3相誘導電動機のマイクロプロセッサによる
ベクトル制御
―3相誘導電動機のベクトル制御―
数野寛清弘智昭
城殿政実
(昭和58年8月30日受理)Vector Controlled 3-Phase Induction Motor Controlled
by a Microprocessor
HiroshiKAZUNO NoriakiKIYOHIRO MasamiKIDONOAbstract The speed of the induction motor can be controlled quickly and stably by controlling the stator current as a vector quantity with excitation and torque components. This method what we call“a slip frequency control”is too complicated to construct by an analog device system. Therefore, to operate this vector quantity, digital device system is more useful for the simplication of the circuit construction. The induction motor control system used Z 80 microprocessor and its speed control characteristics are described here. 1. まえがき これまで誘導電動機は,無ブラシ,無整流子という 長所を持つ反面,高速応答の要求される制御にはこれ と言った制御方式がなく,こうした制御に用いられる ことが少なかった。これに対し,ベクトル制御は,誘 導電動機などに直流電動機と等価な制御特性を持たせ るとともに,電動機保守等の面で有用な制御方式であ る1}。 誘導電動機や同期電動機にベクトル制御を適用する ことは,回路構成の複雑さや精度の面で非常に難しい ものであった。たとえぽ,アナログ回路により作られ るベクトル演算回路は構成が複雑なだけでなく,精度 の向上,価格の低減など多くの問題が残されている。 そこで,ここでは複雑なナログ回路に代えてベクトル 演算部をディジタル化することにより,回路構成の簡 *電気工学科,Department of Electrical Engineer− ing 単化および価格の低減を図る2)。このディジタル化に は8bitマイクロプロセッサを使用し,高速度の応答 性を持つ速度制御特性の実現を目指す。 2.ベクトル制御の基本原理 一般に直流電動機は,主磁束φmに対し電機子電流 iaが常に直交するように整流子で整流され,このた めトルクTとi、の間には,T。ci。φmなる関係があ る。したがって,主磁束ψmが一定であれば,トルク は電機子電流に対し線形特性となり,優れた速度制御 特性を示すのである。 ベクトル制御は,直流電動機のこうした基本的な関 係を誘導電動機などに適応するものである。すなわ ち,直流電動機で行われた整流作用を制御的に行うの である。 以下,2相電動機をモデルに説明する。図一1(a)に電 動機モデルを示す。ここで,直流電動機の主磁束に対 応するものとして,2次巻線に鎖交する磁束として2
9 qノ d 図一1(a)誘導電動機モデル Fig,1(a)Model of an induction motor. 次磁束ψ2を考える。いま,1次巻線は,2次磁束φ2 に平行な起磁力を作る1次4軸巻線と,直角な起磁力
を作る1次q軸巻線との,φ2と同期して回転する
