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わが国製造企業における人的資源管理 : 機械,電機,自動車製造事業所の実証分析

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(1)論. わが国製造企業における人的資源管理 一機械,電機,自動車製造事業所の実証分析-. 松. 井. 美. 樹. 理を米国と対比的に調査し,その利点から学ぼ 1.はじめに. うとする研究がいくつか行われた.例えば,. わが国の製造企業における人的資源管理はま. さに変革期を迎えてi3り,これまでの日本的経. MIT産業生産性委員会を中心としたDertouzos (1989)では,初等教育から企業内技能訓 etal.. 営を支えてきた終身雇用や年功序列といった制. 練までを含めて人的資源開発を無視してきたこ. 度的基盤の意義が厳しく問い直され,より流動. とを反省し,技術系人材の育成,技能の幅の拡. 的かつ競争的な雇用慣行の確立が指向されてい. 大,責任と関与の増大,集団主義と個人主義の. る.リストラやBPRに代表されるこのような. 混合,雇用の維持・安定に産官学こぞってエネ. 動きは製造企業の活性化と効率性向上に資する. ルギーを注ぐべきことが主張されている.. 反面,雇用不安を招いて不況感を煽るとともに,. 年代に復権を遂げた米国製造企業の多くは,日. 終身雇用と年功序列を前提として構築されてき. 本企業とは逆に雇用の安定と集団主義を促進す. たよりミクロな人的資源管理アプローチを根底. る方向に動いたのである.理想の製造システム. から崩す危険性を学んでいる.例えば,広範で. を求めて,日米両製造企業はお互いの利点に学. 緊密なコミュニケーション・チャネル,チーム. び,歩み寄った格好である.. 指向,継続的改善活動,継続的技能訓練,現場. 1990. 変化の激しい製造業において長期的な競争優. への権限・責任の委譲等は,わが国製造企業が 国際競争力を獲得する上で重要な役割を果たし. 位を維持し続ける手段として,的確な人的資源. たと指摘される人的資源管理の特質であるが,. 1985)が提示した競争構造を決定づける5つの. これらは雇用の流動化や作業者間の競争意識と. 要因,すなわち,参入障壁,顧客の転換費用,. は矛盾する側面が強い. 他方,元来,競争的な労働市場と個人主義的. 競争の基盤,供給業者との力関係,新製品開発. 価値に直面してきた米国の製造企業は1970年. 争優位の源泉となる品質の向上,製造原価の低. 代から1980年代にかけて著しい国際競争力の (1985), 低下を経験し,それを契機にSkinner. 減,リードタイムの短縮,変化に対する適応力. Wheelwright. and Ha㌍s. (1985). ,. Roth. and Miller. 管理は不可欠な存在である.. Porter. (1980,. 等へのインパクトを問うことが必要であり,読. の増強等に対して人的資源管理がいかなる影響 を及ぼすかを評価することも重要となる. う 概念を最初に提唱. した. (1992)に示されるような製造業への関心が復. WCMと. 活するとともに,わが国製造企業の戦略的行動,. Sch血berger. 技術開発,生産システム,. れる特徴のひとつとして,優れた人的資源の取. TQC,人的資源管. い. (1986)は,. WCMに顕著に見ら.

(2) 46. (182). 横浜経営研究. 第ⅩⅩ巻. 第3号(1999). 得・育成・配置を重視する基本姿勢を挙げてい. 対象製造事業所の選定方法等,詳細については. る.. 松井(1996)を参照せよ.. 本論の目的は,製造事業所を中心とした人的. 回答のコーディング,リバース尺度の変換等. 資源管理が有効に機能するには,どのような前. を行っ_た後,. 提条件が満たされていなければならないか,享. 築された.ひとつは,個々の回答者の回答をベ. た,人的資源管理がJIT生産,. ースとした個人レベルのデータベースで,. TQM,情報シ. ステム,技術開発,オペレーション戦略とどの. 2つのレベルのデータベースが構. ような関連を持っているのか,果たして製品の. 1,196レコード(-26名×46事業所)を含む. 主に,定性的で主観的な判断を伴う変数の測定. 競争力を高めることに繋がるのかといった論点. 尺度を構成する際に,その信頼性と妥当性をチ. を最近のデータを用いて実証的に検討すること. ェックするために用いられる.もうひとつは, 個々の回答者の回答を集約した製造事業所全体. にある.そのためには,. Flynnetal.. (1990)が. 提示した実証分析の方法論に従って設計された. 質問調査票を用いてデータを収集し,人的資源. の測定値をベースとする工場レベルのデータベ. 管理の諸側面に関する測定尺度を個別に検討し. ースであり,レコード数は46である.個別質 問項目ないし測定尺度の製造事業所全体の測定. ておく必要がある.これらの一連の研究を基礎. 値としては,該当する質問項目のすべての回答. として新たな質問票を開発し,. 5カ国の製造事 業所を対象にデータ収集を行っているが,本論. 者の回答を平均した値を採用した. 4節を始め,. ではこのうちわが国46製造事業所に関するデ. スに基づくものである.. 主要な実証分析はこの工場レベルのデータベー. 両データベースを用いて,次節では,製造企. ータのみを用いた分析結果を報告する. まず次節で分析データについて簡単に述べた. 業における人的資源管理に関する測定尺度につ. 級,. いて検討する.. 3節で人的資源管理に関する測定尺度の信. 頼性と妥当性をチェックする.この測定尺度を 用いて,. 4節でわが国の製造企業における人的 資源管理の特徴を明らかにするとともに,その. 3.人的資源関連測定尺度の信頼性と妥当性 製造企業における人的資源管理に関連する測. 他の生産管理システム要素や製品の競争力との. 定尺度として,ここでは,. 関連性を調べ,最後に,結論と今後の課題につ. 書化」,. いて触れる.. 「採用・選 ン」, 「管理者・技術者の現場支援」, 抜基準」, 「チームワークへの動機づけ」, 「小集. 2.データ. 分析データは,世界的水準製造システムに関. 「現場作業手続の文. 「監督者と作業者のコミュニケーショ. 団活動による問題解決」,. 「改善提案制度の機能. 化」, 「製造と人的資源の適合度」,. 「継続的技能. する国際比較研究の一環としてわが国の46製. 訓練」,. 造事業所に対する質問票調査により収集され. 貢性」, 「技能の幅を考慮した報酬体系」,. た.対象業種は典型的加工組立型製造業である. ジメントの経験の幅」,. 機械,電機,輸送機器(自動車関係)の3業種. 個を取り上げた.各測定尺度を構成するために. で,我々がWCMとして選定した企業の製造事. 用意した質問項目は以下に示すように3個から. 業所が32あり,残り14は無作為抽出によって. 7個で,質問項目番号の後に続くNはノーマ. 選定された.いずれの製造事業所においても,. ル尺度, Rはリバース尺度によって測定されて. 重複部分は相当量あるが基本的には異なった 15種類の質問調査票に工場長から直接要員ま. いることを示している.すべての質問項目は5 点リッカート尺度で測定されており, 1-全く. での26名が回答している.質問調査票の概要,. 同意しない,. 「多能工の育成」, 「報酬と製造目標の「マネ. 「雇用の安定化」の14. 2-余り同意しない,. 3-どちら.

(3) (183). わが国製造企業における人的資源管理(松井美樹) とも言えない,. 4-かなり同意する,. 5-強く. 47. ルデータによる結果を優先して,最終的に採用. 同意する,の5段階を用いている.回答者は,. する質問項目と測定尺度を決定した.. 副工場長,生産技術担当者,品質管理担当者,. ( 1 )現場作業手続の文書化 この尺度は,オペレーションのために重要な. 情報システム担当者,人事労務担当者,現場の 監督者2名,現場の直接要員12名の計19名中. 知識を文書として持っているか否かを評価しよ. の3から13名である. 信頼性については,測定尺度の内的整合性を. うとするもので,以下の7つの質問項目から構. 表すα係数を基準に判定した.新たに開発され た測定尺度が信頼に足ると判断されるには,こ のα係数の値が0.6以上でなければならない. また,尺度構成の妥当性を調べるためには,用. 成される.回答者は,現場の監督者2名,現場 の直接要員4名の計6名である. ①R 製造現場手順書は工程改善にはほとん ど役に立っていない.. ②N. 機械操作手順は工程改善のための有効 な手段である.. 意した質問項目に対する因子分析が一般に利用 される.因子分析の結果,固有値が大きく寄与. ③N. 製造現場の作業者は操作手順書を容易. ④N. に閲覧できる. 製造現場が改善されると製造手順書も. 率が高い単一因子が抽出され,すべての質問項 目に対する因子負荷量が0.4以上であれば,こ. 改訂される.. れらの質問項目から測定尺度を構成することが 妥当と判定される.ここでは,初期解として主. ⑤R. たとえ改善可能であっても,製造手順 書をなかなか変更しない.. ⑥N. 我々の製造手順書は明確で使いやす. 成分解を用い,固有値が1を超える因子のみを 抽出した.. 信頼性と妥当性のテストにおいては,. い.. WCM. 企業の製造事業所の個人レベルデータ,無作為. ⑦R. 実際の作業手順は製造現場手順書に書 かれているものとは非常に異なる.. 抽出された製造事業所も含めた全事業所の個人 レベルデータおよび工場レベルデータの3種の. 表1には,これら7個の質問項目を用い,. データベースを利用した.これらの分析結果に. wcM企業の製造事業所の個人レベルデータ,. 食い違いがある場合には,全事業所の個人レベ. 無作為抽出された製造事業所も含めた全事業所. 表1信頼性と妥当性(現場作業手続の文書化) 全事業所. wcM. 個人レベルデータ. 個人レベルデータ. 工場レベルデータ. 0.74555. 0.76183. 0.86484. 0.69704. 0.735 12. 0.69486. 0.81900. 0.56 1 72. 0.59407. 0.52887. 0.55211. 0.56031. 削除. 0.61274. 0.67654. 0.63538. 0.6 1004. 0.66338. 0.84790. 0.65447. 0.65098. 0.65410. 0.75113. 0.65484. 0.65317. 0.6474 1. 0.75419. 0.71259. 0.73498. 0.68237. 0.78219. 固有値:. 2.8840. 2.656 1. 2.8907. 3.8971. 寄与率:. 41.20%. 44.27%. 41.30%. 55.67%. α係数:. 0.76074. 因子負荷量(第一因子のみ) ①②③④⑤⑥⑦ 抽出因子数:. 2. 1. 1. 1.

