公開空地の構成要素と空間認識に関する研究広島市の総合設計制度適用事例の分析
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(2) 近畿大学工学部研究報告. 1 0 2. N o 3 9. 討することである。. きるよう)に整備されたもの、面積の大きしもの、あるいは、. 1 2 . 調査方法. 歩行者にとって、利用しやすいように配慮されてとられた. 本研究を進めるために 2種類の調査を行った。ひとつ. 場合などである。逆に、評価が低くなる場合は、敷地に接. 6の事例 は、広島市においてこれまでに適用されている 8. する道路から眺めた場合に、建物があるために空地部分. を基に、公開空地の組み立て方、組み立て部材等に注目. への見通しが妨げられた(空地が見えなし、)状態でとられた. してデータを整理する。広島市役所での資料入手とともに、. もの、敷地周囲の道路面より空地面が高くなっていて空地. 公開空地と敷地周辺との空間のつながり方を確認、するた. の地盤面が見えなくなっているもの、および、道路面より低. めに現地調査を行う。それらのデータ分析を基に、広島市. くなっていて空地の存在が分からないものなどで、ある。し. の適用事例における公関空地の成り立ち方の特徴を主と. かしながら、不特定多数の利用者が気軽に、入り込んで. してフィジカルな面から描き出す。. 利用できる空間を確保するとしづ、この制度の基本精神が. もうひとつは、公開空地に対する空間認識状況を把握 するために. 生かされていない事例もかなりある。. s o法による調査を行った。この方法は、一般. に個人差が大きく客観性に乏しい空間認識としづ評価行. 2 .広島市における制度適用事例の傾向と特徴. 為に対して、できる限り客観性を高めるために、「主成分. 広島市において、これまでにこの制度が適用された事. 分析」よいう統計手法が用いられているが、ここでもこの手. 6件ある。しかし、以下の理由によって、本論文では 例が 8. 法を使って分析を行う。. 74件を分析対象とした。すなわち、広島市における最初. 1-3. 総合設計制度許可取扱要綱の概要. の適用事例は、 1974年 2月となっており、以後、 2002年. 敷地面積をはじめとして、前面道路、空地率、公開空地、. 1 1月までの約 3 0年間における適用事例を合わせると 8 6. 有効公開空地率などの 5項目が、許可時における取扱要. 事例となる。上記のように、この 86件の中には、分析対象. 綱の基本要件(チェック項目)となっている。それぞれの項. としてふさわしくない事例がいくつか含まれているので、そ. 目について、適用の可否を峻別するための条件が定めら. れらを除いて分析した。すなわち、 86件の中には、この制. れており、条件が満たされた場合において制度許可の権. 度の許可を受けたものの、その後建設計画が取り止めとな. 利が付与されることになる。. った事例 ( 3件)、このほか、閉じ敷地(の一部)を対象として 2度にわたって適用を受けた事例 ( 6件、本研究では 2度. 目の適用時のデータを使用)、さらに、一度は適用を受け. ④. たものの適用が解除された事例 ( 3 件)などが含まれている R-54. ため、これらの 12件を除く 74件を母数として分析をすすめ た 。. 2-1.制度適用事例(件数)の推移 表1から、以下の3つの特徴が読みとれる。広島市は、 8 区に分かれているが、ひとつは、そのうちの安芸区と東区 の2区には、これまでこの制度が適用された事例がない。 1 区ごとの許可年(制度適用)の推移 表-. . . 1 1980. . . 1985. . . 1990. . . 1995. 2 以 00 降 0年 1984年 1989年 1994年 1999 年 合計 37 13 10 6 2 5 児 1 0 0 . 0 % 6 . 2 % 5 . 4 2 . 7見 1 3 . 5 % 3 5 . 1 % 2 7 . 0 % 1 2 4 2 3 1 7 5 0 0 . 0 % 1 1 . 8 % 1 7 . 6覧 1 覧 2 9 . 4 九 5 . 9 2 3 . 5 % 1 1 . 8 % 2 6 2 1 4 3 7 . 1覧 1 4 . 3 % 2 1 . 4 % 1 4 . 3 % 4 2 . 9 % 0 0 . 0 % . 0 九 1 o o 2 o 4 5 . 0 % 覧 . 0 . 0 九 2 5 . 0 % 5 0 . 0 % 2 . 0 覧 1 0 0 . 0 %. 1 以 9前 79年 中区 南区 西区. 図一 1 制度適用事例の分布状況. また、公関空地は、敷地内でのとり方(位置や形態など) によって優劣が生じ、利用者等による評価にも差が表れて いる。評価が高くなるのは、ごく大雑把に言えば、歩道状 (幅に対して細長くとられた形状で公共歩道と一体利用で. 安佐南 安佐北 佐伯区 合計. 。. 。 。 。 o. o. . 0 覧. . 0 児. . 0 %. . 0 覧 3. . 0 覧 1 3 1 7 . 6 %. . 0 % 20 2 7 . 0 %. ~覧. o. 。. o. 0 0 . 0 % . 0 % 1. o. . 0 % 20 2 7 . 0 %. o. . 0 九 1 0 0 . 0 %. . 0 % 1 0 0 . 0 % 1 0 0 . 0 % 1 2 6 74 1 6 . 2 % 8 . 1九 1 0 0 . 0 %.
