Title
組踊「久良葉大主」(大湾敵討)について
Author(s)
當間, 一郎
Citation
史料編集室紀要(18): 21-70
Issue Date
1993-03-30
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/7375
Rights
沖縄県立図書館史料編集室
〈 史 料 紹 介 〉
組
踊
「
久
良
葉
大
主
」
(
大
湾
敵
討
)
に
つ
い
て
當
間
一
郎
組 踊 「久 良 葉 大 主」 (大 湾 敵 討) に つ い て (當 問) こ の 組 踊 は 、 現 在 、 那 覇 市 字 安 次 嶺 ( 旧 小 禄 村 字 安 次 嶺 ) で 演 じ ら れ て お り 、 二 時 間 を こ す 長 編 の 作 品 で あ る 。 安 次 嶺 で は 、 戦 前 は 、 最 近 開 放 さ れ た 旧 お 嶽 内 の 遊 び 毛 で 、 村 の 青 年 た ち の 要 請 に よ り 、 数 年 お き く ら い に 上 演 さ れ て い る 。 村 踊 り に は 組 踊 座 、 端 踊 座 、 狂 言 座 の 三 座 が あ り 、 稽 古 は 各 座 で な さ れ た と い う 。 昔 は 、 出 演 で き る こ と を 無 上 の 喜 び と し 、 名 誉 あ る こ と と し て 、 割 あ て ら れ た 踊 り や 組 踊 の 各 役 に 全 身 全 霊 を 打 ち こ ん で 、 舞 台 を つ と め た と い わ れ て い る 。 戦 後 、 安 次 嶺 に お い て 、 こ の 組 踊 が 公 の 舞 台 で 上 演 さ れ た の は 、 昭 和 二 十 三 、 四 年 頃 、 当 時 の 高 良 小 中 学 校 の 運 動 場 ( 現 在 は 住 宅 地 域 に な っ て い る ) に バ ン ク ( 仮 説 舞 台 ) を 設 け て 、 多 く の 踊 り や 狂 言 と と も に 上 演 さ れ た 。 ド ラ ム カ ン 九 個 を 正 方 形 に お き 、 そ の 上 に 舞 台 に あ た る 板 を 組 み 屋 根 を の せ て の バ ン ク で あ っ た 。 客 席 は 露 天 で 、 見 る の も 思 い 思 い に す わ っ て の 一 晩 で あ っ た と 記 憶 し て い る 。 そ の 後 は 、 村 人 を 対 象 に 公 民 館 で や っ て い る が 、 画 期 的 な 上 演 は 、 昭 和 四 十 一 年 四 月 二 十 三 日 ( 土 )、 四 月 二 十 四 日 ( 日 ) の 両 日 、 琉 球 新 報 ホ ー ル で 一 般 市 民 を 対 象 に 催 し た こ と で あ る 。 次 は 、 二 十 五 年 ぶ り に 平 成 二 年 三 月 十 八 日 ( 日 ) に 、 那 覇 市 小 禄 南 公 民 館 ホ … ル で 、 市 民 を 対 象 に 上 演 し た 。 こ の 時 は 、 全 配 役 と も す べ て 若 返 り 、 二 一 21 一十 代 か ら 四 十 代 ま で の 者 が つ と め た 。 二 十 五 年 前 に つ と め た 各 役 が 一 、 二 を の ぞ い て お 元 気 で あ る の で 、 技 の 徹 底 指 導 が な さ れ て の 本 格 的 な 上 演 で あ っ た 。 次 は 、 三 年 ぶ り に 平 成 五 年 三 月 二 十 八 日 ( 日 ) に 、 沖 縄 県 ・ 那 覇 市 教 育 委 員 会 ・. 安 次 嶺 自 治 会 の 共 催 で 、 県 立 郷 土 劇 場 で 上 演 す る 。 プ ロ グ ラ ム は 、 次 の 通 り で あ る 。 ① 長 者 の 大 主 、 ② か ぎ や で 風 ( 若 衆 )、 ③ こ て い 節 ( 女 踊 り ) 、 ④ 揚 作 田 〈 ゼ イ 〉 ( 二 才 ) 、 ⑤ す ー り あ が り 節 ( 二 才 ) 、 ⑥ 高 離 節 ‘ ( 若 衆 ) 、 ⑦ 月 見 ( 二 才 ) 、 ⑧ 貫 花 ( 女 踊 り ) 、 ⑨ 伊 集 の 木 〈 扇 〉 ( 二 才 ) 、 ⑩ エ サ 節 ( 二 才 ) 、 ⑪ 揚 ロ 説 ( 若 衆 )、 ⑫ 揚 作 田 〈 笠 〉 ( 二 才 ) 、 ⑬ は ん た 前 節 ( 女 踊 り )、 ⑭ 湊 く り ・ 節 ( 二 才 ) 、 ⑮ 山 節 ( 二 才 ) 、 ⑯ 伊 集 の 木 〈 ゼ イ 〉 ( 二 才 ) 、 ⑰ し ゆ ん ど う ( 打 組 踊 り ) 、 ⑱ 八 人 踊 り ( 若 衆 ・ 二 才 ) 、 ⑲ 組 踊 「 久 良 葉 大 主 」 伊 波 普 猷 著 『 校 註 琉 球 戯 曲 集 』 ( 昭 和 四 年 、 春 陽 堂 発 行 ) の 「 凡 例 」 の 末 尾 に は コ 本 集 に 収 め た 十 一 篇 の 組 踊 の 外 に 、 巡 見 の 官 、 義 臣 物 語 、 二 山 和 睦 、 久 志 の 若 按 司 、 姉 妹 敵 討 、 本 部 大 主 、 本 部 大 腹 、 束 辺 名 夜 討 、 高 山 敵 討 、 忠 臣 反 間 の 巻 、 護 佐 〔 丸 〕 忠 義 伝 、 矢 倉 の 比 屋 、 雪 払 、 南 山 崩 、 北 山 崩 、 孝 女 布 晒 、 多 田 名 大 主 、 辺 土 の 大 主 、 孝 感 の 巻 、 善 根 の 巻 、 患 孝 夫 婦 忠 義 、 蔵 波 大 主 、 患 孝 鏡 、 忠 臣 探 義 行 、 宜 野 湾 敵 討 、 花 城 金 松 、 露 梅 の 縁 、 具 志 川 大 軍 の 巻 、 孝 感 夏 雨 の 巻 、 夫 婦 縁 組 の 巻 、 婿 入 敵 討 、 善 行 の 巻 、 貞 女 の 巻 、 義 臣 夜 討 、 北 山 合 戦 、 伏 山 敵 討 、 知 軍 の 縁 、 高 野 大 主 、 賢 母 三 遷 の 巻 等 が あ る が 、 こ れ ら は 他 日 第 二 輯 と し て 、 上 梓 す る 機 会 が あ ら う 。 」 と 現 存 す る 組 踊 名 を あ げ 、 そ の 中 に 「 蔵 波 大 主 し が 明 記 さ れ て い る 。 安 次 嶺 の 組 踊 は 、 戦 後 間 も な い 昭 和 二 十 二 年 ( 一 九 四 七 年 ) 二 月 十 五 日 に ま と め ら れ て い る 。 戦 前 ま で 、 完 全 な 組 踊 帳 が あ っ た が 、 去 る 大 戦 で な く な っ た の で 、 各 役 が あ つ ま っ て 完 成 さ せ た と い う 。 そ の 台 本 に は 、 「 久 良 葉 大 主 」 と あ る 。 こ の 「 久 良 葉 大 主 」 と ほ ぼ 同 じ 内 容 の 組 踊 が 、 竹 富 町 竹 富 の 喜 宝 院 所 蔵 の 『 護 得 久 本 組 踊 集 』 に は 「 大 湾 敵 討 」 と あ る 。 伊 波 氏 の 『 校 註 琉 球 戯 曲 集 』 の 組 踊 名 を 使 い た い が 、 こ の タ イ ト ル で の 写 本 や 活 字 本 が 現 存 し な い の で 、 安 富 嶺 の 「 久 良 葉 大 主 し を 使 っ て 、 竹 富 の 喜 宝 院 所 蔵 の 写 本 と 比 較 し て い く こ と に し た い 。 一 22 一
組 踊 「久 良 葉 大 主」 (大 湾 敵 討) に つ い て (當 間) 何 時 頃 、 こ の 組 踊 が 安 次 嶺 に 伝 わ っ た の か 定 か で な い 。 ど こ か ら 伝 わ っ た か に つ い て は 、 一 、 二 の 伝 承 が あ る 。 一 つ は 、 中 城 村 字 熱 田 ( 現 北 中 城 村 ) か ら だ と い う が 、 御 当 地 熱 田 で 聞 い て も 明 ら か で な い 。 一 つ は 、 旧 小 禄 村 字 小 禄 ( 現 那 覇 市 字 小 禄 ) か ら と も き い て い る が 、 伝 承 の 域 を 出 な い 。 し た が っ て 創 作 年 代 ・ 作 者 も 不 明 で あ り 、 歴 史 的 に も 伝 播 の 経 路 と も 何 一 つ わ か っ て い な い 。 し か し 、 安 次 嶺 で は 古 く か ら 上 演 さ れ て い る し 、 昭 和 五 十 八 年 頃 に 知 っ た こ と だ が 、 伊 江 村 西 江 前 に は 、 六 十 年 ほ ど 前 ま で は あ っ た が 、 そ の 後 絶 え て い る の で 、 安 次 嶺 の 上 演 台 本 を も と に 、 安 次 嶺 の 指 導 者 當 間 三 郎 ・ 當 間 亀 吉 両 氏 に 筆 者 の 三 人 が 、 那 覇 市 泊 に あ る 伊 江 村 農 協 会 館 に 呼 ば れ て 、 夜 遅 く ま で 読 み あ わ せ と 各 場 面 を お さ え な が ら の 話 し あ い が も た れ た 。 そ し て 昭 和 六 十 年 十 一 月 七 日 に 、 伊 江 村 主 催 で 実 に 五 十 八 年 ぶ り の 上 演 と な っ た の で あ る 。 安 次 嶺 の 台 本 を も と に し て 、 西 江 前 の 方 々 が 検 討 を 重 ね て 、 新 た に 台 本 を 作 成 さ た せ た の で あ る 。 