はじめに 川瀨(2018)は,発達障害がある児童生徒の不登校の特徴について事例検討によって明ら かにし,その中で特に重要なポイントとして「幼児期から学齢期の連携を充実させる」こと を第一にあげた。その指摘は,就学前からの支援によって就学後の困難を軽減することを目 的としている。幼児期から学齢期への連携の充実については,幼児期に十分な支援が行われ ていないことによる,就学後の問題発生という事実を認識しての提言であった。それは,現 在行われている幼児期における制度上の支援体制では対象とならなかったか,あるいはスク リーニングの網の目をくぐり抜けてしまったことに起因していた。また,軽微な問題性によ り関係者の問題意識を喚起するに至らなかった場合もあった。そのように対象とならない ケースの中にも,発達に何らかの気になる特徴を示していて,身近にいる関係者にとっては 支援の必要性を感じていたというケースがあった。いずれにしても,幼児期に何らかの支援 が行われることが望ましかったであろうと考えられたが,結果としてそれへの対応は行われ ることがなかった。このような経験から筆者は,その状況を知り得た専門家の一人としてい かなる方策が可能であるかを考える必然に迫られた。 発達問題が疑われる子どもについて,幼児期から学齢期へ順調に進んで行くための支援の 必要性については多くの専門家が認識しておりそのための研究が着手されている。厚生労 働省は,「軽度発達障害児に対する気づきと支援のマニュアル」を発表した(厚生労働省, 2007,小枝他,2006)。そこで指摘されているのは,学童期の「気づき」はすでに二次的な 不適応の状態であることが少なくなく,この二次的な不適応を予防するためには,子ども達 の発達障害への「気づき」を前倒ししていくことが不可欠であるとしている。遅くとも就学 時には,保護者にも指導する側にも子どもの発達特性に対する認識とその対処方法が備わっ た状態であることが望ましいと述べられている。就学後に発達障害に起因する問題があると ⑴
発達が気になる子をもつ親への
日常生活での専門的支援についての研究
─ 親の自己効力を基礎とした支援方略 ─
川 瀬 良 美
※※淑徳大学名誉教授
される児童の半数以上が,現行の乳幼児健康診査での3歳児健診では何の問題も指摘されな かったという(小枝,2006)。それは3歳時点での診断確定の難しさ故であるが,遅くとも 5歳児時点での健診を実施することの必要性を示している。小枝らによれば(2006),1,000 名を越える5歳児を小児科医が診察するという確度による軽度発達障害児の発生頻度は8.2 ~9.3%であると推定されていた。それらへの対応として,専門家が子どもの特徴と理解の 仕方について説明して,親の考えに対し共感をもって助言をすることを実施した。その結 果,それらの具体的な助言をもとに,母親自身が感じていた子どもについての問題意識,そ れは「何か違う」という感覚と表現されていたが,子どもにとって望ましい環境づくりに努 めたいという前向きな気持ちになったという。加えて,保育園にとっても,園でなすべき具 体的対応がよくわかり保護者の了解のもとに日常生活での配慮について自信をもって進める ことができたと報告されている。 このような報告からは,支援の専門家として制度の不備を指摘するのみではなく,当事者 とその関係者にどのような困難が起こっているかに着目し,子どもの発達に問題意識をもち 「何か違う」と不安や疑問を抱えながら支援を得ることができない状況におかれている親た ちへの支援方法を提案することが必要である。 制度上は,治療や支援対象とはならないとされながらも,「何か違う」と子どもの育ちに 疑問や不安を抱えて支援や助言を求めていながらそれらを得られない親達にどのような援助 の手がさしのべられるであろうか。保育園や幼稚園という集団生活が始まると他児とは「何 か違う」と感じるが,我が子が抱える発達の課題は何なのかが判然としない。気づきが生ま れているばかりに,不安や心配は解決されないで増大するばかりである。このような親の葛 藤に向き合って,その思いを丁寧に拾って支える支援にはいかなる方法が可能であろうか。 就学前に気になる問題として保育者から指摘されているのは,「言葉・コミュニケーション に困難がある」 「集団行動が苦手」 「落ち着きがない」 「他児と対人的トラブルを起こしやす い」 などが挙げられており(池田他,2007),これらの指摘は多くの先行研究結果と一致し ている(渡辺・田中,2014)。それらの行動特性は発達障害に起因する問題を含むことを示 唆している。制度上では,2012年度に 「保育所等訪問支援」 が創設され,障害児支援の専門 職による保育所や幼稚園などへの訪問型支援が実施されている(厚生労働省,2016)。これ によって施設の職員に対する助言・指導も行うことが可能になっている(池田他,2007)。 しかし,診断を得て障害認定のなされた入園児であれば保育園の協力も得やすいであろう が,親が「何か違う」という程度の問題意識の段階でこの制度の利用は難しい。親が日常生 活で子どもと向き合うことで気になっているという,その気持ちを拾い上げ,親自身で自ら が取り組める方法を用いることが重要である。 親支援としてのペアレントトレーニングは,ADHDの診断を受けた子どもを対象として ⑵
