︹資 料 ︺
史 料 紹 介 新 出 の 元 田 永 孚 書 翰 に つ い て
三 澤 純
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要旨
本稿 に お いて︑ 筆 者 は ︑ ﹁安 場 男爵 家 文 書 ﹂ (熊 本 大 学 附 属 図 書 館 寄 託 ﹁永 青 文 庫 細 川 家 文 書 ﹂ ) と 題 さ れた 写 本 か ら ︑ 安 場 保 和 宛 元 田 永 孚書 翰 四点 ︑ 下津 休 也 宛 元 田 永孚 書 翰 一 点 ︑ 元 田 永孚 意 見書 一 点 ︑合 計 六 点 の史 料 紹介 を行 った︒ これ ら の史 料 は ︑全 て未 発 表 のも の
で あり ︑特 に 元 田と 安 場 と が 日本近 代 史 上 に 果 た した 巨 大 な 足 跡 か ら し て︑ 大 き な 研究 価 値 を 有 し て いると 考 え ら れ る︒ 本 稿 作成 過 程 に お け る 厳 密 な年 代 比 定 の結 果 ︑ 下 津 宛 書 翰 が 一 八 八〇 (明 治 十 三 ) 年 であ る以 外 ︑ 全 て の史 料 が 一 八 七 四 (明 治 七 )年
に 書 か れ たも ので あ る こと が 判 明 した が ︑ こ の年 は ︑佐 賀 の乱 ︑台 湾 出 兵 等 の大 事件 が起 こ って いる年 であ る ︒ 今 回 ︑ 紹介 した 書 翰 か ら
は ︑ こ れ ら の事 件 に対 し て︑ 元 田と 安 場 と が ︑ 二人 の郷 里 ・ 熊 本 の 政治 情 勢 に大 き な 関心 を持 ち つ つ ︑ 自 ら が 属 す る いわ ゆ る実 学 連 の 今 後 の動 きを 模 索 し て いる こと を 読 みと る こと が で き て 興味 深 い︒紙 数 の都 合 上 ︑ 最 小 限 の書 誌 的 知 見 を 整 理 し た ほ か は ︑解 題 の類 を 一 切
省 略 し たが ︑ こ れ に つ いて は今 後 の課 題 と す る ︒
キ ー ワ ー ド 元 田永 孚 ︑ 安場 保 和 ︑書 翰 と 意 見書 ︑永 青 文 庫 細 川家 文書
こ こ に 紹 介 す る 新 出 の 元 田 永 孚 書 翰 五 通 は ︑ 熊 本 大 学 附 属 図 書 館 寄 託 ﹁ 永 青 文 庫 細 川 家 文 書 ﹂ の う ち ︑ ﹁ 安 場 男 爵
家 文 書 ﹂ (無 番 号 ) と 題 さ れ た 冊 子 に 収 録 さ れ て い る も の で あ る ︒ 史 料 紹 介 に 入 る 前 に ︑ こ れ ら の 書 翰 に 関 す る 書 誌
的 情 報 を 整 理 し て お き た い ︒
( 1) ﹁ 安 場 男 爵 家 文 書 ﹂ の 性 格 と そ の史 料 的 価 値
こ の 冊 子 は ︑ 侯 爵 細 川 家 編 纂 所 が そ の活 動 の 一 環 と し て︑ 安 場 家 を 訪 れ ︑ 関 連 史 料 を 筆 写 し た 際 に作 成 さ れ た も の
ハよ
と 考 え ら れ る ︒ 永 青 文 庫 に は ︑ こ の時 に 一 緒 に作 成 さ れ た 冊 子 が 数 点 確 認 さ れ る が ︑ こ の冊 子 は 安 場 家 所 蔵 文 書 に含
ま れ て いた 元 田 永 孚 関 連 史 料 を ま と め た も の であ る ︒ 細 川 家 編 纂 所 の主 要 な 任 務 は ︑ ﹃ 肥 後 藩 国 事 史 料 ﹄ を 編 纂 ・ 刊
行 す る こ と であ った が ︑ こ れ は 次 の よう な 二 つ の段 階 を 踏 み ︑ 長 い時 間 を か け て準 備 さ れ て いる た め ︑ い つ 頃 の時 期
に こ の 冊 子 が 作 成 さ れ た の か は 判 然 と し な い ︒
ハ レ
﹃ 肥後 藩 国 事 史 料 ﹄ は ︑ ﹁ 宮 内 大 臣 の令 達 ﹂ によ り ︑ そ の 編 纂 事 業 が 開 始 さ れ ︑ 一 九 = 二 (大 正 二 ) 年 七 月 に ︑ ﹃熊
本 藩 国 事 史 料 ﹄ と 合 わ せ て 三 七 巻 が 完 成 ︑ 宮 内 省 に 献 納 さ れ て いる ︒ そ の後 ︑ 一 九 一 七 ( 大 正 六 ) 年 春 か ら ︑ ﹁ 史 料
ハヨリ
と し て ︑ 未 だ 尽 さざ る 所 あ り﹂ と い う 認 識 の 下 ︑ 補 充 ・ 改 訂 作 業 が 施 さ れ 始 め ︑ 一 九 三 一 ( 昭和 六 ) 年 に ﹃改 訂 肥 後
藩 国 事 史 料 ﹄ 全 一 〇 巻 ( 一 九 三 二年 ︑ 侯 爵 細 川 家 編 纂 所 ) が 刊 行 さ れ て いる ( 以 下 ︑ こ れ ら を 総 称 し て ﹁ 国 事 史 料 ﹂
と 略 記 す る ) ︒ 安 場 家 文 書 は ︑ 横 井 小 楠 の弟 子 と し て︑ いわ ゆ る 肥 後 実 学 党 の中 心 人 物 と な り ︑ 熊 本 藩 の 明 治 三 年 藩
政 改 革 前 後 か ら 廃 藩 置 県 ま で の時 期 に は ︑ 維 新 政 権 と 藩 政 府 と を 結 ぶ パ イ プ 役 と し て 大 活 躍 し た 安 場 保 和 ( 一 八 三 五
年 生 ︑ 一 八 九 九 年 没 ︒ な お 廃 藩 置 県 後 は ︑ 福 島 県 令 ・ 愛 知 県 令 ・ 元 老 院 議 官 ・ 福 岡 県 令 ・ 貴 族 院 議 員 ・ 北 海 道 長 官 等
を 歴 任 ) に 関 わ る 文 書 であ り ︑ ﹃ 改 訂 肥 後 藩 国 事 史 料 ﹄ は ︑ 特 に 明 治 以 後 の部 分 に お い て︑ こ れ を 縦 横 に 活 用 し て い
る ︒
し か し ︑ 次 に 示 す 二 つの 理 由 か ら ︑ こ の 冊 子 に 収 録 さ れ た 諸 史 料 は ︑ こ れ ま で調 査 ・ 研 究 に 利 用 さ れ る こと な く ︑
