依 然低 迷 を続 ける 日本経 済
花 田 功 一
は じ め に
日本 経 済 は普 及 率 の 上 昇 に よ るパ ソ コ ンや 携 帯 電 話 の 生 産 の伸 び の 鈍 化 や橋 本 政 権 の 財 政 再 建 路 線 に よ る 財 政 支 出 の抑 制 や ア ジ ア の 通 貨 危 機 に よ る輸 出 の 低 迷 な どに よ っ て1997年 春 か ら98年 い っ ぱい 後 退 を続 け た。
特 に98年 に は鉱 工 業 生 産 は 一7.2%と1975年 に次 ぐ大 幅 な減 少 とな った が,99 年 に入 る と景 気 は拡 大 を始 め,そ の 拡 大 過 程 は な ん とか2000年 末 ま で持 続 した 。
しか し,前 回 の93年 末 か ら97年 春 に か け て の 景気 拡 大 で も鉱 工 業 生 産 は 前 の ピ ー ク で あ る91年 の 水 準 を 回 復 しな か った の で あ るが,今 回 の 景 気 拡 大 にお い て も91年 の 水 準 を 回 復 す る こ と な く終 っ て しま っ た の で あ る 。 そ れ どこ ろ か, 今 回 の 景 気 拡 大 は 前 回 の景 気 拡 大 よ り一 層 力 の弱 い もの に終 り,97年 に到 達 し た 水 準 に さ え到 達 す る こ とな く終 っ て し ま っ た の で あ る。
こ の た め,日 本 経 済 に お い て は92年 か ら2001年 まで10年 に わ た っ て生 産 が 前 の ピ ー ク の 下 を俳 徊 し続 け る とい うか つ て な い極 め て 異 常 か つ 深 刻 な事 態 が 続 い て い る の で あ る 。 正 に"失 わ れ た10年"で あ る 。
本 稿 で は 今 回 の99年 か ら2000年 に か け て の景 気 拡 大 につ い て 景 気 拡 大 を も た ら した 要 因 とそ れ が なぜ 前 回 よ り一層 力 の 弱 い もの に終 っ て し ま っ た か とい う こ とに つ い て前 回 の 景 気 拡 大 を 分 析 し た 前 稿1)と 同 様 の視 角 か ら分 析 して み る こ とに した い。
1)拙 稿 「 低 迷 を 続 け る 日本 経 済 」 『商 学 討 究 』,第50巻 第1号,1999年 参 照 。
〔77〕
第1章 景 気 拡 大 の 要 因 第1節 拡大過程 の概観
本 章 で は今 回 の 景 気 拡 大 の基 本 的 要 因 に つ い て検 討 す るが,そ の 前 に ま ず, こ の景 気 拡 大 の過 程 を基 本 的 な 経 済 指 標 で 概 観 し,景 気 拡 大 の特 徴 を確 認 して お くこ と に し よ う。
初 め に,鉱 工 業 生 産 指 数 を見 て み る と,四 半 期 毎 で は(第1‑1表),99年 第1四 半 期 に1.7%と ま ず ま 第1‑1表 四 半 期 毎 の 鉱 工 業 生 産 指 数(季 節 調
整 値,1995年=・100)と そ の 伸 び 率(前 期 比,%)
指 数 伸 び率 指 数 伸 び率
94年 98年
1 94.0
一 〇.31 102.1
一1 .9H 96.3 2.4 H 97.6 一4 、4
皿 98.1 1.9 皿 97.8 0.2
w 99.6 1.5 w 96.5 一1 ,3
95年 99年
1 99.3
一 〇.31 98.1 1.7
H 100.7 1.4 H 97.7 一 〇,4
皿 98.9
一1 .8皿 100.3 2.7
1V 100.8 1.9 IV 101.6 1.3
96年 00年
1 100.2
一 〇.61 102.3 0.7
H 100.9 0.7 n 104.4 2.1
皿 102.6 1.7 皿 105.9 1.4
lV 104.4 1.8 w 106.5 0.6
97年 01年
1 107.0 2.5 1 102.8
一3 、5H 106.5
一 〇.5H 98.9
一3 .8皿 107.0 0.5 皿 94.6
一4 .3w 104.1
一2 .7IV 91.4 一3 .4
(出所)経 済 産 業 省 『 鉱 工 業 指 数 総 覧 』,同 『 鉱 工 業 指 数 年 報 』 よ り作 成 。
ず の伸 び と な っ た 後,第ll四 半 期 に は す ぐ 一〇.4%と わ ず か で は あ るが マ イ ナ ス に転 じ て し ま っ て い る 。 続 く第 皿 四 半 期 に は2.7%と 大 き く盛 り 返 した が,そ の後 は2000年 第
1四 半 期 に か け て 伸 び を大 き く落 と して い っ た 。 そ して, 2000年 第H四 半 期 に な っ て ま た2.1%と 高 い 伸 び と な っ た が,そ の 後 は ま た伸 び を大 き く落 と して い き,そ の ま ま後 退 過 程 に突 入 して し ま っ た。
こ う して,断 続 的 に高 い伸 び に な っ て も長 続 きせ ず,す
ぐに伸 び を大 き く落 と して い く とい う こ と を繰 り返 して後 退 過 程 に突 入 して い っ た の で あ る。
こ の よ う に拡 大 過 程 に勢 い
依然 低迷 を続 ける 日本 経済 79 を欠 い て い た た め,生 産 は 今 回 も91年 第1四 半 期 につ け た前 の ピ ー ク(107.3) も97年 第1四 半 期 の前 回 の 景 気 拡 大 にお け る ピ ー ク も超 え る こ とな く終 っ て し ま っ た の で あ る。
年 毎 で 見 て み る と(第1‑2表),99年 は前 半 が あ ま り高 くな い 伸 び とマ イ ナ ス で あ っ た た め,年 平 均 で も
第1‑2表 年毎 の鉱 工業生 産指 数(1995年 0・8%と 低 い 伸 び に 終 っ て し ま っ=・100)と その伸 び率(%) た が,99年 後 半 か らは プ ラス の伸
び が 続 い た こ と を反 映 して2000年 は5.8%と89年 以 来11年 ぶ り に
5%を 越 え る伸 び とな っ た 。 しか し,98年 が 一7.2%と い う大 幅 な マ イナ ス とな っ て い た た め,年 毎
で 見 て も91年 の 前 の ピー ク も97年(出 所)第1 ‑1表 に同 じ。
の 前 回 の 景 気 拡 大 に お け る ピ ー ク
も超 え る こ とな く終 っ て し ま っ た の で あ る。
また,拡 大 過 程 全 体 に お け る生 産 の 拡 大 率 を見 て も,前 回 の や は り力 の 弱 か っ た 景 気 拡 大 に お い て さ え 生 産 は93年 の96.0か ら97年 の106.0ま で10.4%と 10%を 超 え る拡 大 を達 成 した の で あ る が,今 回 の 景 気 拡 大 で は98年 の98.4か ら 2000年 の105.0ま で6.7%し か 拡 大 しな か っ た の で あ る。
次 に,設 備 投 資 を見 て み る と,四 半 期 毎(第1‑3表)で は,製 造 業 の 設 備 投 資 は98年 後 半 か らマ イ ナ ス と な っ て い た が,99年 に入 る とか え っ て マ イ ナ ス 幅 を 大 き く し,3期 に わ た っ て20%前 後 の 大 幅 な マ イ ナ ス を続 け た。 そ の 後 は マ イ ナ ス 幅 が 急 激 に縮 小 して い き,2000年 第II四 半 期 に は プ ラス に転 じ,続 く 第 皿 四 半 期 か らは4期 に わ た っ て2ケ タの 伸 び を続 け た。 しか し,す で に後 退 局 面 に 入 っ て い た2001年 第1四 半 期 に20%を 超 え る高 い 伸 び と な っ た ほ か は
10%程 度 の 低 い伸 び に と ど ま っ た。
こ うい う わ け で,製 造 業 の 設 備 投 資 は プ ラ ス の伸 び は5期,2ケ タの伸 び は 4期 しか 続 か な か った し,し か もそ の4期 の うち の3期 は10%程 度 の低 い 伸 び 年 指 数 伸 び率 年 指 数 伸 び率
88 94.9 9.6 95 100.0 3.2
89 100.4 5.8 96 102.3 2.3
90 104.5 4.1 97 106.0 3.6
91 106.3 1.7 98 98.4 一7 .2
92 99.8
一6 .199 99.2 0.8
93 96.0
一3 .800 105.0 5.8
94 96.9 0.9 01 96.8
一7 .8第1‑3表 四半 期毎 の製造 業 の設備 投 資額 とそ の伸 び 率(前 年 同期比)
