 材 っ の 理 か て 分 に か や ず 科 育 研 の は た ほ 論 り 演 析 お ら 表 、 授 成 究 分 な 。 と を あ 劇 し い 衰 現 演 業 す の く ま ん も お を た て 退 力 劇 の る 目 析 か 、 た ど と う 用 。 演 傾 の 的 指 た 的 ら 平 、 が に と い 平 劇 向 向 手 導 め は 田 教 言 、 す て 田 を に 上 法 法 に 、 、 「 平 の 科 葉 平 る お は 扱 あ と を を 、 話 田 教 書 遣 田 姿 り 子 っ る い 用 提 平 す 材 分 い が 勢 、 ど た こ う い 案 田 こ の 教 の 析 等 手 を 実 も 体 と 効 た す オ と 育 独 を の 掛 身 際 た 験 が 果 教 る リ ・ 論 自 行 指 け に に ち 的 明 が 育 こ ザ 聞 を 性 っ 導 た 付 対 の な ら あ の と の く と た に 対 け 話 伝 教 か る 歴 で 教 こ 援 用 新 と 留 話 る を え 材 に が 史 あ 育 と し た こ ま 劇 と 演 た を な 、 を る 論 」 な ろ っ 教 い じ い 作 っ 音 見 。 を の て 対 指 平 て 材 う る と 成 た 声 直 援 領 話 導 田 お の の 中 い し 。 言 す 用 域 法 の り 分 が で う て そ 語 こ し で 劇 教 の 目 平 析 平 互 気 い こ 教 と 、 コ 材 必 標 田 を 田 い 持 る で 育 で 演 ミ を 要 を の 行 の の ち 平 、 の 、 劇 ュ 使 性 達 意 っ 教 価 を 田 現 機 演 的 ニ が 成 図 た 育 値 生 オ 行 会 劇 手 ケ っ た 明 で を 。 論 観 み リ の の 的 法 ー 授 ら き 汲 し で や 出 ザ 国 減 手 を シ か る ん か あ 考 す の 語 少 法 用 ョ 業 と に 現 で し る え 手 教 科 等 は い ン 演 な 行 い 実 。 方 段 育 教 の 協 た 能 44. 「 ゆ さ ぶ り 」 と は 、 学 習 者 の 知 識 や 思 考 に 対 し て あ え て 矛 盾 や 葛 藤 を 与. 国 語 科 教 育 学 第 一 研 究 室 六 一 〇 三. 学 習 意 欲 を 喚 起 す る 国 語 科 授 業 に お け る 「 ゆ さ ぶ り 」. 籬 泰 斗. ― 国 語 科 教 育 学 第 一 研 究 室 六 一 〇 九 中 澤 千 智. 平 田 オ リ ザ の 教 育 論 を 中 心 に. ―. 演 劇 的 手 法 を 用 い た 「 話 す こ と ・ 聞 く こ と 」 の 指 導 法 の 提 案.
(6) 『札幌国語研究』第 25 号 北海道教育大学国語国文学会・札幌(2020 年). た ち に 身 に つ け さ せ る か と い う 、 指 導 方 法 を 明 ら か に す る こ と で あ る 。. 的 な 効 果 を 精 査 す る こ と が 本 研 究 の 課 題 で あ る 。. 今 後 の 課 題 は 、 本 研 究 で 整 理 し た 読 み の 方 略 を 、 ど の よ う に し て 子 ど も ら 扱 い 、 児 童 に と っ て 読 み や す い 読 み 方 を 選 択 す る た め 読 み 方 ご と の 心 理. は な く 、 関 連 性 の 中 で 考 え ら れ る 必 要 が あ る 。. テ ィ ブ な 効 果 に 関 す る 質 問 が 不 足 し て い た 。 心 理 的 な 効 果 を 様 々 な 側 面 か. つ ま り 、 読 解 方 略 と 読 書 方 略 は 、 読 解 と 読 書 同 様 に 全 く 区 別 さ れ る も の で. で も 共 通 し て 用 い る こ と が 可 能 な 方 略 も 存 在 す る こ と が 明 ら か に な っ た 。. 解 方 略 と 読 書 方 略 に は 、 そ れ ぞ れ 独 自 の 方 略 が 存 在 し つ つ 、 読 解 で も 読 書. し た も の を 照 ら し 合 わ せ る こ と で 、 読 み の 方 略 を 整 理 し た 。 そ の 結 果 、 読. れ る 効 果 」 、 「 行 為 現 出 性 」 の 四 つ の 観 点 で 分 析 し た 。 ま た 、 そ れ ぞ れ 整 理. 行 い や す い 読 み 方 を 行 う べ き で あ る 。 し か し 本 論 で の 心 理 的 な 調 査 は ポ ジ. 明 ら か と な っ た 。 能 力 的 な 効 果 に 読 み 方 ご と の 違 い が な け れ ば 、 心 理 的 に. 読 が 児 童 か ら 最 も 好 ま れ 、 一 斉 読 み が 児 童 に と っ て 抵 抗 感 が 大 き い こ と が. 同 程 度 の 効 果 を 挙 げ ら れ る こ と を 明 ら か に し た 。 一 方 心 理 的 な 観 点 で は 黙. 調 査 に よ り 、 能 力 面 で は 読 み 方 間 で 有 意 な 差 が 見 ら れ ず 、 ど の 読 み 方 も. 示 ば 成 区 読 に あ の 次 し 読 へ 別 解 本 用 る 判 本 に た 書 の し と 研 い 。 断 研 、 。 で 志 た 読 究 る 読 で 究 読 あ 向 り 書 で 行 解 指 の 解 る 性 し に は 動 方 導 目 方 、 が て 二 ま で 略 さ 的 略 と 強 い 分 ず あ 、 れ は と い け た し 始 る 読 て 、 読 う れ 。 て め 。 書 き こ 書 よ ば し 考 に 方 た れ 方 う 読 か え 、 略 、 ま 略 に 解 し た 読 と 読 で を 定 で 、 り 解 は 解 指 そ 義 あ 本 、 と 、 方 導 れ し り 研 読 読 読 略 事 ぞ 、 、 究 ん 書 解 や 項 れ 両 本 で で の や 読 が 整 者 の は い 定 読 書 明 理 が 形 両 る 義 書 方 確 し 並 態 者 環 を を 略 に 、 行 を を 境 定 す を さ 「 し と 二 や め る 体 れ 過 て っ 分 文 た う 系 ず 程 行 た せ 章 。 え 的 、 」 、 わ 書 ず の こ で に そ 「 れ 物 、 量 れ 読 整 れ 対 る を 状 な ま み 理 ぞ 象 場 読 況 ど で 手 す れ 」 、 合 ん モ で は が る の 「 な で デ 両 読 意 こ 指 期 ど い ル 者 み 図 と 導 待 を れ 形 を を 的 で 者 さ 述 形 式 の 質 問 で は 好 き な 読 み 方 の 順 位 付 け と そ の 理 由 を 記 述 さ せ た 。. 