こ れ で 組 踊 「 久 良 葉 大 主 」 系 が 二 種 と 、 「 大 湾 敵 討 し が 一 種 の 三 通 り の 台 本 が 現 存 す る こ と に な っ た の で あ る 。 安 次 嶺 の 上 演 台 本 は 戦 後 の も の で あ る の で 、 戦 前 と 比 較 す れ ば 多 少 の 出 入 り が あ る か も 知 れ な い 。 曲 や 歌 も 戦 前 か ら 歌 三 線 を つ と め た 長 老 た ち が 、 台 詞 に 入 れ て い っ て い る の で あ る 。 昭 和 二 十 二 年 ( 一 九 四 七 ) の 年 代 が 、 組 踊 帳 の 表 紙 に 書 か れ て い る の で 、 そ れ 以 後 、 今 日 ま で ず っ と そ の 台 本 を も と に 、 稽 古 を し て 舞 台 に か け て き て い る 。 一 方 、 竹 富 の 喜 宝 院 所 蔵 の 、 「 護 得 久 本 組 踊 集 」 に つ い て は 、 沖 縄 県 教 育 委 員 会 発 行 の 沖 縄 県 文 化 財 調 査 報 告 書 第 八 十 二 号 『 沖 縄 の 組 踊 ( H ) 1 無 形 民 俗 文 化 財 記 録 作 成 ー ( 昭 和 六 十 二 年 三 月 ) の 「 解 説 」 ( 池 宮 正 治 ) に 、 次 の よ う に 書 か れ て い る 。 「 大 湾 敵 討 」 は 、 竹 富 町 の 喜 宝 院 所 蔵 の 護 得 久 本 組 踊 集 に 収 め ら た も の で 、 こ れ ま で 写 本 ・ 活 字 本 を 問 わ ず 、 全 く 知 ら れ て い な か っ た も の で あ る 。 そ の 意 味 で 珍 し い も の で あ る が 、 こ れ は 伊 波 戯 曲 集 の 凡 例 に あ る 「 蔵 波 大 主 と 同 じ で 、 さ ら に 一 九 六 六 年 四 月 那 覇 市 小 禄 安 次 嶺 地 区 の 人 た ち に よ っ て 、 琉 球 新 報 ホ ー ル で 上 演 さ れ た 「 久 良 葉 大 主 」 と も 同 じ 組 踊 で あ る 。 そ の 時 の パ ン フ レ ッ ト に 載 せ ら れ た 台 本 と 比 較 す る と 、 相 当 一一 23 一
の 出 入 り は あ る も の の 、 大 筋 同 じ で あ る が 、 間 の 者 詞 安 川 ・ 安 元 詞 お よ び 夜 廻 詞 が 「 大 湾 敵 討 」 に な い 。 こ の 文 章 の 中 で 、 組 踊 名 は 別 と し て 、 内 容 の 上 で 異 な る の は 、 「 写 本 ・ 活 字 を 問 わ ず 、 全 く 知 ら れ て な か っ た 」 で 、 す で に 「 久 良 葉 大 主 」 は 昭 和 四 十 年 九 月 三 十 日 付 で 、 昔 里 の 三 ツ 星 印 刷 か ら 出 版 さ れ た 『 琉 球 古 典 芸 能 組 踊 集 』 に 収 録 さ れ て い る か ら で あ る 。 そ の こ と は 「 池 宮 氏 が と り あ げ て い る 昭 和 四 十 一 年 四 月 に 、 琉 球 新 報 ホ ー ル で 上 演 さ れ た 「 久 良 葉 大 主 」 の パ ン フ レ ッ ト の 、 自 治 会 長 の あ い さ つ 文 に 「 こ れ ま で は 区 民 だ け で 観 劇 し て き ま し た が 、 今 度 、 公 開 に ふ み き っ た の で ご ざ い ま す 。 そ の 一 つ の き っ か け は 、 当 間 一 郎 君 が 、 台 本 を 首 里 の 三 ツ 星 印 刷 か ら 発 行 さ れ た 『 組 踊 全 集 』 の 中 に お さ め て 公 に し ま し た の で 、 演 技 の 方 も 思 い き っ て 公 に す る 運 び に な っ た の で ご ざ い ま す 。 」 と あ る の が 、 証 明 し て い る と い え よ う 。 「 久 良 葉 大 主 」 と 「 大 湾 敵 討 」 を 比 較 す る と 、 「 相 当 の 出 入 り は あ る も の の 、 大 筋 同 じ で あ る が 」 は 、 そ の 通 り と い っ て ま ち が い な い 。 こ の こ と に つ い て は 、 最 後 に 両 者 の 比 較 を し て み た い 。 話 の 展 開 に つ い て も 、 ほ と ん ど 同 じ と い っ て よ い 。 伊 波 普 猷 著 『 校 註 琉 球 戯 曲 集 』 に 「 蔵 波 大 主 」 と あ り 、 『 護 得 久 本 組 踊 集 』 に 「 大 湾 敵 討 し と あ る の で 、 以 前 に は き っ と 上 演 さ れ た に ち が い な い 。 「 蔵 波 大 主 」 は 、 安 次 嶺 の 「 久 良 葉 大 主 」 と 同 じ 題 名 の つ け 方 ( 安 次 嶺 の 「 久 良 葉 」 は あ て 字 で あ ろ う ) で 、 大 湾 の 按 司 を 闇 討 ち に し た 蔵 波 大 主 ( 久 良 葉 大 主 ) を 組 踊 名 に し 、 「 大 湾 敵 討 し は 、 蔵 波 大 主 ( 久 良 葉 大 主 ) に 討 た れ た 安 田 大 主 の 主 君 の 大 湾 の 按 司 の 名 前 を と り 、 そ の 後 に 敵 討 を つ け た 題 名 に な っ て い る 。 こ の 命 名 の し か た は 、 「 大 川 敵 討 」 ( 谷 葉 の 按 司 に 討 た れ た 大 川 の 按 司 の 名 を つ け 、 そ れ に 敵 討 を つ け て い る ) 、 「 護 佐 丸 敵 討 し 「 高 山 敵 討 」 「 糸 納 敵 討 」 「 北 山 敵 討 」 等 の 命 名 法 と 同 じ で あ る 。 「 久 良 葉 大 主 し と 「 大 湾 敵 討 」 の 登 場 人 物 を 見 て み る 。
久
良
葉
大
主
大
湾
敵
討
久 良 葉 大 主 ( 大 湾 の 按 司 を ふ い 討 ち に し 、 若 按 司 を 捕 え て い る 。 ) 蔵 波 大 王 ( 大 湾 を 殺 し 、 若 按 司 を 捕 え 、 牢 舎 込 め し て い る 。 ) 一 24 一組 踊 「久 良 葉 大 主 」 (大 湾 敵 討) に つ い て (當 問〉 塩 屋 の 大 役 ( 久 良 葉 大 主 の 臣 下 。 ) 伊 祖 の 比 屋 ( 久 良 葉 の 婿 。 安 田 大 主 の 実 子 。 ) 伊 祖 の 比 屋 使 ( 間 の 者 。 伊 祖 の 比 屋 の 使 と し て 、 安 田 ・ 里 村 の も と へ 行 く 。 ) 夜 廻 り ( 久 良 葉 大 主 の 臣 下 の 玉 井 。 ) 安 田 大 主 ( 大 湾 の 按 司 の 頭 役 。 若 按 司 を 立 て て 、 久 良 葉 大 主 を 討 つ 。 ) 里 村 ( 安 田 大 主 の 次 男 。 父 と 力 を あ わ せ て 、 主 君 の 仇 を 討 つ 。 ) 伊 佐 良 下 こ お り ( 大 湾 の 按 司 の 臣 下 。 を な ぢ ゃ ら に め ぐ り あ い 、 住 い に 案 内 し 塩 屋 の 大 屋 子 ( 蔵 波 大 主 の 臣 下 。 ) 伊 豆 の 比 屋 ( 蔵 波 の 婿 。 安 田 の 子 の 実 子 。 ) ( な し ) ( な し ) 安 田 の 子 ( 大 湾 の 按 司 の 頭 役 。 若 按 司 を 立 て て 、 主 君 の 仇 久 良 波 を 討 つ 。 ) 里 村 ( 安 田 の 子 の 次 男 。 父 と 協 力 し て 、 主 君 の 仇 を 討 つ 。 ) 石 原 下 庫 理 ( 大 湾 の 按 司 の 臣 下 。 を な ぢ や ら を 助 け 、 住 い に 案 内 し 看 病 す る 。 ) て 看 病 す る 。 ) を な ぢ ゃ ら ( 大 湾 の 按 司 の 正 室 。 逃 げ の び る 途 中 で 伊 佐 良 下 こ お り に 助 け ら れ る が 、 薬 石 効 な く 死 む 。 ) 乙 樽 ( 里 村 の 妻 。 鶴 松 の 母 。 ) 若 按 司 ( 大 湾 の 按 司 の 嫡 子 。 久 良 葉 大 主 に 捕 え ら れ て い た が 、 鶴 松 が 身 替 り に な り 、 ゆ る さ れ る 。 ) 鶴 松 ( 里 村 ・ 乙 樽 の 嫡 子 。 若 按 司 の 身 替 り に な る 。 ) 安 川 ( 大 湾 の 按 司 の 臣 下 。 安 田 大 主 。 里 村 の も と へ 急 ぐ 。 ) 安 元 ( 大 湾 の 按 司 の 臣 下 。 を な ぢ や ら ( 大 湾 の 按 司 の 正 室 。 に げ の び る 途 申 、 石 原 に 助 け ら れ る が 、 介 抱 の か い な く 亡 く な る 。 ) 乙 つ る ( 里 村 の 妻 。 つ る 松 の 母 。 ) 若 按 司 ( 虎 千 代 。 大 湾 の 按 司 の 嫡 子 。 捕 え ら れ て い た が 、 つ る 松 が 身 替 り に な り 、 助 け ら れ る 。 つ る 松 ( 里 村 と 乙 つ る の 嫡 子 。 若 按 司 の 身 替 り に な る 。 ) ( な し ) ( な し ) 一 25 一