文 庫 内 で眠 り 続 け ︑ 結 果 と し て そ の史 料 的 価 値 を 著 し く 高 め る こ と に な っ た ︒
ハさ第 一 の理 由 は ︑ ﹁ 国事 史 料 ﹂ の守 備 範 囲 が ︑ ﹁嘉 永 六年 六 月 よ り ︑ 明 治 四 年 七 月 ま で﹂ ︑ 即 ち ペ リ ー 来 航 か ら ︑ 廃 藩
置 県 ま でと 設 定 さ れ た こと であ る ︒ お そ ら く 細 川家 編 纂 所 が 安 場 家 文 書 を 調 査 し た 際 に は ︑ 細 か い年 代 考 証 を 行 う 時
間 的 余 裕 は な く ︑ 広 く 幕 末 維 新 期 に 関 わ り そ う だ と 判 断 さ れ た 史 料 が ︑ 内 容 毎 に 筆 写 さ れ ︑ 冊 子 に 仕 立 て ら れ て い っ
た と 考 え ら れ る か ら ︑ こ の冊 子 に収 録 さ れ た 元 田永 孚 書 翰 ( 一 八 七 四 ︹明 治 七 ︺ 年 が 四 通 ︑ 一 八 入 ○ ︹明 治 一 四︺ 年
が 一 通 ) は ︑ ﹁ 国 事 史 料 ﹂ 編 纂 過 程 に お け る詳 細 な 検 討 の中 で ︑ 収 録 対 象 史 料 か ら 外 さ れ て い っ た の であ る︒
第 二 の理 由 は ︑ 安 場 家 文 書 本 体 が ︑ 第 二 次 世 界 大 戦 中 の 空 襲 に よ って ︑ 当 時 こ れ を 保 管 さ れ て いた 清 野 謙 次 氏 宅 が
消 失 し た 際 に 一 緒 に 焼 失 し て し ま い ( 安 場 保 吉 氏 のご 教 示 に よ る ) ︑ 残 念 な が ら 現 在 は伝 え ら れ て いな いこ と であ る
( 但 し ︑ 永 青 文 庫 内 の数 種 の写 本 の ほ か に︑ 国 立 国 会 図 書 館 所 蔵 ﹁ 安 場 保 和 文 書 ﹂ ︑ 東 京 大 学 法 学 部 所 蔵 ﹁ 安 場 保 和 文
こ
書 ﹂ の存 在 が 知 ら れ て い る) ︒ 安 場 家 文 書 の 中 に は ︑ 安 場 保 和 の履 歴 か ら し て当 然 ︑ 日 本 近 代 史 研 究 にと って貴 重 な
史 料 が 数 多 く 含 ま れ て いた と 思 わ れ る が ︑ そ の 一 部 が ﹃ 安 場 咬 菜 ・ 父 母 の追 憶 ﹄ ( 一 九 三 八 年 刊 ) 編 集 に 用 いら れ ︑
本 文 中 に 引 用 ・ 紹 介 さ れ て いる 以 外 は ︑ 今 日 で は 全 く 目 に す る こ と は 叶 わ な い の であ る ︒ 永 青 文 庫 蔵 ﹁ 安 場 男 爵 家 文
書 ﹂ が 写 本 であ り ︑ し か も ﹁ 国 事 史 料 ﹂ 編 纂 材 料 と し て 有 益 だ と 判 断 さ れ た も の の み の写 し と は 言 え ︑ 高 い史 料 的 価
値 を 有 す る 根 拠 は こ こ に あ る︒
( 2 ) ﹁ 安 場 男 爵 家 文 書 ﹂ の内 容 と 元 田 研究 への寄 与 ﹁安 場 男 爵 家 文 書 ﹂ 中 に は︑ 以 下 の 八 点 の史 料 が ︑ 以 下 に示 す 順 序 で 筆 写 さ れ て いる ︒ な お ︑ 後 掲 の 史 料 紹 介 部 分
で は ︑ いく つか の 考 証 を 経 た 上 で︑ 年 代 ・ 宛 先 ・ 差 出 等 の比 定 を 行 い︑ 時 系 列 に 沿 っ て掲 載 し て い る が ︑ こ こ で は 敢
え て 原 史 料 のま ま を 記 す ︒
① 宛 先 ・ 差 出 ・ 日 付 と も 不 明 の書 翰
② (年 欠 ) 十 二 月 十 三 日付 ﹁安 場 賢 兄 ﹂ 宛 ﹁ 永 孚 ﹂ 書 翰 ー 1 Ψ 本 稿 に お け る 史 料 ︹ 五 ︺
③ (年 欠 ) 四月 二 日 付 ﹁ 安 場 賢 兄 ﹂ 宛 ﹁ 東 野 ﹂ 書 翰 I I Ψ 同 右 ︹ こ
④ (年 欠 ) 四 月 十 七 日 付 ﹁ 安 場 賢 台 ﹂ 宛 ﹁ 東 野 ﹂ 書 翰 i I Ψ 同 右 ︹ 四 ︺
⑤ (年 欠 ) 十 二月 十 三 日 付 ﹁ 蕉 雨 尊 大 人 ﹂ 宛 ﹁ 永 孚 ﹂ 書 翰 I I Ψ 同 右 ︹ 六 ︺
⑥ (年 欠 ) 四 月 六 日 付 ﹁ 安 場 賢 台 ﹂ 宛 ﹁ 永 孚 ﹂ 書 翰 l I Ψ 本 稿 に お け る 史 料 ︹ 三 ︺
⑦ (年 欠 ) 三 月 付 ﹁ 東 皐 ﹂ 意 見 書 ー 1 > 同 右 ︹ 二︺
⑧ 宛 先 ・ 差 出 ・ 日付 と も 不 明 の書 翰
こ のう ち ︑ 本 稿 に お い て紹 介 す る のは ︑ ② ③ ④ ⑤ ⑥ の 五点 の書 翰 と ⑦ の意 見 書 と で ︑ 差 出 は 全 て 元 田 永 孚 ︑ 宛 先 は
② ③ ④ ⑥ が 安 場 保 和 ︑ ⑤ が 下 津 休 也 ︑⑦ は 宛 先 の表 記 が 無 い︒
り
本 稿 で は ︑ 元 田 永 孚 の 紹 介 を 一 切 省 略 す る が ︑ こ れ ら の史 料 は ︑ 海 後 宗 臣 ・ 元 田 竹 彦 編 ﹃ 元 田 永 孚 文 書 ﹄ 全 三 巻
( 一 九 六 九 〜 七 〇年 ︑ 元 田文 書 研 究 会 ) や ︑ 沼 田 哲 ・ 元 田竹 彦 編 ﹃ 元 田永 孚 関 係 文 書 ﹄ ( 一 九 八 五 年 ︑ 山 川 出 版 社 ) に
代 表 さ れ る従 来 ま で の 元 田 関 連 の史 料 集 に は未 収 録 のも の で あ り ︑ 先 述 し た 諸 事 情 ( 特 に安 場 家 文 書 の焼 失 ) に よ っ
て ︑ 今 回初 め て公 開 さ れ る も の であ る ︒
元 田 の書 翰 を 集 中 的 に 集 め て いる のは ︑ 前 掲 ﹃ 元 田 永 孚 関 係 文 書 ﹄ であ る が ︑ こ れ に は 安 場 宛 の書 翰 が 二 通 ︑ 下 津
宛 の書 翰 が 八 通 収 め ら れ てお り ︑ 今 回 紹 介 す る そ れ ぞ れ の書 翰 の内 容 的 重 要 性 は も と よ り ︑ こ れ ら 関 連 史 料 と の突 き
