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JAIST Repository: 多様性の経営

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Academic year: 2021

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JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/

Title

多様性の経営

Author(s)

山崎, 宏之; 鈴木, 浩; 山田, 郁夫

Citation

年次学術大会講演要旨集, 14: 232-236

Issue Date

1999-11-01

Type

Conference Paper

Text version

publisher

URL

http://hdl.handle.net/10119/5758

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す

るものです。This material is posted here with

permission of the Japan Society for Science

Policy and Research Management.

(2)

lC18

多様性の経営

0 山崎宏之,鈴木

浩 ( 三菱電機

),

山田郁夫 ( 三菱総研 ) L はじめに これからの社会は ,ネットワーク 社会であ るといわれている。 ネットワーク 時代は,組織自体も 開いたもの となり,組織メンバ 一の組織間移動も 活発化しその 結果,組織は 多様,性を増してくる。 企業にとり利益を 挙げるという 経済的側面は 大事であ る。 しかし人類社会を 傭 撤 する知識に関する 臨床哲 学的洞察無しに 利益追求をなすと ,企業は汚名を 残して潰れることもあ る。 このことは,企業にとり ,社会共 同体としての 側面が重要であ り,企業の増加する 多様性の一端を 示している。 これからの企業は , 生き残っていくために ,この多様性のバランスの 取り方に,企業の 個性を示すことにな る 。 この ょう に多様性は組織の 基本的特性であ る。 本論文では製造業の 観点から,技術経営における 多様性に ついて述べる。 2. 多様性は組織の 基本的性質 組織は, 「 2 人以上の人々の 意識的に調整された 諸活動, 諸 力 め 体系」と定義される [1] 。 この定義は組 織は様々な能力・ 性格を持っ人間達 ( 組織的目的達成の 貢献者達 ) の多様な活動の 集まる所であ ることを述べ , 多様性が組織の 基本的性質であ ることを示している。 多様性は組織にとって ,永遠の課題であ るが, どのよう な 問題が重要であ るかは,その 時代の社会や 経済を動かす カ によって , 異なってくる。 製造業の技術経営において ,多様性に係わる 現在の重要項目は 次のものであ ると考える。 2.1. Science-based skm イノベーションのない 組織は,変化の 激しい時代に 生き残れない。 イノベーションについては , 4 で述べる 26 に ,い く っ かの類型があ るが,比較的短期の 利益を追求する 企業の追求す べきイノベーションのタイプは ,

設計・製造の 現場のおける b ㌍燕市 rough 型イノベーションを 玉成していくタイプ (Nuts ㎝ udboIts 型の イ / ベーショ

ン ) であ る。 この型のイノベーションを 支えるのが,㏄ jen ㏄ -baS ㏄ dsk Ⅲであ る。 半導体製造には ,複合技術を 必要とする。 特に生産技術の 中でも,歩留まり 向上に大きく 影響するクリーン 化キ支 術の連用の差は 見逃せない。 「日本は,ウルトラクリーン 化技術の確立による 歩留まり向上によって , 1980 年代 一 19 卵年代前半に 半導体競争に 勝つことができた」という 表現はほぼ真実であ る。 歩留まりの向上と その他の「改善」による 飛躍的な生産技術の 向上により,生産設備投資額の 低減が達成された。 1970 年代の後半に ,三菱電機では ,応用物理の Ph.D. を持った研究者をこれまであ まり省みられなかった 半導 体の微細加工技術に 及ぼす ゴミ の影響の研究に 投入した。 時間帯による 人の動き,装置のレイアウト ,空気だ けでなく,ガス , 水 ,薬品等を含めたト 一タルシステムとしてのクリーン 化技術の確立を 目指し歩留りの 向 上と コストダウンを 徹底的に研究させ ,改善に成功した [2] 0 このように,日本では , Ph.D. を㎞ ence-ba

d sk Ⅲの開発に投入したことが ,その技術開発の 強みの一因であ ると りえょ また,表 1 に示すごとく ,半導体の設計・ 製造には,多様な scien ㏄ -b 撰 dskills が必要であ る。 2.2. パートナーシップ 変化が激しく ,スピードの 要求される時代に , 一つの企業が 必要となる多様な sk Ⅲ ( 前項 2.1 の意味での skilI) を 自前で開発することは 不適切であ る。 このことは,企業は 顧客に対して 価値を創造するに 当たっては,適切 な相手とパートナーシップを 組むことが世界的な 規模で行われていることによって 証明される。 例えば躍進著しい 台湾半導体産業構造の 現況を分析してみる。 1997 年頃 から母国台湾での 成功を夢見て ,米