恥 ず か し さ ・ 集 中 し に く さ の 読 み 方 ご と の 抵 抗 感 の 度 合 い を 調 査 し た 。 記. た 。 心 理 的 な 効 果 を 測 る ア ン ケ ー ト で は 、 選 択 形 式 の 質 問 で 焦 り ・ 緊 張 ・. 45. の 問 題 で 文 章 の 記 憶 能 力 を 測 り 、 記 述 形 式 の 問 題 で 文 章 の 理 解 能 力 を 測 っ. 学 校 六 年 生 に 対 し て 調 査 を 実 施 し た 。 能 力 面 を 測 る テ ス ト で は 、 選 択 形 式. 読 み 方 の 種 類 は 、 黙 読 ・ 一 斉 読 み ・ 席 順 読 み ・ あ て 読 み の 四 種 と し 、 小. を 目 的 と す る 。. る か を 調 査 し 、 児 童 に と っ て よ り 良 い 読 み 方 を 選 択 で き る よ う に す る こ と. 読 み 方 の 種 類 に よ っ て 児 童 が 受 け る 能 力 的 ・ 心 理 的 な 学 習 効 果 に 差 異 が あ. 本 研 究 で は 、 小 学 校 国 語 科 教 育 に お け る 音 読 と い う 学 習 活 動 に つ い て 、. 国 語 科 教 育 学 第 一 研 究 室 六 一 一 三. 読 解 ・ 読 書 指 導 に 向 け た 読 み の 方 略 の 体 系 的 整 理. 宮 下 拓 貴. 国 語 科 教 育 学 第 一 研 究 室 六 一 四 一 倉 本 侑 真. ― ― 音 読 法 別 の 比 較 検 討 ― ―. 集 団 で の 音 読 に 学 習 効 果 は あ る の か.
(7) 『札幌国語研究』第 25 号 北海道教育大学国語国文学会・札幌(2020 年). 反 射 」 や 「 共 感 的 理 解 」 等 を 「 傾 聴 」 力 と し て 聞 く 力 に 位 置 づ け た 。. 程 を 示 し た 。. 定 的 条 件 」 「 「 協 同 」 へ の 意 欲 的 条 件 」 「 環 境 的 条 件 」 を 示 し 、 そ の 認 知 の 過. の 要 素 を す べ て 位 置 づ け る 必 要 は な か っ た 。 作 成 し た 能 力 表 に は 、 「 感 情 の. 以 上 の よ う に 、 学 習 者 が 「 協 同 」 を 認 知 す る た め の 条 件 と し て 「 課 題 設. く 力 に 位 置 づ け る べ き 「 傾 聴 」 の 要 素 の 検 討 を 行 っ た 。 そ の 結 果 、 「 傾 聴 」 者 が 「 協 同 」 を 認 知 す る 過 程 の モ デ ル を 示 し た 。. 能 力 表 に は 「 傾 聴 」 の 要 素 す べ て を 聞 く 力 に 位 置 づ け る の で は な く 、 聞 相 関 が 高 い こ と を 示 し た 。 以 上 の よ う に 条 件 の 妥 当 性 を 示 し た の ち 、 学 習. た 能 力 表 を 作 成 し た 。. オ ー プ ン エ ン ド 課 題 の 方 が 、 学 習 課 題 の 難 易 度 と 「 協 同 」 へ の 必 要 感 と の. 作 成 し 、 「 傾 聴 」 す る こ と が で き る 力 で あ る 「 傾 聴 」 力 を 聞 く 力 に 位 置 づ け. あ る 「 ブ ル ー ム ・ タ キ ソ ノ ミ ー 」 を 基 に 新 た な 聞 く 力 を 分 類 す る 枠 組 み を. い と い っ た 問 題 点 を 明 ら か に し た 。 そ こ で 、 教 育 目 標 を 分 類 す る 枠 組 み で. こ と や 関 係 を 形 成 す る 聞 き 手 の 条 件 を 満 た す 聞 く 力 が 位 置 づ け ら れ て い な. き た も の を 検 討 す る こ と で 、 態 度 と 技 能 と い う 整 理 の 枠 組 み に 限 界 が あ る. 成 に 資 す る こ と を 明 ら か に し た 。 次 に 、 聞 く こ と の 学 力 に 位 置 づ け ら れ て. れ て い る 「 傾 聴 」 の 理 論 を 照 ら し 合 わ せ る こ と で 、 「 傾 聴 」 の 理 論 が 関 係 形. 強 化 す る 」 こ と 等 を 定 め た 。 そ し て 、 こ の 条 件 と カ ウ ン セ リ ン グ で 用 い ら. め に 必 要 な 聞 き 手 の 条 件 と し て 、 「 開 示 者 を 支 持 す る 」 こ と や 「 自 己 開 示 を. の 種 類 に よ っ て 学 習 課 題 と 「 協 同 」 へ の 必 要 感 と の 相 関 性 に 違 い が 見 ら れ 、. と で 「 協 同 」 が 発 生 す る こ と を 明 ら か に し た 。 ま た そ こ で 新 た に 学 習 課 題. へ の 意 欲 が 新 た な 学 び の 発 見 か ら 作 用 す る こ と 、 環 境 的 条 件 を 整 備 す る こ. 習 者 の 課 題 へ の 意 欲 が 、 「 協 同 」 の 必 要 性 に 作 用 す る こ と 、 学 習 者 の 「 協 同 」. 第 二 学 年 の 二 ク ラ ス に 協 同 的 な 学 習 形 態 の 授 業 を 行 っ た 。 結 果 と し て 、 学. ア ン ケ ー ト 調 査 を 行 っ た 。 実 践 で は 漢 文 の 「 無 用 之 用 」 を 教 材 と し て 使 い 、. 仮 定 し 、 条 件 の 妥 当 性 を 示 す た め 、 市 内 の 高 等 学 校 に 授 業 実 践 を 依 頼 し 、. 件 を 「 課 題 設 定 的 条 件 」 「 「 協 同 」 へ の 意 欲 的 条 件 」 「 環 境 的 条 件 」 の 三 つ に. ま ず 、 先 行 研 究 や 授 業 実 践 か ら 、 学 習 者 が 「 協 同 」 を 認 知 す る た め の 条. 46. ま ず 、 認 知 心 理 学 や 社 会 心 理 学 領 域 の 文 献 を 用 い て 、 関 係 を 形 成 す る た 程 を 示 す こ と を 目 的 と し た 。. 成 す る こ と で あ る 。. の 認 知 に 焦 点 化 し て 、 学 習 者 が 「 協 同 」 を 認 知 す る 条 件 を 提 示 し 、 そ の 過. に 、 「 傾 聴 」 す る こ と が で き る 力 で あ る 「 傾 聴 」 力 を 位 置 づ け 、 能 力 表 を 作. 本 研 究 で は 、 高 等 学 校 国 語 科 の 協 同 的 な 学 習 に お け る 、 学 習 者 の 「 協 同 」. 本 研 究 の 目 的 は 、 他 者 と の 関 係 を 形 成 す る た め に 必 要 な 聞 く こ と の 学 力. 国 語 科 教 育 学 第 一 研 究 室. 聞 く こ と の 学 力 と し て の 「 傾 聴 」 力. 六 一 六 二 尾 西 岳 彦. 国 語 科 教 育 学 第 二 研 究 室 六 一 三 六 大 澤 拓 実. ― ― 「 協 同 」 の 認 知 に 焦 点 化 し て ― ―. 高 等 学 校 国 語 科 に お け る 協 同 的 な 学 習 の 考 察.
