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2 0 1 7 . 1 2 V o l . 1 2 N o . 3
IVR とは 原 語 である Interventional
Radiology の略語で、日本語では画像下
治療とも訳されています。X 線透視像、血
管造影像、CT 像を見ながら、カテーテルと
呼ばれている細い管や、針を用いて病気を
診断、治療する方法です。たとえば、肝細
胞癌に対しては、肝動脈塞栓術というIVR
を施行しています。これは、足の付け根の動
脈(大腿動脈)から「細い管(カテーテル)」
を挿入し、肝臓の動脈まで進めていき、そこ
から腫瘍を固める薬や、腫瘍に栄養を運ん
でいる動脈を塞いでしまう薬を入れる治療
法です。また、肺腫瘍に対しては、CTガイド
下肺生検を施行しています。CT 画像をガイ
ドとして用いることにより、皮膚から進めた
生検針を数 mm 単位の正確さで腫瘍に到達させ、組織を採
取して診断をすることができます。その他、産科出血、術後出
血、喀血、交通外傷による出血などの緊急状態からの救命の
ため血管内治療により塞栓術を施行して、止血することもあ
ります。IVRは体への負担が少なく、外科手術と同じような治
療効果が得られることもあることから、近年、急速に普及して
います。当院では年間180件ほどのIVRを施行しており、2016
年4月に最新鋭のIVR-CT 装置(CT 検査と血管造影を一つ
の撮影室で同時に施行できる装置)が導入され、さらに複雑
繊細なIVR 治療ができるようになりました。
放射線科は単純X線写真から最先端画像までの画像診断と、
画像誘導下で行う局所治療(lVR)、
および放射線を使った侵襲性の少ないがん治療(放射線治療)を行う診療科です。
中 央 手 術 室
集中治療室
(ICU)
麻酔科紹介
病理診断科紹介
放 射 線 科
臨 床 検 査 科
■放射線科医長 新屋 晴孝
放射線科スタッフ紹介
特集
放射線科医は現在5名で、CT、MRI、RI 読影、放射線治
療、IVRと多岐にわたる仕事をこなしています。放射線診断専
門医4名、放射線治療専門医1名で、日本医学放射線科学会
認定の放射線科専門医修練機関に認定されています。
医 長: 新屋 晴孝 (放射線治療担当)
医 師: 清水 光春 (核医学診療担当)
向井 敬 (IVR担当)
丸中三菜子 (画像診断専門)
梶田聡一郎 (レジデント)
読影部門
CT、MRI、RI(核医学検査)を中心にモニター診断を行っ
ており、各診療科の依頼のもとにレポートを配信しています。
検査件数はおよそCT:21000/年、 MRI:7500/年、 核医
学:1500/年です。CTは320列 CT 装置と64列 CT 装置の2
台、MRIは3.0T-MRI,1.5T-MRIの2台体制で検査を行って
います。
3.0T-MRIは平成29年3月に新規導入され、従来の装置に
比べ鮮明な画像を、より短時間で撮影することが可能となり
ました。
核医学部門でも最新 SPECT-CT 装置が導入されました。
一度の検査で核医学画像とCT 画像を得られることから、正
確な減弱補正をかけることが可能となり(体の深部の集積が
過小評価されるのを防ぐ)、融合画像を作成することで集積
部の解剖学的位置を明瞭化することができます。これらの画
像に的確な診断をつけて主治医に答えることが我々放射線
科医の役割です。
また、各専門科によるカンファレンスにも参加し、密に連携
をとるようにしています。
放射線科IVR部門
放射線治療は、手術療法、化学療法と並ぶがん治療の中
心的治療法です。「切らずに治す」を理念として、患者様の負
担が少ない治療を実践しています。
放射線治療患者は約200人 / 年
ぐらいで、大部分は直線加速器(リ
ニアック)を用いた外部照射による
治療です。その他にはアイソトープ
を用いた治療も行っており、ヨード
-131を用いた甲状腺癌あるいはバセ
ドウ病の治療、ストロンチウム-89を
用いた癌の骨転移に対する疼痛緩
和治療、イットリウム-90を用いた悪
性リンパ腫の治療や最近開始され
たラジウム-223を用いた去勢抵抗
性前立腺癌の骨転移に対する治療
が可能です。
リニアック装置は昨年10月に、画
像誘導放射線治療(IGRT)に対応
した高精度なものに更新されていま
す。IGRTとは、画像情報をもとに
患者様の位置誤差を補正しながら、正確に治療を行う技術
です。リニアックに取り付けられたポータルイメージングシス
テムにより、治療寝台上にて2次元、
3次元画像が取得でき、治療計画
時と治療時の体位のずれを認識し、
2-3mm 程度の誤差で照射できま
す。この装置により脳や肺などに対
しての定位放射線治療も可能とな
っており、随時症例を積み重ねてい
くつもりです。
また、現在は実施されていません
が、強度変調放射線治療(IMRT)
も可能な装置です。IMRTとは、腫
瘍の形状に合わせた線量分布を形
成でき、正常組織の被ばく線量をよ
り低減できる放射線治療の技術の
ひとつです。将来的にはIMRTの実
施も視野に入れています。
放射線治療部門
大型医療機器の更新、新規購入が難しくなっている時期で
すが、幸いなことに放射線科では院長先生を始め皆様方のご
尽力により、昨年度までに殆どの医療機器を最新のものに更
新しており、高度急性期医療を行っている岡山医療センター
での役割をはたすべく、日々の診療を行っています。今後もよ
ろしくお願いします。
おわりに