Author(s) 松村, 豪一
Citation 聖学院大学論叢,18(2) : 241-263
URL http://serve.seigakuin-univ.ac.jp/reps/modules/xoonips/detail.php?item_i d=113
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は じ め に
著者が勤務している聖学院大学の医学講義に,学生の自主性をたかめ,講義を受けるモチベー ションを向上させ,傾聴と積極的発言を訓練させる為に,6年前からワークショップ形式の授業を導 入しているが,今回は著者が担当している学科目「精神医学」において,「終末期医療」に関する ワークショップを2003年秋学期に実施した。また,同じ科目において,2
,
005年1月11日と14日にも,「精神障害者に対するスピリチュアルケア」に関してワークショップ∏,π,∫を実施した。以下に学生 ワークショップを実施するまでの準備を含めた経緯とその実際に話し合われた内容を紹介し,ワー クショップ(二次元イメージ法ª)導入の意義と成果を考察する。
なお,ここでいうワークショップ(workshop)という外来語は,工作室や作業場という意味から 出発したと思われるが,そこでは医学や看護学等の学会で使われるシンポジウムやセミナーとは異 なって,個人が研究や学習活動に直接参加し積極的に討論,問題解決や意志決定等を行う事が要求
(二次元イメージ法)形式の導入
松 村 豪 一
Introduction of a Workshop (Two-Dimensional Image Methods) for lectures such as “Psychiatric Medicine”
Hidekatsu MATSUMURA
A workshop (two-dimensional image methods) was introduced for lectures such as “Psychiatric
Medicine” at Seigakuin University. The results showed promotion of both students’ participatron and activity in medical lectures. Students were able to express their views freely and listen to other stu- dents’ opinions. Therefore, the trial run of this workshop proved beneficial in its effect on students’
learning of psychiatric medicine at Seigakuin University.
Key words: Psychiatric Medicine, Workshop, Two-Dimensional Image Methods, Introduction, Seigakuin Univer- sity
執筆者の所属:人間福祉学部・人間福祉学科 論文受理日2005年11月21日
され,かつ適当な助力者の下で目的に沿った作業により何らかのプロダクト(工作室の製品に相当)
を作り出す場合に,特に呼ばれる名称と解釈されている。
1.ワークショップまでの準備
著者の担当している講義「精神医学」の2003年度と2004年度の学生を対象として実施したワーク ショップ形式の授業を紹介する。
① まず,ワークショップの約1ケ月前に,学生にレポートの課題を与えた。この課題はワーク ショップの第1回目の小集団討論のテーマと同じものである。2003年度のテーマは「精神障害 者の終末期医療はどのようにあるべきか」で,2004年度は「精神病院や施設で患者や利用者に 対するスピリチュアルケアはどうあるべきか」であった。これはワークショップに参加する学 生に,各自図書館やインターネットなどを利用して,文献検索と学習によりこのテーマに関す るレポートを作成して,ワークショップ前に,ワークショップのテーマに関して十分な予備知 識を持ってもらう為である。10月中旬までに提出するように指示した。
② 著者の授業の中で,「終末期医療º」と「スピリチュアルケアΩ」に関する講義をパワー・ポ イントで作成したスライドで液晶ヴイジョンを用いて実施した。
③ 2週間前に約100名の学生を8班ないし9班に分けた班の組み分け表を各自に手渡し,各班 毎にリーダー(司会者)1名,書記1名,発表者1ないし2名を決定させた。
④ 今回のワークショップに導入する「二次元イメージ教育法」という新しい教育技法の説明を 実施した。この技法は,著者が所属していた長崎大学医学部の衛生学教室の守山重樹助教授
(現在福岡大学教授æ)が考案され,著者の組織学や発生学の講義のワークショップで応用した 新技法である。
⑤ ニ次元イメージ法を導入する為に,各班毎に,1回目と2回目のワークショップに用いる模造 紙2枚の上に,テーマを書くための罫線とX軸とY軸にそれぞれ罫線を書き,第1回目のテー マ「精神病患者の終末期医療(ターミナルケア)はどのようにあるべきか」を記入させ,X軸 とY軸の罫線下に重要度,緊急度および高い,低いの見出し語を記載させた。