こ の 配 役 一 覧 を 見 る と 、 前 述 池 宮 氏 の 「 解 説 」 に あ る と お り 、 「 大 湾 敵 討 」 で は 、 蔵 波 大 主 側 が 伊 祖 の 比 屋 使 、 夜 廻 り の 役 が な く 、 安 田 大 主 側 で は 安 川 ・ 安 元 の 二 人 が 出 て な い 。 二 、 三 の 登 場 人 物 の 出 入 り は 、 他 の 組 踊 に も あ る こ と だ か ら 、 特 に 台 本 が 別 系 統 の も の と い う こ と は な い で あ ろ う 。 「 久 良 葉 大 主 」 の 「 伊 祖 の 比 屋 使 」 と い う の は 、 マ ル ム ン ( 問 の 者 ) の こ と で あ る の で 、 上 演 す る に あ た っ て 、 挿 入 さ れ た 可 能 性 は 強 い 。 「 手 水 の 縁 」 の マ ル ム ン 、 「 久 志 の 若 按 司 」 の マ ル ム ン 等 も 、 地 域 に よ り 挿 入 が あ っ て 、 そ れ が 上 演 を く り か え し な が ら 、 今 日 ま で 継 承 さ れ て い る の で あ る 。 「 夜 廻 り 」 は 、 久 良 葉 大 主 の 城 中 を 見 廻 る 役 で 柏 子 木 を 手 に 舞 台 を 一 巡 し な が ら 、 す べ て の 詰 所 へ 用 心 を 呼 び か け る と い う 、 こ の 組 踊 中 、 お も し ろ い 場 面 を 見 せ て く れ る 。 ま た 、 こ の 夜 廻 り の 出 を 手 が か り と し て 、 安 田 勢 が 攻 め 込 む と い う 起 点 に な っ て い る の も 、 展 開 と し て 大 い に 功 を 奏 し て い る と い え よ う 。 一 方 、 安 田 側 で は 、 「 安 川 ・ 安 元 」 が 、 「 久 良 葉 大 主 し に は い っ て い る の も 、 「 大 湾 敵 討 」 に な い 場 面 と い え よ う 。 こ の 二 人 は 、 大 湾 の 按 司 の 臣 下 と い う 形 で 登 場 し て 、 主 君 の 仇 討 ち の た め に 、 安 田 ・ 里 村 の も と に か け つ け る と い う 設 定 に な っ て い る 。 安 川 ・ 安 元 の 名 乗 り が あ り 、 明 日 は 仇 討 ち の 日 と 聞 い て 、 二 人 し て 出 立 す る の だ と い う 、 力 強 い 台 詞 が あ る 。 次 に 口 説 に な り 、 二 人 の 道 行 の 踊 り に な る 。 こ の 両 人 は 、 上 演 さ れ る に 際 し て 挿 入 さ れ た の か 、 そ れ と も 伊 波 普 猷 著 『 校 註 琉 球 戯 曲 集 』 に 組 踊 名 の み 記 さ れ て い る 「 蔵 波 大 主 」 に は 最 初 か ら は い っ て い た の か 、 そ の 台 本 が 現 存 し な い の で 、 何 と も い え ぬ 。 こ の 二 人 の 踊 り は 、 安 次 嶺 で は 、 特 出 し て 踊 ら れ る 場 合 が 多 く 、 た い へ ん 重 ん ぜ ら れ て い る 役 柄 で あ る 。 ま た 、 場 面 の 展 開 と し て も こ の 二 人 の 出 を き っ か け に 、 仇 討 ち へ の 機 運 が 高 ま る と し て 、 役 の 重 さ と 台 詞 、 踊 り に 特 に 力 を 入 れ て 受 け つ が れ て き て い る 。 こ の 二 人 が 出 て 急 転 直 下 、 状 況 が か わ る の で あ る 。 一 26 一
組 踊 r久 良 葉 大 主」 (大 湾 敵 討) に つ い て (當 問) 安 川 ・ 安 元 の 台 詞 と 道 行 口 説 は 、 次 の 通 り で あ る 。 万 歳 口 説 ( 出 羽 ) こ れ ど 安 川 安 元 明 日 が 吉 か る 日 に 敵 よ 討 ち み せ ん て や り 御 ふ れ え の 次 第 細 々 に 拝 で 御 腰 立 ち 知 ら ん て や り 顔 や 編 笠 に 隠 ち 打 立 ち ゆ ん ( 歌 ) 君 の か た き よ う た ん て や り 編 笠 深 く 顔 か く ち い そ や く と 立 出 ぢ て し ば し や す ら い 真 南 風 見 れ ば 故 郷 ぬ 名 残 り や な を 勝 さ て 袖 と 袖 と に 露 な み だ 泊 高 橋 打 渡 て 天 久 お 嶽 に 参 拝 し み が わ く 心 や 我 が か た ち 討 た ん て や り 願 立 て て 那 覇 の 港 よ 見 渡 せ ば 出 舟 入 舟 数 知 ら ん さ て も な が め て お も し ろ や 急 ぎ 急 ぎ 早 急 ぎ 城 間 牧 港 後 見 な ち 北 谷 長 浜 歩 み 行 く い そ の 千 鳥 も 友 呼 び は 波 も ち し ち も あ は れ 鳴 く 野 国 野 里
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う ふ が み 城 元 御 風 水 御 囲 い さ て み ぐ て エ イ ヤ 今 ど 安 田 の 御 城 元 心 い さ め て 忍 で ち や る こ の 両 人 の 人 物 設 定 は 、 敵 討 物 の 展 開 と し て は 、 当 を 得 て お り 、 見 る 側 の 心 を ふ る い た た せ る も の を も っ て い る 。 こ の 二 人 の 登 場 、 台 詞 、 口 説 は 、 た い へ ん 効 果 的 で あ り 、 重 要 な 登 場 人 物 と い え よ う 。 七 五 調 の 口 説 も 、 泊 高 橋 、 天 久 お 嶽 、 那 覇 港 、 城 間 牧 港 、 北 谷 長 浜 、 野 国 野 里 、 比 謝 橋 と 、 那 覇 か ら 北 上 し て 読 谷 山 間 切 ま で の 道 程 を 巧 み に 織 り 込 み 、 美 し く ま と め て い る 。 こ の 歌 な ど は 、 安 次 嶺 の 長 老 た ち が 挿 入 し た も の と は 、 ま っ た く 考 え ら れ な い 。 や は り 、 も と 本 の 中 に 、 こ の 歌 詞 の ま ま で は い っ て い た と 見 た 方 が よ い の で は な い か と 考 え る 。 組 踊 「 久 良 葉 大 主 」 の 見 ど こ ろ 、 聞 き ど こ ろ は 、 安 田 大 主 、 里 村 の 父 子 と 伊 祖 の 比 屋 の 、 三 者 の 台 詞 で あ ろ う 。 伊 祖 の 比 屋 は 、 幼 な い 頃 に 久 良 葉 大 主 が 安 田 大 主 か ら 、 も ら い 受 け た 男 子 で 、 里 村 と は 兄 弟 で あ る 。 し た が っ て 主 君 の 人 間 関 係 か ら 、 現 在 は 最 悪 の 間 柄 に あ る が 、 父 と 子 の 絆 は 強 く 、 安 田 と 里 村 の こ と を 重 く み て 、 久 良 葉 へ う そ の 報 告 を し 、 里 村 の 一 子 鶴 … 松 を 、 若 按 司 の 身 替 り に た て て 、 若 按 司 を 自 由 な 身 に す る 。 伊 祖 は 、 舅 の 久 良 葉 か ら は 実 の 父 と 兄 弟 を ゆ る す か ら 、 自 分 に 従 う よ う に 説 一 27 一得 し て 来 る よ う に い わ れ る 。 伊 祖 は 、 そ の 言 葉 を も っ て 安 田 ・ 里 村 の も と へ 行 き 伝 え る が 、 二 人 は 「 主 人 を 二 人 も つ こ と は で き ぬ 」 と こ と わ る 。 両 方 の 中 に あ っ て 心 労 す る 伊 祖 の 比 屋 の 、 台 詞 の や り と り 、 そ の 間 の 動 き は 、 こ の 組 踊 の 最 も 中 心 に な る 個 所 と い え よ う 。 最 後 に あ ら す じ を 記 し て お く 。 大 湾 の 按 司 は 、 悪 欲 な 久 良 葉 大 主 の た め に 殺 さ れ 、 若 按 司 の 虎 千 代 は 捕 え ら れ 、 牢 に 入 れ ら れ る 。 大 湾 の 按 司 の 頭 役 で あ っ た 安 田 大 主 は 、 息 子 の 虎 松 が 五 歳 頃 に 、 久 良 葉 大 主 に こ と ば 巧 み に だ ま さ れ て く れ て し ま う 。 そ の 後 し ば ら く は 、 手 紙 の や り と り で 消 息 を た し か め あ っ て い た が 、 主 君 の 大 湾 の 按 司 と 久 良 葉 大 主 と の 仲 が 悪 く な っ た の で 、 主 君 の 大 湾 の 按 司 と 久 良 葉 大 主 と の 仲 が 悪 く な っ た の で 、 こ れ ま で 続 い て い た 手 紙 の 交 換 も と め ら れ 、 消 息 を 絶 つ 。 