(3) 公開空地の構成要素と空間認識に関する研究. 1 0 3. 広島市の総合設計制度適用事例の分析. 表 一2 区ごとの建物高さの平均. ふたつ目は,初期の 1974年 ' " ' '1984年までの 1 0年間 は適用件数は、あまり多くないが、広島市の中心である. 高さ平均値. 件数. 中区と隣接の南区、西区を合わせた3区に適用例が集 中している。 1985年以降は、安佐南区、安佐北区、佐 伯区などの周辺の区にも事例がみられるようになった。 3点目は、この制度が制定されてから、すでに 30年が経 " ' ' 1 9 9 4年にかけての っているが、適用事例数は 1985年 ' 1 0年間に全体の約半数 ( 4 0件 、 54%)が集中している。. 最小値. 標準偏差. 5 0 . 0 3 % 7. 5 4 . 6 m. 153m. 28m. 2 3 . 0. 南区. 2 2 . 9 1 % 7. 4 7 . 2 m. 85m. 32m. 1 5 . 2 1 7 . 1 1 .7. 西区. 1 8 . 9 1 % 4. .8m 41. 8 3m. 17m. 安佐南区. 5 . 4 % 4. 4 2 . 5 m. 44m. 40m. 安佐北区. 1 . 3 % 1. 4 3 . 2 m. 43m. 43m. 佐伯区. 13% 1. .0m 41. 4 1m. 41m. 合計. 1 { m o 7 % 4. 4 9 . 7 m. 153m. 17m. そして、 1995年以後は全体として適用事例は漸減傾向 にある。. 最大値. 中区. 。 。. 1 9 . 8 7. 次に、区ごとに建設された建物の高さ(平均値)につ いてみると(表ー2 )、ほぽ予想していた通りではあるが、都. 表一3 区ごとの公関空地実面積の状況. 心区である中区の高さ(平均値:55m)が最も高くなって いる。次いで、南区 ( 4 7 m )である。西区は低い事例と高 い事例が混じっていてバラツキが大きく、平均値は6区. 公開空地実蘭積の平均値. 最大値. 最小値. 標準偏差. 中区. 5 7 6 . 5r r i. 2 4 5 5 . 2r r i. 5 9 . 7口1. 5 2 0 . 2. 南区. 891 . 1r r i. 4 5 4 3 . 6r r i. 1 4 5 . 6r r i. 1 0 31 .2. 方、標準偏差が 23mとバラツキもある。全事例の平均建. 西区. 1 1 3 8 . 2r r i. 3 2 5 4 . 2r r i. 2 1 8 . 7r r i. 8 4 2 . 0. 物高さをみると 49.7mとなっており、やはり、制度の適用. 安佐南区. 9 1 8 . 5r r i. 2 1 5 2 . 6町1. 3 7 6 . 5r r i. 831 .9. 安佐北区. 7 91 . 1r r i. 791 . 1 ロ1. 791 .0r r i. 佐伯区. 1 4 9 9 . 7口1. 1 4 9 9 . 7ロ1. 1 4 9 9 . 7r r i. 合計. 7 8 9 . 0r r i. 4 5 4 3 . 6r r i. 5 9 . 7r r i. 番目に低い。また、中区についても一 のなかで下から2 方で、最小値が 28mとそれほど高くない事例もみられ、他. による空間変化への効果が建物の高さにも表れている. 。 。. ように思われる。 8 9 . 0 r r fとなっていて 公開空地実面積の平均値は、 7. かなりの広さが確保されている(表3 ) 。これは、用途地. 4 適用年代ごとの評価率 表-. 7 6 0 . 