(4) 48. (184). 横浜経営研究. 第】Ⅸ巻. 第3号(1999). の個人レベルデータおよびエ場レベルデータそ. and. れぞれについて計算されたα係数と因子分析. 目は以下の3個である.回答者は,副工場長,. の結果が示されている.いずれのデータについ. 情報システム担当者,人事労務担当者,現場の. ても, α係数は基準値0.6を大きく超えており,. 監督者2名,現場の直接要員8名の計13名で. 信頼性に関しては問題ないとみなされる.一方,. ある.. 妥当性については,. Bowers. WCM企業の製造事業所の 個人レベルデータを用いた因子分析の結果,固. ①N. 有値が1を超える因子が2つ抽出された.ただ. ②N. に示されている第一因子の因子負荷量はすべて 基準値o.4を超えており,最低の質問項目③で. 監督者は部下の従業員にチームとして 働くよう奨励する.. し,第二因子に対応する固有値は1.02で,わ ずかに-1を超えているにすぎない.また,表1. (1972)に従って利用する質問項. 監督者は部下の従業員に意見ヤアイデ. アを交換するよう奨励する. ③N. 監督者は部下が議論し合えるグループ ミーティングを頻繁に開く.. 表2に示されているように,上記3個の質問. も0.56という水準にある.質問項目③は第二. 項目を用いた場合,いずれのデータについても. 因子と関連の強い質問項目の1つであり,バリ. α係数の値は基準値o.6を超えているので,伝 頼性上大きな問題はないとみなされる.一方,. マックス回転後の第一因子負荷量も0.07で最 低であることから,その他の質問項目とは異な. 因子分析の結果,固有値が1を超える第一因子. った意味合いを持っている可能性もあると判断. のみが抽出され,その因子負荷畳も全て基準値. し,これを除いた6つの質問項目を用いて信頼. 0.4を大きく上回っており,すべて0.7以上で. 性と妥当性を再チェックした.質問項目③を除. ある.寄与率もすべてのデータについて60%. くことによって,因子負荷量がすべて0.5を大. を超えており,構成安当性についても満足でき. きく上回る単一因子が抽出され,その寄与率も 44%に上昇したが,他方,その間有償は2.88. 「監 る水準にあると判断される.したがって, 督者と作業者のコミュニケーション」の測定尺. から2.66へ低下した.. 度として,上記3個全ての質問項目の算術平均. α係数の値もo.76から. 0.75へ若干ながら低下し,内的整合性はむしろ. 値を採用することとしf=.. 悪化してしまったと言える.. (3)管理者・技術者の現場支援. WCM企業の製造 事業所に無作為抽出された製造事業所も加えた. この尺度は,製造現場における管理者,技術. 全事業所を対象としたデータを用いた場合に は,個人レベル,工場レベル,いずれのデータ. であっても,すべての質問項目を用いて因子分 析を行った結果,単一因子が抽出されている.. 表2. 信頼性と妥当性 (監督者と作業者のコミュニケーション) WCM. ここでは全事業所の個人レベルデータの結果 を最優先するという原則に従い, 「現場作業手 続の文書化」の測定尺度として,上記7個全て α係数:. の質問項目の算術平均値を使用する. (2)監督者と作業者のコミュニケーション. 全事業所. 個人レベル. 個人レベル. 工場レベル. データ. データ. データ. 0.65911. 0.72062. 0.90467. 因子負荷量(第一因子のみ). この尺度は,監督者が作業者とのコミュニケ ーションを通じて,作業改善のためにお互いに 意見を交換したり,協力し合うなど,チームと. (丑. o.74237. 0.79675. 0.92608. ②. o.81771. 0.82328. 0.94045. @. o.76529. 0.78870. 0.90203. 固有値:. 1.8054. 1.9346. 2.5557. して働くように作業者を動機づけることに成功. 寄与率:. 60.18%. 64.49%. 85.19%. しているかを測定しようとするもので,. 抽出因子数:. Taylor. 1. 1. 1.

(5) わが国製造企業における人的資源管理(松井美樹). (185). 49. 者,作業者間の相互作用の水準を評価しようと. ルデータを用いた因子分析では因子負荷量がす. するもので,以下の6個の質問項目が用いられ た.作業者と技術者や管理者の間の相互作用は. べて0.5を超える単一因子が抽出されたが,全 事業所及びWCM企業の製造事業所の個人レベ. 問題解決と種々の改善を促進するものと考えら. ルデータを用いた因子分析の結果,固有値が1. れる.回答者は,副工場長,情報システム担当. を超える因子が2つ抽出された.第二因子に対. 者,人事労務担当者,現場の監督者2名,現場. 応する固有億はそれぞれ1.19と1.14で,寄与. の直接安貞8名の計13名である. ①N 製造エンジニアの多くは製造現場内に. 率はともに2割近くを占めている.ただし,両. (参N. ③N. ④N ⑤N ⑥N. データについても,第一因子の因子負荷量はす. オフィスがある.. べて基準値o.4を超えており,全事業所の個人. この工場の管理者はフェイス・ツー・. レベルデータを用いた場合の質問項目(彰の0.59. フェイスの頻繁な接触を行うべきだと. が最低水準である.両データとも,質問項目④. 信じている.. は第二因子と強い関連を持ち,バリマックス回. 生産が停止したときに直ちに支援でき. 転後の第一因子負荷量も最低であることから,. るよう,技術者は製造現場の近くにい. その他の質問項目とは異なった意味合いを持っ. る.. ている可能性も考えられる.実際,製造現場に. 工場管理者をほとんど毎日製造現場で. 隣接してオフィスを設け,必要なときにはいつ. 見かける.. でも管理者が現場に出掛ける体制が整っている. 必要な時にはいつでも管理者は製造現. ことと工場長や副工場長を毎日製造現場で見か. 場にすみやかに来てくれる.. けることとは必ずしも一致しない場合もあろ. 製造エンジニアは生産上の問題を解決. う.そこで,全事業所及びWCM企業の製造事. するために製造現場にいる.. 業所の個人レベルデータについては,質問項目. 表3によれば,上記6個の全質問項目を用い. ④を除いた5つの質問項目を用いて信頼性と妥. て計算されるα係数の値はいずれのデータにつ. 当性を再検討した.その結果,両データとも,. 0.7以上であるから, いても基準値を上回り, 信頼性には特段の問題はない.他方,妥当性に. 因子負荷量がすべて0.5を上回る単一因子が抽. ついてはやや難点がある.全事業所の工場レベ. データで2.63から2.30へ,. 表3. 出されるに至ったが,その固有値は全事業所の. 信頼性と妥当性(管理者・技術者の現場支援) WCM. 全事業所. 個人レベルデータ α係数:. WCM企業の製造事. 0.72170. 個人レベルデータ. 工場レベルデータ. 0.68212. 0.73624. 0.702 14. 0.84322. 0.62866. 0.67986. 0.65195. 0.69262. 0.76276. 0.59439. 0.51858. 0.59243. 0.53477. 0.82701. 0.75362. 0.75901. 0.7624 1. 0.60075. 削除. 0.62099. 因子負荷量(第一国子のみ) ①②③④⑤. 0.78146. 0.91399. 0.58812. 削除. 0.51058. 0.54581. 0.63393. 0.5546 1. 0.64667. 0.70446. 0.78860. 0.72 107. 0.78503. 0.83043. 固有値:. 2.5592. 2.2270. 2.6250. 2.3003. 3.4696. 寄与率:. 42.65%. 44.54 %. 43.75%. 46.01%. ⑥. 抽出因子数:. 2. 1. 2. 1. 57.83 % 1.

