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一般情報処理教育のあり方 ネットワーク上での討論

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Academic year: 2021

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1  はじめに

一般情報処理教育のあり方 ネットワーク上での討論

工学部機械システム工学科 森山雅雄(編著)

E‑mail: [email protected]‑u.ac.jp 

平成 6 年度から我が長崎大学においても、全学教育の名のもとに 4 年一貫教育が施行さ れることになりました。その中でも、情報処理教育は、多くの学部で必修科目の指定がなさ れ、一般情報処理教育が「一見」重要視されているように見えます。しかし、現状は担当す る教官の不足などの問題が生じています。それに、最も「おかしい! J と感じているのは、

いつ決定されたのか?各学部でどの様な教育内容を必要としているのかが、まったく見え ないということです。これでは、「文部省がうるせえから、とりあえず必修にしとけ! J と いうノリで決めた、と思われでもしかたないのではないでしょうか?専門教育でプログラ

ミングの講義を担当し、平成 6 年度から一年生対象の情報処理教育を担当することになっ た私にしてみれば、これが本音です。全くの私見ですが、機械システム工学科ならば、 4 年 生になった時点で「とりあえずプログラミングができる」ことが、最低限必要となります。

果して、他学科、他学部の先生がたは、学生にどのようなことを望むのでしょうか ? f ワー プロや表計算ソフトが使えればいい J 、「やっぱり、プログラムくらいくめてほしい J 、「計 算機はほどほどでいい、ほかに覚えるべきことがある j などな E 、多くの意見をお持ちだ と思います。それでは、そういう意見は今回の決定に反映されているのでしょうか?もち ろん、全学教育専門委員会の方々のご苦労は十分承知しています。いちいち、全員の意見 を聞くのは大変なことだと思います。そこで登場するのが、「ネットワーク」なんですよ。

1 9 9 3 年 6 月から 8 月にかけて、長崎大学のローカルニュースグループである n a g a s a k i ‑ u . f orum において、「情報処理教育はどうあるべきか? J というテーマで、激論(?)が交わ

されました。このテーマには 1 0 0 件以上の意見が、学内だけでなく学外からも寄せられ、

情報処理教育に対する関心の高さを改めて感じました。本稿では、それらの内から、一般 情報処理教育に関する記事を(森山の独断で)抜粋して、紹介させてもらいます。

2  電子ニュース?

ローカルニュースグループなんて言われでも?という方に解説します。電子ニュースっ てご存じですよね。過去のセンターレポートに電子ニュースについてたくさんの記事が掲 載されています。私もそういう記事を読んで覚えました。一言で言えばよコンピュータネッ トワークを介した掲示板のようなものです。このニュースの中で、ネットワークに接続し

‑50‑

(2)

ているいろいろな団体(学校、企業など)が、独自に管理している「掲示板」をローカル ニュースグループといいます。長崎大学には、いくつかのローカルニュースグループがあ り、それらは、特定の大学(佐賀大、和歌山大、愛媛大、三重大、大阪府立大、大分大)に も公開しており、また逆にそれらの大学のローカルニュースグループも購読可能です。

3  nagasaki

u.forum にて

この節はニュースの記事を引用している部分と、その記事に対する私の意見の両方があ ります。引用部は、全体的に字下げをして表記します。

まず、中村氏@長大電気が、情報教育について以下のような問題提起をされました。

(前略)今のうちの学科の場合、

情報教育=プログラミング のような気がしますね。ん

o

情報教育=情報処理機器について の方が適当なのかな。

(中略)

(例えばこんな物理的でないネットワークのこと)という話しが抜けてるように思うので す。たしかに教えにくいところでもあるような気がしますが。これを、解決するには自に 触れさせることしかないんだろうね。(以下略)

これを受けて、川島氏@長大電気がこのような発言をされています。

ソフトとハードの両面から教育していくというのは正論だと思います。しかし、現代の 情報化社会のなかでメディアの lっとして確立しているネットワークについての教育が (なされない一一不足している)というのは片手落ちのような気がします。

ふむふむ、まずは、電気情報の学生さんに必要な技量(?)についての話ですね。これを私 (森山@長大機械)がうけて、一般的な情報処理教育への導入についての提案をしました。

私は、興味をもたせるのには賛成です。ただ、そのやりかたとして、いきなりプログラ ミングするよりも、ワープロ、

mail

news

みたいな取っつきやすい物で半年くらい遊ん でもらうのはどうかな?と考えているんですが。

こういう講義を 1 年生の前期で全学的にやって、その後、各学科毎の講義をすれば少しは

「コンピュータ嫌い

j

がへるんじゃないかな?

本稿で、私がいいたかったことはこれです。このような、「遊び j のような講義ができる のも大学の良いところではないでしょうか(高専ならこうはいきません)。この意見に対し て、中村氏@長大電気は、もっと専門的な言葉で賛同してくれました。

私もこの意見に賛成です。

言葉が適当かどうかわかりませんが、計算機教育なのか情報処理環境教育なのかという ところでしょうか。全学的にあるいは一般的に必要とされでいるのは、後者の情報処理環 境教育なのではないでしょうか。

この意見を受けて、白方氏@長大電気が初学者にどういうことを教えれば効果的か、と いう例を挙げてくれました。

‑51‑

(3)

自分達にとっても,まずは情報処理環境教育ということが重要だと思います.コンピュー ターを使用する利点を知ってもらう.単純作業を少なくできるとか,一回テキストを入力 しておけば後で再利用可能であるとか,データ処理だと人聞が手作業でやっていたらとて もできないようなことを一瞬でやってくれることなど.コンピューターを使う利点を知っ ていて欲しいと思います.

