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仮名文書の資料性 : 説話の「によりて」節との比較

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(1)九州産業大学国際文化学部紀要 第 69 号〔35〕−〔60〕(2018). 料としたのは、仮名を用いた代表的な和文資料であること、実. の物語の﹁によりて﹂節と比較・検討を行った。物語を比較資. 仮名文書の資料性. 二 調査対象の資料. い、その結果を報告する。. では、院政・鎌倉時代の説話を比較対象として同様の調査を行. には、なお他の資料との比較検討が必要である。そこで、本稿. 状よりも物語に近い部分が指摘されたが、その意味づけを行う. 理由による。結果、仮名文書の譲状の表現には、漢字専用の譲. 用文の古文書とは異なるジャンル︵文学資料︶であること等の. 辛  島  美  絵. ︱説話の﹁によりて﹂節との比較︱. 一 研究目的 ︵注一︶. の表現上の特徴を有する一方、理由の﹁によりて﹂節の用例数、. 討を行った。結果、仮名文書の譲状は、漢字専用の譲状と同様. に着目し、仮名の多寡で譲状を分類した上で、用法の比較・検.  仮名文書の資料性を検討するために、辛島美絵︵二〇一五︶ ︵二〇一六︶では鎌倉時代の譲状の理由を表す﹁によりて﹂節.  そこで本稿では、和文系として﹃宇治拾遺物語﹄全巻と﹃今 昔物語集﹄巻二七・巻二九、漢文系として﹃十訓抄﹄全巻と﹃今. がりを有すること等の理由による。. が存すること、王朝の貴族中心の物語と比べ、読者に階層的広. すること、和文系の文章のものと漢文系の文章のものとの両方. 本稿は、日本語史資料としての仮名文書研究の一環であり、   辛島美絵︵二〇一七︶に続くものである。. 理由の内容の具体性、節内の構造等について漢字専用の譲状と. 昔物語集﹄巻一二・巻一七について調査を行った。これらを選.  説話を調査対象としたのは、仮名文書と同じく仮名を用いた 作品が存すること、調査対象の仮名文書と同じ時代の作品が存. は異なる独自の特徴が見られ、仮名が多い仮名文書ほどその傾. ︵注二︶. 向が強いことがわかった。. ることによる。. 定したのは、﹃日本語歴史コーパス 鎌倉時代編Ⅰ説話・随筆﹄ により用例の検索ならびに全語数等のデータの参照が可能であ.  そこで、仮名文書独自の特徴の由来と文体的な位置づけを明 らかにするために、辛島美絵︵二〇一七︶では平安・鎌倉時代. 〔 35 〕.

(2) 辛 島 美 絵.  実際の調査は﹃ジャパンナレッジ. ︵日本古典文学全集︶﹄ Lib. と﹃日本語歴史コーパス 鎌倉時代編Ⅰ説話・随筆﹄の検索機 能を利用し、テキストは右の底本である﹃新編日本古典文学全 集﹄に拠った。  調査対象資料の﹁によりて﹂節の用例一覧は、本稿末尾の︻別 ︵注三︶ 表︼のごとくである。. 漢文系説話では二〇五例で、和文系説話と漢文系説話の用例数 はおおよそ一対五の比率となる。.  すなわち、全語数が少ない漢文系説話の方が和文系説話の五 倍の用例を有していることになり、﹁によりて﹂節は、和文系. 説話には少なく、漢文系説話に多いことがわかる。.  また、漢文系説話では使用箇所に大きな偏りはないが、和文 系説話では会話・心話・手紙等で使用される率が高い。漢文系 ︵注五︶. 説 話 で は 会 話・ 心 話 等 で の 使 用 例 は 全 体 の 三、四 割 で あ る が、. 話︵ ﹃宇治拾遺物語﹄と﹃今昔物語集﹄二七・二九巻︶と漢文系. 訓抄﹄が七三,五〇七語である。つまり、調査対象の和文系説. 九五三語、 ﹃今昔物語集﹄一二巻・一七巻が五九,五〇四語、 ﹃十. が 一 〇 一, 二 五 二 語、 ﹃ 今 昔 物 語 集 ﹄ 二 七 巻・ 二 九 巻 が 五 八,. ︶ で﹃ 宇 治 拾 遺 物 語 ﹄ 数︵ CHJ_SUW_TTWC_v201703.xlsx. 調 査 対 象 の 各 資 料 の 全 語 数 は、 ﹃日本語歴史コーパス 鎌     倉 時 代 編 Ⅰ 説 話・ 随 筆 ﹄ の 語 彙 統 計 に よ る と、 短 単 位 延 べ 語. 鎌倉時代の譲状では、﹁によりて﹂を使用した譲渡理由の表示. 文 章 に は な じ み に く い も の で あ っ た こ と が 推 察 さ れ る。 一 方、. 節は、口頭での表現から排除されるものではないが、和文系の. すなわち、平安・鎌倉期においては、原因・理由の﹁によりて﹂. 系説話も物語も共に会話部に用例が偏在していることになる。. いで和文系の説話、そして漢文系の説話の順に多用され、和文.  以上の結果を、辛島美絵︵二〇一七︶で報告した物語の調査 結果と合わせると、﹁によりて﹂節は、物語が最も少なく、次. 和文系説話では七割に上る。. 説話︵ ﹃今昔物語集﹄一二・一七巻と﹃十訓抄﹄︶の全語数はお. がほぼ定型となっているため﹁によりて﹂節の使用例は非常に. 三 ﹁によりて﹂節の用例数について. およそ一対〇・八の比率となる。. 名主体の仮名文書︶では比較的用例が少ないことは、辛島美絵. 多い。ただし、仮名が多い文書︵仮名半分程度の仮名文書や仮.  一方、調査対象の各資料の﹁によりて﹂節の用例数は、﹃宇 治拾遺物語﹄が三一例、 ﹃今昔物語集﹄二七巻・二九巻が九例、. ︵二〇一五︶︵二〇一六︶で指摘したとおりである。 ︵注四︶. ﹃今昔物語集﹄一二巻・一七巻が一〇七例、 ﹃十訓抄﹄が九八例 で、合計は二四五例であった。つまり、和文系説話では四〇例、. 〔 36 〕.

(3) 仮名文書の資料性. 三、 ﹁によりて﹂節で表現される内容︵理由となる事柄︶. ︻別表︼の﹁に  説話の﹁によりて﹂節で示される理由の内容は、 よりて節﹂欄を参照されたい。いずれも具体的に記されており、. ︻表A︼の﹁説話﹂欄のパーセンテージを見ると分かるように、   説話の﹁によりて﹂節内は、全体的に﹁名詞﹂﹁名詞句﹂﹁動詞. 述語﹂の割合が高い。これは物語の傾向とほぼ同様の結果であ. で述べるように説話の﹁によりて﹂節には指示語が多く使用さ. 美絵︵二〇一七︶で報告した物語と同様である。後の︵四ノ一︶. 半分・仮名主体文書で高い。.  一方、古文書は﹁名詞述語﹂と﹁有り無し述語﹂の割合が高い。 また﹁動詞述語﹂は漢字専用文書、漢字主体文書で低く、仮名. る。. れているが、指示する内容はいずれも明確であり、この点も物. 以下、説話での具体的な使用状況を見ていく。説話の各資料   の用例数は次頁の︻表B︼を参照されたい。. この点では、辛島美絵︵二〇一五︶で報告した仮名文書、辛島. 語と同様である。. ︵四ノ一︶﹁名詞﹂﹁名詞句﹂と﹁名詞述語﹂. いる︵︻表B︼参照︶。﹁名詞﹂の例は︻別表︼﹁通し番号﹂の一. 定の資料に偏ることなくいずれの資料も高い割合で用いられて.  説話の﹁によりて﹂節内が﹁名詞﹂﹁名詞句﹂である割合は それぞれ二五%、二八%と高く︵︻表A︼﹁説話﹂欄参照︶、特. 辛島美絵︵二〇一六︶で述べたように、漢字専用文書、漢字   主体文書には、 ﹁依有子細﹂等、具体的な内容のない形式的な 理由が示される割合が高かった。このような表現は、平安、鎌 倉時代の物語と説話にはほとんど見られない。. 四、節内の構造. 番から六二番、﹁名詞句﹂の例は同じく六三番から一三〇番で ある。. 説話で目立つのは指示語の多用である。﹁名詞﹂ではその八   ︵注七︶ 割近くが﹁これによりて﹂あるいは﹁それによりて﹂の例であ. ︻別表︼の﹁節内の構造﹂欄は、 ﹁によりて﹂節内の述語をも   ︵注六︶ とに分類した結果を記しているが、それをこれまでの調査資料 とあわせて整理し用例数をまとめたのが次頁の︻表A︼である。. り、﹁名詞句﹂ではその三割に﹁この﹂や﹁かく﹂﹁その﹂等が. ︵注八︶. 括弧内のパーセンテージは、各資料で用いられた﹁によりて﹂. 使用されている。﹁名詞﹂の指示語は各資料の地の文で使用さ. ︵注十︶. 節の用例数を一〇〇としたときの﹁名詞﹂ ﹁名詞句﹂等の用例. れることが多い。文頭に用いられることが多く、前の複数の文. ︵注九︶. の割合を示したものである。. 〔 37 〕.