(6) 50. 横浜経営研究. (186). 第ⅩⅩ巻 第3号(1999). 業所のデータで2.56から2.23へとかなりの低. 表4. 信頼性と妥当性(採用・選抜基準). 下を示した. は0.70,. α係数の値も全事業所のデータで WCM企業の製造事業所のデータでは. 個人レベル. 個人レベル. 工場レベル. データ. データ. データ. 0.68794. 0.69320. 0.82977. 0.70264. 0.65930. 0.76667. 0.69496. 0.71 722. 0.82772. 0.65145. 0.70055. 0.84406. 0.65725. 0.64575. 0.74689. 0.64290. 0.63948. 0.69678. 固有値:. 2.2464. 2.2658. 3.0287. 寄与率:. 44.93%. 45.32 0/o. 60.57%. 0.68-と低下し,内的整合性はむしろ悪化して. しまったが,基準値の0.6はクリアしている. 以上の考察を踏まえて,. 全事業所. WCM. α俸数:. 「管理者・技術者の現. 場支援」の測定尺度として,上記6個の全質問. 因子負荷量(第一因子のみ) ①②③④⑤. 項目の算術平均値に加えて,質問項目④を除く 5個の質問項目の算術平均値も計算したが,以 下の分析では前者を採用することとした.. (4)採用・選抜基準 この尺度は,チームワークと問題解決に対す. る積極的態度を持ち,組織の価値に適合した価 値観をもつ人が求められ,高いコミットメント. 抽出因子数:. 1. 1. 1. を持ちつつその組織に留まる可能性が高いとい う考えを反映したもので,以下の6個の質問項. この尺度は,あらゆるタイプの従業員への給. 目によって測定された.回答者は,生産技術担. 与,昇進等,グループないしチームに対するイ. 当者,品質管理担当者,現場の監督者2名,現. ンセンティブを測定しようとするもので,以下. 場の直接要員8名の計12名である.. の3個の質問項目が用いられた.回答者は,坐. ①N ②N. 我々は従業員選抜の基準としてチーム. 産技術担当者,品質管理担当者,現場の監督者. で働く態度ないし熱意を用いる.. 2名,現場の直接要員8名の計12名である. ①N チームへの参加と企業での経験が昇進. 我々は従業員選抜の基準として問題解 決能力を用いる.. ③N. 我々は従業員選抜の基準として仕事に. のポイントになる.. (参N. 能力が重要である.. 対する価値観と行動態度を用いる. ④N. 製造工程改善のアイデアを提供できる. ③N. 我々は小集団でうまく働ける従業員を 選抜する.. 表4が「採用・選抜基準」の信頼性・妥当性 分析の結果である.上記5個の全質問項目を用 いた場合,すべてのデータについてα係数は基 準値0.6を上回っており,また,固有値,寄与. チーム参加のいかんが業績評価の重要 な部分である.. 従業員を選抜する. (9N. 昇進するためには,他人と一緒に働く. 上記3個の質問項目をすべて用いた場合の信 頼性と妥当性の分析結果が表5に示されてい る.. WCM α係数が基準値o.6を超えたのは, 企業の製造事業所の個人レベルデータだけであ. 率ともに十分大きい単一因子が抽出され,各質. ったが,いずれの質問項目を除外したとしても, これ以上の改善は不可能であった.他方,妥当 性に関しては,寄与率が5割を超える単一因子. 問項目に対する因子負荷量も0.6以上となって. が抽出され,各質問項目に対する因子負荷量も. いる.したがって,信頼性および妥当性の両面 「採用・選抜 で測定上の問題はないと判断し, 基準」の測定尺度として,全質問項目の算術平. 1つを除いて0.7を超えているため,特段の問. 題はないと判断される.全事業所の個人レベル. 均値を採用することとした.. データによる結果を優先するという意味では, 信頼性に疑問が残るが,少なくともWCM企業. (5)チームワークへの動機づけ. の製造事業所の個人レベルデータについては基.

(7) わが国製造企業における人的資源管理(松井美樹) 「チームワー. 準をクリアしていることもあり,. (187). 51. 各質問項目に対する因子負荷畳もすべて基準値. クへの動機づけ」の測定尺度として,全質問項. 0.4以上となっている.したがって,信頼性お. 目の算術平均値を用いることとした.. よび妥当性の両面で測定上特段の問題はないと 判断し, 「小集団活動による問題解決」の測定. (6)小集団活動による問題解決 この尺度は,継続的改善のために現場のチー. 尺度として,上記5個の全質問項目の算術平均. ムを有効活用しているかどうかを評価しようと するもので,以下の5個の質問項目から構成さ. れ畠.回答者は,生産技術担当者,品質管理担. 値を用いることとした. (7)改善提案制度の機能化 この尺度は,従業員の改善提案に対するマネ. 当者,現場の監督者2名,現場の直接安貞8名. ジメントの反応やフィードバックに関して従業. の計12名である.. 員がどのように感じているかを測定しようとす. ①N. (丑N. 会議では,決定を下す前に全てのチー. るもので,以下の5個の質問項目が用いられた.. ムメンバーの意見とアイデアを聴取す. 回答者は,現場の監督者2名,現場の直接要員. るよう努力している.. 4名の計6名である.. 我々の工場では問題解決のためにチー. ①N. マネジメントは製品と工程の改善提案 を全て真面目に受けとめる.. ②N. この工場では業績改善提案をするよう. ムを編成している.. ③N. 過去3年間に小集団の問題検討会によ. ④N. って多くの問題が解決されてきた. 問題解決チームは工場での製造工程改. ⑤N. 奨励している.. ③N. 善に貢献してきた.. マネジメントは我々の提案が実施され たか,あるいは採用されなかった理由. 従業員チームは自分達が抱える問題を. を説明してくれる.. できる限り自力解決するように奨励さ. ④N. この工場では多くの有益な提案を実施. れる.. している.. 「小集団活動による問題解決」の信頼性・妥. (9N. この工場で製造工程を改善できる方法. 当性分析の結果が表6である.上記5個の全質. を思いつけば,マネジメントに提案す. 問項目を用いた場合,すべてのデータについて. る.. α係数は基準値o.6を上回っており,また,固 有値,寄与率ともに大きい単一因子が抽出され,. 表5. 表6. 信頼性と妥当性(小集団活動による問題解決) WCM. 信頼性と妥当性(チームワークヘの動機づけ) 全事業所. WCM. α係数:. 個人レベル. 個人レベル. 工場レベル. データ. データ. データ. 0.60753. 0.55883. 0.54678. (ら @. o.77620. 0.74765. 0.75609. o.73669. 0.72094. 0.72440. ③. 個人レベル. 個人レベル. 工場レベル. データ. データ. データ. 0.61154. 0.70813. 0.86456. 因子負荷量(第一因子のみ) ①②③④⑤. 因子負荷量(第一因子のみ). α係数:. 全事業所. 0.55522. 0.57694. 0.72855. 0.72042. 0.74378. 0.87132. 0.67242. 0.73293. 0.81635. 0.69203. 0.76693. 0.86649. o.73216. 0.71796. 0.69314. 0.46239. 0.56143. 0.77109. 固有値:. 1.6813. 1.5942. 1.5769. 固有値:. 1.9721. 2.3266. 3.3018. 寄与率:. 56.04%. 53.14 %. 52.56%. 寄与率:. 39.44%. 46.53 %. 66.04%. 抽出因子数:. 1. 1. 1. 抽出因子数:. 1. 1. 1.

(8) (188). 52. 横浜経営研究. 第ⅩⅩ巻 第3号(1999). 表7が「改善提案制度の機能化」の信頼性・. 製造工程に変更があるときには製造部. (9N. 門は人事部門と協同する.. 妥当性分析の結果である.上記5個の全質問項 目を用いた場合,すべてのデータについてα係. ⑥N. 従業員の新技能訓練において製造部門. 数は0.7を超える水準にあり,また,固有値,. が重要だと思っていることを人事スタ. 寄与率ともに十分大きい単一因子が抽出され, その因子負荷量もすべての質問項目に対して. ッフは知っている. 「製造と人的資源の適合度」の信頼性・安当. 0.6を上回っている.信頼性と構成妥当性とも. 性分析の結果が表8に示されている.上記6個. 満足できる水準にあると判断し,. の全質問項目を用いた場合,すべてのデータに. 「改善提案制. 度の機能化」の測定尺度として,上記5個の全. 質問項目の算術平均値を用いることとした. (8)製造と人的資源の適合度. ついてα係数は0.7をはるかに超える水準にあ り,また,固有値,寄与率ともに十分大きい単 一因子が抽出され,その因子負荷畳もすべての 質問項目に対して0.5を大きく上回っている.. この尺度は,職務設計と継続的訓練プログラ. ムにおいて製造と人的資源がどの程度適合して. 信頼性と構成妥当性とも高いと判断し,. いると認知されているかを評価しようとするも. と人的資源の適合度」の測定尺度としては,上. ので,以下の6個の質問項目が用いられた.回 答者は,人事労務担当者と現場の監督者2名の. 記6個の全質問項目の算術平均値を利用するこ. 計3名である.. (9)継続的技能訓練. ①N ②N ③N ④N. 職務規定書を作成するときには人事部. 「製造. ととした.. 門は製造部門と密接に連絡をとる.. この尺度は,技能・能力に優れた労働力を維 持するために,従業員の技能や知識が不断に向. 職務設計は製造と密接に調整されてい. 上しているかどうかを評価しようとするもの. る.. で,以下の5個の質問項目が利用された.回答. 人事部門は製造部門と密接で良い業務. 者は,生産技術担当者,品質管理担当者,現揚. 関係を持っている.. の監督者2名,現場の直接要員8名の計12名. 従業員の人事や訓練啓発は製造部門と. である.. 密接に調整されている. 表8 表7. 信頼性と妥当性(製造と人的資源の適合度). 信頼性と妥当性(改善提案制度の機能化) WCM. 全事業所. 個人レベル. 個人レベル. 工場レベル. データ. データ. データ. 0.72132. 0.71829. 0.81614. α係数: α係数:. 全事業所. WCM. 個人レベル. 個人レベル. 工場レベル. データ. データ. データ. 0.78883. 0.81406. 0.83009. 0.72910. 0.7403 1. 0.74432. 0.66270. 0.69376. 0.71 989. 0.80455. 0.82260. 0.82637. 0.76087. 0.77867. 0.82345. 0.53432. 0.58 148. 0.63636. 因子負荷量(第一因子のみ) ①②③④⑤. 因子負荷量(第一因子のみ) 0.82419. 0.63870. 0.64343. 0.71 679. 0.67495. 0.60796. 0.72870. 0.70602. 0.74454. 0.83000. 0.68769. 0.67746. 0.72304. 0.70447. 0.71 1 12. 0.67372. 固有値:. 2.4030. 2.4044. 2.9358. 固有値:. 2.9788. 3.1562. 3.2921. 寄与率:. 48.06%. 48.09%. 58.72 %. 寄与率:. 49.65%. 52.60%. 54.87%. ①②③④⑤. 0.75370. 0.77939. 抽出因子数:. 1. 1. 1. ⑥. 抽出因子数:. 1. 1. 1.

