調理 済み食 品 中の食物繊 維 の定 量
玉 利 正 人
長 崎 大 学 教 育 学 部 家 庭 科 食 物 学 教 室 (平成3年10月31日 受 理)
Determination of Dietary Fiber in Cooked Foods
Mas at o TAMARI
Laboratory of Food and Nutrition, Faculty of Education, Nagasaki University, Nagasaki 852, Japan
(Received Oct. 31, 1991)
Synopsis
This investigation was carried out in order to determinate the content of dietary fiber in cooked foods.
Dietary fiber was isolated from freeze-dried materials of forty-cooked foods with a combination of enzymatic digestion by three enzymes (amylase, pepsin, pancreatine)
The decreasing order of content of the dietary fiber is as follows: Korusrou (6.74%) > Yudofu (6.30%) > Torukoraisu (6.00 % ) > Remon (5. 60 % ) > Do- raikarei (5.29 %) > Sakechahan (5.20 %) , Peppapirafu (5. 20 %) > Redkyabetu
(4.38%) > Wafusupageti (4.20%) > Kyabetugurinrifu (4.00 % ) > Potetosarada (3. 89 %) > Mikan (3. 87 % ) > MabOdoufu (3. 80 % ) > Daikontoasarinonimono (3.70%) , Korokke (3.70%) , Daikontowakamenowasabimayonegu (3.70 %) > Gyu- nikunotoubanzyanitame (3.69%) > Zyagaimotoingen (3.40%) , Hayasiraisu (3.40%)
> Kusikatu (3.39 % ) > Takuan (3. 37 %) , Kakiage (3.37 % ) > Kurimukorokke (3.30%) > Ringo (3.20%) > Sifildoscisu (3.19%) > Sukiyaki (3. 18 % ) > Gyu- don (3.10%) , Hanbagu (3.10%) > Nikuzyaga (3.00%) > Supagednaporitan (2.99
%) > Fukuzinzuke (2.91%) > Makaronisarada (2.89%) > Kyuri (2.80%) > De-
mis8su (2.70%) > OrientarusOsu (2.70%) > ZinzyasOsu (2.59%) > KorokkedOru-
denpotte (2.20%) > SisosOsu (1.90%) > TarutarusOsu (1.89 % ) > Keinikunositi-
riafuu (1.15%) .
はじめに
飽食時代に端的に象徴されるように,食糧供給が過剰に行われ,肥満や成人病にならな いように過食が警戒され,今日は,むしろ健康を考えて知的に食事を構築すべき必要性が 強調される時代になってきた。栄養の面からみると,「いかに必須栄養素や必要なエネル ギーを供給するか」よりも,「いかに健康に役立ち,寿命を延ばすため,栄養のバランス を考えて食品を選択するか」の時代に移行したようだ。食品中の難消化性の食物繊維も,
従来は非栄養素のレッテルを貼られていたが,健康に有用な食品成分であることが近年認 識され,むしろ五大栄養素に次ぐ「6番目の栄養素群」としての位置づけを確立しつつあ る。食物繊維は消化酵素で分解されずに消化管を移動し,その物理化学的性質一保水性・
ゲル形成・カオチン交換・吸着性・細菌による消化性一によって他の摂取食物の消化吸収 や内因性物質,胆汁酸・消化酵素などの活性に影響を与える。影響のおもなものとしては
(1)消化管の動きを活発にする,(2)便容積を増加させる,(3)内容物の消化管通過時間を短縮 させる,(4)腸内圧及び腹圧を低下させる,(5)食事成分の消化吸収を低下させる,(6)腸肝循 環する胆汁酸を吸着し,体外へ排出させる,(7)腸内細菌の種類を変動させる,などがあ る( ・2・3)。食物繊維は人問の消化酵素で分解されない食物中のすべての成分を指している ため,対象とする物質も広範囲にわたり,種類も多い。分類としては,水に対する親和性 から水溶性と不溶性の食物繊維に大別することができ,食品の種類が異なれば,食物繊維 の種類,性質,含有量なども異なってくる。個々の食品中の食物繊維含有量はある程度明 らかにされているが,私たちが毎日食べている調理済み食品における食物繊維含有量につ いての分析は,まだ多くなされていない。