(4) 辛 島 美 絵. 【表A 】 節内の構造 名詞 名詞句 名詞述語 有り無し述語 動詞述語 形容詞述語 合計用例数. 仮名文書の譲状. 漢字専用 文書の譲状 漢字主体. 仮名半分. 仮名主体. 物語. 合計. 説話. 2( 2% ) 1( 2% ) 0( 0% ) 2( 3% ) 3( 2% ) 18( 17% ) 62( 25% ) 1( 1% ) 2( 5% ) 2( 13% ) 4( 6% ) 8( 6% ) 48( 45% ) 68( 28% ) 45( 51% ) 18( 42% ) 5( 33% ) 22( 31% ) 45( 35% ) 2( 2% ) 11( 4% ) 28( 31% ) 12( 28% ) 3( 20% ) 22( 31% ) 37( 29% ) 6( 6% ) 24( 10% ) 10( 11% ) 5( 12% ) 3( 20% ) 17( 24% ) 25( 20% ) 21( 20% ) 69( 28% ) 3( 3% ) 5( 12% ) 2( 13% ) 3( 4% ) 10( 8% ) 12( 11% ) 11( 4% ) 89( 100% ) 43( 100% ) 15( 100% ) 70( 100% )128( 100% )107( 100% )245( 100% ). 【表B】 作品名 名詞 名詞句 名詞述語 有り無し述語 動詞述語 形容詞述語 合計. 今昔物語集. 宇治拾遺物語. 4 16 0 1 10 0 31. ( ( ( ( ( ( (. (和文系). 13% ) 52% ) 0% ) 3% ) 32% ) 0% ) 100% ). 4 4 0 1 0 0 9. ( ( ( ( ( ( (. 今昔物語集 (漢文系). 44% ) 25 44% ) 30 0% ) 5 11% ) 15 0% ) 29 0% ) 3 100% ) 107. ( ( ( ( ( ( (. 23% ) 28% ) 5% ) 14% ) 27% ) 3% ) 100% ). 29 18 6 7 30 8 98. ( ( ( ( ( ( (. 合計. 30% ) 62 18% ) 68 6% ) 11 7% ) 24 31% ) 69 8% ) 11 100% ) 245. ( ( ( ( ( ( (. 25% ) 28% ) 4% ) 10% ) 28% ) 4% ) 100% ). ︵注十一︶. の内容を指示して接続詞的に用いられる例もあって、原因・理. 由を示すのみならず、前文をうけて後へと語りを展開して行く. 役割を果たしている。. 次に、説話の﹁によりて﹂節内が﹁名詞述語﹂である割合は   四%で、﹁名詞﹂﹁名詞句﹂の割合と比べるとかなり低い︵︻表. A︼﹁説話﹂欄参照︶。用例は︻別表︼﹁通し番号﹂一三一番か. ら一四一番である。いずれも漢文系説話の例で、和文系説話に. は用例がない。ナリ系のものが七例︵うち状態性の名詞にナリ. がついた形容動詞が三例︶、タリ系のものが四例である。. ﹁名詞句﹂﹁名詞述語﹂の内部の構造は単純で、内部に連用修   ︵注十二︶ 飾節を有するものは少ない。. ︵四ノ二︶﹁有り無し述語﹂.  説話の﹁によりて﹂節内が﹁有り無し述語﹂である例は︻別表︼ の﹁通し番号﹂一四二番から一六五番である。その割合は﹁名. 詞﹂﹁名詞句﹂に比べて低く︵︻表A︼﹁説話﹂欄参照︶、資料別. にみても同様である︵︻表B︼参照︶。. 便﹂ ﹁縁﹂ ﹁金﹂ ﹁古意﹂ ﹁宿願﹂等、  ﹁有り無し述語﹂の主語は、 「 様々な事物にわたる。. ︵四ノ三︶動詞述語.   説 話 の﹁ に よ り て ﹂ 節 内 が﹁ 動 詞 述 語 ﹂ で あ る 例 は︻ 別. 〔 38 〕. 十訓抄.

(5) 仮名文書の資料性. 二八%で﹁名詞﹂﹁名詞句﹂と同様に高い︵ ︻表A︼﹁説話﹂欄参照︶。. 表︼の﹁通し番号﹂一六六番から二三四番である。その割合は. 高いが、物語と説話は低い。. り無し述語﹂である割合は、漢字専用文書、仮名文書ともに. ︵2 ︶理由の﹁によりて﹂節内が﹁名詞述語﹂である割合と﹁有. が多いが、漢字専用文書に形式的な理由の占める割合が高い. ︵ 3 ︶譲状の理由の﹁によりて﹂節の表現内容は類似するもの. ﹁によりて﹂節の例が少ない﹁今昔物語集︵和文系︶﹂には﹁動 詞述語﹂の用例がないが、その他の資料にはいずれも三〇%前 後の割合で用いられている︵ ︻表B︼参照︶ 。. のに比して、仮名文書では内容を具体的に記す例が多い。物. 語と説話は、いずれも理由の内容は具体的に記される。.  説話の﹁によりて﹂節内が﹁形容詞述語﹂である例は二三五 番から二四五番である。その割合は四%と低く︵︻表A︼ ﹁説話﹂. の﹃松浦宮物語﹄にのみ高く、説話では漢文系、和文系とも. 仮名文書に高く、漢字専用文書では低い。物語では鎌倉時代. ︵四ノ四︶形容詞述語. 欄参照︶ 、資料別でも同様である︵ ︻表B︼参照︶。﹁同じき﹂の. に高い。. ︵ 4 ︶ 理 由 の﹁ に よ り て ﹂ 節 内 が﹁ 動 詞 述 語 ﹂ で あ る 割 合 は、. 例が合計三例のほか、 ﹁すくなき﹂ ﹁あつき﹂ ﹁貧キ﹂ ﹁囂キ﹂ ﹁す べなき﹂ ﹁早キ﹂ ﹁深き﹂等、状態性の形容詞が主である。.  右のうち、仮名文書と漢字専用文書とに共通する特色として 認められるのは︵1 ︶の譲渡理由での﹁によりて﹂の多用と、. ﹁有り無し述語﹂の多用である。︵1 ︶の﹁に ︵2 ︶の﹁名詞述語﹂. は定型的表現であり、仮名文書の譲状にも相当数の用例があ. ︵1 ︶譲状で譲渡理由を述べる際に﹁によりて﹂を使用するの. 説話の調査結果とこれまでの古文書・物語の調査結果をあわ   せると、以下のごとくである。. される。とくに﹁名詞述語﹂は、仮名主体の文書においても相. 文書においては、漢字専用の譲状の表現に従った部分だと判断. から、これらは古文書の譲状としての表現の特色であり、仮名. ﹁有り無し述語﹂の多用は、物語・説話ともに見られないこと. 五、まとめ. よりて﹂の多用は、物語と和文系説話に見られないこと、漢字. るが、漢字書き部分が多い文書ほど用例が多く、漢字専用文. 当 数 の 例 が 見 ら れ る。﹁ か う い ち や う し の ま こ た る に よ り て ﹂. 書き部分が多い文書ほど多用されること、 ︵2 ︶の﹁名詞述語﹂. 書ではさらに多用される。物語や和文系説話の地の文では用. ︵深堀仲光後家尼譲状案︶や、﹁しけむねかしりやうたるにより. ︵注十三︶. 例がきわめて少なく、漢文系説話には用例が多い。. 〔 39 〕.

(6) 辛 島 美 絵. も少ない。これらの書き手のほとんどは地方在住の武士やその. て﹂ ︵重宗山等譲状︶のごとく多くはタリ系であり、形容動詞. か、他の資料の叙述のあり方と比較検討していく必要がある。. こ と が 確 認 で き た が、 こ れ が 何 に 基 づ く 文 章 上 の 特 色 で あ る. 時期の鎌倉時代の仮名使用の物語・説話にも同様の傾向がある. ︵注十四︶. 妻たちであるが、彼らにおいても使うことをよしとされた古文. 次稿の課題としたい。. 注. 書の表現、つまり古文書用語だと見ることができよう。  一方、仮名文書が漢字専用文書とは異なる表現傾向を見せて い る の が︵ 3 ︶ の 理 由 の 内 容 の 具 体 的 な 記 述 と︵ 4 ︶ の﹁ に よりて﹂節内の動詞述語の多さである。これらは譲状の様式に. る。仮名文書の定義や、仮名文書を日本語史資料として研究すること. ︵注一︶ 本稿でいう仮名文書とは、仮名が使用されている古文書のことであ. 文 書 な ら で は の 表 現 が さ れ て い る 部 分 と 見 て よ か ろ う。︵ 3 ︶. の意義等については、辛島美絵︵二〇〇三︶︵二〇一〇︶他を参照。. 従って譲渡理由を﹁によりて﹂で記しつつも、その節内に仮名. に見える仮名文書の記述の具体性は、辛島美絵︵二〇一四︶で. 譲状には譲渡理由を記載しない場合も多くあるが、記す場合に. 体的にありのままに叙述する﹀傾向に繋がるものと思われる。. よりて﹂﹁によて﹂﹁によつて﹂﹁によんて﹂﹁依﹂の例を合わせて﹁に. 理由等については辛島美絵︵二〇一五︶を参照。なお、本研究では﹁に. 文書でも特に譲状をとりあげる理由、理由の﹁によりて﹂に着目する. ︵注二︶ 鎌倉時代に着目する理由については辛島美絵︵二〇〇三︶を、仮名. は、仮名文書は﹁いへさね、しんしもたぬによりて﹂︵大神家. よ り て ﹂ と 称 し、 こ れ を 用 い て 原 因・ 理 由 を 表 し た 節 を﹁ に よ り て ﹂. ﹁べからず﹂の調査から指摘した︿抽象化、単純化をせず、具. 実譲状案︶などのように具体的に記す例が多い。対して漢字専. 節と称する。. 整備よりも具体的な記述にあることが伺われる。︵4 ︶の﹁動. あるが、仮名文書の場合もこれに近く、表現の主眼が形式的な. て使用されるので、記載された理由が具体的であるのは当然で. 話の理由の﹁によりて﹂は、形式ではなく内容上の必要によっ. なく、具体性のない譲渡理由が記されることが多い。物語や説. 詞﹂﹁名詞句﹂と記した。なお﹁代名詞﹂は﹁名詞﹂に含めた。. 場合は、最も後部の述語で分類し、節内が名詞や名詞句の場合には﹁名. 究においてとくに立てた分類である。なお、節内に複数の述語がある. り﹂﹁無し﹂とその敬語であるもので、古文書に用例が多いため、本研. 類した結果を示した。このうち﹁有り無し述語﹂とは、述語が存在の﹁有. ︵注三︶ ︻別表︼の﹁節内の構造﹂欄は、﹁によりて﹂節内を述語によって分. 十五. 用文書は、譲渡理由を記載しない譲状の割合は仮名文書より少. 詞述語﹂の多さについては、今回の調査により、仮名文書と同. 〔 40 〕.

