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自閉症児・者支援に対する視点変化のプロセス : TEACCHトレーニングセミナー受講者の語りから

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Academic year: 2021

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(1)川崎医療福祉学会誌  .          

(2) . 短  報. 自閉症児・者支援に対する視点変化のプロセス.  トレーニングセミナー受講者の語りから 永見史織½  小林信篤¾  佐々木正美¾. に,トレセミ受講者の自閉症児・者支援に対する視点. はじめに. の変化とそのプロセスを明らかにすることを目的と. (          !""  )は自閉症と関連するコミュニケーショ. した .研究方法には受講者の語りに焦点を当てた質 的研究法を採用した .さらに ,変化のプロセスを明 らかにするという点を鑑み,木下が提唱する修正版. ン障害の人のための包括的な支援プログラムとして. グラウンデッド セオリーアプローチ(以下. 世界的に高い評価を受けている   .. を用いることとする  ..  で. は自閉症児・者本人への直接的なサービ スだけでな. 方. く支援者に対する研修なども行っている.そのひと つに.  夏期研修がある.この研修は  日間. 法. .調査対象.  %年から 年の間に日本で開催 名 で性別は男性 名,女性名であり,その内訳は学 校教育従事者 ' 名,障害者福祉従事者 名,医療従 事者  名であった .. で構成され ,理論についての講義と自閉症児・者へ. 調査対象は ,. の構造化の実践が組み合わせられている  .この研 修では. & # ). されたトレセミの受講者である.調査対象者は. 人の支援者の訓練を行う. 夏期. 研修は ,講義,実演,実習,フィード バック,フォ ローアップの組み合わせで構成されている.内容は.  .調査方法. 自閉症の特性,アセスメント ,構造化された指導法, 行動マネジメント ,コミュニケーション ,自立・職. データは.  %年  月から 年  月にかけて収集 ­ トレセミの受講動機に. 業スキル ,ソーシャルスキル ,そして余暇スキルで. した.インタビュー内容は. ある  .. ついて, トレセミの中で得られた学びや認識の変. 身につけ ,構造化による指導の利用を増加させるた. 化について, その学びや変化のきっかけについて,. ­. #$  は  の原則や手法を.  夏期研修が有効であったと述べて. ­. 日本でも行われている .開催期間 ,受講者数など. 点であった.インタビューは半構造化面接によ. に語れるよう配慮した .インタビュー時間は  人平 均  時間であった .インタビュー内容は本人の許可. は運営主体により異なるが ,基本的な構成や内容. を得てすべて録音し ,逐語録に文書化した .. は.  .分析方法. めに , いる. この. の. り行い,上記 点を意識しつつ,調査協力者が自由.  夏期研修をモデルとし た研修が.  夏期研修とほぼ 同じ である .日本の  トレーニングセミナー( 以下トレセミ) は %年に初めて東京で開催されて以来,その後も. 分析方法は. & # の手順に従った.その際,分. 析テーマである「 自閉症児・者支援の視点変化の. さまざ まな運営主体により継続的に日本各地で行わ. プロセス」に焦点を当て分析した .分析では ,分析. れており,拡大,発展してきている    .寺尾ら . ワークシートを活用し ,継続的比較検討分析を行い,. のレポートによると ,トレセミでは参加者から極め. 概念生成,カテゴ リー生成を行った .さらにカテゴ. て高い評価を得ることができたと報告されている.. リー間の関係を検討し ,結果図を作成した .. しかし ,トレセミの効果を実証的に証明した研究は.  .倫理的配慮 調査協力予定者に対して研究目的,研究方法,調. ない.. 査対象者等について文書を用いた上で口頭での説明. 本研究では受講者の変化を探索的に研究するため.  川崎医療福祉大学大学院  医療福祉学研究科  医療福祉学専攻   川崎医療福祉大学  医療福祉学部  医療福祉学科   倉敷市松島   川崎医療福祉大学 (連絡先)永見史織   〒     

