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Title
プロビジョナル用ビスアクリル系歯冠補綴材料の物理学
的性質
Author(s)
野本, 俊太郎; 佐藤, 亨; Fan, Y; Nathanson, D
Journal
歯科学報, 117(3): 266-266
URL
http://hdl.handle.net/10130/4255
Right
目的:エナメル質初期う蝕を抑制するためにフッ化
物含有歯面研磨ペーストの使用が有効である。Sur-face pre-reacted glass ionomer(S-PRG)フィラー は6種類のイオン Al3+ ,B3+ ,F− ,Na+ ,Si4+ ,Sr2+ を中性,酸性環境下で放出する。今回,S-PRG フィ ラーを含有した試作ペーストを作製し,その脱灰抑 制能を3次元的に非破壊で観察可能なマイクロ CT を用い解析を行った。 方法:牛歯歯冠から精密低速切断機(Isomet, Bue-hler)に て3×3×2mm の エ ナ メ ル−象 牙 質 ブ ロックを切り出した。エナメル質表面は#2000の耐 水研磨紙にて研削した後,ネイルバーニッシュにて 2×2mm の処理面を規定した。ネガティブコント ロール群として脱イオン水(DW),ポジティブコ ントロール群としては NaF(メルサージュプラス) (MP,松風)を用いた。S-PRG フィラー含有ペー ストは0,5,10,30wt%のフィラーを各々含有 し,S00群,S05群,S10群,S30群 と し た。S-PRG フィラー含有ペーストとメルサージュプラスは重量 比で1:2(ペースト:脱イオン水)で希釈して用 いた。試料を1日2回,1回5分間37℃の環境下で 浸漬し,その後,処理面を脱イオン水で10秒間洗浄 し,37℃の恒温槽に保存した。この処理を4日間 行った後にマイクロ CT による撮影を行った。その 後全ての試料を酢酸水溶液(pH4.5)にて3日間脱 灰後,再びマイクロ CT にて撮影した。各群の脱灰 量について One-way ANOVA の Tukey s 検定にて 統計を行った。各スラリーの粘性について,音叉型 振動式粘度計(SV-A,エーアンドデー)を用いて 粘度測定を行った。 結果および考察:脱灰後に DW 群では最も顕著な 脱灰が認められた。S05と S30群は同じような脱灰 パターンを示し,S10群は最も低い脱灰量を示し た。粘度測定の結果,フィラー含有量が多くなるに したがって粘度が低下する傾向が認められた。粘度 低下は S05群と S10群間には有意差は認められな かったが,その他の群間では有意差が認められた (p<0.05)。以上の結果から,低い粘度である場 合はペーストがエナメル質表面に停滞せず,イオン 交換率が高まり,耐酸性を示すと考えられた。 目的:補綴治療に用いるプロビジョナル用材料は, 高い審美性と長期安定性が求められる。そのため新 世代インジェクションタイプのビスアクリル系レジ ンプロビジョナル材料は,その安定した物理学的特 性から需要が高まってきている。本実験はビスアク リル系プロビジョナル材料の物理学的特性を調査し た。
方法:4種の製品3M ESPE Protemp Plus(以下
PTP),GC Temp Smart(以下 TS),Danville Turbo Temp2(以下 TT2),Sultan Versa-Temp(以下 VT)のプロビジョナル材料について比較検討した。 計測項目は,曲げ強さ,曲げ弾性率,破壊靭性値, 圧縮強さおよび圧縮弾性率の計測と疲労試験を行っ た。曲げ強さと曲げ弾性率の計測は2.0×2.0×25 mm の試料,破壊靭性値は2.5×5.0×25mm で2.4 mm のノッチを付与した試料,圧縮強さと圧縮弾性 率は直径4.0mm 高さ6mm の試料を製作した。試 験はそれぞれ10試料で行った。疲労試験は2.0×2.0 ×12.5mm の試料を24時間37℃蒸留水中で保管後, 1Hz くり返し疲労試験(35N)を10,000回行い,破 折しなかった試料には三点曲げ試験を行った。すべ ての試験は ISO4049に準拠し万能試験機(Instron 5566A)にて行った。結果はOne-way ANOVA post-hoc Tukey HST(JMP Pro 11.0)を用い統計解析 した。 結果:曲げ強さは TS>VT>PTP>TT2の順に高 値であった。曲げ弾性率は TS と VT が PTP,TT 2よりも有意に高値を示した。破壊靭性値は TS> VT>PTP>TT2の順に高値であった。圧縮強さは PTP>TS>VT>TT2の順であった。圧縮弾性率 は TS と VT が有意に高い値を示した。疲労試験に より TT2で1試料,TS で9試料がくり返し試験 で破折しなかった。PTP と VT の全試料がくり返 し試験で破折しなかった。 考察:ビスアクリル系プロビジョナル材料は従来型 常温重合レジンと比較し,全体的に優れた物理学的 性質を示していた。4種の製品では TT2が疲労試 験において最小値であった。VT と TS は最も高い 圧縮弾性率と疲労試験に対する高い抵抗性が見られ た。PTP と TS は高い圧縮強さを示した。TS は, PTP や TT2と比較し高い物理学的特性を示した。
№22:S-PRG フィラー含有ペーストのエナメル質脱灰抑制効果
中村圭喜,半場秀典,石塚久子,村松 敬(東歯大・修復)№23:プロビジョナル用ビスアクリル系歯冠補綴材料の物理学的性質
野本俊太郎1)2) ,佐藤 亨1) ,Yuwei Fan2) ,Dan Nathanson2) (東歯大・クラウンブリッジ補綴)1)(Boston University・Department of Restorative Sciences and Biomaterials)2)
学 会 講 演 抄 録 266