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片状黒鉛鋳鉄の冷却曲線から得られる各種数値と黒鉛形状との関係

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Academic year: 2021

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(1)( 2 2 ) DOI:川 印9/j蝕. 第. 1 7 6回 ( 2 0 2 0 . 1 2 ). ouen. 1 7 6 _46. 片状黒鉛鋳鉄の冷却曲線から得られる各種数値と黒鉛形状との関係 (株)マツバラ 0 ) 1 1島浩一,重野勝利,関口理希. 1 2 拍. 1 2 曲. p. t H 却. ・. 炉 ・. 川伺. 働. ,. -0. ξHFdEego. 1.はじめに 鋳鉄の冷却曲線は初晶温度及び共晶温度において変 曲点が現れる.この溶湯の冷却曲線とゼ、 ロカーブ、との差 を凝固潜熱の放出量として捉え,溶湯の冷却曲線より凝 固潜熱の放出量を数値化した.片状黒鉛鋳鉄における接 固潜熱の放出量と黒鉛核生成及びその成長,更に KFGIとの関係について考察したので報告する.. 2. 3. 2 .溶湯の冷却曲線 溶湯は凝固時,凝固潜熱の放出があり,その冷却曲線 には初晶・共晶等の変曲点が現れる.また相晶出のない 場合の冷却曲線はゼロカーブ 1 ) と呼ばれ,温度と時間の 関数であらわされる.冷却曲線は相晶出時凝固潜熱の放 出により冷却速度は遅くなる.つまり実測された冷却曲線 とゼロカーブとの温度差は凝固潜熱の放出量に比例する. 今回,溶湯の冷却曲線計測用に市販データロガーとス ティック PCを用いて熱分析装置を組み上げた.またデー タ解析用にエクセルシートに計算式を組み込み,ゼロ カーブ及びその微分曲線,さらには潜熱放出量を計算可 能とした.図 lに溶湯の冷却曲線とその一次微分曲線, 計算されたゼロカーブの微分曲線と凝固潜熱放出量とな 1は初晶 yの析出 る面積(単位は"C)の概念図を示す.S 2 " ' ' S 3付近では黒鉛核生成による熱 による潜熱を表し, S 3 " ' 'S4では黒鉛の成長と共品 yの凝固潜熱を表し 量を S ている.S5はマイナスとなっている.これは,S4部後半で は熱電対近傍(最終凝固部)が周囲の潜熱の放出を受け 自身が持つ潜熱以上に共晶温度を維持している,つまり オーバーヒ}ト状態にあることを示している.凝固潜熱放 出後,周辺の温度に合わせるため急冷する.つまりこの 急冷によりオーバーヒート分の熱収支を合わせていること を示している. また図 2に共析温度以下まで測った冷却曲線の一例を を求めるため Teでセメンタイト凝固をさせ 示す .C%,Si% た冷却曲線も同時に表示している.また共析温度付近で、 もパーライト析出による潜熱の放出がみられる.. 1 0 5 0 o. 1ω120. 鈎 柑 帥 曲. 咽. r i < ・ . ・. ・・ 9. 1o. 4. 揖1 0 綬o. 2 柑. 図 l 冷却曲線と凝固潜熱の放出量概念図 日目. 日朗. ρ. f " 却. 炉. ∞. 2. 1 1. 4 山田. E. 2 0. 柑 曲 曲. ∞. 1. 1 2 0. 柑. t 曲. S 曲. 2 叩. Z 却. ・ ". 2 4 0. T 1 r n ・ ・. : a " / . .. ℃l伽 初 . . S叫酬。哩 1 2 7 5 1 1 7 9 1 1 4 7 . 2 7λ I 1 3 2 2 1 1肝 1 1 1 7 . 7. ・. " 開. 欄問叫制 勾叩山手 一 一. 一 -"1 ァ"'叩間 + --、 f 戸ト 一 一 ー ト. 技師. ~ 0,$. 沼田. < > S. UDO . 1. p. . LS. 飢 却. 問. 750. 田 ・. 気1). 磁 調 。. 一・ ωw. 瑚. お “. l. ! l" Q. . . . . 剛・"Sup.O . 3. が. 醐. 閣. 制. 札. 閣. 制. 7 師. 岡. l. 図 2 初晶・ 共晶付近と共祈変態付近の冷却曲線一例. 3.黒鉛形状の定量化( K F G O K F G Iとl : iKlRIU・FLAKEGRAPHITESTRUCTURE 2 別 DEX)の略称で黒鉛組織を定量指標化したものであり 2 当たりに存在する“片状黒鉛"粒数 鋳鉄の組織で、 lmm を計測している.黒鉛の形状(サイズ含む)・粒数により, 鋳鉄の機械的性質が大きく左右される.図 3に凝固曲線 計測用カップの断面図及び黒鉛組織観察ポイントを示す. 図 4に図 2に示した冷却曲線における熱電対近傍の黒鉛. 組織( 2値化)を示す.また図 5 にその凝固中心(熱電対 近傍)から最外径部まで、の黒鉛組織(パノラマ)を示す. 著者らの既報 3)のように,最徐冷される最終凝固部は A 型黒鉛中に D 型黒鉛が斑に分布している.外径側に行く に従い D 型黒鉛は減少し最外径部では冷却速度が速い にも関わらず D型黒鉛は存在しない.これは凝固中心部 の D型黒鉛は S5部の急冷によることを明示している.. - 46-.