ここで使う二次元イメージ法とは,テーマについてスモール・グループで話し合いを進めながら,
そこの内容の中でキー・センテンスを皆で五つ選び出し,それらをゼロックスコピー用紙に,1枚 に一つの文章をマジックで記入し,それらを模造紙の縦軸の一番下に並べる。各キー・センテンス に関して,横軸には重要度(重要性)を,縦軸にはこれらについて問題解決する上の緊急度(緊急 性)について皆で話合いにより,重要度の高いものを右側に,低いものは左側に並べ,ついでこれ
らの問題を解決する上で緊急度の高いものを上にずらし,緊急度の低いものは下にずらして並べ直 す事により,重要度と緊急度の2つの視点から,二次元的に把握しつつ,これらのキー・センテン スのイメージ・マッピングを行う新教育技法である。
2.ワークショップ当日
2003年度ワークショップは第1回目を2004年1月9日火曜3時限目(13
:
30〜15:
00)に実施し,2004年度は第1回目を2005年1月11日に実施したが,始める前に下記の如き「ワ−クショップの進 め方に関して」というパンフレットを配布して説明を行った。
1)ワークショップ当日の始まる前の準備,
① 授業開始の10分前に来て,ワ−クショップ(スモ−ル・グル−プ・デスカッションがすぐ始 められるように各班ごとに,机を二つづつ向かい合わせに並べ,椅子をその周りに人数分置い た。
② 机をマジックで汚さないようにするために新聞紙を予め机の上に広げておいた。
③ 各班で用意したワークショップの第1回目の模造紙,マジック,A4サイズのゼロックスコ ピー用紙を6枚,書記用の記録用紙2枚を予め,取りに行き手元に置いた。
2)ワークショップの進め方
① まず,最初の約30〜40分は今回のテーマ「精神病患者の終末期医療(ターミナルケア)はど のようにあるべきか」について,討論を行い,書記は発言内容をできるだけ詳しく筆記する。
② 30〜40分後,書記は話された内容をメンバーに報告する。
③ 報告された内容から,キイ・センテンスを5つ選ぶ。
④ 選ばれた5つのキイ・センテンスを1つづつ,A4ゼロックスコピー用紙に右から縦書きす る。計5枚できる。
⑤ 5枚のキイ・センテンスを第1回目の模造紙上のX軸に重要度の高い順に,右から置く。
⑥ 次に,メンバーで話しながら,これらのキイ・センテンスの中で,すぐにも,取り組んだほ うが良い,即ち,緊急度の高いものを上にずらす。緊急度の低いものは下方に残し,イメージ・
マッピングを作成する。位置が決まったらそれらの用紙をセロテープで1枚につき,4箇所と める。
⑦ 重要度が最も高く,同時に緊急度の高いセンテンスの対応策(解決策)が第2回目のワーク ショップのテーマとなるので,これを2枚目の模造紙に記載する。
3.講義 「精神医学」 におけるワークショップの各班で話し合われた内容 (2 0 0 3年度)
第1回目ワークショップのテーマは全班とも「精神病患者の終末期医療(ターミナルケア)はど のようにあるべきか」であった(2004年1月9日)。
A.第1班の第1回目の討論内容(図1−1参照):下記の番号(①〜⑤)は重要度と緊急度の低 いものから高いものへ順に並べている。
① 患者が死を迎える時まで生き甲斐のある人間らしい生活を提供する。
② 安楽で平安な尊厳死の達成。
③ 患者の心身の苦痛の緩和。
④ 遺族へのケア。
⑤ 患者として接するのではなく,一人の人格者として接する。
これら5つのキイ・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度の最も高いも のとしては⑤が選ばれ,これが2回目(2004年1月13日)のワークショップのテーマになった。
終末期医療のあるべき姿(精神医学WS1-1)
低 い 重 要 度 高 い
1 高 い
緊 張 度
低 い
患 者 と し て 接 す る の で は な く
︑ 一 人 の 人 格 者 と し て 接 す る 患
者 の 心 身 の 苦 痛 の 緩 和 患
者 の 安 楽 で 平 安 な 尊 厳 死 の 達 成
患 者 が 死 を 迎 え る 時 ま で 生 き 甲 斐 の あ る 人 間 ら し い 生 活 を 提 供 す
る 遺
族 へ の ケ ア
図1-1
B.第1班の第2回目の討論内容(図1-2参照):テーマは「患者を一人の人格者としてどう接す
るべきか」であった。
① 病気と付き合っていく姿勢が大事。
② 患者の言う事を理解するように努める。
③ 患者の終末期にたとえ意識がなくても患者を尊重すること。
④ 普遍的な病気である。
⑤ 精神病に対して,社会に理解してもらえるような宣伝をする。
これらの5つのキー・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度が最も高い ものとして⑤が選ばれた。
C.第2班の1回目の討論内容(図2-1参照):テーマは1班と同じ。
① 苦痛からの解放。
② 病気だけでなく患者の心のケアを大切にする。
③ 患者の希望を大切にする。
④ 延命よりもいのちの質を大切にするような全人的ケア。