そ れ か ら 約 二 十 年 の 月 日 が 流 れ て 、 互 い に 顔 も 忘 れ て し ま う 。 風 の 便 り に 、 虎 松 は 、 今 で は 伊 祖 の 比 屋 と 名 乗 り 、 久 良 葉 大 主 の 婿 に な っ て い る と い う 。 安 田 大 主 は 、 わ が 子 の 里 村 と 二 人 で 隠 れ 家 に こ も り 、 主 君 の 仇 久 良 葉 を 討 つ べ く 好 機 を ね ら っ て い る 。 大 湾 の 按 司 の を な ぢ や ら ( 正 室 ) は 、 久 良 葉 の 手 か ら の が れ て 山 野 を さ ま よ い 、 力 尽 き て い る と こ ろ を 、 旧 臣 の 伊 佐 良 下 こ お り に よ っ て 助 け ら れ 介 抱 さ れ る が 、 そ の 甲 斐 も な く 、 息 を 引 き と る 。 久 良 葉 大 主 は 、 わ が 天 下 と い わ ん ば か り に 気 を よ く し 、 婿 の 伊 祖 の 比 屋 を 呼 び よ せ 、 安 田 大 主 と 里 村 を 降 伏 さ せ た く 、 幾 度 と な く 使 い に 出 す 。 伊 祖 の 比 屋 は 、 両 方 の 中 に あ っ て 、 苦 し い 立 場 に 立 た さ れ る 。 久 良 葉 が 再 三 せ か す の で 、 伊 祖 の 比 屋 は 、 父 の 安 田 大 主 と 弟 の 里 村 に 、 し ば ら く 遠 く へ 身 を 隠 し て お く よ う に 頼 み 、 久 良 葉 に は 、 二 人 と も 切 腹 し て 相 果 て た と 報 告 す る 。 里 村 の 嫡 子 鶴 松 は 、 大 川 の 若 按 司 と 年 や 顔 立 ち 、 体 つ き が よ く 似 て い る の で 、 安 田 ・ 里 村 ・ 伊 祖 の 三 人 は 相 談 を し て 身 替 り に 立 て 、 久 良 葉 の も と へ 伊 祖 が 引 き て て て い く 。 若 按 司 は 鶴 松 の お か げ で ゆ る さ れ る 。 若 按 司 は 安 田 大 主 と 里 村 を た ず ね 、 仇 討 ち の 計 画 を 進 め る 。 若 按 司 や 安 田 の も と に 集 ま っ た 旧 臣 た ち に 、 そ れ ぞ れ の 守 備 を 言 い 渡 し て 、 一 気 に 久 良 葉 城 を 攻 め 、 主 一 28 一
組 踊 「 久 良 葉 大 主」 (大 湾 敵 討) に つ い て (當 間) 君 の 仇 久 良 葉 を 討 つ 。 鶴 松 は 助 け 出 さ れ て 、 若 按 司 、 父 里 村 、 祖 父 安 田 大 主 と の 再 会 を 喜 ぶ 。 「 久 良 葉 大 主 し と 「 大 湾 敵 討 」 の 台 本 は 、 次 の 通 り で あ る 。 (「 大 湾 敵 討 し は 護 得 久 本 組 踊 集 所 収 。 池 宮 正 治 氏 翻 字 参 照 )
久
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大
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安 田 大 主 詞 出 様 ち や る 者 や大
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頭 役 す た る 安 田 大 主 按 司 加 那 志 御 事 る ん ぢ や る 三 月 に 久 良 葉 大 主 に ぬ ぢ 殺 し さ り み そ ち 思 子 虎 千 代 ん 生 ち 捕 に 取 ら れ大
湾
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討
( 安 田 の 子 ) 出 様 来 る 者 や 大 湾 の 按 司 の 頭 役 聞 る 安 田 の 子 あ \ 口 階 や 按 司 添 へ や 去 る 三 月 の 比 に 蔵 波 大 主 に 抜 殺 し さ り 召 ち思
子
虎
千
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取 い む ど す は か れ さ ま ざ ま に さ し が く ぬ 際 に な て や 思 い 自 由 な ら ん お を か ね る 悪 欲 ぬ 胸 や 知 ら な す て シ ザ兄
子
虎
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五 つ 頃 自 分 言 ひ だ ぶ ら か さ り 呉 て や ら ち 我 身 ぬ 七 つ の 頃 ま り や ゆ つ ち や い ん す た し 我 が 主 人 按 司 と 不 和 な て ぬ あ と や 親 子 と り 合 え ぬ 文 ん 止 ら り て 行 ち 積 る 月 日 ふ た と し 二 十 年 ゆ 重 に り ば 生 ち 取 に と ら り 取 戻 そ 計 様 々 に し や し が こ の 丈 に な り ば 思 自 由 な ら ぬ あ ・ あ に や る 悪 欲 の 胸 や 知 な し ゆ て 兄 子 虎 松 ん 五 ツ 比 時 分 言 た ぼ ら か さ り て 乞 て や ら ち 我 身 の 七 ツ 比 迄 や 往 来 ん し よ た ん 我 が 主 人 按 司 と 不 和 な て の 後 や 親 子 取 合 の と ル ま む 文 ん 留 と て 一一 29 一哀 り 面 影 ん 見 忘 る ば か い お を 今 や 婿 な て 鳥 里 ん 取 ら ち 伊 祖 ぬ 比 屋 と 名 乗 り を ん て や り 聞 つ ん 頼 て 道 々 ぬ た い て 無 ん あ り ば い ち ゃ し 此 ぬ 世 界 に 居 ぬ ま た な ゆ が
我
が
宿
物
見
印 し 旗 立 て 産 子 里 村 と 二 人 引 ち く む て久
良
葉
軍
勢
待 ち 受 き て 居 と て こ こ ろ よ く 二 人 討 死 ゆ 知 ら に 今 や 知 耳 な や い 嶋 知 行 ん 渡 ち 伊 豆 の 比 屋 と 名 乗 て 居 ん て や い 聞 ば思
子
取
戻
ち
拝 も 分 別 ん 便 り 導 の 絶 て 無 ん あ り ば 我 が 宿 の 物 見 印 旗 立 て 産 子 里 村 と 二 人 引 篭 て蔵
波
軍
勢
待 受 け て か ら に快
二
人
打 死 よ し ら に 歌 東 江 節 ( 女 ザ ラ が 出 ル ) 玉 黄 金 な し 子 夢 に 見 て う づ り あ き 休 ま ら ん あ て る と め て 行 つ る を な ぢ や ら 詞 哀 り 知 り み そ り 今 出 ぢ る 我 身 や大
湾
ぬ
按
司
ぬ
側 居 た る 女 按 司 添 が 事 る 久 良 葉 大 主 に ぬ ぢ 殺 し さ り み そ ち 産 子 ま り 取 ら り は が な さ や 浮 世 し ぢ ら ら ん あ も ぬ 死 な ん て い し り ば 安 田 里 村 に 御 室 出 羽 散 山 節 夢 や 自 由 な も の 自 由 な ら ぬ 産 子 見 ん て や り 覚 え 思 ど 増 る を な じ や ら哀
り
知
り
召
り
今 出 る 我 身 や 大 湾 の 按 司 の 側 居 る 女 按 司 添 へ が 事 や 蔵 波 大 主 に 抜 殺 し さ り て産
子
迄
取
り
は が な さ や 浮 世 暮 さ ら ん し ち ゆ て 死 ん て や り し り ば 安 田 里 村 に 一 一 30 −一組 踊 「久 良 葉 大 主」 (大 湾 敵 討〉 に つ い て (當 間) 今 見 た る 夢 や 産 子 ぬ を ん て や り う づ り や し ま ら ん 夢 と 道 し の で
闇
ぬ
夜
ぬ
夜
中
道 柴 ぬ 露 と 散 果 て 死 な ば左
京
ぬ
橋
広
く
極 楽 る や ゆ る 歌 子 持 節 ( 一 廻 巡 る ) 夢 に 浮 か さ り て 迷 て 行 く 産 子引
合
ち
給
り
神 ぬ 照 る し い よ 言 さ と さ り て 取 よ 詰 ら り て 諌 事 あ て ど な が ら い 存 命 て を た る よ ぴ 夜 部 見 る 夢 の 産 子 見 ん て や り う つ で 安 ま ら ん し る ぴ 夢 と 道 知 部 闇 の 夜 の 夜 中 と ま い て 尋 出 立 る 道 柴 の 露 と 消 果 て 死 ば 左 京 の 橋 ひ る く 極 楽 ど や ゆ る散
山
節
し る ぴ 夢 と 道 知 部 尋 て 行 産 子引
合
ち
給
り
を な ぢ や ら 詞 闇 ぬ 山 道 や 足 元 ん や む い し ば し 草 む ら に た ゆ て 休 ま下
ぐ
り
詞
我 身 や 大 湾 ぬ 伊 佐 良 下 ぐ り ゆ暗
闇
ぬ
夜
中
我 が 宿 ぬ 側 に 女 声 ぬ 泣 つ し ひ と 不 思 議 事 ゆ 急 ぢ 立 ち 寄 や い 尋 め て 見 ら に や あ や い ち や し ち ゃ る 者 が 女 あ て な し暗
闇
ぬ
夜
中
神 の 記 し 室 じ や ら 闇 の 山 道 や 足 本 ん つ ま て 草 村 に 便 て 暫 く や す ま石
原
我 身 や 大 湾 の石
原
下
庫
理
あ ・ 暗 闇 の 夜 中 我 が 宿 の 側 に 喘 ち 明 そ 女 い と ほ し じ 事 よ 急 ち 立 寄 や い 尋 や い 見 だ に同
人