(2) 第. φ30. 表 l接種を変更した樹易の黒鉛化度と潜熱の放出量, K-FGI. │図4脇 位 置 │ │図5 脇位置. 1 7 6回 (2020. 12). l. 5 4 6'. ~. o u'). : : . < :. 180. 850. 175. 800. 170. 750. nu. 榔. 盟 150. 一Ou--M. 7'ζu. 京160 議 155. nu. 05. 玄 165. 図 3 凝固曲線計測用カップの断面図. 600. 語145. 550. 材 140. 500. 135. 450. 130. 60.0. 70. 0. 80.0. 90.0. 黛鉛化度,% 図 6 黒鉛化度と潜熱の放出量, KFGI. 5 .まとめ 1 )鋳鉄凝固時の冷却曲線から冷却曲線の微分カーブ, ゼロカーブとその微分カーブ,更には潜熱放出量とし S l S 5 )を計算できるエクセノレ、ンートを完 ての面積 ( 成させた.. 図 4 熱電対近傍黒鉛組織 ( Y lm m,2値化). 2)n=3ではあるが黒鉛化度を変化(増加)させることにより. 4 .冷却曲線と黒鉛形状の数値化. 共晶凝固潜熱放出量 (S3+S4)もそれに伴し、増加す. FC溶湯の接種量を変え冷却曲線から得られる溶湯数. -FGIの関係を考察した.表 1 に接種量を変えた溶 値と K 湯の冷却曲線から得られた黒鉛化度め及び凝固潜熱に 対応する面積,更に最終凝固部近傍の絶織写真から得ら F G Iを示す.図3において最終凝固部には D 型 れた K. -FGIの計算では D型黒鉛は片 黒鉛も多くみられるが, K 状黒鉛としてはカウントされていない.図6にそれぞれの -FGI 黒鉛化度に対する凝闘潜熱放出量 (S3+S4)及 び K との相関を示す。接種量増加に伴し、黒鉛化度も増加して いる。同様に凝固潜熱放出量 (S3+S4)及び片状黒鉛粒 K-FG I)も増加している.適量の接種増加により黒鉛 数(. ることが確認でき,各黒鉛の成長と共晶凝固潜熱の放 出量の聞には関係があると推定される.. 3 )黒鉛化度と K -FGIとの聞にも 3 )と同様な傾向が見られ -FGIの測定手法は片状黒鉛形状を定量 ることにより K 化するための一つの指標となりうると,思われる. 4)今後更にテストピースや製品の車脳哉,硬さ等と熱分析 K-FG I ) と 装置から得られる数値,また片状黒鉛粒数 ( の相関を取り,製品品質向上に役立てたい. 文献 l)h 即, J / :切羽"O n . m 7 8 . ∞mldoc/C∞ling'αl1Ve. htm. 核数に係る黒鉛化度及び K -FGIが増加.またそれらの黒 鉛核の成長のため凝固潜熱の放出量も増加してしもと推. 2 )h t t p s: / / w w w . k i r i u . ∞J p / t e c h l ω剥ng / 3 )川島,重野,立花:鋳造工学 8 3 ( 2 0 1 1 ), , 13 6. 定される.. 4 )菅野,森中,中江:鋳造工学 7 4 ( 2 0 0 2 ),5,310. 図 5 テスト ピース凝固中心部から最外径まで、の黒鉛形状. - 47-.