(9) わが国製造企業における人的資源管理(松井美樹). (丑R ②R. 業界水準と比較して我々の工場の技能. 6個の質問項目が用いられた.回答者は,生産. 水準は低い.. 技術担当者,品質管理担当者,現場の監督者2. この工場では重要な技能に欠ける従業. 名,現場の直接要員8名の計12名である.. 員がいる.. ③N. ①N. 従業員は定期的に技能の訓練および啓 発を受けている.. ④N. (むN. 継続的訓練と向上が重要であると信じ. 従業員は複数の仕事を遂行できるよう 従業員は多様な仕事ないし職務の遂行 に習熟する.. ③N. この工場に長くいればいるほど,学ぶ. ④N. ことも多くなる. 従業員は多能工として訓練されている. ている.. 従業員は業界平均以上の技能を備えて. 53. 訓練を受ける.. この工場の管理者は,従業員の技能の. ⑤N. (189). いる.. ので,必要があれば他の従業員に代わ. 「継続的技能訓練」の信頼性・妥当性分析の. 結果が表9である.上記5個の項目をすべて用. ⑤R. 方法だけを学ぶ.. いた場合,すべてのデータベースについて,. α係数は0.7を超えており,また,固有債,育. (参R. 与率ともに大きい単一因子が抽出され,その因. 幅広い技能を身につけるよりも技能に 深く習熟することを奨励している.. 子負荷量もすべての質問項目に対して0.5を上 回っている.信頼性と構成妥当性とも満足でき る水準にあると判断し,. って作業できる. 従業員はただ一つの仕事ないし職務の. 「継続的技能訓練」の. 表10には,これら6個の質問項目をすべて 用いた場合のα係数と因子分析の結果が示され ている.いずれのデータについても,. α係数は. 測定尺度としては,上記5個の全ての質問項目. 0.6を超えており,信頼性は概ね満足できると. の算術平均値を用いることとした. (10)多能工の育成. 判断される一方,構成妥当性に関しては注意を 要する.. この尺度は,従業員が多種の職務を遂行でき. WCM企業の製造事業所及び全事業所. るよう異なった職務/領域に関する訓練を受け. の個人レベルデータについては,固有値が1を 超える因子が2個抽出されたが,第二因子と特. ているかどうかを測ろうとするもので,以下の. に強い関連を持つのは質問項目(むである.この 質問項目の第一因子負荷量は表10に示されて. 表9. いるようにすべて負債となっている.幅広い技 能を身につけることと特定技能に深く習熟する. 信頼性と妥当性(継続的技能訓練) 全事業所. WCM. こととは究極的にはトレードオフの関係にある. 個人レベル. 個人レベル. 工場レベル. データ. データ. データ. 0.71641. 0.75868. 0.88489. としても,実際には,多数の技能に習熟するこ とが求められることがしばしばある.あるいは,. α係数:. 一つの技能に深く習熟した後に,その関連領域 に属する技能も身につけるように奨励されるこ. 因子負荷量(第一因子のみ) 0.81 546. 0.89373. ともある.多能エの育成に積極的な工場が技能. 0.55573. 0.57335. 0.71292. の習熟度に無頓着とは到底考えられない.この. 0.71289. 0.74233. 0.87505. 0.58726. 0.65577. 0.88367. ような要隙から,質問項目⑥は他の質問項目と. 0.79325. 0.79598. 0.86445. 固有値:. 2.4314. 2.6084. 3.6009. のと思われる.この質問項目⑥を削除すること. 寄与率:. 48.63%. 52.17%. 72.02%. により,すべての因子負荷量が0.5を超える単. ①②③④⑤. 0.8001 1. 抽出因子数:. 1. 1. 1. は異質な意味が含まれていると受け取られたも. 一因子が抽出されるようになり,また,. α係数.

(10) (190). 54. 第ⅩⅩ巻. 横浜経営研究. 表10. 第3号(1999). 信頼性と妥当性(多能工の育成) 全事業所. WCM. 個人レベルデータ. 工場レベルデータ. 0.70659. 0.61151. 0.69928. 0.81857. 0.89067. 0.79928. 0.80330. 0.78539. 0.78865. 0.83 103. 0.83472. 0.61893. 0.59669. 0.63578. 0.62192. 0.81582. 0.82068. 0.55171. 0.54684. 0. 58655. 0.58020. 0.86736. 0.86843. 0.74046. 0.74352. 0.71848. 0.71 960. 0.87489. 0.87326. 0.67932. 0.69324. 0.63592. 0.65340. 0.8 1996. 0.81905. 削除. - 0,15380. 0.62240. α係数:. 個人レベルデータ. 因子負荷量(第一因子のみ) G) ②③④⑤⑥ -. 0.12369. 削除. 削除. - 0.20712. 固有値:. 2.3514. 2.3338. 2.3094. 2.2901. 3.5892. 3.5579. 寄与率:. 39.19%. 46.68%. 38.49%. 45.80%. 59.82%. 71.16%. 抽出因子数:. 2. も大きく上昇している.したがって,. 1. 「多能工. 2. 1. 1. 1. 表11には,これら6個の質問項目をすべて. の育成」の測定尺度として,上記6個全ての質. 用いた場合のα係数と因子分析の結果が示され. 問項目の算術平均値に加えて,質問項目⑥を除. ている.いずれのデータについても,. く5個の質問項目の算術平均値も計算し,以下. 0.7を超えており,信頼性は概ね満足できるレ. の分析では後者を採用することとした. (ll)報酬と製造目標の一貫性. ベルと判断される.一方,構成妥当性に関して. この尺度は,工場の報酬体系が製造目標と一 致していると従業員が感じているかどうかを測. タを用いた場合だけであるが,質問項目(釘の第. は,. α係数は. WCM企業の製造事業所の個人レベルデー. 定しようとするもので,以下の6個の質問項目. 一因子負荷量が僅かに0.4を下回っており,荏 意を要する.全事業所の個人レベルデータに関. が用いられた.回答者は,現場の監督者2名,. しても,この賓問項目⑥の因子負荷量はかろう. 現場の直接要員4名の計6名である.. じて0.4を上回るにすぎない.また,質問項目. ①N ②N. (参N ④N (9R (むR. 我々の報奨制度は工場の目標を精力的. (9はいずれのデータを利用した場合でもその第. に追求するように奨励する. この工場の報奨制度は工場の目標を達. 一因子負荷量が0.4代に留まっており,決して 高い値とは言えない.この2つの質問項目は報. 成した人々に公正に報いるものであ. 酬と製造目標の不一致度を測定しようとするリ. る.. バース尺度であるが,両者の一致度を測るノー. 我々の報奨制度は工場で最大の貢献を. マル尺度の質問項目の完全な裏返しとは解釈さ. した人々を良く識別できる.. れていないようである.特に質問項目⑥に関し. この工場の報奨制度は工場の目的達成 を指向している.. て,すべての人が同様に報いられることはない ということが,直ちに製造目標に適合した報奨. われわれの報奨制度は工場の目標に合. 制度が採用されていることを意味するものでは. っていない.. ない.そこで,. 工場の目標を達成した人(ないしチー. レベルデータについては,質問項目⑥を削除し. ム)も目標を達成しなかった人も同様. て,信頼性と妥当性を再テストした.その結果,. に報酬が支払われる.. 単一次元性が確保され, α係数も上昇している.. WCM企業の製造事業所の個人.

(11) わが国製造企業における人的資源管理(松井美樹). (191). 55. 表11信頼性と妥当性(報酬と製造目標の一貫性) 全事業所. wcM. 個人レベルデータ α係数:. 個人レベルデータ. 工場レベルデータ. 0.74724. 0. 73686. 0.83568. 0.7814 1. 0.80205. 0.80860. 0.91483. 0.74558. 0.75209. 0. 75585. 0.83870. 0.73234. 0.75149. 0.72900. 0.73616. 0.75946. 0. 78346. 0.89884. 0.48843. 0.47272. 0.41968. 0.45818. 削除. 0.7261 1. 国子負荷量(第一因子のみ) ①②③④⑤⑥. 0.73752. 0.39948. 固有値:. 2.6505. 2.5455. 寄与率:. 44.18%. 50.91 %. 抽出因子数:. 1. 1. 0.40052. 0.55353. 2.7402. 3.3960. 45.67%. 56.60%. 1. 1. このような問題が残るものの,全事業所の個人. 単一因子が抽出されたものの,質問項目③の因. レベルデータを優先するという原則に従い, 「報酬と製造目標の-貢性」の測定尺度として,. 子負荷量は-0.7から-0.8と,絶対値の大きな. 上記6個全ての質問項目の算術平均値を用いる. 制度であるとの想定から質問項目③はリバース. こととした.. 尺度とされたが,少なくともわが国の製造事業. (12)技術の幅を考慮した報酬体系. 所においては,むしろ両者が併用されることが. この尺度は,幅広い技能を身につけた作業者. 負債である.技能給と能率給とは相反する報酬. しばしばあることを示唆する結果となった.与. に対して組織がいかに報いるかを測ろうとする. えられた個々の作業については出来高能率給が. もので,以下の5個の質問項目が用いられた.. 用いられ,習得した技能に対して歩合が付くと. 回答者は,現場の監督者2名,現場の直接要員. いった報酬体系がとられていると考えられる. しかしながら,技能給と能率給との関連には必. 4名の計6名である. (丑N. 報酬制度は技能給制度になっている.. 然性はなく,ここでは技能の幅と関連づけられ. ②N. ここでは多能工ほど給与が高い.. た報酬制度に焦点が置かれていることから,能. ③R. ここで18ま出来高能率給制度を採用して. 率給に関する質問項目(彰を削除して再テストを. いる.. 行った.これにより,すべてのデータについて. ④N. 作業者は作業数に応じて給与を受けて いる.. ⑤N. α係数は0.7を上回り,因子負荷量がすべて o.7を超える単一因子が抽出されるに至った.. 「技術の幅を考慮した報酬体系」. ここでは長期的に新しい職務や技能に. したがって,. 習熟するよう期待されており,それに. の測定尺度として,上記5個全ての質問項目の 算術平均値に加えて,質問項目③を除く4個の. 対して報酬が支払われる.. 表12には,これら5個の質問項目をすべて. 質問項目の算術平均値も計算し,以下の分析で. 用いた場合のα係数と因子分析の結果が示され. は後者を採用することとした.. ている.いずれのデータについても,. (13)マネジメントの経験の幅. α係数は. o.3にも達しておらず,内的整合性に大きな疑. 問があると判断される.構成妥当性については. この尺度は,マネジメントに企業内で幅広い 経験をさせる工夫が講じられているか,マネジ.