開発されたものである。原口・上野・丹治・野呂(2012)によると日本におけるペアレント トレーニングの研究30本を分析したところ,対象とされた子どもへの標的行動は,身辺自 立が18本(38.3%),生活スキルが17本(36.2%),行動問題が16本(34.0%),言語・コミュ ニケーションが12本(25.5%),学習・アカデミックが7本(14.9%),社会的スキルが4本 (8.5%)の順に多かった。また,研究からは,子どもの行動変容を目的としているペアレン トトレーニングではあるが,保護者の精神面への影響が大きく,保護者への支援の方法とし ても効果があることを示唆していた。辻井ら(2010)の研究では,ペアレントトレーニング 実施後に,母親自身が抱く 「理想の母親像・自己像」 と現実の自分とのズレが小さくなり, セルフイメージが肯定的な方向に変化したという。ペアレントトレーニングの結果において 共通するところは,子どもの行動特性から生じるストレスと精神的負担感や家庭での子育て の困難さが明らかに軽減でき,親が自信を回復し,親の精神面への肯定的な影響があること を示していた(原口ら,2012)。 このように親を支援することの意義は明らかにされているが,本研究で対象とする早期幼 児期に診断を受けていない状態での「何か違う」という気がかりをもつ親の問題意識への支 援をどのように組み立てるかについては,発達障害を対象としたペアレントトレーニング をそのまま用いることはできない。従来のペアレントトレーニングが標的行動を定めたトッ プ・ダウン方式と云えるなら,筆者が試みようとする対象はボトム・アップによる支援方式 が望ましいであろう。親にとって茫漠とした「何か違う」という問題意識を拾い集めてその 特性を発達心理学の立場から明らかにし,日常生活での子育てへの介入的アプローチとして 助言・指導するという方式となるであろう。実践では家庭生活と保育園での生活は分かちが たく子どもの成長を支えているので,親との家庭生活場面と保育園での保育士の指導場面と の両面で一致した方針で実践することが望ましい。これらの基本的考え方により実践を試み た。 Ⅰ.実践取り組みの背景 1.実践の背景 筆者は関東圏の私立保育園(以下,A保育園)の「子育て相談」の任を得たことから,A 保育園の要請もあり乳幼児期からの発達支援を実践した。発達支援が乳幼児期の集団保育の 場において不可欠であるというA保育園の認識と,それに取り組もうとする保育士の意欲は 高かった。現状では,いずれの保育園にも一定の割合で発達問題を抱えた子ども達が入園し ている。発達心理学の立場からみて,出生にからんで先天異常の診断を得ている,あるいは 低出生体重児であったなど発達リスク因子を抱える子どもたちがおり,発達障害を対象とす るのみではなく発達支援の必要性は高かった。 ⑶
2.実践までの経過 筆者は,A保育園の子育て支援の任を得て発達支援に取り組んでから,毎年4月の新年度 開始時に,保育士に発達に関する助言を必要とする担当児について「気になる点」を聴きと り助言した。加えて,詳細な実態を把握する必要がある場合は保育時間内に筆者が対象児を 観察して追加情報を得て保育上の工夫や注意点について助言をした。そのような実践の中 で,親も含めた支援が必要であるとの判断がなされた場合に役立つのは保育士と親との関係 である。親は,子どもの発達問題について不安がある場合でもそれを指摘されると拒否的に なることが多い。子どもの発達支援は本来,家庭生活を基盤としてなされることが重要であ るので,親が保育士や保育園の方針に対して信頼を寄せていると発達支援の提案がスムーズ に導入でき,家庭生活との協力体制が取りやすい。このような経過の中で,保育士と親の両 者が子どもの発達上の課題に気づき,何らかの具体的な支援行動を行いたいと筆者の協力を 求める事例もでてきた。それは,乳幼児健診など公的な制度上での支援の対象とはならない が,保育者と親が感じていた「何か違う」と気になる子であった。そのような親の中には, 面談による助言のみならず日常生活で親として何かできることは無いのか,何をしたら良い か指導を求める人達がいた。それは,健診や医療機関で「いまは様子をみましょう」などと 云われていても「本当に今は,何もしなくてよいのか」という状況におかれた親の本音で あった。 相談内容は多様であったが,「言葉の発達」「対人コミュニケーションの問題」「集団生活 での困難や不適応」「日常生活での育て難さ」「発達課題の未達成」など先行研究を裏付ける 多様な発達問題で,その中には発達障害を疑わせる特性も含まれていた。 3.実践への取り組みと研究目的 そこで筆者は,A保育園に在籍する子どもの親で我が子の育ちについて「何か違う」と気 になる問題を抱えて発達支援を求めている親を対象に,親自身が取り組む支援方法の試案を 実践した。本研究では,その実践について事例を示すことによって早期幼児期からの親支援 の方法とそのあり方についてその基本方針を明らかにし,実践の成果とその意義について考 察することを目的とする。本研究で対象とした事例は,この取り組みが子どもについて同様 な悩みを抱える親たちの役に立つなら協力したいと公表することを承諾した一事例である。 研究協力については,個人が特定されることが無いように匿名とすることなどインフォーム ドコンセントを十分行った。 ⑷
