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装置/手法をまたぐデータの共有と融合から見えてくるもの

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Journal of Surface Analysis Vol. 22, No. 1 (2015) p. 1

吉武道子 装置/手法をまたぐデータの共有と融合から見えてくるもの

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巻頭言

装置/手法をまたぐデータの共有と融合から見えてくるもの

Common and Integrated Use of Data from Different Instruments and Techniques

今でもXPS は使うが,表面分析の仕事から離れて既に十年以上経ち,現在の表面分析研究会の メンバーには私をご存知ない方も多くいらっしゃるだろう.が,就職して表面分析を始め,本会設 立の契機となったVAMAS 活動の時期から研究会に参加していた. 当時の活動の一つとして,メーカーの異なる表面分析装置を用いて得られたスペクトルデータを 共有化するために共通データフォーマットを制定し,各装置のデータをこの共通フォーマットに変 換するソフトを開発したりした.背景には,当時のコンピュータ能力の飛躍的発展があり,装置に よる特性の違いの数値化や,装置に付属していないデータ処理ソフトを使用した高度なデータ解析 が可能になった.現在では,同一手法ならば装置をまたぐデータの共有が可能になっている. 現在取り組みつつある活動は,データの共有化という点で当時の活動とつながっている.表面分 析を行う目的は不良原因の解明や特性向上の理由の発見などであり,表面分析だけで当初の目的が 達成できることはまれである.他の手法の結果と総合して,目的を達成することがほとんどだろう. 他の手法の結果と合わせた総合的な解析を効率的に行うには,手法を越えて共通でデータを数値的 に扱うことが必要である.自社内のデータに関して独自に共通化プラットフォームを用意してその ような解析が行われている場合もあるが,一般ユーザーが手法の異なるデータ(例えばXPS と X 線回折データ)を繋ぎ合わせて因子分析することなどはできない.そこで,手作業ではあるが,手 法をまたいだデータ活用による材料探索例を示し,データ共有のご利益を「見える化」する活動を している.一例としては,“遷移金属炭化物系の材料において,その仕事関数の値をビッカース硬 度から予測する”というのがあり,情報を組み合わせるという特徴から「マテリアルキュレーショ ン」と名付けている.

XPS や SIMS,IR などのスペクトルデータはどれも x,y の 2 列の配列データであるし,SEM や SPM の画像データ(3 列の配列データ)もコントラストの頻度分布や線分析結果は 2 列の配列データで ある.手法をまたいでこれらのデータが共通利用できれば,配列を使った統計ソフトや過去の解析 例の機械学習により高度な相関関係の抽出が可能で,不良解析などの効率も格段に上がるだろう. このような機械学習や人工知能を利用した相関関係の抽出・予測は,社会ではすでにビジネスに多 用されている.分析手法をまたいだデータの共有化が進んで,これらの情報技術を駆使した解析が できることを待ち望んでいる. 吉武 道子(物質・材料研究機構)

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