• 検索結果がありません。

寺 社 取 扱 い 問 答 に 関 す る 一 考 察

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "寺 社 取 扱 い 問 答 に 関 す る 一 考 察"

Copied!
39
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

︿ 論 説 ﹀

寺 社 取 扱 い 問 答 に 関 す る 一 考 察

ー 東 京 大 学 所 蔵 江 戸 幕 府 寺 社 奉 行 関 係 文 書 を 中 心 に

小 島 信 泰

目 次

57

は じ め に 第 一 章 東 京 大 学 所 蔵 江 戸 幕 府 寺 社 奉 行 関 係 文 書

第 一 節 文 書 名 と そ の 所 在 ① 総 合 図 書 館 ② 史 料 編 纂 所

③ 法 学 部 法 制 史 資 料 室 第 二 節 文 書 間 の 重 複 ① ﹁幕 制 彙 纂 ﹂ と ﹁諸 例 集 ﹂

② ﹁ 諸 家 秘 聞 集 ﹂ と ﹁ 寺 町 勘 秘 聞 集 ﹂ ③ ﹁ 寺 肚 公 聴 裁 許 律 ﹂ と ﹁寺 肚 取 扱 問 答 ﹂ ④ ﹁寺 祀 奉 行 御 留 書 ﹂ と ﹁寺 肚 奉 行 所 諸 家 問 答 ﹂ 第 二 章 寺 社 取 扱 い 問 答

第 一 節 ﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂

① ﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂ の 概 要

② 寺 社 取 扱 い 問 答 の 重 複

第 二 節 ㎜ 寺 祀 公 聴 裁 許 律 ﹂

① ﹁ 寺 肚 公 聴 裁 許 律 ﹂ の 概 要

② ﹁ 寺 肚 公 聴 裁 許 律 ﹂ と ﹃ 問 答 集 ﹄

の 重 複

③ ﹁ 寺 肚 公 聴 裁 許 律 ﹂ と ﹁ 寺 肚 取 扱

問 答 ﹂ の 関 係 結 び に か え て ー 今 後 の 寺 社 取 扱 い 問 答 研 究 ー

(2)

58

は じ め に

戦 後 の 法 史 学 で は ︑ 江 戸 時 代 の 寺 社 に 関 す る 研 究 は 立 ち 遅 れ て い る と い え よ う ︒ そ の 理 由 と し て は ︑ 次 の い く つ か

の 点 が 考 え ら れ る ︒ ま ず ︑ 前 近 代 の 寺 社 に 関 す る 研 究 に つ い て は ︑ 戦 前 か ら 宗 教 史 の 研 究 者 を 中 心 に 行 わ れ て き た が ︑

辻 善 之 助 氏 の 研 究 等 に よ り ︑ 江 戸 時 代 の 寺 社 は 幕 府 に 完 全 に 統 制 さ れ て い た と す る 通 説 的 理 解 が 定 着 し た か ら か ︑ こ

れ に つ い て の 研 究 は 法 史 学 者 の 関 心 を あ ま り 集 め な か っ た と い う こ と が 考 え ら れ る ︒ ま た ︑ 法 史 学 に お い て は ︑ 幕 府

法 の 研 究 が 中 心 に 行 わ れ ︑ こ れ に 次 い で 今 で は 藩 法 の 研 究 も 活 発 に な っ て い る が ︑ 公 家 法 や 寺 社 法 に つ い て は ︑ 当 時

の 武 家 中 心 の 政 治 や 社 会 と い う 背 景 も 影 響 し て 十 分 研 究 さ れ て こ な か っ た こ と や ︑ 近 世 の 寺 社 文 書 の 編 纂 ・ 公 開 が 遅

れ て い た こ と な ど も ︑ そ の 理 由 と し て 考 え ら れ よ う ︒ そ し て ︑ こ う し た 研 究 状 況 を 反 映 し て か ︑ 幕 府 の 寺 社 統 制 の 中

心 に あ り ︑ 三 奉 行 中 も っ と も 地 位 が 高 か っ た 寺 社 奉 行 に つ い て も ︑ 法 史 学 の 分 野 に お け る 体 系 的 な 研 究 は い ま だ な さ

れ て い な い の で あ る ︒

し か し ︑ 現 在 ︑ 刊 行 が 進 め ら れ て い る ︑ 石 井 良 助 ・ 服 藤 弘 司 編 ﹃ 問 答 集 ﹄ (以 下 ﹃ 問 答 集 ﹄ ) を 繕 い て み る と ︑ 大

名 ︑ 旗 本 を は じ め 幕 府 諸 役 人 た ち が そ れ ぞ れ の 支 配 地 に あ る 寺 社 の 取 扱 い に 苦 慮 し て い た こ と が よ く わ か る ︒ そ の た

め に ︑ 彩 し い 数 の 寺 社 に 関 す る 問 い 合 わ せ が 幕 府 に 寄 せ ら れ た ︒ 例 え ば ︑ 先 住 が 焼 死 し た 寺 院 火 災 で 留 守 中 の 当 住 に

慎 を 申 し 付 け て よ い か ︑ 修 験 者 同 士 の 引 導 ・ 焼 香 を 認 め て よ い か ︑ 大 破 し た 寺 社 の 修 復 の た め 境 内 で 相 撲 ・ 物 真 似 等

の 興 行 を し て よ い か ︑ と い っ た 様 々 な 問 い 合 わ せ が こ れ ら 問 答 集 に は 記 さ れ て い る ︒ こ う し た 事 実 に 注 目 す る な ら ば ︑

江 戸 時 代 の 法 制 全 体 を 考 え る に 当 た っ て は ︑ 寺 社 の 問 題 を 避 け て 通 る こ と は で き な い の で あ る ︒

そ こ で ︑ ﹃ 問 答 集 ﹄ の 刊 行 が 進 め ら れ て は い る が ︑ 寺 社 に 関 す る 問 い 合 わ せ の 全 体 像 に つ い て は ま だ 明 ら か に さ れ

(3)

寺 社 取 扱 い 問 答 に関 す る一 考 察 59

て い な い の で ︑ ま ず は こ れ に 関 す る 研 究 に 着 手 す る こ と が 目 下 の 課 題 で あ る と い え よ う ︒ 本 稿 は ︑ こ う し た 問 題 意 識

に 立 っ て ︑ 寺 社 に 関 す る 問 い 合 わ せ と そ の 答 え ︑ す な わ ち 寺 社 取 扱 い 問 答 を 収 録 し た 問 答 集 を 多 く 所 蔵 す る こ と で 知

ら れ る 東 京 大 学 を 調 査 し ︑ ど の よ う な 問 答 が 実 際 に 残 さ れ て い る の か 解 明 し よ う と い う 観 点 か ら ︑ こ の 課 題 に ア プ ロ ー

チ し よ う と す る も の で あ る ︒ も っ と も ︑ ﹁ 三 奉 行 問 答 ﹂ を は じ め と す る ﹃ 問 答 集 ﹄ 所 収 の 各 問 答 集 に つ い て は ︑ す で

に 翻 刻 さ れ ︑ 各 巻 に そ れ ぞ れ 解 題 や 目 録 が 記 さ れ て い る の で ︑ 特 に 必 要 な 場 合 に の み 触 れ る こ と に し て ︑ こ こ で は そ

れ 以 外 の 問 答 集 に つ い て 論 じ る ︒ し た が っ て ︑ ﹃ 問 答 集 ﹄ 所 収 の す べ て の 寺 社 取 扱 い 問 答 お よ び 東 京 大 学 所 蔵 文 書 以

 ゑ

外 の 文 書 に 収 録 さ れ て い る 問 答 に つ い て も 一 つ ひ と つ 調 査 し ︑ そ の 全 体 像 を 解 明 す る 作 業 に つ い て は ︑ 今 後 の 課 題 と

し た い ︒ な お ︑ 本 稿 で は 問 答 集 を 中 心 に 考 察 す る が ︑ 問 答 集 以 外 の 文 書 に つ い て も ︑ 筆 者 の 研 究 に 関 係 す る 範 囲 内 で

紹 介 す る こ と に し た い ︒

( 1 ) 寺 社 に 関 す る 法 史 学 上 の 研 究 に つ い て は ︑ 拙 稿 ﹁ 近 世 寺 院 法 の 体 系 的 考 察 の た め の 一 試 案 近 世 仏 教 の 研 究 史 と 浅 草 寺

の 寺 院 法 l O ﹂ ( ﹃ 創 価 法 学 ﹄ 第 二 五 巻 第 一 ・ 二 合 併 号 ︑ 一 九 九 六 年 ) ︑ 同 ﹁ 近 世 後 期 の 寺 院 と 借 金 銀 ー ー 浅 草 寺 を 中 心 と

し て O ﹂ ( ﹃ 創 価 法 学 ﹄ 第 三 〇 巻 第 二 ・ 三 合 併 号 ︑ 二 〇 〇 一 年 ) 参 照 ︒

( 2 ) 寺 社 奉 行 の 職 掌 と こ れ に 関 す る 文 献 に つ い て は ︑ 拙 稿 ・ 前 掲 ■ 近 世 後 期 の 寺 院 と 借 金 銀 浅 草 寺 を 中 心 と し て l O ﹂

参 照 ︒

( 3 ) 石 井 良 助 ・ 服 藤 弘 司 編 ﹃ 問 答 集 ﹄ (以 下 ﹃ 問 答 集 ﹄ ) ︑ 創 文 社 刊 ︒ ﹃ 問 答 集 ﹄ 各 巻 に 収 録 さ れ て い る 問 答 集 は 以 下 の 通 り ︒

1 ﹁ 三 奉 行 問 答 ﹂ ( 服 藤 弘 司 担 当 ︑ 一 九 九 七 年 )

2 ﹁ 時 宜 指 令 ﹂ ・ ﹁ 三 奉 行 伺 附 札 ﹂ (薮 利 和 担 当 ︑ 一 九 九 八 年 )

3 ﹁ 諸 例 撰 要 ﹂ ・ ﹁ 諸 家 秘 聞 集 ﹂ ( 工 藤 祐 董 担 当 ︑ 一 九 九 九 年 )

4 ﹁ 三 秘 集 ﹂ ・ ﹁ 公 裁 集 ﹂ ( 吉 田 正 志 担 当 ︑ 二 〇 〇 〇 年 )

5 [ 三 聴 秘 録 ﹂ ( 大 平 祐 一 担 当 ︑ 二 〇 〇 一 年 )

(4)

60

6 ﹁ 青 山 秘 録 ﹂ ( 本 間 修 平 担 当 ︑ 未 刊 )

( 4 ) こ こ で は と り あ え ず ︑ ﹃ 問 答 集 ﹄ 1 ﹁ 三 奉 行 問 答 ﹂ の 初 め の 箇 所 に 記 さ れ た ︑ 三 号 ・ 四 号 ・ 六 号 を 例 と し た ︒

( 5 ) 寺 社 に 関 す る 問 い 合 わ せ 一 般 を ﹁ 寺 社 取 扱 い 問 答 ﹂ と 表 記 し ︑ 後 に 紹 介 す る 問 答 集 と し て の ﹁ 寺 社 取 扱 問 答 ﹂ と 区 別 す る ︒

服 藤 氏 に よ る ﹃ 問 答 集 ﹄ 1 ﹁ 解 題 ﹂ 五 五 頁 参 照 ︒

( 6 ) 特 に ︑ 法 学 部 法 制 史 資 料 室 に は ︑ 中 田 薫 氏 が 法 学 部 に 寄 贈 し た 問 答 集 を は じ め 多 く の 問 答 集 が 保 管 さ れ て い る ︒ こ の 点 に