二つの巻線と考える。2次巻線についても同様に考え る。これらの考え方は,回転するd−−q軸への座標 変換に相当し,d軸として2次磁束ψ2を選んだもの である。以後, トルクをTm,回転子の回転速度を ω,,1次および2次巻線に流れるd,q軸電流をilα, 緬およびi2d, i2q,2次磁束φ2の絶対角をθ。,1次 電流i1とφ2との位相差をθ。、とする。また,各巻線 に流れる電流の方向は,その電流による起磁力が各巻 線軸方向と一致する場合を正とする。 図一1(b)に固定子側から見た静止座標系α一β軸と, 2次磁束φ2と同期して回転する回転座標系d−q軸, およびベクトル制御適用時の電流ベクトルの関係を示 す。いま,2次磁束ψ2は一定で,励磁電流i、dにより 作られているものと考えると,2次磁束φ2が回転し ていることから,2次側には速度起電力による負荷電 流籏が流れる。2次回路を抵抗分のみとみなせば, i2qは2次磁束φ2に対して直交関係を保っており,こ のi2qとφ2によりトルクが形成される。 これを1次側から言えば,負荷電流i2gによる磁束 を打ち消すに必要な電流ilqが1次側に流れる。言い かえれば,1次側の電流ilσを制御すれば負荷電流i2q が制御でき,すなわちトルクが制御できる。以上のこ とから,1次電流i、をd軸とq軸とに分けて制御す れば,磁束およびトルクが独立に制御でき,直流電動 機と等価なトルク発生機構が制御的に可能になる。 この関係を式で表せば,次のようになる3)。 Mi、,φ、 (1)
Tm== L2 β ∼」β 、、 ∼19 一一 、、 ち一 一 一 一 一 一@ ’1
@ /1
ッハ・々
ぷe ノ 〃 0∼
@∼々∼39 α 図一1(b)ベク トル図 Fig.1(b)Vector diagram of an induction motor.鉦言豊一Mi・d (・)
ただし,L2;2次イソダクタンス M;相互インダクタンス R2;2次抵抗 (1),(2)式において,φ2を一定とすれば,トルクTm はilqに,2次磁束φ2はi、dにそれぞれ線形となる。 これは,直流電動機の電機子電流,界磁電流に相当 し,直流電動機と等価な制御が可能であることが式の 上からもわかる。 これまで,2相電動機をモデルとして回転している d−q軸上で考えてきたが,これを3相に適用するた めには静止座標系に対する電流ベクトルの位置を知る 必要がある。そのためには,静止座標系に対する2次 磁束φ2の位置θoを求めなければならない。ここでは, このθ。を知るために,すべり周波数から演算により 位置を求める方式(すべり周波数形ベクトル制御)を 用いている。 3.すべり周波数形ベクトル制御 すべり周波数形ベクトル制御のブロックを図一2に示 す。いま,2次磁束φ2を可変にすると,制御が困難な だけでなく,演算も複雑になるので,ここでは2次磁 束φ2は一定としている。ここで,速度・回転角検出 にはロータリーエンコーダを使用している。今回使用 しているロータリーエンコーダは,1回転当り1800 パルスを出力するもので,このパルスは回転方向によ り±90度の位相差を持つ2相パルスである。また, 1回転に一つの単相パルスも出力し,これらの出力を速度指令 比例積分制御 ωき ベクトル変換ベクトル乗算
×
速度・匝1転角 検出回路 振幅 u相 Y相 ロータリー エンコーダ からの信号囲
ぱ ぱ 図一2すべり周波数形ベクトル制御のブロック図 Fig.2 Block diagram of the slip frequency controL 速度・回転角検出回路に入力することにより,速度制 御に使用される回転速度ω.に変換するとともに,す べり周波数制御に用いるための回転角θrに変換して いる。そして,速度指令ω。*と回転速度ω.が一定時 間ごとにサンプリングされ,速度の比例積分制御が行 われて,トルク指令Tm*が求められる(ここで*印は 指令値を表すものである)。これから演算により1次 q軸電流ilq*(トルク成分電流)を求めている。ま た,2次磁束φ2を一定としたことから,1次d軸電流 ild*(磁束成分電流)が決定できる。こうして求めら れた各成分電流から,回転座標系d−q軸に対して位 相角θ。、*の電流ベクトルi、*(θ。1*)に変換されるの である。一方,トルク指令Tm*からすべり周波数 ω、*を求め,これを時間積分することによりすべり角 θ、*を求めている。これと回転角検出回路からの回転 角θ。とを加算することにより,静止座標系α一β軸 に対する2次磁束φ2の位置θ。*が決定され,絶対角 θ0*の単位ベクトルepm・’とii*(θ01*)とのベクトル乗 算により1次電流ベクトルii*(θ1*)が求められる。 これを,振幅li,*1と,σ相,V相の単位振幅正弦波電 流iu*, iγ*として3相変換を行う。 4. マイクロプロセッサによるベクトル制御 4.1ベクトル演算部のハードウェア構成 図一3に,ベクトル演算部のハードウェア構成を示 す。ここで,ベクトル演算部は,Z80系ICを中心に して構成されている。CPUはZ80 B,入出力ポートと してはPIO(パラレル1/0ポート),そしてタイマと クロックックUMHz