1. ものと考えられる。 2-2. 公開空地評価率. 80%未満. 80未 -1 満 ∞ %∞未 満 120~ 20未満 140~. 1979年 以 前. . 0 ' 1 0. . 0 首. 2 6 6 . 7' 1 0 6 4 6 . 2 % 8 4 0 . 0 % 6 1 0 3 0 . 0' 3 2 5 . 0' 1 0. . 0 ' 1 0 3 4 . 1' 1 0. . 0 % 1 2 1 6 . 2' 1 0. 首 1 6 . 7 26 3 5 . 1' 1 0. 3 3 . 3' 1 0 1980-1984. 。. 7 . 7' 1 0 1985-1989. . 0 % 1990-1994. 5 . 0' 1 0 1995-1999 年以降 2∞o 合計. o. o. 。. . 0' 1 0 6 4 6 . 2' 1 0 4 2 0 . 0 % 2 1 0 . 0 %. 。 o. 。 。 40%以上. . 0 ' 1 0. . 0 ' 1 0. . 0' 1 0 7 3 5 . 0' 1 0 9 4 5 . 0 覧 7 5 8 . 3' 1 0 5 8 3 . 3 % 28 3 7 . 8 %. . 0 %. o. o. 5 . 0 弛 2 1 0 . 0 弛 2 1 6 . 7 弘. 合計. 3 1 0 0 . 0 弘 1 3 1 0 0 . 0 % 2 0 1 0 0 . 0 % 2 0 1 0 0 . 0 覧 1 2 1 0 0 . 0 % 6 1 0 0 . 0 見 7 4 1 0 0 . 0 %. 。. . 0 ' 1 0 5 6 . 8 首. 1 3でみたように、公関空地評価率(以下、評価率と略. 称)とは、有効公開空地面積(設計内容を勘案して、計算 上認定される面積のこと)が、公開空地実面積に比べどの 程度大きくなったり、逆に、どの程度小さくなったりしている かの、割合を表している。つまり、評価率とは、単純計算さ れた空地の面積に対して、設計の仕方によって緩和(ボー ナス付与)される面積の割合のことである。 次に、評価率の推移についてみると(表 4 )、表中の f80%未満」とか f 8 0 ' " ' ' 1 0 0 %未満」などの用語が示している. 意味は、空地の取り方が芳しくなかったため(利用者にと って有効性が低いと想像される)に、実面積に対して有効 と認められる面積が少なく判定(逓減して判定)されたとい 域ごとに規定されている公関空地面積の規模(基本要 件)に比べ、十分に広い面積となっている。区ごとにみ 7 7 r r fと他区に比べやや狭く ていくと、中区の平均値は 5. なっている。これに対し、南区 ( 8 9 1r r f )や西区 ( 1 1 3 8r r f )で はかなり広くなっている。中区は、広島市の中心区とい うことで、敷地の規模がもともと狭小なものが多い。他 方、公開空地面積は一般に、敷地面積に対する 20%と か 30%程度の割合で確保されている。こうした背景もあ って中区の(平均)実面積が他の区よりも狭くなっている. うことを示している。このランクには 1 5件 (20%)の事例ある が、これらの逓減された事例のすべてが 1994年以前に適 用された事例である。全体として年数が経過するにつれて 評価率が低い事例が減っている。 1995年以後の 1 0年間に、 評価率が低く評価された事例は皆無である。 74事例の評 価率の平均値は 115%となっており、公関空地実面積が 15%ほど高く評価された計算になっている。この 15%が指. 定の容積率制限を緩和するのに影響してくる。評価率を.