(8) 『札幌国語研究』第 25 号 北海道教育大学国語国文学会・札幌(2020 年). え ら れ る 。. 通 し て 、 自 ら イ メ ー ジ を 膨 ら ま せ な が ら 、 理 解 を 深 め る こ と が で き る と 考. 成 し た 。 学 習 者 は 提 示 さ れ た 挿 絵 で イ メ ー ジ を 形 成 し 、 描 き な お す 活 動 を. つ け て 描 き な お す 言 語 活 動 を 取 り 入 れ た 『 竹 取 物 語 』 の 授 業 デ ザ イ ン を 作. か な る 者 る こ っ ど こ に 文 認 れ た か と 提 章 知 ら 。 ら で 示 内 的 、 認 す 容 負 の 絵 知 る の 荷 こ を 的 場 イ 軽 と 提 負 合 メ 減 か 示 荷 と ー の ら す を 作 ジ た 、 る 軽 成 、 め 提 だ 減 さ 整 の 示 け で せ 理 方 と で き る 、 法 作 な る 指 理 の 成 く が 導 解 一 の 、 、 場 を つ 両 絵 イ 面 補 に 方 を メ が 助 絵 を 作 ー 考 す や 取 成 ジ え る 図 り す を ら 効 が 入 る 制 れ 果 あ れ 活 限 る が る 、 動 す 。 あ 。 挿 が る 特 る 絵 絵 有 恐 に 。 や と 効 れ 、 絵 図 原 で が 絵 や は 文 あ あ を 図 、 の る る 提 を 読 差 と こ 示 学 解 を わ と す 習 す 見. 効 で あ る 。. う な 課 題 を 設 定 す る の が よ い 。. の で は な く 、 教 材 を 通 し て 身 に つ け さ せ た い 力 を 生 徒 自 身 が 必 要 と す る よ. を 設 定 し よ う と し て す べ て の 教 材 と 現 実 社 会 と を 関 連 さ せ る こ と を 目 指 す. 受 験 ・ 期 末 テ ス ト で 良 い 点 を と る と い う 意 識 が あ る こ と か ら 、 「 こ の 学 習 は. の 活 動 に 活 き 活 き と 取 り 組 む こ と が で き る と い う こ と が わ か っ た 「 。 実 の 場 」. 何 を し な け れ ば な ら な い か 」 を 考 え た く な る よ う な 課 題 を 設 定 す る と 、 後. 自 体 の 質 そ の も の を 工 夫 す る の で は な く 、 「 『 学 習 課 題 を 解 決 す る た め に 』. 果 、 生 徒 が 学 び に 対 し て 「 必 要 感 」 を 持 つ よ う に な る た め に は 、 学 習 課 題. 実 際 に 生 徒 が 必 要 性 を 感 じ て 授 業 に 参 加 し て い る 実 践 例 を 分 析 し た 結. 自 分 に と っ て 必 要 で あ る 」 と 感 じ に く く な っ て い る と 考 察 し た 。. 47. 典 に 「 親 し む 」 こ と や 、 学 習 意 欲 の 喚 起 の た め に は 、 認 知 的 負 荷 軽 減 が 有. 彙 ・ 文 法 の 相 違 ) や 既 有 知 識 の 不 足 に よ る 認 知 的 負 荷 が か か っ て お り 、 古. な ぜ 軽 減 の 必 要 が あ る か を 明 ら か に し た 。 古 典 教 材 の 読 解 は 、 言 語 抵 抗 ( 語. ま ず 、 本 研 究 で は 、 古 典 教 材 の 読 解 に か か る 認 知 的 負 荷 と は 何 か 、 ま た 、. を 比 較 し 「 、 読 む こ と 」 の 領 域 に お い て は 、 日 常 生 活 と の 関 連 が 薄 い こ と や 、. す る も の 」 と し た 。 次 に 、 「 話 す こ と ・ 聞 く こ と 」 、 「 書 く こ と 」 、 「 読 む こ と 」. と 生 徒 達 の も の の 見 方 ・ 考 え 方 ・ 感 じ 方 と を し っ か り と 結 び つ け る 働 き を. ま ず 、 先 行 研 究 の 比 較 か ら 、 「 学 習 課 題 」 の 定 義 を 「 教 材 の す ぐ れ た 内 容. そ れ を も と に 、 授 業 デ ザ イ ン を 作 成 す る こ と で あ る 。. つ い て 研 究 す る 。. 軽 減 す る た め に 絵 や 図 を 用 い る 上 で 必 要 に な る 方 法 や 条 件 を 明 ら か に し 、. 本 研 究 の 目 的 は 、 中 学 校 国 語 科 の 古 典 教 材 の 読 解 に か か る 認 知 的 負 荷 を. な か っ た か ) 」 と い う 視 点 か ら 考 察 す る こ と に よ っ て 、 必 要 感 の あ る 課 題 に. 必 要 感 が も た ら さ れ た か 否 か 」 、 「 な ぜ 『 実 の 場 』 と な っ た か ( ま た は な ら. 国 語 科 教 育 学 第 二 研 究 室 六 一 五 三 辻 倉. ― ― 読 解 に か か る 認 知 的 負 荷 の 軽 減 を 目 的 と し て ― ―. 中 学 校 国 語 科 に お け る 絵 や 図 を 用 い た 古 典 の 指 導 に つ い て. 国 語 科 教 育 学 第 二 研 究 室. 中 学 校 国 語 科 に お け る 必 要 感 の あ る 課 題 に つ い て の 研 究. 大 河. 本 研 究 の 目 的 は 、 本 研 究 で は 、 「 実 の 場 」 が 設 定 さ れ た 実 践 例 を 「 生 徒 に. 六 一 七 八 杉 本 愛 佳.