(単位 億 円,%) 投資額 伸 び率 投資額 伸 び率
94年 98年
1 37,497
一20 .61 49,747 4.8
∬ 30,249 一18 .3 H 38,627 7.9 皿 35,658
一12 .2 皿 43,384
一6 .6
w 32,944
一11 .0IV 34,469
一15 .995年 99年
1 37,987 1.3 1 40,270
一19 .1H 33,479 10.7 H 29,139 一24 .6
皿 39,589 11.0 皿 34,605
一20 .2IV 35,395 7.4 IV 31,636
一8 .296年 00年
1 41,789 10.0 1 37,796 一6 .1
H 35,062 4.7 H 30,128 3.4
皿 42,067 6.3 皿 39,113 13.0
w 37,766 6.7 IV 34,913 10.4
97年 Ol年
1 47,488 13.6 1 46,343 22.6
1 35,807 2.1 H 33,291 10.5
皿 46,451 10.4 皿 38,043
一2 .7IV 40,981 8.5 IV 30,904
一11 。5(出所)財 務 省 『 法人 企業統 計季 報』 よ り作 成。
第1‑4表 年毎 の製造 業 の設備 投 資額 とその伸
び率(単 位 億 円,%)
年 投資額 伸 び 率 年 投資額 伸 び率
90 217,948 17.4 96 156,683 7.0 91 243,272 11.6 97 170,727 9.0 92 204,661 一15 .9 98 166,226
一2 .6
93 161,858 一20 .9 99 135,650 一18 .4
94 136,348
一15 .800 141,950 4.6 95 146,450 7.4 0ユ 148,581 4.7
(出 所)第1‑3表 に 同 じ。
に と ど ま った の で あ る。
こ の よ う に盛 り上 が りに欠 い た結 果,製 造 業 の 設 備 投 資 は今 回 の 景 気 循 環 の ピー ク の 2001年 第1四 半 期 で も ま だ4 兆6,343億 円 に しか 達 せ ず, 前 の ピー クの91年 第 皿1四半 期
の6兆4,987億 円 と比 べ る と 28.7%も 低 い 水 準 に と ど ま っ た し,前 回 の 景 気 循 環 に お け る ピ ー クの98年 第1四 半 期 の 4兆9,747億 円 に も 達 す る こ とな く終 っ て し ま った の で あ る。
年 毎 で 見 て み る と(第1‑
4表),99年 は 初 め の3期 に わ た っ て20%前 後 の 大 幅 な マ イ ナ ス が 続 い て い た こ とを 反 映 して 年 毎 で も 一18.4%と 大 幅 な マ イ ナス と な っ た。2000 年 は 後 半 に な っ て2ケ タの伸
び とな った が,前 半 は マ イ ナ ス と1ケ タ の伸 び に と ど まっ て い た た め,年 毎 で は4.6%
とブ ラス に転 じ は した が 非 常
に低 い 伸 び に終 っ た。そ して,
2001年 は前 半 は2ケ タ の伸 び
が続 い た が,後 半 は マ イ ナ ス
依 然低迷 を続 ける 日本経 済 81 と な り,マ イ ナ ス の 幅 が 拡 大 して い っ た た め,年 毎 で は4.7%の 伸 び に 終 わ り, こ の年 も2000年 とほ ぼ 同 じ低 い 伸 び に と ど ま っ た 。
こ の よ う に,い ず れ の 年 もマ イ ナ ス と低 い 伸 び に と ど ま っ た た め,2001年 の 設 備 投 資 額 は前 の ピー ク の91年 と比 べ る と38.9%も 低 い 水 準 に と ど ま っ た し, 前 回 の景 気 循 環 に お け る ピ ー ク の97年 と比 べ て も13.0%も 低 い水 準 に と ど まっ た の で あ る 。
以 上 の よ う な わ け で,前 回 の 景 気 拡 大 も非 常 に力 の 弱 い もの で あ っ たが,今 回 の 景 気 拡 大 は前 回 よ りさ らに 一 層 力 の 弱 い もの に終 っ て しま っ た の で あ る 。
しか し,と にか く99年 に入 っ て か ら景 気 は 拡 大 過 程 に 入 り,そ れ が2000年 い っ ぱ い 持 続 し た の で あ るか ら,そ の 景 気 拡 大 の 主 な 要 因 につ い て検 討 して み る こ と に し よ う。
第2節 景気拡大 の主要因 1.景 気 拡 大 の 主 要 因
今 回 の景 気 拡 大 の 主 な 要 因 を検 討 す る た め に,ま ず,99年 か ら2000年 に か け て の 鉱 工 業 各 部 門 の生 産 動 向 を見 て み る こ とに し よ う(第1‑5表)。
鉱 工 業 生 産 の99年 の 伸 び は平 均 で0.8%で あ っ た が,1〜2%程 度 の低 い伸 び の 部 門 は 別 と して,3%を 超 え る よ う な比 較 的 高 い伸 び を記 録 して い る部 門 は,電 気 機i械の6.7%と 化 学 の4.5%の み で あ る 。
2000年 の 伸 び は 平 均 で5.8%で あ っ た が,こ れ よ り高 い伸 び とな っ て い る の は鉄 鋼 の11.3%,非 鉄 金 属 の6.2%,一 般 機 械 の9.8%,電 気 機 械 の16.7%で あ る 。
この よ うに,99年 に は 化 学 工 業 も比 較 的 高 い 伸 び とな っ て い る し,2000年 に
は鉄 鋼 業 や 一 般 機 械 工 業 もか な り高 い 伸 び とな って い る が,い ず れ の 年 も電 気
機 械 工 業 が 最 も高 い伸 び を記 録 して い る こ と,ま た,2000年 に は化 学 工 業 は前
の ピー ク(97年 の104.8)を 超 え た が 非 常 に低 い 伸 び に終 っ て い る し,鉄 鋼 業
や 一 般 機 械 工 業 はか な り高 い 伸 び とな っ たが,ま だ前 の ピー ク は お ろ か 前 回 の
第1‑5表 鉱 工 業 各 部 門 の 生 産 指 数(1995年=100)と そ の 伸 び 率(%)
年 鉱 工 業 鉄 鋼 非 鉄 金 属 金 属 製 品 一 般 機 械 96 102.3 2.3 97.4
一2 .6103.2 3.2 100.8 0.8 10418 4.8 97 106.0 3.6 102.2 4.9 107.4 4.1 98.9
一1 .9108.3 3.3 98 98.4
一7 .290.3
一11 .696.0
一10 .689.4
一9 .696.2
一11 .299 99.2 0.8 88.7
一1 。898.6 2.7 88.8
一 〇.789.1
一7 .400 105.0 5.8 98.7 11.3 104.7 6.2 89.0 0.2 97.8 9.8
01 96.8
一7 .894.7
一4 。1105.4 0.7 83.1
一6 .686.9
一11 .1年 電 気 機 械 輸 送 機 械 精 密 機 械 窯業 ・土石製品 化 学
96 105.5 5.5 103.1 3.1 105.7 5.7 100.5 0.5 101.2 1.2 97 113.7 7.8 111.4 8.1 110.7 4.7 100.7 0.2 104.8 3.6 98 108.6
一4 .5101.9
一8 .5108.4
一2 .189.4
一11 .299.7
一4 .999 115.9 6.7 103.8 1.9 100.1 一7 .7 89.6 0.2 104.2 4.5
00 135.3 16.7 106.3 2.4 99.3 一 〇.8 94.5 5.5 105.4 1.2 01 112.5
一16 .9 106.2
一 〇.1 88.7
一10 .7 83.6
一11 .5 104.2
一1 .1
年 パルプ・ 紙紙 加工品 プラスチック製品 繊 維 食料品 ・た ばこ
96 100.6 0.6 101.5 1.5 102.4 2.4 97.0
一3 .0100.6 0.6 97 102.9 2.3 104.0 2.5 103.7 1.3 94.9
一2 .2100.1
一 〇.598 103.1 0.2 100.8
一3 .197.7
一5 .884.9
一10 .597.7
一2 .499 102.8 一 〇.3 102.7 1.9 97.0 一 〇.7 79.6
一6 .2 98.6 0.9
79.6
一6 .298.6 0.9