(4) 1 0 4. 近畿大学工学部研究報告. 上げて床面積の拡大を期待する気持ちは、当然、制度の. N a 3 9. 表 一5 指定容積率ごとの容積率(緩和後)の状況. 許可を受けようとするすべての建築主が共通して保有して いる気持ちではなし、かと思われる 2-3. 都市計画制限(容積率)の緩和状況. 表一5をみると、 300%に指定されている敷地の適用事例. 800%. 1 8 24.3%. 600%. 6 8.1%. において、容積率が最も大きく緩和 (+75%)されている。. い率に指定されてしも敷地においては、緩和されたあとの 平均値はさほど高くなっていない。この原因としては、. +15.8%. +171%. -101%. +59.6%. +214%. 一1%. 0%. +87%. +56.0%. +224%. -191%. 300%. 1 2 1 6 . 2 %. +75.2%. +140%. 0%. 200%. 1 6 .6% 21. +65.4%. +107%. +31%. +23.1%. 十2 3%. +23%. +50.9%. +224%. -191%. 800%としづ法律的には最高に近い高い率に指定されて. 1. 200%未満. って、指定された容積率を制限まで満たすことなく建設さ. 最小値. 十4 3.4%. 400%. いて緩和される割合が大きくなっている。一方、 800%と高. 最大値. 2 2.7% 1 9 25.7%. 500%. 次いで、 200%(+65%)、600%(+60%)などのランクにお. いる場所であるから、ピ、ルの建設費などの問題とも絡み合. 容積率の緩和 後の平均値. 件数. 1 .3%. 7 4 100%. 合計. れた、とし、うことが考えられる。このほかにも、ここでの事例 の多くが、容積率の緩和を目的とするのではなく、高さの. 表6 許可年ごとの平面型. 緩和を受けることを主目的に公開空地の適用を受けようと したことが考えられる。 圃型. 1 9 7 9年以前. 3 .公関空地の平面型と用途. 1980-1984. 3ー1.公開空地の平面型 公開空地の平面の形から表 -6にみられるような 6種類 型に注目してみると、この型は、各年代において中心的に. 1995-1999. . 0 %. 合計. 型. . 0 % 4 3 0 . 8 % 3 1 5 . 0 %. . 0 %. o. . 0 % 3 1 5 . 0 %. . 0 %. 8 . 3 %. . 0 % 3 4 . 2 %. 1 6 . 7 % 1 2 1 6 . 7 %. 1 6 . 7 % 5 6 . 9 %. o. L型. コ型. 口型. 3 3 . 3 % 4 3 0 . 8 % 7 3 5 . 0 % 9 5 0 . 0 % 3 2 5 . 0 % 2 3 3 . 3 % 2 6 3 6 . 1 %. 3 3 . 3 % 2 1 5 . 4 % 6 3 0 . 0 % 5 2 7 . 8 % 5 . 7 % 41. 3 3 . 3 %. 1 6 . 7 % 2 0 2 7 . 8 %. 1 6 . 7九 6 8 . 3 %. 。. 5 . 6 % 3 2 5 . 0 %. o. 2 0∞年以降. られた年代は、 90年前後の 1 9 8 5 " ' 1 9 8 9年 ( 7件)と 1 9 9 0. 。 。. 一型. 。 。. . 0 % 1990-1994. 9件)で、各年代において1/3以上、もしくは、 " ' 1 9 9 4年 (. . 0 % 3 2 3 . 1 %. 1985-1989. に分けた。まず、これらの平面型の中で 26件と最も多い L 多く造られてきた型であることが分かる。 L型が最も多く造. o. . 0 %. 合計 3 1 0 0 . 0 % 1 3 1 0 0 . 0 % 20 1 0 0 . 0 % 1 8 1 0 0 . 0 % 1 2 1 0 0 . 0 % 6 1 0 0 . 0 % 72 1 0 0 . 0 %. 。. . 0 % 5 . 0 % 3 1 6 . 7九. o. . 0 %. 半数がこの平面型で造られている。コ型についても各年代 において 15%以上と、他の型に比べ多く造られている。園 9 8 0 " ' 1 9 8 4年に 3件みられただけでそれ以後は造ら 型は 1. れていない。. 表ー7 平面型ごとの評価率平均値. 7 )。 次に、評価率と平面型の関係についてみていく(表まず、件数が多し、 L型に注目する。評価率の平均値をみ. 件数. る と 、 6つの型のなかで、 L型は 2番目に値が低く (110%)、. 評価率の平均. 最大値. 最小値. -型. 4 . 2 % 3. 1 01 .3%. 1 1 8. 4 %. 9 2 . 1 %. 価率の平均値が最も高い平面型として、二型(122%)があ. 一 ー 型. 1 6 . 7 1 % 2. 1 1 9 . 5 %. 1 4 9 . 9 %. 9 6 . 7 %. る。二型は 120"-'140%のランクに 5件中 4件含まれてい. 二型. 6 . 9 % 5. 1 2 2 . 1 %. 1 3 7 . 3 %. 9 2 . 5 %. L型. 3 6 . 1 2 % 6. 1 0 9 . 8 %. .4% 1 41. 7 3 . 5 %. 1 2 1%であり、その平均値は高い方から 2 番目となってい. コ型. 2 7 . 8 2 % 0. 1 2 0 . 9 %. 1 6 9 . 8 %. 91 .0%. る 。. 口型. 8 . 3 % 6. 1 2 0 . 2 %. 1 3 7 . 1 %. 100%. 合計. l o o o 7 % 2. 1 1 5 . 6 %. 1 6 9 . 8 %. 7 3 . 5 %. 評価率の高い平面型とはなっていない。これに対して、評. て、他の型に比べ高い評価率のランクにかたまっている。 0 件と 2 番目に多しロ型は評価率が 一方、事例数が 2. 3-2. 公開空地の用途. 前項の平面型の区分がよりフィジカルな見方をしたもの であるが、ここでは「用途」による型分けということで、幾分 ソフトな見方によるタイプについてみていくことになる。. 定した。滞留型は、歩行者が滞留できるようにベイに近い. 公開空地の使われ方を、大きく、滞留型,通過型、混合. 雰囲気にとられたものである。これとは対照的に、滞留す. 型の3種類にまとめて、各事例についてそれぞれの型を判. ることが困難とみなせるようなとられ方をしたもの、混合型.
