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就 寝 時 刻 ・起 床 時 刻 ・睡 眠 時 間 ・睡 眠 中間 時 刻 が 目覚 め ・朝 食 摂 取 頻 度 に及 ぼ す影 響
滝 沢 宏 人*,松 岡 弘 記**,村 瀬 智 彦***
EffectofTimeforBed,ArisingTime,SleepingHoursandTimeofCenter ofSleepingonDegreeofAwakeningandFrequencyofHavingBreakfast
【目 的 】
人 の 健 康 の 維 持 ・増 進 に つ い て 考 え る と きの 大 き な柱 と して 、 運 動 、 栄 養 、 休 養 の3つ が あ げ られ る 。 運 動 、 栄 養 に つ い て は 多 くが 語 られ るが 、 休 養 につ い て の 具 体 的 情 報 は 比 較 的 少 な い 。 ま た この 休 養 の と り方 が 運 動 、 栄 養 に 少 な か らず 影 響 を与 え る こ とは 容 易 に 理 解 で きる 。 そ こ で 、 本 調 査 は大 学 生 の 通 常 の 夜 間 を 中 心 と した 睡 眠 の と り方 につ い て 、 実 態 調 査 を 行 っ た 。 ま た 、 こ れ らの 睡 眠 の と り方 が 身 体 活 動 の 活 発 性 や 栄 養 摂 取 に与 え る 影 響 を探 る こ と を 目 的 と した 。
具 体 的 に は大 学 生 の 就 寝 時 刻 、 起 床 時 刻 、 睡 眠 時 間 、 睡 眠 中 間 時 刻(就 寝 時 刻 と起 床 時 刻 の 間 の 中 間 時 刻)の 実 態 を 調 べ 、 これ らが 朝 の 目
覚 め 、 朝 食 摂 取 頻 度 に与 え る影 響 をみ た 。
【方 法 】
2003年4月 に 行 わ れ た科 目名 「体 育 講 義(必 修)」の 第1時 間 目 に、 大 学1年 生 に対 して ア ン ケ ー ト方 式 で 「健 康 調 査 」 を行 っ た 。 そ の 中 の 就 寝 時 刻 、 起 床 時 刻 、 朝 の 目覚 め 、 朝 食 摂 取 に つ い て の デ ー タ を用 い た 。 ま た 睡 眠 時 間 、 睡 眠 中 間時 刻 を算 出 した 。
デ ー タは 本 学1年 生 男 子537名 、 女 子371名 の もの で あ っ た。
【結 果 】
1.就 寝 時 刻 、起 床 時 刻 、 睡 眠 時 間 、睡 眠 中 間 時 刻 の 実 態
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20.521.522.523.524.525.526.527.5 就 寝 時 刻(時)
図1.就 寝 時 刻 の 分 布(醐 女 性6男 性)
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睡 眠 時 間(時 間)
図3.睡 眠 時 間 の 分 布(劇 女 性 幽 男 性)
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11.522.533.544.555.568.57 睡 眠 中 間 時 刻(時)
図4.睡 眠 中 間 時 刻 の 分 布(闘 女 性 ■ 男 性)
*愛 知大 学 経 営 学 部 紳 愛 知大 学 現 代 中 国学 部 ..:愛 知大 学 法 学 部
一46一 就 寝 時 刻 ・起 床 時 刻 ・睡 眠 時 間 ・睡 眠 中 間 時 刻 が 目覚 め ・朝 食 摂 取 頻 度 に及 ぼ す 影 響
2.就 寝 時 刻 、 起 床 時 刻 、 睡 眠 時 間 、睡 眠 中 間 時 刻 が 目 覚 め 、朝 食 摂 取 頻 度 に 及 ぼ す 影 響 (1)就 寝 時 刻 、起 床 時 刻 、 睡 眠 時 間、 睡 眠 中
間 時 刻 が 目覚 め 度 に 及 ぼ す 影 響
3一 爽快 2一 少 し眠い2 i一 大変眠い
t.5紬
滝 沢 宏 人 ・松 岡 弘 記 ・村 瀬 智 彦 一47一
一48一 就寝 時 刻 ・起 床 時 刻 ・睡 眠 時 間 ・睡 眠 中 間時 刻 が 目覚 め ・朝 食摂 取 頻 度 に 及 ほ す 影 響
【デ ー タ か ら 解 っ た こ と 】
1.大 学 生 の 就 寝 時 刻 、 起 床 時 刻 、 睡 眠 時 間 、 睡 眠 中 間時 刻(就 寝 時 刻 と起 床 時 刻 の 間 の 中 間 時 刻)の 実 態(図1.〜 図4.)。
2.就 寝 時 刻 、 起 床 時 刻 、 睡 眠 時 間、 睡 眠 中 間 時 刻 が 目覚 め 度 に 及 ぼ す 影 響 を み た(図
5.〜 図12.)。
そ の 結 果 就 寝 時 刻 、 睡 眠 中 間 時 刻 は 時 刻 が 早 い ほ ど 目覚 め が よ い 傾 向 が あ っ た 。 ま た 睡 眠 時 間 は長 い ほ ど 目覚 め が よ い 傾 向 が み られ た 。 起 床 時 刻 は 目覚 め 度 とあ ま り関 係 が な い よ うで あ っ た。
3.就 寝 時 刻 、 起 床 時 刻 、 睡 眠 時 間 、 睡 眠 中 間 時 刻 が 朝 食 摂 取 頻 度 に 及 ぼ す 影 響 を み た
(図13.〜 図20.)。
そ の 結 果 男 性 にお い て 就 寝 時 刻 、 睡 眠 中 間 時 刻 は時 刻 が 早 い ほ ど朝 食 摂 取 頻 度 が 高 い 傾 向 が み られ た 。 ま た 男 性 に お い て 睡 眠 時
問 が 長 い ほ ど朝 食 摂 取 頻 度 が 高 い 傾 向が み られ た 。 起 床 時 刻 は朝 食 摂 取 頻 度 とあ ま り 関 係 が な い よ うで あ っ た 。
【終 わ り に1
1.本 調 査 は デ ー タ の取 り扱 い 時 に統 計 学 的 な 有 意 差 検 定 を行 っ て い な い 。 上 述 した 傾 向 を 示 した もの で あ る 。
2.就 寝 時 刻 、 起 床 時 刻 、 睡 眠 時 間 、 睡 眠 中 間 時 刻 の4つ の 変 数 は そ れ ぞ れ 完 全 に 独 立 し た もの で な く、 互 い に 関係 し合 っ て い る も の で あ る こ と を 理 解 して お き た い 。 3.就 寝 時 刻 、 起 床 時 刻 、 睡 眠 時 間 、 睡 眠 中 間
時 刻 、 目覚 め 度 、 朝 食 摂 取 頻 度 に つ い て 、 男 女 差 が 生 じて い る よ うに み え る 。 こ れ ら の 差 は 後 天 的 な 男 女 の 生 活 習 慣 の 差 に よる もの な の か 、 先 天 的 な生 物 学 的性 差 に よる もの な の か 、 興 味 深 い と こ ろ で あ る。