00 103.3 0.5 105.7 2.9 97.7 0.7 75.1
一5 .799.4 0.8
01 103.9 0.6 102.6
一2 .992.3
一5 .568.8
一8 .497.1
一2 。3年 そ の他 工 業
96 100.5 0.5 '
97 102.0 1.5 98 95.3 一6 .6
99 92.6
一2 .800 91.1 一1 .6
01 85.2
一6 .5(出 所)第1‑1表 に 同 じ。
第1‑6表
依 然低 迷 を続 け る 日本 経済83
電 気機 械工 業 の各項 目の生産 指数(1995年=100)と その伸 び率(%) 年 電 気 機 械 回転電気機械 静止電気機械 開閉制御装置機器 民生用電気機械
96 105.5 5.5 101.1 1.1 97.2 一2 .8 99.7
一 〇.3 101.4 1.4 97 113.7 7.8 102.2 1.1 104.4 7.4 101.8 2.1 95.7
一5 .6
98 108.6
一4 .590.8
一11 .297.0
一7 .196.9
一4 .883.2
一13 .199 115.9 6.7 92.8 2.2 77.2 一20 .4 90.0
一7 .1 82.3
一1 .1
00 135.3 16.7 91.3
一1 .680.9 4.8 95.8 6.4 80.6
一2 .101 112.5
一16 .982.1
一10 .187.6 8.3 85.3
一11 .077.2
一4 .2年 配線 照明用器具 通 信 機 械 民生用電子機械 通信・ 電子部品 半導体素子
96 103.0 3.0 142.2 42.2 87.4
一12 .6101.0 1.0 92.6 一7 .4
97 104.1 1.1 167.6 17.9 91.3 4.5 120.4 19.2 107.4 16.0 98 95.7 一8 .1 149.4
一10 .9 90.3
一1 .1 124.0 3.0 106.1
一1 .2
99 95.7 0.0 157.1 5.2 85.3
一5 .5146.8 18.4 121.6 14.6 00 100.5 5.0 184.4 17.4 83.6
一2 .0182.4 24.3 148.4 22.0 01 96.4
一4 .1171.3
一7 .167.2
一19 .6138.8
一23 .993.1
一37 .3年 集 積 回 路 半導体 部品 電子計算機 電子応用装置 電気計測器
96 99.0 一1 .0 120.7 20.7 116.3 16.3 107.0 7.0
97 96.9 一2 .1 一 134.4 11.4 108.9
一6 .4 112.7 5.3
98 85.9
一11 .4144.9
一127.5
一5 .198.6
一9 .589.3
一20 .899 91.8 6.9 162.6 12.2 126.0 一1 .2 105.3 6.8 86.0
一3 。7
00 114.0 24.2 197.2 21.3 143.6 14.0 113.4 7.7 113.4 31.9 01 84.4
一26 .0133.4
一32 .4143.1
一 〇.3113.0
一 〇.484.3
一25 .7年 電 池
96 120.4 20.4 97 144.1 19.7 98 157.9 9.6 99 199.3 26.2 00 231.4 16.1 01 207.4 一10 .4
(出所)第1‑1表 に 同 じ。
景 気 拡 大 の 時 の ピー クで あ る97年 の水 準 に さ え 達 して い な い こ と2),さ らに は, 現 在,景 気 を牽 引 す る リ ー デ ィ ン グ産 業 と して は 電 気 機 械 工 業 か せ いぜ い の と
こ ろ輸 送 機 械 工 業 以 外 に は考 え に くい こ と,こ れ らの こ とを 考 え合 わせ れ ば, や は り,今 回 の 景 気 拡 大 も前 回 同 様 電 気 機 械 工 業 主 導 に よ る もの で あ る と考 え て 間 違 い な い で あ ろ う。 そ こ で,次 に,電 気 機 械 工 業 につ い て や や 詳 し く見 て み る こ とに し よ う。
電 気 機 械 工 業 の99年 の 伸 び は 平 均 で6.7%で あ った が,第1‑6表 の よ う に, これ よ り高 い 伸 び とな っ て い る の は,通 信 ・電 子 部 品 の18.4%,半 導 体 素 子 の 14.6%,集 積 回 路 の6.9%,半 導 体 部 品 の12.2%,電 池 の26.2%で あ る 。
2000年 の伸 び は平 均 で16.7%で あ っ た が,こ れ よ り高 い 伸 び とな っ て い る の は,通 信 機 械 の ユ7.4%,通 信 ・電 子 部 品 の24.3%,半 導 体 素 子 の22.0%,集 積 回路 の24.2%,半 導 体 部 品 の21.3%,電 気 計 測 器 の31.9%で あ る。 な お,平 均 よ りは 低 い が 電 子 計 算 機 が14.0%,電 池 が16.1%で 平 均 に 近 い 伸 び と な っ て い
る。
第1‑7表 電 気機械 の 平均 以上乃 至 平均 に近 い 伸 び を 記 録 した項 目及 び そ の伸 び 率
(%)
1999年 2000年
電 気機械 の 平均 6.7 電気 機械 の平 均 16.7 通 信 ・電子 部 品 18.4 通信機械 17.4
半導体素子 14.6 通信 ・電 子部 品 24.3
集積 回路 6.9 半導体素子 22.0
半導体部品 12.2 集積 回路 24.2 電 池 26.2 半導体部品 21.3 電気計測器 31.9 電子計算機 14.0 電池 16.1
(出 所)第1‑6表 よ り作 成 。
こ れ ら を見 や す い よ う に ま と め て み る と第1‑7表 の よ う に な る 。
これ らの う ち,電 池 や 電 気 計 測 器 は あ ま り重 要 で は な い の で さ しあ た りこ れ ら を除 い て み る と,99年 は もっ ぱ ら半 導体 素 子 や 集 積 回 路 を初 め と す る電 子 部 品,2000年 は こ れ らの 電 子 部 品 に 加 え て 通信 機 械 や コ ン ピ ュ ー タ ーが 電 気 機
2)鉄 鋼 業 の 前 の ピー ク は91年 の110.7で,一 般 機 械 工 業 の そ れ は や は り91年 の116.8
で あ る 。
依然 低迷 を続 ける 日本 経済 85 械 の 生 産 拡 大 の 中 心 で あ っ た こ とが わ か る で あ ろ う。
こ う して み る と,99年 か ら2000年 にか け て の 電 気 機 械 の 生 産 拡 大 は電 子 部 品 の 生 産 拡 大 か ら始 ま り,後 に こ れ に 通 信 機 械 や コ ンピ ュ ー ター の生 産 拡 大 が 加 わ っ て 達 成 され た とい う こ と に な りそ うで あ るが,電 子 部 品 の生 産 拡 大 は基 本 的 に言 っ て 電 子 機 器 の 生 産 拡 大 の 結 果 で あ ろ うか ら,通 信 機 械 や コ ン ピ ュ ー ター につ い て も う少 し詳 し く検 討 して み る必 要 が あ る で あ ろ う。
まず,通 信 機 械 か ら見 て い く と,通 信 機 械 の 生 産 は,上 の よ うに,2000年 に は17.4%と 電 気 機 械 の 平 均 を超 え る非 常 に高 い 伸 び と な っ た が,99年 は5.2%
と平 均 に も及 ば ない 低 い伸 び に と ど ま っ て い た 。しか し,同 じ経 済 産 業 省 の 『 機 械 統 計 年 報 』 に よ っ て99年 に
生 産 額 が1兆 円 の 大 台 を超 え る に 至 っ た携 帯 電 話 の 生 産 を 見 て み る と,第1‑8表 の よ
うに,台 数 で は99年26.5%, 2000年27.6%と そ れ以 前 か ら
の 高 い 伸 び が まだ 続 い て い る し,金 額 で は97年 に一 時1ケ タに 落 ち て い た 伸 びが98年 に は2ケ タ とな り,99年 に は さ らに伸 び を 高 め,2000年 に は 37.8%と 極 め て 高 い伸 び と な
っ て い る。
また,
第1‑8表 携 帯 電 話 の 生 産 台 数,金 額,及 び, そ れ らの 伸 び 率
(単位 台,100万 円,%)
年 台 数 伸 び率 金 額 伸 び率
92 1,302,651 一 147,172
一
