八戸市における青少年非行の地理学的研究
藤 井 藍 子
は じ め に最近の犯罪の増加は大きな社会病理ともなっているが,特に青少年における非行化現象は全国 的なものであり,大都市ばかりの間観でiまなくなってきている。青議県もその例外ではなく年々 増加の額向在みせている。そ
ζ
で,本論文では青森患の中でも多梯多様な産業の損在する八戸市 における非行の特徴;a:.,轄に刑法犯少年,不良行為少年の居世婚を中心L その都甫化に伴 行の状況, あるいはその地域性を明ちかにすることによち,八戸市における非行の特議を明離に するζ
とを百的とする。考察の方法としては, の行政地院を1
単位として16
地区に分け,八戸警察署紡犯課の資料により非行少年の居住地分布陣を作成し,その変化の樺子と人口の推移 などから都子主化との関捺在明らかにし,またその増減性器明らかにするために,それらの地匿を
4
婚或に類型化し各場誠での非持の様子を比較検討していく。第
1
図 剤法犯少年の5
年間の趨勢‑
500 十
~女子 人n 5
年間の変化C D
期法犯少年の場I 図)
迫 罪 少 年 (1 4
才以20
才 来 議 ) と 触 法 少 年 (14
才 未 講 ) を 含んだ刑法抱少年の昭 和4 9
年‑‑‑5 3
年までの 推移をみると,年々上 昇の傾向にあり,乙の 乙とは全E
量的傾向と沼 している。その 中でも,特に女子の増 加は著しく5
年間で結4倍にも脹れあがり,
5 3
年の男女比は2 .5
対1
とかなり接近してき ている。また学職別にみると高校生が年々増加してトッアcを占めており,最近よく言われる非行の抵年令化
i
ま小, 主主の数値からみても,乙の5
年間においてはそれほど激しくないようである。しかし中学生が5 1
年‑.."5 3
年の簡に高校生を凌ぐような伸びをみせているのは非常に気がかりな点である。次に 罪穏別にみると都議の割合が高く,そのうちでも万引をきは6
割以上を占め,I
遊び型J
の犯罪が目立っている。
第
2
関 不良行為少年の5
年関の趨勢2 ∞o ,
人
1
,500
1 , 000
5 ∞
聞臨男子
o
女子長会不良行為少年の 場合(第
2
図〉期法犯少年;まどのは っさぎりした上昇の額向 はみられないが,毎年
1
,500
人以上の補導入 員を数え,能者の3
倍 以上となっている。そ して52
年には前年よ りお7
入も多い1 9
,1 7 5
人とピ…クとなってい る。たた:,53
年は極端 に減少しているが,こ れは取扱基準の改正に よるものであり,実際 には約3
倍はあるとい われている。 (ζれより49
年‑‑‑52
年をよ色較対 象とする)よって不良行為少年も上昇の傾向にあるといっていいだろう。学職別にみると,やは り高校生が多いが,50
年をピークに減少しかわって有職者の増加が著しくなっている。つまり 荊法犯少年乙はまったく逆の学生生徒滅,有・無職者増といった現象がみら札ている。としごは喫煙や夜避で全体の約
50
婦を占めている。また家出の増加も顕著で特に女子がその半 分を出めているのが特徴である。車
人口増加と非行都市における最近の人口現象の特色として人口の郊外化がある。八戸市においてもこの現象拡 あらわれており,第
1
表のように [8市内ι
比して新市内の増加のほうが著しい。それでは この現象は非符の上にもあちわ札ているだろうか。第
1
表 八戸市における人口の推移第
2
表 刑法犯少年及ひ不良行為少年の推移汗
リ
法5 日
少 年 総 数 指 数 旧市内 指 数5 1年 414 100 225 100 52
年455 1ω.9 227 100.8 53
年日 6 122 273 12 1 . 3
不 良 行
51
年1 . 718 1 0 0 934 100 52
年1.975 114.9 1.194 127.8
第
3
図 刑法犯少年居住地分布図 (人口比)下長
周...