(7) 仮名文書の資料性. を示した。.     ﹁前文﹂﹁後文﹂欄は、それぞれ﹁によりて﹂節の直前と直後の部分. 会話、心話、手紙等であれば﹁会﹂と記した。. ﹁によりて﹂節の使用箇所が地の文であれば﹁地﹂、     ﹁使用箇所﹂欄は、. ︵注十一︶  ︻ 別 表 ︼﹁ 通 し 番 号 ﹂ 一 九 番、 二 〇 番、 二 八 番、 五 〇 番、 五 八 番、 五九番。. ︵注十二︶  ︻ 別 表 ︼ の﹁ 通 し 番 号 ﹂ 九 三 番、 九 四 番、 一 〇 一 番、 一 三 〇 番、 一三一番、一三八番。. ︵ 注 十 三 ︶  辛 島 美 絵︵ 二 〇 一 五 ︶ に 掲 載 の︻ 別 表 ︼ 一 一 番 の 用 例。 寛 喜 四. ︵ 一 二 三 二 ︶ 年 二 月 一 八 日  肥 前 深 堀 文 書 ﹃ 鎌 倉 遺 文  古 文 書 編 ﹄.     ﹁新編全集・頁﹂欄は、﹃新編日本古典文学全集﹄の各冊の書名を略 号で示し、頁数を示した。 ﹁十﹂は﹃十訓抄﹄、 ﹁宇﹂は﹃宇治拾遺物語﹄、. 四二七八号. 辛島美絵︵二〇〇三︶﹃仮名文書の国語学的研究﹄清文堂出版. ︵研究書・論文︶. ︻参考文献︼. 一〇九〇号. ︵ 一 一 九 九 ︶ 年 一 二 月 六 日  豊 後 都 甲 文 書  ﹃ 鎌 倉 遺 文  古 文 書 編 ﹄. ︵ 注 十 五 ︶  辛 島 美 絵︵ 二 〇 一 五 ︶ に 掲 載 の︻ 別 表 ︼ 一 番 の 用 例。 正 治 元. 二二一六八号. ︵一三〇五︶年四月一八日 若狭秦金蔵氏文書  ﹃鎌倉遺文 古文書編﹄. ︵ 注 十 四 ︶  辛 島 美 絵︵ 二 〇 一 五 ︶ に 掲 載 の︻ 別 表 ︼ 五 四 番 の 用 例。 嘉 元 三. ﹁今①﹂は﹃今昔物語集①﹄の略号である︵﹁今②﹂﹁今④﹂も同様︶。 ﹁節内の構造﹂ごとにまとめた上で、 ﹁によりて節﹂、 ﹁使用箇     用例は、 所﹂の順に並べて﹁通し番号﹂欄に番号を付した。 ︵注四︶ 辛島美絵︵二〇一七︶と同様に、副詞的に用いられる﹁何によりてか﹂ ﹁誰によりてか﹂等の例は除外した。 ︵注五︶ 和文系説話では会話・心話等の例が四〇例中二八例、漢文系説話で は二〇五例中七二例。なお、 ﹃日本語歴史コーパス 鎌倉時代編Ⅰ説話・   随 筆 ﹄ の 語 彙 統 計 に よ る と、 短 単 位 延 べ 語 数︵ CHJ_SUW_TTWC_ ︶ で は、 各 資 料 全 体 の 延 べ 語 数 に お け る 会 話・ 心 話 等 の v201703.xlsx. ︵注六︶ 述語の分類の方法は︵注三︶参照。. 割合はいずれも二、三割程度である。. ︵注七︶ 六二例中四八例、 ︻別表︼﹁通し番号﹂一五番から六二番。. 辛島美絵︵二〇一〇︶﹃古代の︿けしき﹀の研究│古文書の資料性と語の用法. ︱﹂﹃九州産業大学国際文化学部紀要﹄五七. 辛島美絵︵二〇一四︶ ﹁日本語史資料としての仮名文書│仮名文書と﹃徒然草﹄. │﹄清文堂出版. ︵注八︶ 六八例中二一例、︻別表︼﹁通し番号﹂六四番から七八番、八九番か ら九一番、一〇二番から一〇四番。 ︵注九︶ 地の文三六例、会話・心話等一二例。 ︵注十︶ 文頭四四例、文中四例。. 〔 41 〕.

(8) 辛 島 美 絵. 辛島美絵︵二〇一五︶﹁仮名文書の資料性︱理由を表す﹁によりて﹂節の表現 から︱﹂﹃九州産業大学国際文化学部紀要﹄六一 辛島美絵︵二〇一六︶﹁漢字専用文書と仮名文書︱漢字専用文書の理由を表す ﹁によりて﹂節について︱﹂﹃九州産業大学国際文化学部紀要﹄六三 辛島美絵︵二〇一七︶ ﹃仮名文書の文体︱物語の﹁によりて﹂節との比較︱﹂ ﹃九 州産業大学国際文化学部紀要﹄六六 ︵資料集・全集・データベース︶. 一九九一年 補遺一∼四巻 一九九四∼一九九五年. 宇治拾遺物語、. ﹄株式会社ネットアドバンス Lib. 今昔物語集、. 十 訓 抄  小. 版  鎌 倉 遺 文 ﹄ 竹 内 理 三・ 東 京 大 学 史 料 編 纂 所 編  東 京 堂 出 版  CD-ROM. 年 ︵二〇一七年八月    http://pj.ninjal.ac.jp/corpus_center/chj/heian.htmll 二一日確認︶. 科研費 JP17K02797 の助成を受けたものです。 ︻付記︼本研究は JSPS. 〔 42 〕. ﹃ 鎌 倉 遺 文  古 文 書 編 ﹄ 竹 内 理 三 編  東 京 堂 出 版  一 ∼ 四 二 巻  一 九 七 一 ∼. ﹃ 二〇〇八年 ﹃ジャパンナレッジ. ∼. 51. ﹃日本語歴史コーパス 鎌倉時代編Ⅰ説話・随筆﹄国立国語研究所 二〇一六. 50.    http://japanknowledge.com/library/ ﹃新編日本古典文学全集﹄. 38. 学館 一九九六年∼二〇〇二年 . 35.

(9) 仮名文書の資料性. 【別表】 通し 番号. によりて節. 1. 義によりて. 2. 仰せによりて. 3. 仰セニ依テ. 4. 御願ニ依テ. 5. 御託宣ニ依テ. 6. 主命によりて. 7. 宣旨によりて. 8. 勅勘によりて. 9. 勅定によりて. 10 笛によりて 11 能によりて. 12 淵酔によりて. 13 命によりて 14 讒奏によりて. 15 これによりて. 16 これによりて. 節内の 構造. 前文. 後文. 使用 新編全集・ 箇所 頁. 身 は 恩 の た め に つ か は 軽しといへる、これらな 地 れ、命は り。 主上あやしみ給ひて、こ 名詞 の僧を召しければ、明暹 、上りて簀子に候ふに、 地 ひざまづきて庭に候ふ。 此モ彼モシテ給ハムニ、 名詞 書生、 「 事ハ可申キ様モ無シ。…」 会 ト云ケレバ、 雨降リ御マスト思フガ哀 名詞 此ノ日ハ、正シク 地 レニ悲キ也。 然レバ、其ヨリナム今ノ 所ヲ撰ビテ、空ヨリ星ニ 名詞 石清水ノ宮ニハ遷ラセ給 地 テ□ラセ□給□。 ヒケル。其レモ、 、宣旨をかへりみず、一 季春をよびて、 「いかがす 矢は射候ひぬ。このうへ 名詞 べき」といひあひけるに、 会 は、いかにも違勅のがれ 「 候ふべきにあらず。…」 名詞 壬生忠岑、 、春の歌奉りけるに、 地 定家 、殿上人にておは 、入りこもられたりける 名詞 しける時、いかなること 地 が、… にか、 、法花八軸を一夜中に暗 名詞 また 地 誦しけり。 かくめでたきことに、明 、召し出されたる、いみ 名詞 宗、させる道のものにも じきことといひけるほど 地 あらぬを、 に、… 、道にいたる徳もあれば、 名詞 道にあらざるたぐひ、 地 … 履中天皇、いまだ太子の 御時、御弟の住吉仲皇子 名詞 のために武をおこして、、このことを知り給はず。 地 太子の難波の宮をかこめ りしに、太子、 天魔のために、芳恩をほ 、その報答すべき由をこ 名詞 どこし給ふことあるによ 地 ひ申すに、 りて、なにごとにても まことにさることとおぼ 、罪を蒙ること、昔もな 名詞 地 ゆ。 きにはあらざりけり。 それに御夢に、御堂入道 殿参りて申し給ひて曰 く、「丈六の仏を造れる 人、子孫においてさらに 明快座主に仰せあはせら 名詞 会 悪道に落ちず。それがし れて、丈六の仏を造らる。 多くの丈六を造り奉れ り。御菩提において疑ひ 思し召すべからず」と。 、かくのごとくいはるる。 知房、腹立して、 「…。和 もつとも奇怪なり。今よ 名詞 歌のかたは、すこぶるか 会 りのち、和歌をよむべか れに劣れり。 らず」といひけり。 名詞. 〔 43 〕. 十・ 216 宇・ 308. 今④・ 368 今①・ 177 今①・ 178. 十・ 477 十・ 96 十・ 427 十・ 61 十・ 451 十・ 385. 十・ 214. 十・ 41 十・ 229. 宇・ 165. 十・ 105.

(10) 辛 島 美 絵. 17 これによりて. 18 これによりて. 19 これによりて. 20 これによりて. 21 これによりて. 22 これによりて. 「清衡は王地を多く押領 して、ただいま謀反を発 、これを取らず」とのた 名詞 すべきものなり。その時 まへり。 は追討使を遣はさむこ と、定め申すべき身なり。 兄家綱思ふやうやありけ 兄弟の恨みはつべきにあ む、 「このこと、さらさら 名詞 らず」とて、なかよくな 不審あるべからず。さの りにければ、… みこそあれ、 大嶽の乾の方のそひに大 きなる巌あり。その岩の 有様、竜の口をあきたる に似たりけり。その岩の 筋に向ひて住みける僧ど も、命もろくして多く死 西塔の有様ただ荒れにの 名詞 にけり。しばらくは、 「い み荒れまさりけり。 かにして死ぬるやらん」 と心も得ざりける程に、 「この岩のある故ぞ」と 言ひ立ちにけり。この岩 を毒竜の巌とぞ名づけた りける。 そもそも、かやうの手す さみのおこりを思ふに、 口業の因離れざれば、賢 良の諫めにたがひ、仏の 教へにそむけるに似たり 、建長四年の冬、神無月 といへども、閑かに諸法 のなかばのころ、おのづ 実相の理を案ずるに、か から暇のあき、心閑かな 名詞 の狂言綺語の戯れ、かへ る折節にあたりつつ、…、 りて讃仏乗の縁なり。い 念仏のひまにこれをしる はむや、またおごれるを し終はること、しかりと きらひ、直しきをすすむ なむいへり。 る旨、おのづから法門の 意にあひかなはざらむ や。かたがたなにの憚り かあらむ。 、つひに生涯を失ひ、後 悔を深くす。かかれば、 たとひ身をよしとあん おほかた、かやうのこと じ、昔をいみじとしのび、 名詞 は憍慢をもととして、心 ものをおもしろしと思ふ のすくなきより起れり。 とも、人目をはばかりて、 よく習ひをつつしみて、 心に心をまかすまじきな り。 、いふまじきことをもい これは無智の人のあるこ 名詞 ひ、すまじきわざをも振 となり。 舞ふほどに、…. 〔 44 〕. 会. 十・ 268. 会. 十・ 309. 地. 宇・ 69. 地. 十・ 19. 地. 十・ 110. 地. 十・ 121.

