• 検索結果がありません。

[講演要旨] トレンチ調査に基づく濃尾断層帯,武儀川断層の最新活動時期と歴史地震—1289年(正応二年)地震に関する越波集落の伝承—

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "[講演要旨] トレンチ調査に基づく濃尾断層帯,武儀川断層の最新活動時期と歴史地震—1289年(正応二年)地震に関する越波集落の伝承—"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)歴史地震 第 25 号(2010) 110-111 頁 む. ぎ. トレンチ調査に基づく濃尾断層帯,武儀川断層の最新活動時期と歴史地震 おっ ぱ. −1289 年(正応二年)地震に関する越波集落の伝承− 金田平太郎(千葉大学大学院理学研究科)・佐護浩一(ダイヤコンサルタント). Most recent surface-faulting event on the Mugigawa fault, Nobi active fault zone, central Japan, as deduced from paleoseismic trenches, and its correlation to a historical earthquake: accounts on the earthquake of 1289 AD from Oppa Village. Heitaro Kaneda (Chiba Univ.) and Koichi Sago (Dia Consultants Co., Ltd.) ぬく み. 1891 年濃尾地震(M 8.0)の際には,美濃山地を北西−南東方向に走る温見断層,根尾谷断層,梅原断層 などの左横ずれ活断層が同時に活動し,総延長およそ 80 km におよぶ地表地震断層が出現した(図;松田, む. ぎ. 1974) .しかし,これらの活断層の直近には,濃尾地震の際には活動しなかった活断層も多数存在する.武儀 川断層もそうした活断層のひとつで,根尾谷断層の中央部付近から枝分かれして南南東方向に延びる長さ約 30 km の左横ずれ活断層であるが,この活断層の活動時期についてはこれまで明らかになっていなかった. おくだにひら そ ぼら. 今回,この活断層北西部の奥谷平曽洞地点においてトレンチ調査を行った結果,基盤岩およびそれを覆う 土石流堆積物・湿地堆積物を変位・変形させる断層を確認した.地層中に含まれていた木片計 26 試料の放射 性炭素年代測定結果から,武儀川断層の最新活動は西暦 1040 年以降の歴史時代であったと推定される.宇 佐美(2003)に基づくと,1334∼1335 年(建武年中)の美濃・飛騨地方の地震(M 6∼7)や 1586 年天正 地震(M 7.8±0.1)がこの最新活動に対応する可能性のある地震として挙げられるが,いずれの地震につい てもこの対応を積極的に示唆する史料は見つかっておらず,根尾谷界隈での被害等の記録も存在しない. 一方,宇佐美(2003)には収録されていない地震として,根尾谷最上流部,トレンチ調査地点から 10 km おっ ぱ. あまり北西に位置する越波集落(図参照)には,1289 年(正応二年)の地震についての伝承がある(願養寺 略記;根尾村,1980).この伝承によれば,同年夏の地震の際に渓水が噴出して集落が水没しそうになった ため,集落全体が移転したという.越波という山奥の集落としては奇異な地名は,水が減ずる際に山嶺を水 波が打越えたことに由来するとのことである.この史料の信憑性については検討を要すると思われるが*,武 儀川断層の活動による地すべりの発生,堰き止め湖の形成・決壊を伝えている可能性があり,興味深い.1891 年濃尾地震の際にも地すべりにより多数の堰止め湖が形成されたことが知られており(田畑ほか,1999 など), 今後,こうした視点に立った現地地形・地質調査,古地震調査や史料調査を進めてゆきたいと考えている. * 「[古代・中世]地震・噴火史料データベース(β版)」 (http://sakuya.ed.shizuoka.ac.jp/erice/)によれば, 1289 年夏の地震の記録はない.ただし,その前年,1288 年の 7 月には公卿の日記(実躬卿記,勘仲記) に大きな地震の後,有感地震が続いたとの記録がある.. - 110 -.

(2) 引用文献 松田時彦(1974),1891 年濃尾地震の地震断層.地震研研究速報,13,85-126. 根尾村(1980),『根尾村史』.根尾村,1003 pp. 田畑茂清・原. 善文・井上公夫(1999),濃尾地震(1891)に起因した土砂移動の実態.砂防学会誌,52,. 24-33. 宇佐美龍夫(2003) ,『最新版 日本被害地震総覧 [416]-2001』.東京大学出版会,605 pp.. 謝辞 調査に際しては,地権者・管理者の方々,岐阜県土木事務所,本巣市の関連部署の方々,井上. 勉さん,. ダイヤコンサルタントの方々,立命館大学の岡田篤正先生をはじめとする多くの方々のお世話になりました. ここに記して感謝いたします.本トレンチ調査は,著者のひとり(金田)が産業技術総合研究所活断層研究 センター在職中に,文部科学省からの委託調査として実施したものです.. 図.濃尾断層帯,武儀川断層および奥谷平曽洞トレンチ地点の位置図.並んだ白抜丸は,1891 年濃尾地震の 際に活動した部分を示す.. - 111 -.

(3)

参照

関連したドキュメント

活断層の評価 中越沖地震の 知見の反映 地質調査.

Using the CMT analysis for aftershocks (M j >3.0) of 2004 Mid Niigata earthquake (M j 6.8) carried out by National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention

岸・宮脇(1996)によると,敷地を 含む寺泊・西山丘陵の褶曲運動は約 150万年前以降停止しており,褶曲

岸・宮脇(1996)によると,敷地を 含む寺泊・西山丘陵の褶曲運動は約 150万年前以降停止しており,褶曲

3.3 敷地周辺海域の活断層による津波 3.4 日本海東縁部の地震による津波 3.5

報告書見直し( 08/09/22 ) 点検 地震応答解析. 設備点検 地震応答解析

運転状態 要求機能 考慮すべき応力と地震動 許容応力 地震時

(10) KAZUO DAN, TAKAHIDE WATANABE and TEIJI TANAKA(1989):A SEMI-EMPILICAL METHOD TO SYNTHESIZE EARTHQUAKE GROUND MOTIONS BASED ON APPROXIMATE FAR-FIELD SHEAR-.