合 わ せ に よ って新 た に 浮 き 彫 り に さ れ る諸 事 実 は 数 多 い︒ そ し て こ のこ と は ︑ こ れ ら の史 料 が 元 田 の人 物 研 究 に つ い
ては も ち ろ ん ︑ 日本 近 代 の歩 み に 元 田 が 残 し た 足 跡 の大 き さ か ら し て ︑ 日 本 近 代 史 に つ いても 寄 与 す る と こ ろ が 大 き
い こと を 意 味 し て いる ︒
ま た ︑⑤ の下 津 休 也 宛 書 翰 が な ぜ 安 場 家 に 存 在 し て いた か に つ いて は 一 言 し てお か な け れ ば な ら な いだ ろう ︒ あ く
ハヱま でも 推 測 に過 ぎ な いが ︑ 本 文 中 で元 田 が ︑ ﹁ 御 他 見 者 堅 ク御 断 申 上 候 ﹂ と 述 べ て いる に も か か わ ら ず ︑ 下 津 が こ の
書 翰 を ︑郵 送 な い し 使 者 に持 た せ る等 の手 段 で︑ 安 場 に送 り ︑ そ のま ま そ れ が 返 却 さ れ な い ま ま 安 場 家 に残 っ た の で
は な いだ ろう か ︒ も つ と も 元 田 ・ 下 津 ・ 安 場各 家 に は ︑ 姻 戚 関 係 を 含 め て密 接 な 交 流 が あ り ︑ 下 津 が安 場 に こ の書 翰
を み せ る こ と は ︑ 元 田 が 強 く 警 戒 す る ﹁ 他 見 ﹂ に は 該 当 し な か った の か も し れ な い ︒
最 後 に ︑ 本 来 な ら ば ︑ ① ⑧ も 含 め て ︑ 永 青 文 庫 蔵 ﹁ 安 場 男 爵 家 文 書 ﹂ 全 体 を 紹 介 す べ き と こ ろ ︑ 確 実 な 考 証 を 行 い
得 た 五 点 の み を 優 先 し て 紹 介 す る こ と に し た こ と を 付 言 し て お く ︒
( 3 ) 紹 介 に あ た っ て の 凡 例
○ 旧 字 体 は 新 字 体 に 改 め ︑ 句 読 点 を 付 し た ︒
○ 原 史 料 に は ︑ ﹁ 見 せ 消 ち ﹂ が 確 認 さ れ る が ︑ こ れ は 細 川 家 編 纂 所 が 安 場 家 文 書 を 筆 写 し た 際 の も の と 考 え ら れ る
の で ︑ 表 記 し な か った ︒
○ 表 記 上 の 体 裁 は ︑ 全 て 沼 田 哲 ・ 元 田 竹 彦 編 ﹃ 元 田 永 孚 関 係 文 書 ﹄ に 準 拠 し た ︒
註 ( 1) 例 え ば表 紙 に ﹁ 小 楠 横 井先 生 手 翰 ﹂ (草 稿 本 の部 H ︒︒ 鵠 ) と 記 さ れ た 史 料 が こ れ に当 た る ︒但 し ︑ こ の 表 題 は正 確 と は言 い難 く ︑ 一
丁 目 に ﹁ 咬 菜 軒 逸 事 ﹂ と 記 さ れ て いる よう に 安 場 の伝 記 と な って いる (そ の中 に安 場 宛 横 井 小 楠 書 翰 が 含 ま れ て い る) ︒ 後 述 す る ﹃安 場 咬 菜 ・ 父 母 の追憶 ﹄ と 重 な る 部 分 も 散 見 さ れ る が ︑ 両 者 の関 連 性 に つ いて は 現 段 階 で は 不 明 であ る︒ し かし ﹃改 訂 肥 後 藩 国事 史 料﹄ には ︑ ﹁安 場 男 爵 家 文書 ﹂ ﹁小 楠 横 井先 生 手 翰 ﹂ 収 録 史 料 以 外 の︑安 場 家 文 書 も 多 用 さ れ て いる の で︑ 細 川 家 編 纂 所 が作 成 し た
安 場家 文 書筆 写 本 は他 にも あ っ た と 考 え ら れ る︒
( 2) (3) (4) ﹃改 訂 肥後 藩 国事 史 料 ﹄ 巻 一 ﹁緒 言 ﹂ ︒ ( 5) ど ち らも 筆 者未 見 であ る が︑ 安 場 保 吉 氏 に よ れば ︑国 立 国 会 図 書 館 所蔵 ﹁安 場 保 和 文 書 ﹂ は ︑ 明 治 中期 に安 場 が 品 川 彌 二郎 ・ 佐 々
友 房 ら に宛 てた書 翰 類 が 中 心 で︑ 東 京 大 学法 学 部 所 蔵 ﹁安 場 保 和 文 書 ﹂ は ︑明 治 中 期 の法 律 ・ 経 済 ・ 北海 道 開 発 問 題 に 関す る論 説 類 が 中心 であ ると いう こと であ る︒
( 6) 各種 の歴 史 辞 典 や人 名 辞 典を 参 照 のこ と ︒ な お元 田 の伝 記 には 海 後 宗臣 ﹃元 田永 孚 ﹄ ( 一 九 三 二年 ︑文 教 書 院 ) が あ る ︒ま た 元 田文
書 に ついて は︑ 後 掲 の ﹃元 田永 孚 関 係 文書 ﹄ の ﹁ 解 題﹂ が優 れ て いる ︒
( 7) 本稿 一 七 ペ ージ ︒
︹ 一 ︺ (明 治 七年 ) 四月 二 日 付 安 場 保 和 宛 元 田 永 孚 書 翰
先 月 六 日 御 途 中 其 後 十 八 日 ・ 廿 四 日 三 度 之 芳 翰 一 々相 達 ︑ 恭 々 拝 読 仕 候 ︒ 愈 御 清 健 被 成 御 着 県 御 満 堂 御 揃 ︑ 益 御 安 康
之 段 珍 重 奉 賀 候 ︒ 早 速 拝 答 可仕 候 処 ︑ 疎 獺 押 移 是 迄 失 敬 御 海 容 可 被 成 下 候 ︒ 拙 家 も 皆 々無 異 罷 在 御 休 襟 奉 希 候 ︒
岩 公 江 之 御 建 言 御 一 封 廿 一 日午 後 相 達 ︑ 廿 三 日 二参 達 仕 候 処 ︑ 御 来 客 二 而 御 逢 者 無 之 取 次 ヲ以 相 達 し 置 申 候 ︒ 御 草 稿
茂 御 添 被 成 下 ︑ 桜 井 二 も 披 見 致 サ セ 候 積 と の御 示 諭 二 付 ︑ 入 披 見 候 而 意 見 ヲ乞 一 夕 講 習 仕 候 処 ︑ 固 よ り 感 服 御 同 心 之
ハ け
事 二 御 座 候 ︒ 然 シ 元 老 院 一 条 桜 井 少 々存 慮 有 之 ︑ 小 弟 二 も 御 一 別 後 猶 再 案 段 々 不 安 意 之 条 件 も 有 之 ︑ 桜 井 存 意 と 大 概