つ い て は ︑ 服 藤 氏 に よ る ﹃ 問 答 集 ﹄ 1 ﹁ 追 記 ﹂ 参 照 ︒

東 京 大 学 所 蔵 文 書 以 外 の も の と し て ︑ さ し あ た り 国 立 公 文 書 館 内 閣 文 庫 所 蔵 の 江 戸 幕 府 寺 社 奉 行 関 係 文 書 に つ い て は ︑ 石

井 良 助 ﹃ 近 世 法 制 史 料 集 解 説 ﹄ ( 雄 松 堂 フ ィ ル ム 出 版 ︑ 一 九 六 七 年 ︒ ﹃ 民 法 典 の 編 纂 ﹄ ︹ 法 制 史 論 集 第 四 巻 ︺ 創 文 社 ︑ 一 九 七

九 年 所 収 ) の ﹁ 四 寺 社 奉 行 編 ﹂ で 紹 介 さ れ て い る ︒

( 7 ) 近 年 ︑ 日 本 近 世 史 料 学 研 究 が 進 展 し つ つ あ る が ︑ 本 稿 も 法 史 学 の 分 野 か ら こ の 研 究 に 向 け た 一 つ の 試 み で あ る ︒ 日 本 近 世

史 料 学 研 究 の 現 状 に つ い て は ︑ 高 木 俊 輔 ・ 渡 辺 浩 一 編 著 ﹃ 日 本 近 世 史 料 学 研 究 ー 史 料 空 間 論 へ の 旅 立 ち ー ー ﹄ (北 海 道 大

学 図 書 刊 行 会 ︑ 二 〇 〇 〇 年 ) 参 照 ︒ な お ︑ 本 稿 執 筆 に 際 し て は ︑ ﹃ 問 答 集 ﹄ 各 巻 の ﹁ 解 題 ﹂ に 導 か れ る こ と が 多 か っ た ︒

( 8 ) 本 稿 に い う 文 書 と は ︑ 広 義 の 文 書 ︑ す な わ ち 差 出 人 が 受 取 人 に 意 思 を 伝 達 す る 手 段 と し て の 狭 義 の 文 書 ︑ 記 録 お よ び 編 著

の 総 体 を 意 味 す る も の と す る ︒

第 一 章 東 京 大 学 所 蔵 江 戸 幕 府 寺 社 奉 行 関 係 文 書

第 一 節 文 書 名 と そ の 所 在

筆 者 は ︑ 東 京 大 学 総 合 図 書 館 ︑ 東 京 大 学 史 料 編 纂 所 お よ び 東 京 大 学 法 学 部 法 制 史 資 料 室 に 入 館 し ︑ 各 機 関 が 所 蔵 す

る 江 戸 幕 府 寺 社 奉 行 関 係 文 書 を 中 心 に 調 査 し た ︒ 本 節 で は ︑ 筆 者 の 目 に 留 ま っ た ︑ こ れ ら 各 機 関 が 所 蔵 す る 主 な 江 戸

幕 府 寺 社 奉 行 関 係 文 書 に つ い て 紹 介 す る が ︑ 江 戸 時 代 の 寺 社 研 究 に と っ て 有 益 と 思 わ れ る 寺 社 文 書 の う ち ︑ 現 在 筆 者

(5)

が 研 究 し て い る 天 台 宗 の 東 叡 山 寛 永 寺 お よ び 金 龍 山 浅 草 寺 に 関 す る 文 書 に つ い て も 記 し て お き た い ︒

寺 社 取 扱 い 問答 に 関 す る一 考 察

① 総 合 図 書 館

東 京 大 学 総 合 図 書 館 が 所 蔵 す る 江 戸 幕 府 寺 社 奉 行 関 係 文 書 は ︑ す べ て 同 図 書 館 の 閉 架 図 書 で あ る が ︑ そ の 目 録 は い

ま だ デ ー タ ベ ー ス 化 さ れ て い な い の で ︑ 本 館 分 類 目 録 (和 書 ) お よ び 参 考 室 の 全 学 総 合 目 録 ( 和 書 ) と し て 整 理 さ れ

た ヵ ー ド 式 の 目 録 に よ っ て 検 索 す る こ と に な る ︒ こ れ ら の カ ー ド を 一 つ ひ と つ 調 べ て い く と ︑ 同 一 の 文 書 が か つ て 史

料 編 纂 所 や 法 学 部 法 制 史 資 料 室 に 所 蔵 場 所 を 移 し た 場 合 が あ っ た こ と が 推 察 さ れ る が ︑ こ こ で は 当 然 現 在 総 合 図 書 館

に 所 蔵 さ れ て い る こ と を 確 認 で き た 文 書 に 限 定 し て 紹 介 す る ︒

目 録 の 順 に 従 っ て 書 名 を 列 記 す る と 以 下 の よ う に な る ︒ ( ) 内 は 文 書 の 架 蔵 番 号 ︒

︻ 寺 社 奉 行 関 係 ︼

﹁ 寺 肚 奉 行 所 手 留 ﹂ ︹別 名 ﹁ 寺 肚 司 手 留 ﹂ ︺ 三 冊 ( G 二 七 ‑ 三 〇 二 )

﹁ 寺 肚 奉 行 政 礎 ﹂ ︹別 名 ﹁ 寺 肚 奉 行 吟 味 物 取 扱 ﹂ ︺ 三 冊 (G 二 七 ‑ 四 九 四 )

﹁ 寺 肚 聴 寛 書 ﹂ 四 冊 (G 二 七 ー 五 二 二 )

﹁ 寺 肚 奉 行 大 検 使 職 務 章 程 ﹂ 一 冊 ( L 一 一 ‑ 四 四 一 )

﹁ 寺 肚 奉 行 指 令 纂 要 ﹂ ︹ 別 名 ﹁寺 肚 挨 拶 留 ﹂ ︺ 一 冊 ( L 一 一 ‑ 四 七 二 ) 問 答 集

﹁ 寺 肚 取 扱 問 答 ﹂ 一 冊 ︹別 名 ﹁ 公 儀 寺 肚 御 奉 行 江 取 扱 ケ 條 御 付 札 ﹂ ︺ ( L 一 一 ‑ 四 七 五 ) 問 答 集

︻寛 永 寺 関 係 ︼

﹁ 寛 永 寺 並 増 上 寺 式 目 ﹂ 一 冊 ( C 四 〇 1 二 〇 二 一 )

61

(6)

62

︻浅 草 寺 関 係 ︼

﹁ 淺 草 寺 善 記 ﹂ 一 冊 ( C 四 〇 ー 一 六 九 七 )

﹁ 淺 草 寺 古 文 書 ﹂ 一 冊 (C 四 〇 ー 一 六 九 八 ﹀

﹁ 淺 草 寺 古 來 雑 書 ﹂ 一 冊 ( C 四 〇 ; 一 六 九 九 )

﹁ 淺 草 寺 雑 簿 紗 ﹂ 四 冊 ( C 四 〇 1 一 七 〇 一 )

﹁ 淺 草 寺 藷 事 誌 ﹂ 一 冊 ( C 四 〇 1 一 八 〇 二 )

② 史 料 編 纂 所

次 ぎ に ︑ 東 京 大 学 史 料 編 纂 所 が 所 蔵 す る 江 戸 幕 府 寺 社 奉 行 関 係 文 書 に つ い て は ︑ そ の 目 録 が す べ て デ ー タ ベ ー ス 化

さ れ て お り ︑ 文 書 名 の 検 索 は 容 易 で あ る ︒ し か も ︑ 学 外 か ら で も ︑ 史 料 編 纂 所 が 開 設 し て い る ホ ー ム ペ ー ジ

( 暮 8 く \ 菱 ・臣 ﹄ み o ξ o ・ 碧 ・甘 \ ) に ア ク セ ス し ︑ 研 究 目 的 ︑ 氏 名 ︑ 甲 日 鋤 凶 巴 曾 霧 ︒︒ を 記 入 す れ ば ︑ 史 料 編 纂 所

の ﹁ 所 蔵 史 料 目 録 デ ー タ ベ ー ス ﹂ を 利 用 す る こ と が 可 能 で あ る ︒

︻ 寺 社 奉 行 関 係 ︼

﹁ 寺 肚 役 書 留 ﹂ 二 冊 ( 四 = O I 一 )

﹁御 役 人 代 々 記 ﹂ 二 九 冊 ( 四 一 四 三 ー 一 〇 一 ) 第 三 冊 ・ 第 一 〇 冊 に 寺 社 奉 行 の 記 述 が あ る

﹁寺 町 勘 秘 聞 集 ﹂ 六 冊 ( 四 一 五 六 ー 八 ) 問 答 集

﹁寺 肚 手 鑑 ﹂   冊 ( 四 一 五 六 ー 六 一 )

﹁累 代 武 鑑 ﹂ } 二 冊 ( 四 二 四 三 ー 二 八 ) 第 一 冊 に 寺 社 奉 行 の 記 述 が あ る

﹁ 諸 役 人 系 図 ﹂ 七 冊 ( 四 三 四 三 i 五 ) 第 一 冊 に 寺 社 奉 行 の 記 述 が あ る

(7)

寺 社 取 扱 い問 答 に関 す る一 考 察 63

︻ 寛 永 寺 関 係 ︼

﹁ 東 叡 山 日 記 ﹂ 二 二 冊 ( 二 〇 一 五 ‑ 一 七 三 )

﹁ 東 叡 山 譜 ﹂ 一 冊 ( 二 〇 一 五 ‑ 一 九 八 )

﹁ 寛 永 寺 文 書 ﹂ 五 冊 ( 三 〇 七 一 ‑ 三 六 )

﹁ 寛 永 寺 記 ﹂ 二 冊 ( 四 一 一 五 ‑ 一 八 )

︻ 浅 草 寺 関 係 ︼

﹁ 武 州 文 書 ﹂ 一 八 冊 ( 三 〇 七 一 ・1 三 四 i 二

﹁ 江 戸 一 斑 ﹂ 五 冊 ( 四 一 四 一 ‑ 三 六 ‑ 七 ) 現 蔵 者 は 内 閣 文 庫 ) 第 一 冊 に 浅 草 寺 の 記 述 が あ る

第 五 冊 に 浅 草 寺 の 記 述 が あ る

③ 法 学 部 法 制 史 資 料 室

最 後 に ︑ 東 京 大 学 法 学 部 法 制 史 資 料 室 が 所 蔵 す る 江 戸 幕 府 寺 社 奉 行 関 係 文 書 に つ い て は ︑ カ ー ド 目 録 に よ っ て 検 索

す る こ と に な る が ︑ こ れ に は 分 類 目 録 も あ る の で ︑ 目 的 と す る 文 書 を 検 索 す る の に 大 変 便 利 で あ る ︒ 以 下 に 示 す 文 書

は ︑ い ず れ も こ れ ま で の 法 制 史 資 料 室 の 関 係 者 が 精 選 し て 収 蔵 し た と 思 わ れ る 江 戸 幕 府 寺 社 奉 行 関 係 文 書 で あ る ︒

︻寺 社 奉 行 関 係 ︼

﹁ 寺 肚 公 聴 裁 許 律 ﹂ 一 冊 (甲 ニ ー 八 九 四 ) 問 答 集

﹁ 寺 肚 取 捌 大 概 ﹂ ﹁ 冊 (甲 二 i 二 〇 九 七 )

﹁ 寺 肚 方 聴 訴 秘 鑑 ﹂ 一 冊 ( 甲 ニ ー 一 五 八 九 )

