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放射線治療後摘出し得たSuperior Sulcus Tumorの1例 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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放射線治療後摘出し得たSuperior sulcus tumorの1例

山梨医科大学 第2外科 伊従敬二 吉井新平 橋本良一 保坂茂 鈴木章司 福田尚司 松本春信 多田祐輔 韮崎市立病院 外科 高橋渉

はじめに

 肺尖部胸壁浸潤癌は発見時には進行 例が多く、手術適応とされる症例は比 較的少ない。また、切除例でも予後良 好とは言えないが、放射線治療等を組 み合わせた集学的治療により、良好な 成績が得られたと言う報告も見られる ようになってきた。今回、我々も肺尖 部胸壁浸潤癌の1例を経験し、一定の 治療方針にのっとり治療を行ったので 報告する。

症  例

.1ISIIImaE1iLEI, 血算 WBC 82 Xioeノμ1 R8C 430×106ノμl Plt  28t×1ge1μ1 生化学 TP  76 gtdl AST  17  1Utl 8UN 15 ㎎ノdl Ccr 48 ml/mln 腫瘍マーカー CEA 雪4ng!剛 血液ガス PH 74 呼吸柵能 VC 2880 m1 Hb 130g/dl    Ht 395%

忽:㍑1 瀦1:謡d

Cr O7 mg/d|   CRP!8 mg!dl NSE 505 ㎎!mi PaO 2925 mm旧9 %VC 902% SCC 316ng!ml PeCO2420 mmHg FEV 1%マ50% 表1.

 患者:66歳、男性.

 主 訴:左上肢、及び左肩の痔痛.  家族歴:母親が肺癌で死亡(77歳).  既往歴:46歳時より胃潰瘍の診断 で内服治療

 喫煙歴:20本/日、46年間.

 現病歴:平成6年2月頃より左上肢、 及び左肩の痙痛が出現し、近医を受診 した。鎮痛剤等の対症療法で様子を見 ていたが、症状は徐々に悪化した。6 月になり他院を受診し、胸部X線写真 で左肺尖部に異常陰影を指摘さた。当 院に紹介され、精査にて肺癌(SCC)、 T3NOMO(Stage皿A)と診断され、手 術適応と診断した。術前、放射線70 Gy照射後、9月1日手術目的で当科に 入院した。  入院時現症:左上肢から左肩におよ ぶ痙痛を認め、左上肺野で呼吸音が減

弱していた。血圧122/7◎mmHg

で左右差はなく、眼瞼下垂、縮瞳等 Homer症候郡を疑わせる所見も認めな かった。また、体表のリンパ節も触知 しなかった。  入院時検査所見(表1):血算は正 常で、生化学検査でも、CRPの軽度の 上昇を認めたが、他は正常であった。 また、Ccrは48 ml/minと低下していた。 腫瘍マーカーではSCC3.16ng/m|と上 昇していた。血液ガス、呼吸機能は正 常であった。  初診時胸部X線写真(図1):左肺 尖部に径7.8x 7.Ocmの空洞を伴った腫 瘤陰影を認めた。また、第2肋骨後部 は上方へ変位し、第2、3肋骨に骨破壊 像を認めた。

初診時X線CT所見(図2):肺尖後

部に最大径7cmの空洞を伴った占拠 性病変を認め、第1から4肋骨を含む胸 壁に浸潤していた。明らかなリンパ節 の腫大はなかった。  気管支鏡下に生検をおこない、中分 化扁平上皮癌が確認された。また、シ

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図1初診時胸部X線写真 図2初診時X線CT 図3放射線70Gy照射後の胸部)磯写真 ンチグラム、CT等の検索により遠隔転 移は認めず、T3NOMO,Stage皿Aの診 断で、初めに放射線照射を行い腫瘍の 翻、を待って手術を予定する事とした。