同 案 程 二有 之 候 へ 共 ︑ 急 二 御 取 遣 も 出 来 不 申 御 建 言 者 其 儘 差 出 申 候 ︒ 尤 廿 六 日 二 岩 公 御 面 会 致 し御 建 言 之 御 趣 意 ハ御
領 掌 二而 ︑ 得 斗 御 熟 慮 可 被 成 と の事 二有 之 候 問 ︑ 小 弟 存 慮 固 より 御 同 案 二御 座 候 得 共 ︑少 々懸 念 之 ケ 処 も 有 之 候 段 粗
申 上 候 処 ︑ 当 時 段 々御 熟 慮 中 之 御 事 二御 座 候 段 御 申 聞 二而 余 程 御 反 顧 之 御 様 子 二相 見 へ申 候 ︒ 左 候 而 大 蔵 長 官 等 参 議
中 人 物 之 愚 評 ヲ御 下 問 二 付 ︑ 小 弟 儀 寡 聞 浅 見 他 之 事 ハ 謙 遜 致 し 候 得 共 ︑ 彼 一 人 者 実 二関 係 も 大 ナ ル事 二 付 御 高 論 ヲ継
キ 候 而 十 二分 三 言上 仕 候 処 ︑ 大 二 御 同 意 之 御 模 様 二 相 見 へ 申 候 ︒ 右 元 老 職 一 条 之 愚 案 別 紙 二 記 し 供 御 一 覧 申 候 ︒ 御 賢
慮 二者 適 し 申 間 敷 と 奉 存 候 へ共 ︑ 今 一 応 御 示 教 被 下 度 奉 希 候 ︒
警 視 官 三 人 之 御 撰 挙 固 より 御 同 意 二 奉 存 候 処 ︑ 実 際 上 ニ ハ 三 人 一 固 二 御 撰 任 急 二運 ヒ兼 可 申 と 見 込 候 間 ︑ 先 津 田 一 人
岩 公 へ 申 上 置 候 ︒ 米 田家 汐 も 言 上 二 而 條 公 二 も 申 立 二 相 成 申 候 ︒ 当 時 大 警 視 川 路 一 人 二而 ︑ 権 大 警 視 三 人 ︑ 安 藤 ・ 田
辺 ・ 丁 野 二 而 容 易 二 転 任 も 如 何 之 様 子 二 相 聞 へ︑ 先 津 田 一 人 丈 者 相 運 可申 欺 と 見 込 ミ申 候 ︒ 依 而 三 人 之 儀 者 御 建 言 二
依 而 別 段 之 御 人 撰 無 之 候 半 而 ハ 相 運 申 間敷 ︑ 藤 島 二 も 御 伝 言 被 下 候 由 二而 ︑ 同 人 汐 承 リ 候 へ共 是 こも 右 之 趣 ヲ以 話 合 ︑
先 津 田 一 人 申 入 レ之 方 二 致 置 申 候 ︒ 不 悪 御 聞 済 可 被 下 候 ︒
米 田 家 者 先 月 五 日 二 帰 京 二 而 益 活 発 々タ ル談 話 二御 座 候 ︒ 熊 本 二者 二月 廿 日 之 着 二而 即 夜 権 令 へ 説 諭 ︑ 翌朝 住 江 へ直
対 話 二 而 沸 騰 連 モ 一 時 二 鳥 散 致 し ︑ 鎌 田 惣 謝 罪 之 名 代 人 と し 而 米 田 家 二 参 り 申 候 由 ︑ 一 時 之 動 揺 ハ大 田黒 ・ 嘉 悦 話 と
同 一 二 有 之 候 へ 共 ︑ 廿 一 日汐 廿 五 日 二 忽 鎮 定 ︑ 夫 汐 佐 賀 出 張 大 久 保 内 務 卿 と 寝 食 ヲ共 二し 三 月 二 日 汐 発 足 二 而 帰 京 二
御 座 候 ︒ 大 久 保 船 中 汐 佐 賀 鎮 定 迄 之 儀 ︑ 惣 テ成 算 通 り 二遺 策 ナ ク 運 ヒ 候 由 ︑ 米 田 家 ニモ 熊 本 ニ テ ハ 快 ク 一 睡 モ成 リ 不
申 ︑前 後 共 二 固 ヨリ 熟 睡 も 不致 候 而 尽 力 致 し 候 ︒ 精 神 之 段 ハ 旧 県 之 人 こよ り 賞 誉 ヲ受 ケ 候 様 二 有 之 候 得 共 ︑ 大 久 保 之
精 神 二者 其 米 田家 二も 感 服 致 し タ ルと の話 二有 之 ︑ 流 石 天 下之 柱 石 ︑ 猶 更 感 心 致 し 候 ︒ 其 後 之 様 子 ハ 相 分 リ 不 申 ︑ 高
嶋 侍 従 ・ 米 田長 モ先 日 一 ト先 帰 京 ︑ 猶 佐 賀 へ罷 越 し申 候 ︒ 是 者 伺 事 ヲ持 チ テ参 リ 候 由 二而 確 説 ハ 承 知 不 致 候 へ 共 ︑ 内
務 卿 之 見 込 と 大 惣 督 宮 と の見 込 少 々違 却 致 し ︑ 右 伺 ヒ ニ 正 院 へ罷 越 候 由 二 御 座 候 ︒ 少 々懸 念 二而 何 様 陸 軍 長 官 二異 論
も 可 有 之 哉 と 愚 推 致 し 候 ︒ 猶 承 リ 候 ハ ・ 可 得 貴 意 候 ︒
江 藤 未 タ相 分 リ 不 申 ︑今 日 之 新 聞 二宇 和 島 へ 逃 匿 之 模 様 二 相 見 へ ︑ 早 々捕 縛 二就 キ 候 様 二 祈 リ 申 候 ︒
熊 本 ニ ハ 渡 辺 大 丞 乗 リ 込 ミ 佐 賀 応 援 党 精 々押 詰 タ ル糺 問 ニ テ︑ 鎌 田 列 も 平 伏 二 及 候 由 ︑ 此 節 者 例 之 党 派 論 も 漸 ク 明 白
致 し 大 分 愉 快 二 覚 へ 申 候 ︒ 右 之 一 条 二 付 珍 説 有 之 ︑ 賊 徒 隠 匿 之 類 探 索 厳 重 二而 ︑ 下 津 御 隠 居 ・ 米 田 与 七 郎 ・ 小 笠 原 七
郎 ・ 沼 田勘 解 由 ・ 溝 口 蔵 人 ・ 白 石 ・ 岩 佐 ・ 沢 村 大 八 等 大 丞 宅 へ 御 用 召 二 而 ︑ 精 々話 合 二 而 一 統 朝 旨 ヲ奉 シ候 様 之 示 教
ふママリ
ヲ命 セ ラ レ 候 由 二 而 ︑ 御 隠 居 杯 中 々勇 々敷 様 子 二相 聞 へ 申 候 ︒
濱 町 様 二 者 益 御 機 嫌 能 ︑ 先 月 九 日 二 御 着 被 遊 候 ︒ 御 到 来 も 有 之 乍 恐 奉 安 喜 候 ︒ 岩 男 列 貞 太 共 二 も 薩 睡 二 而 追 付 申 上 御
召 出 も 被 為 在 ︑ 一 同 九 日 二 着 仕 大 二安 心 仕 候 ︒ 熊 本 も 米 田 家 一 声 二而 鎮 定 之 上 ︑ 右 大 丞 之 処 置 等 二而 も は や柳 之 懸 念
も 無 之 ︑濱 町 様 二も 何 之 御 配 慮 も 不 被 為 在 候 と 奉 恐 察 御 互 二 安 心 仕 候 ︒