ROM
RAM
Ao∼A15 Do∼D7
CONTROL
φbPU
y80B CS sRGO sRGlbTC
sO1 CE @ I/O @PIO3 oA oB CE @I/O @PIO2 oB PA CE PA h/O oIOl @ PB 問ぱ踏 勃レタ変調クロック ωr θr ャ度・回転角 沛o回路 0°言号皿
速度指令ωr IM駆動回路の D/Aコンバータへ } ロータリーエンコーダ からの信号 図一3ベクトル演算部のハードウェア構成 Fig.3 Vector calculation system.表一1入出力ポートの割り当て Table l Assignment of input/output port. 1/Oポート PIO 1 PIO 2 PIO 3 ポートA ポートB ポートA ポートB ポートA ポートB
動作
出力 出力 出力 入力 入力 入力 デ ー タ 1次電流振幅li,*1 1次σ相電流iu* 1次V相電流iv* 回転角θr 速度指令ω,* 回転速度ω. してCTC(カウンタ・タイマ・サーキット)を使用 している。Z80Bは,8bitCPUであり,クロヅク周波数6
MHzで用いている。 PIOの入出力ポートは,8bitデータ入出力ポート で,1チップ当たり二つの入出力ポート(ポートA, ポートB)を持っている。入力データは,速度・回転 角検出回路からの回転速度ω.と回転角θ,および速度 指令ω。*であり,出力データは,1次電流振幅li1*1と, U相,V相の単位振幅正弦波電流iu*,ル*である。 これらPIOの動作モードは,全ポートともビット制 御モードである。各ポートの割り当てを,表一1に示す。 また,PIOからの割り込み発生は行っておらず,メイ ンプログラムの初めでの割り込み制御語の設定時に, すべてのPIOを割り込み不可としている。 CTCは,4個の独立したチャネルを持ち,各チャネ ルは計数(カウンタ)と計時(タイマ)の機能を持 っている。各チャネルは,タイマモードで動作させて いる。その動作は,各チャネルへのトリガパルスの入 力ごとに,設定された時間定数がダウンカウントさ れ,その値がゼロになると,各チャネルに対応する出 力端子から信号パルスが出力されるとともに,割り込 み可能に設定してあれば,割り込みが発生する。ここ では,2個のチャネル(Ch O, Ch 1)を使用してい る。各チャネルの入力パルスは,CPUのクロックに 使用している6MHzのパルスを用いている。 Ch O, Ch 1は,ともにメインプログラムの初めで,割り込 み制御語の設定時に割り込み可能にしている。ChO により発生する割り込みはCh 1より優先順位が高く, この割り込みによりベクトル演算中のすべり角θ、*の 計算(割り込みルーチンINT 2)を行っている。ま た,Ch1により発生する割り込みでは,他のベクトル 演算(割り込みルーチンINT 1)を行っている。さら に,Ch1の割り込み発生ごとに出力される信号パルス は,デルタ変調回路のサンプリング信号としても使用 している。 その他,メモリはROM 2732 A−2(4 K Byte), RAM 6116(2KByte)を使用している。 4.2 マイクロプロセッサによるベクトル演算 2次磁束¢2(一定)や電動機定数で定まる定数をK・一岳 (・)
L2 (4) Ki= Mφ2K・「毒 (・)
とすると,1次電流ベクトルii*は次式で表すことが できる3}。 ii*→ゴ、*1¢ゴ(θ・+θ・’+θ・・つ ただし, li,*1=K。2+(K、Tm*)2 ・…一・anfi−11ltjilfETm* e・・一轤vs・d・ ・∫K・R・Tm・dt er−轣cdt
(6) (7) (8) (9) oo li,*1,θ01*の計算は,速度指令ω。*および回転速度 INT 1 INT 2 ω,とω。の入力 .オ←θ撒+κ、蠕 比例積分演算RET
熔←κ4(ω声一ω,)+κ5Σ(ωトω,) ー(ω㌔ω。)←Σ(ω芦」ω,)+(ωξ一ω,) 一テーブルにより 1ε到←κ♂+(Ki Tm“)2命妥