 初診より2ヶ月後、放射線70Gy

照射後の胸部X線写真(図3):腫瘤 陰影は明らかに縮小し径約5cmとなっ た。また、第2肋骨の変位も改善した。  同時期のX線CT所見(図4):胸部 X線像と同様で、最大径5cmと著明な 縮小を認めた。  手術所見及び方法:9月14日手術 を施行した。開胸は、右側臥位、後方 アプローチで行った。腫瘍の浸潤は、 第1から4肋骨と横突起を含む胸壁に およんでいた。また、腕神経叢のC8, Th 1にも浸潤を認めたため、これらを 含む左上葉切除を施行した。リンパ節 郭清はR2a群を行い、人工物を使用せ ず閉胸した。さらに、仰臥位に体位を 変えて鎖骨上窩の郭清をおこなった。  切除標本(図5) (図6):左肺尖

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図5切除標本  図7病理組織 部の腫瘍及び上葉と合併切除した胸壁. 図6の割面では、空洞を有した腫瘍が 胸壁に浸潤している。  病理組織検査(図7):様々な程度 の異型細胞が重層扁平上皮に類似した 層形成を示した。また、角化の像も認 め、中分化扁平上皮癌と診断した。 また、切除断端はnegativeで、リンパ 節転移も認めなかった。  術後経過:術後1ヶ月後の胸部X線 写真(図8)で胸郭の軽度の変形を来 たしたが、呼吸機能に問題は残さなかっ た。また、術前に認めた痔痛は改善し 図6切除標本(割面) たが、C8,Thl領域の運動障害を来した ため現在リハビリ中である。また、患 者は手術直前より左大腿上部の軽度腫 大を自覚していたが、術後可ヶ月後よ り著明に増大した。その時のCT像(図 9)では、大腿上部外側の筋肉内に enhanceされる腫瘤を認め、内部は low densityとなっていた。腫瘍シン チグラム(図10)では、同部に明ら かな集積を認めた。腫瘍摘除術を試み

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図10腫瘍シンチグラフィー:    左大腿上部に集積 たが、周囲への浸潤が強く不完全な摘 除となった。病理組織検査では、扁平 上皮癌が確認され、肺癌の筋組織への 転移と診断した。引きつずき、遠隔転 移の検索を再度行い、他には転移の無 い事を確認した。現在、同部に対して 放射線照射を行っている。

考  察

肺尖部胸壁浸潤癌は痙痛などの症状 が強いことから、従来より放射線治療 や姑息的な除痛手術などの対象であっ たが、近年、より根治をめざした治療 が報告されるようになってきた。術前 放射線治療を併用し11?)3)、手術経路も 工夫して積極的に手術を行ったり、胸 椎浸潤例や鎖骨下血管浸潤例でも手術 を行い外科適応を広げている例や4)sq、 他の補助的治療も積極的に行っている 報告もある1)。最近の種々の報告の中 では、術前照射後に根治術を行う方法 の成績が良いことから、本例において 我々も、術前tu 1|doseの放射線照射後、 約30日の期間をおいて根治手術を行う 方針を選択し、その結果、腫瘍の縮小 を認め腫瘍を切除し得た。この症例は、 大腿部の筋肉内転移とういう希な問題 を残しているが、今後とも肺尖部胸壁 浸潤癌に対して我々も積極的に治療を 行うことを考えていきたい。      文  献 1)Ginsberg RG et al.:lnf[uence of surgicai  resection  and  brachytherapy  in  the  management Ot superior SUIcus tumor  Ann丁horac Surg 57:1440−1445,1994 2} Fuller DB et al、: Superior sulcus tumor: Combined moda[ity. Ann Thorac Surg  57 ;1133−1139,1994 3)Sartori F et aL:Carcinoma ot the superior  pulmonary sulcus. Results of irradiation and  radical resection. JThorac Cardiovasc  Surg 104:679−683,1992 4〕丹羽宏ほか1肺尖部胸壁浸潤癌に対する  hook approach一鎖骨下動脈、椎骨動脈合  併切除例一. 日胸外会誌421972−976.1994 5}DarteveUe PGetal.:Anterior transcervicaL  thoracic apProach for radical resection ot

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Iung tumαs invading the thoracic intet.  JThorac Card iovasc Sug 105:1025−1034,  1993 6)正岡昭ほか:肺尖部胸壁浸潤癌切除例に関

する全国集計.H胸外会誌32:

 162−−173,1984

参照

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