93 2,338,702 79.5 175,817 19.5 94 5,015,723 114.5 282,544 60.7 95 8,197,202 63.4 393,789 39.4 96 18,413,971 124.6 776,939 97.3 97 26,487,622 43.8 813,182 4.7 98 34,262,325 29.4 922,502 13.4 99 43,349,660 26.5 1,083,220 17.4 00 55,303,353 27.6 1,492,613 37.8 (出所)経 済産業 省 『 機械 統計 年報 』 よ り作 成。
コ ン ピ ュ ー タ ー に つ い て 見 て み る と,コ ン ピ ュ ー タ ー の 生 産 は,上 の
よ う に,2000年 に は14.0%と か な り高 い 伸 び と な っ た が,99年 は 一1.2%と マ
イ ナ ス に 終 っ て い た 。 し か し,や は り 『 機 械 統 計 年 報 』 に よ っ て す で に 主 力 商
品 と な っ て い る パ ソ コ ン の 生 産 を 見 て み る と,第1‑9表 の よ う に,台 数 で は
98年 は マ イ ナ ス で あ っ た が,99年 に は い き な り20%を 超 え る 高 い 伸 び と な り,
2000年 に は31.6%と さ ら に い っ そ う 伸 び を 高 め て い る 。 こ れ に と も な い 金 額 で
第1‑9表 パ ソ コ ン の 生 産 台 数,金 額,及 び, そ れ らの 伸 び 率
(単位 台,100万 円,%)
年 台 数 伸 び率 金 額 伸 び率
84 1,638,020
一268,002
一85 1,923,757 17.4 338,586 26.3
86 2,007,837 4.4 364,037 7.5
87 1,973,880
一1 .7382,949 5.2 88 2,424,428 22.8 488,267 27.5 89 2,903,778 19.8 798,939 63.6 90 3,018,251 3.9 906,886 13.5
91 3,033,927 0.5 923,267 1.8
92 3,014,891 一 〇.6 988,821 7.1 93 3,070,573 1.8 1,016,932 2.8 94 3,747,206 22.0 1,165,217 14.6 95 6,382,177 70.3 1,480,908 27.1 96 8,942,438 40.1 2,088,084 41.0 97 10,091,894 12.9 2,452,100 17.4 98 9,639,208
一4 .5 2,093,358
一14 .6
99 11,677,938 21.2 2,270,519 8.5 00 15,366,336 31.6 2,555,458 12.5
(出所)第1‑8表 に 同 じ。
も98年 に は 一14.6%と 大 き な マ イ ナス とな って い た が,99 年 に は10%近 く の 伸 び と な
り,2000年 に は さ らに伸 び を 高 め10%を 超 え る伸 び とな っ て い る。
こ う して み る と,99年 か ら 2000年 にか け て の 電 気 機 械 の 生 産 拡 大 は電 子 部 品 の 生 産 拡 大 か ら始 ま り2000年 に な っ て そ れ に 通 信 機 械 や コ ン ピ ュ ー タ ー の 生 産 拡 大 が加 わ る とい う形 で展 開 さ れ た とい う よ り は,一 時 伸 びが 落 ち た り,減 少 して い た 携 帯 電 話 や パ ソ コ ン の生 産 が 再 び盛 り返 しは じ め,こ れ を基 本 的要 因 の 一 つ と して電 子 部 品 の 生 産 も拡 大 して い く とい う形 で 展 開 され た と考 えた 方 が よい の で は な い か と思 わ れ る。
そ こで 以 下,通 信 機 械,コ ン ピ ュ ー タ ー,電 子 部 品 とい う順 序 で 電気 機 械 の 生 産 拡 大 の 要 因,し たが っ て ま た,今 回 の 景 気 拡 大 の 主 要 因 につ い て検 討 して い く こ と に した い 。
2.携 帯 電 話 の 生 産 拡 大
通 信 機 械 は,第1‑10表 の よ う に,有 線 通 信 機 器,無 線通 信 機 器,ネ ッ トワー
ク機 器 に 大 別 さ れ る が,ネ ッ トワー ク機 器 は ま だ生 産 額 が 小 さい か ら無 視 す る
こ とが で き るの で,有 線 通 信 機 器 と無 線 通 信 機 器 に つ い て 見 て み る と,ま ず,
依然 低迷 を続 け る 日本 経済 87 第1‑‑10表 通 信 機 械 の 生 産 額 と そ の 伸 び 率
(単位100万 円,%)
年 通信機械 有線通信機器 無線通信機器 ネ ッ トワー ク機器
90 2,977,581 12.9 1,983,741 11.1 993,840 16.7 91 3,063,638 2.9 1,955,602
一1 .41,108,036 11.5 92 2,819,947
一8 .01,746,926
一10 .71,073,021
一3 .293 2,811,839
一 〇.31,782,126 2.0 1,029,713
一4 .094 2,829,093 0.6 1,737,417 一2 .5 1,091,675 6.0 95 3,067,108 8.4 1,829,216 5.3 1,237,893 13.4 96 4,067,988 32.6 2,176,378 19.0 1,891,609 52.8 97 4,312,027 6.0 2,411,785 10.8 1,900,242 0.5
98 3,752,734
一13 .01,954,049
一19 .01,798,687
一5 ,3 一99 3,822,303 1.9 1,904,354
一2 .51,864,768 3.7 53,181
一00 4,287,052 12.2 1,923,441 1.0 2,304,423 23.6 59,188 11.3
(出 所)第1‑8表 に 同 じ。
有 線 通 信 機 器 は99年 は マ イ ナ ス 幅 は縮 小 したが,前 年 に引 き続 い て マ イ ナ ス で あ っ た し,2000年 も1.0%と ほ とん ど伸 び て い な い 。 こ の結 果,2000年 の 生 産 額 は ピー クの97年 の 生 産 額 よ り5,000億 円近 く(488,344百 万 円)も 低 い 額 に と ど ま っ て い る。
こ う して,有 線 通 信 機 器 の 生 産 は98年 か ら全 く低 迷 して い るの で あ る が,無 線 通 信 機 器 は99年 は3.7%と 低 い伸 び で は あ る が プ ラス に転 じて い る し,2000 年 に は23.6%と 非 常 に高 い伸 び と な っ て い る。
そ こ で,無 線 通 信 機 器 に つ い て や や 詳 し く検 討 して み な け れ ば な らな い が, 第1‑11表 か らわ か る よ う に,96年 以 降 は 無 線 通 信 機 器 を構 成 す る放 送 装 置 と 無 線通 信 装 置 と無 線 応 用 装 置 の う ち,無 線 通 信 装 置 が 全 体 の8割 を越 え て い る か ら,無 線 通 信 装 置 に つ い て だ け 検 討 す れ ば足 りる で あ ろ う。
第1‑12表 の よ う に,無 線 通信 装 置 は 固 定 通 信 装 置 と移 動 通 信 装 置 とそ の 他
の 通 信 装 置 とか らな っ て い る が,そ の他 の 通 信 装 置 は 金 額 が 小 さい か ら無 視 で
き る し,固 定 通 信 装 置 は98年 か らマ イ ナ ス を続 け て い る の で,無 線 通 信 装 置 の
生 産 拡 大 は も っ ぱ ら移 動 通 信 装 置 の 生 産 拡 大 に よ る もの で あ る と言 う こ とが で
第1‑11表 無 線通信 機器 の 生産額 とその伸 び 率
(単位100万 円,%)
年 無線通信機器 放 送 装 置 無線通信装置 無線応用装置
90 993,840 16.7 94,206 27.0 695,024 27.9 204,610 一12 .6
91 1,108,036 11.5 99,072 5.2 797,700 14.8 211,264 3.3 92 1,073,021 一3 .2 99,681 0.6 736,967
一7 .6 236,373 11.9 93 1,029,713
一4 .077,732
一22 .0710,381
一3 .6241,600 2.2 94 1,091,675 6.0 88,714 14.1 776,589 9.3 226,372 一6 .3