津 田 も 県 士 弐 百 名 撰 出 先 月 廿 日 二到 着 致 し 候 ︒ 廿 八 九 日迄 二 皆 々 四 等 巡 査 二拝 命 相 済 申 候 ︒ 今 村 ・ 山 移 ・ 岩 間 ・ 不 破
源 ︑仮 ノ 引 廻 し ニ テ出 張 候 へ 共 ︑ 皆 同 様 四 等 巡 査 二 拝 命 致 し 候 ︒ 大 田黒 ・ 嘉 悦 列 も 帰 県 二而 御 示 諭 之 通 り 暫 者 誠 二 静
二 有 之 候 ︒ 大 田黒 者 佐 賀 へ 相 廻 り 候 間 彼 地 二 而 拝命 と 被 察 申 候 ︒
御 出 発前 右 之 御 社 中 へ 之 御 話 合 軌 レ茂 異 論 二 有 之 候 由 二 候 へ 共 ︑ 御 早 々 二而 意 中 ヲ尽 シ 得 不 申 段 ︑ 後 日 嘉 悦 汐 承 知 仕
候 ︒ 賢 兄 二も 少 々宛 注 文 も 有 之 候 哉 二 承 リ 申 候 ︒ 今 少 し 熟 話 ヲも 承 候 心 得 二居 申 候 処 ︑ 出 立 致 し 十 分 二尽 し 不 申 残 念
二御 座 候 ︒ 藤 島 内 々之 話 ヲ承 候 処 ︑ 内 務 卿 懇 意 之 向 キ ニ も 賢 兄 事 ヲ議 論 高 大 と の批 評 ヲ致 し 候 族 も 有 之 候 由 二 而 ︑ 藤
島 二 者 賢 兄 前 途 之 事 ヲ 祈 り 候 所 汐 大 二 案 思 居 申 候 ︒ 固 よ り 御 頓 着 有 之 事 ニ ハ無 之 候 へ共 ︑ 小 弟 こ も 藤 島 中 情 汲 取 居 候
事 故 同 様 二 祈 申 候 ︒ 少 シ 御 注 目 有 之 度 奉 存 候 ︒
島 津 従 二位 公 鹿 児 島 着 之 上 ︑ 西 郷 二面 会 二 而 是 迄 西 郷 事 ヲ 異 論 二 存 し 二 相 成 候 段 ︑ 謝 罪 二 相 成 ︑ 向 後 者 一 致 二 相 成 リ
帝 室 ヲ輔 護 可 被 致 候 二 付 ︑ 一 同 二上 京 二 相 成 度 と の 懇 々之 説 諭 二 相 成 候 由 ︑ 西 郷 も 誠 二意 外 之 感 服 二而 有 之 候 由 二 候
処 ︑ 上 京 之 一 段 者 達 而 相 断 ︑ 当 時 大 久 保 初 メ皆 々尽 力 致 し 居 候 二 西 郷 自 身 出 候 而 モ却 而 邪 魔 二相 成 リ宜 敷 無 之 ︑ 西 郷
二於 テ ハ西 睡 二 沈 伏 致 し 候 而 モ決 而 為 メ悪 敷 事 ハ 致 不 申 候 段 申 述 候 而 御 断 申 候 由 ︑ 右 二付 従 二 位 公 二も 急 二 帰 京 も 出
来 兼 候 段 ︑ 子 息 井 楢 原 ヲ使 と し て朝 廷 二 言 上 二相 成 申 候 ︒ 右 二付 従 二 位 公 御 召 之 由 二 而 万 里 小 路 宮 内 大 輔 ・ 山 岡 少 丞
勅 使 と し而 去 ル廿 日 汐 鹿 児 島 へ 罷 下 リ 候 ︒ 従 二位 公 二 者 上 京 も 可 有 之 候 へ 共 ︑ 西 郷 へ 勅 謎 ト 申 ス事 ニ ハ無 之 由 二 付 ︑
西 郷 上 京 ハ六 ヶ敷 見 込 ミ申 候 ︒ 今 少 シ 御 誠 意 ノ貫 徹 致 し 度 と の ミ祈 リ 申 候 ︒
御 草 稿 者 講 習 之 為 メ ニ写 し 取 置 ︑ 御 本 書 者 則 返 上 仕 候 ︒ 御 落 手 可 被 成 下 候 ︒
桜 井 へ 先 日 御 一 封 被 下 候 而 宮 中 改 正 之 件 々御 示 諭 被 下 候 段 ︑ 同 子 汐 承 知 仕 候 ︒ 一 夕 得 斗 話 合 申 候 筈 二而 ︑ 其 上 二 而 御
返 事 可 仕 と 奉 存 候 ︒
桜 井 二も 先 月 廿 日 二新 宅 へ 引 移 申 候 問 ︑ 御 屋 敷 者 受 取 申 候 ︒ 御 道 具 モ格 別 無 之 藤 島 も 居 申 候 間 ︑ 此 節 者 朝 夕 見 繕 候 迄
二 而 諸 生 夜 々之 宿 ハ見 合 セ置 申 候 ︒ 此 段 申 上 置 候 ︒ 御 長 屋 続 一 条 モ夫 々承 知 仕 候 ︒
御帰り後 二 御土産之 品 々 拝領誠 二く 黍 々 結 構御 心入之御品 々 二 而御 厚情難有 幾久敷重 宝可 仕と奉存 候︒家内 汐厚 ク
御礼申 上度︑となた様 二 も重 々 宜 敷奉願候 ︒
袴地糸織 其外相願候 処︑大 二 御 世話 二 相成御 委細被 仰下候趣恭 々 奉存 候︒嶋 屋之便 二 御 遣し被 成下︑賃 銭等之事 も被
仰下夫 々 承知仕候︒未 タ島屋も到 着致し候哉 否承 リ不申候︒相 届申 候 ハ ・ 御紙 上之通り 二 相心 得可申奉 存候 ︒ 袴 地 モ
ハママロ
急 キ 候 二而 も 無 御 座 七 八 両 ニテ手 二入 候 へ 者 ︑ 大 二宜 敷 奉 願 置 候 ︒ 家 内 汐 呉 々 も 御 礼 共 々宜 敷 申 上 候 ︒
右 之 件 々公 私 取束 ね 拝 述 仕 候 ︒ 御 推 覧 奉 希 候 ︒ 猶 後 便 ヲ期 シ ︒ 早 々 ︒ 頓 首 ︒
四 月 二 日夜 認 ム
東 野 拝
安 場 賢 兄
尚 々 御 老 人 様 御 初 メ皆 々 様 へ 呉 々宜 敷 奉 願 候 ︒ 御 出 府 者 い つ比 之 御 模 様 二 候 哉 ︒ 御 掃 除 共 致 し 御 待 可 申 上 と 奉 存 候 ︒
近 日 上 野 ノ桜 少 々宛 綻 ヒ申 候 由 ︑未 タ 向 島 な と ハ 当 月 央 過 二相 成 リ 可 申 ︑ 園 中 之 花 も 未 タ余 程 日 間 も 可 有 之 ︑ 枝 垂
レ桜 ハ 少 々綻 ヒ 申 候 ︒ 此 段 御 老 人様 方 へ 申 上 候 ︒
村 井 汐 書 状 昨 日 相 達 し 壮 健 之 段 安 心 仕 候 ︒ 此 節 迄 ハ返 書 も 届 キ 不申 ︑ 門 岡 二茂 追 々 之 返 書 も 有 之 候 へ共 是 モ 同 様 二
而 御 序 二 宜 敷 御 伝 声 奉 頼 候 ︒ 再 拝 ︒
︹ 二︺ (明 治 七 年 ) 三 月付 ﹁ 東 皐 ﹂ 意 見 書
再 案
元 老 職 ノ 任 ︑ 従 二位 公 以 下 四名 ノ人 選 ︑ 固 ヨ リ適 当 ス ルト 錐 ︑ 大 臣 ・ 参 議 ノ外 ︑ 別 一二 大 任 ヲ 設 ケ 置 ク カ 故 二 其