⑤ 患者の個性を尊重し,共感し,受容する姿勢。
これら5つのキイ・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度の最も高いも 患者を一人格的者として接する法(精神医学WS1-2)
低 い 重 要 度 高 い
1 高 い
緊 張 度
低 い
精 神 病 に 対 し て
︑ 社 会 に 理 解 を 促 進 す る よ う な 宣 伝 を す る 患
者 の 終 末 期 に 意 識 が 無 く て も 尊 重 す る
患 者 が 言 お う と し て い る 事 を 理 解 す る 事 病
気 と 付 き 合 っ て い く 患 者 の 姿 勢 が 大 切 で あ
る 精
神 病 は 特 殊 な 病 気 で は な い
図1-2
のとしては⑤が選ばれ,これが2回目(2004年1月13日)のワークショップのテーマになった。
D.第2班の第2回目の討論内容(図2-2参照):テーマは「患者の個性を尊重し,共感し,受容 する姿勢を持つにはどうすべきか」であった。
① 医者が人間らしくあるべき。
② 患者の話に耳を傾ける。
③ コミュニケーションをとる時間を増やす。
④ 自己決定を尊重する。
⑤ 患者の病気,環境,心情を理解する。
これらの5つのキー・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度が最も高い ものとして⑤が選ばれた。
E.第3班の1回目の討論内容:テーマは1班と同じ。
① 孤独感解消。
② 目標を達成させるためのサポートそして「生き甲斐」を持たせる。
③ 家族・地域医療者の理解を深めること。
これら3つのキイ・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度の最も高いも 終末期医療のあるべき姿(精神医学WS2-1)
低 い 重 要 度 高 い
2 高 い
緊 張 度
低 い
患 者 の 個 性 を 尊 重 し 共 感 し
︑ 受 容 す る 姿 勢
延 命 よ り も 命 の 質 を 豊 に す る よ う な 全 人 的 ケ ア 病
気 だ け で な く 患 者 の 心 の ケ ア を 大 切 に す る
患 者 の 希 望 を 大 切 に す る 苦
痛 か ら の 解 放
図2-1
のとしては③が選ばれ,これが2回目(2004年1月13日)のワークショップのテーマになった。
F.第3班の第2回目の討論内容:テーマは「家族・地域医療者の理解を深めるにはどうしたらよ いか」であった。
① 子供のうちから理解させる。
② 施設と地域が協力し合って交流を持つ。
③ 情報提供。
④ 同じ人間として理解しお互いが対等の立場での話し合い。
⑤ 家族の中で日常生活での会話を大切にする。
これらの5つのキー・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度が最も高い ものとして⑤が選ばれた。
G.第4班の1回目の討論内容:テーマは1班と同じ。
① 患者が「治したい」と思う気持ちをなくす前に好きな事をさせてあげる。
② 患者と家族のコミュニケーション。
③ インフォームドコンセントの実施。
④ 治療を続けるように本人を勇気づける。
個性を尊重し共感し,受容するには(精神医学WS2-2)
低 い 重 要 度 高 い
2 高 い
緊 張 度
低 い
患 者 の 病 気
︑ 環 境
︑ 心 情 を 理 解 す る
患 者 が コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を と る 時 間 を 増 や す 患 者 の 話 に 耳 を 傾 け る 医 者 は 人 間 ら し く あ る べ き で あ る
患 者 の 自 己 決 定 を 尊 重 す る
図2-2
⑤ 一人一人を人間として理解する。
これら5つのキイ・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度の最も高いも のとしては⑤が選ばれ,これが2回目(2005年1月14日)のワークショップのテーマになった。
H.第4班の第2回目の討論内容:テーマは「一人一人を人間として理解するにはどうしたらよい か」であった。
① 家での役割を作る。
② 患者の出来る事・出来ない事を家族が理解する。
③ 私たちの方から患者さんに話しかけ,コミュニケーションを図る。
④ 患者さんの意志を尊重する。
⑤ 精神病とはどんな病気なのかを私たちが理解する。
これらの5つのキー・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度が最も高い ものとして⑤が選ばれた。
I.第5班の1回目の討論内容:テーマは1班と同じ。
① 家族に対するカウンセリングを行う。
② 患者に合わせた医療方針。
③ 全人格的医療。
④ 患者の不安を取り除く。
⑤ 精神病のことを家族・医療従事者・周囲の人に理解してもらう。
これら5つのキイ・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度の最も高いも のとしては⑤が選ばれ,これが2回目(2005年1月14日)のワークショップのテーマになった。