95 1,237,893 13.4 69,872 一21 .2 957,254 23.3 210,767
一6 .9
96 1,891,609 52.8 91,953 31.6 1,564,589 63.4 235,067 11.5
97 1,900,242 0.5 80,937 一12 ,0 1,557,294
一 〇.5 262,012 11.5
98 1,798,687
一5 .349,994
一38 .21,484,772
一4 ,7263,921 0.7 99 1,864,768 3.7 62,700 25.4 1,548,681 4.3 253,387
一4 ,000 2,304,423 23.6 49,193
一21 .51,966,800 27.0 288,430 13.8
(出所)第1‑8表 に 同 じ。
第1‑12表 無線 通信 装置 の 生産額 とその伸 び率
(単位100万 円,%)
年 無線通信装置 固定通信装置 移動通信装置 その他の通信装置
93 710,381 一3 .6 184,784 48.4 465,375
一 60,222
一19 .0
94 776,589 9.3 156,063 一15 .5 569,042 22.3 51,484 一14 .5
95 957,254 23.3 175,505 12.5 741,839 30.4 39,910 一22 .5
96 1,564,589 63.4 267,253 52.3 1,272,120 71.5 25,215 一36 .8
97 1,557,294 一 〇.5 268,213 0.4 1,260,448
一 〇.9 28,634 13.6 98 1,484,772
一4 .7 228,569
一14 .8 1,236,673
一1 .9 19,530
一31 .8
99 1,548,681 4.3 202,626
一11 .41,325,785 7.2 20,270 3.8 00 1,966,800 27.0 196,488
一3 。01,742,315 31.4 27,997 38.1
(出所)第1‑8表 に 同 じ。
きる。
そ こで,最 後 に,第1‑13表 で移 動 通 信 装 置 の 生 産 を見 て み る と,携 帯 電 話 以 外 は全 く低 迷 して い る こ とが 表 か ら直 ち に わ か るで あ ろ う。
こ うわ け で,結 局,通 信 機 械 で は99年 か ら2000年 に か け て 生 産 が 拡 大 した の
は もっ ぱ ら携 帯 電 話 だ け で あ っ た の で あ る。
依然 低迷 を続 け る 日本 経済 89 第1‑13表 移 動通 信装 置 の生産 額 と その伸 び率
(単位100万 円,%) 年 移動通信装置 陸上移動通信装置 (自 動 車 電 話) (携 帯 電 話) 93 465,375
一367,319 7.4 12,391
一49 .6175,817 19.5 94 569,042 22.3 468,959 27.7 5,320
一57 .1282,544 60.7 95 741,839 30.4 613,092 30.7 1,553
一70 .8393,789 39.4 96 1,272,120 71.5 1,053,741 71.9 2,438 57.0 776,939 97.3 97 1,260,448
一 〇.91,075,369 2.1 5,968 144.8 813,182 4.7 98 1,236,673
一1 .91,100,795 2.4 10,128 69.7 922,502 13.4 99 1,325,785 7.2 1,212,026 10.1 1,244
一87 .71,083,220 17.4 00 1,742,315 31.4 1,629,256 34.4 1,248 0.3 1,491,850 37.7
年 (無線呼出し装置) (そ の 他) 海上 ・航空移動通信装置 基地局通信装置
93 95,220 10.5 83,891 一 〇.2 37,964
一8 .4 60,092
一
94 106,878 12.2 74,217
一11 .530,560
一19 .569,522 15.7 95 94,339 一11 ,7 123,411 66.3 28,438
一6 .9 100,310 44.3 96 58,210
一38 .3 216,154 75.1 28,779 1.2 189,600 89.0 97 48,085
一17 .4 208,134
一3 .7 32,265 12.1 152,814
一19 .4
98 20,087
一58 .2148,078
一28 .932,600 1.0 103,277
一32 .499 4,329 一78 .4 123,233
一16 .8 26,105
一19 .9 87,654
一15 .1
00 4,106
一5 .2132,052 7.2 21,079
一19 .391,980 4.9
(注)陸 上 移 動 通信 装 置 の 「 そ の他 」 は陸上 移 動 通信 装 置 か ら自動 車電 話 と携 帯 電 話 と無線 呼 出 し装置 を差 し引 い て算 出。
(出所)第1‑8表 に 同 じ。
そ こ で,携 帯 電 話 の 生 産 を先 の 第1‑8表 に よっ て 改 め て 見 て み る こ と に し よ う。
まず,台 数 で は93年 か ら96年 にか け て2度 に わ た る100%を 超 え る伸 び を含 む 目ざ ま しい 伸 び を続 け た 。こ の わ ず か4年 の 間 に生 産 台 数 は92年 の1,302,651 台 か ら96年 の18,413,971台 へ14.1倍 も増 大 した。 そ の 後 伸 び は 落 ち て い き,97 年 に は50%を 切 り,98年 に は30%を 切 っ た 。99年 か ら2000年 にか け て は 伸 び は さ らに落 ち た が,し か し,そ れ で も20%台 後 半 の 高 い 伸 び を維 持 した の で あ る。
金 額 で は94年 か ら96年 に か け て 目 ざ ま し い伸 び が 続 い た後,97年 に は 伸 び は
一 時1ケ タ に落 ち た が ,98年 か らま た盛 り返 して い き,99年 に は20%に 近 い 高
い伸 び とな り,2000年 に は37.8%と い う極 め て 高 い伸 び と な っ た 。
この よ うに,99年 か ら2000年 に か け て携 帯 電 話 の 生 産 は台 数 で は20%台 後 半 の 高 い 伸 び を 維 持 した し,金 額 で も99年 に は20%に 近 い 高 い 伸 び と な り,2000 年 に は40%に 近 い 極 め て 高 い 伸 び と な っ た の で あ り,こ う し た携 帯 電 話 の生 産 の順 調 な拡 大 が99年 か ら2000年 に か け て の景 気 拡 大 の 基 本 的 要 因 の 一 つ とな っ た と考 え られ るの で あ る。
そ れ で は,こ の よ うに99年 か ら2000年 に か け て携 帯 電 話 の 生 産 が 順 調 な拡 大 を達 成 で きた 要 因 は何 だ っ た の で あ ろ う か。
そ の 最 大 の 要 因 は何 と言 っ て も携 帯 電 話 に よ る イ ン ター ネ ッ トや メ ー ル の サ ー ビス の 開 始 と液 晶 画 面 の カ ラ ー 化 に あ る と言 っ て よい で あ ろ う。
携 帯 電 話 に よる イ ン ター ネ ッ トや メ ー ル の サ ー ビ ス は99年2月 に 開 始 さ れ た NTTド コモ のiモ ー ドに 始 ま る が,同 年4月 に はDDI一 セ ル ラ ー グ ル ー プ が EZwebを,IDOがEZaccess3)を そ れ ぞ れ 開始 した 。 さ ら に,同 年12月 に は J一 フ ォ ンが まず 東 京,東 海,関 西 で 「J一 ス カ イ」 を 始 め,2000年4月 に は そ れ を全 国 に拡 大 した。
総 務 省 に よ る と,こ れ らの 携 帯 電 話 に よる イ ン タ ー ネ ッ トサ ー ビス の 利 用 者 数 は99年12月 末 に は す で に367.3万 人 に 達 して い た が,そ の1年 後 の2000年12 月 末 に は2,686.6万 人 と な り,1年 間 で7.3倍 と急 増 した 。
カ ラー 液 晶 画 面 の携 帯 電 話 は,ま ず,99年12月 初 め にNTTド コ モ が 発 売 を 開始 した が(機 種 名,デ ジ タ ル ・ム ー バF502iHYPER),こ れ にす ぐ続 い て, 同 年12月 末 に はJ一 フ ォ ン も発 売 を 開 始 した(同,J‑SHO2)。 そ し て,こ れ