Ⅱ.実践した支援の基本的方針 1.親の日常生活での支援 筆者が,本研究で目的としたのは,幼児期の早期から診断の有無にかかわらず発達が気に なる子をもつ親への日常生活での支援であった。それは,発達心理学や障害児療育の素人で ある親が毎日の生活で感じている我が子の育て難さや,何か違うと気になるところに手を差 し伸べてそれに対処する支援であった。そのためには,通常のペアレントトレーニングのよう に,特定の理論によって構築された方法によって,指定された場所へ行って,決められた手 続きによって,決められた技術や思考方法の訓練を受ける方式ではなかった。親の抱える気 になる点を明らかにし,その不安や疑問に対する,日常生活における子育てについての支援 という方針を基本とした。 2.子どもを変えるのではなく親が変わる 一般的な発達支援においては,子どもの示している発達的課題に対して専門的立場からの 問題点や改善すべき標的行動を定めて,それらを対象として子ども自身にスキルを身につけ させるとか,誤学習を消去するという,子どもの変化や改善を目的とするものが多い。一 方,本研究での支援方針は親自身が子どもへの関わり方を学ぶ,あるいは事象への対処方略 を身につけるという子育てのスキルや環境調整方法を学習するという方法であった。幼児期 の子どもの発達的特徴は個性として全面受容して,親はその個性の本質を理解して対応する 方法や考え方を学習するということである。このような親の取り組みと子ども自身の発達の 経過が相俟って,後年,問題点がより焦点化されその時点でさらに何をすべきかの判断をつ けることができる。「もう少し様子をみましょう」という経過の中で親が学ぶ子育て方略で ある。 3.親の効力期待を基礎とした支援方略とする 実践においては個々の親の能力を斟酌することなく,実践したいと希望する全ての親にそ の機会が与えられるものでなければならない。そのためには,親の自己効力を問題として 「結果期待」の目標設定ではなく,「効力期待」によって目標を設定する「親の効力期待を基 礎とした支援方略」をとった。
自己効力(self efficacy)の概念は,バンデュラの社会的学習理論(Bandura, 1971, 1977)の 展開の中で提案されたものである。バンデュラはある行動によってある結果が得られる関係 を結果期待と呼ぶ。例えば,喫煙を止めたら健康になるという査定は結果期待である。しか し,喫煙者にとって喫煙を止められるかどうかは別問題である。喫煙を止めれば良いのは分 かっているが,現段階では喫煙本数を減らすことしかできないという自分自身の行動につい ⑸
ての確信による査定が「効力期待」(efficacy expectancy)である。個人によって知覚された 効力期待を自己効力という。物事に取り組む時に自分の確信が持てないのに結果期待で取り 組むことで挫折することは多い。その問題点を心理学的に解決するために,この実践では親 の「効力期待による取り組み」を基礎とした実践とした。平易にのべれば,親に示された目 標とする課題の中から,「自分にできそうだ」という課題を親自身に選択してもらい実践す る方法である。この方法は,一見,自由度が高いために効果がでるのか疑われるが,画一 的に与えられることで取り組むことが難しかったり,あるいは日常生活に過大な負担がかか るために挫折するという問題点を回避できる。バンデュラは,「知覚された効力期待は,活 動や場面の選択に影響するのみならず,知覚された効力期待が強ければ強いほどより努力 する」と自己効力の高低が動機づけの高低を決定づけると述べる(Bandura, 1977)。本実践 によって当初は専門家の指導をうけても,子育ては長い時間をかけて取り組むことであるか ら,親自身が「自分自身でできそうだ」との自己効力を高めることが重要である。 4.具体的方法 本実践の理論的構成を以下に箇条書きにする。①親が問題とするところを丁寧に拾い上げ る。そのためのインテーク問診票を作成した。②客観的な心理アセスメントを実施して専門 的立場から気になる点の本質を解明する。個々の問題性に応じてアセスメント尺度を選択す るが,知能水準の判定は必ず行い知的問題の有無を確認する。③全ての情報を統合して総合 判断し,その時点での発達課題を明らかにする。④明らかになった発達課題に対する支援方 法について,専門的立場から親が取り組む項目リストを作成して提示する。⑤提示された支 援方法の項目リストから,親自身が実践として取り組み可能な項目,すなわち効力期待がも てる項目を選択する。⑥選択された項目リストによる実践記録用紙を作成する。取り組みの 最初は,意識的に実践ができたかを毎日記録する形式とする。毎日の記録は親が支援方法を 学習して日常生活で習慣化するまで継続する。ケースバイケースであるが,半年あるいは1 年後には記録用紙を一週間での振り返りなど負担の少ない記録方法とする。これらは必要に 応じて任意におこなう。⑦実践が開始された後は,毎月1回,記録についての振りかえりを 行って実践による効力感について確認し,必要に応じて助言や励ましを伝える。⑧およその 目途として1年後に,再び子どもの心理アセスメントを実施して発達の経過を確認し,発達 課題の見直しを行い,支援方法を再検討する。これら一連の手続きは,基本方針であり,子 どもの変化,親の取り組みに応じて柔軟に対応する。 ⑹