J.第5班の第2回目の討論内容:テーマは「精神病のことを家族・医療従事者・周囲の人に理解 してもらうにはどうしたらよいか」であった。
① 患者ではなく,一人の人間としてみる。
② テレビや学校での講演を通じて,知ってもらう機会を増やす。
③ 愛を持って暖かい心で接する。
④ 支援者を増やす。
⑤ 偏見をなくす。
これらの5つのキー・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度が最も高い ものとして⑤が選ばれた。
K.第6班の1回目の討論内容:テーマは1班と同じ。
① 患者さんの意志を尊重した生活を送れるような環境づくりをする。
② 不必要な検査,不適切な治療は行わず心の安らぎを与える。
③ 患者を支える為の家族や専門職の連携。
④ 偏見をなくす。
⑤ 患者さんの全人格的痛みをあるがままに受け入れ,支える。
これら5つのキイ・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度の最も高いも のとしては⑤が選ばれ,これが2回目(2005年1月14日)のワークショップのテーマになった。
L.第6班の2回目の討論内容:テーマは「患者さんの全人格的痛みを理解しあるがままに受け入 れ支えるにはどうしたらよいか」であった。
① 患者さんを支える為にも自分を見つめる。
② 家族と共に支える。
③ インフォームドコンセント。
④ 共感的傾聴・姿勢。
⑤ 個々の状態を把握する。
これらの5つのキー・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度が最も高い ものとして⑤が選ばれた。
M.第7班の1回目の討論内容:テーマは1班と同じ。
① 安楽死について。
② 患者と医師相互の理解の再確認。
③ 病気の正しい知識を持ち,家族の患者への配慮,励まし合う機会を持つ。
④ 全人的に理解し,患者,医師,家族の信頼関係を確立する。
⑤ どんな患者でも一人の人間として理解し受け止める。
これら5つのキイ・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度の最も高いも のとしては⑤が選ばれ,これが2回目(2005年1月14日)のワークショップのテーマになった。
N.第7班の2回目の討論内容:テーマは「どんな患者でも一人の人間として理解し受け止めるに はどうすべきか
① 精神病患者でも生命の質は変わらない。
② 患者に対して抵抗のないような体制を築く。
③ 精神病についての理解を深める。
④ 患者の生き甲斐への最大限の援助。
⑤ 患者の様々な痛みに対しての理解と対応。
これらの5つのキー・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度が最も高い ものとして⑤が選ばれた。
O.第8班の1回目の討論内容(図3-1参照):テーマは1班と同じ。
① 患者の傍にいてあげる。
② 治療法について患者の意見を聞く。
③ 患者との人間関係。
④ 薬物併用の必要性。
⑤ 自然治癒力を高める。
これら5つのキイ・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度の最も高いも のとしては⑤が選ばれ,これが2回目(2005年1月14日)のワークショップのテーマになった。
P.第8班の2回目の討論内容(図3-2参照):テーマは「自然治癒力をたかめるにはどうすべき か」であった
① 環境の良い闘病生活。
② 患者の信じる治療法を行う。
③ 体力の向上。
④ やりがいを見つける。
⑤ 自分は出来るという意識。
終末期医療のあるべき姿(精神医学WS8-1)
低 い 重 要 度 高 い
8 高 い
緊 張 度
低 い
自 然 治 癒 力 を 高 め る 薬
物 併 用 の 必 要 性 が あ る 治
療 法 に つ い て 患 者 の 意 見 を 聞 く
患 者 と の 人 間 関 患 係
者 の 側 に い て あ げ る
図3-1
自然治癒力をたかめるには(精神医学WS8-2)
低 い 重 要 度 高 い
8 高 い
緊 張 度
低 い
自 分 は 出 来 る と い う 意 識 体
力 の 向 上 患 者 の 信 じ る 治 療 法 の 実 施 環
境 の 良 い 闘 病 生 活
や り が い を 見 つ け る
図3-2
これらの5つのキー・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度が最も高い ものとして⑤が選ばれた。
Q.第9班の1回目の討論内容:テーマは1班と同じ。
① 医療のあり方。
② QOLの向上。
③ 全人的ケア。
④ 自己決定を促す
PSW
のかかわり。⑤ チームアプローチのあり方に対する対応策。
これら5つのキイ・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度の最も高いも のとしては⑤が選ばれ,これが2回目(2005年1月14日)のワークショップのテーマになった。