﹁ 寺 町 勘 ﹂ 五 冊 ( 甲 二 ー 一 七 六 三 ) 問 答 集

﹁ 寺 肚 嚴 印 集 ﹂ 二 冊 (甲 ニ ー 一 七 九 三 )

(8)

﹁ 寺 肚 公 裁 秘 紗 ﹂ 一 冊 (甲 ニ ー 一 九 一 〇 )

﹁ 寺 肚 町 要 用 秘 書 ﹂ 一 冊 ( 甲 ニ ー 三 四 二 四 )

﹁ 寺 院 取 扱 御 下 知 留 ﹂ 二 冊 (甲 二 ; 三 八 七 六 )

﹁ 寺 肚 奉 行 所 諸 家 問 答 ﹂ 七 冊 ( 甲 ニ ー 四 〇 七 三 ) 問 答 集

﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂ 八 冊 (特 甲 二 ー 三 一 ) 問 答 集

な お ︑ 法 制 史 資 料 室 に は こ の 他 ︑ ﹃ 問 答 集 ﹄ 所 収 の ︑ ﹁ 三 奉 行 問 答 ﹂ ︑ ﹁ 諸 例 撰 要 ﹂ ︑ ﹁ 三 秘 集 ﹂ ︑ ﹁ 三 聴 秘 録 ﹂ ︑ ﹁ 青 山 秘

録 ﹂ が 所 蔵 さ れ て い る ︒ ま た ︑ 総 合 図 書 館 所 蔵 の ﹁ 寺 冠 廃 豊 書 ﹂ お よ び ﹁ 寺 肚 奉 行 所 手 留 ﹂ は ︑ 法 制 史 資 料 室 に も 所

蔵 さ れ て い る ︒ そ の 架 蔵 番 号 は ︑ 次 の 通 り ︒

﹁寺 肚 廉 豊 書 ﹂ 四 冊 (特 甲 二 ー 一 二 七 )

一寺 魁 奉 行 所 手 留 ﹂ 七 冊 (特 甲 二 ー コ ニ ○ )

﹁ 寺 肚 奉 行 所 手 留 ﹂ は 万 年 筆 で 書 写 さ れ て お り ︑ 近 代 以 降 比 較 的 新 し い 時 期 に 作 成 さ れ た 写 本 で あ る と 思 わ れ る ︒

以 上 で ︑ 東 京 大 学 の 総 合 図 書 館 ︑ 史 料 編 纂 所 お よ び 法 学 部 法 制 史 資 料 室 が そ れ ぞ れ 所 蔵 す る ︑ 江 戸 幕 府 寺 社 奉 行 関

係 を 中 心 と す る 主 な 文 書 の 整 理 を 終 え る が ︑ こ こ に 列 記 し た 各 文 書 は す べ て 独 立 し た 文 書 名 と そ の 文 書 と し て の 体 裁

を 有 し て は い る も の の ︑ そ の 内 容 に お い て は 重 複 す る も の が あ る こ と に 注 意 し な け れ ば な ら な い ゆ そ こ で ︑ 節 を 変 え ︑

そ の 重 複 が い か な る も の で あ る か 考 え て み た い ︒

( 1 ) 江 戸 時 代 の 幕 府 と 寛 永 寺 と 浅 草 寺 の 関 係 に つ い て は ︑ 拙 稿 ﹁ 近 世 後 期 の 寺 院 と 借 金 銀 ー 浅 草 寺 を 中 心 と し て ー ⇔ ﹂

(﹃創価法学﹄第三一巻第一・二合併号︑二〇〇一年)参照︒

(9)

寺社 取 扱 い 問 答 に関 す る一 考 察

( 2 ) ﹁ 寺 社 奉 行 指 令 纂 要 ﹂ ︹ 別 名 ﹁ 寺 社 挨 拶 留 ﹂ ︺ は ︑ ﹃ 問 答 集 ﹄ 1 ﹁ 解 題 ﹂ 三 二 頁 で は 問 答 集 と し て 位 置 付 け ら れ て い る が ︑

こ れ は 追 加 を 含 め て 一 九 六 件 の 寺 社 奉 行 に よ る 挨 拶 等 を 集 成 し た も の で あ っ て ︑ 問 い 合 わ せ が 省 略 さ れ 差 出 人 が 誰 か わ か ら

な い 場 合 が 多 い の で ︑ 詳 し く は 後 日 調 べ る こ と に し た い ︒

( 3 ) ﹁ 寺 町 勘 秘 聞 集 ﹂ は ︑ 標 題 が 示 す よ う に ︑ 寺 社 ・ 町 ・ 勘 定 の 三 奉 行 に 関 す る 文 書 で あ る が ︑ 寺 社 取 扱 い 問 答 が 多 く 含 ま れ

る こ と か ら 便 宜 上 こ こ に 記 し た ︒ な お ︑ ﹁ 寺 町 勘 秘 聞 集 ﹂ の 異 本 と し て ︑ 以 下 の 文 書 が 史 料 編 纂 所 に は 所 蔵 さ れ て い る ︒

﹁ 寺 町 勘 秘 聞 集 ﹂ 三 冊 ( 二 〇 五 六 ー 七 七 ) 問 答 集

﹁ 寺 町 勘 秘 聞 集 ﹂ 三 冊 ( 四 一 五 六 ‑ 八 二 ) 問 答 集

﹁ 秘 聞 集 ﹂ ︹ 内 題 ﹁ 寺 町 勘 秘 聞 集 ﹂ ︺ 一 〇 冊 ( 四 一 五 六 ‑ 八 三 ) 問 答 集

( 4 ) 法 制 史 資 料 室 が 所 蔵 す る 個 別 の 寺 院 文 書 の 紹 介 に つ い て は 他 の 機 会 に 譲 る ︒ 中 世 の 寺 院 文 書 の 紹 介 ︑ 翻 刻 と し て は ︑ 植 田

信 広 ﹁ 東 京 大 学 法 学 部 法 制 史 資 料 室 所 蔵 三 鈷 寺 文 書 ﹂ ( ﹃ 古 文 書 研 究 ﹄ 第 一 七 ・ 一 八 号 ︑ 一 九 八 一 年 )︑ 親 田 一 郎 ﹁ 東 京 大 学

法 学 部 法 制 史 資 料 室 所 蔵 ﹃ 城 東 寺 文 書 ﹄ ﹂ ( ﹃ 国 家 学 会 雑 誌 ﹄ 第 一 〇 八 巻 第 一 一 ・ = 一号 ︑ 一 九 九 五 年 ) ︑ 同 ﹁ 東 京 大 学 法 学

部 法 制 史 資 料 室 所 蔵 ﹃ 古 文 書 雑 集 上 ﹄ ﹂ ( 同 第 = 一 巻 第 九 ・ 一 〇 号 ︑ 一 九 九 八 年 ) が あ る ︒

( 5 ) ﹁ 寺 町 勘 秘 聞 集 ﹂ の 異 本 ︒ 法 制 史 資 料 室 に は ︑ ﹁ 寺 町 勘 秘 聞 集 ﹂ の 異 本 と し て ︑ こ の 他 に も 以 下 の 文 書 が 所 蔵 さ れ て い る ︒

﹁ 寺 町 勘 秘 聞 集 ﹂ 三 冊 ( 甲 ニ ー 六 四 ) 問 答 集

﹁ 伺 問 類 集 ﹂ ︹ 別 名 ﹁寺 町 勘 秘 聞 集 ﹂ ︺ 一 〇 冊 ( 甲 ニ ー 一 〇 一 〇 ) 問 答 集

﹁ 寺 町 勘 秘 聞 集 ﹂ 三 冊 ( 甲 ニ ー 二 六 五 ) 問 答 集

﹁ 寺 町 勘 秘 聞 集 ﹂ 二 冊 ( ニ ー 二 〇 三 六 ) 問 答 集

﹁ 寺 町 勘 秘 聞 集 ﹂ 五 冊 ( 甲 二 ー 三 三 六 一 ) 問 答 集

﹁ 寺 町 勘 集 ﹂ 一 冊 ( 甲 ニ ー 三 四 二 五 ) 問 答 集

﹁ 寺 町 勘 集 ﹂ 五 冊 ( 甲 二 ー 三 九 七 四 ) 問 答 集

( 6 ) ﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂ に は ︑ 以 下 に も 述 べ る よ う に ︑ 問 答 以 外 の 幕 制 に 関 す る 各 種 先 例 が 多 く 収 録 さ れ て い る ︒ 江 戸 時 代 の 問 答 集

の 収 録 内 容 に つ い て は ︑ 服 藤 氏 が ﹃ 問 答 集 ﹄ 1 ﹁ 解 題 ﹂ で 詳 し く 論 じ ら れ て い る ︒

65

(10)

第 二 節 文 書 間 の 重 複

前 節 に 示 し た 個 々 の 江 戸 幕 府 寺 社 奉 行 関 係 文 書 が 何 時 ︑ 誰 に よ っ て ︑ 何 の た め に 作 成 さ れ た の か を 解 明 す る の は 今

後 の 課 題 で あ る が ︑ 問 答 集 に つ い て は ︑ そ の ほ と ん ど は 公 事 方 御 定 書 の 編 纂 開 始 以 後 に 成 立 し て い る こ と ︑ ま た こ う

し た 問 答 集 は 幕 府 の 寺 社 奉 行 の 諸 役 人 が 幕 府 の 治 世 の た め に 記 す か ︑ ま た は 各 藩 の 大 名 留 守 居 が 藩 政 の た め に 記 す の

が 一 般 的 で あ る と い わ れ て い る こ と を こ こ で は 確 認 し て お き た い ︒ さ ら に ︑ 良 質 な 問 答 集 は 複 数 の 幕 府 役 人 や 大 名 留

守 居 に よ っ て 書 き 写 さ れ る こ と も あ っ た と 思 わ れ ︑ 書 名 等 が や が て 変 化 す る こ と も 当 然 予 想 さ れ る ︒ こ う し た こ と が

原 因 し て か ︑ 書 名 や 体 裁 が 違 う 問 答 集 の 内 容 が 実 際 は 重 複 し て い る こ と が 多 々 見 受 け ら れ る の で あ る ︒

さ て ︑ 前 節 に 記 し た 文 書 の 重 複 に つ い て で あ る が ︑ こ こ で は 問 答 集 の 重 複 に 限 定 し て 考 え て み た い ︒ 重 複 の 態 様 に

つ い て は 種 々 の 場 合 が あ る が ︑ 本 稿 で 紹 介 す る 問 答 集 の 場 合 は ︑ 目 録 の 表 記 や 件 数 に 若 干 相 違 が あ る も の の ほ ぼ 同 一

の 内 容 の 文 書 で あ る 場 合 と ︑ 一 方 の 文 書 が 他 方 の 文 書 を 内 に 含 む 場 合 に そ れ ぞ れ 分 け る こ と が で き る ︒ 前 者 の 場 合 の

重 複 が 見 ら れ る の は ︑ 法 学 部 法 制 史 資 料 室 所 蔵 の ﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂ と 内 閣 文 庫 所 蔵 の ﹁ 諸 例 集 ﹂ の 関 係 で あ り ︑ 後 者 の 場

合 の 重 複 が 見 ら れ る の は ︑ ﹃ 問 答 集 ﹄ 3 所 収 の ﹁ 諸 家 秘 聞 集 ﹂ と 史 料 編 纂 所 お よ び 法 学 部 法 制 史 資 料 室 所 蔵 の ﹁ 寺 町

勘 秘 聞 集 ﹂ の 関 係 ︑ 法 学 部 法 制 史 資 料 室 所 蔵 の ﹁ 寺 肚 公 聴 裁 許 律 ﹂ と 総 合 図 書 館 所 蔵 の ﹁ 寺 肚 取 扱 問 答 ﹂ の 関 係 お よ