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表 1 . 半導体における 基礎・基盤技術と 玉成技術 技術分野 基礎・基盤技術 玉成技術 基本デバイス・ テ 。 ⅠⅠ・イス 甘 臼田 巨イ け持 ⅠⅠ。 イホ 。 一 ラトランミノ。 スタ 回路および T./ Ⅰ。 イス 甘黄 7% MOS タ 。 イオート・ 、 ンステム テ。 Ⅰ ¥ 。 イス 技 7 日付 TTL 回路 テ 。 / Ⅰ。 イス甘皮行行 MOS 回路 ソフトウエア・ 、 ンステム・ テ 。 ハ 。 イス技術 マイクロフ。 ロセッサ 非晶質結晶技術 太陽電池 薄膜・表面技術 不揮発性メモリ プロセス ビーム応用技術 イオン打ち込み 技術 ビーム応用技術 リガ・ラフィー 技術 薄膜・表面技術 7 ト ト 技術 薄膜・表面技術 LOCOS7 。 帥ス 技術 デバイスの信頼性 薄膜・表面技術 Si02 中の Na ィル の解明 薄膜技術 酸化膜のル処理 放射線技術 な 線による 刀トエナ 対策 国から母国に 戻る台湾系留学生や 米国企業で実務経験を 積んだ技術者の 数は年間 3,0 ㏄人にもおよんだ。 これに より,台湾では 米国各電子産業との 間に,人的資源の 育成 ( 米国での電子産業への 就業 ) + 帰国 + 米企業との 技術交流・事業上の 協力Ⅰ提携という「 人 」の移動をべ ー スとした 米 ・ハイテク業界との 知識,技術,ビジネ スの循環構造が 形成された。 また,一元的科学技術政策に よ る国内大学の 研究・教育機能の 動員が実施された。 このような状況を 考えると,企業はバローバルに 第一級の技術となし 7 与るもののみに 積極的に投資を 行う ノ、 要 があ る。 例えば,インテルでは hjghvolume の半導体製造業者, PC マーケット ( ビジネス・コンピュータ , 家 雇用エンターテイメント・コンピュータへの 強い関心 ) , 急速な技術の 開発を指向している。 2.3. 不確実性 科学技術の進歩がめざましく ,社会・経済・ 政治の環境が 激しい変化をする 時代には,将来を 予測すること は難しい。 将来は現在のトレンドを 一直線に延長したところにはなく ,現況からいくつかの 枝分かれしたもの となる ( 図 1) 。 このことは,エンジニアリンバの 世界は chaos の状態であ ることを示している。 大型 イヒ

(superc0mputer)

コンピュータ Ⅱ endly 化ヒ (PC) Network 化化 (C&C) 図 ] . 基幹技術の分枝 例 3. 多様性の経営 多様性の経営の キ 一ポイントは , (m) 多様性の確保と (m) 多様性のインテバレーションであ る。

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3.1. 多様性の確保 a. 必要な伝統技術の 維持 発展 電機技術の領域で ,具体例を挙げるならば ,絶縁や腐食の 技術であ る。 これらは,電機機器の 存在する限り , その設計・製造のみならず ,保守にも必要であ る。 大学では先端的な 研究には,人も 金も集まるが ,伝統技術 は,人 と金に乏しくなり 衰退する。 生物にたとえるならば ,絶滅種の保存の 問題といえる。 伝統技術は,関連する 先端技術の進歩によって 自らも変わらねばならないので ( 例えば,新絶縁材料と 絶縁 技術 ) , コンピュータによるエキスパート・ 、 ンステムのごときものによって 解決される問題ではない。 産学の 共同によって 解決すべきものであ る。 b. 将来への備えとしての 新技術 2.3 で述べた よう に,未来エンジニアリンバの 世界は, ch ⑯ s であ って,多様な 杣 tematives をはらんでいろ。 こ の alternatives に対応した技術開発は ,適切な人と 費用の許す限り 行 う べきであ る。 再び,生物のメタファーを 用 いるならば,この ょ 6 な技術開発は 分子進化の中立説に 相当する [3] 0 3.2. 多様性のインテバレーション 一統一性 多様なるものをそのままにしておいたのでは ,混沌となって ,組織の目的を 達成することはできない。 多様 なるものを統合する 求心力となるもの ( 統一性を促すもの ) が必要であ る。 このような 憶 te 餌 ative なカ として次 の様なものがあ る。 a. 経営トップのビジョン トップのビジョンは , chaotic な 将来に対して ,進むべき方向を 与え,多様なるものの 有効な統合をもたらす。 トップのビジョンがなければ ,大きなイノベーションは 起こらない。 既存部門の既得権 益の防護や情緒的な 反 対によって,イノベーションは 抑えられる。 b. 価値の革新

