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玉川大学学術研究所菌学応用研究センター(TAMA)のカルチャーコレクションの現状と課題

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Academic year: 2021

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Microb. Resour. Syst. Dec. 2018 Vol. 34, No. 2

1.カルチャーコレクションの特徴  本センターは,微生物のなかでも特にカビ・きのこ に代表される真菌を中心に収集している.カルチャー コレクション(以降,「菌株バンク」と呼ぶ)を構成す る菌株には,土壌,落葉などから分離される腐生性の 菌類だけでなく,罹病葉,昆虫,きのこなどの生体か ら分離される菌類に由来するものも多い.菌株の保有 数は 20,000 株を超えるが,ほとんどが形態情報を基に 同定されたものであり,現在特定の遺伝子配列を用い てより正確な同定を目指しているところである.これ らの作業を通じて分類学的に信頼のおけるものから順 次公開し,学内外の研究者・教育関係者へ分譲を行っ ている.さらに,医薬・農薬のリード化合物への展開 を見据え,菌株の培養抽出物や,きのこ子実体の抽出 物をおよそ 20 万サンプル保有しており,これらは学 内研究者に利用されているだけでなく本学発のベン チャー企業を通じて外部に向けた販売も行っている. 菌株の保存は,-80℃のディープフリーザー内で行 い,この際 1 菌株につき最低 2 本以上のバイアルを保 管している.また,保存時にマンセルチャートを用い て菌糸の色データを記録し,菌を復起させた際の確認 の指標にしている. 2.大学の附置機関としての位置づけ  本センターは玉川大学の附置機関の一つであり,学 内の研究成果を社会貢献に結び付けるという役割をも つ.すなわち,社会貢献と内部への貢献の両立が求め られている.菌株バンクは医薬,農薬,食品などの分 野において重要な「宝の山」であることは言うまでも ないが,短期的に実用化に結びつくような成果を示し にくいという性質がある.さらに,そもそも菌株バン クが,大学の受験者増につながるようなアドバルーン の役目を果たすことも難しいと言わざるをえない.こ のような背景から,菌株バンクの重要性が大学全体に 浸透せず,現在のところスタッフは全員他部署との兼 任で,専任のスタッフがいないという人員配置となっ ている. 3.将来に向けた課題  菌類バンクを維持し継承していくうえで,以下の 2 点の課題解決が重要であると考えており,地道ではあ るがより良い体制となるよう取り組みを進めている.  一つ目は,菌株バンクの保管,分譲にかかわる管理 体制の強化である.本センターはアジア地域における 国際貢献を進めることを視野に入れており,国内だけ でなく,国外からの依頼にも迅速に対応するための整 備を進めることが課題となっている.このため菌株バ ンクの管理経験者を専任で雇用する必要があると考え ている.  二つ目は,菌株バンクの質の維持である.前述のと おり,生育した菌株の細かい菌叢の様子や生育の様子 などのチェックは担当者の経験的なものに頼らざるを えない.このために,広い分類群において熟練した同 定技術を備えた人材の登用が欠かせないと考えてい る.

Microb. Resour. Syst. 34(2):111, 2018

玉川大学学術研究所菌学応用研究センター(TAMA)の

カルチャーコレクションの現状と課題

石崎孝之

玉川大学学術研究所菌学応用研究センター 〒194-8610 東京都町田市玉川学園 6-1-1

The roles and tasks of Mycology & Metabolic Diversity Research Center, TURI

Takayuki Ishizaki

Mycology & Metabolic Diversity Research Center, Tamagawa University Research Institute 6-1-1, Tamagawagakuen, Machida, Tokyo 194-8610, Japan

参照

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