び 布 施 弥 平 治 氏 が 翻 刻 さ れ た ﹁ 寺 阯 奉 行 御 留 書 ﹂ と 法 学 部 法 制 史 資 料 室 所 蔵 の ﹁ 寺 肚 奉 行 所 諸 家 問 答 ﹂ の 関 係 で あ る ︒

① ﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂ と ﹁ 諸 例 集 ﹂

は じ め に ︑ ﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂ 八 冊 は ︑ 使 わ れ て い る 字 句 の 違 い が 多 々 あ り ︑ 内 容 の 記 述 に も 若 干 違 い が あ る が ︑ ﹁ 諸 例 集 ﹂

の 第 一 〜 第 八 冊 と 収 録 件 数 お よ び そ の 配 列 順 は ほ ぼ 同 一 で あ る ︒ す な わ ち ︑ ﹁ 諸 例 集 ﹂ 第 一 冊 に ︑ ﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂ 第 一 冊

(11)

寺 社 取 扱 い 問答 に 関す る一 考 察

に は な い ︑ ﹁ 寛 政 元 酉 年 十 月 十 八 日 酒 井 大 學 頭 様 御 在 着 御 禮 御 献 上 由 紀 州 様 御 逝 去 鳴 物 御 停 止 中 御 用 番 様 御 内 慮 御 伺

之 上 御 献 上 有 之 由 ﹂ 一 例 が あ る こ と ︑ お よ び ﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂ と ﹁ 諸 例 集 ﹂ と で は ︑ 一 件 と な っ て い る と こ ろ を 二 件 と し

て い る 箇 所 や 前 出 と し て 略 し て い る と こ ろ を 再 録 し て い る 箇 所 等 の わ ず か の 違 い が あ る 以 外 ︑ 両 者 は ま っ た く 同 じ 件

数 と 配 列 順 で 構 成 さ れ て い る ︒

﹁諸 例 集 ﹂ は 全 二 八 冊 で ︑ 第 一 〜 第 八 冊 ま で が は じ め に 編 纂 さ れ ︑ 第 九 〜 第 二 八 冊 は そ の 記 さ れ て い る 項 目 が 第 一

〜 第 八 冊 と お お よ そ 一 致 し て い る こ と か ら ︑ 後 に 続 編 と し て 編 纂 さ れ た と 推 定 さ れ て い る ︒ ﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂ ︑ ﹁ 諸 例 集 ﹂

の い ず れ も ︑ 各 部 別 の 目 録 し か 記 さ れ て お ら ず ︑ 各 件 ご と の 目 録 は な い ︒ ﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂ と ﹁ 諸 例 集 ﹂ の 関 係 に つ い て

は ︑ 詳 し く は 第 二 章 で 論 じ る ︒

② ﹁ 諸 家 秘 聞 集 ﹂ と ﹁ 寺 町 勘 秘 聞 集 ﹂

﹁ 諸 家 秘 聞 集 ﹂ は ︑ す で に 記 し た よ う に ﹃ 問 答 集 ﹄ 3 に 収 め ら れ た 著 名 な 問 答 集 で あ り ︑ ﹁ 寺 町 勘 秘 聞 集 ﹂ は ︑ ﹁ 三

ハヱ

奉 行 問 答 ﹂ ︑ ﹁ 三 秘 集 ﹂ ︑ ﹁ 三 聴 秘 録 ﹂ と 並 ぶ 幕 府 法 曹 法 を 伝 え る 問 答 集 と し て 知 ら れ る も の で あ る が ︑ 今 回 調 べ て み た

と こ ろ ︑ こ の 両 者 は 目 録 の 記 載 や 収 録 件 数 等 に 大 き な 違 い が あ る が ︑ ﹁ 寺 町 勘 秘 聞 集 ﹂ の 内 容 は ﹁ 諸 家 秘 聞 集 ﹂ の 内

に 含 ま れ る と い う 関 係 に あ る ︒ 本 稿 は 寺 社 奉 行 関 係 の 文 書 を 中 心 テ ー マ と し て い る こ と に 加 え ︑ 紙 面 に 限 り が あ る の

で ︑ こ の 両 問 答 集 の 具 体 的 な 対 照 関 係 に つ い て は 他 の 機 会 に 譲 ら ざ る を 得 な い ︒

67

③ ﹁ 寺 肚 公 聴 裁 許 律 ﹂ と ﹁ 寺 肚 取 扱 問 答 ﹂

﹁ 寺 肚 公 聴 裁 許 律 ﹂ と ﹁ 寺 肚 取 扱 問 答 ﹂ は ︑ い ず れ も 一 冊 本 で 決 し て 大 部 の 問 答 集 で は な い が ︑ と も に 寺 社 奉 行 が

取 り 扱 っ た 問 答 等 に 限 定 し て 集 成 し た も の で あ り ︑ 目 録 も は じ め に 記 さ れ て い て ︑ 用 い る 者 の 便 が よ く 考 え ら れ た 問

(12)

答 集 で あ る ︒ 特 に ︑ ﹁ 寺 肚 取 扱 問 答 ﹂ に つ い て は 研 究 者 の 間 で よ く 知 ら れ て お り ︑ す で に マ イ ク ロ ・ フ ィ ル ム 化 さ れ

て い る が ︑ ﹁ 寺 肚 取 扱 問 答 ﹂ の 内 容 は ﹁ 寺 肚 公 聴 裁 許 律 ﹂ に 含 ま れ る も の で あ る ︒ ﹁ 寺 肚 公 聴 裁 許 律 ﹂ と ﹁ 寺 肚 取 扱 問

答 ﹂ の 関 係 に つ い て は ︑ 詳 し く は 第 二 章 で 論 じ る ︒

④ ﹁ 寺 肚 奉 行 御 留 書 ﹂ と ﹁ 寺 杜 奉 行 所 諸 家 問 答 ﹂

最 後 に ︑ ﹁ 寺 肚 奉 行 御 留 書 ﹂ と ﹁ 寺 肚 奉 行 所 諸 家 問 答 ﹂ と の 関 係 に つ い て 考 え る ︒ ﹁ 寺 肚 奉 行 御 留 書 ﹂ は ︑ 布 施 氏 が

四 回 に 分 け て ﹃ 日 本 法 学 ﹄ に 紹 介 ︑ 翻 刻 さ れ た も の で あ る ︒ 目 録 は な い が ︑ (上 ) 刑 事 以 外 之 部 ( 寛 政 元 〜 享 和 三 年 )︑

( 下 ) 刑 事 之 部 (寛 政 元 〜 享 和 三 年 ) の 二 編 に 分 か れ ︑ 担 当 奉 行 名 が 各 件 ご と に は じ め に 明 記 さ れ て い る ︒ ﹁ 寺 肚 奉

行 所 諸 家 問 答 ﹂ に は ︑ や は り 目 録 は な く ︑ ﹁ 寺 肚 奉 行 御 留 書 ﹂ の よ う な 編 別 名 や 担 当 奉 行 名 の 明 記 も な い ︒ ﹁ 寺 杜 奉 行

所 諸 家 問 答 ﹂ は 七 冊 で あ る が ︑ 収 録 さ れ た 各 件 の 年 代 は ︑

第 一 冊 寛 政 元 年 〜 同 七 年

第 二 冊 寛 政 七 年 〜 享 和 元 年

第 三 冊 享 和 元 年 〜 同 三 年

第 四 冊 寛 政 元 年 〜 同 二 年

第 五 冊 寛 政 元 年 〜 同 五 年

第 六 冊 寛 政 六 年 〜 同 一 〇 年

第 七 冊 寛 政 一 〇 年 〜 享 和 二 年

と な っ て お り ︑ こ こ に 明 ら か な よ う に ︑ 第 一 冊 か ら 第 三 冊 ま で と 第 四 冊 か ら 第 七 冊 ま で を そ れ ぞ れ ひ と ま と ま り に す

る と い う ︑ 編 集 方 針 が 取 ら れ て い る こ と が わ か る ︒

(13)

寺 社 取 扱 い 問答 に 関す る一 考 察 69

実 際 に 内 容 を 見 て み る と ︑ ﹁寺 耐 奉 行 所 諸 家 問 答 ﹂ 前 半 の 第 一 冊 か ら 第 三 冊 お よ び こ れ に 加 え て ど う い う わ け か 第

四 冊 の 第 一 問 答 が ︑ 以 下 に 述 べ る よ う に か な り 件 数 は 少 な い も の の ︑ ﹁ 寺 肚 奉 行 御 留 書 ﹂ に お け る ( 下 ) 刑 事 之 部 に

該 当 し ︑ 第 四 冊 の 第 二 問 答 か ら 第 七 冊 の 終 わ り ま で が ︑ 同 じ く ( 上 ) 刑 事 以 外 之 部 に 該 当 し て い る ︒ す な わ ち ︑ ﹁ 寺

肚 奉 行 御 留 書 ﹂ と ﹁ 寺 肚 奉 行 所 諸 家 問 答 ﹂ と で は ︑ 一 つ の 問 答 を 除 き ︑ 刑 事 以 外 之 部 と 刑 事 之 部 と が 逆 転 し て い る が ︑

両 者 と も 同 様 の 編 集 方 針 が 取 ら れ て い る こ と は 確 か で あ る ︒ し か し ︑ ﹁ 寺 肚 奉 行 御 留 書 ﹂ に 収 録 さ れ て い る 件 数 が 四

六 六 件 で あ る の に 対 し て ︑ ﹁ 寺 肚 奉 行 所 諸 家 問 答 ﹂ に は 三 七 六 件 し か な い ︒ つ ま り ︑ 後 者 は 前 者 に 含 ま れ て い る こ と

が 推 測 さ れ る の で あ る ︒

そ こ で ︑ 具 体 的 に ︑ こ の 両 問 答 集 の 対 照 関 係 を 調 べ て み る と ︑ ﹁ 寺 肚 奉 行 所 諸 家 問 答 ﹂ に あ っ て ﹁ 寺 冠 奉 行 御 留 書 ﹂

に な い の は ︑ ﹁ 寺 肚 奉 行 所 諸 家 問 答 ﹂ 第 一 冊 所 収 の ﹁ 寛 政 六 寅 年 十 一 月 松 平 伊 豫 守 佐 野 豊 前 守 よ り 板 倉 周 防 守 江 間 合 ﹂

と ︑ 同 第 五 冊 所 収 の ﹁ 寛 政 元 酉 年 六 月 能 勢 摂 津 守 よ り 松 平 紀 伊 守 江 間 合 ﹂ の 二 つ の 問 答 に 限 ら れ る が ︑ ﹁ 寺 肚 奉 行 御

留 書 ﹂ に あ っ て ﹁ 寺 肚 奉 行 所 諸 家 問 答 ﹂ に な い の は ︑ 以 下 の 九 二 件 に の ぼ る ︒

﹁ 寺 肚 奉 行 御 留 書 ﹂ に の み あ る 号 数

三 四 ︑ 一 ︼ 二 ︑ ︼ 七 〇 ︑ 二 〇 八 ︑ 二 一 四 〜 二 ︼ 五 ︑ 二 } 七 〜 二 二 三 ︑ 二 二 五 〜 二 三 〇 ︑ 二 三 二 〜 二 三 九 ︑