R.第9班の2回目の討論内容:テーマは「チームアプローチのあり方に対する対応策」であった。
① 各専門職の人員確保。
② 専門職間の連携による情報の共有。
③ それまで慣れ親しんだ環境でのターミナルケアの継続。
④ 患者を理解している
PSW,医師,カウンセラーなどの協力。
これらの4つのキー・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度が最も高い ものとして④が選ばれた。
【考 察】
先に著者は,「生命の仕組みと働き」という医学講義にこのワークショップ形式の教育技法を導 入した体験を本学論叢8で報告したが,今回,この論文を参考にして,本文をまとめた。今回の ワークショップのテーマ「精神病患者の終末期医療はどのようにあるべきか」については,約1 ケ月前に学生にテーマを提示し,レポートを書かせている。これは学生が予めこのテーマについ て考える機会と予習をさせる狙いがある。
第1回目の小集団討論で各班に共通のキー・センテンスは「医療従事者は患者の病気,環境,
心情などを理解する」であった。特に印象的だったのは第1班の「患者の個性を尊重し,共感し,
受容する姿勢」,第4班の「一人一人人間として理解する」や第7班の「どんな患者でも一人の
人間として理解し受け止める」であった。第2回目の小集団討論では,第7班の「どんな患者で も一人の人間として理解し受け止める」ための対応策として「患者の生き甲斐への最大の援助」
は終末期の患者にとって,極めて大切な提言と思われた。また,第8班の「自然治癒力を高める にはどうすべきか」の対応策として「体力の向上,やり甲斐を見つける,自分は出来るという意 識を持つ。」などは終末期を迎えている患者にとって,極めて大切な,特筆すべき意見と思われた。
4.講義「精神医学」にワークショップ(二次元イメージ法)形式の教育技法の導 入(2 0 0 4年度)
次に同じ講義「精神医学」を受講した100名の学生を対象に,2005年1月11日(1回目の討論)。 1月14日(2回目の討論),1月18日(全班の発表)に導入したワ−クショップについて紹介すると,
小集団討論のテーマは「精神病院や施設で患者や利用者に対するスピリチュアルケアはどうあるべ きか」として学生を8班に分けて(1班:12
-
13名)小集団討論を実施した。A.第1班の1回目の討論内容:テーマは「精神病院や施設で患者や利用者に対するスピリチュア ルケアはどうあるべきか」であった。
第1班の司会者の進行の下に,第1班のメンバーからスピリチュアルケアのあり方に関して,
種々な意見が出され,楽しいデスカッションが交わされたが,重要度と緊急度の高いキー・センテ ンンスが最終的に5つ選ばれた。それらは以下の如くである。重要度の低い順に並べると,
① 自分の力量を過信せず,専門家に頼る。
② 知識を深める(個人の症例)を考える)。
③ 出来るだけ利用者の希望にそう。
④ 安心できる場所作り(心の居場所)。
⑤ 人格的に接する(立場を公平に)。
これら5つのキイ・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度の最も高いも のとしては⑤が選ばれ,これが2回目(2005年1月14日)のワークショップのテーマになった。
B.第1班の2回目の討論内容:テーマは『患者に人格的に接するには(立場を公平に)どうすべ きか』であった。
話題は多岐にわたり,多数の事柄が話されたが,最終的にキー・センテンスとして,下記の5つ が選ばれた。
① 思いやりをもって接す。
② あきらめない。中途半端にしない。
③ 相手のベストを考える。
④ 相手のペースで考える。
⑤ 「当たり前」でない事を受け入れる。
これらの5つのキー・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度が最も高い ものとして⑤が選ばれた。
C.第2班の1回目の討論内容(図4-1参照):テーマは1班と同じもの。
① 精神病患者に対する周りからの目はあまり良くないので病院や施設の人達も協力して患者や 利用者達の事を理解してもらう。
② 患者を施設に入れるだけでなく,そこから社会に出る事が出来る場所を作る。
③ 患者の介護・介助を家族の誰かに任せるのではなく,家族全員で協力して行う。
④ 治療を薬の投与だけにせず,患者達に色々な事を挑戦させる。
⑤ 医者やスタッフが患者と平等になり,信頼関係を作る。
これら5つのキイ・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度の最も高いも のとしては⑤が選ばれ,これが2回目(2005年1月14日)のワークショップのテーマになった。
D.第2班の第2回目の討論内容(図4-2参照):テーマは「医者やスタッフが患者と平等になり,
信頼関係を作るにはどうすべきか」であった。
① 患者に興味のある話を沢山してあげたり,患者の話に共感を示す事が信頼関係を生む。
② 患者が気軽に何でも相談する事が出来る人や場所を病院の中に作る。
③ 医療側は仕事という考えを置いて,治してあげたいという気持ちで接する。
④ 患者の悩み事を聞きながら,患者の動作を見て,総合的に状態を把握し,悩みを解決できる ように医師やスタッフが患者の心を支えていく事が大切だと思われる。