Ⅲ.事例による実践報告 1.対 象 A保育園在園児 B児(開始時4歳1ヶ月)の父親(以下,父B)および母親(以下,母 B)を対象にB児が4歳1ヶ月の年小クラス在籍時に,相談に導入され実践が開始された。 B児は3歳児健診での発達障害の指摘はなかったが,言葉の発達の遅れなどにより経過を見 ましょうと云われていた。言葉は4歳になってから著しい発達をみせ,本研究開始時点では 日常生活における言語的コミュニケーションの困難は無かった。親は育て難さを感じてお り,B児の発達に「気になる」ことがあった。医療機関としてかかりつけの小児科での相談 の機会はあった。 2.支援期間 支援期間は201X年9月(B児4歳1ヶ月)~201X+2年3月(B児5歳6ヶ月)の1年 5ヶ月間であった。 3.実施計画と導入 (1)導入過程 保育士から,B児の発達について親が心配していること,保育士も課題があることを感じ ているとの相談をうけた。親は就学までに何かできることはないかと,継続的な取り組みを 希望していた。そこで,筆者がかねてより構想をもっていた「発達が気になる子をもつ親へ の日常生活での専門的支援」の実践への参加を呼びかけた。本実践はA保育園の了承のもと で,保育士から親への働きかけにより希望者を募った。希望者の中には身体発達での課題が あることから専門機関へリファーが必要なケースもあった。本研究で報告した方法での対象 となったのは年少児,年中児,年長児のクラスに在園する5組であった。実際は,保育園生 活での実践も不可欠であり担任保育士の協力も得て保育士による実践もあったが,本研究で はB児の事例により「親の取り組み」のみに焦点をあてて報告する。 (2)課題の明確化:①親の問題とするところを丁寧に拾い上げる まず,親が感じている問題点を明確にするために,筆者が作成したインテーク問診票に記 入してもらった。また併せて,客観的な状態を把握するために3歳児健康診査問診票(厚生 労働省)にも現時点の様子を記入してもらった。担任保育士にも同時に記入してもらい,家 庭と保育園での情報を客観的に収集し総合判定に活用した。 インテーク問診票への保護者の記述から,B児の特性として,「初めてのことに極端に弱 い」,このことへの気づきは本児がもの心ついたときから親としては気になっていたが,2 ⑺
歳頃の小児科での受診時にパニックを起こしたことで子どもの問題として意識するように なった。また「マイペース過ぎる」,「一人遊びが多い」と記入されていた。日常生活では, 着替えなどで気が散ってスムーズに進まないこと,良く噛まない,食べるのに時間がかかる ことなどが親として気になっていた。また,保育園のお迎え時にみると友達と関わることな くいつも一人で遊んでいることが気がかりであった。これらのことから,このような特性が 何らかの発達障害に当てはまるのかどうかということと,どのように対応したらよいのかに ついての支援を求めていた。 4.アセスメント (1)アセスメント:②客観的な心理アセスメントを実施して問題の本質を解明する 知的能力の問題の有無を確認するために知能検査を実施した。親から発達障害への懸念 が訴えられていたことからは個人内差を確認できる検査が望ましいのであるが,5歳未満で あったことから今回は包括的な知的能力を測定する田中ビネーⅤ知能検査を実施した。発達 障害については保育園での生活場面ならびに検査場面の行動観察と「インテーク質問票」と 「3歳児健康診査問診票」の結果から判断することにした。 (2)知能検査と行動観察結果 田中ビネーⅤ知能検査の結果,生活年齢4歳2ヶ月,基底年齢は4歳で,精神年齢4歳 10ヶ月で,知能指数は116であり,知能段階は「やや優れている」段階であった。検査への 取り組みは,言語の表現力と手先の器用さがやや劣っていたが,その他は標準範囲であっ た。田中ビネーⅤ知能検査の課題別では,丸を描くなど視覚・運動統合発達に関する課題が 生活年齢水準に達していなかった。また,言語課題では聞き取る能力が関連する言語課題な らびに理解していることを言語的に説明する言語表出能力が弱かった。経験したことのない 事柄に関しては,言葉での説明を聞き取って理解することに困難があった。しかし,視覚的 手がかりがある場合は理解が容易であり,具体的な生活経験を基礎としたことについては論 理的に推論することができた。また,検査遂行に困難をもたらすほどではなかったが,拘り 行動と考えられる不必要なまでの几帳面さが観察された。 親が懸念する発達障害についてはその行動特性として親のみならず保育士からも報告され ていた一人遊びを好む,マイペースである,不器用である,突然の音に強く反応するなどの 特徴が園生活での行動観察からも該当した。そして検査結果から確認された聴覚的言語力が 弱いこと,同一性を好むこと,不必要なまでの几帳面さなどの行動特徴があった。以上の結 果から,診断基準を満たす質と水準に達しているとは云えないが,軽微な水準で発達障害の 行動特性を示していると判断できた。 ⑻