二 四 一 〜 二 五 九 ︑ 二 六 一 ︑ 二 六 三 〜 三 〇 一 ︑ 三 一 一 ︑ 三 二 八 ︑ 三 三 〇 〜 三 三 二 ︑ 三 四 六

﹁ 寺 肚 奉 行 御 留 書 ﹂ の 各 号 が ﹁寺 肚 奉 行 所 諸 家 問 答 ﹂ の ど こ に 収 録 さ れ て い る か に つ い て は ︑ 以 下 の 通 り で あ る ︒

﹁ 寺 肚 奉 行 御 留 書 ﹂

一 〜 三 六

三 七 〜 一 = 一

一 = 二 〜 一 六 九 ﹁ 寺 肚 奉 行 所 諸 家 問 答 ﹂

第 四 冊

第 五 冊

第 六 冊 一 七 〇

一 七 一 〜 二 〇 七

二 〇 八

な 第 な

し 冊 し

(14)

70

﹁ 寺 祀 奉 行 御 留 書 ﹂

二 〇 九 〜 二 = 二

一 二 四 〜 一 二 五

一 二 六

二 一 七 〜 ニ ニ 三

二 二 四

二 二 五 〜 二 三 〇

二 一一 二

二 三 二 〜 二 三 九

二 四 〇

二 四 一 ) 工 工 ハ 一

二 六 二

二 六 ゴ 一﹀ ・ 一二 〇 一

以 上 の こ と か ら ︑ ﹁ 寺 肚 奉 行 所 諸 家 問 答 ﹂

第 七 冊

な し

第 七 冊

な し

第 七 冊

な し

第 七 冊

な し

第 七 冊

な し

第 七 冊

な し 三 〇 二 〜 三 一 〇

三 =

三 一 二 〜 三 二 七

三 二 八

三 二 九

三 三 〇 〜 三 三 二

三 三 三 〜 三 四 五

二 四 六

三 四 七 〜 三 六 九

三 七 〇 〜 四 一一 二

四 三 二 〜 四 六 五

四 六 六

二 つ の 問 答 を 除 き ︑ そ の 他 の ﹁ 寺 肚 奉 行 所 諸 家 問 答 ﹂ の 内 容 は ﹁ 寺 肚 奉 行 御 留 書 ﹂

る と い う こ と が で き る の で あ る ︒

以 上 の よ う に ︑ 本 節 で 取 り 上 げ た 東 京 大 学 所 蔵 の 問 答 集 は ︑ み な 他 の い ず れ か の 問 答 集 と の 重 複 が み ら れ る の で あ

る ︒ こ の う ち ︑ ﹁ 寺 肚 奉 行 御 留 書 ﹂ ︑ ﹁ 諸 家 秘 聞 集 ﹂ は す で に 翻 刻 さ れ て い る の で ︑ ﹁ 寺 冠 奉 行 所 諸 家 問 答 ﹂ ︑ ﹁ 寺 町 勘 秘

に 含 ま れ て い

第 第 第 第 な 第 な 第 な 第 な 第

四 三 ニ ー 一 一 一 一

冊 冊 冊 冊 し 冊 し 冊 し 冊 し 冊

(15)

寺 社 取 扱 い問 答 に関 す る一 考 察 71

聞 集 ﹂ の 内 容 紹 介 は こ れ に 委 ね る こ と に し て ︑ こ こ で は 省 く こ と に す る ︒ ﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂ ︑ ﹁寺 肚 公 聴 裁 許 律 ﹂ ︑ ﹁ 寺 肚 取

扱 問 答 ﹂ は い ま だ 翻 刻 さ れ て い な い の で ︑ 以 下 に は こ れ ら の 問 答 集 の 内 容 に つ い て 考 え て み た い ︒ も っ と も ︑ 述 べ て

き た よ う に ﹁ 寺 肚 取 扱 問 答 ﹂ に つ い て は ︑ そ の 内 容 が ﹁寺 肚 公 聴 裁 許 律 ﹂ に 含 ま れ て い る の で ︑ こ こ で は ﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂

お よ び ﹁寺 杜 公 聴 裁 許 律 ﹂ を 中 心 に 論 じ る ︒

注 ( 1 ) 問 答 集 成 立 の 背 景 や 問 答 集 間 の 重 複 の 実 態 に つ い て は ︑ ﹃ 問 答 集 ﹄ 1 ﹁ 解 題 ﹂ に 詳 し い ︒

( 2 ) 石 井 良 助 ﹃ 日 本 法 制 史 概 説 ﹄ (創 文 社 ︑ 一 九 六 〇 年 改 版 く 一 九 四 八 年 初 版 V ) 三 七 六 頁 ︑ 平 松 義 郎 ﹁ 近 世 法 ﹂ ( ﹃ 岩 波 講 座

日 本 歴 史 ﹄ 一 一 ︹近 世 三 ︺ 岩 波 書 店 ︑ 一 九 七 六 年 ︒ ﹃ 江 戸 の 罪 と 罰 ﹄ 平 凡 社 ︑ 一 九 八 八 年 所 収 ) 三 四 五 頁 参 照 ︒

( 3 ) 前 節 に 記 し た よ う に ︑ ﹁ 寺 町 勘 秘 聞 集 ﹂ は 史 料 編 纂 所 お よ び 法 学 部 法 制 史 資 料 室 に 複 数 の 異 本 が 所 蔵 さ れ て い る の で ︑ こ

れ ら の 文 書 間 の 対 照 関 係 に つ い て も 調 べ な け れ ば な ら な い ︒ こ れ に つ い て も 後 日 の 課 題 と す る が ︑ こ こ で は 比 較 的 冊 数 が 多 い

以 下 の 各 文 書 に 収 録 さ れ て い る 件 数 の 一 覧 を 記 し て お く ︒ な お ︑ ﹁ 諸 家 秘 聞 集 ﹂ に は ︑ 四 七 六 件 の 問 答 等 が 収 録 さ れ て い る ︒

︻ 史 料 編 纂 所 所 蔵 ︼

﹁ 寺 町 勘 秘 聞 集 ﹂ 六 冊 ( 四 一

第 一 冊 ⁝ 一 七 件

第 二 冊 ⁝ 三 六 件

第 三 冊 ⁝ 二 六 件

第 四 冊 ⁝ 三 七 件

第 五 冊 ⁝ 三 八 件

第 六 冊 ⁝ 三 五 件

計 ‑ 二 八 九 件

五六ー八)

﹁ 秘 聞 集 ﹂ ︹ 内 題 ﹁ 寺 町 勘 秘 聞 集 ﹂ ︺

第 一 冊 ⁝ 一 六 件

第 二 冊 ⁝ 三 七 件

第 三 冊 ⁝ 二 六 件

第 四 冊 ・: 三 八 件

第 五 冊 ⁝ 三 八 件

第 六 冊 ⁝ 三 五 件

第 七 冊 ⁝ 五 ﹁ 件

第 八 冊 ・: 四 四 件

第 九 冊 ⁝ 三 六 件

第 一 〇 冊 ⁝ 三 五 件

計 ⁝ 三 五 六 件

一〇冊(四一五六‑八三)

(16)

72

︻ 法 学 部 法 制 史 資 料 室 所 蔵 ︼

﹁ 寺 町 勘 ﹂ 五 冊 (甲 ニ ー 一 七 六 三 )

第 一 冊 ⁝ 六 九 件

第 二 冊 ⁝ 六 八 件

第 三 冊 ⁝ 八 八 件

第 四 冊 ⁝ 一 九 件

第 五 冊 ⁝ 一 八 件

計 ⁝ 二 六 二 件 ﹁ 寺 町 勘 集 ﹂ 五 冊 ( 甲 二 ー 三 九 七 四 )

青 ⁝ 一 五 件

黄 ⁝ 四 一 件

赤 ⁝ 三 〇 件

白 ⁝ 三 八 件

黒 ⁝ 四 一 件

計 ‑ 二 六 五 件

( 4 ) 布 施 弥 平 治 編 ﹁寺 社 奉 行 御 留 書 O ⇔ ㊨ 四 完 ﹂ ( ﹃ 日 本 法 学 ﹄ 第 四 〇 巻 第 一 ・ 第 二 ・ 第 三 ・ 第 四 号 ︑ 一 九 七 四 〜 一 九 七 五 年 ) ︒

第 二 章 寺 社 取 扱 い 問 答

第 一 節 ﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂

① ﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂ の 概 要

東 京 大 学 法 学 部 法 制 史 資 料 室 所 蔵 の ﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂ ( 以 下 ︑ 資 料 室 本 と す る ) は ︑ 寺 社 ・ 町 ・ 勘 定 の 三 奉 行 取 扱 い の

問 答 を は じ め と し て ︑ 幕 制 に 関 す る 各 種 の 先 例 や 書 付 等 を 集 成 し た 文 書 で あ る が ︑ 寺 社 取 扱 い 問 答 も 収 め ら れ て い て ︑

し か も い ま だ 翻 刻 さ れ て い な い の で ︑ こ こ で 紹 介 す る こ と に し た ︒ こ の ﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂ 八 冊 に は ︑ そ れ ぞ れ 伊 勢 の 神 宮

文 庫 の 受 入 番 号 お よ び ﹁ 古 事 類 苑 編 纂 事 務 所 ﹂ の 印 が 見 開 き に 押 さ れ て お り ︑ 第 八 冊 の 末 尾 に は ︑ ﹁ 昭 和 十 七 年 六 月

以 神 宮 文 庫 蔵 本 爲 之 東 京 帝 国 大 學 法 学 部 研 究 室 ﹂ と 署 名 さ れ て い る ︒ ま た ︑ ﹃ 国 書 総 目 録 ﹄ に は ︑ ﹁ 幕 政 彙 纂 曜 叡 馳 い

(17)

寺 社 取 扱 い 問 答 に 関 す る一 考 察 73

二 冊 ㊥ 法 制 ㊧ 神 宮 ﹂ と あ る ︒ こ こ で は ︑ ﹁幕 制 彙 纂 ﹂ の ﹁ 幕 制 ﹂ が ﹁ 幕 政 ﹂ と な っ て い る が ︑ 同 一 の 文 書 で あ

る こ と が 推 測 で き る の で 神 宮 文 庫 を 調 査 し た と こ ろ ︑ 同 文 庫 の ﹃ 神 宮 文 庫 図 書 目 録 ﹄ 第 七 門 ﹁ 法 制 及 儀 式 附 有 職 故 実 風

俗 ﹂ に ︑ ﹁ 幕 政 彙 纂 寓 二 冊 七 六 一 号 ﹂ と 記 さ れ て い た ︒ お そ ら く ﹃ 国 書 総 目 録 ﹄ は こ れ を 元 に 右 の ﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂

の 項 目 を 作 成 し た も の と 思 わ れ る ︒ し か し ︑ 神 宮 文 庫 に お い て 同 書 の 閲 覧 請 求 を し た と こ ろ ︑ ﹁ 幕 政 ﹂ で は な く 確 か

に ﹁ 幕 制 ﹂ と 記 さ れ た ︑ し か も 二 冊 で は な く 八 冊 の ﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂ が 書 庫 よ り 出 さ れ て き た の で あ る ︒ し か も ︑ 同 書 の

筆 跡 は 資 料 室 本 と 同 一 で あ っ た ︒ つ ま り ︑ 神 宮 文 庫 所 蔵 の ﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂ ( 以 下 ︑ 神 宮 文 庫 本 と す る ) は 資 料 室 本 の 原

本 と い う よ り も ︑ お そ ら く 同 時 期 に 書 写 さ れ た 二 つ の 写 本 の 一 つ で あ る 可 能 性 が あ る ︒ こ の 両 者 の 原 本 の 所 在 に つ い