⑤ 患者としてではなく,一人の人間として接していく。
これらの5つのキー・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度が最も高い ものとして⑤が選ばれた。
スピリチュアルケアのあるべき姿(精神医学WS2-1)
低 い 重 要 度 高 い
2 高 い
緊 張 度
低 い
医 者 や ス タ ッ フ が 患 者 と 平 等 に な り 信 頼 関 係 を 作 る 治
療 を 薬 剤 投 与 だ け で な く 患 者 に 色 々 な 事 に 挑 戦 さ せ る 患
者 を 施 設 に 入 れ る だ け で な く 社 会 に 出 ら れ る 場 所 を 作 る
患 者 の 介 護 を 家 族 の 一 員 に 任 せ る の で な く 全 員 で 協 力 し て 実 施 す る 精
神 病 患 者 に 対 す る 周 り の 目 は 余 り 良 く な い の で 患 者 を 理 解 す る 事 に 病 院 の ス タ ッ フ も 協 力 す る
図4-1
患者とスタッフ間の信頼関係(精神医学2-2)
低 い 重 要 度 高 い
2 高 い
緊 張 度
低 い
患 者 と し て で は な く 一 人 の 人 間 と し て 接 し て い く
医 療 従 事 者 は 仕 事 と い う 考 え で は な く 治 し て あ げ た い と い う 気 持 ち で 接 す る 患 者 が 気 軽 に 相 談 し 得 る 人 や 場 所 を 病 院 内 に 作 る
患 者 に 興 味 の あ る 話 を し た り
︑ 患 者 の 話 し に 共 感 す る 事 が 互 い の 信 頼 関 係 を 生 む
患 者 の 悩 み を 聞 き な が ら 患 者 の 状 態 を 総 合 的 に 把 握 し
︑ 心 を 支 え て い く 事 が 大 切
図4-2
E.第3班の1回目の討論内容:テーマは1班と同じもの。
① 慎重かつ大胆に接する。
② 相手の意見を否定せず,肯定する。
③ 患者がおかしな行動をしても,落ち着いて対処し相手に不安を与えない。
④ 患者がパニックにならないように言葉を選んで質問する。
⑤ 医者が患者のつらい気持ちを分かってあげる。
これら5つのキイ・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度の最も高いも のとしては⑤が選ばれ,これが2回目(2005年1月14日)のワークショップのテーマになった。
F.第3班の2回目の討論内容:テーマは「医者が患者のつらい気持ちを分かってあげるにはどう すべきか」であった。
① 患者に病気について理解させる。
② 患者の身のまわりなどの環境を知る。
③ 相談コーナーなどの話しやすい環境を整える。
④ 患者と話し合いの機会を多く持つ。
⑤ 患者の意見を聞き入れる。
これらの5つのキー・センテンスの中で,重要性が最も高く,すぐ取り組むべき緊急性が最も高い ものとして⑤が選ばれた。
G.第4班の1回目の討論内容:テーマは1班と同じもの。
① 患者の気持ちを考える。
② 医者と患者の相互間の理解。
③ 病院・施設のイメージを明るくする。
④ 医者と患者共に信頼感を持つ。
⑤ 医者と患者との対等な関係をきづく。
これら5つのキイ・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度の最も高いも のとしては⑤が選ばれ,これが2回目(2005年1月14日)のワークショップのテーマになった。
H.第4班の2回目の討論内容:テーマは「医者と患者との対等な関係をきづくにはどうすべきか」
であった。
① 医者は患者と同じ人間であって,患者があって成り立つ事を意識する。
② 治療法の選択を行える情報を伝える。
③ 治療だけに専念しない。
④ 信頼をし合う患者の自由を奪わない。
⑤ 患者と医者の交流の場を設ける。
これらの5つのキー・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度が最も高い ものとして⑤が選ばれた。
I.第5班の1回目の討論内容(図5-1参照):テーマは1班と同じもの。
① スタッフは患者の目を見ながら,日常会話からはじめる。
② 患者の周りの人に対してもケアをする。
③ 病気の原因が分かりにくいから時間をかけて患者と向き合う。
④ 患者が自己決定出来るように接する。
⑤ 患者と話し合って,共感し,安心させ,患者に病気と闘う勇気を持たせる。
スピリチュアルケアのあるべき姿(精神医学WS5-1)
低 い 重 要 度 高 い
5 高 い
緊 張 度
低 い
患 者 と 話 し 合 っ て 共 感 し 安 心 さ せ 病 気 と 闘 う 勇 気 を も っ て も ら う こ と 自 己 決 定 で き る よ う に 患 者 に 接 す る 事
原 因 が 分 か り に く い か ら 時 間 を か け て 患 者 と 向 き 合 う 患 者 の 周 り の 人 に 対 し て も ケ ア を す る 目 を 見 な が ら 患 者 と ス タ ッ フ 間 で 日 常 会 話 か ら 始 め る