(12) 横浜経営研究. (192). 56. 表12. 第ⅩⅩ巻. 第3号(1999). 信頼性と妥当性(技能の幅を考慮した報酬体系) WCM. 全事業所. 個人レベルデータ 0.74448. 0.29389. 0.74638. 0.70483. 0.73937. 0.69457. 0.74465. 0.79981. 0.74451. 0.29058. α係数:. 個人レベルデータ. 工場レベルデータ 0.24320. 0.82267. 0.72273. 0.75202. 0.78212. 0.7851 1. 0.84816. 0.87875. 因子負荷量(第一因子のみ) ①②③④⑤. -. 0.70345. 削除. 0.78362. 0.74349. 0.79434. 削除. - 0.73393. - 0.80154. 削除. 0.7659 1. 0.82558. 0.77460. 0.70295. 0.73493. 0.71 536. 0.7473 1. 0.80502. 0.85038. 固有値:. 2.6543. 2.2793. 2.7181. 2.2838. 3.2570. 2.7071. 寄与率:. 53.09%. 56.98%. 54.36%. 57.10%. 65.14%. 67.68%. 抽出因子数:. 1. 1. メントが複数領域の訓練を受けることが奨励さ れているかを測定しようとするもので,以下の. 1. 1. 1. 1. が基準値o.4を下回っている.そこで,これら の質問項目を順に削除していき,. α係数の向上. を模索したが,表13に示されているように,. 5個の質問項目が用いられた.回答者は,人事 労務担当者と現場の監督者2名の計3名であ. WCM企業の製造事業所の個人レベルデータし. る.. か,基準値を超えることはできなかった.しか. ①N. 技能レベルを高めるために,管理者は. も最終的に残ったのは,マネジメントが幅広い. しばしば配置転換される.. 分野で経験を積むための一手段(有力ではある. (参R. 製造経験を持つ製品開発(あるいは製. が)である配置転換の頻度を問う質問項目①と. 品設計)技術者はほとんどいない.. 質問項目⑤のみであった.この点は,全事業所. ③N. 製造エンジニアと製品開発技術者の間. に関する他の2つのデータベースについても同. 様である.全事業所の個人レベルデータを最優. ④R. の頻繁な配置転換は当たり前である. 我々の工場では管理者は一つの職能に 専門化する.. ともに疑問があることから,この測定尺度は以. 管理者はしばしば工場を移る.. 下の分析では使用しないこととした. (14)雇用の安定化. ⑤N. 表13には,これら5個の質問項目をすべて 用いた場合のα係数と因子分析の結果が示され. 先するという原則に従い,信頼性,構成妥当性. この尺度は,工場が不況やその他の問題に対. ている.いずれのデータについてもα係数は基. 処するためにレイオフを利用するかをどうかを. 準値0.6に達しておらず,特に,全事業所の個. 測定しようとするもので,以下の4個の質問項. 人レベルデータの場合は約0.27という水準で,. 目が用いられた.回答者は,人事労務担当者と. 内的整合性に深刻な問題があると判断される.. 現場の監督者2名の計3名である.. 構成妥当性に関しても注意が必要である.すべ てのデータで固有値が1を超える因子が2個抽 出された.全事業所の個人レベルデータの場合,. (丑N. を使う. ②N. 開発・製造の両領域の経験に関する質問項目② と質問項目③,さらに幅広い経験とは相反する 専門化志向を問う質問項目④の第一因子負荷量. 我々は最後の手段としてのみレイオフ 我々は雇用維持の(レイオフを回避す る)ために在庫を積み増す用意がある.. ③R. 我々は四半期売上が落ち込むとレイオ フを検討する..

(13) わが国製造企業における人的資源管理(松井美樹) 表13. 57. 信頼性と妥当性(マネジメントの経験の幅) 全事業所. wcM. 個人レベルデータ. 個人レベルデータ 0.41719. α俸数:. (193). 0.60027. 工場レベルデータ. 0.26622. 0.55270. 0.27956. 0.49094. 因子負荷量(第一因子のみ) ①②③④⑤. 0.77571. 0.84526. 0. 78947. 0.83 139. 0.63459. 0.81405. 0.45668. 削除. 0.27974. 削除. 0.65868. 削除. o.40870. 削除. 0.38017. 削除. 0.35716. 削除. 0.19891. 削除. 0.07951. 削除. 0.09471. 削除. -. 0.7633 1. 0.84526. 0.78277. 0.83 139. 0.73454. 0.81405. 固有値:. 1.5995. 1.4289. 1.4651. 1.3824. 1.5126. 1.3254. 寄与率:. 31.99%. 71.45%. 29.30%. 69.12%. 30.25%. 66.27%. 抽出因子数:. 2. 表14. 1. 2. 1. 2. 信頼性と妥当性(雇用の安定化) 全事業所. wcM. 個人レベルデータ. 個人レベルデータ 0.22116. α係数:. 1. 工場レベルデータ. 0.35770. 0.18262. 0.35037. 0.22060. 0.41622. 0.73007. 0.77077. 0.77928. 0.68289. 0.80343. 削除. 0.80784. 0.80343. 削除. - 0.52110. 削除. 0.17918. 削除. 因子負荷量(第一因子のみ) 0.73317. ①②③④. 0.66762. 0.66291. 0.53556. - 0.24688. 削除. - 0.30034. 固有値: 寄与率:. 抽出因子数:. ④R. 0.77928. 0.54091. 0.59073. 0.55959. 1.3368. 1.3214. 1.2843. 1.2145. 1.4226. 1.2910. 44.05%. 32.ll %. 60.73%. 35.57%. 64.55%. 33.42% 2. 1. 1. 2. 2. 1. 我々はレイオフ以前に時短(例えば週. と判断された.また,全事業所の工場レベルデ. 休3日)を用いる.. ータについては,時短の使用に関する質問項目 ④の第一因子負荷量も基準値o.4を大きく下回. 表14には,これら4個の質問項目をすべて 用いた場合のα係数と因子分析の結果が示され. っている.このような質問項E]を削除していき,. ている.いずれのデータについてもα係数は基 準値0.6に達しておらず,とりわけ,全事業所 の個人レベルデータの場合は0.18という水準. α係数の向上を模索したが,表14に示されて いるように,いずれのデータについても,基準 値0.6には遠く1及ばなかった.最優先する全事. で,内的整合性に重大な問題があると判断され. 業所の個人レベルデータの場合は0.35という. る.構成妥当性に関しても,すべてのデータで. 水準であり,信頼性が欠如しているため,この. 固有値が1を超える因子が2個抽出され,第二. 測定尺度は以下の分析では使用しないごととし. 因子と特に強い関連を持つ質問項目(参の第一因. た.. 子負荷量は負値となっており,レイオフの検討. (15)人的資源スーパー尺度. のみを問うこの質問項目は削除されるべきもの. 最後に,製造企業における人的資源管理の特.