や
あ
く
い ち や る 事 や と て 一 31 −一く ま に 泣 つ が を な ぢ ゃ ら 詞 思 事 ん ね ら ん ゆ 言 し ん ま た ね ら ん 肝 迷 い し ち る く ま に 居 つ る
下
ぐ
り
詞
を ・ つ を 肝 迷 い て し や 物 思 ぬ む と い 恥 ん ま た ね ら ん 科 ん ま た あ ら ん 思 事 ぬ あ ら ば 語 て 聞 か し を な ぢ ゃ ら 詞 女 身 の 一 人 暗 闇 の 夜 中 喘 ち あ か ち 居 よ が を な ぢ や ら 思 事 な い ら ん よ し ん 又 な い ら ぬ 道 迷 い し ち ど 此 所 に 鳴 る石
原
や
あ
く
道 迷 い て し ん 物 思 の 基 い い ち い や ら ん兎
角
言
不
言
よ し の 有 る 積 り 隠 さ ず に 語 り 相 応 の 事 や 見 る 目 の い ち や さ 助 け や い と ら さ お 恥 か さ あ し が し め ら り る 苦 さ 我 身 や 大 湾 ぬ 側 居 た る 女下
ぐ
り
詞
あ き よ 女 ざ ら ぬ 前 よ あ ん ど や み せ る い 拝 む く ぬ 我 身 や 伊 佐 良 下 ぐ り ゆ 比 問 や 与 所 し じ さ 我 が 宿 に い も り と ・ つ と ・ つ お 気 張 い ゆ み そ り 女 ざ ら 詞室
御 恥 か し や あ し が 積 ら り の 若 ( 苦 ) し や 隠 ち 隠 さ ら ぬ 実 に 顕 わ り て 我 身 や 大 湾 の 側 居 る 女 肝 迷 い し ち ど く ま 此 に 居 る石
原
あ け よ う按
司
加
那
志
あ ん ど や ・ び る い や あ 按 司 加 那 志 拝 も 此 の 我 身 や石
原
下
庫
理
今 日 や 夜 ん 更 け て 鳥 ん 喘 ち 渡 る 一 32 一組 踊 「久 良 葉 大 主 」 (大 湾 敵 討) に つ い て (當 問) あ き よ 伊 佐 良 下 ぐ り ゆ や あ 下 ぐ り ゆ 見 る 人 る 頼 む 聞 ち と み て 給 り 道 柴 ぬ 露 と 諸 共 に な た い 安 田 里 村 に 遺 言 す る 事 や 親 ぬ 敵 取 や い 親 ぬ 敵 う と ち は ぎ し し ぎ て や り と じ き や い 給 り
下
女 お ぐ ざ ・ り ら 詞 ぬ や前
あ
ゆ く ま や 与 所 繁 さ 我 が 宿 に い ま う り 室 じ ゃ ら や あ 石 原 下 庫 理 よ 露 つ り て 我 身 や 消 果 て 行 ん 安 田 里 村 に 遺 言 し よ る 事 や若
か
我
が
産
子
戻 る 事 あ ら ば 此 の 世 界 の 恥 辱 洗 て 呉 れ て や り 細 々 と 二 人 に 語 て 給 り石
原
や あ按
司
加
那
志
節 よ 待 召 り 花 や ま し 垣 に 蕎 り め ぬ 思 子 天 と 地 ぬ 中 や 咲 ち ど 召 せ る 女 ざ ら 詞 あ き よ 肝 と り て 散 果 て 行 つ い 天 ぬ 御 定 み に 神 ぬ 引 合 し に籠
鳥
ぬ
産
子
飛 ぶ 節 ぬ あ ら ば 親 ぬ 肌 す た る 形 見 て い く り や 安 田 里 村 に渡
ち
給
り
下 ぐ り 詞 ( 女 ざ ら も 一 緒 に 内 に 入 る ) い ら ん 事 み そ な室
蕎 い め る 思 子 天 と 地 の 中 や 咲 ど 召 る あ け や う 肝 と り て 消 果 て 行 ん 加 篭 鳥 の 産 子 飛 昂 の 有 ば 親 ぬ 肌 そ た る か た み て や り 是 れ や 安 田 里 村 に渡
ち
給
り
石
原
あ ・ い ら ぬ 事 召 な 明 け 雲 ん 立 い 一 33 一明 雲 ん 立 つ い 今 日 や 夜 ん ふ き て 鳥 ん 鳴 ち わ た て く ま や 与 所 し じ さ 我 が 宿 に い も り と 、 つ と ・ つ 御 立 ち み そ り
下
ぐ
り
詞
我 身 や 大 湾 ぬ 伊 佐 良 下 ぐ り ゆ を ・ つ を 大 湾 ぬ 按 司 や 不 仕 合 し わ る さ あ わ り 女 ざ ら ん 大 原 に 迷 て 御 気 張 よ 召 り 我 が 宿 に い ま う りた
う
く
御 立 召 り ( 退 場 )同
人
我 身 や 大 湾 の石
原
下
庫
理
あ ・ 肝 も 肝 な ら ぬ か に 苦 し ゃ あ る い 大 湾 の 按 司 ど 御 仕 合 わ る さ 哀 り 御 室 ん 肝 迷 い 召 ち よ び 夜 部 の 真 夜 中 に 大 原 に 迷 て 玉 の 緒 よ 散 そ 渥 ( 涯 ) に な て め た し 我 が 宿 に 拝 で 玉 ぬ 御 世 散 ら す 際 に な て め た し 我 が 宿 に 拝 りい
る
く
な
薬
あ ぎ り ど む か な ん あ き よ は が な さ や 散 ゆ 果 て み せ ぬ 際 ぬ 御 言 葉 に ぬ ん ず 肌 す た る く ぬ 御 衣 ゆ は じ み そ ち 安 田 里 村 に 御 遺 言 ぬ あ て る 片 時 ん 急 で と め 尋 て 行 っ ん 色 々 の 御 薬 上 げ る ど ん 叶 ん 消 よ 果 て 召 ち あ け よ は が な さ や 今 う て る 迄 ん 虎 千 代 金 事 や 忘 り ら な し ち よ て 此 の 御 衣 や は じ て か た み て や い 置 い 安 田 里 村 に 御 遺 言 の あ て ど い ひ ん 片 時 ん 急 ぎ 行 ん蔵
波
出 様 来 る 者 や 上 に 豊 ま り る蔵
波
大
主
一 34 一組 踊 「久 良葉 大 主」 (大 湾 敵 討) に つ い て (當問)
久
良
葉
大
主
詞
出 様 ち や る 者 や 上 に と ゆ ま り る久
良
葉
大
主
お を を 肝 ざ わ い す た る 大 湾 ん 殺 ち つ い 子 虎 千 代 ん 生 捕 り に 取 や い 牢 舎 し ち 我 身 ぬ 牢 舎 し み 置 き ば 肝 ざ わ い ね ら ん 事 ざ わ い ね ら ん い や 増 し ぬ い ち ひ 肝 障 り し よ た る 大 湾 ん 殺 ち 産 子 虎 千 代 ん 生 取 に 取 や い 慈 悲 よ し ち 我 身 の 牢 舎 し ち 置 ば 肝 障 り な い ら ん 事 障 り な い ら ん 天 の 日 の 光 り あ る 問 や 共 に 生 樂 の た ぐ い し ら な \ よ み や あ 伊 豆 の ひ やく
天 ぬ 日 ぬ 売 り あ る 間 や 共 に 仰 じ 拝 ま り て お を を 生 樂 の た ぐ い 知 ら ん す む ぬ や あ 伊 祖 ぬ 比 屋伊
祖
ぬ
比
屋
詞
ふ う久
良
葉
詞
や あ い や あ や 大 湾 に 産 り た る ば か り 里 親 ぬ あ て さ だ み 此 問 に ち や る 故 に 我 が 婿 ん な さ い 島 里 ん と ら ち 親 と 兄 弟 や 大 湾 に や と て伊
豆
ほ う 1蔵
波
や あ 汝 や 大 湾 に 生 り た る 計 り 果 報 の あ て さ ら み 我 が 聾 に 成 い 此 の 所 に 居 る 故 に 嶋 知 行 ん と ら ち 親 と 子 の 思 ひ し ゆ る 中 ど や し が 親 と 兄 弟 や 大 湾 に あ と て 按 司 の 身 に 近 く 使 て あ る 故 に い ら ぬ 義 理 立 て 宿 ぐ ま い し ち ゆ て 露 散 そ 思 い 一 35 一親 と 子 ぬ 思 い す る 中 ど や し が 按 司 ぬ 身 に 近 く 使 て あ る 故 に い ら ん 義 理 立 て に 宿 ぐ み ゆ し つ て 露 散 す 思 い 夢 の 間 ど や し が い や あ に 思 流 ち 助 き ぶ さ あ む ぬ 急 じ 呼 び 寄 し て 奉 公 ゆ し み り
伊
祖
ぬ
比
屋
詞
を う を に へ え と う と 急 じ く ぬ 事 や 安 田 里 村 に 拝 ま さ い ち や び ら久
良
葉
詞
夢 の 間 ど や よ る 汝 に な だ み や い 罪 科 ん 免 さ 急 ぢ 呼 寄 て 我 が 奉 公 よ し み り伊
豆
あ \ 御 慈 悲 た う と さ や 美 拝 ど 拝 な び る 急 ぢ 此 の 事 や 拝 ま し や い ち や べ ら蔵
波
た
う
く
急
げ
く
伊
豆
や あ 父 親 や あ 里 村 と λ ノ と 、 つ急
ぎ
く
伊
祖
ぬ
比
屋
詞
拝 ん と み や び て 伊 祖 ぬ 比 屋 詞 ( 安 田 里 村 の 所 に 言 う ) 比 ぬ 宿 内 に 案 内 ゆ 頼 ま ( 内 で 言 う ) 誰 が や い み せ ら伊
祖
ぬ
比
屋
詞
伊 祖 ぬ 比 屋 る や ゆ る 拝 み ぶ さ あ て る 比 ぬ 様 う ん ぬ き て 呉 り ゆ ( 内 で 言 う ) 比 ぬ 様 う ん ぬ き や び ら 安 田 大 主 詞 ち ゃ み 伊 祖 ぬ ひ や 安 田 来 み 伊 豆 の ひ や里
村
や あ 伊 豆 の ひ や 伊 豆 の ひ や 久 し よ 拝 な び ら 安 田 や あ 伊 豆 の ひ や 行 過 る 月 日 は た ち二
十
重
り
ば
子 の 面 顔 ん 見 忘 る 計 り伊
豆