らに だ い ぶ 遅 れ た が,2000年8月 に はDDI一 セ ル ラ ー グ ル ー プ とIDOも 発 売 を 開始 した(同,cdmaOneC309H)。
こ れ ら よ っ て携 帯 電 話 に 新 た な利 用 形 態 が 生 まれ る と と も に携 帯 電 話 が さ ら に魅 力 の あ る もの とな り,普 及 が 一 層 広 範 囲 に拡 大 した だ け で な く,買 い替 え 需 要 も拡 大 した の で あ り,こ れ が携 帯 電 話 の 生 産 の順 調 な 拡 大 を 可 能 に した の
3)こ れ は2000年7月1日 か らEZwebに 統 合 され た 。
依 然低 迷 を続 け る 日本経 済 9ヱ で あ る4)。
3.パ ソ コ ン の生 産 拡 大
次 に,99年 か ら2000年 に か け て の コ ン ピ ュ ー タ ー の 生 産 を 見 て み る こ と に し よ う 。
第1‑14表 の よ う に,合 計 で は,98年 の 一10.2%と い う 大 き な マ イ ナ ス に 比 べ マ イ ナ ス 幅 は 縮 ま っ た が,99年 も 一5.8%と ま だ 比 較 的 大 き な マ イ ナ ス を 続 け て い る 。 そ し て,2000年 に な っ て よ う や く プ ラ ス に 転 じ た が,2.3%と 非 常 に 低 い 伸 び に と ど ま っ て い る 。 こ の 結 果,99年 の 生 産 額 は ピ ー ク の97年 と 比 べ る と1兆 円 以 上(1,002,414百 万 円)も 低 い 水 準 と な っ て い る し,2000年 に な っ て も ま だ9,000億 円 近 く(875,279百 万 円)も 低 い 水 準 に と ど ま っ て い る の で あ
る 。
全 体 を コ ン ピ ュ ー タ ー 本 体 と 関 連 装 置 と に 分 け て 見 て み る と,本 体 の 方 は98 年 の 一13.5%と い う 大 き な マ イ ナ ス に 引 き 続 き99年 も マ イ ナ ス と な っ て い る が,マ イ ナ ス の 幅 は1.5%と だ い ぶ 小 さ く な り,2000年 に な る と6.9%と あ ま り 大 き な 伸 び で は な い が,プ ラ ス に 転 じ て い る 。
こ れ に 対 し て,関 連 装 置 の 方 は,99年 は 一10.8%と98年 の マ イ ナ ス よ り さ ら に 大 き な マ イ ナ ス と な っ て い る 。 そ し て,2000年 に な っ て も 一3.5%と マ イ ナ ス の 幅 は 小 さ く な っ た が,ま だ マ イ ナ ス を 続 け て い る 。
次 に,本 体 を パ ソ コ ン と パ ソ コ ン を 除 く本 体 と に 分 け て 見 て み る と,パ ソ コ
4)経 済 産 業 省 の 『 鉱 工 業 生 産 活 動 分 析 』 は こ れ ら の 他 に 高 速 化 や 大 容 量 化 や 超 軽 量 化 の 要 因 も挙 げ て,次 の よ う に 述 べ て い る。
「 携 帯 電 話 は ,文 字 情 報 サ ー ビ ス を提 供 す る新 シ ス テ ム,情 報 量 や ス ピ ー ド化 を 重 視 し た 新 方 式 の 導 入 に 加 え,超 軽 量 化 や 液 晶 の カ ラ ー 化 な ど の 新 製 品 が 春 需 や 年 末 商 戦 に か け 集 中 し て投 入 さ れ た こ と に よ り増 加 に 大 き く寄 与 し た 。」(『 平 成11 年 年 間 回 顧 鉱 工 業 生 産 活 動 分 析 』,177p)
「 携 帯 電 話 は ,ネ ッ ト利 用 に よる情報 サ ー ビスの 充実,さ らに高速 化や 大容 量化,
液 晶 の カ ラ ー 化 な どの 新 製 品 が 年 間 を 通 じ投 入 さ れ た こ と等 に よ り増 加 に 大 き く
寄 与 した 。」(『平 成12年 年 間 回 顧 鉱 工 業 生 産 活 動 分 析 』,161‑162p)
第1‑14表 電子 計算 機及 び関 連装 置 の生産 額 とその伸 び率 (単位100万 円,%)
年 電算機及び関連装置 電算機本体 (パ ソ コ ン)
84 2,914,884 一 1,106,35ユ 一 268,002
一
85 3,378,773 15.9 1,366,768 23.5 338,586 26.3 86 3,920,441 16.0 1,550,918 13.5 364,037 7.5 87 4,408,023 12.4 1,780,539 14.8 382,949 5.2 88 5,092,046 15.5 2,167,396 21.7 488,267 27.5 89 5,658,260 11.1 2,623,317 21.0 798,939 63.6 90 5,814,254 2.8 2,665,593 1.6 906,886 13.5 91 6,083,429 4.6 2,937,392 10.2 923,267 1.8 92 5,416,946
一11 .02,579,600
一12 .2988,821 7.1 93 4,811,574
一 ユユ.22,318,865
一 ユ0.1 ユ,0ユ6,9322.8
94 5,122,594 6.5 2,388,639 3.0 1,165,217 14.6
95 5,195,884 1.4 2,631,171 10.2 1,480,908 27.1 96 5,962,481 14.8 3,299,103 25.4 2,088,084 41.0 97 6,499,837 9.0 3,620,002 9.7 2,452,100 17.4 98 5,837,622
一10 .23,129,505
一13 .52,093,358
一14 .699 5,497,423
一5 .83,082,541
一1 .52,270,519 8.5 00 5,624,558 2.3 3,293,891 6.9 2,555,458 12.5
年 (パソコンを除 く本体) 関連 装置 の合 計
84 838,349
一1,808,533 46.6
85 1,028,182 22.6 2,012,006 11.3 86 1,186,881 15.4 2,369,523 17.8 87 1,397,590 17.8 2,627,485 10.9 88 1,679,129 20.1 2,924,651 11.3 89 1,824,378 8.7 3,034,943 3.8 90 1,758,707
一3 .63,148,661 3.7 91 2,014,125 14.5 3,146,037
一 〇.192 1,590,779 一21 .0 2,837,346
一9 .8
93
ユ,30ユ,933 一18.2
2,492,709
一12 .194 1,223,422 一6 .0 2,733,955 9.7 95 1,150,263
一6 .0 2,564,713
一6 .2
96 1,211,019 5.3 2,663,378 3.8 97 1,167,902 一3 .6 2,879,835 8.1 98 1,036,147
一11 .3 2,708,117
一6 .0
99 812,022 一21 .6 2,414,882
一10 .8
00 738,433 一9 .1 2,330,667
一3 .5
2,414,882
一10 .800 738,433 一9 .1 2,330,667
一3 .5
(出所)第1‑8表 に 同 じ。
依 然低 迷 を続 け る 日本 経済 93 ンを 除 く本 体 の 方 は99年 は 一21.6%と98年 の 一11.3%よ り一 層 大 き なマ イ ナ ス とな っ て い る し,2000年 に な っ て も 一9.1%と ま だ 大 きな マ イ ナ ス を続 け て い る 。
これ に対 して,パ ソ コ ン は,先 に も見 た よ う に,98年 に は 一14.6%と 大 きな マ イ ナ ス を記 録 して い た が,99年 に な る と8.5%と10%近 くの伸 び と な り,2000 年 に は12.8%と10%を 超 え る伸 び と な っ て い る。台 数 で は98年 に 一4.5%と 久 々
の マ イ ナ ス を 記 録 した後,99年 に は21.2%,2000年 に は31.8%と 高 い 伸 び を続 け て い る(第1‑9表 参 照)。