・
¥
新市内 指 数 市 外
95 1 ∞ 94
1 2 7 133.7 1 0 1 123 129.5 110
為 少 年383 100 401 499 130.3 a2
y , Z F 5 ミ n . ‑ : : : : Y :
MMJa :和崎 /1 、
" 田 園 、 戸 a
J指 数
100 107.4 117.0
100
初 .3
根城 長 者 ¥ ¥¥d
館
1・圃吹~.
大 館第
2
表より,まず刑法 犯少年についてみると,指数からいうと新市内の ほうが旧市内より高いが,
急激に増加を示している のは旧市内であり,一概 に非行の郊外化がみられ るとはいえない。しかし 市内での増加の著しいこ となどから浅く広く広が る傾向にはあるといえる であろう。
次に不良行為少年につ
O 1 2 3 伽
、 ・圃圃1...
白銀
J
南浜10 人目』
五 五 五
十十十 年年年ともにかなりの増加が
2
年間だけの比較であるが,I 日
5 2
いてみると,5 1
しかし市外においては誠少となって のは新市内のほうである。
みられ, その
おり,不長持為少年の底生地は革大したというよりも台形のように多かったところがまた多くな ている。以上より,非行においては人口ほどの郊外化は認められないが,全体的な った彰にな
も と
られ,今後益々,人口の郊外イヒが進んだ場合,非行においても,増加, あ
はっきりした郊外化現象があらわれてくるものと患われる。
W
都市構造この護雑さが少年非 てきているが,
最近の都市化の進般により都市の構造も非常に接雑にな
八戸市の非行少年の居住地吾みても
¥ものとなってきている。
り 行に与え
りの人数)のように,市の中,
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地域 第 3 ,・ 4 図(人口比とは 5 才~1 9才の少年人口 1
,000
9 1 2 3 抑
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不良行為少年居住地分布図 (人口比)
』
4国
これが刑法犯少年,不良作為少年のい また,
といえる地誌での居住者は高い割合を示しており,
この地域の地域性が少年に与える影響は高いも あるいは人口の増減 の地区に居住する人の
とから,
ずれにも共通してみられる現象である のと怠われる。よってこれまでの
1 6
などによりある共通した地域性安もったかたまりとして類型化し.
A'B.C'D
の4
地域を設 定し〈第3
表)それらの地域ι
おいて,非行がどのような傾向にあるか,それぞれの地域を比較しながら考察後加えていくo
第
3
表 八戸市における地域区分議
自
23.8 24.7
1 1 4 . 6 1 2 0 . 2 2 3 . 5
2 5 . 6
12 2 5 . 1 3
幻1
1 1 8 . 3 1 2 1 . 1 1 ! 2 7 . 9
8 1 2 1 27.5
5 1 5 1 1 6 2 2 7
骨1 375 19 3 Z 3 .6
792 109 1
活9 1 9 . 61 ] 3 . 5 7 ' G 25.2
3 . 6 I 5]5 3 2 2 6 . 1 下
宿
上
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建 o 8.9
量舗農業 副臨海、業・
旺
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サーピス業 罷盟運輸・区ヨ建設業
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製造業 f?Za卸・小売業 辺到公務 その他rJ)
A
地域(中心地域)市内
ι
おける中心鴎業地域で,人口捷度も高く,八戸市の中心地域あるいはそれに隣接する住宅地在合む地域である。飲金岩,娯楽業も市内でもっとも多く一種の盛り壌の形成もみられる。