震 断 ヲ助 ク ル ノ実 効 アリ テ
天 皇 ノ 親 任 益 々重 キ 時 ハ 其 権 亦 随 テ 強 ク 終 二 大 臣 ・ 参 議 ト 相 抗 ス ル ノ弊 ナ キ ー ヲ免 レ ス︒ 若 シ其 輔 翼 ノ実 効 ナ ク
天 皇 ノ 親 任 ナ ク シ テ ︑ 大 臣 ・ 参 議 ノ 下 風 ヲ仰 キ ︑ 其 権 亦 軽 キ 時 ハ 新 タ ニ元 老 職 ヲ置 ク ノ 詮 ナ ク シ テ終 二 無 用 ノ贅 物 ト
成 リ ︑ 四 名 ノ人 物 モ亦 随 テ閑 職 二 帰 シ ︑ 辞 免 退 老 ノ外 ナ ク 朝 綱 亦 振 ハ ス︒ 此 ニ ツ ノ弊 ︑ 予 メ 慮 ラサ ル ヘカ ラ サ ル
ナ リ︒ 今 四 名 ノ人 物 皆 宏 識 大 度 ノ 君 子 ニシ テ︑ 其 動 作 決 シ テ正 院 ト 相 抵 抗 ス ル ノ 患 ナ ク ︑ 又 決 シ テ従 ス ル ノ 属 官 ・ 門
人 少 シ ト セ ス︒ 此 輩 二至 テ ハ 其 常 二 尊 信 ス ル所 ノ 人 ︑ 大 二 用 ヒ ラ ル ・ ヲ 見 テ ハ 意 気 揚 々 元老 ノ名 声 ヲ誇 張 シ ︑ 若 シ大
二 用 ヒ ラ レ サ ル ニ 於 テ ハ亦 必 ス 不 満 慷 慨 ︑ 政 府 ヲ敵 視 ス ル ニ 至 ル ︒ 是 其 勢 然 ル ナ リ ︒ 是 亦 恐 ル ヘキ者 ︑ 予 メ慮 ラサ ル
ヲ得 サ ル 也 ︒ 夫 元老 ノ 名 ア ル大 老 臣 ト 云 ン カ如 シ ︒ 故 二 位 ヲ以 テ ス レ ハ 大 臣 ノ外 二元 老 ア ル ヘカ ラ ス︒ 人 物 ヲ以 テ ス
レ ハ 條 ・ 岩 両 公 ︑ 西 郷 ・ 大 久 保 ノ外 二元 老 ア ル ヘカ ラ ス ︒ 之 ヲ次 ニシ テ従 二位 公 及 ヒ 木 戸 及 ヒ勝 ・ 大 久 保 一 翁 ナ リ ︒
是 恐 ク ハ天 下 ノ確 論 倒 置 ス ヘ カ ラ サ ル者 ︑ 故 二 今 其 名 二順 ヒ実 ヲ 責 メ テ ︑ 條 ・ 岩 両 公 ︑ 大 久 保 ・ 木 戸 ノ 四 人 ハ 本 官 ヲ
以 テ︑ 元老 職 二 任 シ ︑ 西 郷 ・ 従 二位 公 及 ヒ 勝 ・ 大久 保 一 翁 ハ 専 ラ 元 老 職 二任 シ︑ 兼 官 ノ元 老 ハ三 日 二 一 度 或 ハ五 日 二
一 度 帝 室 二 朝 シ︑ 専 任 ノ 元 老 常 二
帝 側 二 在 リ テ輔 翼 ノ 任 ヲ尽 サ バ 大 臣 元 老 ノ 権 相 分 ル ・ ノ患 ナ ク︑ 協 同 和 合 シ テ其 器 度 名 望 亦 以 テ 天 下 ノ 人 心 ヲ繋 ル ニ
足 ラ ン欺 ︒ 且 人 ノ情 相 逢 フノ 近 キ ョ リ愛 親 ノ情 生 ス︒ 今
天 皇 君 臣 水 魚 ノ親 愛 ア ラ ンー ヲ希 フ者 誰 々 ソ ヤ ︒ 條 ・ 岩 両 公 ︑ 大 久 保 ・ 西 郷 ヲ措 テ ニ等 ノ人 二求 ム ヘカ ラ ス︒ 故 二
天 皇 此 四 賢 二 相 逢 フヤ ︑ 最 近 ク最 切 ナ ラ ン] ヲ 欲 セ ン ニ ハ元 老 二 任 シ テ数 々
ハ け
帝 室 二密 通 セ サ ル ヘラカ ラ ス︒ 是 衷 情 ノ 親 ク望 ン テ真 二 希 フ所 ナ リ ︒ 況 ン ヤ 去 冬 征 韓 両 議 相 判 レ シ ヨリ ︑ 人 心 胸 々 ︑
方 今 佐 賀 平 定 ︑ 天 下 ノ有 志 皆 頚 ヲ延 テ 朝 政 ノ 挙 ル ヲ望 ム ︒ 是 時 二当 リ 一 度 趾 ヲ挙 テ有 志 ノ 望 二 飽 ク ニ 足 ラ サ レ ハ以
テ 人 心 ヲ服 ス ヘカ ラ ス︒ 今 元 老 職 ヲ置 ク 天 下 ノ 人 ︑ 将 二目 ヲ刮 テ 以 テ其 人 ヲト セ ン ト ス︒ 然 リ 而 y 其 人 ノ擢 任 二 至 テ
ハ従 二位 公 列 ノ 四 名 ノ ミ︒ 蓋 シ 西 郷 ノ 名 望 固 ヨリ 無 論 ト 錐 ︑ 其 実 際 受 任 担 当 ス ル否 ︑ 未 タ知 ル ヘカ ラ ス︒ 従 二位 公 ・
勝 ・ 大 久 保 一 翁 ノ 人 物 二等 二下 ラ ス ト 錐 ︑ 天 下 ノ望 ム所 大 久 保 二 如 ク ハナ ク シ テ ︑ 條 ・ 岩 両 公 之 二次 ク ︒ 此 ヲ措 テ 彼
ヲ挙 ク即 チ
帝 室 ノ大 任 軽 キ ニ似 テ天 下 ノ有 志 其 望 ミ ニ 漱 ザ ラ ント ス ︒ 故 二 拙 意 謂 ク ︑ 元 老 職 ヲ置 ク ︑ 希 ク ハ 條 ・ 岩 両 公 ︑ 大 久 保
ヨリ 勝 大 久 保 一 翁 二 至 リ︑ 皆 之 二任 シ テ可 ナ ル ヘシ︒ 若 シ 又 施 設 シ 難 ク ン ハ姑 ク止 ム ニ 若 ク ハナ カ ル ヘシ︒ 今
皇 宮 太 政 官 代 道 途 隔 絶 事 務 多 端 ナ リ ト 錐 ︑ 大 臣 ・ 参 議 交 ル 々 々
帝 室 二 朝 ス ル ニ一 二 日 一二 度 ︑ 五 日 一二 度 ヲ以 テセ ハ ︑ 従 前 ノ 疎 遠 ニ ハ 陪 縫 ス ヘシ︒ 而 シ テ実 際
天皇 ノ聖 資 ヲ察 シ 皇 宮 ノ体 度 ヲ審 ニシ 其 度 ヲ計 リ 其 序 二順 ヒ除 ヤ ク ニ 体 裁 上 ノ改 正 二 及 ヒ 随 テ 元老 院 ヲ置 ンー ︑ 亦
晩 カル ヘ カラ ス ︒荷 モ 実 際上 二 力 ヲ 用 ヒ ス ︑徒 二 体 裁上 ノ改観 ヲ 急 ク時 ハ 遠 カ ラ ス シ テ 又終 二 改 メサ ルヲ 得 ス ︒亦将
二 軽 々 進歩朝変暮 改 ノ 覆 轍 ヲ 踏 ント ス ︒是 正 二 熟慮 セサ ル ヘ カ ラサルナ リ︒
三月
東 皐具 陳
︹三︺ (明治七年) 四月六日付安 場保和 宛元 田永孚書翰
去 ル 一 日之貴翰 一 昨 四日 二 相達添 々 拝読 仕候︒御 全家様 御揃愈御安 祥被成 御座奉 拝賀候︒ 此元皆 々 無 異罷在 候間御安
心可被成 下候︒其後 都下西方之形 勢等御 懸念被 成候段 ︑追 々可 得 貴慮と ハ 存な から執筆瀬惰 押移 一 ト通り ハニ 日之郵
便汐得貴 意候通り 二 而︑未 タ 確定 之儀も 承り出 し不申杞 憂消却之様 二 至り 兼申 候︒尤江藤新 平者 三日之報知 二 高知県