以 上 の よ うな わ け で,コ ン ピ ュ ー タ ー で は99年 か ら2000年 に か け て 生 産 が拡 大 した の はパ ソ コ ンだ け で あ っ た の で あ る 。 パ ソ コ ンの 生 産 は,上 の よ うに,
98年 に一 時 マ イ ナ ス とな りな が ら も99年 か ら2000年 に か けて 盛 り返 し て きた の で あ り,こ の パ ソ コ ンの 生 産 の盛 り返 し も今 回 の景 気 拡 大 の 基 本 的 要 因 の 一 つ とな っ た と考 え られ る の で あ る 。
パ ソ コ ンの 生 産 が99年 か ら2000年 にか け て 盛 り返 して き た最 大 の 要 因 は,何 とい っ て も,通 信 料 金 の 低 下 や 情 報 内容 の 多 様 化 ・充 実 に と もな う イ ン ター ネ ッ トの 一 層 急 速 な普 及 にあ る 。
この 点 に つ い て,総 務 省 の 『 情 報 通 信 白書 』 平 成13年 版 は次 の よ う に述 べ て い る 。
「 パ ソ コ ンの 普 及 に つ い て そ の 要 因 を み る と,郵 送 ア ンケー トで は,パ ソコ ンの 購 入 動 機 と して 『イ ン タ ー ネ ッ トを利 用 す る た め』 と回答 した 割 合 は,5 年 以 上 前 の購 入 者 で は15.5%に と どま っ て い る一 方,こ こ1年 未 満 で購 入 した 回 答 者 で は61.8%に 達 し て お り,5年 以 上 前 の購 入 者 で は 回答 率 が 最 も高 か っ た 年 賀 状,住 所 録 等 の 『 家 庭 で の 用 事 に 利 用 す る た め 』 との 回 答(44.4%)を 大 き く上 回 っ て い る 。ま た,パ ソ コ ン の所 有 世 帯 に お け る[平 成12年 の 一引 用 者]
イ ン タ ー ネ ッ ト接 続 率 を平 成11年 と比 較 す る と,49%か ら62%と13ポ イ ン ト増 加 して お り,イ ン ター ネ ッ トが パ ソ コ ンの 家 庭 へ の 普 及 を牽 引 して い る状 況 が
こ こか ら も うか が え る。」(87p)
パ ソ コ ン に よ る イ ン タ ー ネ ッ トの 急 速 な普 及 や 通 信 料 金 の低 下 は イ ン ター ネ
ッ ト接 続 サ ー ビス 事 業 者(ISP)数 の 増 大 か ら も推 し量 る こ とが で き る。
第1‑15表 に見 られ る よ うに,ISPのi数 は96 年 か ら97年 にか け て急 増 した が,そ の後 も大 き な 増 大 を続 け て い る の で あ る。
こ の ほ か,パ ソ コ ンが 大 容 量 ・高 機 能化 し た に もか か わ らず,価 格 が 低 下 して 買 い 求 め 安 く な っ た こ と もパ ソ コ ンの 生 産 が盛 り返 して きた 重 要 な要 因 とな っ た と考 え られ る 。
価 格 の 低 下 に 関 して は,第1‑9表 の 生 産 台 数 と金 額 とか ら1台 当 た りの 価 格 を 計 算 して み る こ と に よ っ て そ の お お よそ の と こ ろが つ か め る で あ ろ う。 第1‑16表 の よ う に,90年 代 前 半 は ま だ30万 円 を超 え て い た が,後 半 に な る と20 万 円 台 前 半 に ま で低 下 し,99年 に は20万 円 を切 っ て い る 。 そ して,2000年 に は16万 円 台 と価 格 は さ らに 一 層 低 下 して い る の で あ る5)。
4.集 積 回 路 の生 産 拡 大
第1‑15表 イ ン タ ー ネ ッ ト ・ サ ー ビ ス 提 供 事 業 者 数(年 末)
(単位 数,%)
年 事業者数 増大率 増大数
94 31 } 一
95 279 800.0 248
96 1,538 451.3 1,259
97 2,466 60.3 928
98 3,255 32.0 789
99 4,011 23.2 756
00 5,295 32.0 1,284
(出所)総 務 省 調 べ 。
第1‑16表 パ ソ コ ン1台 当 た りの 価 格
(単位 万 円)
年 年
90 30.0 96 23.4
91 30.4 97 24.3
92 32.8 98 21.7
93 33.1 99 19.4
94 31.1 00 16.6
95 23.2
(出所)第1‑9表 よ り作 成 。
以 上,通 信 機 械 と コ ン ピ ュ ー タ ー の生 産 拡 大 に つ い て見 て きた が,最 後 に, 今 回 の景 気 拡 大 で は 通 信 機 械 や コ ン ピ ュ ー ター よ り大 き な伸 び を記 録 した 半 導 体 素 子 や 集 積 回 路 を初 め とす る 電 子 部 品 の 生 産 拡 大 に つ い て検 討 して み る こ と
に し よ う。
5)以 上 の 点 に つ い て,経 済 産 業 省 の 前 掲 『 平 成11年 年 間 回顧 鉱 工 業 生 産 活 動 分 析 』
は 「パ ー ソ ナ ル コ ン ピ ュ ー タ は,引 き続 き大 容 量 ・高 機 能 化 が 進 む 中 で,低 価 格 化,
省 ス ペ ー ス 化 に加 え,イ ン タ ー ネ ッ トの 普 及 に よ り個 人,企 業 向 け が と も に 好 調 に
推 移 し た 」(179p)と 述 べ て い る 。
依 然低迷 を続 ける 日本 経 済 95 た だ,そ れ ぞ れ の 電 子 部 品 の生 産 拡 大 に は そ れ ぞ れ の 特 殊 な 要 因 も あ る で あ ろ うが,大 体 に お い て 生 産 拡 大 の 要 因 は 共 通 で あ る と思 わ れ る の で,こ こで は 最 大 項 目の 集 積 回路 に し ぼ っ て や や 詳 し く検 討 して い くこ とに した い 。
第1‑17表 の よ うに,集 積 回 路 の 生 産 は98年 に は 金 額 で 10.0%の 大 幅 マ イ ナ ス,個 数 で も1.7%の マ イ ナ ス と な っ て い た が,99年 に は プ ラス に 転 じ,金 額 で7.3%,個 数 で 15.5%と まず まず の伸 び とな っ た 。 そ して,2000年 に は金 額 で24.3%,個 数 で25.2%と
どち ら も25%前 後 の 久 々 の 大 きな 伸 び を記 録 した 。
この よ うな99年 か ら2000年 に か け て の集 積 回路 の 生 産 の 順 調 な拡 大 は,も ち ろ ん,今 ま で 見 て きた よ う な携 帯 電 話 の 生 産 の 順 調 な拡 大 や パ ソ コ ンの 生 産 の盛 り返 しを そ の 基 本 的 要 因 の 一 つ と して 達 成 さ
第1‑17表 集 積 回 路 の 生 産 個 数,金 額,及 び, そ れ らの 伸 び 率
(単位1000個,100万 円,%)
年 個 数 伸 び率 金 額 伸 び率 85 9,350,366 一L7 1,841,790
一6 .786 11,139,208 19.1 1,780,235
一3 。387 12,015,359 7.9 1,925,000 8.1 88 14,296,437 19.0 2,489,897 29.3 89 15,082,520 5.5 2,941,597 18.1 90 16,053,953 6.4 2,913,354
一1 .091 17,686,037 10.2 3,125,191 7.3 92 15,404,589
一12 .92,750,617
一12 。093 17,612,706 14.3 2,878,581 4.7 94 20,291,342 15.2 3,296,392 14.5
95 22,954,625 13.1 3,914,205 18.7
96 21,664,885
一5 .63,910,196
一 〇.197 25,650,595 18.4 3,844,830 一1 .7
98 25,215,697
一1 .73,461,169
一10 .099 29,136,504 15.5 3,714,343 7.3 00 36,492,495 25.2 4,615,242 24.3
(出所)第1‑8表 に 同 じ。
れ た もの で あ る こ とは 言 う ま で も ない で あ ろ う。
しか し,集 積 回路 を は じめ電 子 部 品 は輸 出 比 率 が 大 きい 。 経 済 産 業 省 の 『 通 商 白 書 』に よ る と,集 積 回 路 の輸 出 比 率 は98年 にす で に75.7%に 達 して お り6), 99年 以 降 は80%を 超 え て い る と見 られ る 。 した が っ て,輸 出 の 方 も検 討 して み な け れ ば な らな い 。