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(7) %. 永見史織・小林信篤・佐々木正美. を行った .また ,調査協力を拒否する権利があるこ. 【導きによるピント合わせの体験】を通して,受. と ,拒否をしても不利益がないこと ,プライバシー. 講者は《ストンと落ちる》実感を伴いながら 〈ピン. 保護について説明を行い ,承諾を得た上で研究を. ト合わせの手法がわかる〉ようになり,さらに〈 「支. 行った .. 援者主体」だった自分に気付ける〉 ようになってい た .そして , 〈ピント合わせが成功につながる実感〉. 結果及び考察. & # による分析の結果 ,  つのコアカテゴ. . をもつことにより〈 「その子中心」の重要性の実感〉 へと至る《 「その子中心」への視点変化》が生じて. リー, つのカテゴ リー, のサブカテゴ リーが生. いた .. 成された.これらのカテゴ リーを比較検討した結果,.  . トレーニングセミナーのプログラム. 結果図とストーリーラインを作成した .表記につい. 受講者が《 「その子中心」への視点変化》に至るた. てはコアカテゴ リーを【  】,カテゴ リーを《   》,サ. めには《トレセミに導かれる》影響が大きな要因と. ブカテゴ リーを〈   〉で表した.また,インタビュー. なっていた .トレセミの〈プログラムに従う〉こと. による受講者の語りは下線で示した.. で受講者自身が普段行っている構造化とは違ったや. .スト ーリーライン. り方を体験する.それが《その子にピントを合わせ. 受講者はトレセミに参加する中で,トレセミの〈プ. ていく》プロセスである.. ログラムに従う〉,構造化 Ý  の実施に〈チームで取. 受講者数人でチームをつくり,議論を重ねる中で. り組む〉, 〈トレーナーのアド バイスを受ける〉など. 《その子にピントを合わせていく》ことに 〈チーム. の《トレセミに導かれる》影響を受けながら , 《その. で取り組む〉ことも,トレセミのなかにプログラム. 子にピントを合わせていく》という【導きによるピ. として組み込まれている.チームでピント合わせに. ント合わせの体験】をする . 《その子にピントを合. 取り組むことについて,受講者は「職場だと同僚です. わせていく》過程の中で ,受講者は構造化を〈やっ. ればいいのかもしれないけど , そんな時間もないし ,. てみる〉ことと 〈その子に合わせて修正する〉こと. なんとなくやって終わっちゃう. 」と語っており,多. を繰り返すことで ,次第に 〈その子に合った構造化. くの受講者は実際の支援現場で《その子にピントを. ができる〉 ようになっていた .. 合わせていく》ことや〈チームで取り組む〉ことを. 図. トレセミ受講者の視点変化のプロセス.