(5) 公開空地の構成要素と空間認識に関する研究. 表8 区ごとの公関空地の用途タイプ. 1 0 5. 広島市の総合設計制度適用事例の分析. 主要用途の面積から住宅系および事務所系に判別され たものの中から、評価率の高い事例を 3件、逆に低い事例. 中区 南区 西区 安佐南区. 滞留型 混合型 通過型 2 2 3 1 2 5 9 . 5 % 8 . 1 % 3 2 . 4 % 1 0 3 4 5 8 . 8 % 1 7 . 6 % 2 3 . 5 % 8 3 6 6 . 7 % 2 5 . 0 % 8 . 3 % 3 7 5 . 0 % 2 5 . 0 % . 0 %. 安佐北区. 17. 1 0 0 . 0 % 1 2 1 0 0 . 0 % 4 1 0 0 . 0 %. 。 。 。 。 。. 1 0 0 . 0 %. . 0 %. . 0 %. 1 0 0 . 0 %. 1 0 0 . 0 % 45 6 2 . 5 %. . 0 % 8 . 1 % 11. . 0 % 1 9 2 6 . 4 %. 1 0 0 . 0 % 7 2 1 0 0 . 0 %. 佐伯区 合計. 合計 3 7 1 0 0 . 0 %. は、これら両者の判別がつき l こくし、もの、などである。 以下、区ごとに公開空地の用途(使われ方)についてみ. 8 )。これら 3 つのタイプの中で、は混合型が最も ていく(表多く 72件中 45件 (62%)を占めている。次に多いタイプは 1 9件 、 26%)である。滞留型は 8件(11%)と少ない。 通過型 (. 6つの区においてもそれぞれ混合型が圧倒的に多くなっ ている。他方、通過型は、中区、南区、西区の中心 3区で しか事例がみられない。これからすると、郊外における公 開空地の用途としては通過型として計画する意味があまり ないようであり、そのため、混合型や滞留型で計画される 事例が多くなっているものと思われる。 次に区ごとに細かくみてして。中区では 37件中 22件 (60%)が混合型となっていて多く、次いで、通過型 ( 1 2件 、. から 3件、合わせて 6件を選定し、評定地とした(表9 )。 4 2 . アンケート(評定尺度)の分析・解釈. それぞれの評定地について平均値はかなり分散してい る。空間を眺めることによって、人が受ける視覚的イメージ 2 )。 は多様性が大きし立いえる(図 -. 0をみると、各々の評定地においてほぼ共通 次に、表一 1. して認識されている形容詞として、「統一感がある」と「清 潔」の 2点がある。これについては管理がしっかりしている としち解釈ができる。一方、主な短所(マイナスイメージ)とし ては「入りにくしリ・「引き止められなしリなどが上げられ、長 所として出された形容詞よりもはるかに多い。 4 3 . 主成分分析. 成分数は固有値 1以上という基準を設け、さらに成分の 解釈の可能性も考慮して成分数を 3成分に決定した。そ の結果、抽出した成分と質問項目(評定尺度)を表1 1に 示す。 成分名は、以下のように命名した。第 1成分は、「明るい 6項目に対し 感じ」、「自発的な感じ」、「快適な感じ」など 1. て負荷量が高く、空間の「誘引力」や総合評価に関する成 分とした。第 2成分は、「現代的な感じ」、「清潔な感じ」、 「調和した感じ」など 6項目に対して負荷量が高く、空間の 「意匠性」や性質に関する成分とした。第 3成分は、「引き 止められる感じ」、「整然とした感じ」などの 4項目に対して 負荷量が高く、空間の「環境」に関する成分とした。 ホテル jALシティ広島の評価率は 169.8%であり最も高い 適用事例である。この事例における公開空地に対する. 32%)である。滞留型は 3件 (8%)と少ない。南区では 1 7件. 9 評定地の詳細 表-. 中に、混合型が 1 0件 (58%)で多く、次いで、通過型 ( 4件 、 23%)、滞留型( 3件 、 17%)の順番である。西区でも中区、. 南区と同じように混合型、通過型、滞留型の順に適用事. 事 吾 子 例 . F j ". 例が多くなっている。. 建物名. 7 5. ホァル J且 島. 68. d. シティ広. 評価率. 