て は ︑ 神 宮 文 庫 の 関 係 者 に 問 い 合 わ せ て み た が ︑ い ま と な っ て は 不 明 と い う こ と で あ る ︒

そ れ で は ︑ 資 料 室 本 第 八 冊 末 尾 の 署 名 に つ い て は ど う 考 え た ら よ い の で あ ろ う か ︒ 確 か な こ と は わ か ら な い が ︑ も

し か す る と 神 宮 文 庫 所 蔵 の 原 本 に よ り 東 京 帝 国 大 学 法 学 部 研 究 室 の 関 係 者 が 二 つ の 写 本 を 作 成 し ︑ い ず れ も 一 度 神 宮

文 庫 ( ﹁ 古 事 類 苑 編 纂 事 務 所 ﹂ ) に 収 め ら れ 蔵 書 印 が 押 さ れ て か ら ︑ 写 本 の 一 つ が 閲 覧 可 能 な 文 書 と し て 神 宮 文 庫 に

所 蔵 さ れ ︑ 他 方 が 後 に 東 京 帝 国 大 学 法 学 部 に 移 り 法 制 史 資 料 室 に 所 蔵 さ れ る よ う に な っ た の で は な か ろ う か ︒ そ の 時

に ︑ 資 料 室 本 第 八 冊 末 尾 に 署 名 が な さ れ 今 日 に 至 り ︑ 原 本 は 長 い 年 月 の 間 に そ の 所 在 が 定 か で な く な っ た と 推 測 で き

る の で は な い か ︒

と こ ろ で ︑ 資 料 室 本 に は ︑ そ れ ぞ れ の 奥 付 に ﹁ 高 嶋 仲 三 ﹂ も し く は ﹁ 萩 野 谷 熊 之 介 ﹂ の 名 が 記 さ れ て い る の で ︑ こ

の 両 者 が 写 本 の 作 成 を 担 当 し た 人 物 で あ る 可 能 性 が あ る ︒ し か し な が ら ︑ 神 宮 文 庫 本 の 奥 付 に は ︑ こ の 両 者 の 署 名 は

な い し ︑ ま た 資 料 室 本 に は 本 文 中 の 随 所 に ﹁ 本 ノ マ 玉 法 研 ﹂ と い う 朱 書 き の 付 注 が 貼 ら れ て い る の で ︑ こ の 両 者 は

東 京 帝 国 大 学 法 学 部 研 究 室 の 関 係 者 で ︑ こ の 付 注 に 関 与 し た 人 物 で あ っ て ︑ 写 本 の 担 当 者 は 他 に い た と 考 え ら れ な く

も な い ︒ も し く は ︑ こ の 両 者 は や は り 写 本 の 担 当 者 で あ り ︑ 署 名 に つ い て は 写 本 の 一 つ が 東 京 帝 国 大 学 に 所 蔵 さ れ る

(18)

74

よ う に な っ た 後 に し た の か も し れ な い ︒ 詳 し い こ と は 今 の と こ ろ 不 明 な の で ︑ 今 後 ︑ 調 べ て い き た い ︒

さ て ︑ こ の ﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂ を 緒 い た と こ ろ ︑ こ れ が 内 閣 文 庫 所 蔵 の ﹁ 諸 例 集 ﹂ 第 一 〜 第 八 冊 と 内 容 が ほ ぼ 同 一 で あ る

と わ か っ た こ と は ︑ 先 に 述 べ た と お り で あ る ︒ お そ ら く ︑ ﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂ 八 冊 と し て は じ め に 作 成 さ れ て い て ︑ 後 に こ

れ に 続 編 が 作 成 さ れ た 時 に ︑ 全 二 八 冊 を ﹁ 諸 例 集 ﹂ と 命 名 し た も の と 思 わ れ る ︒ ﹁ 諸 例 集 ﹂ は ︑ 研 究 者 の 間 で よ く 知

 ユロヨ

ら れ た 文 書 で ︑ 石 井 良 助 氏 や 同 書 が ﹃ 内 閣 文 庫 所 蔵 史 籍 叢 刊 ﹄ に 収 め ら れ た 時 に 解 題 の 執 筆 を 担 当 さ れ た 南 和 男 氏 に

よ っ て ︑ そ の 構 成 や 編 者 に 関 す る 考 察 が な さ れ て い る ︒ こ こ で は ︑ こ れ ら に 拠 り な が ら 編 者 や 全 編 の 内 容 を 確 認 し て ︑

﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂ の 概 要 に つ い て 述 べ て お き た い ︒

﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂ 八 冊 ( 虫 諸 例 集 ﹂ 第 一 〜 第 八 冊 ) の 編 者 に つ い て は ︑ 南 氏 が 山 城 国 淀 藩 主 の 稲 葉 丹 後 守 正 謳 ( ま さ の

ぶ ) で あ る と 考 え ら れ て い る が ︑ こ れ に 従 っ て よ い も の と 思 わ れ る ︒ 正 誰 は ︑ 寛 延 二 二 七 四 九 ) 年 ︑ 山 城 国 淀 城 主

稲 葉 丹 後 守 正 益 (ま さ よ し ) の 二 男 と し て 生 ま れ ︑ 安 永 二 ( 一 七 七 三 ) 年 ︑ 兄 正 弘 の 嗣 と な り ︑ 同 年 ︑ そ の 遺 領 十 万

二 千 石 を 継 ぎ ︑ 天 明 元 ( 一 七 八 一 ) 年 に 奏 者 番 と な る ︒ 同 七 二 七 八 七 ) 年 に 寺 社 奉 行 を 兼 任 し ︑ 寛 政 四 ( 一 七 九 二 )

年 に 従 四 位 下 に 叙 せ ら れ ︑ 享 和 二 ( 一 八 〇 二 ) 年 に は 大 坂 城 代 ︑ 同 四 ( 一 八 〇 四 ) 年 に は 京 都 所 司 代 と な り ︑ 文 化 三

( 一 八 〇 六 ) 年 ︑ 五 八 歳 の 時 に 京 都 で 没 し た ︒ 正 謳 は ︑ 右 の よ う な 幕 府 の 要 職 を 勤 め る た め に 様 々 な 法 令 書 や 留 書 を

編 纂 し た こ と で 知 ら れ る が ︑ ﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂ も そ の う ち の 一 書 と 思 わ れ る ︒

﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂ に は ︑ 主 と し て 享 保 年 間 ( 一 七 一 六 〜 一 七 三 六 年 ) よ り 享 和 年 間 ( 一 八 〇 一 〜 一 八 〇 四 年 ) に 至 る ︑

藩 政 や 武 家 生 活 ︑ 寺 社 取 扱 い 等 に 関 す る 広 範 な 問 答 を は じ め 各 種 の 先 例 や 書 付 等 が 記 さ れ お り ︑ そ こ か ら 法 令 で は 読

み 取 れ な い 幕 府 行 政 の 実 態 や 具 体 的 な 事 件 の 処 理 方 法 等 を 知 る こ と が で き る ︒ 特 に ︑ ﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂ 全 編 に お い て は ︑

現 存 す る 他 の 問 答 集 よ り も 比 較 的 古 い ︑ ﹁ 公 事 方 御 定 書 ﹂ 編 纂 開 始 前 後 の 問 答 に つ い て も 多 く 集 成 さ れ て い る こ と や ︑

幕 府 の 儀 式 や 幕 臣 の 親 族 ︑ 武 家 の 病 気 や 縁 組 等 に 関 す る 詳 細 な 先 例 や 問 答 等 が 記 さ れ て い る 点 が 注 目 さ れ る ︒

(19)

次 の ﹁ ② 寺 社 取 扱 い 問 答 の 重 複 ﹂ で は ︑ ﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂ 第 八 冊 の ﹁ 寺 社 奉 行 問 合 之 部 ﹂ を 取 り 上 げ ︑ 録 さ れ た 寺 社 取 扱 い 問 答 が ︑ 他 の 問 答 集 と ど の よ う に 重 複 し て い る の か 調 べ て み た い ︒ ﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂ に 収

寺 社 取扱 い 問 答 に 関 す る一 考 察 75

② 寺 社 取 扱 い 問 答 の 重 複

﹁幕 制 彙 纂 ﹂ の 主 要 な 寺 社 取 扱 い 問 答 は ︑ 第 八 冊 の ﹁寺 祀 奉 行 間 合 之 部 ﹂ に 収 録 さ れ て い る ︒ こ の ﹁ 寺 社 奉 行 間 合

之 部 ﹂ は ︑ 四 九 件 で 構 成 さ れ て い る が ︑ こ の う ち 六 号 ・ 一 一 号 ・ 二 八 号 ・ 二 九 号 の 四 件 は 問 答 で は な く ︑ ま た 四 号 ・

九 号 ・ 一 一 号 ・ 三 一 号 ・ 三 二 号 ・ 三 三 号 ・ 四 三 号 ・ 四 六 号 ・ 四 八 号 の 九 件 は 寺 社 と は 直 接 関 係 が な い ︒ し た が っ て ︑

寺 社 取 扱 い 問 答 は ︑ こ れ ら を 除 く 三 七 件 で あ る ︒ こ の ﹁寺 肚 奉 行 間 合 之 部 ﹂ と 既 刊 の ﹃ 問 答 集 ﹄ 所 収 の 各 問 答 集 と の

重 複 に つ い て は ︑ 筆 者 が 調 べ た と こ ろ に よ る と ︑ 以 下 の 表 の よ う に な る ︒ 数 字 は 号 数 ︒

﹁幕制彙纂

﹂(尋 肚奉行間合之部 L )

﹁ 三 奉 行 問 答﹂ ﹁ 時 宜 指 令﹂ ﹁ 三 奉 行 伺 附 札﹂ ﹁ 諸 例 撰 要﹂ ﹁ 諸 家 秘 聞 集﹂ ﹁ 三 秘 集﹂ ﹁ 三 聴 秘 録﹂

一一四一

二 一 四 二 三 一 四 三 三 四 一 九 四

四 一 四 四

五 一 四 五 三 三 二 四 四 七

六 一 四 六

七 一 四 七

一七

二 六 七 四 〇 四 五 三 三 五

八 一 四 八 三 四 九

九 一 四 九 九 二 九 八 三 五

(20)

76

﹁ 幕 制 彙 纂﹂(尋肚奉行問合之部 b コ ニ 奉 行 問 答﹂ ﹁ 時 宜 指 令﹂ ﹁ 三 奉行 伺 附 札﹂ ﹁ 諸 例 撰 要﹂ ﹁ 諸 家 秘 聞 集 ﹂ ﹁ 三 秘 集﹂ ﹁ 三 聴 秘 録﹂

一 〇 一 五 〇 三 七 九 七 一 〇 三 三 五 一 =

一五一

一二

一 五 二 } 八 二 六 八 四 三 四 八 三 三 六

一 三 一 五 三 二 〇 四 六 五 } 一 四 一 五 四 三 三 八

一 五 一 五 五 三 〇 二

一 六 一 五 六 三 〇 四 三 九 五

一七

一 五 七

一 八 一 五 八 三 一 二 二 〇 〇

一 九 一 五 九 三 = 二 三 九 七

二 〇 一 六 〇 三 九 六

二一一六一

= 二 三 九 九

二 二 一 六 二 三 六 二 二 一 九 四 〇 一 二 三 = ハ 三 四 〇 六 二 四 一 六 四 二 九 二 三 九 三

二 五 一 六 五

八一

二 六 一 六 六 九 〇

二 七 一 六 七

二 八 = ハ 八

二 九 一 六 九

三 〇 一 七 〇 三 七 一

(21)