tanづテーブルにより ニ虚←t。バ・垢鴛瓦一歳
κ。 4 ぷ=κ2R24孟 」』 回転角検出器から 転角θ,の入力 4彦 一鰐 ?S=κP κ5=κ1 1次電流オの絶対角畔の計算 @θき←θ。+オ+θ‡f sinテーブルにより Ei鵡・i・傍+号賓)の計算 圃,靖=sinθf, F・i・傍+芸・)の出力RET
図一4 フローチャート Fig.4 Flow chart.ω.から計算されたトルク指令Tm*により, ROM内 にあらかじめ書き込まれている関数テーブルを使用し て求めている。 また,2次磁束¢2の位置θ。*は,ここでは,回転角 θrをロータリーエンコーダからの2相パルスから求 め,θ,*をω、*の時間積分から求め,これらを加算す ることにより求めている。 図一4に,これらをまとめたフローチャートを示す。 フローチャートは,タイマ(CTC)により発生する一 定時間間隔の割り込みルーチンINT 1とINT 2によ り構成されている。 割り込みINT 1では,速度指令ω。*とPt・一タリー エンコーダから求められた回転速度ωrを入力し,比 例積分演算してトルク指令Tm*を求めている。そし て,このトルク指令Tm*から, V−, tan−1の各テー ブルを用いて,1次電流振幅匿*1および回転座標系に 対する位相差θ。1*を決定する。ここで,ロータリーエ ソコーダからの回転角θrを入力し,割り込みINT 2 で求められるすべり角θs*と先に求めた位相差θ。、*と から,これらを加算して1次電流ベクトルii*の絶対 角θ1*としている。これから,sinテーブルを使用し て,iu*=sinθ1*, iv*= sin(θ1*十2π/3)を求め,三 相の電流指令への変換を行っている。最後に,以上の ようにして求められた1次電流振幅li,*LU相,V相 の単位振幅正弦波電流iu*, iv*を出力して,割り込 みを終了している。 一方,割り込みINT 2では,すべり周波数ω、*を 積分し,すべり角θ、*を求めている。積分は,INT 2 ルーチンを実行することに,すなわ ち,微小時間4tごとに,すべり周波 数ω、*を累算していくことにより行っ ている。 プログラムの使用容量は,INT 1, INT 2ルーチンおよびその関数テーブ ル,その他PIO, CTC,変数などの 初期化を行っているメインルーチンを
含めて,約1.5KByteである。ま
た,1回のサンプリングに要するプログラム実行時間は,約400μsであ
る。 4.3 1M駆動回路の構成 図一5に,速度・回転角検出回路を含 めたIM駆動回路を示す。ここでは, 速度,回転角を求めるために,回転方 向の検出を行っている。この回転方向圃
ぱ 錯 検出回路の構成を図一6(a)に示す。また,回転方向信 号を用いた速度・回転角検出回路の構成を図一7(a)に示 す。 図一6(a)の回転方向検出回路では,ロータリーエンコ ーダから±90度の位相差を持った2相パルスA,Bを 入力し,どちらが90度位相が進んでいるかにより,0 あるいは1のデジタル信号が出力されるように論理回 路で構成されている。この回路は位相が90度異なった パルスであれば,任意の幅のパルスに対しても回転方 向の検出が可能である。その動作を,同図(b)のタイム チャートに示す。 図一7(a)に示す速度・回転角検出回路では,まず,回 転角θ。の検出回路により,ロータリーエンコーダか らの1回転当り1800パルスを1/7に分周し,このク ロック・パルスを回転方向検出回路からの信号に従っ て,UPあるいはDOWNカウントして回転角θ.を求 めている。このθ.は1回転を256パルスとする8ビッ トの周期関数である。しかし,計数パルスは1800パル スを1/7に分周してい用いるため,1回転当たりのパ ルス数は,正確には256と一致していない。そこで,ロータリーエンコーダからの0度パルスをUP/DOWN
カウンタのプリッセット信号とすることにより,1回 転ごとにその誤差を補正している。 一方,同図に示す回転速度ω.の検出回路では,回 転角検出と同様にUP/DOUNカウンタを使用し,ロ ータリーエンコーダからのパルスを一定時間ごとに計 数している。この計数は基準クロック(9MHz)を 1/5000に分周して,論理回路により作られるプリセ 電流検出器 二一二 0.4kWhM