用途. 所在地. 169.8%. ホテル. 中区上峨町. 自島パークハウス. 144.2%. 共同住宅. 中区東白島 町. 40. ひろしまハイビル 21. 142.8%. 事務所. 中区銀山町. 02. 広島三井ピル. 73.5%. 事務所. で流用できると思われたものを選出し、改良を加えて最終. 08. パラッシオ東雲. 83.6%. 共同住宅. 5段階評価)とした。被験者は近畿大学の学生 的に 27対 (. 34. 第一生命広島第 2ビル. 79.1%. 事務所. 4 .公開空地に対する空間認識 4-1 . SD法調査の設定条件 評定用語(形容詞対)の決定は、文献を参考に、本研究. 32名 ( 4年生)である。本研究では近畿大学の学生のうち男. 性限定としづ極めて偏った被験者の条件で、行った。調査 を通して一定の結果が得られたものの、性差や年齢差な ど普遍的な性質までは明確にできていない。被験者は建 築学科在籍の 1 6人と他学科在籍の 1 6人の計 3 2人(すべ て 4年生)となっている。 評定対象地(以下、評定地と略称)とした事例は、建物の. 中区大手町 二丁目 南区東雲ー 丁目 南区的場町 一丁目. 分析の結果、全ての成分においてプラス評価が出ている。 特に誘引力 ( 0 . 6 6 )と環境(1.5 5 )において高い評価が出て いる。白島パークハウスは、第 l成分(誘引)において低 評価 C--0.89)となっている。さらに、第 3成分(環境)につい ても、少し評価(-0.13)が低い。しかし、第 2成分(意匠性) 0 . 6 5 )である。ひろしまハイピル 2 1につ については高評価 (.
(6) 1 0 6. 近畿大学工学部研究報告. N Q 3 9. 表1 1 成分負荷量と成分名. いては、第 1成分(誘引)と第 2成分(意匠性)の評価はい ずれも高い。しかし、第 3成分(環境)に対する評価が 6つ. 評定用語. l軸. 2軸. 3軸. の評定地の中で、は最も低くなっている。広島三井ピルは、. 軸/内容. 明るい感じー暗い感じ. . 9 9 6. ー. 0 6 0. ー. 1 2 5. 誘引力(-l.5 3 )と意匠性(-0.80)と環境(-0.11)のすべて. 自発的な感じー強制j 的な感じ. . 9 5 4. . 16 2. . 0 2 1. の成分で、評価が低くなっている。これは、言わば取扱要綱. 快適な感じー快適でない感じ. . 9 2 9. ー. 1 1 9. . 2 6 3. における評価率と対応していることを示している。パラッシ. 公共的な感じー独占的な感じ. . 9 0 8. ー. 0 1 9. 一. 3 8 5. オ東雲の誘引力は、評定地の中では最も高く、この表の. 変化のある感じー単調な感じ. . 8 8 8. ー. 1 1 1. . 2 0 6. 魅力のある感じー魅力のない感じ. . 8 5 2. ヘ243. . 427. にぎやかな感じーさみしい感じ. . 8 2 9. . 2 2 8. 一. 3 9 9. 4. 5. 楽しい感じ一つまらない感じ. . 8 2 3. ー. 3 9 0. . 3 2 7. 開放的な感じー圧迫的な感じ. . 7 8 9. ー. 5 2 9. 一. 0 3 8. 活気のある感じー沈滞とした感じ. 第 l成分後 1 誘引力成分. . 5 2 8. ー. 2 8 9. . 7 7 2. ー. 3 3 7. . 4 5 0. すっきりした感じーごみごみした感じ. . 7 6 7. . 0 7 5. . 2 5 6. 利用しやすい感じ一利用しにくし、感じ. . 7 5 6. . 2 8 6. 一. 5 7 4. 質の良い感じー質の悪い感じ. . 7 5 2. . 5 4 5. . 3 6 4. 動的な感じー静的な感じ. . 7 0 1. . 1 9 8. 一. 6 6 7. 入りやすい感じ一入りにくし、感じ. . 6 8 8. . 2 3 7. ー. 6 6 2. 現代的な感じー古めかしい感じ. . 0 3 5. . 9 8 6. . 0 2 7. 消潔な感じ一清潔でない感じ. . 12 5. . 8 8 3. . 4 4 1. 0. 解定得. 5 ・ 3. 