(11) 仮名文書の資料性. 23 これによりて. 24 これによりて. 25 これによりて. 26 これによりて. 27 これによりて. 28 これによりて. 29 これによりて. 30 これによりて. 31 これによりて. 32 これによりて. 33 これによりて. 34 これによりて. いづかたにつけても、人 を侮るまじきなり。すべ て賢人も万慮に一失あ 、 「智者は空門を破す」と 名詞 り。愚かなるものも千慮 もいふ。 「聖人は芻蕘には に一徳あり。この千が一 かる」といへり。 の徳をならひて、かの万 が一の失をのがるべし。 文範は三日ばかり死にた 、子ども引き具して、二 名詞 るやうにて、悩み臥した 子を僧正に奉りて、命生 りけり。 けにけり。 心の悪しき人なれども、 うるはしくうちある人の 、良き友にあはむこと、 中に交はりぬれば、さす 名詞 経にも説かれ、文にもす がかれこれをはばかるほ すめたり。 どに、おのづから直しく なるなり。 、男、なりびさこといふ この父、朝夕、あながち ものを腰につけて、酒を 名詞 に酒を愛し、ほしがる。 沽る家に行きて、つねに これを乞ひて、父を養ふ。 その酒の出づる所をば養 、同十一月に年号を「養 名詞 老の滝とぞ申す。かつは、老」と改められける。 その妻、幼き子を具して、 武昌の北の山まで送る。 …その子を負ひて、立ち 、この山を望夫山と名づ 名詞 ながら死にたるに、化し け、その石を望夫石とい て石となれり。その姿、へり。 人の子を負ひて立つがご とし。 問はせ給ふこと、今日見 、帝深く才学あるよしを 名詞 る と こ ろ の 文 の こ と な おぼしめしけり。 り。 、諏訪明神の社に、風の 信濃の国は、きはめて風 名詞 祝といふものを置きて、 はやきところなり。 深くこめすゑて、… 「その尼、多く盗犯の沙 、かの尼をしばりて、あ 汰にかかりたるなり。許 名詞 ひ待つほどに、夜更けて、 し出すな」といひて帰り … ぬ。 三百六十の国、百七十ば 、今、この代の帝は都に かりは大金にうち取られ おはしまさで、府といふ て、残り百九十を帝しら 名詞 明州より三日ばかりいた せ給ふ。五台山、長安城 る所の、山中に居給へば、 などいふ名所、かの大金 … にうち取られたり。 荘官らに召し尋ねらるる に、…「江外記康貞と申 、康貞を文殿に召し加へ 名詞 すものに、縁にふれてあ られにけり。 つらへて候ふ」と申しけ り。 笛、必ず二人あるべきに、、井戸次官明宗といふ管 大神惟季がほかに、この 絃者を召して、惟季とと 名詞 楽を習ひ伝ふるものなか もに仕るべき由、仰せあ りけり。 りければ、…. 〔 45 〕. 地. 十・ 137. 地. 十・ 162. 地. 十・ 181. 地. 十・ 240. 地. 十・ 241. 地. 十・ 247. 地. 十・ 257. 地. 十・ 306. 地. 十・ 316. 地. 十・ 332. 地. 十・ 424. 地. 十・ 451.

(12) 辛 島 美 絵. 35 此ニ依テ. 36 此ニ依テ. 37 此ニ依テ. 38 此ニ依テ. 39 此ニ依テ. 40 此ニ依テ. 41 此レニ依テ. 42 此レニ依テ. 43 此レニ依テ. 44 此レニ依テ. 45 此レニ依テ. 46 此レニ依テ. 小僧此ヲ聞テ宣ハク、 『汝 ガ心極メテ慈悲有リ。我 共ニ請免サム』ト宣テ、 名詞 ガ 身 ニ 替 テ 人 ヲ 助 ク ル 鬼ニ訴テ、共ニ被免ヌ。 事、此難有キ事也。 此等既ニ使ニ随テ参リ向 、 「朝庭ノ大ナル賀也」ト 名詞 テ被禁ムト為ル時ニ、俄 テ、天下ニ大赦ヲ被行ル。 ニ皇子誕生シ給フ。 海辺ノ人ヲ教化セムガ為 、其ノ辺ノ人禅師ヲ貴ブ 名詞 ニ、其ノ所ニ住シテ人ヲ ガ故ニ、此ノ人ヲ菩 ト 利益ス。 云フ。 法華経ヲ受ケ持テ、日夜 、京洛ニ出デゝ経ヲ読ム ニ読誦ス。其ノ音貴キ事 ニ、其ノ思エ高ク成テ、 名詞 世ニ譬ヘム方無シ。此レ 公私ニ仕ヘテ止事無ク成 ヲ聞ク者皆不泣ズト云フ ヌ。 事無シ。 凡ソ此ノ沙弥ノ所業甚ダ 奇特也。門々戸々ニ行テ、 自ラ錫杖ヲ振テ、地蔵ノ 名詞 名ヲ唱ヘテ人ニ令聞ム。心発ス人世ニ多カリ。 日々夜々ニ行テ、口ニ宝 螺ヲ吹テ、地蔵ノ悲願ヲ 讃ム。 而ル間、治安三年ト云フ 年ノ四月ノ比、京中及ビ 、上中下ノ人、空ヲ仰テ 名詞 天下ニ疫癘盛リニ発テ、 歎キ合ヘル事、無限シ。 病ニ死ヌル輩多カリ。然 レバ、道ニ死屍隙無シ。 亦、人ノ広ク云ヒ伝フル 、涅槃会ニ参レル道俗男 様、 「…閻魔王冥官在マシ 女、皆此ノ会ノ供花ノ唐 名詞 テ、 『汝ハ山階寺ノ涅槃会 花ヲ取テ冥途ノ験ニセ ヲバ礼タリキヤ否ヤ』ト ム」ト云ヘリ。 ゾ問給フナル。 此ノ女人心ニ少□智リ有 テ思ハク「我レ聞ク、 『此 衆生ノ願ヒ求ムル所ヲ忽 ノ大安寺ノ丈六ノ釈 ノ ニ 施 シ 給 フ 』 ト 聞 テ 」、 名詞 像ハ、昔ノ霊山ノ生身ノ 香花 ニ油ヲ、相構テ買 釈 ト相好一ツモ不替給 求テ、… ズ、ト化人ノ示シ給フ所 也。 悪霊忽ニ現ハレテ云ク、 「…。我レ、生タリシ時、、地獄ニ堕テ、苦ヲ受ル 名詞 …、仏ノ物ヲ犯セリキ。事隙無シ。 一塵ノ善根ヲ不造ズ。 「…。而ルニ、先年ノ比 、我レ汝ガ父重正ヲ引導 名詞 我ガ形像ヲ造テ、開眼供 シ畢キ。亦、汝等ヲモ守 養ジ畢キ。 ル事敢テ不怠ズ。…」 「我レハ此レ、古ヘ此ノ 、今年天下ニ疾疫発テ、 国ニ有リシ大納言伴ノ善 国ノ人皆可病死カリツル 名詞 雄ト云シ人也。…、公ニ ヲ、我レ咳病ニ申行ツル 仕ヘテ有シ間、我ガ国ノ 也。…」ト云テ、 恩多カリキ。 其ノ崇占フニ、祖ノ御時 、亦改テ維摩経ヲ講ズル 名詞 ノ法事ヲ断タル崇ト云ヘ 事ヲ発シテ行フ間、… リ。. 〔 46 〕. 会. 今②・ 356. 地. 今①・ 193. 地. 今①・ 236. 地. 今①・ 278. 地. 今②・ 312. 地. 今②・ 316. 会. 今①・ 170. 会. 今①・ 189. 会. 今①・ 271. 会. 今②・ 339. 会. 今④・ 43. 地. 今①・ 162.

(13) 仮名文書の資料性. 47 此レニ依テ. 48 此レニ依テ. 49 此レニ依テ. 50 此レニ依テ. 51 此レニ依テ. 52 此レニ依テ. 53 此レニ依テ. 54 此レニ依テ. 55 此レニ依テ. 56 此レニ依テ. 57 此レニ依テ. 58 此レニ依テ. 59 此レニ依テ. 、此ノ天皇心ニ悟リ広ク 「…、諸ノ願ヒ思フ事皆 □マシテ国ヲ□護ラムガ 名詞 心ニ叶ハム」ト同ク経ニ 地 為ニ、此ノ会ヲ始メテ、 説給ヘリ。 永キ事トス。 帝王ノ宣ハク、 「…、代々 、其ノ年ノ三月七日、此 名詞 ノ帝王ノ御後ノ人ヲ以テ 地 ノ会ヲ始メ行フ。 檀越ト可為シ」ト。 然レバ、公モ、此ノ御託 宣ニ依テ、諸国ニ放生ノ 、年ノ内ニ此ノ放生ヲ行 名詞 地 料ヲ充テ、其ノ御願ヲ助 フ事無量シ。 ケ奉ラセ給フ。 木ハ此レ心無シ。何カ音 、若シ人、不慮ザル所ニ ヲ出サムヤ。然レドモ、自然ラ音聞エバ、必ズ怪 名詞 地 偏ニ仏ノ霊験ヲ示シ給フ ムデ可尋キ也トナム語リ 所也。 伝ヘタルトヤ。 宝亀六年ト云フ年ノ六月 、高塩上テ、大小ノ諸ノ 名詞 十六日ニ、風ノ大キニ吹 地 木多ク河ヨリ流レ下ル。 テ、雨多ク降ル。 俗姓ハ榎本ノ氏。本ヨリ 牟婁ノ沙弥トハ云ナルベ 名詞 名無シ。紀伊ノ国、牟婁 地 シ。 ノ郡ノ人也。 其ノ妻邪気ニ重ク煩テ月 様々ニ祈祷スト云ヘド 名詞 来 辛 苦 悩 乱 ス ル 事 無 限 地 モ、其ノ験無シ。 シ。 然レバ、人々有テ申シテ □ト云フ兵物ヲ召シテ、 名詞 云ク「…。然レバ、彼レ 地 彼ノ山ヘ遣ス。 ヲ召シテ可令祈キ也」ト。 此ノ僧慈悲忍辱ニシテ、 、施ノ心広シト云ヘドモ、 施ノ心広カリケリ。然レ 名詞 貯ヘ無ニ依テ心ト事ト違 地 ドモ、一塵ノ貯無シテ、 ヘリ。 貧キ事無限シ。 、国ノ諸ノ人上中下ノ男 其ノ後、此ノ寺ノ霊験掲 名詞 女首ヲ低テ参リ集ル事雲 地 焉ニシテ勝利不思議也。 ノ如シ。 、仏道ヲ修行ズル止事無 山深クシテ貴キ事此ニ過 名詞 キ行人来リ住ム事不絶 地 タル所ハ世ニ無シ。 ズ。 此レヲ思フニ、然ル旧キ 所ニハ必ズ物ノ住ニゾ有 然様ナラム所ニハ、独リ ケル。然レバ、彼ノ嫗モ、マ ニ ハ 不 立 入 マ ジ キ 事 名詞 地 子ヲ、「穴甘気、只一口」也、トナム語リ伝ヘタル ト云ケルハ、定メテ鬼ナ トヤ。 ドニテコソハ有ケメ。 此レヲ思フニ、此ノ二人 ノ侍ハ大刀ヲ持テ切ラム トシケレバ否不寄デ内ニ 其ノ時ノ人皆此ノ事ヲ聞 入テ、刀モ不持ズ緩テ寝 テ、大刀刀ヲ具シケリ、 名詞 地 入タル五位ヲ□殺シテケ ト ナ ム 語 リ 伝 ヘ タ ル ト ルニコソハ有ラメ。…。ヤ。 然バ男ト成ナム者ハ尚大 刀刀ハ身ニ可具キ物也。. 〔 47 〕. 今①・ 165. 今①・ 166. 今①・ 176. 今①・ 180. 今①・ 186. 今①・ 232. 今①・ 235. 今①・ 256. 今②・ 309. 今②・ 311. 今②・ 323. 今④・ 58. 今④・ 66.

