23.乳がん治療連携計画―地域医療機関での現状 藤内 伸子,狩野 契,小澤修太郎 加藤 修一,江田 二葉,鋤柄 稔 (シャローム病院) 【はじめに】 2010年よりがん治療連携計画策定料とがん 治療連携指導料の算定が可能となった.これは連携につい て,保険算定が可能となり評価されたものである.今回は 当院での乳がん治療連携と指導料算定についての現状を検 討した.【結果と 察】 当院で連携する計画策定病院は 3 施設あるが,近距離の埼玉医科大学国際医療センターへの 紹介が多く,乳腺腫瘍科へは精査目的も含め毎年 30例前 後であった.その中でがん治療連携指導料を算定した症例 は,年々増加してきている.おもな問題点は,患者側面から は,がん治療連携計画書を 失・持参しない場合があるこ と,医療者側面からは,指導料算定の指示忘れ,診療情報提 供の文書作成の手間などがあげられた.【結 語】 がん の集中的治療をがん治療拠点病院等で行い,経過観察は地 域医療機関で担当することは以前からされてきたことであ るが,保険算定やその体制づくりは今後より充実した連携 の基盤になるものと えられた. 24.高カルシウム血症を伴った乳癌多発骨転移に対する救 急対応の1例 塚越 律子,片山 和久,岡田 朗子 (伊勢崎市民病院 外科) 【はじめに】 今回,我々は乳癌多発骨転移に高カルシウム 血症 (malignancy-associated hypercalcemia:以下 MAH) を合併し,意識障害,腎機能障害にて緊急対応を要した症 例を経験したので若干の文献的 察を加えて報告する. 【症 例】 62歳,閉経後女性.主訴 :意識障害及び全身痛. 現病歴 :2011年 6月腰痛にて近医入院中,精査にて乳癌骨 転移疑いあり.7月 1日全身状態の悪化にて救急搬送で当 院へ緊急入院,入院時の精査にて PS4,GCS=13,血液検査 では腎機能障害と高カルシウム血症を認めた.視触診では 右乳房 Dに 5 cm大の腫瘤触知,画像検査にて多発骨転移 を認め,右乳癌 T3N2M1-stageⅣおよび MAHと診断した. 入院直後より疼痛管理と平行して生理食塩水の大量輸液 による脱水補正とゾレドロン酸投与による Caの補正に務 めた.治療開始より MAHは改善を認め,1週間後に腎機 能,血中 Caともに正常化した.PSの改善は時間を要した が,軽快退院となった.退院後は麻薬系鎮痛剤の投与と併 せて内 泌療法としてアロマターゼ阻害剤,骨転移に伴う 骨関連事象の予防を目的にゾレドロン酸を外来通院にて継 続投与した.本症例の TTPは 8ヶ月で,その後病状増悪し て退院 1年後の 2012年 8月に原病死となったが,治療経 過の大部 を自宅療養と通院治療が継続できた.【 察・ 結語】 乳癌多発骨転移に MAHを合併し,意識障害,腎機 能障害等にて緊急対応を要した症例を経験した.悪性腫瘍 に伴う MAHは腫瘍随伴症状の代表的なものであり,症状 としては意識障害,腸管運動麻痺,腎機能障害などがある が,輸液療法とビスホスホネート製剤よる迅速で適切な対 処が効果的とされる.本症例のように腫瘍随伴症状で全身 状態が不良で予後が厳しい場合でも,適切に対処すること で一時的な救命のみならず穏やかな終末期を迎えることが 可能になると えた.
乳がん治療連携計画―地域医療機関での現状
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