(9) 『札幌国語研究』第 25 号 北海道教育大学国語国文学会・札幌(2020 年). る 未 練 が 表 れ て い る と わ か っ た 。. 姿 を 求 め て お り 、 さ ら に 作 品 全 体 を 通 し て 「 彼 」 が 「 千 花 子 」 に 抱 い て い け る こ と が で き た の で あ る 。. こ れ ら の 考 察 と 本 文 を ふ ま え 、 「 彼 」 は 愛 玩 動 物 に 「 千 花 子 」 の 「 無 」 の れ て い た 西 洋 の 要 素 の 両 方 を 備 え て い た た め 、 「 西 洋 館 」 の 外 で も 支 配 を 続. に な っ て い る 。. つ ま り 「 光 子 」 は 、 「 私 」 が 支 配 さ れ る た め の 二 つ の 要 素 と 、 「 私 」 が 憧. 入 っ た 詩 を 浮 か べ て し ま う 。 「 彼 」 の 中 で 「 千 花 子 」 は そ れ ほ ど 大 き な 存 在. 無 の あ り が た さ 」 を 再 度 見 出 し て し ま い 、 無 意 識 に 「 花 嫁 」 と い う 言 葉 の. が わ か っ た 。 「 彼 」 は 現 在 の 時 間 軸 で 「 千 花 子 」 に 失 わ れ た と 思 っ て い た 「 虚. 次 に 、 「 彼 」 は 「 千 花 子 」 に 見 た 「 無 」 の 姿 を 愛 玩 動 物 に 求 め て い る こ と. も た ら さ れ て い る こ と を 知 る 。. 「 西 洋 の 乙 女 の 半 身 像 」 の よ う な 肌 の 「 白 」 さ が 、 全 て 「 光 子 」 に よ っ て. 洋 館 」 に 入 る こ と に よ っ て 、 こ れ ま で も 聴 い て い た 「 ピ ア ノ 」 の 音 色 や 、. 「 私 」 は 作 中 で 、 未 知 の も の で あ る 「 西 洋 館 」 に 憧 れ を 抱 い て お り 、 「 西. っ た と 考 え ら れ る 。. 透 し て い な か っ た こ と が 明 ら か に な っ た 。. と 関 連 し て お り 、 作 中 「 彼 」 の 感 じ た 衝 撃 は 「 千 花 子 」 の 「 無 」 の 姿 で あ. 掌 』 と い う 短 編 と の 比 較 を 行 っ た 。 「 虚 無 の あ り が た さ 」 と は 禅 宗 の 「 無 」. 明 治 時 代 は 、 作 中 に 登 場 す る 西 洋 の 美 術 や 「 ピ ア ノ 」 が 、 ま だ 日 本 に 浸. 次 に 「 西 洋 館 」 に つ い て 、 明 治 の 文 化 を 踏 ま え た 分 析 を 行 っ た 。. 次 に 、 本 作 品 に 描 か れ て い る 「 虚 無 の あ り が た さ 」 に つ い て 川 端 の 『 合 び と い う 「 官 能 の 解 放 」 を 果 た す 。. 48. る が 、 一 方 で 強 い 孤 独 感 を 感 じ て 結 婚 願 望 を 持 っ て い る と 考 え ら れ る 。. 恐 れ て い る こ と が わ か っ た 。 「 彼 」 は そ の た め に 人 間 関 係 か ら 遠 ざ か っ て い. こ の 二 つ の 要 素 を 持 つ 「 信 一 」 と 「 光 子 」 に よ っ て 、 「 私 」 は 支 配 さ れ る 喜. こ の 二 つ の 要 素 は 、 「 信 一 」 だ け で は な く 、 「 光 子 」 に も 備 わ っ て お り 、. ま ず 、 「 彼 」 は 情 を 持 つ こ と で 自 分 が そ の 感 情 に 左 右 さ れ て し ま う こ と を ち 」 に 心 を 奪 わ れ た と 振 り 返 っ て い る 。. と し て い る 。. に 支 配 さ れ る 際 、 「 気 高 く 美 し い 器 量 」 と 「 人 を 人 と も 思 わ ぬ 我 が 儘 な 仕 打. し 、 「 彼 」 が 「 千 花 子 」 に 対 し て 持 っ て い る 感 情 を 明 ら か に す る こ と を 目 的. ま ず 、 『 少 年 』 に お け る 官 能 に つ い て の 分 析 を 行 っ た 。 「 私 」 は 「 信 一 」. 物 へ の 行 動 原 理 を 分 析 す る 。 ま た 、 愛 玩 動 物 と 「 千 花 子 」 の 関 連 性 を 考 察. さ れ て い る 。 本 研 究 で は 、 「 彼 」 の 人 物 描 写 や 心 理 描 写 か ら 「 彼 」 の 愛 玩 動. 川 端 康 成 の 『 禽 獣 』 は 、 愛 玩 動 物 に 対 す る 「 彼 」 の 独 特 な 価 値 観 が 描 写. け る こ と が で き た の か 明 ら か に す る こ と を 目 的 と し た 。. の 「 信 一 」 、 「 仙 吉 」 を 、 な ぜ 「 光 子 」 だ け が 「 西 洋 館 」 の 外 で も 支 配 を 続. 本 研 究 は 、 谷 崎 潤 一 郎 の 『 少 年 』 に お い て 、 主 人 公 で あ る 「 私 」 や 友 人. 川 端 康 成 『 禽 獣 』 論 近 代 文 学 研 究 室 五 一 四 八 富 澤 萌 子. 谷 崎 潤 一 郎 『 少 年 』 論 近 代 文 学 研 究 室 六 一 〇 七 山 田 将 大.