(3)発達課題:③全ての情報を統合して総合判断し発達課題を明らかにする 親への質問と心理アセスメントの結果から,知能水準に問題はないが,発達課題として以 下のような6点が明らかになった。 ①聴覚的言語能力が弱い(聴きとる力と集中する力に課題があった)。 ②言語表出能力が弱い(語彙力・言語表現力に課題があった)。 ③視覚・運動統合発達が生活年齢水準に達していなかった。 ④行動特性として,新しい場面などに慣れるのに時間がかかった。 ⑤こだわり行動があった。行動の切り替えが難しかった。 ⑥保育園で一人遊びが多かった。 5.発達課題リスト (1)発達課題リスト:④発達課題に対する支援項目リストを作成して提示する 問診とアセスメントで明らかになった6つの課題について,現時点で取り組む課題の優先 順位をつけて,先行研究(例えば,門,2006,牧野,2012,2013,堀田他,2014,岡田他, 2015,小林,2019など)や書籍(例えば,曻地他,2001,コープランド・ラヴ,2004,石 㟢,2009,黒沢,2008,日本臨床発達心理士会,2010,ソールニア・ヴェントーラ,2014, 尾崎・三宅,2016a,2016b,など)そして筆者の経験的知見を加えて支援目標リストを作成 した。①聴覚的言語能力が弱いことについては「言葉を聞いて理解することへの支援の具体 的方法」として10項目を提示した。②言語表出能力が弱いことについては「話す言葉を育て ることへの支援の具体的方法」として7項目,「言葉を増やす事への支援の具体的方法」と して5項目を提示した。また,「言葉の発達への総合的支援」として4項目を提示した。③ 精神発達を促すための家庭での取り組みとして2項目を提示した。④視覚・運動統合発達が 生活年齢水準に達していなかったことについては,現時点では保育園の生活での指導6項目 にゆだね,家庭では総合的な心身の発達を目指すことにした。⑤行動特性として,新しい場 面などに慣れるのに時間がかかることについては,「対処方略について」1項目を提示した。 ⑥こだわり行動があったことについては「拘り行動のポジティブな側面に着目して評価する 対処方略について」1項目を提示した。⑦保育園で一人遊びが多かったことについては,現 時点では言語やコミュニケーション能力の支援を優先させる判断をしたことを伝え,保育園 で本人なりに過ごせていることに着目して,「現時点では余り気にしないこと」を助言した。 親が心がけることとしては,「子どものいる公園で遊ばせるなど他児と同じ空間にいる機会 をつくるなど生活環境の調整」から徐々に取り組んで行くことなど2項目を助言した。一方 で,保育園生活において集団遊びへの誘いなどを段階的に行うことなど4項目を担任保育士 に提案した。選択肢として提示された総数は32項目であった。 ⑼
(2)実践取り組み課題の「支援実施記録書」の作成と方法 筆者が提示した支援項目リストの中から,父Bと母Bに,自分ができそうな項目について 数は自由に,すなわち自己効力において効力期待がもてる項目を選択してもらった。選択さ れた項目によって「Bさん週間支援実施記録書(一週間用)」(以下,支援実施記録書)を作 成した(表1参照)。支援実施記録書は,「計画者の欄」には誰が選択したか,「実施の有無 の3段階評価欄」には○:「十分できた」,△:「まあまあできた」,×:「できなかった」に よって自己評価を毎日記入するようにした。毎日記入することは日常生活での負担が多い が,毎日意識して取り組むことで取り組みが惰性に流されてしまうことなく習慣化すること を目指すためであった。また「今週の支援についての所感欄」を設けて気づいたことを記入 ⑽ 表1 B さん週間支援実施記録書(1週間用)
してもらった。「支援実施記録書」は4週間分ずつ渡して,適時に「実践の感想」としての 振り返り用紙を同封して一緒に提出してもらった。この手続きを繰り返して実践を継続し た。 実践にあたり,父Bが選定したのは12項目,母Bが選定したのは13項目であった。「支援 実施記録書」には,スタート時は保育士も含め参加している支援者全員の取り組み課題を記 述して誰がどのような取り組みをしているか相互に理解できる様にした。自らが選定してい ない課題であっても,取り組むことができた課題については記録し実践を自己評価しても らった。実際の母Bの「支援実施記録書」の例を表1に示した。母Bは選定した13項目につ いて遂行における自己評価を○・△・×で記入し,特記する所感を「今週の支援についての 所感欄」に記述した。この報告に対して,必要に応じて筆者は助言やコメントを返すことを 繰り返した。 Ⅳ.結果 1.「支援実施記録書」を用いて効力期待を活用した方法 父Bと母Bは一人っ子を保育園に預けて共働きをする多忙な中でこの取り組みに参加し た。特筆すべきは,母Bのみならず父Bも熱心な取り組みを継続したことであった。父Bは 多忙であるなかで積極的に,自ら工夫して母Bと協力体制を維持した。子育てはとかく母親 の仕事となりがちであるが,母親は子の発達に気がかりな点があるときに,父親もその問題 に向き合ってくれることは精神的な支えとなるという点で父親の参加の意義は大きかった。 最初の4週間の記録を実践しての感想を振り返ってもらった。父Bは記録をつけながらの 実践について「日頃からほめることを心がけていたつもりだったが,なかなかできていない ものだと気づかされた。読み聞かせや,お話しをすることは楽しく,子どもも楽しんでいる ことを改めて思った」と記述した。母Bは「記録をつけることで,頭にはあっても体調や忙 しさを理由にやれていないことに気づかされた。振り返ることで,次の日,次の週の意識が 高まるので有効だと感じました」と記述し,毎日記録をつけながらの実践の有効性を述べて いた。 また,4週間の実践の後に子どもの変化への気づきについては,父Bは「少しずつですが 語いが増えてきたように感じている。数を数えられる数字が増えてきたが,数字を見せな がらの方がすらすら言えている」と記入し,子どもとの特性を理解して最善の方法を見いだ そうとしていることなどが書かれていた。母Bは「朝の支度では,時計を使用して視覚的に ゴールを示すと,スムーズに行動に移せることがわかりました。また,ゆっくりと,繰り返 して説明することと併せて視覚的に物を示すとより理解できるように感じることもありまし た」と記述している。これは,行動の切り替えへの工夫として「視覚的手がかりがあると理 ⑾