(14) 58. (194). 横浜経営研究. 第ⅩⅩ巻 第3号(1999). 徴を総合的に捉えるため,これまで検討してき. 個人レベルの質問項目毎の回答から工場レベ. た人的資源関連測定尺度から信頼性に疑問のあ. ルの人的資源関連測定尺度を合成するには,あ. った「マネジメントの経験の幅」と「雇用の安 定化」を除いた12個の測定尺度を用いてスー. る測定尺度を構成するすべての質問項目の算術 平均値をその回答者毎に計算し,個人レベルの. パー尺度を構成する.この「人的資源」スーパ. 測定尺度の値を求めた後に,該当製造事業所の. ー尺度も測定尺度であるので,表15の中に示 すように,全事業所の工場レベルデータにより. すべての回答者の算術平均値を計算するという. 信頼性と構成の妥当性を検証した.. 的資源関連測定尺度の算術平均値が「人的資源」. 12個の人的資源関連測定尺度から計算され たα係数は0.94で,内的整合性は極めて高い.. 方法を用いた.こうして求めた工場レベルの人 スーパー尺度である.. これら工場レベルの測定尺度を利用して,最. また,固有値が1を超える因子は固有値6.09,. 初に,クラスの違いを無視し,各測定尺度. 寄与率68%の第一因子のみで,因子負荷量は. (「人的資源」スーパー尺度を含む)の平均値を. すべて0.6を大きく上回っており,構成安当性. 業種別に求め,業種による一元配置分散分析を. についても全く問題ないと判断される.したが. 行った.表16の中に示されている結果は,概. って,. 「人的資源」スーパー尺度として,. 「マネ. 略, [仮説1]を正当化するものである.ただ. 「現場作業手続の文書化」については機械. ジメントの経験の幅」と「雇用の安定化」を嘩. し,. いた12個の人的資源関連測定尺度の算術平均 値を使用することとした.. 業界が他よりも平均が低く,. ちなみに,α係数の僅からも明らかなように, 12個の人的資源関連測定尺度は相互に強い正 の相関関係にあり,人的資源管理の総合性,一 貫性,連動性の傍証となっている. 4.人的資源管理を巡る実証分析. 「/ト集団活動によ. る問題解決」の平均スコアについては自動車業 界が他よりも高く,有意水準5%で有意な差が 検出されている. 表16には,業種を無視してクラス毎に計算 された各測定尺度の平均値,および平均値の差 の検定に利用されるt値も含まれている.. 「人. 的資源」スーパー尺度を含めてすべての測定尺 (1)業種別・クラス別比較. 度について,. まず,人的資源管理に関して,業種毎に顕著 な差があるのか,また,. WCM企業は特別な政. WCM企業の製造事業所の平均値. は無作為抽出された製造事業所の平均値を大き く上回っており,. 1%水準で有意な差があると. 策を立て,特別な慣行を実施しているのかを検. 判定された.特に,. 討する.ここでの検定仮説は次の2つである.. 者と作業者のコミュニケーション」,. [仮説1]機械,電機,自動車のいずれの業種. 制度の機能化」,. [仮説2]. 「継続的技能訓練」,. 「監督. 「改善提案. 「管理者・技術者の現場支援」. においても同様な人的資源管理が行. といった測定尺度で明白な差異が認められる.. われている.. この結果は明らかに[仮説2]を否定するもの. WCM企業における人的資源管理は. である.. 一般の製造企業と変わらない. 前節で信頼性と妥当性のチェックをパスした. 分散分析や平均値の差の検定においては, 「人定資源」スーパー尺度を含めいずれの測定. 12個の人的資源関連測定尺度および「人的資. 尺度についても,業種別母集団,クラス別母集. 源」スーパー尺度の工場レベルデータを算出し,. 団ともに正規分布に従うことが仮定されてい. それらを用いて業種別,クラス別(WCM企業. る.シャビロ・ウイルク検定によって正規母集. か無作為抽出企業か)に顕著な差が認められる. 団からの無作為抽出標本であるという仮説が有. かを分析した.. 意水準1%で棄却されたものは,全くなかった..

(15) (195). わが国製造企業における人的資源管理(松井美樹) 表15. スーパー尺度の信頼性と妥当性 TOM. 人的資源管理 0.93884. α係数: : 国子負荷量(第一因子のみ) 現場作業手続の文書化 監督者と作業者のコミュニケーショ 管理者・技術者の現場支援 採用・選抜基準 チームワークヘの動機づけ 小集団活動による問題解決 改善提案制度の機能化 製造と人的資源の適合度 継続的技能訓練 多能工の育成 報酬と製造目標の一貫性 技能の幅を考慮した報酬体系 固有倍: 寄与率: 抽出因子数:. 0.79256 ン. 0.850 14 0.72218 0.80562. 0.72888 0.89499 0.86598 0.644 98 0.89822 0.88553 0.81551 0.63975 7.6849. 64.04 % 1. 組織特性 α係数: 因子負荷量(第一因子のみ) 組織の集権度 組織-のコミットメント 意思決定での職能間協力 仕事-の誇り 固有値: 寄与率: 抽出因子数:. 0.62690. - 0.24847. 0.82 194. 削除. 0.92 130. 0.93934. 0.872 38. 0,8883 9. 0.7632 1. 0.7402 1. 2.2541. 2.2195. 56.35%. 73.98%. 2. 1. JIT生産. α係数: 因子負荷量(第一因子のみ) 日程計画の遵守 設備レイアウト 供給業者からのJIT配送 顧客とのJIT連結 カンパン方式の採用 MRPのJIT適合 基本計画での混流生産対応 段取り時間の短縮 ′トロットサイズ化 固有値: 寄与率: 抽出因子数:. 0.93813. α係数: 因子負荷量(第一因子のみ) 0.76295 3S活動 0.85886 継続的品質改善努力 0.77820 顧客志向 0.76941 顧客満足度 0.81710 現場-の業績情報フィードバック 0.74864 保守管理 0.92309 統計的工程管理の励行 0.86856 品質改善に対する報酬 0.85924 品質での供給業者との協力 品質に対するトップのコミットメント0.70842 6.5921 固有値: 65.92% 寄与率: 1 抽出因子数: 情報システム 0.87731. α係数: 因子負荷量(第一因子のみ) 活動基準原価の採用 情報システムの効果 本社との調整 業績評価基準の有効性 外部品質情報の把握 内部品質情報の把握 製造計画の赦密度 短期的安定性・予測可能性 固有値: 寄与率: 抽出因子数:. 0.4982. 5. 0.84 132. 0.74839 0.79026 0.75576 0.81 952 0.61195. 0.85080 4.4818 56.02% 1. 0.93246. 技術 0.83157. 0.86818 0.85919 0.83114 0.78696 0.87854 0.91463. 0.83708. α係数: 因子負荷量(第一因子のみ) 工程革新の実施 製品設計への関与 新製品設計の顧客・製造指向 固有値: 寄与率: 抽出因子数:. 0.86512 :. 0.88762 0.91869 0.86846 2.3861 79.54. %. 1. 0.58225 6.1416. 68.24 % 1. 製造戦略 α係数: 国子負荷量(第一因子のみ) 新技術に対する予期的対応 製造戦略の浸透度 競争上の顕著な能力 工場における公式的戦略計画 職能間統合 製造戦略と事業戦略の連動 製造戦略の強さ ポーターの競争戦略 設備の自社開発 固有値: 寄与率: 抽出因子数:. 0,93584 0.93492 0.73734 0.85507 0.87711. 0.78308 0,85963 0.90793 0.68760 0.72571 6.0942 67.71% 1. 59.

(16) 60. (196). 横浜経営研究. 表16. 第)Ⅸ巻. 第3号(1999). 人的資源関連測定尺度の業種別平均値とクラス別平均値. 測定尺度. 機械. 電機. 自動車. F. WCM. 無作為. 全樵本. 叩は. 現場作業手続の文書化. 3 56. 3. 3 88. 3 25. 監督者と作業者のコミュニケーション. 3 68. 3 71. 3 97. 2 91. 3 91. 3 50. 3 93. * *. 管理者・技術者の現場支援. 3 47. 3 44. 3 69. 2 34. 3 64. 3 28. 3 67. * *. 採用・選抜基準. 3 64. 3 62. 3 72. 0 74. 3 72. 3 53. 2 65. チームワークへの動機づけ. 3 57. 3 53. 3 65. 1 52. 3 63. 3 47. 2 95. 小集団活動による問題解決. 3 69. 3 61. 3 92. 3 52. 改善提案制度の機能化. 3 86. 3 82. 3 94. 0 50. 製造と人的資源の適合度. 3 27. 3 46. 3 32. 0 76. 3 45. 継続的技能訓練. 3 49. 3 59. 3 56. 0 22. 3 72. 多能工の育成. 3 62. 3 76. 3 83. 2 02. 3 81. 報酬と製造目標の一貫性. 3 13. 3 05. 3 22. 0 78. 3 24. 技能の幅を考慮した報酬. 2 43. 2 61. 2 63. 0 75. 2 67. 人的資源(スーパー尺度). 3.45. 3.50. 3.61. 1 26. ウ山. 15. 16. 15. 標本数. **片側検定により1%水準で有意. (バ) 2. *. *. 3 85. 3 53. 2 86. * *. 3 75 3 79 3 53. * *. *. *. *. *. 3 66 3 58. 3 84. 3 50. 3 38. 3 99. 3 61. 3 79. *. *. 3 12. 2 43. *. *. 3 14. 5 63. *. *. 3 57. 2 80. *. *. 2 87. 3 23. *. *. 2 29. 2 55. *. *. 2 56. 3 28. 」‥ 8. *. 辛. 3 52. 62. 4. 3 73 3 87 3 35 3 55 3 74 3 13. 32. *片側検定により5%水準で有意. 有意水準5%で棄却されたものは,電機業界の. 「監督者と作業者のコミュニケーション」の平. 「採用・選抜基準」. 均スコアについては自動車業界が他よりも高. 度の機能化」 の一斉性」. (p-o.o372),. (p-o.o111), (p-o.o421),. 「改善提案制. 「報酬と製造目標 「人的資源」スーパ. く,有意水準1. %で各業界の平均値が等しいと. いう仮説を棄却できる.同様の傾向が「管理. ー尺度(p-o.o375),自動車業界の「報酬と 製造日標の一貫性」 (p-o.o419),無作為抽出. 者・技術者の現場支援」,. された製造事業所の「報酬と製造目標の一貫性」. スーパー尺度の平均スコアにも見られ,有意水. (p-0.0215)の6ケースのみであった.また,. 平均値の葦の検定量tはクラス別母集団の分散. 準5 %で各業界の平均値が等しいという仮説は 棄却された.一方,無作為抽出された製造事業. が等しい場合と等しくない場合で異なる.分散. 所のみに限定した場合には,. 「現場作業手続の文書. 化」, 「/ト集団活動による問題解決」, 「人的資源」. 比の検定により有意水準5%でクラス別母分散. 「小集団による問 題解決」の平均スコアについてやはり自動車業. が等しいという仮説が棄却された測定尺度はな. 界が他よりも高く,有意水準5%で各業種の平. かったため,すべてクラス別母分散は等しいと. 均値が等しいという仮説は棄却されたが,その. して平均値の差の検定を行った.. 他の測定尺度の平均値については業種間に有意. 以上の分析では,人的資源関連測定尺度に対. な差は見られない.この分散分析でも,すべて. するクラス効果と業種効果が明確に分離されて. の測定尺度についてクラス別業種別母集団がす. はいない.そこで,. べて正規分布に従うことが仮定されている.シ. て,各測定尺度の業種別平均値の相違を検討し. ャビローウイルク検定によって,有意水準1% で正規母集団からの無作為抽出標本であるとい. てみよう.表17には,各測定尺度についてク. う仮説が棄却されたのは,自動車業界の無作為. ラス別業種別平均値,クラス別一元配置分散分 析の結果として得られたF値が示されている.. 抽出された製造事業所の「報酬と製造目標の-. WCM企業の製造事業所のみに限定した場合,. 界の無作為抽出された製造事業所の「継続的技. WCM企業の製造事業所と 無作為抽出された製造事業所それぞれについ. 貢性」 (p-o.oo37),有意水準5%でも機械業.

