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論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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論文内容の要旨

申請者の研究は、電解コンデンサ端子溶接部に発生するウィスカについて検討したもの である。電解コンデンサは、風車やハイブリッドカーなどに多用されるようになり、Snウ ィスカを発生しない、信頼性の高い接合部が要求されている。本研究ではウィスカの発生 と防止について、材料科学の観点からメカニズムを検討し、溶接条件や溶接雰囲気などの、

接合環境の影響を明らかにするものである。そしてSnウィスカがAlとSnの混合領域から発 生することを突き止め、接合部においては、凝固収縮差による「焼き嵌め」による圧縮応 力が発生してポテンシャルエネルギが高くなり、原子が粒界拡散により移動して単結晶ウ ィスカが発生することを示した。この理論に基づいて、Snの固相分離、微細結晶粒、そし て真空雰囲気中保持などのウィスカ防止法を提唱し、科学的に説明して更に実験によって 実証した。

第1章は総論であり、本研究の目的、意義、特色を示すとともに本研究の現状について述 べた。第2章では、本研究で用いた実験方法をまとめて示したものである。本研究では実験 室の装置だけでなく、電解コンデンサの端子に実用的に使用される溶接機を用いて接合し たことである。それにより、実用的な環境下での実験を実施することが出来た。観察装置 は、光学顕微鏡、SEM、EDSなどを用いて、金属組織のミクロ的な特徴を明らかにし た。 第3章では、溶接部におけるSnウィスカを科学的に説明するための化学ポテンシャル エネルギに関する理論を示した。第4章では、冷却速度を遅くすることによりSn相組織は粗

氏 名 ( 本 籍 )

榊田 智実 (秋田県)

専攻分野の名称

博士(工学)

学 位 記 番 号

工博甲 第235号 学位授与の日付

平成29年 3月22日 学位授与の要件

学位規則第4条第1項該当

研 究 科 ・ 専 攻

工学資源学研究科・生産・建設工学専攻

学 位 論 文 題 目 ( 英 文 )

電気端子接合部のSnウィスカ発生に及ぼす接合環境の 影響と防止法に関する研究

論 文 審 査 委 員 (主査)教授 神谷 (副査)教授 土岐

(副査)教授 渋谷 (副査)教授 奥山 栄樹

Akita University

(2)

大になり残留応力が開放され、ウィスカは発生しにくくなり、冷却速度を極度に速くした 場合、1μm以下の結晶粒のAl相に微細なSn相が分散した相を形成して、ウィスカの発生を 防止できることをしめした。第5章では、環境の影響として、真空中での現象を取り上げた。

すなわち、大気中では、Snウィスカが発生成長するが、10-3

Pa程度の真空中では、細いSnウ

ィスカは発生するが成長しないことを示した。真空中ではSnは酸化しないため、ウィスカ の表面エネルギが真空中では大きくなり、ウィスカは発生し難いことを明らかにした。

第6章では、著者が研究室の中で取り上げてきた現象の中から、Snウィスカの防止法とし て10件を取り上げ、科学的な説明を試みるとともに、現実的な観点から電解コンデンサの 製造工程への適用の可能性についても明らかにした。

これらの内容は、査読つきの論文として2編が掲載済みであり、科学的および工学的な 観点から十分に博士論文に値すると判断されたので、合格とするものである。

論文審査結果の要旨

口頭による最終試験が、平成

29

1

31

日午後

5

時より

6

時の間、理工学部

2

号館

P401

室に 行われた。申請者は、「電気端子接合部のSnウィスカ発生に及ぼす接合環境の影響と防止 法に関する研究」について図面を使って

40

分間の説明があった。内容に関しては1の要旨 に書いたとおりである。その後、質疑応答による審査がおこなわれ、その内容は以下の通 りである。

溶接部に

Sn

を使用する必要があるのか、という質問に対して、申請者は、電気端子のは んだに対するぬれ性を改善するために

Sn

は必要な元素であることを答えた。

結晶粒界で拡散する機構を提唱しているが、それ以外の発生機構は無いのかという質問 に対して、申請者は、本研究は溶接部における発生機構なので、

Sn

メッキ層などでは別 の発生機構もありうることを答えた。

拡散方程式の中で、応力であるσにマイナスが付いているのは何故かとの質問に対して は、圧縮応力なのでマイナスであると正しく答えた。

ウィスカの直径は何によって決まるのかという質問に対して、申請者は、根元の結晶粒 径と関連して決まるが、

1

μ

m

以下のものは存在しない。それは単位体積あたりの表面 エネルギが大きくなり、最初の

Sn

が保有するエネルギを上回るからであると説明した。

以上の様に、試験における質問に対して的確に応えたので最終試験を合格と判定した。

Akita University

参照

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