あ ・ 召 る 事 親 子 敵 な た る 事 の 恨 し や 安 田 や あ 伊 豆 の ひ や 一 36 一組 踊 「久 良 葉 大 主」 (大 湾 敵 討, に つ い て (當 間)
里
村
詞
も う ち い 伊 祖 ぬ ひ や 安 田 大 主 詞 や あ 伊 祖 ぬ ひ や ぐ い す 使 に ち や る 御 意 趣 急 ぢ 聞 か し伊
祖
ぬ
比
屋
詞
や あ 父 親 や あ 里 村 う ひ ぢ二
所
ぬ
御
返
事
大 主 や 腹 立 ち に 頭 役 す た る 塩 屋 ぬ 大 役 に討
手
ぬ
大
将
親 子 敵 な た る 私 の 泪た
う
く
よ い し ゆ 使 に ち や 故 趣 急 ぢ 聞 か し伊
豆
や あ 父 親 や あ 里 村 蔵 波 大 主 の 御 慈 悲 事 あ し や 我 身 に な だ み や い 罪 料 ん 免 ち 此 の 親 子 三 人 百 里 報 ん 給 る 御 情 の あ も の 御 言 葉 の あ も の よ し り 急 ぢ 参 上 や い 拝 で 給 り 仰 し さ り や び て 子 な ゆ る 者 や 拝 り 忍 ば ら ん 慈 悲 ゆ う 情 き に 頭 ゆ う ん ぬ き て む し か わ が 願 ぬ か な ん ど ん あ ら ば 肌 に 縦 横 ぬ刀
ば
ぬ
文
字
書 ち ゆ 御 目 か き ら た い ち 思 い 切 い し て る肝
散
ち
我
身
ぬ
願 ゆ う ん ぬ き て 大 主 ん 忍 ば ら ん 命 た び み そ ち 命 乞 い と て る ゆ し り や い う む ぬ 慈 悲 ゆ う 情 き に 安 田 や あ 伊 祖 の ひ や 数 な ら ん 親 子 御 情 け の 御 意 趣 あ \ 聞 け ば 腹 立 の 我 肝 や ま ち里
村
や あ 伊 祖 の ひ や 悪 欲 の 肝 の 口 に 花 咲 け ば 匂 の あ ん と も て だ に よ 聞 留 て い ら ぬ 此 ま で の 使 や あ ら に 伊 ( 豆 ) や あ 里 村 だ に よ 聞 留 り 一 37 一な り て 給 り 安 田 大 主 詞 や あ 伊 祖 ぬ 比 屋 数 な ら ん 親 子
御
情
ぬ
御
意
趣
お を を 聞 ば 腹 立 ち に 我 肝 や ま ち 里 村 詞 . や あ 伊 祖 ぬ 比 屋 ( 一 段 下 ゲ テ 言 ウ ) 悪 欲 ぬ 胸 に 口 に 花 咲 ぎ ば 匂 ぬ あ ん て や り ら に ゆ 聞 ち と み て い ら ん く り ま で ぬ 使 や あ ら に伊
祖
ぬ
比
屋
詞
此 の 世 人 間 や 夢 に 生 り や い 夢 に 又 死 る 習 や あ ら に 親 子 敵 な と て 浮 世 暮 さ り み 一 所 に 楽 や 願 や あ ら に 安 田 や あ 伊 豆 の ひ や 思 子 の 前 ん 敵 の 午 ( 手 ) に 渡 ち い ち や し 此 の 世 界 に を い 居 の 又 な よ が 忠 昂 よ 枕 ら く ま か ち 篭 て を ら ば蔵
波
軍
勢
押 寄 て く を や あ 里 村 ら に ゆ 聞 き ( 一 段 下 ゲ テ 言 ウ ) 比 世 人 間 や 夢 に 生 り や い 夢 に ま た 死 る な れ や あ ら に 安 田 大 主 詞 や あ 伊 祖 ぬ 比 屋 ( 一 段 下 ゲ テ 言 ウ ) 不 事 ぬ 物 事 や 聞 ち ぢ や く ね ら ん 義 理 す む ち い か な 島 知 行 ゆ と て ん 其 時 安 田 が 親 子 飛 出 て か ら に蔵
波
軍
勢
う ち 散 ち か ら に 心 晴 々 と 打 死 よ し ら ば 此 の 世 界 に 名 折 露 程 ん な い ら ぬ 急 ぢ 立 戻 て 此 様 大 主 に 聞 し伊
豆
や あ 父 親 よ 軍 無 ん 内 や あ に ん 又 召 ら 夢 の 間 の 世 界 や 露 の 身 ど や よ る 頼 で 我 が 願 や う ん に よ か て 給 り 一 38 −一組 踊 「 久 良 葉 大 主」 (大 湾 敵 討) に つ い て (當 問) あ ま ぬ 米 粟 や に が さ あ る な ら い た と い ち ち ん ち や や 喰 う て 死 ぬ か し ん 義 理 ま ぎ て 主 人 二 人 持 ち や な ら ん 誠 と か ら う ぐ る 晴 ど ん や ら ば
急
ぢ
虎
千
代
金
ゆ る ち や ら し た い 此 ぬ よ う 立 ち 戻 て 大 主 に 聞 か し伊
祖
ぬ
比
屋
詞
や あ 父 親 戦 さ ね ん う ち ど あ に ん ま た み せ る里
村
や あ 伊 豆 の ひ や 誠 此 の 親 子 暮 し ぼ し や あ ら ば 急 立 居 て 蔵 波 首 取 や い思
子
虎
千
代
金
御 供 し ち い ま う り 親 子 諸 共 に 浮 世 渡 ら伊
豆
や あ 里 村 過 言 す な 余 り 兄 な と る も ん の 親 よ 諌 ら ば 親 よ 進 ら ば 共 に 諌 よ る 道 や あ ら に 夢 ぬ 間 ぬ 世 界 や 露 ぬ 身 ど や ゆ る た ん り 我 が 事 に な り て 給 り里
村
詞
や あ 伊 祖 ぬ 比 屋誠
此
ぬ
親
子
暮 ら し ぶ さ あ ら ば 急 ぢ 立 戻 て 大 主 ぬ 首 取 や い思
子
虎
千
代
金
う と む し ち い も り 親 子 諸 共 に 浮 世 暮 ら さ伊
祖
ぬ
比
屋
詞
や あ 里 村 ( 一 段 下 ゲ テ 言 ウ ) 過 言 す な あ ま り里
村
あ \ 君 親 の 為 に 私 の あ る い 天 か み て 居 と て や ぽ 義 理 よ 破 よ ら ば 刀 刃 ど 出 ち 事 や し ゆ る 父 安 田 あ ・ 暫 し ま て伊
豆
あ ・ 武 士 の 道 知 ん 殺 し ゆ ら ば 殺 し 軍 て や り 使 に 来 る 我 身 や あ ら ん 我 身 殺 ち 返 事 や 誰 に い や し ゆ が 一一 39 −一し ざ 兄 な ゆ る 者 ぬ 親 ゆ し し み り ば 親 ゆ 諌 み や い 共 に 諌 み ゆ る 道 や あ ら に
里
村
詞
お を を 兄 故 ん 罪 と 我 が 親 や う む さ 天 か み て 居 と て 義 理 ゆ や ぶ ゆ ら ば つ て ん 一 刀 に は た ち 取 ら さ 安 田 大 主 詞 し ば し 待 て伊
祖
ぬ
比
屋
詞
い や 武 士 ぬ 道 知 ら ん 殺 す ら ば 殺 し 安 田 や あ 伊 豆 の 比 屋 不 義 の 物 事 や 聞 ち や く ん 無 ん 義 理 背 き い か な 島 知 行 よ や て ん あ ま の 米 粟 や に が さ あ る 習 ひ 誠 か ら 起 る 晴 け ど ん や ら ば急
ぢ
虎
千
代
金
免 ち や ら し て や り 此 の 様 立 戻 て 大 主 聞 し伊
豆
や あ 父 親 よ い く さ た ち け に ち や る 我 身 や あ ら ん 安 田 大 主 詞 や あ 伊 祖 ぬ 比 屋 ( 一 段 下 ゲ テ 言 ウ ) し 情 け ぬ 深 さ な ち ん ま た す し が 元 祖 か ら 続 く我
が
御
主
ぬ
御
恩
か ず る か ず 知 ら ん こ う む や い を と て あ わ り 女 ざ ら ん い ち く が り み そ ち あ き よ な ち 後 ぬ 御 肝 ち く み \ と 肝 に 肝 し い て 父 安 田 い や 物 事 の 多 さ 急 じ 立 戻 り伊
豆
あ ・ 口 惜 や 残 念慈
悲
情
き
尽
ち
御 談 合 し ち ん 今 事 や り ば 力 ら 及 ら ん あ り ぬ 侭 大 主 に う ん に よ け ん や ら ば い ち や し 二 所 ぬ 命 ち た ぶ ら り が 此 の 度 や 色 々 に 口 廻 り し ち よ て 暫 し 二 所 ぬ 命 ち 救 ら 一 40 一組 踊 「久 良 葉 大 主」 (大 湾 敵 討) に つ い て (當 間) 思 て ん ち 呉 り ゆ い や あ が 志 情 に い や あ が 言 る 事 に た と い 此 ぬ 宿 や 立 出 り て や り い ち や し 此 ぬ 世 界 に 居 ぬ ま た な ゆ が
大
湾
ぬ
御
恩
親 ぬ 孝 と ま ば い ち や し が な 思 子 取 り 戻 ち 呉 り ゆ 親 ぬ 言 ふ ぬ 言 葉 す む く 事 や ら ば露
ぬ
身
ぬ
命
散 ち 見 し ら 里 村 ・ 伊 祖 ぬ 比 屋 詞 を ・ つ を い ら ん く と み そ な 伊 ( 豆 ) 伊 豆 ぬ ひ や ど や よ る 今 ど 行 ぢ ち や び る蔵
波
今 ど 来 る い返
事
や
く
伊
豆
仰 事 侭 に 細 々 に い や び て 安 田 里 村 に 談 合 よ し や り ば御
情
ぬ
御
意
趣
よ し り 難 有 拝 参 上 ら ん す り ば 今 程 や 近 さ 与 所 ぬ 物 の 笑 の 恥 な ら ん し り ば 月 日 行 過 て 年 ん 重 な ら ば里
村
詞
や あ 伊 祖 ぬ 比 屋 ( 一 段 下 ゲ テ 言 ウ ) み せ る 事 定 み 此 ぬ ち わ に な て や 願 ん と い 棄 て て 楽 ん 振 り 棄 て て 親 ぬ 御 言 葉 に な り て 給 り伊
祖
ぬ
比
屋
詞
を ・ つ を み せ る 事 聞 き ば 理 ど や ゆ る思
子
取
戻
す