点. . 7 7 5. 刺激的な感じー刺激的ではない感じ. の 平. 絢2. 5 値. 1 . 5. 続 広 暖 明 活 閉 す 快 公 貨 車j自 袋 網 変 動 緑 に 現 盤 事 1 I 魅洗入清個個. ーいかる気放っ連共の用発し激化的がぎ代然き力織り潔性和 感 いいの的きで的よし的い的の 多や的と止のさや のし が ありあいや あいかしめあれすあた あ る る す る たらるたいる る い れ. 第 2成分※2 意匠性成分. る. 一+一一 75 ホテルJAL シティ広島. - 6 8白鳥パークハウス ー判一一 02 広島三井ピル 7 第一生命広島第2ピ ル -一一 1. 1 一寸"'-40 ひろしまハイピル 2 一義一一 08 パラッシオ東雲 ー一一一全体平均. 第 3因子細 環境成分. 調和した感じー不調和な感じ. . 5 1 6. . 8 5 0. 一. 0 8 2. 統一感のある感じーバラバラな感じ. ー. 3 8 8. . 8 2 1. 一. 3 6 5. 広い感じー狭い感じ. . 5 6 9. 一. 7 9 6. 一. 1 2 1. 洗練された感じ一野暮な感じ. . 1 2 0. . 7 5 4. . 5 4 8. 引き止められる感じー引き止められない感じ. . 4 8 9. ー. 1 7 5. . 8 0 7. 整然とした感じー雑然とした感じ. 2 2 8 ー.. . 5 2 9. . 7 8 1. 緑の多い感じー緑の少ない感じ. 図2 得点平均(プロフィル図). 0 評定地の単純要約 表ー 1 建物名 75. ホテル. JALシティ広. 烏. 評定用語. . 2 1 0. . 0 6 4. . 7 7 5. 負荷量平方和. 11 .9 8 4. 6 . 1 3 7. 4 . 9 3 2. 因子寄与率(%). 4 7 . 9 3 7. 2 4 . 5 4 9. 1 9 . 7 2 9. 累積寄与率(%). 4 7 . 9 3 7. 7 2 . 4 8 6. 9 2 . 2 1 5. 自. すっきりしている、質の良い、清潔、静的、 整然とした、入りにくい. 表 一 12 成分スコア. 統一感がある、現代的、清潔、狭い、沈滞. 68. 白島パークハウス. 40. ひろしまハイピル 21. としている、すっきりしている、つまらな. 建物名. 評価率. 誘引力. 意匠性. 環境. い、刺激的ではない、単調な、静的、さみ しい、引き止められない、魅力がない、. 7 5. ホテル jALシティ広島. 1 6 9 . 8 唱. 0 . 6 6. 0 . 3 8. 1 .55. 68. 白島パークハウス. 1 4 4 . 2 弛. 0 . 8 9. 0 . 6 5. ー0 . 1 3. 40. ひろしまハイビル 2 1. 弛 1 4 2 . 8. 0 . 5 2. 1 .27. ー 1 .27. 02. 広島三井ピ、ル. 7 3 . 5 帖. ー 1 .53. 0 . 8 0. ー0 . 1 1. 08. パラッシオ東雲. 8 3 . 6 帖. 1 .06. 一 1 .47. ー0 . 7 1. 3 4. 第一生命広島第 2ビル. 7 9 . 1 %. 0 . 1 7. 0 . 0 3. 0 . 6 7. 統一感がある、調和している、清潔、狭い、 刺激的でない、引き止められない 統一感がある、狭い、媛かくない、暗い、 沈滞としている、利用しにくい、楽しくな. 02. 広島三井ビル. い、刺激的ではない、単調な、静的、さみ しい、引き止められない、魅力のない、入 りにくい. 08. パラッシオ東雲. 17. 第一生命広島第 2ピル 全体平均. 広い、明るい、開放的、すっきりしている、 公共的な、個性のない 清潔、引き止められない、入りにくい 統一感がある、刺激的ではない、清潔. 、誘引力 ( 0 . 1 7 )と環境( 0 . 6 7 )については評価が若干高いが、 中では優れている。しかし、意匠性(-l.4 7 )と環境(-0:71 ). 意匠s性(ー 0 . 0 3 )については少し低くなっている。しかし、こ. においては評価がかなり低い。広島第一生命第 2ピルは. の建物は平均的には高い評価を得られた適用事例である.