(10) 『札幌国語研究』第 25 号 北海道教育大学国語国文学会・札幌(2020 年). よ 、 御 身 よ 」 と 呼 び か け る の で は な い か 。. か れ て い る と 考 え る 。. 上 下 関 係 を 逆 転 さ せ て ま で 「 末 雄 」 は 「 幸 子 」 を 女 性 と し て 見 て 、 「 御 身. か け る こ と は し な い 。 味 方 に な り 得 る 「 無 垢 」 な 「 幸 子 」 に 嫌 悪 さ れ た 時 、. を 込 め て 女 性 や 母 を 呼 ぶ ) あ な た 。 」 と い う 意 味 を 込 め て 「 御 身 」 と 呼 び. こ の よ う に 、 最 終 的 に 一 緒 に い ら れ る 夫 婦 は 善 い と い う こ と が 本 作 で は 描. し て い る 関 係 だ と わ か っ た 。 紆 余 曲 折 を 経 て 二 人 は 夫 婦 と い う 形 に 収 ま る 。. 以 上 の こ と か ら 、 蝶 子 も 柳 吉 も 自 己 の 存 在 を 確 立 す る た め に 互 い を 利 用. 「 末 雄 」 は 、 自 身 の 味 方 に な り 得 な い 「 母 」 や 姉 「 お り か 」 に 「 ( 敬 意 放 蕩 を 繰 り 返 し た の だ と 考 え た 。. あ な た 。 」 の 三 つ の 意 味 を 複 合 的 に 持 つ 。. ら れ な く な っ た の だ 。 そ れ で も 自 己 の 存 在 を 主 張 す る た め に 柳 吉 は 浮 気 や. 位 者 に 対 す る ) あ な た 。 お 前 。 」 、 「 C ( 敬 意 を 込 め て 女 性 や 母 を 呼 ぶ ). 「 A ( 身 を 尊 敬 し て 言 う ) お か ら だ 。 」 、 「 B ( 対 等 ま た は そ れ に 近 い 下. で あ る 「 幸 子 」 は 、 末 雄 に と っ て 「 御 身 」 で あ り 、 本 作 品 で 「 御 身 」 は 、. 家 に 戻 れ な い 状 況 に な り 、 唯 一 の 拠 り 所 と な っ て い る 蝶 子 か ら 柳 吉 は 離 れ. 子 に 巻 き 込 ま れ た こ と で あ り 、 反 発 す る 対 象 で あ っ た 。 し か し 、 自 分 が 実. 次 に 、 柳 吉 側 か ら 分 析 し た 。 柳 吉 に と っ て は 、 「 折 檻 」 も 「 一 人 前 」 も 蝶. 垢 」 な 「 幸 子 」 を 「 味 方 」 に し た い と い う 願 望 で あ る と 考 え た 。 そ の 対 象. 挙 げ た 。 こ れ ら の 特 徴 か ら 、 「 末 雄 」 が 「 幸 子 」 に 執 着 す る 原 動 力 は 、 「 無. 垢 」 で あ る 「 幸 子 」 と 自 身 を 比 較 し た 時 に 表 れ る 「 醜 さ 」 、 「 劣 等 感 」 を. 「 末 雄 」 の 人 物 像 と し て 、 性 に 対 す る 「 羞 恥 心 」 、 「 エ ゴ イ ズ ム 」 、 「 無. 力 に よ っ て 取 り 戻 し 、 自 分 を 認 め さ せ る た め の も の だ と 考 え た 。. 柳 吉 の た め の も の に 見 え る が 、 自 分 が 奪 っ て し ま っ た 柳 吉 の 地 位 を 自 分 の. こ る も の で あ っ た と い え る 。 ま た 、 蝶 子 に と っ て の 「 一 人 前 」 と は 、 一 見. た こ と か ら 、 折 檻 は 蝶 子 の 「 芸 者 と し て の 誇 り 」 が 傷 つ け ら れ た と き に 起. 49. 身 」 は ど の よ う な 意 味 を 持 っ て 発 せ ら れ て い る の か を 分 析 し た 。. る も の だ っ た が 、 相 手 が 女 給 の と き は 行 わ れ ず 、 芸 者 の と き は 行 わ れ て い. 物 像 と 、 本 作 品 に お い て 「 幸 子 = 御 身 」 で あ る と き 、 「 末 雄 」 に と っ て 「 御. ま ず 、 蝶 子 側 か ら 分 析 し た 。 蝶 子 の 「 折 檻 」 は 柳 吉 の 浮 気 に よ っ て 起 こ. る 要 因 を 明 ら か に す る こ と を 目 的 と し た 。 「 御 身 」 を 発 す る 「 末 雄 」 の 人. 子 で 姪 の 「 幸 子 」 の 上 下 関 係 が 、 「 御 身 」 と い う 言 葉 を 介 し て 逆 転 し て い. 本 研 究 で は 、 横 光 利 一 の 『 御 身 』 に お い て 、 主 人 公 で あ る 「 末 雄 」 と 赤. 「 一 人 前 」 に 対 し て 、 そ れ ぞ れ ど の よ う に 考 え て い た の か を 分 析 し た 。. と を 目 的 と し た 。 夫 婦 関 係 を 明 ら か に す る た め に 作 中 で 二 人 が 「 折 檻 」 と. 本 研 究 で は 、 主 人 公 の 蝶 子 と 夫 で あ る 柳 吉 の 夫 婦 関 係 を 明 ら か に す る こ. 横 光 利 一 『 御 身 』 論 近 代 文 学 研 究 室 六 一 一 〇 成 田 颯 希. 近 代 文 学 研 究 室 六 一 五 一 森 達 哉. 織 田 作 之 助 『 夫 婦 善 哉 』 論.