(14) 辛 島 美 絵. 憤りて、起請を書きて、 三塔に披露せらる。その 詞にいはく、 「若し破戒無 、今三宝に向ひ奉りて、 慙にして、天台座主に任 名詞 此の事を披陳す」と書か 60 之に依りて ぜしむと云はば、恐らく れたりける。 は狐疑を先賢に残し、狼 藉を後輩に致さむてへる 也。 「高雄、比叡山、かむつ 寺と、三つの中にいづれ かよかるべき」とあれば、 名詞「この寺の地は人にすぐ とどめたる所なり。 61 それによりて れてめでたけれど、僧な ん乱がはしかるべき」と ありければ、 父有テ母ニ云ク、「汝ヂ、 根ヲ不具ズシテ生ゼル 名詞 齢ヒ可産キ齢ニ非ズシテ 62 其レニ依テ 也。此レ大ナル恥也。…」 産セリ。然レバ、 、吾いま汝を助けんとす いささか我に帰依の心の 名詞 僧答へ給はく、 「…。汝罪 るなり」とのたまふと思 63 起りし功によりて 句 業深重なりといへども、 ひてよみがへりて後は、 「…ゆるされをかうぶり かくいみじき心だてによ 名詞 、あやしくかたはなる身 てのち、宣にしたがふべ 64 りて 句 ながら、后となりにけり。 し」と申しけり。 名詞 道心をいよいよかためけ なり。 65 このことによりて 句 るは、 、魚鳥のたぐひなきあひ 名詞「…。なかにも魚なけれ だ、身の力、すでに弱り 66 この一天の制によつて 句 ば、ものを食はず。 たり。…」と申す。 法皇伝へ聞こしめして、 名詞 御心や弱りけむ、さしも 召し返されにけり。 67 この歌によりて 句 重く思しめしたりける に、 こ の 女 の 父 母 に い ふ や 滅びなどし給はば、苦し 名詞 う、 「思ひ構ふる事こそ侍 とや思さるべき」と問へ 68 この君の御事によりて 句 れ。もし ば、 老僧答へて曰く、 「…。打 名詞 つに随ひて、煩悩の黒を 証 果 の 身 と な り 侍 る な 69 この功徳によりて 句 失ひ、菩提の白の勝たん り」といふ。  事を思ふ。 この僧誠をいたして手づ 堪へがたき苦少し免れた 名詞 からみづから書き供養し る由、心地よげにて、形 70 この功徳によりて 句 奉りて後、また二人が夢 もはじめには変りてよか に、 りけりとなん見けり。 「…、この度は道理にて 名詞 召さるべき度にあらねど 召さるるなり」といふに、 71 この愁へによりて 句 も、 かの大臣の意見にいは く、 「公資は、相模を懐抱 、本意をとげず。たびた 名詞 して、秀歌案ぜむほどに、び、かやうのことありけ 72 その言葉によりて 句 公事を闕如」云々。人々 るにや。 笑はれけり。. 〔 48 〕. 会. 十・ 164. 地. 宇・ 412. 会. 今①・ 159. 会. 宇・ 124. 地. 十・ 199. 地. 十・ 438. 会. 十・ 243. 地. 十・ 426. 会. 宇・ 314. 会. 宇・ 362. 地. 宇・ 265. 会. 宇・ 259. 地. 十・ 489.

(15) 仮名文書の資料性. 天にも生れ、極楽にも参 「…。これこそ汝に経あ 名詞 り、また人に生れ返ると つらへて書かせたる者ど 会 73 その功徳によりて 句 も、よき身とも生るべか もの、 りしが、…」 石清水に詣でて、われ、、今度の闕に拝任すべき 名詞 強盗百人が頸を切るもの 由、祈り申すべき旨を示 会 74 その功労によりて 句 なり。 されければ、… 車に付きたる鬼どものい 名詞 ふやう、 『この寺の物を一 この迎へは得たるなり』 会 75 その罪によりて 句 年五斗借りていまだ返さ といひつれば、 ねば、 、いましめかうむること、 別当のたまひけるは、 「帝 名詞 人の与ふるにあらず。天 のあたたる犯しなすあひ 会 76 その罪によりて 句 の知らしむるところな だ、 り。…」 をのこどもに責められ 名詞 女房、 「兼通が青常呼びて て、その罪あがひ候ふを 会 77 その事によりて 句 候へば、 笑ひ候ふなり」と申しけ れば、 名詞「われはまされり」と思 、往生をとげず、日本に 地 78 その執によりて 句 ひて、入滅したりけるが、生れたりけるなり。 名詞 今は昔、壱岐守宗行が郎 、主の殺さんとしければ、 地 79 はかなき事によりて 句 等を、 小舟に乗りて逃げて、… かなはぬものゆゑ、いち 名詞 、おほいにくやしきこと はやく振舞へば、かへり 地 80 はかなき節によりて 句 も出で来るなり。 てしらけもし、また、 、桑を取るばかりなり。 名詞 あやしみて、故を問ひ給 行幸を見るべきこと、か 会 81 わが親の命によりて 句 ふに、 「 の教へにあらず」と申し けり。 今夜ハ強ナル従者共数ヲ 名詞 身ヲ徒ニ成サムズルカ 具シテ馬ニ乗テ、高陽川 会 82 益無キ事ニ依テ 句 ナ」ト思ヘドモ、 ニ行ニケリ。 「 仏ノ来リ給ヘリケル也」 名詞 其ノ時ニ、天皇泣々ク礼 トテ、弥ヨ信ヲ発シ給フ 会 83 我ガ願ノ誠ニ依テ 句 拝シテ宣ハク、 「 事無限シ。 舎 人 大 き に 腹 立 ち て、 名詞「…。我が主の大納言を 人にてもおはするは知ら 会 84 我が口によりて 句 高家に思ふか。おのが主 ぬか。…」 は、 、地蔵菩 ノ化身ニヤ有 僧此ノ童ノ故ヲ聞クニ、 名詞 ラム。菩 ノ誓ヒ不可思 心ノ内ニ怪シク思エテ、 会 85 我ガ年来ノ願ヒニ依テ 句 議也。凡夫誰カ此レヲ知」 「此ノ童ハ、若シ、 ト思ヘドモ、 、花山法皇を射奉るあひ 儀同三司のかたらひによ 名詞 また、隆家大納言は、雅 だ、兄弟ともに流罪せら 地 86 りて 句 信公の御女ゆゑ、 れ給ひけり。 、水銀ヲ堀ル夫ニ被差宛 名詞 彼ノ男、 テ、同郷ノ者三人ト烈テ、 地 87 郡司ノ催ニ依テ 句 水銀ヲ掘ル所ニ行ヌ。 遺龍、父の遺命にしたが 、心ならず法華経八軸の 名詞 ひて、深く仏法を背くと 外題六十四字を書くあひ 地 88 国王の勅宣によりて 句 いへども、 だに、…. 〔 49 〕. 宇・ 259. 十・ 482. 宇・ 149. 十・ 484. 宇・ 334. 十・ 439 宇・ 384 十・ 367. 十・ 198. 今④・ 131. 今①・ 172. 宇・ 306. 今②・ 296. 十・ 359. 今②・ 321. 十・ 256.