図5-1
これら5つのキイ・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度の最も高いも のとしては⑤が選ばれ,これが2回目(2005年1月14日)のワークショップのテーマになった。
J.第5班の2回目の討論内容(図5-2参照):テーマは「患者と話し合って,共感し,安心させ,
患者に病気と闘う勇気を持たせるにはどうすべきか」であった。
① 外部の社会的情報を教えてあげる。
② 病気についての説明をする。
③ 生き甲斐を持たせてあげる。
④ 患者の周囲の人も一緒に協力して病気と向き合っていく。
⑤ 患者と医療従事者が対等な立場で信頼関係をきづく。
これらの5つのキー・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度が最も高い ものとして⑤が選ばれた。
K.第6班の1回目の討論内容:テーマは1班と同じもの。
① スピリチュアルケアは患者にとって大切な存在の家族が支えになる。
② 精神医学ソーシャルワーカー(PSW)一人一人の患者に対する気持ちの持ち方をレベルアッ プする。
③ 精神病院では
PSW
を含む医療スタッフと患者が信頼関係をきづき,豊かな人間関係に発展 患者の話に共感し病気と闘う勇気をもたせるには(精神医学WS5-2)低 い 重 要 度 高 い
5 高 い
緊 張 度
低 い
対 等 な 立 場 で 信 頼 関 係 を き づ く 事
生 き 甲 斐 を 持 た せ て あ げ る こ と 病 気 に つ い て の 説 明 を す る 事
外 部 の 社 会 的 情 報 を 教 え て あ げ る こ と
周 囲 の 人 も 一 緒 に 協 力 し て 病 気 と 向 き 合 っ て 行 く 事
図5-2
させる。
④ 患者を患者として見ないで,個性を尊重してケアする。
⑤ 患者や利用者を人間として個性を認めつつ,客観的に見て心の距離をとり深入りしない。
これら5つのキイ・センテンスの中で,重要度は4番目でしたが,すぐ取り組むべき緊急性の最も 高いものとしては②が選ばれ,これが2回目(2005年1月14日)のワークショップのテーマになっ た。
L.第6班の2回目の討論内容:テーマは「精神医学ソーシャルワーカー(PSW)一人一人の患者 に対する気持ちの持ち方をレベルアップするにはどうすべきか」であった。
① 共同作業をしながら目標を達成するように気持ちを持つが,個人的な感情を必要以上に持た ない。
② PSWと利用者の間に上下関係を持たないようにする。
③ 他人の話や意見を聞きながら,自分の気持ちと照らし合わせ,それを参考にして良くしてい く。
④ マニュアルにとらわれない。そして自分を過信しない。
⑤ 精神障害者としての苦しみと悩みを毎回ちゃんと聞くようにして個別化をしっかりする。
これらの5つのキー・センテンスの中で,重要度が最も高いものは⑤が,また,すぐ取り組むべき 緊急度が最も高いものとして③が選ばれた。
M.第7班の1回目の討論内容:テーマは1班と同じもの。
① 患者の生き甲斐を見つけ,心にゆとりを持たせる。
② 対等な立場・視点。
③ 病気の背景を理解する。
④ 個人の尊重。
⑤ 患者や利用者が信用出来る施設・環境づくり。
これら5つのキイ・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度の最も高いも のとしては⑤が選ばれ,これが2回目(2005年1月14日)のワークショップのテーマになった。
N.第7班の2回目の討論内容:テーマは「患者や利用者が信用出来る施設・環境づくりはどうす べきか」であった。
① 地域住民の理解を深める。
② 施設自体の質を良くする。
③ 施設の内容を公表する。
④ 患者に応じた施設を増やす。
⑤ 利用者のプライバシーの保護。
これらの5つのキー・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度が最も高い ものとして⑤が選ばれた。
O.第8班の1回目の討論内容(図6-1参照):テーマは1班と同じもの
① 患者・利用者の社会参加を支援する(最低限のサポート)
② 患者・利用者の自立への協力(見守るようなサポート)。
③ 患者・利用者の自立への協力(積極的なサポート)。
④ 患者・利用者の環境を整える。
⑤ 患者・利用者の病状・家族・地域等を知る。
スピリチュアルケアのあるべき姿(精神医学WS8-1)
低 い 重 要 度 高 い
8 高 い
緊 張 度
低 い
患 者 の 安 心 や 信 頼 を 獲 得 さ せ る た め に 患 者 の 病 状
・ 家 族
・ 地 域 の 近 況 等 を 知 ら せ る 環 境 を 整 え る
見 守 る よ う な サ ポ ー ト を す る た め に 患 者 の 自 立 へ の 協 力
積 極 的 な サ ポ ー ト を す る た め に 患 者 の 自 立 へ の 協 力 社
会 へ の 参 加
︵ 最 低 限 の サ ポ ー ト
︶
図6-1