(11) 『札幌国語研究』第 25 号 北海道教育大学国語国文学会・札幌(2020 年). に な っ た 。. 場 所 だ っ た の で あ る 。. で の 境 界 も あ り 、 〈 鬼 〉 が 潜 む の に 適 し た 場 所 で あ っ た 。 住 居 も 〈 鬼 〉 の 居. 北 す る 姿 を 表 す た め に 、 モ デ ル に 以 上 の よ う な 変 化 を 加 え た こ と が 明 ら か. ル よ り も 大 き く し て い る 。 井 上 靖 は 、 「 津 上 」 が 闘 牛 大 会 に 「 賭 け 」 て 、 敗. れ て き た が 、 住 居 は 、 外 と の 隔 て が あ っ て 閉 鎖 的 で あ り 、 ま た 外 か ら 奥 ま. 従 来 、 〈 鬼 〉 の 居 場 所 と し て 、 屋 外 の 門 ・ 橋 ・ 樹 ・ 坂 な ど の 境 界 が 指 摘 さ. を 、 「 津 上 」 に 考 え さ せ て い な い 。 ま た 、 闘 牛 大 会 の 失 敗 に よ る 損 害 を モ デ. が 考 え て い た 、 確 実 に 利 益 を 上 げ ら れ る 、 大 会 後 に 出 場 牛 を 買 い 取 る 計 画. 次 に 、 『 闘 牛 』 と モ デ ル と の 差 違 を 分 析 し た 。 井 上 靖 は 「 津 上 」 の モ デ ル. に は 扱 え な い 。. 人 を 病 気 に す る 〈 鬼 〉 は 恐 ろ し い が 、 姿 を 現 し た の は 夢 の 中 で あ り 、 同 列. こ れ ら は 人 間 か ら 恐 れ ら れ て い な い 点 で も 、 本 来 の 〈 鬼 〉 と は い え な い 。. を 「 賭 け 」 た の で あ る 。. や 、 所 有 権 を 主 張 す る も の の 三 善 清 行 に 追 い 払 わ れ た 〈 鬼 〉 な ど で あ っ た 。. し 、 「 津 上 」 は そ の 申 し 出 を 断 る 。 そ し て 、 闘 牛 大 会 の 成 功 に 両 者 と の 勝 負. 姿 を 現 し た 〈 鬼 〉 は 34 例 で 、 民 家 で も て な さ れ て 恩 を 感 じ た 地 獄 の 〈 鬼 〉. 戦 争 の 影 響 を 受 け ず に 、 「 自 信 満 々 た る 」 も の を 持 ち 続 け て い る こ と に 反 発. か ら 、 闘 牛 大 会 の 失 敗 が な く な る よ う な 申 し 出 を 受 け る 。 し か し 、 両 者 が. 様 に 戦 争 の 影 響 が あ っ た と 考 え ら れ る 。 ま た 、 「 津 上 」 は 「 岡 部 」 と 「 三 浦 」. 「 酔 え な い 」 面 が あ る こ と に 苦 し ん で い る 。 そ の 原 因 と し て 、 井 上 靖 と 同. 来 の 性 格 通 り と い え る 。. 境 界 に 潜 ん で い た 。 河 原 院 の 塗 籠 に 現 れ た 源 融 の 霊 と は 対 照 的 で 、 〈 鬼 〉 本. 侵 入 し た 例 も あ る が 、 主 に 塗 籠 や 他 の 寝 室 な ど の 密 室 、 庇 な ど の 外 と 内 の. 姿 を 見 せ な い 〈 鬼 〉 は 18 例 で 、 う ち 15 例 は 人 を 殺 す 。 人 間 な ど に 化 け て. 50. る 、 「 千 人 程 の 観 衆 」 と 自 己 を 比 較 す る 。 そ し て 自 己 の 中 に 熱 中 で き な い 、. W 市 の 人 間 や 、 大 会 が 中 止 に な っ て も リ ン グ に 諦 め の 悪 い 視 線 を 投 げ て い. け 」 た の か 分 析 し た 。 「 津 上 」 は 闘 牛 大 会 に 取 り 組 む 中 で 、 闘 牛 に 熱 中 す る. ま ず 、 闘 牛 大 会 に 取 り 組 む 「 津 上 」 の 姿 か ら 、 「 津 上 」 が 闘 牛 大 会 に 「 賭. か 否 か に も 注 目 し た 。. し て い る 〈 鬼 〉 ( 『 古 今 和 歌 集 』 仮 名 序 等 ) が 姿 を 見 せ る か 否 か 、 人 を 殺 す. 〈 鬼 〉 の 分 類 を 基 に 、 地 獄 の 〈 鬼 〉 な ど 、 12 種 類 に 分 類 し 、 本 来 は 姿 を 隠. 昔 物 語 集 』 ( 以 下 『 今 昔 』 ) で あ る 。 こ れ ら を 稲 垣 泰 一 氏 に よ る 『 今 昔 』 の. 的 と し た 。. 『 日 本 霊 異 記 』 以 下 、 同 話 を 含 め て 53 例 が 見 つ か っ た 。 う ち 39 例 は 『 今. ど の よ う な 変 化 を 加 え て 、 『 闘 牛 』 に 取 り 入 れ た の か 明 ら か に す る こ と を 目. 明 ら か に す る 。 加 え て 、 井 上 靖 が 「 賭 け 」 を 表 す た め に 、 作 品 の モ デ ル に. 本 研 究 で は 、 主 人 公 で あ る 「 津 上 」 が 闘 牛 大 会 に 「 賭 け 」 て い た の か を. 場 所 で あ る 住 居 に い る 理 由 を 考 察 す る 。. そ の 他 ) に い る 〈 鬼 〉 ( 「 羅 刹 」 等 を 含 む ) の 特 徴 を 明 ら か に し 、 人 間 の 居. 本 研 究 で は 、 古 代 ( 上 代 ・ 平 安 ) の 文 学 作 品 の 住 居 ( 民 家 ・ 仏 閣 ・ 宮 中 ・. 井 上 靖 『 闘 牛 』 論. 近 代 文 学 研 究 室 六 一 六 一 伊 藤 快. 古 典 文 学 研 究 室 六 一 〇 八 稲 葉 拓 紀. 古 代 文 学 作 品 に お け る 〈 鬼 〉 と 住 居.