(16) 辛 島 美 絵. 89 此ノ御託宣ニ依テ. 名詞 然レバ、公モ、 句. 、諸国ニ放生ノ料ヲ充テ、 其ノ御願ヲ助ケ奉ラセ給 地 フ。. 童ノ云ク、 「…。地主ノ神 名詞 ノ云ク、 『…我レ住ム所無 度々塔ヲ壊レリ。…」 会 90 此ノ語ニ依テ 句 カルベシ。此ノ塔ヲ可壊 シ』ト。我レ 、子ヲ不孝シ可給キニ非 名詞 家ノ内ノ者共ハ此レヲ見 ズ。糸物狂ハシキ事カナ」 会 91 此許ノ瓜一菓ニ依テ 句 テ、 「 ト云ヘドモ、… 四巻経書き奉らんといふ 名詞 現 に も 語 り し 事 を い ひ 、しばらくの命を助けて 会 92 願によりて 句 て、 「 返されたりしかども、… 四巻経書き奉らんといふ 願によりて、しばらくの 命を助けて返されたりし 名詞 現 に も 語 り し 事 を い ひ 、たとふべき方もなき苦 会 93 かども、なほ心のおろか 句 て、 「 を受けてなんあるを、 に怠りて、その経を書か ずして遂に失せにし罪に よりて 四巻経書き奉るべかりし 、きはまりなき苦を受く を、心の怠りに、え書き 名詞「今宵の夢に故敏行朝臣 るを、その料紙は御前の 会 94 供養し奉らずなりにしそ 句 の見え給へるなり。 もとになん。…」 の罪によりて 共ニ死人ノ如クシテ言語 モ不及ズ。暫ク有テ、気 名詞 、木ヲ取ラムガ為ニ筏ニ ノ下ニ云ク、「我等ハ此 会 95 主ノ命ニ依テ 句 乗テ流レヲ下シ間、…」 レ、紀伊ノ国ノ日高ノ郡 ノ人也。 、しいでたることゆゑ、 名詞 季春、代々伝はれる後見 た ち ま ち に 命 を 失 ふ こ 地 96 主人の下知によて 句 なるうへ、乳母子なり。 と、せちにいたましくお ぼえければ、… かの の孫に、帥中納言 、すずろに「御経蔵」と 春日大明神の示現により 名詞 伊房とておはしけるも、 いふ額を一枚書きて、お 地 97 て 句 いみじき手書きなりけ き給ひたりけれども、 り。 名詞 此ノ童ヨリモ今少シ大ナ 、此ノ童ト戦ヒ合テ、此 地 98 小事ニ依テ 句 ル童ノ、本ヨリ仕ル有リ。ノ今ノ童ヲ罵レバ、… 、御堂関白を恨み奉りて、 悪霊となりて、一夜のう 小一条院の女御あらそひ 名詞 顕光左大臣は ちに、ことごとく白髪に 地 99 によりて 句 なり給ひたりけむこそ、 いとおそろしけれ。 名詞 、悪報をひるがへして、 妙荘厳王の邪見なりし、 地 100 浄徳夫人の勧めによりて 句 善趣に至り給ひ、… 生きたりし折に変らず。 盗みにはあらねど、申さ 名詞 母にいふやう、 「…親に申 、いま羊の身を受けたり。 会 101 でせし罪によりて 句 さで、物を取り使ひ、ま た人にも取らせ侍りき。 普賢菩 来テ告テ宣ハ 名詞 、我レ汝ヲ可引接シ。…」 ク、 「汝ヂ年来我ヲ供養ゼ 会 102 其ノ功徳ニ依テ 句 ト宣フ、 リ。. 〔 50 〕. 今①・ 176. 今①・ 157. 今④・ 324 宇・ 264. 宇・ 264. 宇・ 265. 今①・ 187. 十・ 478. 十・ 466. 今①・ 254. 十・ 374. 十・ 207. 宇・ 410. 今②・ 395.

(17) 仮名文書の資料性. (阿闍梨)語テ云ク「…。 名詞 就中ニ、天王寺ノ別当ト 、浄土ニ生ルゝ事ヲバ不 103 其ノ罪ニ依テ 句 有シ間ニ、自然ラ寺物ヲ 得ズト云ヘドモ、…」 犯用シキ。 「 我 レ 祥 蓮 也。 我 レ …、 名詞 、此ノ孤地獄ニ堕タリ。 多ノ人ノ信施ヲ受テ、敢 104 其ノ罪ニ依テ 句 …」ト云テ、 テ償フ所無カリキ。 其ノ時ニ、此ノ上首ノ菩 、蔵満ニ教テ宣ハク、 名詞 、汝ヲ守ル事尚シ眼精ヲ 「…。我レハ此レ汝ガ毎 105 大悲ノ誓願ニ依テ 句 守ガ如ク也。 日ノ晨朝ニ念ズル地蔵菩 也。 、片時モ悪趣ノ辺ヲ□ズ シテ善悪ヲ定ムル間、殆 名詞 浄照ニ告テ宣ハク、「…。 浄仏国土ノ菩 ノ功徳荘 106 大悲ノ誓願ニ依テ 句 亦、 厳ヲモ忘レヌベシ。…」 ト。 持ツ国ナレバ、此ノ放生 名詞 亦、此ノ国、本ヨリ 会ノ日、専ラ参リ会テ礼 107 大菩 ノ御護リニ依テ 句 拝シ可奉キ也。 、 「始メニ此レ値ル。必ズ 名詞 此レヲ其ノ人ト不知ズ。 此レヲ可請シ」ト思フ。 108 檀主ノ教ニ依テ 句 但シ   、命ヲ生ヌル事ヲ喜テ、 名詞 弥ヨ心ヲ発シテ地蔵ニ仕 不調ノ男ハ、 109 地蔵ノ御助ニ依テ 句 ケリ、トナム語リ伝ヘタ ルトヤ。 実ニ社司ノ身トシテ神物 名詞 ニ 犯 ス 所 多 シ ト 云 ヘ ド 終ニ往生ヲ遂ル也ケリ。 110 地蔵ノ悲願ニ依テ 句 モ、 賀茂ノ忠行ト云フ陰陽師 名詞 ニ、其ノ怪ノ吉凶ヲ問ヒ 命ヲ亡サム物ゾ」ト占ナ 111 盗人事ニ依テ 句 ニ遣タリケルニ、 「某月某 ヒタリケレバ、 日物忌ヲ固クセヨ。 名詞 内ヨリ云ヒ出サスル様、命ヲ可亡シ』ト卜ナヒタ 112 盗人事ニ依テ 句 「『 レバ、固ク忌ム也」ト。 、我レ罪ヲ レテ、只今、 其ノ夜、尼ノ夢ニ、故祥 名詞 法花経地蔵菩 ノ助ヲ蒙 蓮喜タル気色ニシテ、…、 113 汝ガ善根ノ力ニ依テ 句 テ、浄土ニ参ヌ」ト告グ、 尼ニ告テ云ク、 「 ト見テ、夢覚ヌ。 馬養妻子ニ向テ具ニ事ノ 名詞 有様ヲ陳テ亦云ク、 「我レ 返来ル。…」ト。 114 汝等ガ恋サニ依テ 句 ハ 、地獄ノ猛火忽ニ変ジテ、 然レバ、蔵満音ヲ挙テ大 名詞 清涼ノ風吹テ、即チ仏ノ キニ叫テ云ク、 「…。然レ 115 念仏ノ力ニ依テ 句 迎接ヲ預テ、極楽世界ニ ドモ、命終ル時、 往生ズル事ヲ得テキ。…」 名詞 、左近府の下倉に召し籠 伶人助元、 116 府役懈怠のことによりて 句 めらる。 父ノ傅ノ大納言ノ縁ニ依 名詞 親シカリケレバ、常ニ其 此ノ阿闍梨ハ、 117 テ 句 ノ房ニ行ケリ。 父兼博国司トシテ安房ノ 名詞 国ニ下向。而ルニ、阿闍 、其ノ国ニ下向ス。 118 父母ノ懃ノ言ニ依テ 句 梨. 〔 51 〕. 会. 今①・ 274. 会. 今②・ 367. 会. 今②・ 331. 会. 今②・ 337. 地. 今①・ 177. 地. 今①・ 219. 地. 今②・ 305. 地. 今②・ 347. 会. 今④・ 304. 会. 今④・ 304. 会. 今②・ 367. 会. 今①・ 188. 会. 今②・ 330. 地. 十・ 415. 地. 今①・ 273. 地. 今①・ 275.

(18) 辛 島 美 絵. 119 法花経ノ力ニ依テ. 120. 法花経ヲ読奉リシ其ノ力 ニ依テ. 121. 本院の大臣の奏事不実に よりて. 122 妙見菩 ノ助ケニ依テ. 123 夢ノ告ニ依テ. 124 無実ノ事ニ依テ 125 無実ノ事ニ依テ. 126 無実ノ事ニ依テ. 127 無実ノ事ニ依テ. 128. 流転生死ノ業縁ノ引ク所 ニ依テ. 129 慳貪の業によりて 慳貪の業によりて地獄に. 130 落つべきを哀れませ給ふ 御志によりて ひとへに奉公をさきとし 131 て、私をかへりみぬ忠臣 なるによて 歌は妹背の中をも和らぐ 132 る媒なるによりて. 133 古今の歌たるによりて. (阿闍梨は)其レニモ尚 名詞 不死ネバ、 「此レ希有ノ事 不死ヌ也」ト思フニ、… 句 也。我レ毒薬ヲ食ト云ヘ ドモ、 (阿闍梨)語テ云ク「…。 、三悪道ニ不堕ズシテ、 名詞 其ノ罪ニ依テ、浄土ニ生 此ノ池ニ住テ法花経ヲ読 句 ルゝ事ヲバ不得ズト云ヘ 奉ル。…」 ドモ、 、にはかに大宰権帥にう つされ給ひしかば、いか 名詞 同四年正月に、 ばかり世もうらめしく、 句 御鬱も深くありけめど も、… 名詞 喜テ取テ思ハク、 「此レ他 、□」、弥ヨ信ヲ発シテ 句 ニ非ズ。 仕ケリ。 、幡磨ノ国ニ行テ、夢ノ 名詞 教ヘノ所ヲ尋テ、其ノ勝 然バ、蔵明 句 地ヲ卜テ奄室ヲ造テ居住 シヌ。 持経者ハ心不乱ズシテ、、忽ニ命ヲ失フ事」ヲ思 名詞 前生ノ果報ヲ観ジテ、 「我 テ、音ヲ挙テ法花経ヲ誦 句 レ ス。 名詞 普賢自ラ答テ宣ハク、 「汝 、 持 経 者 ヲ 殺 セ リ キ。 句 ガ昨日 …。」ト宣フ、 、法花ノ持経者ヲ殺サム 名詞 其ノ後、兵平介弥ヨ恐ヂ ト為ルニ依テ、普賢菩 句 怖レテ、 「我レ ノ示シ給フ事也」ト悲ム デ、 普賢菩 来テ告テ宣ハ ク、 「汝ヂ年来我ヲ供養ゼ 名詞 、我レヲ殺害セムトス。 リ。其ノ功徳ニ依テ、我 句 …」ト宣フ、 レ汝ヲ可引接シ。但シ、 汝ヂ 其ノ時ニ、此ノ上首ノ菩 名詞 、蔵満ニ教テ宣ハク、 、今被召レタル也。 句 「…汝ヲ守ル事尚シ眼精 ヲ守ガ如ク也。汝ヂ 地獄に落つべきを哀れま そぞろに長者が財を失は 名詞 せ給ふ御志によりて、か んとは何しに思し召さ 句 く構へさせ給ひけるこそ ん。 めでたけれ。 そぞろに長者が財を失は 名詞 、かく構へさせ給ひける んとは何しに思し召さ 句 こそめでたけれ。 ん。 白河院に仕へけるが、さ 名詞 せる才幹はなかりけれど 、近く召しつかはれけり。 述語 も、 名詞 か や う の こ と の み な ら 、色めく類、これを花鳥 述語 ず、 の使とすともあり。 俊頼いはく、「この仰せ、 、限りありて、まづ任大 名詞 いかが。かの歌、まつた 臣候はむに、御作は一の 述語 く劣るべからず。しかれ 大納言にて、…」といふ。 ども、. 〔 52 〕. 会. 今①・ 276. 会. 今①・ 274. 地. 十・ 228. 会. 今②・ 418. 地. 今②・ 310. 会. 今②・ 393. 会. 今②・ 394. 会. 今②・ 394. 会. 今②・ 395. 会. 今②・ 331. 地. 宇・ 205. 地. 宇・ 205. 地. 十・ 476. 地. 十・ 430. 会. 十・ 392.