これら5つのキイ・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度の最も高いも のとしては⑤が選ばれ,これが2回目(2005年1月14日)のワークショップのテーマになった。
P.第8班の2回目の討論内容(図6-2参照):テーマは「患者や利用者の安心や信頼を獲得する ために,患者・利用者の病状・家族・地域等を知るにはどうすべきか」でした。
① 患者・利用者にあったサポートをする。
② サポートをするための病状・家族・地域等を知る。
③ 相手のペースで時間をかけて解決していく。
④ 話しやすい人間関係を作る。
⑤ 環境・場所を作る。
これらの5つのキー・センテンスの中で,重要度が最も高く,すぐ取り組むべき緊急度が最も高い ものとして⑤が選ばれた。
【考 察】
第1回目の小集団討論の中で各班に比較的に多く取り上げられたキーセンテスは「患者の持っ ている病気の背景を医療従事者が理解する」であった。
重要度と緊急度一番高かったのは,1班が「どんな患者に対しても,立場を公平に,人格的に 接する」であり,2班は「患者とスタッフ間の信頼関係」で,3班は「患者のつらい気持ちを医者
患者の安心や信頼を獲得する為には(精神医学WS8-2)
低 い 重 要 度 高 い
8 高 い
緊 張 度
低 い
患 者 の 居 心 地 の 良 い 環 境
・ 場 所 を 作 る 患
者 の ペ ー ス で 時 間 を か け て 解 決 し て い く 患 者 を サ ポ ー ト す る た め に 病 状
・ 家 族 や 地 域 の 近 況 等 を 知 ら せ る 患 者
・ 利 用 者 に あ っ た サ ポ ー ト を す る
患 者 が 話 し や す い 人 間 関 係 を 作 る
図6-2
が分かってあげる」で,4班が「医者と患者の対等な関係」で5班が「患者と話し合って,共感し,
安心させ,病気と闘う勇気を持ってもらうこと」で,6班が「患者や利用者を人間として個性を 認めつつ,客観的に見て心の距離を考え,深入りはしない」で,7班が「患者が信用できる施設,
環境づくり」で8班が「患者の安心や信頼を獲得させるために患者の病状・家族・地域などを知 らせる」であった。スピリチュアルケアというテーマに真っ向からとりくんでいるのが,第5班 で「患者と話し合って,共感し,安心させ,病気と闘う勇気を持ってもらうこと」というキー・
センテンスを引き出している。第2回目の小集団討論では,第5班の「患者と話し合って,共感 し,安心させ,病気と闘う勇気を持ってもらうためには」との対応策として,「周囲の人も一緒 に協力して病気と向き合っていく事」や「患者に生き甲斐を持たせること」などがスピリチュア ルケアとして特筆すべき事と思われた。
結 論
今回,著者の担当している学科目「精神医学」において,「終末期医療」と「スピリチュアルケ ア」の課題に対して,二次元イメージ法という新教育技法を用いたワークショップ形式を導入して 授業を行ったが,参加した学生が「終末期医療」と「スピリチュアルケア」に関して,患者や利用 者の立場に立って,彼らの心の痛みや魂の苦悩を深く捉え,彼らにどうしたら本当の慰めや励まし を与え,病いに敢然と闘いぬける気力を与える事が出来るかといった医療従事者や福祉人にとって 最も根源的な問いかけをしっかり考えると共に,互いにフランクにデイスカッションし,友人の意 見もしっかり傾聴し,患者や利用者の内面を深く掘り下げ,将来,自分たちが勤務した時に,対象 者にどのようにアプローチしたらよいか,また,どのような心構えを持つ事が大切かを十分に話し 合えたと思われる。
本教育技法は授業形式の講義では効果が少ない学生の講義に対するモチベーションを高め,講義 に対する主体性と積極性を高め,問題意識を持たせ,スモール・グループでの話し合いの経験を通 して楽しく学習できた。大きな成果があったと評価できると思われる。
参考文献
∏ 松村豪一「臨床専門教育との関連性を重視した基礎医学一般教育―発生学における新しい医学教育」
『医学教育』第19巻,1988,pp235-242
π 松村豪一「教育プログラムの開発-基礎医学教育にワークショップ形式を取り入れる方策,1.発生 学における実践例」『医学教育』第22巻,1991,pp171-176
∫ 松村豪一他「変革を生ませる教育プログラムの開発―ワークショップ形式の基礎医学授業(特集『医 学教育のこれから』)」『Pharma Medica』第13巻,1995,pp35-41
ª 松村豪一「変革を生ませる教育プログラムの開発―二次元イメージ法の導入」『聖学院大學論叢』第 11巻,1999,pp347-358
º 松村豪一「『障害児・者』に対する全人格的医療(total personal medicine)-イエス・キリストのアプ ローチー」東筑印刷,2002,pp261-374
Ω 松村豪一「スピリチュアルケアの医学的・実践神学的考察」新光印刷,2004,pp1-33
æ 守山茂樹,松村豪一「社会医学教育におけるスモール・グループ・ダイナミックスの導入」『医学教 育』第22巻,1994,pp197-202
ø 松村豪一「医学講義へワークショップ(二次元イメージ法)の導入─聖学院大学における試み─」
『聖学院大學論叢』第17巻,2005,pp95-111