これらの意見のあとに、佐藤氏@和歌山大経済が、和歌山大学での情報処理教育の現状 をいくつかの記事の中で説明していただけました。

本学の経済学部でも、同様の趣旨で、最初の半年間でメールやニュース、エディター等 を教えることにしています。(中略)

と言っても、これは、本学の若手教官で話し合った末の結論で、私個人の見解ではありま せん。:ー)

教授会では、お年寄りの先生を中心に、そんなメールとか、ニュースとか、エディター などを教育するのに半年もかかるのか、せいぜい 3 回もやれば十分だろうなどという、実 情をまったく知らないような意見も出ました。(そういう先生に限って、メールもニュー スも使ったことがないし、 UNIX もご存知じゃない。:‑)) (中略)

実を言いますと、このようなカリキュラムに変更したのが昨年で、本年が 2 年目です。

しかも、

emacs

標準としたのが、今年からです。本学では、「赤信号、みんなで渡れば、恐 くない」という認識でしょう

o

いつまでもこの方式で良いかどうかはわかりません。もっ と外の選択があるかも知れないと言う危慎は持っています。

でも、常にみんなで議論しながら、決めるというスタンスでいきますので、当分は安心 して赤信号を渡れます。幸いにも、本学では時伐遅れのお年寄りの先生方は情報処理教育 に口出ししなくなっていますし。

みんなで議論、大事ですよね。和歌山と長崎では大学の大きさに違いがあるから、そう 簡単ではないかもしれないですけど、そこは電子メディアのカを借りればなんとかなりそ

つな…。

ここで、長崎大の問題点が出てきました。中村氏@長大電気の意見です。

うちの場合は、どうなんでしょうね。若手の先生方(特に講師以上)でもこういうこと に関して問題意識を持たれている人が小数のように思うのですが(後略)。

これに対しての私の意見です。

ある程度の問題意識はもっていらっしゃると思います。卒研で配属になった学生が、まっ たく計算機を知らないと嘆いておられる先生は結構いらっしゃるのでは?但し、みんな負 荷がかかるのが恐いのでは?

たぶん、私の意見の最後の一言が本音じゃないでしょうか?このような(たわけた)発 言にも佐藤氏@和歌山大経済が、すばらしいコメントを寄せてくれました。

そうですね。何ごともそうですが、これまでの慣習を変える時には相当な負担を覚悟し ないといけないと思います。でも、全体的に調整され、講義での重複などがなくなれば、

長期的には取り返すことができる初期投資だと思います。当初、言いだし.っぺの小数の方 に相当な負担がかかるのは避けられないとは思いますが、でもやらずには済ませられな いでしょう

o

きっと

o

52

(4)

納得させられますね。

ここで、ちょっと現実的な意見が花田氏@長大総合情報処理センタから寄せられました。

今のところ教養課程での「一般情報処理教育

J

には、座学での概論科目 (1)と、実機を イ吏った演習科目

( 2 )

がありますが、噂で聞いた話では、このうち概論部分が多くの学部で 必修化の方向にあるらしいですね。ところが、教養部の先生で「情報処理

2

1

J

を担当し ておられるのは、前期では

1

人だけです。(後期は他の先生が担当されるらしいですが。) 他はセンターの教官で担当してまして、助手である私も担当を要請されるのは必至と見

られています。(中略)この状態だとマシン環境以前だけでなく教育体制そのものが危機 です。

これが、問題ですよね。最後に私のボヤキを一つ。

必修化の内容まで決定できるかどうかです。必修の「のし紙

j

だけ張られでもねえ。そ うさせないためにも、こういう場所で声を出すことですね!!たくさんあればあるほど、

「いろいろな意見をきく必要がある!

J

という認識をもたれると思います。

4  もっと読みたい人ヘ

ここで紹介した記事はほんの一部です。もっと読んでみたい人は、センターの端末からワー クステーションにログインし、 gn と入力して、ニュースグループとして n a g a s a k i ‑ u . f o r u m を選択し、サフ'ジ、エクトとして j o u h o uk y o u i k u を選択して下さい。いくつか記事が表示さ れますので、リターンキーを叩いて行けば、順次その記事を読むことができます。

5  一般情報処理教育についての私見

個人的な意見ですが、やはり一般情報処理教育は、 m a i l や news 、せいぜいワープロ位で 十分じゃないでしょっか?これならどの学部の教官でも教えられますね(?)。ここまでやっ ておけば、プログラミングなり、各専門での応用も、もっと教えや.すくなるし、学生もよ

く理解してくれるのではないかと思うのですが、どっも、計算機リテラシー教育と情報処 理論(プログラミングも含む)教育が切り分けて考えられていないようですね

2

、ここは。

6  おわりに

というわけで、ネットワークでこういう議論がありました。これを危険なメディアと捕 らえるのか、便利な道具と捕らえるのかは、各自の自由ですが、少なくとも、ここで行わ れた討論は「透明 J であり、全学教育カリキュラムで感じられた「いつのまに ? J という、

うさんくささはありません o どうでしょう、このように「公開討論 J つてのをやってみて は?もっと広い意見が聞けると思うのですが。

最後になりましたが、ニュースの記事の引用を認めてくださった皆さん、どうもありが とうございました。本稿の全ての文責は森山にあります。

1

編著者注:平成6年度から「情報処理演習jという名称になるそうです。

2編著者注:どうも平成6年度からの「情報処理演習jは工学部の学生は受けられなくするらしい。理由 は「専門でやるからいいだろ。

J

だそうです。なに考えてんだろ?

53 

参照

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