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JAIST Repository: 企業における将来ビジョンの作成と市場ニーズ把握の現状と課題

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Academic year: 2021

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JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/ Title 企業における将来ビジョンの作成と市場ニーズ把握の 現状と課題 Author(s) 小沼, 良直; 榊原, 清則 Citation 年次学術大会講演要旨集, 28: 747-750 Issue Date 2013-11-02

Type Conference Paper Text version publisher

URL http://hdl.handle.net/10119/11820

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す るものです。This material is posted here with permission of the Japan Society for Science Policy and Research Management.

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2E11

企業における将来ビジョンの作成と

市場ニーズ把握の現状と課題

○小沼良直(未来工学研究所),榊原清則(法政大学) 1.概要 民間企業のイノベーション創出において、将来ビジョンを描いたり、市場ニーズを把握したりするこ とは、研究開発の方向性を見定める上で必要かつ有効と考えられるが、これらの取組みも必ずしも容易 と言えない。本調査は、民間企業 4,179 社に対してアンケート調査を実施し(584 社から回答)、その 結果を基に「将来ビジョンの作成状況」、「市場ニーズ把握の状況」、「将来ビジョンと市場ニーズ把握・ 新たな市場創出への積極性などとの関連」などについて得られた知見等を発表するものである。 2.調査実施方法 本発表に使用するデータは、主に平成24 年度 経済産業省産業技術調査事業「中長期的視点に立った 日本版イノベーションシステム構築に向けた調査」を用いており、国内アンケートにより調査が行われ た。(アンケート実施期間:平成24 年 11 月~平成 25 年 1 月) アンケート発送数 民間企業 4,179 社(研究開発に係る業種から抽出、上場 1,786 社、未上場 2,393 社) アンケート回答数 584 社(回収率 14.0%) さらに、一部同省の平成 23 年度「イノベーション創出に資する我が国企業の中長期的な研究開発に 関する実態調査」のデータも引用。 3.調査結果 3-1.将来ビジョンについて (1)将来ビジョンの作成状況 質問:貴社では中長期の将来ビジョンを作成していますか? 84.9% 20.6% 2.4% 15.1% 79.4% 97.6% a.中期(5年先) (n=576) b.長期(10年先) (n=558) c.長期(20年以上先) (n=552) 全体 作成している 作成していない 93.5% 26.6% 2.6% 6.5% 73.4% 97.4% a.中期(5年先) (n=323) b.長期(10年先) (n=312) c.長期(20年以上先) (n=308) 大企業 作成している 作成していない 77.3% 13.6% 3.1% 22.7% 86.4% 96.9% a.中期(5年先) (n=163) b.長期(10年先) (n=162) c.長期(20年以上先) (n=161) 中堅企業 作成している 作成していない 68.5% 12.0% 0.0% 31.5% 88.0% 100.0% a.中期(5年先) (n=89) b.長期(10年先) (n=83) c.長期(20年以上先) (n=82) 中小企業 *将来ビジョンとは、企業理念のような 漠然とした概念ではなく、事業戦略と 研究開発戦略の双方に関する「○○年 度中長期経営計画」や「ビジョン○○」 のような具体的な内容に関する記述が あるものを指す。 ○企業規模が大きくなるにつれ、 将来ビジョンを作成している割 合が高くなる。 ○大企業においては、9割以上の 企業が5年先の中期計画を作成 しており、中堅・中小企業にお いても5年先の中期計画を作成 している割合は高い。しかしな がら、10年先以上となると、 大企業においても作成している 企業の割合が大きく減少する。