二 而捕 縛 二 就キ︑佐賀 二 伝送 二 相 成候趣 二 而昨 日米 田 家 之聞取 二 而承知仕 候︒其 外之面 々 も 捕縛之段 ハ 昨 日之新聞紙
二 も相 見 へ 居申候通 り 二 御座候 ︒先巨魁皆 逮捕 御処刑 一 ツ ニ 相成 リ何様魁 首者厳 刑︑其余者 御寛典之 御処置 二 可相成
と被察申 候︒昨 日 岩 男汐之書翰 到着同氏 二 も佐 賀 へ 出張 実地見 聞之処︑兵 火之 跡直様御救助 建築等之 指揮行 届候段申
越︑ 王師之姿相顕 レ 感 心之趣 二 御 座候︒ 御処刑 軽重宜 ヲ 得候様之 建言も致 し候由 二 候処︑ 既 二 内務卿 ニハ 定 論有之候
趣 二 而︑ 一 々 岩男之 建言通り ニハ 運 ヒ 兼 候模様 二 有之 ︑定而内務 卿 二 定見 有之 候と相見 へ 申 候︒九州 巡視 ハ 惣督宮計
二 而内 務卿 ハ 巡 回 ハ 無之見込 二 御座候 ︒ い つ れ巨魁処 刑之上者 早 々 帰京終 始之事 実奏聞叡慮 ヲ 可奉安 と の 忠志 二 可有
之 哉 と奉存候︒
元知 事 様御着後之御 模様 ハ 精敷 儀 ハ 未 タ報知承 リ不申 候 へ 共︑先 便得貴意 候通 り 二 而何も静 誼 二 相成 リ候上 二 而之御
着座 二 而御配慮之儀も 不被為在候 事と奉 恐察候 ︒御安心 可被成 下候︒
台湾御征伐御決議 二 而 昨日西郷陸 軍大輔惣 督被 仰付︑今 日汐出発 之由 二 御座 候 ︒野津少将 ・ 谷 少将両人 将師 二 而鹿 児
島 県 之 壮 兵 ヲ募 ら れ 鎮 台 兵 も 発 出 致 し 申 候 ︒ 初 而 承 リ 候 処 二而 ハ 如 何 之 廟 議 二候 哉 と 杞 憂 之 至 二 御 座 候 ︒ 近 日 之 御 急
決 二 而 全 ク機 密 二出 候 事 と 小 生 共 耳 遠 く 有 之 候 ヘ ハ 別 而 驚 キ 申 候 位 二而 内 務 卿 こ も 同 意 否 も 難 計 と 重 々懸 念 仕 候 処 ︑
米 田 へ咄 見 候 へ 者 内 務 卿 二 者 佐 賀 出 張 之 節 船 中 二 而 既 二 其 内 話 有 之 佐 賀 一 時 二鎮 定 之 上 者 台 湾 二差 向 候 と の内 話 も 有
之 候 由 二 御 座 候 ︒ 右 之 次 第 承 リ 候 得 者 ︑ 廟 議 内 決 ハ 内 務 卿 策 略 之 内 二有 之 候 二付 先 々杞 憂 ヲ慰 シ 申 候 ︒
人 力 車 御 求 メ被 成 度 と の儀 二 而 小 生 長 屋 之 車 製 二被 成 度 趣 ︑ い才 承 知 仕 候 ︒ 則 音 吉 へ 申 付 製 造 方 へ 承 合 せ 候 処 ︑ 別 紙
直 段 書 之 通 二 申 出 候 ︒ 所 々承 り 合 せ 候 ハ ・ 少 々宛 之 高 低 ハ可 有 之 候 へ共 ︑ 先 弐 拾 金 内 二而 出 来 可 致 ︑ 右 之 御 聞 置 二 被
成 置 候 ハ ・ 直 二 あ つら へ可申 と 奉 存 候 ︒ 代 金 ハ少 し も 御 心 配無 之 様 御 世 話 ヲ奉 願 候 ︒ 糸 織 類 之 代 金 モ小 生 汐 差 出 候 筈
二 御 座 候 間 ︑ 彼 是 御 立 用 モ相 願 可 申 ︑ 勇 其 心 組 二被 成 置 被 下 候 ハ ・ 恭 々奉 存 候 ︒
右 糸 織 類 之 儀 者 御 袋 様 御 奥 様 大 二 御 世 話 二 罷 成 り 難 有 く ︑ 今 日 陸 運社 汐 相 達 し 髄 二 受 取 申 候 ︒ 屑 糸 織 ・ 白 紬 注 文 通
り 二而 大 二か ら も 好 ク小 生 妻 共 に誠 二難 有 く ︑ 糸 織 者 思 召 付 二 而 御 遣 し 被 成 下 ︑ 品 か ら と 云 別 而 宜 敷 思 召 之 処 両 人
共 二誠 二く 御 礼 難 申 上 尽奉 存 候 ︒ 妻 汐 ハ 別 段 御 礼 も 申 上 候 心 得 二 而 ︑ 先 日 汐 文 を も 差 上 候 筈 二御 座 候 へ共 ︑ 此 間 汐
時 候替り故 例之持病差起 り頭痛強く 打臥居申候 而存 なから御 礼も不申 上本意な らす御無 礼申上候 間︑呉 々 も小生 汐宜
敷申 上候様申 出候︒
去 月廿 三日汐者雪 二 而其後 雨 二 相成 御困却被成 候処 ︑ 一 日 二 者晴 二 而 梅御覧 二 御 出浮被 成候由御 奮散 二 相 成可申 と奉
遠想 候︒此 元 者 近日者 天 気暖 和 二 赴 キ桃桜咲出 テ ︑昨 日上 野 迄 参り見 候処も はや入分位 之開花 二 而大分人 出も多 く賑
合申 候︒ 八 九 日比盛り欺と被 思向島者未 タ少 し早く十 三四 日比 二 も 可 有 之欺と存 し申候 ︒御地と ハ 余程之 相違 二 而景
況想 像仕候︒御出府も如何之御 模様 二 御座候哉 ︒折柄随 分御自愛御専 一 二 奉祈候 ︒ 一 昨日之貴報 労如此御座 候︒頓首︒
四月六 日
永孚
安場賢台
尚 々 此節 モ 村 井 ・ 門 岡 へ 紙面届兼申 候 間御逢之節 可然様 頼候 ︒再拝︒
︹四︺ (明治 七年) 四月 十 七日付安 場保 和宛元 田永孚書 翰
平信要答
去 ル十 一 日 発 之芳翰 一 昨十六日到着 辱拝 諦仕候︒御 閣堂益 御安祥 之段珍重 奉拝賀候 ︒御地も 漸春和相 催候段 ︑御母堂
様 二 も花御覧 等御楽も 可有御座と奉 想像 候︒再案 愚見猶 御再答御 別紙御 明辮拝諦感 服仕候 ︒ 一 応拝 見之処 二 而 ハ 最 早
ハサマンモハヲ
再 々答 も 無 之 次 第 二 御 座 候得 共 ︑ 震 断 補 佐 之 一 条 今 日 不 為 則 已 荷 為 之 則 器 量 名 望 決 シ テ第 二等 二 落 ス ベ カ ラ ス︒
レーレ且 行 政 ・ 議 政 ノ権 分 タ ザ ル ベ カ ラ スト 難 ︑ 震 断 補 佐 ノ大 臣 二 限 り 行 議 兼 任 セ ザ ル ヘカ ラ ス ︒ 学 ノ ビ ス マル ク ︑ 英 ノ師
輔 宰 相 等 其 権 ノ ア ル 所 如 何 ヲ シ ラ ズ ト 難 現 今 ノ朝 廷 上 二於 テ ハ 行 議 兼 任 ノ 大 臣 ヲ 以 震 断 補 佐 ノ任 二 充 テ而 y其 己 下 其