(19) 仮名文書の資料性. 134 秀句なるによりて 135 神社ノ司ト有ルニ依テ. 136 煩ハシキ者ナルニ依テ. 137 貧シキ身ト有ルニ依テ. この詩をば「頌声聞きに 、四条大納言公任 、朗 名詞 くし」と難じ申す人あり 詠 に 撰 び 入 れ ら れ に け 述語 けれども、 り。 名詞 、僧ニ値フ所ニ下馬スル 但シ、光時 述語 事無シ。 聖人ノ云ク、 「我レ、心ニ 叶テ輒ク被仕ルゝ者ノ無 名詞 ケレバ、毘沙門天ニ、 『然 、 『久ク有テハ由無シ』ト 述語 ラ ム 者 一 人 給 ヘ 』 ト 申 思テ、返シツル也。 シゝニ依テ、実ノ人ヲバ 不給デ、眷属ヲ給ヘル也。 「我レ更ニ 、命ヲ存セムニ便無シ。 名詞 女人答テ云ク、 述語 修スル所無シ。但シ、 …」ト。. 夫、世を遁れて、覇陵山 に入りける時、ともにつ き随ひて、家の貧しきを 名詞 もろこしの梁伯鸞が妻孟 、夫、志深かりけり。 138 もあなづらず、斉眉の礼 述語 光は…、二心なかりけり。 までもねむごろなるによ つて 童 ノ 云 ク、「 …。 我 レ 此 法花経ノ力不思議ナルニ 名詞 ノ語ニ依テ度々塔ヲ壊レ 、我レ吉ク被縛レヌ。…」 139 述語 依テ リ。而ルニ、今 命を助くること厳重によ 名詞 また、このことは鬼神の 、ついでにしるし申す。 140 述語 所感にあらざれども、 りて 母ノ盲女寡ニシテ夫無 名詞 シ。…食ヲ求ルニ難得シ。、東西ヲ不知ズシテ、行 141 盲タルニ依テ 述語「我レ必ズ餓テ死ナムト テ求ル事不能ズ」。 ス。 その詞にいはく「…飲羽 有り の号有りと雖も、未だ首 隆綱、宰相にて、筆をと 、中将をゆるされて、兼 無し 142 丘の実を見ず」とあるに りて定文を書く。 字をたまはられけり。 述語 よりて 有り 運の強く、慮りのかしこ 、この難をのがれさせ給 無し これ、 143 くおはしますによりて ひにけり。 述語 有り 永ク陸ニ可着キ便無キニ 然レドモ、二人ノ人互ニ 、忽ニ死ムト為ル事ヲ歎 無し 144 依テ 知ル事無シ。 キ悲ムデ、… 述語 有り 父有テ母ニ云ク、 「…。此 我ガ子ヲ生ゼリ」ト云テ、 無し レ大ナル恥也。然レドモ、 145 縁有ルニ依テ … 述語 汝ヂ 有り 都を離れて、鶏丹といふ 無し 、大金と名づく。 146 金多くあるによりて 国あり。 述語 有り 漢の楊震…、昌邑といふ 、金を忍びやかに震にあ 無し ところを過ぎけるに、そ 147 古意あるによりて たふ。 述語 のところの司、 有り 遥ニ程ヲ経テ打忘レタル 無し 比叡ノ山ニ登ル。 148 事ノ縁有ルニ依テ 時ニ、 述語 王のたまふやう、 「汝が子 有り 汝をば召したるなり。ま 愁へ申す事のあるにより をはらみて、産をしそこ 無し づさる事あるか」と問は 149 て なひたる女死にたり。地 述語 るれば、 獄に落ちて苦を受くるに、. 〔 53 〕. 地. 十・ 44. 地. 今②・ 318. 会. 今①・ 255. 会. 今①・ 191. 地. 十・ 192. 会. 今①・ 157. 地. 十・ 418. 会. 今①・ 198. 地. 十・ 423. 地. 十・ 316. 地. 今①・ 187. 会. 今①・ 159. 地. 十・ 330. 地. 十・ 266. 地. 今①・ 241. 会. 宇・ 198.

(20) 辛 島 美 絵. 有り 無し 述語 有り 深く学問の志あるにより 無し 151 て 述語. 150 宿願有ルニ依テ. 此 ノ 寺 ニ 別 当 ナ ル 僧 有 、地蔵菩 テ、仏師ヲ呼テ、 ム。. 152 宣旨有限ルニ依テ. 、身をやつして、かくつ 女房、心のうちに思ふや ねに詣づるに、…」など 会 う、 「 案じたるほどに、 女ノ云ク、 「己ガ家ハ穢気 也。今夜盗人入リ来テ、 我ガ夫既ニ被殺ニタリ。 其ノ死タル夫、家ノ内ニ 女ヲ搦テ内ニ将参ヌ。 地 未ダ有」ト云テ、音ヲ挙 テ叫ブ事無限シ。然レド モ 、御せうとの君達までか 天暦女御安子皇后宮は しこまり給ひけるとか 地 や。. 今④・ 336. 地. 今①・ 236. 地. 今②・ 351. 会. 今②・ 352. 地. 今②・ 309. 地. 十・ 41. 会. 今①・ 224. 地. 今①・ 245. 地. 今①・ 168. 地. 今①・ 253. 地. 今②・ 397. 地. 今①・ 194. 有り 無し 述語. 宣耀殿の女御をぞねたみ 有り. 153 給ひて、けしからぬ御振 無し 舞ありけるによりて. ノ像ヲ令造シ. 述語 有り 、天皇禅師ヲ名付テ南菩 154 禅師都ヨリ南ニ有ニ依テ 無し 亦、 ト云フ。 述語 有り 然レバ、仏師共ニ、其ノ 、物食コト無クシテ、既 155 檀越ノ俸テ無キニ依テ 無し 所ニ来ルト云ヘドモ、 ニ餓ヌ。 述語 其ノ時ニ小僧法師ニ語テ 有り 宣ク、 『…。彼ノ因幡ノ国 、我ガ像ヲ造ル事ヲ忘レ 無し 156 檀越事有ルニ依テ ノ国隆寺シテ、我ガ像ヲ タリ。…』ト宣テ、 述語 造リシ間、 有り 此ノ僧…、貧キ事無限シ。 無し 此レニ依テ、施ノ心広シ 心ト事ト違ヘリ。 157 貯ヘ無ニ依テ 述語 ト云ヘドモ、 天魔のために、芳恩をほ 有り 、なにごとにても命によ 昔、…、優婆崛多と申す りて、その報答すべき由 158 どこし給ふことあるによ 無し 証果の羅漢おはしけり。 りて 述語 をこひ申すに、 有り …ト思テ、窃ニ弟子ニ語 、魚ヲ食シテ命ヲ存セム 無し 159 病有ルニ依テ テ云ク、 「我レ ト思フ。…」ト。 述語 有り 生レテ後不久ズシテ、父 無し 坂東ノ方ニ下ルニ、… 160 事ノ縁有ルニ依テ 母 述語 、彼ノ僧正ニ伴ヒテ、本 有り 山階寺ノ僧善殊僧正ト云 国ヲ棄テ、山階寺ニ行テ、 無し フ人、請ヲ得テ彼ノ国ニ 161 本意有ルニ依テ …、彼ノ僧正ノ弟子ト成 述語 至ルニ、此ノ書生、 ヌ。 、二十六ト云フ年出家シ 有り 十七ニシテ元服シテ、其 テ、霧島ト云フ所ニ籠テ、 無し ノ後、母ニ随テ日向ノ国 162 本意有ルニ依テ 心ヲ発シテ日夜ニ法華経 述語 ニ至ル。遂ニ ヲ読誦ス。 有り 、馬ニ乗テ里ニ出ル程ニ、 無し 下テ有ル間ニ、 163 要用有ルニ依テ … 述語 有り 、暫ク寺ニ不詣ザル程ニ、 聊ニ身ニ営ム事有ルニ依 無し 而ル間、尼 其ノ絵像盗人ノ為ニ被盗 164 テ 述語 ヌ。. 〔 54 〕. 地. 今②・ 351. 十・ 455. 十・ 359.