非行においても犯罪発生地を含んでいるためか高率を示し,棉こ柏崎地区は発生地に隣接する住 宅地にもかかわらず高事となっている。盛ち場や家患密集による遊び場の不足など,この地域の 少年にとっては環境の悪北か著しい地域といえる。よって,現在住宅イとが藤んで鏡楽地などの形 戒のそれほどみられない摂域地区も,第 2 の柏崎地区となる可按註もあり,今後の要誌意地誌と いえよろ a
告 B地域〈漁業地域)
A 地域と同様に人口密震が高く,また飲食庖,娯楽業といった業種も多く .A 地域に次ぐ中心 地域といえ,このためか非行も高い割合吾示している
αしかし,その非行率が犯罪多発地域を含 む
A地域をぬいて八戸市で一番高いのは, ζ の地械が漁業地域である乙とか理由とも考えられる。
なぜなら, ζ の地竣では魚業人口の多い地域と穿行の高率地域とが一致しているためである。実 際,漁業を職業としている家曜は,この地域に住む一般家庭より少年の非存化が高く,やはり 親がそろわぬ時期が曇るという家庭環境の難しさが少年の心理に大きく影響しているものと思 われる。
③
C 地域〈住宅増減)
現在,人口増加が顕著で、大きな団地なども建設されている地域である。非行率は A ・ B 地域
ζ比してそれ誌ど蒔くはないが率の増加は錨地械に詑べやや大きいようである。 ζ れは,人口の急 激な増加ということもあるが,都市化の彰響で交通機関が整錆され犯罪発生地である中心繁華街 へ饗易にいけるようになった ζ ともあげられよう。また,引越しなどによる環境の変化が少年の 精神面に与える態響は大きいものと患おれ,生活化の進んでいる地域の非行花増大の 1 つの薬問 とも考えられる。しかし,その皮蕗毘童公臨,縁地などの遊び場も計閥的 ζ 設置でさ雪る地域で もあり,その点,今後験討されるべき地域であ担う。
@ D地竣〈村落地域)
今治こ第 1 次産業の従事者が多く人口密度も怒く村議建誠といえよう。もちろん歓楽街の形成も みられず,そのためか市内でも最も非行率の低い地域となっている。しかし,今後器市化の波に より住宅化が進麗してきた場合,非行率の増加する可能性もあり,現在は人口が少ないため豊崎 地誌のように実数より人口比が高くなる場合もあち,数値ほど非行イりま進んでいないだろう抗 今後詰 C 地域開様,間器地域とまるであろう。
v U すび
八戸帯は,商業を中心に発達して者た地域と漁業在中心に発議して者た地域が漉担化しででき
たコナページ沼ンであり。よって中心端域が細長い形態となっている。そしてその中でも漁業地
域が一般に少年非行語住者の多いといおれる歓楽地域や商業地域よ号手間率が高いという現象
は,八戸需における邦行の 1 つの特徴者あらわしているといえよう。また,少年に与える影響は 歓楽的,商業的といった都市構造のほかに都市化に伴う人出の流動,それに伴う社会の変化など があげられる。いわゆる非行の郊外往がその l つのあらわれであろうが,八戸市の場合,人口の 詐晶ほどそれ拭激しくないようである。しかし,今偽 5 年 , 1 0 年と長期にわたるにつ札郊外化 現象はかなり顕著にあらおれてくると,思われる。
都子容化の進震は,商業題,あるいは労議題などあらゆる語で都市の発展に寄与するであろうが,
その反面,歓楽賓の増大,あるいは人口容集化による公爵,縁組などの不足といった少年にとっ ての環境的悪化器も, もたらす。少年非行にとって家捷環境はもちろんわこと,このような社会 環境というものも大容な影響を及ぼしているわけで,今後,益々少年非行は開壊とされるであろ うし,このこと協匂器市問題の一面として,これからも考えていかなければなら設いであろう。
最後に,本議の作成にあたり,留指導くださいま L た横山先生,水野先生,ならびに資料収集 の際}こ毎協力・援助下さった八戸轡察署訪犯課・八戸市役所全蜜調整課・脊少年績導センターの
に深く感謝致しきます。
参 考 文 獣
( 1 )
岩井弘融(964) : r m 罪社会学 J
弘文堂 (2)議丹一宏 ( 1 9 7 9 ) : r 少年非行の動機と心理」
( 3 ) 佐藤響子(1 965) : r 都市化と 1 8 罪・非行集中 J 都市問題
第56
巻第1 1 ( 4 ) 山鹿誠次(1 975) : r 都市調査法 J
(5)