6)経 済 産 業 省 『 通 商 白 書 各 論 』 平 成11年 版,627p参 照 。
第1‑18表 の よ う に,集 積 回 路 の 輸 出 は96年 か ら98年 まで 大 き く低 迷 し,98年 に は8.7%の 大 き なマ イ ナ ス と な っ て い たが,99年 に は プ ラス に転 じ た 。 た だ,こ の 年 は ま だ3.9%と 生 産 額 の伸 び に も及 ば な い 低 い 伸 び で あ っ た が,2000年 に は 27.1%と 生 産 額 の伸 び を超 え る 大 きな伸 び と な っ た 。
こ の よ う に,3年 に わ た っ て 低 迷 を続 けて い た 集 積 回路 の 輸 出 は99年 か ら2000年 にか け て 盛 り返 して きた の で あ り,こ の よ うな 輸 出 の 盛 り返 し も また99年 か ら2000年 にか け て の 集 積 回路 の 生 産 の 順 調 な拡 大 の 基 本 的 要 因 の一 つ と な っ た と考 え ら れ る。
99年 か ら集 積 回路 の 輸 出 が盛 り返 して きた まず 第 一 の要 因 は 通 貨 危 機 で 落 ち 込 ん で い た ア ジ ア諸 国 の 景 気 が 回 復 して きた こ とに あ る。この こ とは, 第1‑19表 に見 られ る よ う に,99年 に は まだ ア メ リ カやEUへ の 輸 出が マ イ ナ ス に と ど ま っ て い る の に,通 貨 危 機 か ら早 く回復 して き た韓 国 や 中 国 へ の 輸 出 の 拡 大 を主 な 要 因 と して ア ジ アへ の 輸 出 が プ ラ ス とな っ て お り,続 く2000年 もア ジ アへ の
第1‑18表 集 積 回 路 の 輸 出 額 と そ の 伸 び 率
(単 位100万 円,%)
年 輸 出額 伸び率
85 581,801
一25 .186 523,131
一10 .187 592,373 13.2 88 845,707 42.8 89 1,147,781 35.7 90 1,101,296
一4 .091 1,111,998 1.0 92 1,250,598 12.5
93 1,452,525 16.1 94 1,867,483 28.6 95 2,449,232 31.2 96 2,404,863 一1 .8
97 2,433,460 1.2 98 2,221,390 一8 .7
99 2,307,400 3.9 00 2,933,751 27.1 01 2,372,424 一19 ,1
(出所)日 本 関税 協会 『 外 国貿 易 概 況』,電 波 新 聞社 『 電 子工 業年 鑑 』 よ り作 成。
輸 出 が30.5%と 大 き く伸 び て い る こ とか ら明 ら か で あ ろ う。 そ して,こ の ア ジ ア 諸 国 の 景 気 回 復 を き っか け と して,や や 減 速 して い た ア メ リ カの 景 気 が 再 び 盛 り返 して い き,そ れ と と もに ヨー ロ ッパ で も景 気 が 回 復 して きた こ とが2000 年 にお け る 集 積 回路 の 輸 出 の大 き な拡 大 を もた ら した と考 え られ る。
も ち ろ ん,こ の よ う な世 界 的 な景 気 の 回 復 ・拡 大 の 基 礎 に は 日本 の場 合 と同
様 イ ン タ ー ネ ッ トの急 速 な普 及 に と もな うパ ソ コ ンの 販 売 拡 大 や そ れ を 遙 か に
上 回 る携 帯 電 話 の 目 ざ ま しい販 売 の 拡 大 が あ る。
依然低 迷 を続 け る 日本 経済 ,97 第1‑19表 集 積 回路 の国別 輸 出額 とその伸 び率
(単位100万 円,%)
1996年 1997年 1998年 1999年 2000年
金 額 伸び率 金 額 伸び率 金 額 伸び率 金 額 伸び率 金 額 伸び率
総額 2,404,863 一1.8 2,433,460 12 2,221,390
一8,7 2,307,400
3.9 2,933,751 27.1 アメリカ 640,464
一12」 585,979
一8.5 465,990
一20.5 458,759
一1.6 546,711 19.2 アジァ9力 国合計 1,454,052 4.5 1,552,793 6.8 1,452,017
一6,5 1,534,859 5.7 2,002,712 30.5 (韓国) 150,652 17.1 157,639 4.6 146,465
一7.1 207,030 41.4 267,887 29.4 (中国) 44,946 22.8 58,488 30.1 68,100 16.4 102,921 51.1 144,062 40.0 (台湾) 169,679
一12.9 172,330 1.6
166,775 一3.2 164,708
一1.2 238,411
44.7
(香港) 237,006
4.3 317,649 34.0 279,669
一12.0 285,897
2.2 383,565 34.2
(タ イ) 106,362 17.3 96,307
一9.5 107,190 11.3 106,240
一 〇.9 129,865
22.2
(シ ンガ ポー ル) 359,049
一13.0 345,860
一3,7 298,537
一13.7 293,823
一1.6 385,550 31.2
(マ レー シア) 231,578 14.2 194,457
一16.0 153,525
一21,0 156,756
2.1 203,932 30.1
(フ ィリ ピ ン) 135,596 56.1 183,833
356 198,984 8.2 178,799
一10.1 183,546 2.7
(イ ン ドネ シア) 19,184 70.4 26,230 36.7 32,772 24.9 38,685 18.0 65,894 70.3 EU 247,613
一3.2 234,270
一5,4 248,458 6.1 247,531
一 〇.4 322,868 30.4 (出所)日 本関税協会 『 外国貿易概況』 より作成。
NUA社 に よ る と,第1‑20表 の よ う に,世 界 の イ ン タ ー ネ ッ ト利 用 者 数 は 97年 に83.6%と 目 ざ ま し い 伸 び を 記 録 し,
第1‑20表 世 界 の イ ン タ ー ネ ッ ト 1億 人 の 大 台 を 超 え た 後 ・98年 に は や や 伸 利 用 者 数
び が 落 ち た が,99年 か ら2000年 にか け て 再 び 伸 び を 大 き く し て い き,2000年 に は 77.6%と 再 び97年 の伸 び に近 い 目 ざ ま しい 伸 び を記 録 した 。 増 大 数 で も97年,98年 は 5,000万 人 程 度 で あ っ た が,99年 に は1億 人 を超 え る増 大,2000年 に は そ の さ らに倍 近 くの 増 大 を 記 録 して い る。
(単位100万 人,%) 年 月 利用者数 増大率 増 大 数
96.12 55
97.12 101 83.6 46
98.12 150 48.5 49
00.1 254 69.3 104
00.12 451 77.6 197
(出所)NUA社 調 べ 。
こ の よ う な イ ン タ ー ネ ッ トの 急 速 な 世 界 的 な 普 及 に と も な っ て,第1‑21表
の よ う に,パ ソ コ ン の 出 荷 台 数 も99年 に は26.1%と 非 常 に 高 い 伸 び と な り,98
年 の 倍 近 く も 増 大 し,2000年 に も14.2%と 高 い 伸 び を 続 け て い る 。
ま た,第1‑22表 の よ うに,携 帯 電 話 の 出荷 台 数 も99年 に はす で に60%近 く の 目 ざ ま しい 伸 び を記 録 して い た98年 の 伸 び を さ ら に上 回 り,増 大 数 で も1億 台 を超 え た 。 そ して,2000年 に も ま だ45.5%と 極 め て 高 い伸 び を続 け,増 大 数 で は99年 よ りさ らに 大 き くな り,1億3,000万 台 近 くに の ぼ っ て い る。
第1‑‑21表 世 界 の パ ソ コ ン の 出 荷 台 数
(単位1000台,%)
年 出荷台数 増 大率 増大数
97 80,608
98 93,310 15.8 12,702 99 117,626 26.1 24,316 00 134,279 14.2 16,653 01 128,060
一4 .6 一6,219