(17) (197). わが国製造企業における人的資源管理(松井美樹) 表17. 人的資源関連測定尺度のクラス別業種別平均値. 機械. 無作為 電機 自動辛. 3 17. 3 68. 3 59. 3 82. 3 23. 3 29. 3 73. 3 16. 3 04. 3 16. 3 44. 2 03. 3 48. 3 47. 3 58. 0 29. 3 37. 3 35. 3 57. 2 89. 3 36. 3 15. 3 75. 6 48. 3 58. 3 42. 3 73. 1 40. 0 43. wcM. 測定尺度. 電機. 3 65. 3. 監督者と作業者のコミュニケーション. 3 80. 3. 管理者・技術者の現場支援. 3 58. 3. 8785弘67. 機械. 現場作業手続の文書化. 自動車 4 12. F 4 69. 4 19. 6 09. 3 90. 5 20. *. 3. 3 85. 1 91. チームワークへの動機づけ. 3 62. 3. 3 71. 1 28. 3 77. 3. 改善提案制度の機能化. 3 93. 3. 597695. 3 68. 小集団活動による問題解決. *. *. 採用・選抜基準. 4 06. 3 66. 4 13. 1 13. *. *. F. 3 31. 3 52. 3 56. 1 09. 3 11. 3 29. 継続的技能訓練. 3 64. 3. 3 83. 0 88. 291. 3 13. 3 25. 1 11. 3 71. 1 94. 2 52. 3 33. 3 42. 1 73. 2 88. 2 65. 3 00. 0 81. 2 77. 1 02. 2 10. 2 13. 2 48. 1 63. 3 61. 3 79. 3 39. 3 13. 3 18. 3 41. 2 15. 12. 8. 3. 4. 7. 3 70. 3. 報酬と製造目標の一貫性. 3 19. 3. 技能の幅を考慮した報酬. 2 51. 2. 人的資源(スーパー尺度). 3 53 12. 能訓練」. 187. 3 94. 3 50. 多能工の育成. 標本数. 75鎚. 製造と人的資源の適合度. 3 04. **片側検定により1%水準で有意. 61. 辛. *. *片側検定により5%水準で有意. (p-0.0493)の2個だけであった.. 各測定尺度に対する業種とクラスの違いを同. 作為抽出された製造事業所よりもWCM企業の 製造事業所の方がより先進的な人的資源管理の. 時に評価するには,二元配置分散分析を利用す. 慣行を実施しているが,業種間では顕著な差が. るのが適当である.業種とクラスのそれぞれの. 存在する側面とそうでない側面が両方あると結. 主効果だけでなく,両者の交互作用効果もモデ. 論づけることができよう.業種間の差異に閲し 松井(1997.3), (1998.3)および(1998.12). ルに組み入れた分析の結果が表18のF値とそ. 「製造と人的 の有意性として要約されている. 資源の適合度戦略」を除くすべての人的資源関 連測定尺度について,. 1%水準で有意なクラス. 効果が確認されている.他方,業種効果につい ては,「監督者と作業者のコミュニケーション」, 「/ト集団による問題解決」, 「管理者・技術者の. 製品・工程技術の開発,品質管理システム および製造戦略においては目立った差がないと. いう結論を導いている.他方,松井(1996)お JIT生 よび(1997.9)に示されているように, 産-の取り組みや生産情報システムの活用度に ついては業種間でも明確な差異が確認されてお り,対照的である.製造組織を規定する人的資. 現場支援」, 「現場作業手続の文書化」および 「多能 「人的資源」スーパー尺度が1%水準で,. 源管理にはある種の普遍性がある一方,品質管. 工の育成」と「チームワークへの動機づけ」が. 理, JIT生産,生産情報システム,技術開発,. 5%水準で有意と判定されている.すなわち,. 製造戟略等の生産管理システムの多様な要素の. スーパー尺度も含めて13測定尺度の中,過半 数の7個の測定尺度で有意な業種効果が見られ. 基盤となるものであるために,業種効果も折衷. たことになる.また,業種とクラスとの交互作. れら諸要素間の関連については次項でさらに詳. 用効果はほとんど無視できる程度である.. しく分析する.. 以上の分析から, され,. [仮説1]は部分的に採択. [仮説2]は棄却される.すなわち,無. 的なものとなっているとも解される.なお,こ. (2)人的資源管理の構造分析 以下では,人的資源に関する各種政策がその.

(18) 62. (198). 横浜経営研究. 表18. 第)Ⅸ巻. 第3号(1999). 人的資源関連測定尺度の二元配置分散分析(F値). 測定尺度. モデル全体. 業種クラス*業種. クラス. 現場作業手続の文書化 監督者と作業者のコミュニケーション. 5.20**. 15.13**. 6.73**. 1 10. 8.04**. 30.31**. 9.51**. 0 16. 管理者・技術者の現場支援. 6.24**. 23.74**. 7.02**. 0 23. 採用・選抜基準. 2.25. 1.99. 0 12. チームワークへの動機づけ. 3.57**. 13.13**. 3.70*. 0 45. 小集団活動による問題解決. 7.34**. 23.79**. 9.38**. 1 08. 改善提案制度の樺能化. 3.91**. 17.71**. 2.21. 0 25. 製造と人的資源の適合度. 1.77. 0.93. 0 59. 継続的技能訓練 多能工の育成. 7.15**. 1.86. 0 16. 3.66**. 12.75**. 4.47*. 0 28. 報酬と製造目標の一貫性. 3.21*. 13.49**. 2.34. 0 29. 技能の幅を考慮した報酬. 2.20. 8.34**. 1.76. 0 48. 人的資源(スーパー尺度). 6.90**. 9.32**. *. 5.98. 34.64**. 30.35**. 5.55**. 標本数. **片側検定により1%水準で有意. *片側検定により5%水準で有意. 他の生産管理システム要素といかなる関連をも. での競争優位性を主観的に5段階評価(1. つのか,競争力の源泉となっているのかといっ た製造事業所を中心とした人的資源管理を巡る. 弱または業界最低,. 構造について検討しよう.ここでの主要検定仮. る.表19には,. 4-平均以上,. 2-平均以下,. -貧. 3-平均,. 5-優位)したものを用いてい. 説は次の2つである.. 12個の人的資源関連測定尺度 と11個の競争力指標による正準相関分析の結. [仮説3]人的資源管理とその他の生産管理シ. 果が示されている.正準変数も複数個計算され. ステム要素には関連性がない.. [仮説4]人的資源管理は製品の競争力には関 連性がない.. を選択することとした.その結果,. 3つの正準. 変数のペアが抽出されたが,尤度比検定によっ. [仮説3]中のその他の生産管理システム要 素としては,組織特性,. るが,固有値が1を超える正準変数のペアのみ. JIT生産,. TQM,情報. て有意水準5%で相関なしという坂説を棄却で きるのは第一正準変数のペア(p-0.0065)と. システム,技術開発,製造戦略を取り上げる.. 第二正準変数のペア(p-0.0374)のみで,第. いずれの要素についても,表15中に列挙され た詳細な個別測定尺度とそれらを合成したスー. 一正準相関係数は0.9090,第二正準相関係数は 0.8146とかなり高水準にある.冗長度指数は,. パー尺度が構成され,これらに基づいて測定が. 競争力指標の分散の約30. 行われている. まず,. [仮説4]の方から始めよう.人的資. %が人的資源関連測 定尺度の第一,第二,第三正準変数によって説 明可能であることを示している.ただし,第一. 源管理が製品の競争力につながっているのか,. 正準変数の冗長度は7%に過ぎず,むしろ第二. さらに,製品の競争力を決定づける生産管理シ. 正準変数が18%以上を占めている点は注意す. ステム要素の中で人的資源管理はどのような地 位を占めるかについて分析する.. べきである.. 競争力指標としては,工場長が表19の後半 部分に挙げられている11項目について業界内. 人的資源関連測定尺度と競争力指標の第一正 準変数との相関(交差負荷量)は,個々の測定 尺度毎に正負様々であり,. 「採用・選抜基準」.