寺 社 取 扱 い 問答 に 関す る一 考 察 77

四 四 四 四 四 四 四 四 四 四 三 三 三 三 三 三 三 三 三 九 八 七 六 五 四 三 ニ ー 〇 九 八 七 六 五 四 三 ニ ー一

一一■一■6‑一 一一一 一一一一一畠 一一一一一凸 凸0L‑一 一一■ 一一一一一凸 一一冒 一̲̲̲̲̲」 ト̲̲̲̲一̲̲̲̲̲」‑一 一一凸 一一一一一畠

八 八 八 八 八 八 八 八 八 八 七 七 七 七 七 七 七 七 七 九 八 七 六 五 四 三 ニ ー 〇 九 八 七 六 五 四 三 ニ ー

七 六 四

一 九

九 五 四

九 四 五 四 四 四 六 九 一 六 二 〇

二 七 六

ニ ー 一 一 一 一 一 一 一 二

二 二 二 二 四 四 六 六 六 四 四 三 二 〇 九 七 七 六 七 四 八 五 二 七 五 〇 五 四 〇 四 二

一 一 一 一 一 一

七 六 五 五 三 三 四 七 五 三 七 二

===ゴ=ゴ=ゴ=ゴ=ゴ=ゴ 一 一

一 一 一 一 一 一 一

八 七 七 八 六 六 六 五

=f=f

五 四 二 二 七 六 一 八 七 五

 

* 同 一 問 答 集 内 に お け る 重 複 の 場 合 は ︑ 初 出 の 号 数 の み 記 し た * 内 容 が 一 部 欠 落 し て い る 場 合 も あ る が ︑ こ れ に つ い て は 特 に 注 記 し な か っ た

* 年 号 ・ 人 名 や 字 句 の 違 い に つ い て も 特 に 注 記 し な か っ た

* 未 刊 の ﹁ 青 山 秘 録 ﹂ と の 対 照 関 係 に つ い て は 省 い た

(22)

78

し た が っ て ︑ ﹁ 寺 肚 奉 行 間 合 之 部 ﹂ に 収 録 さ れ て い る 寺 社 取 扱 い 問 答 は ︑ す べ て ﹁ 三 奉 行 問 答 ﹂ と 重 複 し て お り ︑

次 い で ﹁ 諸 家 秘 聞 集 ﹂ ︑ = 二 聴 秘 録 ﹂ の 順 に 重 複 数 が 多 い こ と が わ か る ︒ こ う し た 事 実 は ︑ 各 問 答 集 が 成 立 し た 背 景 に

は 密 接 な 関 係 が あ っ た こ と を 意 味 し て い る ︒ 特 に ﹁ 寺 祀 奉 行 問 合 之 部 ﹂ と ﹁ 三 奉 行 問 答 ﹂ は ︑ 各 件 の 配 列 順 も 同 じ な

の で 調 べ て み た と こ ろ ︑ ﹁ 寺 肚 奉 行 間 合 之 部 ﹂ ( 一 号 〜 四 九 号 ) は ﹁ 三 奉 行 問 答 ﹂ 巻 之 四 ( 一 四 一 号 〜 一 八 九 号 ) と ま っ

た く 重 な り 合 っ て い た ︒ こ う し た 事 実 に は 大 変 興 味 を 覚 え る が ︑ こ れ ら 問 答 集 間 の 関 係 に つ い て は 後 日 の 課 題 と し た

い ︒ ま た ︑ こ れ ら 問 答 集 の 寺 社 取 扱 い 問 答 を 一 つ ひ と つ 校 合 す る こ と に よ っ て ︑ よ り 正 確 な 翻 刻 が 可 能 に な る も の と

思 わ れ る が ︑ こ れ に つ い て も 他 日 を 期 し た い ︒

言2丁 注

54

﹃ 補 訂 版 国 書 総 目 録 ﹄ 第 六 巻 ( 岩 波 書 店 ︑ 一 九 九 〇 年 ) 五 七 八 頁 ︒

神 宮 司 庁 編 ﹃ 神 宮 文 庫 図 書 目 録 ﹄ ( 汲 古 書 院 ︑ 一 九 七 三 年 訂 正 影 印 版 ︿ 初 版 一 九 二 二 年 ﹀ ) 四 四 頁 ︒

神 宮 文 庫 に は ︑ 次 の よ う な 寺 社 (個 別 の 寺 社 関 係 を 除 く ) も し く は 江 戸 幕 府 寺 社 奉 行 関 係 の 文 書 が 所 蔵 さ れ て い る ︒

﹁ 寺 肚 江 被 仰 渡 候 御 掟 目 切 支 丹 御 關 所 取 計 類 留 ﹂ 一 冊 ( 第 七 門 ー 六 二 二 )

﹁ 寺 肚 方 書 抜 ﹂ 一 冊 ( 同 ー 六 四 八 )

﹁ 寺 肚 司 要 録 ﹂ 一 冊 ( 同 ー 六 四 九 )

﹁ 寺 肚 諸 宗 其 外 掟 談 判 集 ﹂ 一 冊 ( 同 ー 六 五 〇 )

﹁ 寺 肚 奉 行 格 律 類 画 ﹂ 一 冊 ( 同 ー 六 五 一 )

﹁ 寺 田 雑 記 ﹂ 一 冊 ( 同 ー 六 五 二 )

﹁ 肚 寺 取 計 留 ﹂ 一 冊 ( 同 ‑ 六 五 三 )

﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂ 八 冊 ( 同 ‑ 七 六 一 ) 問 答 集

﹁ 寺 杜 方 問 答 書 ﹂ 一 冊 ( 第 = 門 ー 一 四 四 { ) 問 答 集

石 井 ・ 前 掲 ﹃ 近 世 法 制 史 料 集 解 説 ﹄ の ﹁ 九 武 家 方 編 ﹂ の 最 初 に ﹁ 諸 例 集 ﹂ の 解 説 が あ る ︒

南 和 男 ﹁ ﹃ 諸 例 集 ﹄ 解 題 ﹂ ( ﹃ 内 閣 文 庫 所 蔵 史 籍 叢 刊 ﹄ 九 四 ︑ 汲 古 書 院 ︑ 一 九 八 九 年 )︒

(23)

寺 社 取扱 い 問 答 に 関 す る一 考 察 79

( 6 ) 同 右 参 照 ︒ 正 謳 は こ れ 以 外 に も ︑ ﹁ 稲 葉 丹 後 守 畳 書 ﹂ ︑ ﹁ 大 坂 御 城 代 勤 役 中 直 書 留 ﹂ ︑ ﹁ 御 書 付 留 ﹂ ︑ ﹁ 御 書 付 類 豊 ﹂ ︑ ﹁ 支 配 調

役 之 儀 二 付 直 書 伺 書 其 外 内 談 書 拍 ﹂ ︑ ﹁ 集 要 録 ﹂ 等 の 法 令 集 や 留 書 な ど の 編 集 に 携 わ っ た こ と で 知 ら れ る が ︑ 石 井 ・ 前 掲 ﹃ 近

世 法 制 史 料 集 解 説 ﹄ の ﹁ 四 寺 社 奉 行 編 ﹂ で は ﹁ 寺 祀 捷 径 ﹂ ︑ ﹁ 見 聞 集 ﹂ も 正 謳 の 編 集 に よ る も の で は な い か と 述 べ ら れ て い

る ︒

( 7 ) 東 京 大 学 史 料 編 纂 所 編 ﹃ 大 日 本 近 世 史 料 柳 営 補 任 ﹄ 一 (東 京 大 学 出 版 会 ︑ 一 九 九 七 年 復 刻 ︿ 一 九 六 三 年 発 行 ﹀ ) 五 九 頁 ︑

八 〇 頁 ︑ 同 二 ( 同 ︑ 同 ︿ 一 九 六 五 年 発 行 ﹀ ) 四 頁 ︑ 三 八 頁 ︑ 南 ・ 前 掲 ﹁ ﹃ 諸 例 集 ﹄ 解 題 ﹂ 参 照 ︒

( 8 ) ﹁ 寺 肚 奉 行 間 合 之 部 ﹂ の 内 容 は ︑ 次 ぎ の 目 録 の 通 り で あ る ︒ ﹁ 幕 制 彙 纂 ﹂ は す べ て 一 つ 書 き で あ り ︑ も と も と は 通 し 番 号 は

記 さ れ て い な い が ︑ こ こ で は 便 宜 上 ︑ 一 つ 書 き に か え て 通 し 番 号 に し た ︒ 年 月 日 つ い て は ︑ 標 題 で は 違 っ て い た り 欠 け て い

た り す る 場 合 が あ る が ︑ 本 文 か ら 判 明 す る も の は こ れ に よ っ て 補 っ た ︒ な お ︑ 目 録 の 作 成 に は ︑ ﹃ 問 答 集 ﹄ 1 ﹁ 三 奉 行 問 答 ﹂

の 目 録 を 参 照 し た ︒ ま た ︑ 翻 刻 に お け る 表 記 方 法 も こ れ に 倣 っ た ︒

﹁ 寺 杜 奉 行 間 合 之 部 ﹂ 目 録

一 天 明 五 巳 年 八 月 御 鰯 面 盲 信 之 義 二 付 問 合 ( 天 明 七 年 三 月 朔 日 )

二 一 向 宗 内 之 改 派 井 他 宗 江 之 改 派 ︑ 課 違 二 付 取 斗 方 問 合 ( 寛 政 元 年 一 〇 月 = 二 日 )

三 本 肚 拝 殿 修 復 仕 度 ︑ 私 領 井 他 領 迄 相 封 勧 化 願 二 付 ︑ 私 領 斗 相 封 勧 化 申 付 候 義 不 苦 哉 問 合 ( 寛 政 二 年 四 月 一 一 日 )

四 私 領 百 姓 ︑ 領 主 よ り 苗 字 帯 刀 差 免 候 義 ︑ 私 領 限 二 而 ︑ 公 儀 江 書 出 候 者 ︑ 不 相 成 義 二 御 座 候 哉 問 合

( 寛 政 二 年 八 月 )

五 代 々 日 蓮 宗 之 家 内 婦 人 ︑ 死 去 之 節 ︑ 浄 土 宗 江 埋 葬 仕 候 而 も 不 苦 哉 問 合 ( 享 和 三 年 閏 正 月 五 日 )

六 悪 黛 御 朱 印 地 寺 院 江 入 込 ︑ 金 銀 等 盗 取 ︑ 住 信 殺 害 二 而 逃 去 ︑ 御 朱 印 別 條 無 之 段 御 届 ( 安 永 九 年 五 月 二 一 日 )

七 寺 院 入 牢 二 而 三 衣 取 上 井 吟 味 相 決 ︑ 仕 置 申 付 ︑ 本 寺 ︑ 燭 頭 江 掛 合 候 哉 問 合 ( 天 明 二 年 一 〇 月 )

八 元 領 知 先 祖 開 基 菩 提 所 御 朱 印 地 ︑ 當 時 他 領 二 而 出 火 ︑ 本 堂 ︑ 位 牌 不 残 焼 失 二 付 ︑ 替 申 付 候 哉 問 合

( 天 明 六 年 三 月 一 四 日 )

九 庄 屋 之 三 男 齪 心 二 而 ︑ 親 江 手 疵 爲 負 逃 去 候 二 付 ︑ 弟 之 身 分 二 而 縛 り 置 候 庭 ︑ 其 侭 相 果 候 二 付 ︑ 何 程 二 仕 置 申 付 可 然

哉 問 合 ( 天 明 六 年 五 月 九 日 )

一 〇 領 分 内 肚 人 ︑ 百 姓 之 猪 皮 盗 取 ︑ 他 領 引 合 無 之 候 ハ ・ ︑ 領 主 限 仕 置 申 付 不 苦 哉 問 合 ( 天 明 六 年 六 月 = 二 日 )