解が良い」という子の特性をうまく活用するようにとの筆者の助言を取り入れた関わりを遂 行して,その効果を実感していることが記述されていた。 以上のように,①具体的支援方法の提示によって,②実践を記録をする,③記録から客観 的に実態を意識する,④振り返りをする,⑤筆者からの助言を受ける,⑥新たな取り組みを する,という繰り返しによって,その効果を父Bと母Bは共に実感していた。その経過の中 で,実践課題に意識して取り組むことが習慣化したと筆者が判断した時点からは,記録を一 週間で振り返る方式とするなど,記録者の意向を確認しながら簡略化への変更も行った。本 事例では半年が経過した時点で記録方法を一週間で振り返る方式への変更を実施した。 2.子どもの成長と課題 (1)親の学習の成立と動機づけの持続 B児の両親は実践によって,これまでただ手をこまねいて見守ることしかできなかった子 どもの発達問題に取り組み,その手応えを実感した。子育てへの困難感の軽減や子どもの示 している発達課題への対処能力が獲得でき効力感が得られていた。実践で得られた効力感は 「できそうだ」「もっと取り組もう」と自ら取り組みを工夫するなど動機づけを高めた。 (2)再アセスメントと発達課題の見直し 本実践の目的は子どもを変えることではなく子育ての方略を助言して親の子育てへの困難 感や不安を軽減することであったが,親の子どもへの対応が変わることで,子どもの発達 にも何らかの変化をもたらすことは期待できる。その結果,子どもが示している課題が整理 されて問題点がより明らかになってくることもある。本事例では,実践から1年が経過し た時点で発達課題の見直しをするために再びB児への心理アセスメントを実施した。実施し たのは「田中ビネーⅤ知能検査」,「PVT-R絵画語い発達検査」,「CHEDY 幼児用発達障害 チェックリスト」,「S-M社会生活能力検査」であった。その結果から,その時点での発達 の新たな問題点の解明を試みた。 (3)再アセスメント結果 一年後のアセスメント結果で生活年齢相応の知的発達を示し知能水準に変化は無かった が,B児の発達特性と関連して能力の伸び悩みを示している側面があった。言語発達におい て「概念,関係性等を現す抽象的な語い」の理解に困難があり,B児の特性に対応した発達 課題として焦点をあてるべき必要性が明らかになった。「PVT-R絵画語い発達検査」では語 い年齢は標準範囲であったが,年齢相応に知っているべき言葉を知らないなど,4歳になっ て急激に表出が著しかったという偏った発達の影響が示された。その実態に対して生活年令 ⑿
に応じた段階的言語生活を追体験させる必要があると考えられた。また発達障害傾向につい ては,保育現場での観察によって評定することを目的に開発された幼児用発達障害チェッ クリスト(尾崎・小林・水内他,2013,尾崎,2014)である「CHEDY 幼児用発達障害 チェックリスト」を実施した。本尺度は,医学的診断を表すものではないが,下位尺度とし て自閉スペクトラム症「ASD尺度」と注意欠陥多動症候群「ADHD尺度」によってその傾 向を評定することができた。B児の結果を図1に示した。「CHEDY 幼児用発達障害チェッ クリスト」の下位尺度「ASD尺度」では,父Bと母Bともに「ASD」の可能性が高いと評 定し,特に,「こだわり」を問題とする認識が強かった。同時に実施した担任の評定も類似 の結果であった。一方「ADHD尺度」では,両親は「ADHD」の疑いなしの評定であった。 しかし,集団場面で指導している担任保育士は「注意散漫」の傾向を親より強く評定し(図 1参照),集団場面では気が散り易い特性を明らかにしていた。 (4)再アセスメント結果による支援課題 再アセスメントによって明らかになった発達支援課題は以下の通りであった。 ①生活年齢に適った理解力を育てることへの支援。 ②語い発達全般への支援として,生活年齢に応じた段階的言語生活を追体験させる。 ③概念,関係性等を表現する抽象的な語いでの困難を軽減するための支援。 ④社会的コミュニケーションの困難さへの支援。注意散漫への支援。 ⑤こだわり行動への支援。 ⑥社会生活能力をそだてるため生活年齢相応の体験を心がける。 これらの発達課題については,前述と同様の手続きで「支援実施記録書」を作成し実践を 継続した。今回は,能力や行動の特性に対応した関わりが期待されたので,その実践につ いては日常生活で活用できる指導書等(例えば,村瀬,2010,三浦,2013,加藤他,2010, 旭出学園教育研究所,2015など)を紹介するなどして,課題に取り組む方法や媒体を助言 した。父Bと母Bは,一年間の実践で学習した子どもの特性を個性として受容することがで き,課題はあるもののそれへの対処方略を学んで対応できたという経験による効力感が育成 されていた。そのため,発達障害特性傾向に関する新たな課題の提示においても動揺するこ となく,実態が解明されたことへの安心感を報告した。子どもの行動特性が発達障害の特徴 を示していることについて,問題点の指摘のみでは不安がもたらされるが,具体的対処方法 の助言のもとこれまで実践してきたことの継続によって,自分たちでできることに取り組も うとする動機づけが喚起されていた。 再アセスメント実施後の父B(表2参照)ならびに母B(表3参照)の支援実践記録書を 示した。実践開始から約1年余が経過して,課題にどのように取り組むか,父Bと母Bの協 ⒀