[4]

これは,顧客がどのような 価値を重んずるかをよく 把握しこれを 実現する具体的方策を 考え抜くことであ る 。 このような価値の 革新は,組織の 目的に直接 係 わるものであ る。 技術革新が,目的達成の 手段に係わるも のであ ることを考えると ,価値の革新は 高次革新といえる。 ( 学習において 高次学習と低次学習があ ることに 依って,このように 名付けた [5] 。 高次革新が統一性の 源となる。 ) 4. 多様性の問題とこれからの 方向 多様性は組織の 基本的な課題であ るが,上に述べたことに 基づき,多様性問題のこれからの 方向について 述 へ 。 る 。 4.1. 多様性解決の 社会的分担 2.1 で述べたように ,イノベーションのない 組織は生き残れない。 イノベーションは , b 鵬 故山 rough 型, nuts& bolt

, syslem 型の三つの類型 [6] があ るが,これらの 諸類型の特性を 考えると,これらのイノベーションは , 次のような分担が 望ましいと考える。 bre 荻 ㎞ ough 型は大学。 nuts ㎝ dboIts 型は企業。 system 型はコミュニティ。 に こで,コミュニティというのは ,大は国際社会から ,小は局所的なコミュニティに 至るあ らゆるレベル のものが含まれる。 創始しようとする、 ンステムが , 例えば,環境問題の 解決ならば,国際的なものとなる べく,日本の 新幹線ならば ,国家となる )

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4.2. ガバナンス 経営者は会社を 永遠に存続させたい。 会社は永遠に 存続すべきものという 思いを持っている。 そのためには , 企業は「現在を 生きる」と共に「将来を 拓 く 」ことが必要であ る。 我々は「現在を 生きる」経営行動をマネジ

@

「将来を拓 く 経営行動」をガバナンス [7 ∼ 12] と名付けている。 大きなイノベーションは , トップ の ビジョンと決断がなければ ,既存の組織によって 反対される可能性が 大きい。 トップ層も社覚の 役員を含ま ないときは,保守的となる 可能性が大きい。 社外役員が過半数を 占めるガバナンス・ボードが 望まれる。 4.3. 個性発展の機会 企業は個人の 人にとって,個性の 発展の機会に 富む場でなければならない。 イノベーションを 担当する人を 斤 ㏄ agent として 処 通することが keypoint になる [13 ∼ 16] 。 不確実な時代においても 企業を存続させるためには , 教育・給与・ 人事制度の刷新が 必要であ る。 これからの研究組織を 考えるとき,研究者Ⅰ技術者一人一人は 比 eagent であ るということを 基本にしなけれ ば ,その組織の 存続は難しい。 また, 捷 e ㎎ ent としての研究者Ⅰ技術者が 望むもの

給与はその一つのもので あ るが,それにも 増して,先端的研究のできる 設備,優れた 指導者の存在,企業の 自由な雰囲気 ( 例えば, 社 訓 はあ るが,社則はないというようなこと ) が重要であ る一一をインフラ ストラクチ ャ として持つ研究 き mP 巳

が,いわゆる COE (CenlerofEx ㏄ llence) といわれるものであ ろう。

5, むすび 現在の日本における 企業活動の困窮は ,人類社会を 傭 畷 する知識に関する 臨床哲学的洞察の 欠如に起因して いると考える [17] 。 企業の増大する 多様性をうまく 経営することにより ,活路が開けると 信ずる。 特に,顧 客は重要な資産であ り, vaIueimovation の源泉であ る。 顧客のもっ知識 ( 広義のもので ,暗黙 知 をも含む ) が , どのような価値のものが 重要であ るかを反映した 経営に登しなければならない。 参考文献

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表  1  .  半導体における  基礎・基盤技術と  玉成技術  技術分野  基礎・基盤技術  玉成技術  基本デバイス・  テ  。  ⅠⅠ・イス  甘  臼田  巨イ  け持  ⅠⅠ。  イホ  。  一  ラトランミノ。  スタ  回路および  T./  Ⅰ。  イス 甘黄  7%  MOS  タ  。  イオート・  、  ンステム  テ。  Ⅰ  ¥ 。  イス  技 7  日付  TTL  回路  テ  。  /  Ⅰ。  イス甘皮行行  MOS  回路  ソフトウエア・  、  ンステム・ 

参照

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