(3) 第. 1 7 6回 ( 2 0 2 0 . 1 2 ). -講演番号 2 2に対する質問と回答 【質問】 K-FGIで D 型黒鉛はカウントされないとなっておりますが,図 4と 5には D型が存在しており,共 晶凝固潜熱 ( 3 S+4 S ) に大きな影響を及ぼすと考えらます. S5との関係で説明できないでしょうか. 【回答】まず前提として A型黒鉛は過冷反転温度付近で発生した(懸濁していた)黒鉛核が凝固終了まで成長 したものであり,最終凝固部付近の D 型黒鉛は共晶反応のための凝固潜熱を放出後も液相であった溶湯(共 晶 組 成 :C% =4.2)が 7組 成 (C%=2%以 下 ) と な る た め 短時間で黒鉛を放出せざるを得ず微細な黒鉛組織になっ. 包縮率 0 .2. 1473. 》 ∞. ( 12 1. 内. てしまったと推定します.右の図 1より液相が 40%ほど 残った状態でも急冷が起こっています.. 3咽 3. 0 .8. ζ F. ¥. (¥1冊 〉. S3, S4で数多くの黒鉛が成長することにより,溶存 C 量が減る,つまり S 3+S4増により A型黒鉛量が増加し. E. ﹀. VJ晶、 炉. ・"113. . . g 黒船. ( 1 40). ‘ h. 同 . .. 、 司, . ;. O~息鉛. 5だけでは判断できないと思い や時間に左右されるため S ます.同様な理由により(その他もありますが)片状黒. I. 日制. S2. 1E. ε e a ・a. U. ¥ ¥. に関しては,共晶凝固温度からT.P .外 周 部 ま で の 急 冷 温 度 ( 温 度 差) を表している(右図 2参 照 ) た め 共 晶 温 度. I @率. 目 的 箇. 初 &γ. 相対的に D 型 黒 鉛 が 減 少 す る と 推 定 し ま す . た だ し S5. 1393. ( 1 1抑. 鉛の溶湯性状(ひけ性)を 0値で判断することには危険. 20. を感じます.. 崎 町. 8 0.朗. T l m e .. 1 20. 崎 ' 帥. 1 曲. 図 1 最終凝闘部の冷却曲線と固相率 t ω 1 3 022 則. 【質問】接種剤の効果評価に使えそうですね. 【回答】はい. ・0. 6. 当社においても接種剤評価の一つの指標と. W3 (12曲}. して活用始めています. 1 . t ! 碍 (11回}. 【質問】貴研究は炉前判定, K-FGIは凝固組織の黒鉛評価. ! : ! 1制. )はもう少しデータが必要ではない 指標なので,まとめ 3. 炉. ifIt帥}. 1m ( 1 1柑〉. でしょうか.. 1 3 9 3. 【回答】おっしゃるとおりです.まとめ 4 ) にあるように. ( 1 1却〉. テスト数を増し更には量産製品の結果と結び、 っけながら熱. ロη. 分析による溶湯性状の評価の角度を高め品質向上に役立て たいと思います.. 担 ・0. 輔 副 ' 田 日圃. . s. 1 却. ?咽. 1 田. f 制. 図 2 各ポイントにおける冷却曲線計算結果. 【質問】凝固曲線計測用カ ップには市販の CEカップとも 呼ばれているノースロップのカッフ。 を使用されているが,欧州など使われている Q u i c k C u pでは溶湯量や形 状の違いから潜熱放出量等が違ってくるかと思いますが,カップサイズ等による冷却速度(凝固速度)への影 響はあるのでしょうか. 【回答】形状・容量の違いにより冷却速度はもちろん違ってきます.ただしゼロカーブによりその違いをキャ ンセルしています.今回は冷却曲線を時間で微分した冷却曲線とゼロカーブの微分値との差を時間で積分(面 積)しているため温度に戻っています.この温度は相晶出がない場合(ゼロカーブ)との差であるため,温. - 48-.

(4) 第. 1 7 6回 ( 2 0 2 0. 12 ). 度に比熱をかけることにより単位重量当たりの熱量つまり潜熱の放出量とみることができます.. 【質問】凝固曲線計測用カ ップの熱電対には保護管として石英管が用いられていると思いますが,高温の溶湯 と石英が反応してガス欠陥や黒鉛形状への影響は無いのでしょうか. 【回答】組織観察時保護管 もカットし断面を見ましたが溶損等は無く溶湯と石英の反応は無視できると思い ます.またそれ以上にカップの(メーカーによる)ぱらつきは大きく,. E社提供のカップは保護管径が細く,. 熱電対溶着部をダイス引きし保護管内部に密着させてありました.一方 N社提供のカップは保護管径も太く また熱電対も溶着だけです.更にはシェルの焼きも甘くレジン起因のガスによる溶湯性状の変化(悪化)が 懸念されます. ( 2 0 1 3 )第 1 1号. C f低臭気 RCSの現場展開による臭気低減と小物鋳鉄鋳物のガス欠陥対策」鋳造工学誌第 85巻 p7 9 2, . ,. 7 9 6,参照ください).. - 49ー.

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