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IRUCAA@TDC : 第282回東京歯科大学学会インプラントシンポジウム : 提示症例1 欠損歯列としてのリスクとインプラントの役割

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Academic year: 2021

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(1)Title. Author(s) Journal URL. 第282回東京歯科大学学会インプラントシンポジウム : 提示症例1 欠損歯列としてのリスクとインプラントの 役割 椎貝, 達夫 歯科学報, 107(4): 404-407 http://hdl.handle.net/10130/108. Right. Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/.

(2) 4 0 4. インプラントシンポジウム. 提示症例1:. 欠損歯列としてのリスクとインプラントの役割. 提示者 椎貝達夫 (東京都開業,東京歯科大学臨床教授). インプラント治療は,咬合の安定・機能回復・審. ない症例の場合,骨吸収・支台歯への影響は通常よ. 美性の回復の役割を担うものとして日本では2 0年間. りも大きくなり,口腔内の変化は著しくなる。ま. 応用されてきている。しかし,その予知性を確実な. た,悪習癖のある患者にインプラントを応用した場. ものにすることは,現在の歯科医療のなかでも,困. 合,治療が終了し, メインテナンス期になっても, イ. 難なものに分類されるであろう。また,従来の補綴. ンプラント上部構造の破損・残存歯の移動・対合歯の. 治療(ブリッジや RPD) で容易な症例はインプラン. 咬耗や破折などのリスク(図5) が生じる可能性が考. ト治療も容易であり,さらに,インプラント治療を. えられる。. 選択することのメリットは大きいと感じる。しか. 歯槽骨吸収の全身的な因子としては,骨代謝を障. し,歯牙を喪失することで,その歯牙を支えている. 害する全身疾患(甲状腺機能亢進・低下症,腎不全. 歯槽骨が吸収してしまうと,インプラント治療は,. におけるカルシウム骨代謝異常,ステロイド服用,. 難易度が非常に高くなり,予知性も不確実なものと. 副腎機能低下,骨粗鬆症など) が考えられる。これ. なってしまう。. らの疾患を持つ症例の場合,急速な骨吸収が予期せ. 症例の難易度を決めるものとして,欠損歯列の形. ず生じるだけでなく,インプラント埋入後の治癒も. 態・欠損部の骨形態・対向関係・残存歯の状態・悪. 大きく左右する可能性がある。また,メインテナン. 習癖(ブラキシズム) が考えられる。特に,骨吸収が. ス期においても,全身疾患の症状によってはインプ. 著しい症例は,顎骨の吸収の特徴から,上下顎の不. ラントのオッセオインテグレーションが喪失する場. 調和の程度が著しくなる傾向がある(図1) 。これ. 合も考えられる(図6) 。. は,インプラント埋入手術自体が難しいだけでな. しかし,これらの因子がないにも関わらず,急速. く,上部構造やメインテナンスの難易度もあげてし. に歯槽骨が吸収する症例(図7) もみられ,未だ解明. まう。. されていない因子の存在も考えられ,今後の研究が. 歯槽骨の吸収を左右する局所的な因子として,咬. インプラント治療の鍵を握るかもしれない(現在,. 合支持数があげられる。咬合支持数が少ない,すれ. 東京歯科大学千葉病院口腔インプラント科および臨. 違い咬合(図2) ・片顎無歯顎のシングルデンチャー. 床検査学教室の共同で骨代謝関連検査の研究がなさ. (図3) ・長い遊離端欠損(図4) などは,咬合力の不. れている) 。. 均衡が生じやすく,欠損部歯槽骨や支台歯への影響. 症例の難易度を下げ,安全かつ予知性の高いイン. が考えられ,口腔内の変化は著しく,大きな歯槽骨. プラント治療を行うためのリスク回避法として,. の吸収を生じる場合がある。また,このような咬合. 様々な骨造成法や残存歯の抜歯を含めた処置が考え. 関係の場合,これらの変化は,補綴物の装着期間が. られる。しかし,骨造成法は,その処置自体の難易. 長くなるほど大きくなる傾向がある。さらに,悪習. 度が高く, また, 患者へのリスクも高くしてしまう。. 癖もこの変化の増強因子となりうる。悪習癖のブラ. つまり,歯槽骨の吸収を最小にし,歯槽骨をできる. キシズムは, 動物のストレス解消法(異常でない, 生. 限り保存し,インプラント治療に移行することが症. 理的なもの) の一つであるといわれているが,この. 例の難易度を下げることにつながるのではないだろ. 咬合力は非常に大きい。そのため,咬合支持数の少. うか。. ― 30 ―.

(3) 歯科学報. 図1. Vol.1 0 7,No.4(2 0 0 7). 歯槽骨吸収には,特徴がある。特に上顎前歯部では,唇側の骨が吸収してしまう。吸収が著しいと,図の下の 症例のように歯肉と一体となった上部構造となり,メインテナンスが難しくなる。. ― 31 ―. 4 0 5.

(4) 4 0 6. 図2. インプラントシンポジウム. 遊離端欠損から,すれ違い咬合になった症例。欠損 部(特に下顎) の歯槽骨吸収が著しい。 図3. 図4. 片顎無歯顎の症例。上顎の歯槽骨吸収が著しい。. 遊離端欠損症例。遊離端義歯が装着されていた右側 下顎臼歯部の骨吸収が著しい。. ― 32 ―.

(5) 歯科学報. 図5. Vol.1 0 7,No.4(2 0 0 7). 悪習癖のある症例。上の症例では,インプラント上部構造の破損が,下の症例では,対合歯の咬耗がみられる。. 図7. 図6. 4 0 7. 甲状腺機能低下症の患者。残存歯に歯周病が見られ ないのにも関わらず,欠損部の歯槽骨吸収が著しい。. ― 33 ―. 歯槽骨吸収の著しい症例。全身疾患等見られないの にも関わらず,著しい歯槽骨吸収がみられる。.

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