は か れ さ び ら や あ 父 親 や あ 里 村 や ぐ み さ る あ し が 君 ぬ 為 で む ぬ 参 上 や い 御 奉 公 夜 昼 ん し や び ら 今 程 や 宿 に 置 い 給 り て や り 呼 戻 し ち ぬ 御 返 事 だ や び る蔵
波
い や 云 言 葉 や 免 ち 宿 に 置 く 事 や 気 遣 の 基 い 絶 て な ら ん 蔵 ( 波 ) や あ 塩 屋 ぬ 大 屋 子 安 田 里 村 や 人 に 立 抜 て 勝 り と る 事 や 隠 り と る 事 や 隠 り 無 ん 有 ば 一 41 一親 と 里 村 や 宿 ゆ 立 出 て
二
人
切
腹
ぬ
し ぢ に 言 ひ な さ い大
主
が
心
落
着
ち
う
か
ば
忍 び か く り と て し い ず り い み そ り や あ 父 親 や あ 里 村 壁 ん 耳 や と て 風 ぬ 物 言 ふ 世 ぬ 中 ぬ な れ や む し か 此 ぬ 事 ぬ あ ら わ り て か ら や 思 子 う は ち み ん 大 事 ら ん す む ぬ 人 目 か く り や い 与 所 知 ら ん 事 に 美 さ が 返 事 や 伊 豆 ぬ ひ や に や ら ち 我 身 に 弓 引 る 分 別 と や ゆ る い ひ ん 片 時 ん 宿 に 置 ち か ら や 一 大 事 の 沙 汰 に 及 ぶ 筈 だ い も の 片 時 ん 急 軍 押 寄 て 責 落 ち 来 ふ よ 責 取 い 来 ふ よ大
屋
子
拝 留 や び て 伊 ( 豆 ) や あ 大 主 よ 願 事 ぬ あ や び も の う ん の か て 給 り 文 ぬ 通 い わ し に 内 通 ゆ さ び ら 安 田 詞伊
祖
ぬ
比
屋
が
心
や あ 里 村 親 と 子 ぬ 中 ぬ 誠 あ ら わ り て い 言 葉 ぬ う ち ぬ 露 ぬ し ぢ さ や あ 里 村 ( ∼ 段 下 ゲ テ 言 ウ ) 此 ぬ 事 や 互 に 分 別 ゆ 知 ら に里
村
詞
み せ る 事 定 み 今 日 ぬ 御 言 葉 や 過 し 我 が 御 主 ん 嬉 り さ み せ ら 塩 屋 ぬ 大 屋 子 に 今 の 仰 し 事 思 ひ 尽 さ ら ん 拝 で 捨 て ら ・ ん 驚 さ ど あ し が や ぐ さ み ど あ し が 又 ん 一 度 や 我 ん や ら ち 給 り若
か
繰
返
ち
え ぬ 御 返 事 し よ ら ば う の 時 に 打 手 使 て 賜 り 蔵 は あ ・ 言 る 事 よ 聞 ば 理 ど や ゆ る や あ 伊 豆 ぬ ひ や 安 田 里 村 う て つ か ち か ら に 一 42 一組踊 「久 良 葉 大 主」 (大 湾 敵討) に つ い て (當 間) や あ 父 親 や あ 伊 祖 ぬ 比 屋 思 ち ぢ や る 事 ぬ 我 身 に ま た あ し る 産 子 鶴 松 と 思 子 二 人 や 二 八 頃 互 に な り ふ じ ん 似 い 思 子 取 ら り ゆ る さ ち ぐ る ぬ 涯 に 思 子 守 や か が 分 別 ゆ 入 り て
我
が
産
子
出
ち
思 子 て え 渡 ち 引 ち ゆ 渡 ち ゃ ん り だ く ざ く ゆ し み て か ら に 実 と 思 て 思 子 降 参 よ し み て 引 列 て く を 暫 し あ ぬ 首 や 汝 に 預 け よ ん伊
豆
あ \ 美 拝 た う と 急 引 列 て 降 参 よ し み や び ら大
主
た
う
く
急
く
伊
豆
や あ 父 親 や あ 里 村父
ち や み 伊 豆 の ひ や伊
豆
や あ 父 親 よ や あ 里 村二
所
ぬ
御
返
事
大 主 や 腹 立 に ゆ る す は ち で む ぬ 此 ぬ は か れ 事 や い ち や が あ や び い ら 安 田 詞里
村
が
心
や あ 伊 祖 ぬ 比 屋天
地
神
仏
御 知 り み せ り伊
祖
ぬ
比
屋
詞
み せ る 事 や あ 里 村 ( 一 段 下 ゲ テ 言 ウ ) 此 の た き に ち わ み し ち か ら や 大 主 ん 自 由 に う て ち か ち か ら に思
子
取
り
戻
す
分 別 や 我 身 ぬ 手 ぬ 内 ど や ゆ る 頭 役 聞 る 塩 屋 ( 大 屋 ) 子 に 打 手 の 大 将仰
事
あ
り
ば
親 と 子 ぬ 中 ぬ 情 意 忍 ば ら ん 御 肝 や し み や い御
肝
取
直
ち
袖 に 露 ち ら ち 願 よ 上 げ た し が 慈 悲 よ 御 情 に 親 と 里 村 が 露 ぬ 身 の 命 我 身 に 呉 て 給 り 若 か 願 の 事 御 許 ぬ 無 ん 有 ば 親 と 里 村 が 殺 さ ら ん 先 に 一 43 一や あ 里 村 急 ぢ 此 ぬ 事 や
鶴
松
が
親
子
呼 び 出 ち か ら に 談 合 ゆ 知 り ゅ 里 村 詞 ( 立 っ て い っ て 言 う ) や あ 乙 樽 や あ 鶴 松 や あ 乙 樽 ん 鶴… 松 ん ら に ゆ 聞 ち と み り 朝 夕 志 ら ら ん思
子
虎
千
代
金
取 戻 す は か れ ち ょ う じ 協 議 ち わ み た ん ( 下 げ る ) や あ 鶴 松 御 主 人 の う ら み う み ち や い 行 き よ 乙 樽 詞 や あ 伊 祖 ぬ 比 屋 互 に ふ や わ ち や る し で て 居 る 嶋 ん す で て 居 る 位 ん 哀 り つ り な さ や 返 し 上 や び て 腹 に 立 横 の 刀 刃 ぬ 文 字 書 よ う み か け ら て や り 命 ち 乞 取 や い 参 上 や い を も の や あ 父 親 よ 慈 悲 よ 聞 ち 分 て 降 て 賜 り 安 田 あ ・ や あ 里 村 親 と 子 の 中 や 誠 顕 り て 言 葉 に う ち よ る 露 の 繁 さ う ち は な て か ら や い ち や し が な 別 に 分 別 や な ら に 伊 祖 ぬ 比 屋 詞 や あ 乙 樽 御 恩 ち り は て て 此 ぬ た き ゆ で む ぬ い ち や し 分 別 ぬ 自 由 に ま た な ゆ が 女 身 ゆ や て ん く ぬ た き ゆ で む ぬ 思 ち や い 呉 り ゆ や あ 乙 樽 乙 樽 詞 あ ね る あ て な し や 敵 ぬ 手 に 渡 ち な ま あ き よ 生 殺 し さ り ら と み ば里
村
召 る 事 今 日 や 誠 顕 り て 云 言 葉 の 先 に 露 ど う ち ゆ る 安 田 や あ 伊 豆 の ひ や 志 情 け の 深 さ 泣 ん 又 し よ し が 地 天 あ る 中 や 人 の 居 る 習 ひ 人 の 居 て か ら や 君 と 産 親 の 命 続 よ 召 る 御 恩 た う と さ や 海 よ り ん 深 さ 山 よ り ん 高 さ 元 祖 か ら 続 ち 一 44 一組 踊 「久 良 葉 大 主」 (大 湾 敵 討) に つ い て (當 問) や あ 産 子 女 身 ゆ や て ん 道 知 ら ね な ゆ み た ち か わ て 死 な ば
世
ぬ
中
ぬ
手
本
安 く 死 ぢ 呉 り ゆ や あ 産 子鶴
松
詞
み せ る 事 定 み 大 主 ぬ 身 替 い に 死 な ば い ち ま り ん世
ぬ
中
ぬ
手
本
幸 し ど や ゆ る や あ 母 親 ゆ乙
樽
詞
や あ 産 子 親 ぬ 恩 と む な 産 子 て ん う ま ん 蒙 た る 御 恩 数 る 数 知 ら ん 此 の 丈 に な れ ば た と へ 此 の 親 子 割 り て ・ や り 義 理 背 ち か ら や 人 の 甲 斐 な い ら ぬ あ ・ 親 の 云 る 言 葉 だ に よ 聞 留 り思
子
虎
千
代
金
敵 の 午 ( 手 ) に 取 り 哀 り 御 室 ん 肝 迷 い 召 ち 大 原 に 迷 て 玉 の 緒 よ 散 ち あ け や う 無 ち 後 の憂
目
つ
く
く
と
胸 に 取 添 へ て 思 い ち わ み た る玉
ぬ
緒
ぬ
命
や し く 死 ぢ 呉 り ゆ義
理
ぬ
麺
鶴
松
詞
や あ 父 親 や あ 母 親 ゆ 我 が 御 主 ぬ う ら み う み ち や い を む ぬ ぬ ゆ り 親 ふ ち ぬ 御 腰 引 ち や び ゆ が義
理
ぬ
上
ぬ
莚
安 く し ま び む ぬ誠
あ
ぬ
世
界
ぬ
此 の ぬ 世 事 あ ら ば 死 出 が 山 道 に 御 待 さ び ら里
村
詞
や あ 鶴 松 思 て 見 ち 呉 れ よ 彼 が 志 情 け に 汝 が 云 る 如 に た と へ 此 の 宿 や 立 出 て て や り い ち や し 此 の 世 界 に 居 の 又 な よ が 大 湾 の 御 恩 義 理 の 上 に 死 ば 百 歳 よ り 増 て 極 楽 ど や よ る伊
豆
あ ・ 召 事 や し がつ
く
く
と
思
ば
袖 に 白 露 の 玉 ど 散 そ里
村
や あ つ る 松 よ 一 45 一御 主 人 ぬ う ら み し し で 死 ち か ら や
世
ぬ
中
ぬ
手
本
沙 汰 る 残 る や あ 鶴 松 ( 一 段 下 ゲ テ 言 ウ ) 御 主 人 ぬ う ら み う み ち や い 行 き よ 安 田 詞 や あ 里 村 や あ 伊 祖 ぬ 比 屋 互 に 義 理 立 て ぬ と ず ま ゆ し 聞 き ば お を う を大
湾
ぬ
御
恩
ま た 聞 く 定 み や あ 鶴 松 ( 一 段 下 ゲ テ 言 ウ ) 胸 に 物 思 ば 互 に 喘 名 残 り 思 立 い 行 よ や あ 伊 豆 ( の ) ひ や伊