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(2)将来を予測する上での難しさ 質問:将来を予測する上での難しさについて、該当するものを選んで下さい。 3-2.市場ニーズ把握について 質問:何年先の市場ニーズまで、うまく把握できていますか? 3-3.社会課題からの研究開発テーマ創出について 28.2% 9.4% 35.1% 56.8% 37.1% 22.1% 26.5% 49.9% 6.8% 8.8% 37.1% 45.4% 37.4% 41.1% 37.2% 31.1% 46.4% 30.0% 36.1% 31.6% 21.4% 29.5% 39.9% 39.7% 34.4% 49.5% 27.7% 12.1% 16.5% 47.9% 37.4% 18.5% 71.8% 61.8% 23.0% 14.9% a.高齢社会 (n=471) b.雇用創出 (n=467) c.健康・医療 (n=465) d.エネルギーの有効利用 (n=472) e.安心・安全な暮らし (n=472) f.快適な移動 (n=470) g.安心・安全なITインフラ (n=468) h.グローバル化 (n=471) i.食料自給率の向上 (n=468) j.少子化対応 (n=468) k.省資源化、稀少資源対応 (n=469) l.環境汚染対策 (n=471) 大きく貢献する 多少は貢献する さほど貢献しない 10.2% 1.3% 17.5% 33.7% 23.2% 10.5% 10.4% 16.9% 2.9% 2.0% 21.1% 26.1% 30.4% 11.9% 30.5% 38.2% 35.2% 23.5% 24.6% 33.6% 11.1% 13.0% 38.4% 37.7% 27.5% 25.7% 25.6% 16.7% 22.7% 15.9% 22.0% 25.1% 19.5% 22.6% 21.7% 21.6% 32.0% 61.1% 26.4% 11.4% 18.9% 50.1% 43.0% 24.4% 66.5% 62.4% 18.8% 14.5% a.高齢社会 (n=560) b.雇用創出 (n=553) c.健康・医療 (n=554) d.エネルギーの有効利用 (n=563) e.安心・安全な暮らし (n=560) f.快適な移動 (n=553) g.安心・安全なITインフラ (n=558) h.グローバル化 (n=557) i.食料自給率の向上 (n=558) j.少子化対応 (n=553) k.省資源化、稀少資源対応 (n=558) l.環境汚染対策 (n=559) 多く生み出している 多少生み出している 今後取り組みたい 今後も取り組むつもりはない 質問:以下の社会課題は、将来的に貴社の事業分野の 発展に貢献するとお考えでしょうか? 質問:将来の社会課題を意識して研究開発テーマを生 み出していますか? ○それぞれの社会課題の将来的な事業への貢献見通し(左の図)と比べて、社会課題からの研究開発 テーマの創出割合は少なく (右の図)、社会課題からバックキャストして研究開発テーマを生み出 す取組みはまだまだ少ないと考えられる。 29.5% 45.0% 47.9% 54.8% 45.5% 42.6% 15.7% 9.5% 9.5% a.国内市場向け (n=515) b.海外先進国市場向け (n=367) c.海外新興国市場向け (n=380) 1年先くらい 3年先くらい 5年先くらい ○市場ニーズは3年先くらいまで把握できている企業が多く、5年先くらいになると少なくなる。 2.1% 1.4% 0.4% 3.6% 52.1% 52.7% 27.4% 37.0% 34.9% 36.3% 45.9% 35.2% 10.9% 9.6% 26.3% 24.2% a.将来の市場動向・顧客ニーズ (n=562) b.将来の技術動向や技術の進歩 (n=562) c.将来の産業構造や産業生態系の変化 (n=562) d.新興国など競合相手の追い上げスピード (n=562) 十分に予測できる ある程度は予測できる 少しは予測できる 予測することは困難 ○いずれの項目につ いても「十分に予 測できる」と回答 し た 企 業 が 少 な く、将来予測をす ることの難しさが 表れている。