(21) 仮名文書の資料性. 165 忩ガシキ事有ルニ依テ. 有り 書生ノ云、 「我レハ此レ道 不可入ズ。只道ヲ教ヘ給 無し 会 ニ迷ヘル人也。 ヘ」ト。 述語. 「依人而異事、…、誠に 運命に懸れり」など、述 動詞 166 懐の詞を書きすぐせるに 述語 よりて 「何デ疾ク此経ヲ浮得テ、 動詞 167 行テ会ハム」ト思フニ依 述語 テ. 168. 「…貴賤と親疎とを論ぜ 動詞 ず」と詠じけるによりて 述語 ある人、笛にて、胡老子. 169 といふ楽を吹き出したり けるによりて. 170 かたはになるによつて. 171. 動詞 述語. きと目見入れ奉るにより 動詞 述語 て. 172 この事を恐るるによりて. この輿のそばにある、顔. 173 に痣のある男、告げ申し たるによりて さばかり契り奉りしこと 174 をたがへ給ひて、信をお こし給へるによりて その魚の主が家、ただ一 175 宇、その事をまぬかるに よりて. 176. 動詞 述語. その御供に参りたるによ りて. その御供に参りたるによ. 177 りて、あひがたき法をう けたまはりたるによりて. 動詞 述語. 動詞 述語. 上、御覧ぜられけるに、 、御気色悪しかりけり。 僧山ニ返テ、此ノ人ノ気 、忩ギ浮ベケレバ、二十 色有様ヲ思フニ、難忘ク 日許ニ浮ベ得ツ。 心ニ懸リテ、 花おもしろき家のありけ るに、乗りながら入りた 、またいふことなかりけ りけるを、あるじの将軍、り。 とがめければ、 人々、ものの音をとどめ て、耳をかたぶけけるほ 、ことさめてけり。 どに、 国中さもあるもの、残り 、もれにければ、片手は なく出でて、みな死ぬ。折れたれども、命は全か この翁の子、 りけり。 かくおはしますなり。僧 女房の局なる女に物憑き 正参られざる先に、護法 て申して曰く、 「別の事に 先だちて参りて追ひ払ひ あらず。 候へば、逃げをはりぬ」 とこそ申しけれ。 か せ ぎ の 曰 く、「 …。 た だこの山に我ありといふ 事をゆめゆめ人に語るべ 、かかる深山に隠れて、 からず。我が身の色五色 敢へて人に知られず。…」 なり。人知りなば、皮を 取らんとて必ず殺されな ん。 来たれるなり」。かせぎ 大王のたまふ、 「 見るに、顔に痣ありて御 輿の傍らにゐたり。. 地. 十・ 420. 地. 今②・ 375. 地. 十・ 429. 地. 十・ 470. 地. 十・ 264. 会. 宇・ 42. 会. 宇・ 225. 会. 宇・ 227. 動詞 あ り つ る 法 師 出 で 来 り 、護法、天童下り給ふ。 会 述語 て、 「 …」とて、 その年、この村の在家、 、僧都のもとへ参り向ひ 動詞 ことごとく疫をして死ぬ 地 述語 てこの由を申す。 る者多かりけり。 、あひがたき法をうけた まはりたるによりて、多 『…悦びも申さんと思ひ く罪をさへ滅して、その 動詞 て、御供に参りし程に、 力にて人に生れ侍るべき 会 述語 菩提講の庭に参り給ひけ 功徳の近くなり侍れば、 れば、 …』と、いふとなん見つ る 、多く罪をさへ滅して、 『…悦びも申さんと思ひ その力にて人に生れ侍る 動詞 て、御供に参りし程に、 べき功徳の近くなり侍れ 会 述語 菩提講の庭に参り給ひけ ば、…』と、いふとなん れば、 見つる. 〔 55 〕. 今①・ 228. 十・ 41. 宇・ 168. 宇・ 156. 宇・ 156.

(22) 辛 島 美 絵. 178. 179. 180. 181. 182. 183. 184 185 186. 187. 188. 189. 190. 191. 192 193 194. ある人の説にいはく、 「玄 その主の名をつけたるに 動詞 、玄上と書けり」といふ 象は玄上宰相の琵琶な 会 述語 よりて こともあり。 り。 、 「ぢざうは」と問ひけれ それが親を知りたりける 動詞 そこの子にぢざうといふ ば、親、 「遊びに往ぬ。今 地 述語 童ありけるを、 によりて 来なん」といへば、 、祟りをなすところな たまたま当国に下向、そ 動詞 吉備津宮託宣し給ひてい り」。たちまちにおし帰 会 「 の曲を聞かざるによりて 述語 はく、 りて、かの社に参りて… 帝、この曲を心にしめて、 なかほどばかりを見給ひ 動詞 世にとどめ給へり。盤渉 、始終もなき楽なりとい 地 述語 調の声なり。霓裳羽衣と へり。 けるによりて いふ、すなはちこれなり。 院、 聞 こ し め し て、 …、 きびしく御沙汰あるほど ぬしも仲正もあらがひ申 動詞 、重き罪にはあたらざり に、 「佐実、もとどり切ら 地 述語 しけるによて けれど、 れにけり」といふこと聞 きけるを、 、みな人、口付けたる物 もろこしのことなれば、 動詞 このたぐひ、 語なれば、くはしく書き 地 孝子伝、蒙求などにしる 述語 述ぶるに及ばず。  せるによつて 、所の名をさへきらひけ 悪しき文字を付けたるに 動詞 …」などいへるは、 り。これ、ただしき道を 地 述語 よりて 深くするゆゑなり。 動詞 其ノ寺ノ側ヲ過ル間、日 案内ヲ不知ザルニ依テ 、此ノ寺ニ寄テ宿リヌ。 地 述語 既ニ暮レヌ。僧等 、太神宮より訴へありて、 伊勢斎宮寮の中にて、狐 動詞 後三条天皇の御宇、ある 奏聞に及ぶあひだ、仗議 地 述語 武士、 を射たるによりて ありけり。 有ル事也。亦、此レヨリ 「此 動詞 其ノ時ニ聖人ノ云ク、 我ガ形ヲ写セルニ依テ 後ニ形ヲ写シ畢ラム時 会 述語 レ不可恐給ズ。此レ ニ、亦可有シ」ト。 心有ラム人ハ此ノ日ヲ知 我ガ御願ヲ貴ビ奉ルニ依 動詞 、哀レニ喜バセ給ハム事 テ放生ヲ行ハゞ、定メテ 地 述語 テ 疑ヒ不有ジ。  大菩 、 我レ、心ニ叶テ輒ク被仕 ルゝ者ノ無ケレバ、 沙 動詞 、実ノ人ヲバ不給デ、眷 聖人ノ云ク、 「 会 門天ニ、 『然ラム者一人給 述語 属ヲ給ヘル也。…」ト。 ヘ』ト申シゝニ依テ 我レ無実ノ事ニ依テ、法 動詞 其ノ後、兵平介弥ヨ恐ヂ 、普賢菩 ノ示シ給フ事 会 花ノ持経者ヲ殺サムト為 述語 怖レテ、 「 也」ト悲ムデ、 ルニ依テ 晋の文公の、父献公の怒 介子推、これを助けて、 れるに恐れて、他国へ移 、力付きて逃げのがれて、 動詞 股の肉を切りて供するに り給ひけるに、途中にし のちにつひに献公の跡を 地 述語 よつて て疲れ臥して、行歩に及 継ぎけり。 ばざりけり。 願主ノ誠ノ心ヲ発セルニ 動詞 此レヲ見聞ク人、 「偏ニ 也」ト云テ、貴ビケリ。 会 述語 依テ 動詞 願主、「奇異也」ト思テ、カ」ト心ヲ発シテ、弥ヨ 祈請セルニ依テ 会 述語「此レ、 祈念スル間、… 口塞ルト云ヘドモ、奥ハ 共ニ涙ヲ流シテ泣キ悲ト 動詞 空ニシテ、三人皆穴ノ内 、忽ニ死ナム事ヲ悲ム。 地 云ヘドモ、穴ヲ出ム事思 述語 ニ有リ。 ヒ絶タルニ依テ. 〔 56 〕. 十・ 469. 宇・ 51. 十・ 411. 十・ 462. 十・ 155. 十・ 240. 十・ 260 今②・ 399 十・ 422. 今①・ 259. 今①・ 177. 今①・ 255. 今②・ 395. 十・ 212. 今①・ 223 今①・ 223 今②・ 322.

(23) 仮名文書の資料性. 195. 196. 197. 198. 199. 200. 201 202 203. 204. 205. 206 207 208. 院、紫式部に、 「この女房 に、琴ひく由、離れぬ名 琴柱のさきに、緒のあた 、思ひ寄られけり。かの 動詞 付けよ」と仰せごとあり る所は、 「いはこす」と申 名をば知れる人、いとま 地 述語 けるに、 「いはこす」と付 すによりて れなり。 けたりければ、ことにほ めさせ給ひけり。 、此ノ事ヲ疑テ度々責メ 此ノ伺ヒテ来レル一人ノ 愚痴邪見ニシテ因果ヲ不 動詞 悩マシケリ。願クハ聖人 男、…聖人ニ申シテ言サ 会 述語 知ザルニ依テ 此ノ過ヲ免シ給ヘ。…」 ク「…。 ト云テ、… いまだ皇子におはしける 群臣、あながちにすすめ 動詞 時、久しく篤疾にしづみ 、位につき給ひにけり。 地 述語 申すによつて 給へりけれども、 媼ノ云ク、 「…(此ノ童は) 月ノ二十四日ニ生タルニ 動詞 、名ヲ地蔵丸トナム云フ」 父ニハ疾ク送テ、更ニ憑 会 述語 依テ ト。  方無シ。但、 、基衡、力及ばず。泣く 検非違所の書生を、実検 泣く季春ならびに子息、 動詞 そののち、 使にさしつかはすにより 地 述語 舎弟等、五人が頸を切り て てけり。 相模は冷泉院の御時の、 公資、相模守たる時の妻 動詞 、その号あり。夫婦とも 一品宮の女房、もとの名 地 述語 とするによて に歌よみなりけり。 は乙侍従なり。 、既ニ蛇身ヲ免レテ、天 「我 動詞 霊亦タ現ハレテ云ク、 此ノ経ヲ聞クニ依テ 上ニ生レヌ」トナム云ケ 会 述語 レ亦 ル。 此ノ優婆塞ノ此ノ山寺ヲ 動詞 其ノ山寺ニ一人ノ優婆塞 、此ノ山寺ニ住セル也。 地 述語 有リ。名ヲバ金就ト云フ。 バ造レルニ依テ 年漸ク二十四五ニ成ケル 動詞 、本寺ニ返ル間ニ、数日 此ヲ恐ルゝニ依テ 時、世ノ中ニ疫癘発テ死 地 述語 ヲ経ルニ、… ル者多カリ。 妻の訴へ申す心は、『我 男に具して共に罪を作り て、しかもかれが子を産 みそこなひて、死して地 獄に落ちて、かかる堪へ がたき苦を受け候へど 、召したるなり」とのた 動詞 王のたまはく、 「 会 も、いささかも我が後世 述語 まへば、 をも弔ひ候はず。されば、 我一人苦を受け候ふべき やうなし。広貴をももろ ともに召して、同じやう にこそ苦を受け候はめ』 と申すによりて 、兄の誠信の君を越えて、 動詞 才幹すすめるによりて 斉信民部 の宰相の時、 中納言になり給ひしに、 地 述語 … 河原左大臣の亡霊、延長 、苦報を受くる由、申さ 在世の時、殺生をことと 動詞 八年のころ、寛平法皇の れければ、法皇、勅答あ 会 述語 するによつて 宮人に託し、我、 りて、 動詞 、常ニ被打責テ此ク泣ク 主ノ牛ヲ飼フニ依テ 媼ノ云ク、 「此ノ童ノ、 会 述語 也。…」 人ノ聞カム事ヲ恥ルニ依 動詞 而ル間、僧辛苦悩乱スル 、強ニ不翔ズ。 地 述語 事無限シ。然レドモ、 テ. 〔 57 〕. 十・ 65. 今①・ 226. 十・ 62. 今②・ 296. 十・ 479. 十・ 489. 今①・ 271 今②・ 418 今②・ 333. 宇・ 198. 十・ 374. 十・ 184 今②・ 296 今②・ 374.

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