(7) 公開空地の構成要素と空間認識に関する研究. といえる。. 広島市の総合設計制度適用事例の分析. 1 0 7. 聞に深い関係はみられない。一方で、「広さ」、「統一感」に. ' J. ついては、負荷量が高しず意匠性 こ関する成分で、は、評 5 . まとめ. ①広島市における適用事例の分布状況をみると、事例の 多くが中心区で、ある中区に位置している。 1980年から 90 年代にかけて、中区を含めて南区、西区などの隣接区に も適用事例がみられるようになった。公開空地面積は取扱 要綱の規定をかなり大きく上回っていて(平均して約 4 0 0. 価率との関連がみられる。取扱要綱の要件と「意匠性」の 質問項目が一致している。取扱要綱の要件を最低条件と して守るのではなくて、余裕を持って守らせることが総合 設計制度における課題である。 制度のあり方についての考察 総合設計制度が適用された事例をみると、一般に敷地 の一部が公開空地として欠き取られることにより、建物は. n f )、面積の点(ボーダーライン)からみると、市街地のオ. 道路からセットパックし、形態的にはタワー状に細長いもの. ープンスペース整備に貢献しているといえる。. になることが多い。都市の中の適用場所によっても異なる. ②都市計画用途地域の指定容積率と適用事例における. が、すでに道路や歩道が十分に広くとられ、街並みに統. 容積率の割増し状況についてみると、都市計画で指定さ. 一感のある沿道で新たに建設されると、道路に面した正面. れた容積率と適用後における容積率はほぼ比例したもの. に広場をとり建築物を道路から大きく後退させて建てると. となっている。 7 4 事例の立地場所の平均指定容積率は. いうやり方は、街並みの連続性を破壊することにもつなが. 451%となっていて、制度適用後における平均容積率は. る。その結果、適用されて緑地が増えたとしても、その計. 502%、また、敷地面積に対する空地率の平均は約 30%. 画が、市街地環境の向上に全く貢献しない場合もあり得る。. となっている。つまり、平均して敷地の 30%を公開空地に. 一方で、街並みの連続性ということに明確な定義がなされ. することによって 50%の割増しを受けていることになって. ているわけで、はないので断言はできないが、やはり、それ. いる。. ぞれの敷地(建築主)と周辺の住民および自治体との問で. ③公関空地のとられ方として最も多い平面型はL型 (36%). コミュニケーションを図りながら進めないと、この制度がも. である。制定開始から約 30年間、定常的に造られてき. っ本来の目的が達せられないように思われる。. た。一方、評価率の平均値 (109%)をみると、さほど高くは ない。評価率の平均値が最も高い平面型は、二型(122%) である。しかし、事例数は 5件と少ない。その点、コ型の事. 6 .おわりに 本研究は、 2004年度卒業生の中道大介君との共同研. 例数は 20件 (28%)と多い。全体で最も評価率が高い事例. 究として行ったもので、あり、当方の責任において再編しとり. としてはホテル JALシテ-1(169%で、コ型)がある。. まとめを行ったもので、ある。図表の多くは中道君が作った. ④近畿大学の学生の男性を被験者とするとし、うやや偏っ. ものを、体裁を変更して利用させてもらっている。. 2のような SD法による調査結 た条件で、はあったが、表 1 ' 主J を表す成分、第 3成分としては「環境」を表す 「意匠1. 成分の 3つが抽出された。第 1成分・第 3成分と評価率の 果が得られた。人が公開空地をみた場合の印象としては、 第 1成分として、「誘引力」を表す成分、第 2成分として、. く参考文献・資料> 1)広島市、広島市総合設計制度許可取扱要綱、平成 1 3 年5 月 2 )日本建築学会著:r 建築・都市計画のための調査・分析方法」井 上書院、 1 9 8 7年.
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