豆
や あ つ る 松 よ 義 理 て や り い ち や し 縄 係 て 行 が つ る 松 や あ 叔 父 よ 命 さ い 捨 て 出 じ 立 る 我 身 の 縄 掛 る 苦 し や の よ で 思 や び が い つ ま で ん 名 残 り急
ち
召
り
安 田た
う
く
気
張
り
く
十 二 、 三 散 て や り 義 理 ぬ 上 に 死 な ば 百 世 ゆ い 勝 い 沙 汰 る 残 る伊
祖
ぬ
比
屋
詞
み せ る 事 や し が あ ね る あ て な し に い ち や し 縄 掛 き て そ う て い ち や ゆ が や あ 鶴 松 ( 一 段 下 ゲ テ 言 ウ ) 義 理 て や り い ち や し た ば て 行 つ が鶴
松
詞
や あ を ん つ う 命 さ い 我 身 ぬ ふ り し て て 行 つ い 縄 か か る 苦 り さ里
村
や あ 鶴 松 よ 胸 に 物 思 ば 色 に 顕 り る 夢 程 ん 与 所 の 疑 な い ん 如 に 敵 方 の 応 答繰
り
返
し
く
し
命 捨 る 御 奉 公 要 み と も り 一 46 一組 踊 ヂ久 良 葉 大 主」 (大 湾 敵 討) に つ い て (當 問) 露 程 ん 思 ん や あ を ん つ う 立 ち か わ て 死 ば い ち ま り ん 名 残 り 時 う し て 死 び ら ん 御 暇 ゆ さ び ら と 、 つ と 、 つ
ち
ば
り
く
(
三
人
デ
言
ウ
)
歌
伊
野
波
節
後 生 ぬ 長 旅 や し く 人 や を ら ん 君 ぬ 為 や て る 誇 り 行 つ る 伊 祖 ぬ 比 屋 二 番 目 の 「 し く の 所 で 言 フ ) ( 一 番 目 の ア ヌ ン ゾ ヨ モ 乙 樽 は 手 が い る ) ( 二 番 目 の ア ヌ ン ゾ ヨ ま で 乙 つ る や あ 鶴 松 よ 親 の 居 と も な 子 ん で ん 思 ぬ 此 の 涯 の 御 奉 公 君 親 の 御 為 み 敵 の 刀 刃 に 死 し 義 理 だ い も の 露 程 ん 命 ち 情 で 思 な つ る 松 や あ 父 親 よ や あ 母 親 よ 我 が 御 主 の 御 為 み 出 立 る 先 に の よ で 二 所 の 御 腰 引 び ー が 義 理 の 上 の 莚 に し ば る ) 乙 樽 は 手 が い る 。 ( 三 番 旨 の チ ミ で 立 つ ) 。 乙 樽 の ア キ コ リ ョ ヒ ン ゾ ヨ ー 手 加 い る伊
祖
ぬ
比
詞
や あ 鶴 … 松 ( 一 段 下 ゲ テ 言 ウ ) 久 良 葉 城 元 や あ り ど や ゆ る 道 し が ら 互 に 語 ら た る 事 に 敵 ぬ 前 に 出 て た と い 攻 ら わ ん 殺 さ た い い ひ ん安
す
く
と
死
び
も
の
我 が 御 主 の 形 打 よ 取 ひ 召 ち 夢 の 問 の 浮 世楽
く
く
と
暮
ち
天 の 御 定 の命
待
ち
召
り
誠 あ の 世 界 の こ の 世 如 あ ら ば 死 出 が 山 道 に 御 待 し や び ら伊
豆
や あ 父 親 や あ 里 村 時 過 ち 済 ん 御 暇 よ し や び ら伊
野
波
節
後 生 の 長 旅 や す く 人 や を ら ん 一 47 一あ ら わ り て 呉 る な
鶴
松
詞
や あ を ん つ う ぬ ゆ り 事 洩 り て 御 腰 引 ち や び ゆ が く り か ら や 互 に 泣 ん と み や び ら伊
祖
ぬ
比
屋
詞
や あ 鶴 松 久 良 葉 城 元 や く り る や ゆ る と ・ つ と ・ つ く ま に い つ り 伊 祖 ぬ 比 屋 る や ゆ る 今 る ん ぢ ち や び る ( 久 良 葉 ノ 所 二 言 ウ )久
良
葉
詞
や あ 伊 祖 ぬ 比 屋 ( 内 デ つ る 松た
と
く
御 暇 よ し や び ら 伊 の は 節 君 の 為 や て ど 安 田た
う
く
互 に 立 別 ら 乙 つ る 行 み 鶴 松 よ同
節
誇 て 行 る伊
豆
や あ つ る 松 よ 互 に 鳴 暮 ち い つ ま で ん 名 残 り 蔵 波 城 元 や あ り ど や よ る 言 ウ 。 一 段 下 ゲ テ 言 ウ 。 ) あ ま り 待 ち な げ さ て ぢ け し ゆ や と て 塩 屋 ぬ 大 役 使 に や ら さ た い す た さ い ち や る 事 や と て ヤ つ し 遅 く な た が ( 出 テ カ ラ 言 ウ )伊
祖
ぬ
比
屋
詞
や あ 大 主 安 田 里 村 ん ぐ ち に か た ま や い 降 参 ぬ 事 や か ち て な ら ん た い 思 い ち む さ り て 切 腹 ゆ さ び て 親 と 子 ぬ 中 ぬ 敵 の 手 に 掛 て 責 ら り る 時 に く つ さ て や り 思 て 事 洩 て 呉 な つ る 松 我 が 御 主 の 御 為 み 思 切 り 居 て 敵 の 手 に 掛 て 責 り て て や り の よ で 事 洩 り て 御 腰 引 び い が 今 か ら や 互 に 泣 ん 如 し や び ら伊
豆
た
う
く
急
が
く
同
人
や あ つ る 松 一 48 一組 踊 「久 良 葉 大 主」 (大 湾 敵 討) に つ い て (當 閲) 肝 ん 肝 な ら ん た ら 棄 て て 置 ち や し ぬ ば ら ん あ て る 取 置 ち ゆ さ び ん た い も つ し 遅 く な や び た る
久
良
葉
詞
や あ 伊 祖 ぬ 比 屋 ( 一 段 下 ゲ テ 言 ウ ) い や ー あ ん わ ん な て ん い ち や ぬ ま た な ゆ が た ば て 来 る 童 い ち や し ち や る 者 が伊
祖
ぬ
比
屋
詞
を ・ つ な い ひ う く り り ば 大 事 ん あ や び た ら く り る 大 湾 ぬ 実 子 だ や び る 蔵 波 城 元 や 是 ど や よ る 心 し づ み と て 待 い 居 り よ同
人
伊 豆 の ひ や ど や よ る 今 ど 行 ぢ 来 び る蔵
波
や あ 伊 豆 の ひ や 余 り 待 長 さ 気 遣 よ や と て 塩 屋 の 大 屋 子 使 ら て や り し よ た ん い ち や る 事 や と て な ま で 着 が 但 し 此 の 時 伊 豆 の ひ や 無 言 に て 泣 顔 あ り 先 取 て る 者 やく
り
が
守
や
か
が
今 別 ゆ い り て我
が
産
子
出
ち
く り が 身 替 い に 渡 ち あ や び た ん 安 田 里 村 ん 今 日 や う て や び て 隠 ち う ち な ら ん 実 に あ ら わ り て 引 ち よ 渡 さ り て た ば て ち や あ び た ん久
良
葉
詞
さ
て
く
伊
祖
ぬ
比
屋
あ
に
い
く
ゆ む ち ら ぬ 賢 さか
わ
て
く
塩
屋
ぬ
大
役
詞
伊
豆
や あ 大 主 安 田 里 村 ん 愚 痴 に か た ま や い我
が
心
砕
ち
異 見 事 し や し が 降 参 の 事 や 絶 て な ら ぬ て や り 思 ひ し ん ち り て 切 腹 よ し や び て 但 し 伊 豆 ひ や 泣 顔 あり
同
人
あ ・ 親 と 子 の 中 や 肝 ん 肝 な ら ぬ 捨 て 只 置 や 忍 ら ん あ と て 取 ひ 始 末 し や び て 一 49 一を ・ つ 世 界 や で ち な む ぬ
伊
祖
ぬ
比
屋
が
手
柄
大
主
ぬ
御
果
報
わ し た ま り ん久
良
葉
詞
さ
り
ば
く
や あ 虎 千 代 見 り ば 肝 ち や さ る 我 身 ん ま た あ し が 天 ぬ 御 定 み に か か る 罪 科 や し ぬ ぢ し ぬ が り み 殺 さ さ ん す む ぬ 心 ゆ く 死 い あ ぬ 世 と ち き鶴
松
詞
や あ 大 主 遅 な や び た ん蔵
波
や あ 伊 豆 の ひ や 縛 て あ る 童 び い ち や し ち や る 事 が伊
豆
や あ 大 主 是 れ ど 大 湾 の 実 子 だ や び る 先 取 る 者 や是
れ
が
守
役
分 別 よ 入 り て あ の 産 子 出 ち 是 が 身 替 に 渡 ち あ や び た ん 安 田 里 村 ん に や や 落 や び て 隠 ち 置 な ら ん悪
巧
り
人
ぬ
根 葉 ま り ん 苅 や い 地 天 あ る 中 ぬ 道 や 知 ら ん伊
祖
ぬ
比
屋
詞
い や く ひ な 大 主 ぬ 御 前 に ゆ く り や い い ち ざ か し ん ざ る む ぬ ゆ う ひ さ鶴
松
詞
や あ や 義 理 ぬ 道 知 ら ん 主 人 子 や た ば て 敵 ぬ 手 に 渡 ち 恥 や 知 ら に久
良
葉
詞
お を を押
し
返
し
ぐ
実 よ 顕 て 引 よ 渡 し や び て 縛 て 来 び た ん塩
屋
あ ・ 世 界 や 大 事 な も の 伊 豆 の ひ や が 手 柄 大 主 の 御 果 報 わ し た ま で ん蔵
波
あ ・ 一 大 事 な 事 よく
や あ 伊 豆 の ひ や 誠 忠 節 の 印 顕 て同
人
や
あ
く
見 れ ば 肝 ち や さ ど 我 身 ん 又 あ し が 一 50 一組 踊 「久 良 葉 大 主」 (大湾 敵 討) につ い て (當 問) 急 ぢ 引 立 て 首 ゆ は に り