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3-4.将来ビジョンと市場ニーズ把握・新たな市場創出への積極性などとの関連(クロス集計結果) (1)考慮した関連性 【昨年度の発表】 【今年度の発表】 *4つの領域は以下の図のとおり。 (2)将来ビジョンの有無と市場ニーズの把握状況の関係 質問:何年先の市場ニーズまで、うまく把握できていますか? 【ビジョンの作成状況別に集計】 *「どれも未作成」とは、5年先・10年先のいずれの将来ビジョンも描いていない企業群を指す。(以下、同様) 将来ビジョンの作成の有無 研究開発投資のバランス ・短期と中長期 ・基礎研究、応用研究、開発 ・新規事業と既存事業 ・4つの領域(下図) イノベーション創出状況 ・最近10年間に生まれたイノベーションが 売上に占める割合 ・戦略的に生まれたイノベーションと偶発的 に生れたイノベーションの割合 収益状況 市場ニーズの把握状況 ・何年先の市場ニーズまでう まく把握できているか 市場創造へのチャレンジ ・市場創造へチャレンジしたいマインド ・4つの領域(下図)への研究開発投資 ・市場創造のための戦略検討組織の有無 中長期の研究開発の成功確率 ・中長期の研究開発が事業化・実用化 に結びついた確率 55.4% 71.4% 73.2% 40.0% 26.2% 24.4% 4.6% 2.4% 2.4% a.国内市場向け (n=65) b.海外先進国市場向け (n=42) c.海外新興国市場向け (n=41) ど れも 未作成 1年先くらい27.9% 3年先くらい 5年先くらい 44.7% 48.7% 59.8% 47.8% 41.9% 12.4% 7.5% 9.3% a.国内市場向け (n=323) b.海外先進国市場向け (n=226) c.海外新興国市場向け (n=236) 5 年先 のみ作 成 1年先くらい 3年先くらい 5年先くらい 18.6% 31.0% 34.7% 44.2% 47.9% 50.0% 37.2% 21.1% 15.3% a.国内市場向け (n=86) b.海外先進国市場向け (n=71) c.海外新興国市場向け (n=72) 5 年 先 と 1 0 年 先 を作 成 1年先くらい 3年先くらい 5年先くらい ○将来ビジョンを作 成している企業群 ほど、先の市場まで 把握できている傾 向にある。 ○ただし、元々将来の 市場ニーズを見通 しやすい領域で事 業を行なっていて、 結果として将来ビ ジョンを作成しや すい、という場合も 考えられる。 16.7% 40.0% 40.0% 66.7% 60.0% 60.0% 16.7% 0.0% 0.0% a.国内市場向け (n=6) b.海外先進国市場向け (n=5) c.海外新興国市場向け (n=5) す べて 作成 1年先くらい 3年先くらい 5年先くらい

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(3)将来ビジョンの有無と市場創造へのチャレンジの関係 質問:市場の確実性の高い(領域1・2)研究開発テーマと、市場の不確実性の高い(領域3・4)の研究開発 テーマの割合はどの程度ですか 質問:不確実性の高い市場(領域3・4)に積極的にチャレンジしたいとお考えですか (4)将来ビジョンの有無と研究開発の成功確率(事業化・実用化に結びついた確率)の関係 質問:貴社において、研究開発成果が事業化・実用化に結びついた確率はどれくらいでしょうか 短期(1~4 年)の研究開発 中長期(5 年以上)の研究開発 どれも未作成 66.7% (n=84) 14.5% (n=84) 5年先のみ作成 66.6% (n=357) 18.5% (n=357) 5年先と10年先を作成 59.4% (n=95) 21.2% (n=95) すべて作成 81.7% (n=9) 20.0% (n=9) 4.まとめ 将来ビジョンの作成 ・5年先くらいの計画を作成している企業は多くあるが、10年先 以上になると作成している企業は少なくなり、先の計画を作るこ とが難しいことを示しているといえる。 市場ニーズの把握 ・市場ニーズは3年先くらいまで把握できている企業が多く、5年 先くらいになると少なくなる。市場ニーズを見通すことも難しい ことを示しているといえる。 社会課題からの研究開発テーマ 創出 ・社会課題からの研究開発テーマの創出割合は少なく、社会課題か らバックキャストして研究開発テーマを生み出す取組みはまだま だ少ないと考えられる。 将来ビジョンと市場ニーズ把 握・新たな市場創出への積極性 などとの関連 ・明確な因果関係までは特定できないが、昨年度の結果と合わせて、 将来ビジョンを作成している企業群の方が様々な点で良い状態と なっている。 ○将来ビジョンを作成している企業群ほど、中長期の研究開発成果が事業化・実用化に結びついた確 率が高い傾向にある。 ○将来ビジョンを作成している企業群ほど、研究開発成果が事業化・実用化に結びついた確率が高い 傾向にある。

参照

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