権 ヲ分 ツベ キ ナ リ ︒故 二 愚 意 謂 フ︑ タ ト ビ 他 ノ 人 物 ハ 此 選 ヨ リ 落 ス ヘキ 田 ︑ 條 ・ 岩 両 公 ︑ 内 務 卿 ノ 三 名 ハ 除 ク ベカ ラ
ス︒ 且 タ ト ビ実 際 上 ノ 補 佐 専 ラ ナ ラザ ル ヲ免 レ ザ ル 田 ︑ 元 老 大 臣 ノ名 義 斯 三 名 ヲ置 テ他 二冠 セ シ ム ベ カ ラ ス︒ 是 大 二
高 明 二 惇 ルト 錐 モ未 タ 再 案 ノ意 思 幡 然 タ ル 能 ハ ザ ル所 ナ リ ︒ 猶 熟 考 ノ上 鄙 意 ヲ可 馨 ︑ 桜 井 二 も 拝 見 致 サ セ 意 見 ヲ 乞 ヒ
可 申 一 応 之 拝 答 仕 候 也 ︒
佐 賀 ノ巨 魁 江 藤 ・ 島 己 下 十 名 刑 罪 相 済 ミ 候 へ 者 ︑内 務 卿 モ近 々 帰 京 可 有 之 と の模 様 二有 之 ︑ 地 方 ノ会 議 等 茂 其 上 こ て
之 事 と 被 察 ︑ 小 生 耳 二者 未 タ何 と も 承 不 申 候 ︒
ナマ
江 藤 刑 罪 一 条 も 都 下 ノ 議 論 例 之 生 西 洋 流 ノ 説 も 有 之 由 二候 処 ︑ 速 二 斬 彙 二処 セ ら れ遺 憾 も 無 之 候 ︒ 此 己 後 ハ 只 々内 治
之 御 運 歩 専 一二 奉 祈 候 ︒
台 湾 一 条 御 高 論 ノ如 ク 緩 急 軽 重 其 当 ヲ得 候 処 ハ 何 分 愚 意 安 シ 不 申 ︑ 内 務 卿 こも 定 而 異 論 二 可 有 之 哉 と 相 考 へ︑ 実 二天
下 之 大 事 と 杞 憂 無 涯 存 候 処 ︑ 内 務 卿 者 初 メ ヨリ ノ胸 算 と 承 リ 候 へ 者 先 夫 々者 安 心 仕 候 ︒
都 下ノ 景 況 格 別承リ候儀 も無之︑近 日岩公 二 も 一 両度参殿致 し候 へ 共︑細 カナ ル 事 ニ ハ 亘 リ不申︑津 田権大 警視 二 選
任之事も余程 申達し候 へ 共中 々 運 ヒ不申候 ︒岩 公 ニハ 至極御 同意 二 候 へ 共 警視庁当時 人員 盈チ居且外 6飛 入 ハ 中 々 容
易 二 難相成 議論 二 有之 候由︑残念 二 御座 候︒
元知事様 二 者益御機嫌 能︑彼地も 弥以静穏 二 而 御配慮等 モ 無御座 由︑御帰 京も大概 此十 五日過汐彼 地御発 朝之御内慮
二 被為在 候よし 二 伝 承致し候︒未 タ御治定 二 て ハ 無之由 二 御座候 ︒御留守 こ も御異 條も 不 被 為在今 戸 モ 御 同様 二 而奉
恐悦 候︒
熊 本汐停来状昨夜着 致し候処 ︑下津末喜 御養 子 ノ 御内談 御隠居 承リ ニ 相 成候処 ︑ 存 寄も無 之御所望 二 任 せ 差 上可申 と
の 事 二 御座候段︑庄 村 一 郎 汐 停 へ 申聞 ケ候由 二 御座候 ︒然処右御 内談相 済候而 ハ 直 二 登京 致サ セ可申哉否 之儀︑御 母
堂様御初皆様之 思召如何 二 御 座候哉 ︑小生 汐御聞合を申 上御返答 之趣 早 々 申越 呉候様と の頼 ミ ニ 御 座候段 ︑体6申 越
候間此段得貴意 申候︒先 々 御安心可被 成︑ 於小生も重 々 太慶奉存 候御模 様被仰 下候 ヘハ 猶彼方 へ 郵 便汐 可申遣と奉 存
候︒
人力車者直 二 注文致 し置明後日比 ニハ 出来 ノ筈 二 御座 候︒出来参 リ候 ヘハ 暫者御 預 リ 置 ︑好便 ニ サ シ 出 可申候︒ 代銭
ハ 反物代と御 立用仕置 ︑追而過不足 ハ 御算 用可仕と奉存 候︒
家 内 持 病 御 尋 被 成 下難 有 く ︑ 此 節 者 久 々 ニ サ シ起 リ大 分 長 引 致 し 候 処 ︑ 近 日者 大 分 快 く 相 成 リ 漸 床 より 起 上 リ 申 候 ︒
乍 揮 と な た様 二も 呉 々も 宜 敷 く 申 上 候 ︒
此 節 者 右 末 喜 一 条 ヲ申 上 候 為 メ 一二 筆 サ シ 上 申 候 間 ︑ 外 之 御 返 答 者 誠 二略 々拝 呈 仕 候 ︒ 猶 後 便 ヲ 期 シ早 々 頓 首 ︒
四月 十 七 日
東 野
安 場 賢 台
尚 々 随分 く 御自愛専 一 二 奉祈候︒ 何も 早 々 御出京奉 待候 ︒太田黒 モ 佐賀県参事 之心得 ヲ 以相務 候と の拝命 二 有 之
候 由 珍 重 二 御 座 候 ︒ 岩 村 権 令 ハ 当 時 旧 県 へ 参 リ 居 候 よ し 二 而 当 分 ハ 太 田 黒 全 権 と 相 見 へ追 而 ハ 上 進 之 都 合 二も 可 有 之
哉 と 相 考 へ 申 候 ︒ 後 便 二 譲 申 候 以 上 ︒
村 井 ・ 門 岡 へ 此 節 も 書 状 届 兼 ︑ 御 序 二可 然 様 奉 頼 候 以 上 ︒
︹ 五 ︺ (明 治 七年 ) 十 二月十 三 日付 安 場 保 和 宛 元 田 永 孚 書 翰
( 朱 書 ) 十 二月 十 七 日 午 前 着 ︒ 即 日 返 書 出 ス︒
一 翰 拝 呈 仕 候 ︒寒 霜 相 増 其 御 地 如 何 三 層 之 寒 威 と 想 像 仕 候 処 ︑ 御 母 堂 様 初 御 全 家 様 益 御 安 祥 可 被 成 御 座 ︑珍 重 奉 拝 賀
候 ︒ 此 元 二ても 拙 家 無 異 消 光 御 安 着 可 被 成 下 候 ︒ 先 便 呈 書 之 御 酬 翰 も 夫 々拝 諦 仕 候 ︒ 貴 諭 之 通 支 那 一 条 無 比 之 運 二至
リ ︑ 皇 国 之 光 輝 生 霊 之 幸 福 ︑ 実 二 無 涯 之 賀 悦 ︑ 言 詞 二難 尽 次 第 ︑ 電 報 己 後 之 信 報 よ り 辮 理 大 臣 帰 期 迄 之 間休 也 翁 初 相
会 候 ︒ 度 々賀 辞 不 申 事 ハ 無 之 ︑ 其 度 毎 二 者 賢 兄 御 事 御 噂 不 致 儀 ハ 無 之 候 得 者 ︑ 幾 度 欺 筆 ノ 硯 二 差 臨 ミ候 へ共 ︑ 山 田 ・
安 田 汐 一 々達 貴 聴 置 候 由 二候 間 ︑ 夫 二 相 譲 候 而 本 意 な ら す 失 敬 仕 候 ︒ 其 後 御 運 ヒ 之 御 模 様 二 付 而 ハ 御 賢 慮 之 趣 被 仰 越 ︑
ハ ロ