(12) 『札幌国語研究』第 25 号 北海道教育大学国語国文学会・札幌(2020 年). と な っ て い る 。. 教 の 教 え を さ ら に 明 確 に す る た め の 編 集 で あ っ た 。. こ の よ う に 、 蹴 鞠 の 場 面 は 、 表 現 や 構 成 、 人 物 描 写 な ど の 継 承 を 示 す も の. 慶 長 本 の 説 話 の 増 補 や 移 動 、 削 除 等 は 、 古 本 系 統 本 で 伝 え よ う と し た 仏. ま た 『 狭 衣 物 語 』 巻 四 の 例 は 、 『 源 氏 物 語 』 よ り も 『 う つ ほ 物 語 』 に 近 い 。. 親 王 に 関 わ る の は 、 女 三 の 宮 の 鍾 愛 さ れ る 内 親 王 と い う 面 を 継 承 す る か 。. て お り 、 主 に 否 定 的 な 面 が 継 承 さ れ て い る 。 『 栄 花 物 語 』 の 全 三 例 が 章 子 内. 物 語 』 若 菜 上 巻 で は 、 蹴 鞠 と 垣 間 見 が 同 時 で 柏 木 の 密 通 事 件 の 契 機 と な っ. る が 、 垣 間 見 の 場 面 が 続 く こ と も 注 目 さ れ る 。 仲 忠 は 賞 賛 の み だ が 、 『 源 氏. 譲 中 巻 の 六 月 の 仲 忠 ら の 例 が 早 い 。 「 懸 」 の 初 見 で あ る こ と が 指 摘 さ れ て い. よ う に 、 否 定 的 と 肯 定 的 の 両 方 の 評 価 が あ る が 、 そ れ は 『 う つ ほ 物 語 』 国. ッ ト に な っ て い る 。 ま た 、 『 枕 草 子 』 の 「 さ ま あ し け れ ど 、 鞠 も を か し 」 の. 文 学 作 品 で も 、 日 記 と 同 様 に 、 主 に 若 い 殿 上 人 が 行 い 、 小 弓 や 管 絃 と セ. 箇 所 も あ る 。. 十 華 厳 経 』 の 説 を 繰 り 返 し 用 い た り と 、 無 住 の 思 想 に 沿 う こ と が 明 ら か な. 観 を 表 す 歌 徳 説 話 を 増 補 し た り 、 巻 八 下 第 一 条 で は 巻 二 に も 引 か れ た 『 六. と 巻 六 第 十 話 で あ る 。 さ ら に 、 巻 七 下 第 一 条 で は 無 住 が 重 視 す る 狂 言 綺 語. 十 二 話 で 、 巻 八 上 第 九 条 の 注 釈 中 の 話 の 同 話 が 、 そ れ ぞ れ 中 巻 第 三 十 六 話. 条 第 四 話 の 同 話 が 『 三 宝 感 応 要 略 録 』 上 巻 第 五 話 と 『 今 昔 物 語 集 』 巻 六 第. る 。 ま た 増 補 の 際 、 他 の 仏 教 説 話 集 を 参 照 し た 可 能 性 が 高 い 。 巻 七 下 第 九. で す ら 云 々 と い う 注 釈 も 加 え て 、 よ り 分 か り や す く 教 訓 を 説 こ う と し て い. が 多 い 。 有 名 な 「 鼠 の 婿 取 り 」 も 、 そ の 方 針 の 一 環 だ っ た 。 編 者 は 、 動 物. 51. 桜 の み 、 鞠 足 の 人 数 が 不 定 な ど は 、 中 世 の 蹴 鞠 と 異 な る 点 で あ る 。. 増 補 ) 、 巻 八 下 第 三 条 第 四 話 の よ う に 、 増 補 し た 話 は 動 物 を 中 心 と す る も の. は な く 、 殿 上 人 が 多 い こ と な ど が 明 ら か に な っ た 。 雨 天 の 実 施 、 懸 の 木 が. 木 ( 鞠 場 の 木 ) は 桜 に 限 ら れ る こ と 、 鞠 足 ( 蹴 鞠 を 行 う 人 ) は 数 に 決 ま り. が 多 く 、 晴 れ た 日 が 多 い が 雨 の 日 の 例 も あ り 、 時 間 帯 も 様 々 な こ と 、 懸 の. 『 小 右 記 』 や 『 殿 暦 』 等 の 漢 文 日 記 に よ り 解 明 し た 。 蹴 鞠 を 行 う の は 三 月. そ の 前 提 と し て 、 中 世 ほ ど に は 研 究 さ れ て い な い 古 代 の 蹴 鞠 の 実 態 を 、. ま ず 、 巻 八 上 第 三 条 第 二 話 、 第 四 条 第 二 ・ 三 ・ 四 話 、 第 五 条 ( 条 自 体 の. び 梵 舜 本 の 対 応 す る 条 と 比 較 す る こ と で 、 そ の 編 集 方 針 の 一 端 を 探 っ た 。. 巻 七 下 及 び 巻 八 上 ・ 下 で 説 話 の 増 補 が あ っ た 条 を 、 古 本 系 統 本 の 米 沢 本 及. さ れ る 、 流 布 本 系 統 本 の 「 慶 長 十 年 古 活 字 本 」 ( 以 下 、 慶 長 本 ) を 取 り 上 げ 、. よ り 、 多 く の 異 本 が あ る 。 本 研 究 で は 、 後 の 伝 本 に 多 く の 影 響 を 与 え た と. る 蹴 鞠 の 扱 わ れ 方 や 役 割 を 明 ら か に す る こ と で あ る 。. 鎌 倉 時 代 の 僧 無 住 が 編 纂 し た 『 沙 石 集 』 に は 、 後 人 が 手 を 加 え た こ と に. 本 研 究 の 目 的 は 、 物 語 を 中 心 に 、 古 代 ( 上 代 ・ 中 古 ) の 文 学 作 品 に お け. 古 代 の 蹴 鞠 と 文 学. 古 典 文 学 研 究 室 六 一 一 二 小 田 原 和. ―. 古 典 文 学 研 究 室 六 一 三 五 長 澤 ひ か る. 巻 七 下 及 び 巻 八 上 下 の 古 本 系 統 本 と の 比 較 を 通 し て. ―. 『 沙 石 集 』 慶 長 本 研 究.