qEロータ エンコ D/ * ・* D/A ぱ 刊レ嬢調・ 絶縁回路、 γ司レタ変調・ @絶縁回路 zル テルタ変調・ 竕初 路 D/A具
速度・回転角 沛o回路汎
ωプ ニr 0°信号図一51M駆動回路
Fig.5 1nduction motor driving system.・転方向 . M号. κ3 ぐルス
轤P」一
D Q −CκQD Q
ョj CK1 号A ?a CK2RESET2
D Q
bKO R RESET1信号A」「」「」−L
信号B−_「1_「L「L
RESET1 CK 1 CK2 RESET2 回転方向 Fig,6信号・_∫1_rL「丁_
信号B RESET1 CK 1 CK2. RESET2 回転方向 1 1 1 1 1 1 1 1 1 ・) 図一6 回転方向検出回路 Direction of revolution detecting system. (a)回転方向検 出回路の構成 Direction of revolution detecting logic. (b)タイムチャ ート Time chart. UP/DOWN COUNTER 1800パルス/1回転 回車云プi向イ言号 0°パルス クロック 9MHz CK U/D PE CK U/D PEQ」「」−L」一一L
Qの遅延 l ロ コ Q ・ l l エ L コ ’ , 1・TR・BE_L」_」L
Qの遅延 i t Qの遅延一遅延 1 , 1 コ l ロ コ ,霊器。一_」L」
(b)タイムチート Time chart. (a)速度・回転角検出回路の構成 Velocity and revolution angle detect− PRESET ENABLE ing logic. 図一7速度・回転角検出回路 Fig.7 Velocity and revolution angle detecting system・ ット信号ごとに行われ,この時間で計数される値は, モータが1500[rpm]で回転中の時,25となる。ここ で,回転速度ω,の出力はラッチ出力でなければなら ず,速度を計数した直後にストローブ信号を出し,計 数された回転速度ω.の値をラッチしている。このブ リセヅト信号およびストローブ信号の出力のタイムチ ャートを同図(b)に示す。 さて,ベクトル演算部で求められた1次電流振幅 1i、*1とu相,γ相単位振幅正弦波電流iv*, iv*は, ディジタル量であるので,これらを3相のアナログ電 流に変換する必要がある。図一5に示すように,この変 換にはD−Aコンバータを使用している。ベクトル演 算部で求められたデジタル信号を,それぞれ三つのD −Aコンバータに入力し,アナログ変換されたli,*1 を他のiu*, iv*用のD−Aコンバータの基準入力と することにより,振幅乗算された正弦波アナログ電流 指令iu*, iv*が得られる。また, W相の電流指令 iw*は, iu*とiv*を加算し反転することにより求め る。アナログ変換された3相電流は,デルタ変調回路 を介してパワートランジスタのベース信号に変換さアナログ信号 サンプリング ノN“eレス 此較サンプリング回路
一ホトカプラ絶縁
表一2 電動機の諸定数Table 2 Motor constants.悼
電流 検出 1次巻線抵抗 1次漏れリアクタンス 2次巻線抵抗 2次漏れリアクタンス 励磁コンダクタンス 励磁アドミタンス 5.94Ω 3. 37Ω 5.18Ω 3.21Ω 0.165s O.0157s Neutral 図一8デルタ変調回路 Fig.8 Delta modulation circuit. れ, トランジスタ・インバータ 回路を用いた電力変換器により IMを駆動している。 デルタ変調とは,図一8に示す ように,電流指令としてのアナ ログ信号と,誘導電動機の1次 巻線電流からの帰還信号とを, サンプリングパルスごとにサン プリングし,両者を比較して, 指令値に帰還信号が等しくなる ように,パワートランジスタの オン・オフ時間を制御するもの である。今回の実験では,サンプ リングパルスの周波数は約1.5 KHzで行っている。ここで, 帰還信号の検出には,ホール素 子を利用した電流検出器を用い ており,1次巻線電流に比例し たアナログ信号が得られる。ま た,これは絶縁の役目も果たし ており,ホトカプラ絶縁と同じ く,電力回路からのベクトル演 算部への影響を防ぐためのもの である。 5. 実験結果および考察 図一9に,O.4Kw as導電動機 を無負荷で運転したときの速度 制御特性を示す。同図(a)には, 1500[rpm]で回転中のモータ に,一・1500[rpm]の指令値を 与えた時の速度変化および1次 1500rpm一 ω, O一 一1500rpm−” iv O−一 iv ωξ ’!’1 需1Ψ.. も, . c “L’三1 『 ll{1 ‘t「 P ・日 ”え‘ レ1 」」」, 灘息’1..工.一_・P圃欄・自