(19) わが国製造企業における人的資源管理(松井美樹) 表19. (199). 63. 人的資源関連測定尺度と競争力指標との関係 第一正準変数. 第二正準変数. 第三正準変数. 正準相関係数. 0.9090. 0.8146. 0.8078. 尤度比. 0.0065. 0.0374. 0.1112. 有意水準. 0.0652. 0.6604. 0.9475. 冗長度指数. 0.0688. 0.1844. 0.0518. 人的資源関連測定尺度と競争力指標の正準変数との相関 現場作業手続の文書化. - 0.3588. 0.3046. 0.3135. 監督者と作業者のコミュニケーション. - 0.1197. 0.4699. 0.2978. 0.1917. 0.4723. 0.1335. 0.2874. 0.2809. 0.2848. チームワークへの動横づけ. 0.1061. 0.2944. 0.5075. 小集団活動による問題解決 改善提案制度の機能化. 0.1339. 0.3650. 0.5085. 0.0083. 0.3 126. 0.3842. 管理者・技術者の現場支援 採用・選抜基準. -. 0.0578. 0.2945. 0.2295. 継続的技能訓練. 0.0570. 0.6398. 0.3318. 多能工の育成. - 0.0037. 0.3841. 0.5707. 0.3865. 0.4464. 0.3263. 0.4044. 製造と人的資源の適合度. -. 0.049 1. 報酬と製造目標の一貫性. - 0.0736. 技能の幅を考慮した報酬. 競争力指標と人的資源関連測定尺度の正準変数との相関 製造単価. 0.1 130. 0.2495. 0.3472. 製品の安定性. 0.0156. 0.3907. 0.1300. 予定通りの納品. 0.2433. 0.34 10. 0.2914. 迅速な納品. 0.2522. 0.2376. -. - 0.0911. 0.4169. - 0.2051. 数量変更柔軟性. 0.4899. 0.1556. 0.1814. 在庫回転率. 0.4325. 0.4793. 0.1928. サイクルタイム. 0.1813. 0.5408. 0.3053. 新製品導入速度. 0.0510. 0.5651. 0.2097. 製品の性能. 0.0959. 0.4500. - 0.1971. 顧客支援サービス. 0.403 1. 0.5428. -. 製品ミックス変更柔軟性. 0.0305. 0.1582. が0.29で最大である.絶対値が0.4を超えるも. 続的技能訓練」が0.64,. のもない.一方,競争力指標と人的資源関連測 定尺度の第一正準変数との相関(交差負荷量). 場支援」と「監督者と作業者のコミュニケーシ. についても,. 「製品ミックス変更の柔軟性」は. 負債となっており,. 「数量変更の柔軟性」,. 「在. 「管理者・技術者の現. ョン」が0.47という水準にある.競争力指標 と人的資源関連測定尺度の第二正準変数との相 「新製品導入速 関(交差負荷量)については,. 庫回転率」, 「顧客支援サービス」が0.4を超え. 度」, 「顧客支援サービス」,. るに過ぎない.. が0.5を超え,. 「サイクルタイム」. 「在庫回転率」,. 「製品の性能」,. これに対して,人的資源関連測定尺度と競争. 「製品ミックス変更の柔軟性」も0.4を超えて. 力指標の第二正準変数との相由(交差負荷量). いる.この第二正準変数は,技能訓練の充実や. は,すべての測定尺度について正であり,. 「継. コミュニケーションの促進が新製品導入スピー.

(20) 64. (200). 横浜経営研究. ド,サイクルタイム,顧客支援あるいは在庫コ. 第ⅩⅩ巻. 第3号(1999). 個々のスーパー尺度と競争力指標の第一正準. ストや製品差別化といった面で競争力を向上さ. 変数との相関はすべて0.4を上回っているが,. せる効果をもつことを捉えたものと解釈されよ. 「人的資源」スーパー尺度は0.51で,. う.. 略」 (o.83),「技術」. もちろん,製品の競争力は人的資源だけで決. (0.58),「TQM」. 「製造戦. (0.66),「情報システム」. (0.57)に次ぐ5番目の存在であ. まるものではない.そこで,人的資源管理を含. る.各競争力指標とスーパー尺度の第一正準変. む生産管理システム要素と製品の競争力との関. 数との相関もすべて0.4を超えており,. 連を分析してみよう.表20には,生産管理シ. クルタイム」と「新製品導入速度」の2個の競. ステム要素に対応した7個のスーパー尺度と競 争力指標による正準相関分析の結果が示されて. 争力指標については0.6を上回っている.. いる.第一正準変数のペアの正準相関係数は. の競争力の認知と密接な関連を持っていること. 0.85で,尤度比検定により有意水準1. %で無相. 「サイ. この結果は生産管理システムの諸要素が製品 を支持するものであるが,競争力の決定要因と. 関という仮説を棄却できる.競争力指標の分散. して人的資源管理の直接的影響は,製造戟略や. の約31%がスーパー尺度の第一正準変数によ. 技術開発に比べて小さいことを示唆するもので. って説明されており,第二正準変数も加えると. もある.. 3分の1以上が説明される.. 正準相関分析では通常,用いられる変数が多 表20. スーパー尺度と競争力指標との関係 第一正準変数. 第二正準変数. 正準相関係数. 0.8548. 0.7770. 尤度比. 0.0331. 0.1228. 有意水準. 0.0028. 0.1445. 冗長度指数. 0.3080. 0.0386. スーパー尺度と競争力指標の正準変数との相関 人的資源管理. 0.5116. 組織特性. 0.4079. JIT生産. 0.4888. TQM. 0.5708. - 0.3187. 情報システム. 0.5790. 0.0903. 技術. 0.6647. 製造戦略. 0.8297. 0.1327. 製造単価. 0.4909. 0.1049. 製品の安定性. 0.4491. - 0.0960. 予定通りの納品. 0.5324. 0.1 123. 迅速な納品. 0.5626. 0.1960. 製品ミックス変更柔軟性. 0.4025. 0.2629. 数量変更柔軟性. 0.4711. 在庫回転率. 0.5729. 0.1812. サイクルタイム. 0.6785. 0.2310. 新製品導入速度. 0.6470. - 0.2021. 製品の性能. 0.5043. - 0.1737. 顧客支援サービス. 0.5439. - 0.3438. -. 0.1072. 競争力指標とスーパー尺度の正準変数との相関. -. 0.0272.

(21) わが国製造企業における人的資源管理(松井美樹). (201). 65. 次元正規分布に従っていることが仮定される.. である.. 多次元正規性に対する適当な検定方法はない. 所いずれの場合にもα係数は0.86を超えてお. が,個々の変数の正規性については前述のシャ. り,競争力指標間の内的整合性は高いと判断さ. ビロ・ウイルク検定が利用できる.表19と表. れる.. WCM企業の製造事業所,全製造事業. 20で結果を示した正準相関分析で使用された. 11個の競争力指標は製品のコスト,品 質,性能,納品,サービスから,変化への柔軟. 人的資源関連測定尺度とスーパー尺度の中で,. 性まで多様な要因をカバーしているので,一般. 有意水準5 %で正規分布に従うという仮説が棄 却されたのは唯一「報酬と製造目標の-貢性」. にはこの種の整合性は期待されない.ある事業 所はコストでは競争力を持つが,品質では別の. (p-0.0383)だけであったが,競争力指標の. 事業所の競争力が高く,変化-の柔軟性ではま. 分布についてはすべて1%水準で棄却された.. た別の事業所が優位にあるといった状況も容易. 競争力指標は1製造事業所につき工場長1人が. に想定できる.ところが,ここで取り上げたわ. 主観的に判断したもので,. WCM企業の製造事 業所の場合には5と評価することも多い.この. が国の3業種については,個々の競争力指標の. ため,個々の競争力指標の分布は,非対称で正. 力指標で優位にある事業所はその他の指標につ. 規分布とは大きく異なる形状をもつと考えら. いても優位な地位を占めている可能性が高い.. れ,正準相関分析の結果にバイアスがかかる可 能性もある.. 間に非常に強い正の相関関係があり,ある競争. このことは,構成妥当性をテストする因子分. 析の結果にも反映されている.確かに,. この間題を回避するため,個々の競争力指標 を総合した測定尺度を利用することが考えられ. 11個. の競争力指標を決定づける因子が1つというこ とはありえない.実際,. る.人的資源関連測定尺度の場合と同様に,す. WCM企業の製造事業 所を対象とした場合には4因子,全製造事業所. べての競争力指標を使って「競争力」測定尺度. を対象とした場合にも3因子が固有値が1を超. の信頼性・妥当性テストを行った結果が表21. える因子として抽出されている.しかしながら,. 第一因子の固有値は他の因子に比べて圧倒的に 大きく(例えば全事業所の場合,第一因子の固. 表21信頼性と妥当性(競争力) WCM. α係数:. 全事業所. 0.861 96. 0.87952. 有値が5.09であるのに対し,第二因子の固有 値は1.47,第三因子の固有値は1.01),また, その寄与率も50%近い水準にあるので,実質 的には第一因子のみに注意を向けても問題はな. 国子負荷量(第一因子のみ) 製造単価. 0.64 170. 0.65650. いものと考えられる.いずれのデータベースを. 製品の安定性. 0.65299. 0.68574. 用いても,すべての競争力指標に対する因子負. 予定通りの納品. 0.69697. 0.74993. 迅速な納品. 荷量が基準値0.4を上回っていることから,第. 0.69433. 0.6504 1. 製品ミックス変更柔軟性. 0.46400. 0.53969. 一因子は製造事業所の総合的競争力を反映して. 数量変更柔軟性. 0.74832. 0.73765. いるものとみなされる.. 在庫回転率. 0.73460. 0.7439 1. サイクルタイム. 0.73904. 0.78894. 均値として「競争力」という測定尺度を構成す. 新製品導入速度. 0.64550. 0.66160. 製品の性能. ることに測定上際だった困難はないと判断され. 0.50815. 0.54531. 顧客支援サービス. 0.62782. 0.67492. 固有値:. 4.7362. 5.0885. 寄与率:. 43.06%. 46.26%. 抽出因子数:. 4. ′. 3. よって,. る.ちなみに,. 11個の競争力指標すべての算術平. 「競争力」の分布については,. 有意水準10%でも正規分布に従うという仮説 は棄却されず,この測定尺度を構成した初期の 目的は達せられた..

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