(13) 『札幌国語研究』第 25 号 北海道教育大学国語国文学会・札幌(2020 年). 要 因 と し て 挙 げ た 。. で 認 め ら れ た 等 、 一 人 称 の 漢 字 使 用 が 年 々 増 え て い る こ と 、 以 上 の こ と を. 記 が 子 ど も 性 を 示 す こ と 、 「 俺 」 の 漢 字 使 用 が 二 〇 一 〇 年 の 「 常 用 漢 字 表 」. す こ と 、 「 あ た し 」 は そ の 語 自 体 に ジ ェ ン ダ ー 的 性 質 が あ る こ と 、 平 仮 名 表. し 、 「 ワ タ シ 」 「 ワ タ ク シ 」 は 男 性 性 や 人 外 性 な ど 女 性 性 以 外 の 異 質 さ を 表. が 、 一 人 称 の 表 記 の 違 い に 影 響 を 与 え て い る と 考 え た 。 さ ら に 要 因 を 考 察. に つ れ 平 仮 名 表 記 が 減 り 漢 字 表 記 が 増 え て い る 、 と い う 六 つ の 項 目 の 傾 向. ④ 子 ど も キ ャ ラ ク タ ー の 一 人 称 の 平 仮 名 表 記 が 多 い 、 ⑤ 年 代 が 新 し く な る. ② 「 俺 」 表 記 が 少 な い 、 ③ 女 キ ャ ラ ク タ ー の 一 人 称 の 片 仮 名 表 記 が 少 な い 、. や 「 言 い に く さ 」 を 感 じ さ せ 得 る 。. ソ 系 列 指 示 詞 の 「 曖 昧 指 示 用 法 」 を 引 き 継 ぎ 、 聞 き 手 に 「 言 い 訳 っ ぽ さ 」. ② ソ ノ は ア ノ よ り も 相 対 的 に 発 話 に 気 を 遣 う ニ ュ ア ン ス が 強 い 。 ③ ソ ノ は. 効 果 に お い て は 三 つ 示 し た 。 ① ぞ ん ざ い さ ・ さ し で が ま し さ を 減 殺 で き る 。. き 継 い で い る た め で あ る こ と を 示 し た 。 そ し て 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 上 の. っ て お ら ず 、 こ れ は ア 系 列 指 示 、 ソ 系 列 指 示 詞 の 「 直 示 」 の 用 法 を 一 部 引. と 「 談 話 へ の 割 り 込 み 」 の 用 法 で の 発 話 が 二 つ の 談 話 デ ー タ か ら は 見 つ か. ま た 、 ア ノ は ど の 用 法 に お い て も 発 話 さ れ て い た が 、 ソ ノ は 「 呼 び か け 」. そ の 結 果 、 ① 「 ワ タ シ 」 「 ワ タ ク シ 」 「 ア タ シ 」 「 ア タ ク シ 」 表 記 が 少 な い 、 い 出 し 」 と い う 下 位 項 目 に 分 類 し た 。. 性 質 」 「 年 代 」 の い く つ か の 観 点 か ら 分 析 し た 。. け 」 、 「 談 話 へ の 割 り 込 み 」 、 「 発 話 維 持 」 は 「 言 い 直 し 」 、 「 言 葉 探 し 」 、 「 思. 52. 作 品 中 何 作 品 で 使 用 さ れ て い る か を 調 べ 、 「 一 人 称 」 「 使 用 キ ャ ラ ク タ ー の. の 漫 画 作 品 と し た 。 そ し て 、 六 種 類 の 一 人 称 の 各 文 字 種 で の 表 記 が 、 五 〇. 「 お れ 」 の 六 種 類 と し た 。 研 究 資 料 は 、 過 去 五 〇 年 間 に 発 表 さ れ た 計 五 〇. 対 象 と す る 一 人 称 は 、 「 わ た し 」 「 わ た く し 」 「 あ た し 」 「 あ た く し 」 「 ぼ く 」. き く 二 つ に 分 け 、 さ ら に 先 行 研 究 を 参 照 し な が ら 「 発 話 獲 得 」 は 「 呼 び か. の 使 用 例 か ら ア ノ ・ ソ ノ の 用 法 を 「 発 話 獲 得 」 と 「 発 話 維 持 」 の よ う に 大. 対 話 コ ー パ ス 』 と い う 二 つ の 談 話 デ ー タ か ら ア ノ ・ ソ ノ を 収 集 し た 。 実 際. 調 査 で は 、 『 日 本 語 話 し 言 葉 コ ー パ ス 』 の 「 自 由 対 話 」 と 『 千 葉 大 学 三 人. の か を 明 ら か に す る こ と を 目 的 と し た 。. し て コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 上 の 効 果 に つ い て 明 ら か に す る こ と を 目 的 と し た 。. 一 人 称 に つ い て 、 漫 画 デ ー タ を も と に 、 何 が 表 記 の 違 い を 生 じ さ せ て い る. 本 研 究 で は 、 平 仮 名 、 漢 字 、 片 仮 名 の 全 て の 文 字 種 で 表 記 が 可 能 で あ る. ィ ラ ー の 「 ア ノ ( ー ) 」 ・ 「 ソ ノ ( ー ) 」 ( ア ノ ・ ソ ノ ) の 用 法 や 使 い 分 け 、 そ. 本 研 究 で は 、 「 あ の 、 す み ま せ ん 。 」 の よ う な 談 話 中 に 現 れ る 指 示 詞 系 フ. ―. 漫 画 デ ー タ を 日 対 本 象 語 に 教 育 学 研 究 室. ―. 六 一 五 四. 一 人 称 ( 私 、 僕 、 俺 ) の 文 字 種 の 選 択 に つ い て. 蝦 名 宏 亮. に つ い て. 日 本 語 教 育 学 研 究 室 六 一 五 八 宮 崎 蒔 士. 指 示 詞 系 フ ィ ラ ー 「 ア ノ ( ー ) 」 ・ 「 ソ ノ ( ー ) 」 の 用 法 と 使 い 分 け.
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