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‖1摺 ‖{ ier O一 . 趾 .醗 顯8 {顯墨 昔吹e1‘
◆ 」 1川 醐 } 撰 ・ { ほ鵬1 W1顯 {灘 川111rl坦{1{1 摺墨観 i川 o‖1・
』 {則1 1 ネ 壬 灘溺 i舞} ヤ} }蒲 川1惜摺」l l燗目 1、}l 撃ッ」 p川溺削 洲1 o{,{1,{ 酬 罰 摺,{鐸 lt・・』 r干 摺} ‖皐1 {‘拙{ 盟 川 翻}}l l’
艮 ・ 顯 葡 }潔 }1{ aτ o自 },i靱 1,、} 舞 |1 出 ・] ‖旦墨礒一., 目目8言←;寸 ,、欄} 堰E禰■一‥コw−−c 讃 ● ・ ‖}i oi§ 』… ? 霞曇{ 1出 ,出一 11 , ‖] { τI l 」1 撒 7 (a)逆転時の速度制御特性 Speed control characteristic when the revolution changed in oPPosite direction. 図一9 Fig.9 巻線電流の変化を示す。(b)には,急速停止時の変化を 示す。また,表一2に使用した誘導電動機の諸定数を示 す。図一9(a)において,+1500[rpm]で回転中のモー 一一一一一一一一一堰пE 1 100msec/cm (b)停止時の速度制御特性 Speed control characteristic when the velocity command changed froln 1500 r.p.m. toOr.p.m, 速度制御特性 Speed control characteristics. タが,約300[msec]で一1500[rpm]に逆転してい る。この時,トルク指令Tm*の変化による1次電流 振幅の変化が見られるとともに,位相も変化していることがわかる。図一9(b)からは,1500[rpm]からの停 止に約100[msec]を要していることがわかる。また, オーバーシュート現象も見られる。 図一9(a)の速度制御特性において,その速度変化は, 回転速度が指令値に近づくにつれ緩やかになっている が,サーボモータとして速度制御に用いるには,この 速度変化は直線的であることが望ましい。速度変化が このように緩やかになる原因として,トルク指令Tm* を比例積分演算で求める際に,比例項の比例定数が積 分項の比例定数に対して大き過ぎることが考えられ る。したがって,積分項を大きくすればよいのである が,今,トルク指令Tm*は8bitの値で計算を行って いるために,計算結果がナーバーフローしてしまう。 この対築には,トルク指令Tm*を定格トルクに対し て大き過ぎない程度の範囲で飽和させることが必要で ある。そうすれば積分項をもっと大きくすることがで き,ゆえに指令値に近づいても十分なトルクを発生し て,定トルクに近い状態で直線的な速度変化が可能に なり,さらに高速度の応答性が得られるものと考え る。 また,今回はベクトル演算部をアナログ回路に代え て8ピットマイクロプロセッサで構成したので,回路 構成において大幅な簡単化が可能となった。 6. あとがき これまで,誘導電動機や同期電動機等にベクトル制 御を適用することは,ベクトル演算部の複雑さから非 常に難しいものであった。したがって,これをディジ タル化してマイクロプロセッサで対処することは,部 品の削減,回路構成の簡単化の面で非常にメリットが ある。今後は,高速応答性の要求される分野にも,直 流電動機に代わり誘導電動機,同期電動機が用いられ るようになるものと思われる。今回の実験では,まだ 十分な速度制御特性とは言えないが,将来は,位置制 御に使用できるシステムの開発をめざすものである。