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⒂ 働体制の中でそれぞれが独自な工夫を実践していた。そして,それぞれの着目点からB児の 成長を評価していた。 Ⅴ.結果と考察 筆者が,本研究で目的としたのは,幼児期の早期から診断の有無にかかわらず発達が気に なる子をもつ親への日常生活での専門的支援であった。そのために親の抱える気になる点 を明らかにしてその不安や疑問に手を差し伸べるという日常生活での子育て支援を実践し た。その方法は,子どもを変えることを目的とはせず,親が子どもへの関わり方を学ぶ,あ るいは事象への対処方法を身につけるという親に子育てのスキルや環境調整方法を学習して もらう方法であった。その時点では子どもの発達的特徴は個性として全面受容して,親はそ の個性を理解して対応する方法や問題への考え方を学習する。筆者のこれまでの経験から云 えば,そのような子どもの特性は,障害であるかどうかの問題とは別に,生涯その子を特徴 づけるものであることが多く,親の理解と対処方略の獲得は不可欠であると考えられた。無 理解や不適切な対応で二次的あるいは三次的な問題を生じさせることは防がなければならな い。 そのような目的での実践において筆者が中心に導入した理論は「親の効力期待を基礎とし た支援方略」をとることであった。親自身ができそうだと確信がもてる効力期待によって実 践に取り組んでもらうこと。やりたい気持ち(欲求)と行動を喚起する力(動機)の乖離を 少なくすることで,実践が持続される(動機づけを高める)という理論である。自己効力理 論を提出したバンデュラは,「知覚された効力期待が強ければ強いほどより努力する」と自 己効力の高低が動機づけを高めると述べているが,本実践においてもできることを自らが取 り組むことで成功的達成感がもて,父Bと母Bの効力動機を育んでいったことを明らかにし た。 本研究で採り上げた父Bと母Bは,実践を6ヶ月経過した「これまでの実践を振り返って」 で以下のとおり回答している。 1.実践を通して最も大きな成果は何だと思いますか。 ①父B:「意識的にわかりやすい言い方をしたり,注意をこちらに向けさせて話したりす るようになったこと」。②母B:「前回までで,本人の特徴が把握できたと感じています。 私自身,どうすれば理解できるかと考えてから,本人に対してリアクションを起こすよう になりました。その成果が物事への理解を良くし,パニックが(大・小含めて)減ったよ うに思います」。と回答して方略を学習してそれが習慣化していることを示唆していた。 また,子ども理解が進み,対処方略によって子どもにポジティブな変化が生じていること を実感していた。
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表2 B 児週間支援実施記録書(1週間用)
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表3 B 児週間支援実施記録書(1週間用)
⒅ 2.実践の結果,うまく取り組めなかったことは何かありましたか。どのような点で困難で したか。 ①父B:「食に関することは,なかなか意識して行うことができなかった」。②母B「『役 割を決めて褒める』が困難でした。役割を決めきれず,毎回,その都度のお手伝いで褒め るに止まりました。次回は,決まった役割で実践していきたいです」。と回答して,もっ と工夫をする必要があると努力への意欲を示していた。 3.取り組みの結果,新たに気になることが発生しましたか,あったらそれは何ですか。 ①父B:「同年代のあまり関わりの無い子とコミュニケーションをとることが極めて苦手 なこと。『初物に弱い点』と関連しているのかもしれませんが……」。②母B:「『お友達の 輪に入りたいのに入れない』場面がありました。相手の子からアクションがあると比較的 輪に入れるようですが,まだまだ難しいようです」。と回答して,B児の課題となってい る行動特性を改めて認識していた。漠然とした問題意識が明確な課題として認識されて, 子どものありのままを受けとめようとする意思が感じられた。 4.今後もこの取り組みを続けていきたいとお考えですか。ご希望の改善点がありましたら ご遠慮なくお書きください。 ①父B:「子どもと向き合えるので,できる範囲で続けていきたい」。②母B:「ぜひ,継 続していきたいです」。と回答して,明確な継続への意思を示している。 このような回答をみて,本実践によって,親が子どもの特性を個性として受けとめ,その ための子育て方略や考え方を学習し,それが日常生活で習慣化,自己効力感を高めるという 本実践の目標とするところが期待通りに進行していることがわかった。 学習する内容やその到達時期はケースバイケースであるが,到達目標とされる時期は就学 までということが多い。小枝他(2006)が指摘するように,「遅くとも就学時には,保護者 にも指導する側にも子どもの発達特性に対する認識とその対処方法が備わった状態であるこ とが望ましい」のである。その意味では5歳児健診で明らかにされた発達障害傾向への支援 を5歳以降から開始するのでは十分な時間が無いと言える。