(8) . 自閉症児・者支援に対する視点変化のプロセス 十分には実践できていなかった .. きましたね . 」というように ,受講者は 〈その子に. また, 「 自分でやってた時は思い込みの部分もあっ. 合った構造化ができる〉ことによって自閉症児・者. たりしたので .やっぱりトレーナーの先生の視点と. が環境をより理解できるようになり,自立的に課題. いうのを教えてもらったのがよかった . 」と語られて. に取り組む様子を目の当たりにすることで , 「その. いるように〈トレーナーのアド バイスを受ける〉こ. 子中心」に考えてピント合わせを繰り返し ,その子. とで受講者は安心してピント合わせに取り組むこと. に合った構造化をすることが重要であると実感でき. ができ, 〈その子に合った構造化ができる〉ように導. ていた .. かれていた . 「できる」というポジティブな体験に. 自閉症児・者支援の現場ではクラス全員に同じ構. より,その後の《ストンと落ちる》理解や《 「その子. 造化を行ったり ,支援者の意図に沿うように子ど. 中心」への視点変化》が促進されていた .. もたちを強制的に動かそうとし たりというように.  の構造化が誤解されたまま使われている. このように ,トレセミのプログラムは【導きによ るピント合わせの体験】ができるように仕組まれて. こともある  .より有効な構造化を行うためには. おり, 《 「その子中心」への視点変化》に至るために. 「その子中心」の視点をもつことが必要である.こ. 重要な役割を果たしていた.. の観点からも,受講者がトレセミを通して「支援者. . 「支援者主体」であった自身への気付き. 主体」だった自分に気付き, 「その子中心」へと視点 を変化させたことには大きな意味があるといえる.. 受講者がトレ セミ参加以前の自身を振り返って 「日課に○○さんを沿わせるにはど うしたらいいかっ. おわりに. ていうところになっているんだと思う. 」 「ある手法 に子ど もたちを当てはめようとしていた . 」と 語 っ. 本研究から ,受講者はトレセミに参加することで. ているように ,受講以前は「その子中心」に考えて. 「支援者主体」だった自分に気付き, 「その子中心」へ. いるつもりでいながら ,日課に沿わせたいという支. と自閉症児・者支援に対する視点を変化させていた. 援者の都合や特定の構造を中心とした「支援者主体」. ことが明らかとなった.本研究では. の支援を行っていたことがわかる.受講者は「その. 方法に採用したが ,トレセミ受講者の変化のプロセ. 子中心」の支援の必要性を頭では理解しつつも ,実. スとその要因を探索的に知るための方法として適切. 行することができていなかった .受講者はトレセミ. であったと考える .今回の分析では受講者の職種 ,. を通して , 「その子中心」のつもりだったが実際は. 職歴,経験などはほとんど 関係ない結果となったが ,. & # を研究. 〈 「支援者主体」だった自分に気付ける〉 ようになっ. これらの受講者の属性によって違いがあるのかど う. ていた .また ,それは「頭だけじゃなく心にストン. かは明らかにすることができなかった.また ,本研. と落ちてくる」ように理解することができたと語ら. 究では受講者に視点を当てて研究を行ったがトレセ. れていた.この《ストンと落ちる》実感は , 〈その子. ミを実施する側の課題には触れることができなかっ. に合った構造化ができる〉というポジティブな体験. た .これらについては今後の課題としたい.. により促進されていた ..  .その子中心」への変化. 本研究を行うにあたり多大なるご理解とご協力を賜りま. 「今まではね , 『ああ,この子わからないんだな』. した受講者の皆様,ならびに自閉症協会,発達障害者支援. で済ませたことも,わかるようにこちらが手だてを. センターをはじめとする関係者の皆様に深く感謝申し上げ. すればわかるようになるんだっていうことが実感で. ます.. 注 Ý. )構造化とは自閉症の人の特性に沿って環境を整えることであり,環境や文脈の意味理解を助け ,自立した生活が送れる ようにするための工夫である.構造化には ,­物理的構造化,­  スケジュール ,­  ワークシステム,­  視覚的構造化, の  つの要素がある ½½µ .. 文       献 )

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(15) . 永見史織・小林信篤・佐々木正美 *+*, +.  )朝日新聞厚生文化事業団:自閉症の人たちを支援するということ  -"../ プログラム新世紀へ.朝日新聞厚生文化 事業団,第  刷,東京,,00 , ..  )    ' #  !& & !1&  &&%& !  2  ! &&%& # 1&% ( ,   +0 , *,* ) )

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(17)  自閉症の治療教育プログラム.第 )版,ぶど う社,東京,,+ ,) , **0 . 0 )下田茜:専門家育成のためのトレーニングセミナー.小林信篤,-"../ プログラムによる日本の自閉症療育,初版, 学習研究社,東京,  ,, . 梅永雄二:  デ イズトレーニングセミナーの開催.小林信篤,-"../ プログラムによる日本の自閉症療育,初版, 学習研究社,東京,0 ,, .. , )寺尾孝士,鈴木伸五,大場公孝:-"../ プログラムにおける現場職員のトレーニングについて .情緒障害教育研究 紀要, ( + ), , **0 .. * )木下康仁:修正版グラウンデッド セオリーアプローチ( 9

(18) -" )の技法.富山大学看護学会誌, (  ),   ,0 .  )内山登紀夫:-"../ の考え方.佐々木正美,自閉症の -"../ 実践,初版,岩崎学術出版社,東京, ) , . )藤岡宏:自閉症の特性理解と支援 ; -"../ に学びながら ; .初版,ぶど う社,東京,+) ,0 . (平成 年. 月 +日受理).    

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参照

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