= 私 領 村 々 二 有 之 候 御 裁 許 書 寓 ︑ 御 月 番 寺 社 奉 行 江 差 出 候 様 御 燭 二 付 ︑ 御 勘 定 留 役 衆 江 内 々 被 聞 合 候 衆 有 之 留 (安 永 二 年 )

(24)

SQ

一 二 領 分 内 信 侶 ︑ 掟 を 背 不 届 至 極 之 義 ︑ 領 主 限 二 而 脱 衣 ︑ 退 院 申 付 不 苦 哉 問 合 ( 天 明 三 年 二 月 朔 日 )

= 二 浮 土 宗 之 寺 二 而 ︑ 輪 旨 頂 戴 不 仕 信 を ︑ 後 住 二 爲 致 候 而 も 不 苦 哉 問 合 ( 天 明 三 年 四 月 二 六 日 )

一 四 領 分 内 寺 院 住 職 ︑ 入 定 之 義 願 出 候 ハ ・ ︑ 如 何 取 斗 可 申 哉 問 合 ( 天 明 三 年 九 月 七 日 )

一 五 御 朱 印 地 面 二 障 候 出 入 ︑ 讐 方 証 拠 不 髄 之 義 候 者 ︑ 糺 候 而 落 着 申 渡 ︑ 若 背 節 者 誉 申 付 而 も 不 苦 哉 問 合 (寛 政 七 年 四 月 二 二 日 )

一 六 御 朱 印 地 寺 院 肚 人 よ り 町 在 江 懸 り 候 境 論 等 ︑ 讐 方 相 糺 証 拠 不 髄 成 者 ︑ 寺 肚 よ り 差 出 候 境 内 間 敷 改 書 を 以 ︑ 場 所 引

合 相 改 候 而 も 不 苦 哉 問 合 (寛 政 七 年 五 月 = 二 日 )

一 七 年 貢 地 屋 敷 住 居 之 修 験 ︑ 右 屋 敷 内 江 新 規 堂 宮 建 候 義 不 苦 哉 問 合 (寛 政 七 年 四 月 九 日 )

一 八 村 掟 相 背 候 百 姓 二 村 彿 申 付 候 慮 ︑ 日 光 御 門 主 よ り ︑ 度 々 蹄 村 申 付 候 様 被 成 度 旨 被 仰 越 候 二 付 問 合

( 寛 政 七 年 七 月 } 九 日 )

一 九 御 朱 印 地 寺 院 兼 帯 所 之 清 水 ︑ 風 呂 二 入 湯 爲 仕 ︑ 私 領 之 者 斗 爲 致 入 湯 候 而 も 不 苦 哉 問 合 (寛 政 七 年 九 月 一 二 日 )

二 〇 漏 氣 強 風 當 り 烈 敷 候 間 ︑ 寺 院 修 復 之 序 ︑ 隠 居 屋 敷 御 座 候 場 所 江 引 寺 不 苦 哉 問 合 (寛 政 七 年 一 〇 月 = 二 日 )

二 一 受 領 も 仕 罷 在 候 神 主 ︑ 領 主 江 無 沙 汰 二 致 他 國 候 義 ︑ 如 何 様 申 付 候 而 も 不 苦 哉 問 合 ( 寛 政 九 年 四 月 )

二 二 礎 石 在 御 座 候 拝 殿 修 復 願 ︑ 中 絶 之 義 二 者 御 座 候 得 共 ︑ 承 届 候 而 も 不 苦 哉 問 合 ( 寛 政 九 年 二 月 一 八 日 )

二 三 寺 院 隠 居 ︑ 在 所 城 下 町 井 私 領 村 方 之 内 ︑ 隠 宅 補 理 住 居 之 義 願 出 ︑ 承 届 候 而 も 不 苦 哉 問 合 (寛 政 一 〇 年 正 月 二 〇 日 )

二 四 私 領 寺 院 仕 置 之 致 方 井 寺 院 答 之 節 檀 用 等 二 付 問 合 (寛 政 六 年 一 二 月 九 日 )

二 五 城 下 町 肚 地 二 石 灯 篭 二 基 井 寺 院 構 之 内 小 サ キ 門 ︑ 新 規 二 建 不 苦 哉 問 合 (寛 政 八 年 正 月 二 二 日 )

二 六 御 朱 印 地 神 主 ︑ 社 頭 大 破 難 及 自 力 ︑ 御 免 勧 化 再 度 奉 願 候 も 取 上 無 之 候 二 付 ︑ 御 府 内 相 封 勧 化 奉 願 度 ︑ 添 翰 差 出 呉

候 様 申 出 候 ︑ 如 何 取 斗 可 然 哉 問 合 (寛 政 八 年 九 月 二 七 日 )

二 七 攣 災 之 瑚 ︑ 寺 跡 山 二 相 成 ︑ 地 所 替 申 付 候 而 も 不 苦 哉 問 合 (寛 政 八 年 一 一 月 六 日 )

二 八 眞 言 宗 寺 院 ︑ 御 朱 印 改 之 節 篤 不 差 出 井 江 戸 表 江 出 府 之 節 ︑ 添 状 持 参 不 致 二 付 沓 申 付 候 例

( 天 明 八 年 一 二 月 一 九 日 )

二 九 御 巡 見 方 御 通 行 之 節 ︑ 社 領 之 内 掃 除 之 義 二 付 ︑ 出 入 二 及 候 得 共 ︑ 遠 慮 申 付 候 例 (寛 政 元 年 四 月 )

三 〇 領 分 寺 院 ︑ 本 寺 離 末 ︑ 他 寺 江 加 末 候 節 ︑ 雨 院 公 儀 江 御 届 可 申 上 哉 問 合 (寛 政 一 〇 年 三 月 = 二 日 )

三 一 古 來 よ り 入 會 秣 場 二 有 來 候 山 林 之 落 葉 ︑ 外 村 々 入 會 下 草 同 様 二 可 採 筋 二 御 座 候 哉 問 合 (寛 政 六 年 五 月 )

(25)

寺 社 取 扱 い 問 答 に関 す る一一考 察 81

三 二 御 城 下 二 而 大 八 車 引 候 義 不 苦 哉 問 合 (寛 政 六 年 七 月 七 日 )

三 三 領 分 在 町 之 者 轡 方 ︑ 戸 〆 ︑ 十 文 字 貫 打 候 而 も ︑ 領 主 存 寄 次 第 二 而 不 苦 哉 問 合 (寛 政 六 年 一 一 月 一 〇 日 )

三 四 御 朱 印 境 内 地 堺 二 ︑ 燧 成 証 拠 書 物 等 一 向 無 之 候 得 共 ︑ 傍 示 杭 建 有 之 候 義 ︑ 取 梯 候 様 領 主 よ り 申 渡 候 而 も 不 苦 哉 問

合 (寛 政 三 年 一 二 月 一 一 日 )

三 五 寺 院 ︑ 修 験 ︑ 肚 人 ︑ 賭 勝 負 致 候 節 ︑ 取 斗 方 之 義 問 合 (寛 政 三 年 四 月 五 日 )

三 六 本 願 寺 末 寺 ︑ 是 迄 人 別 帳 二 ︑ 一 向 宗 ︑ 門 徒 宗 ︑ 浄 土 眞 宗 と 匠 々 二 有 之 候 処 ︑ 一 様 二 浄 土 宗 と 認 候 様 願 出 ︑ 如 何 爲

認 可 申 哉 問 合 (寛 政 二 年 = 月 二 〇 日 )

三 七 御 朱 印 地 之 寺 肚 よ り ︑ 出 火 類 焼 之 節 ︑ 遠 慮 者 等 申 付 候 哉 ︑ 本 寺 鰯 頭 江 も 其 趣 申 達 候 哉 問 合 (寛 政 二 年 = 月 } 九 日 )

三 八 一 向 宗 寺 院 当 住 ︑ 堂 上 方 猶 子 二 被 成 ︑ 金 紋 ︑ 給 符 ︑ 翠 簾 ︑ 網 代 乗 物 御 免 被 成 候 ︑ 以 後 相 用 申 度 旨 届 出 二 付 問 合

( 天 明 八 年 七 月 二 〇 日 )

三 九 檀 林 井 院 家 之 外 ︑ 御 朱 印 地 寺 院 ︑ 領 主 江 饗 し 不 届 有 之 節 ︑ 如 何 各 申 付 候 哉 問 合 ( 天 明 八 年 九 月 朔 日 )

四 〇 神 職 宗 旨 改 井 家 内 俗 男 女 之 者 離 檀 之 義 二 付 問 合 ( 天 明 八 年 八 月   八 日 )

四 一 百 姓 町 人 ︑ 虚 無 信 二 難 相 成 候 哉 問 合 ( 寛 政 元 年 二 月 二 日 )

四 二 輪 旨 所 持 之 信 井 平 信 共 ︑ 一 領 限 之 事 二 候 ハ ・ ︑ 追 院 以 上 之 仕 置 ︑ 本 寺 ︑ 燭 頭 江 掛 合 之 上 ︑ 領 主 二 而 申 付 不 苦 哉 問

合 ( 寛 政 元 年 二 月 )

四 三 見 知 不 申 者 よ り 証 印 無 之 盗 物 を 質 取 候 者 ︑ 領 主 二 無 断 鐵 砲 譲 請 候 者 井 領 内 二 而 火 を 附 致 盗 候 者 ︑ 餐 方 二 付 問 合 (寛 政 元 年 四 月 = 日 )

四 四 寺 號 無 之 庵 室 ︑ 本 寺 之 聞 届 二 而 寺 號 相 唱 ︑ 領 主 江 者 不 願 之 義 二 付 問 合 (寛 政 元 年 閏 六 月 二 八 口 )

四 五 御 朱 印 地 寺 院 ︑ 十 刹 住 持 職 之 公 帖 頂 戴 ︑ 改 衣 ︑ 乗 輿 ︑ 猫 禮 二 相 成 二 付 ︑ 一 代 者 公 儀 御 取 扱 も 替 候 哉 問 合 (寛 政 元 年 六 月 四 日 )

四 六 敵 討 ︑ 仇 討 ︑ 意 趣 討 二 相 違 御 座 候 哉 ︑ 井 再 敵 討 之 御 規 定 御 座 候 哉 問 合 ( 天 明 八 年 一 二 月 )

四 七 寺 社 境 内 有 來 之 堂 社 江 建 足 ︑ 又 者 新 規 堂 社 建 候 義 井 境 内 外 寺 社 持 之 地 所 二 ︑ 新 規 堂 社 等 造 立 之 義 二 付 問 合 (寛 政 五 年 一 〇 月 一 一 日 )

四 八 元 家 來 之 者 ︑ 死 罪 獄 門 二 取 斗 候 而 も 不 苦 義 二 御 座 候 哉 ︑ 他 方 二 引 合 無 御 座 無 宿 者 之 盗 賊 ︑ 自 分 仕 置 候 而 も 不 苦 哉

問 合 (寛 政 四 年 九 月 一 五 日 )

参照

関連したドキュメント

[r]

((.; ders, Meinungsverschiedenheiten zwischen minderjähriger Mutter und Vormund, JAmt

Zeuner, Wolf-Rainer, Die Höhe des Schadensersatzes bei schuldhafter Nichtverzinsung der vom Mieter gezahlten Kaution, ZMR, 1((0,

[r]

[r]

[r]

(評議員) 東邦協会 東京大学 石川県 評論家 国粋主義の立場を主張する『日

の会計処理に関する当面の取扱い 第1四半期連結会計期間より,「連結 財務諸表作成における在外子会社の会計