本事例のように4歳から開始し て,5歳で本質的問題が焦点化され,親の子どもへの理解が進み,就学を見すえて目指すべ き目標について大まかに見通しがもてることが望ましい。本研究では事例として報告対象に しなかったが,年長児クラスから一年間の支援の後,この実践プログラムでの結果を就学相 談での資料として提出して,入学後の支援員の配置希望に効果的に活用できた事例があっ た。B児の事例においては,筆者のA保育園での任務終了をもって実践が終結した時点で は,解決できていない課題があり気がかりや不安が全く消失した訳ではなかった。しかし, 父Bと母Bにおいては,自らできることをやってきたのでこれまでのように取り組めば何と かできるという自己効力感が育成されており,必要に応じて助言をもとめたり,書籍や支援
⒆ リソースを活用するなどの子育て方略が獲得されていた。この実践で得られたものは知識や 方略のみならず,自からで取り組めるという効力感であり,子どもの特性を理解しようとす る前向きな姿勢であったと言える。それらは子育てをする親を生涯支えるものになる。筆者 が本研究で明らかにした実践の理論的構成は有効であったと結論づけることができた。 おわりに 本研究で明らかにした実践は,幼児期の早い時期に子どもについての気になる問題に対す る親への支援方法の試案であった。今後,多くの事例での実践を重ねて,発達支援の現場で 活用されるものにしていきたい。 謝 辞 本研究をまとめるにあたり,Bさん御夫妻に事例として採り上げることへのご承諾を頂い たことをこころより御礼を申しあげます。また,実践の場を提供して下さったA保育園なら びに御協力いただいた保育士の皆様に感謝を申しあげます。本研究で個別事例として採り上 げることはありませんでしたが,実践に参加された親の皆様の記録や経過も本論を考察する において大いに参考とさせていただきました。ありがとうございました。 文献 旭出学園教育研究所(編) 2015 『S-M社会生活能力検査の活用と事例 社会適応性の支援に活か すアセスメント』,日本文化科学社.
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A Study of Professional Support in the Daily Lives of Parents
who have Children with Developmental Problems:
A Method of Based on Parents’ Self-Efficacy for accomplishing the Program of Child Care Strategy
KAWASE, Kazumi
A study of professional support in the daily lives of parents who have children with developmental Problems. The author introduced an original program of based on parent’s feeling of Self-Efficacy for accomplishing the program. The author proposed the following seven ideas of the logical construction: ①to pick up the problem of the parents and a place to do carefully, ②to carry out objective psychol-ogy assessment and elucidate problems, ③to clarify the development problems, ④to make a list of support items, ⑤to choose the items with Efficacy-Expectancy by parents-own, ⑥to continue every day until the parents record it and learn a method and become a custom in everyday life, ⑦to check the accomplishment in order to confirm a feeling of Self-Efficacy.The author examined the practice of this method by a case study and concluded that a method was effective by practice. The characteristic of the program with a method of Child Care Strategy based on the Efficacy-Expectancy was effective for parents who have children with developmental problems. The case study suggested that the performance of the program to rouse their feeling of Self-Efficacy.