そこで,本研究では,調理済み食品に含まれる水溶性食物繊維を定量するために,身近 な食事として,大学生協のメニュー1週間分の分析を行ったのでその成果を報告する。
実験材料及び方法
1.実験材料
分析に用いた試料は,下記の大学生協メニュー1週間分(合計40種類)であった。
1:コロッケ,2:大根とわかめのワサビマヨネーズ,3:ドライカレー,4:すきや き,5:串かつ,6ニスパゲティナポリタン,71マカロニサラダ,8:ポテトサラダ,
9:しそソース,10:キャベッグリーンリーフ,11=みかん,12:たくあん,13:鮭チャー ハン,14:オリエンタルソース,15:マーボー豆腐,16:クリームコロッケ,171タルタ ルソース,18:レモン,19:鶏肉のシチリア風,20:肉じゃが,21:きゅうり,22:レッ
ドキャベツ,23:ペッパーピラフ,24:シーフードソース,25:和風スパゲティ,26:コ ロッケゴールデンポッテ,27:じゃがいもといんげん,28:福神漬,29:牛肉の豆板醤妙 め,30:かき揚げ,31:大根とあさりの煮物,32:デミソース,33:トルコラィス,34:
コールスロー,35:りんご,36=牛丼,371湯どうふ,38:ハンバーグ,39:ハヤシライ ス,40:ジンジャーソース
メニューの中で,汁物,ご飯,魚肉類は実験材料から除いた。
2.実験方法
1)試料の調製法
各試料をシャーレに移して凍結乾燥を行った。凍結乾燥の運転条件は図1の通りである。
図1 凍結乾燥の条件
①上段棚温②上段品温
④下段棚温⑤下段品温
③ トラップ温度
⑥真空度<TQrr〉
A:調理済み食品 B:食物繊維
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以上の条件で凍結乾燥した試料を粉砕機で細かく砕き,約1.09を天びんで計り,食物 繊維分析用の試料とした。
2)緩衝液の調整
3種類の酵素分解を迅速に行うために次の3種の緩衝液を作成した。
アミラーゼを作用させるために,pH5.0クエン酸一クエン酸ナトリウム系緩衝液をつく る。0.lMクエン酸410m4(クエン酸1水和物8,629と水40L38m4を混合する。)と,0.IM クエン酸ナトリウム590m4(クエン酸ナトリウム2水和物17.359と水572.65m召とを混合す る。)を混合する。ペプシンを作用させるために,pH2.0のHCl−KCl系緩衝液をつくる。
0.2MHCll30m4(HClO.959と水129.05m4を混合する。)と,0.2MKCl870m4(KCl
l2.979と水857。03m召を混合する。)を混合する占パンクレアチンを作用させるために,pH 7.0のリン酸塩系緩衝液をつくる。O.5MKH2PO4390m4(KH2PO426.549と水363。46m召を 混合する。)と,0.5MNa,HPO、536m4(Na2HPO、95.989と水440.02m召を混合する。)
を混合する。
3)食物繊維の定量法
遠心管にクエン酸一クエン酸ナトリウム系緩衝液を40m4入れ,約1.09の試料を加える。
これに12m4のクエン酸一クエン酸ナトリウム系緩衝液に耐熱性アミラーゼ(α一Amylase)
を24㎎溶かした溶液から1.Om4を遠心管に加える。60℃の温度下で15分間,時々撹拝しな がらデンプンを分解した。次に3,000r.P.mで15分間の遠心分離を行い上清を除き,沈殿物 に,HCl−KCl系緩衝液を40mε加える。12m4のHCl−KCl系緩衝液にペプシンを12伽9溶か
した溶液から1.Om4をこれに加える。37℃の温度下で60分間,時々,撹拝しながらタンパ ク質を分解した。次に3,000r.p.mで15分間・の遠心分離を行い上清を除き,次に,この沈殿 物にリン酸塩系緩衝液を40m4加える。12mεのリン酸塩系緩衝液にパンクアチンを120㎎溶 かした溶液からLOm4をこれに加える。37℃の温度下で60分間,時々撹拝しながら糖質,
タンパク質や脂質などを分解した。次に3,000r.p.mで15分間の遠心分離を行い上清を得た。
さらにろ過によって完全に上清だけを得た。次に,ビーカーにこの上清を移し,上清の4 倍量のエチルアルコールを加えて一晩冷蔵庫に保存した後に上清を除き,白い沈殿物をシャ ーレに移し,凍結乾燥した。この乾燥物には食物繊維の外にリン酸塩が混入しているので,
透析によって無機塩を除き食物繊維のみを取り出した。その方法は凍結乾燥物に蒸留水を 加えて溶かし,透析膜の中に入れ,低温(7℃)で蒸留水の中で一晩スターラーで撹拝し ながら透析を行った。透析内容物をシャーレに移し,凍結乾燥を行い,食物繊維量を求め
た。
実験結果
1.調理済み食品の食物繊維量
試料1.09当たりの食物繊維量を表1に示した。
表1 調理済み食品の食物繊維量
月日 番号 試 料 名 重量 シャーレごとのさ(助 シャーレの さ(の
欄(9獄料9)
月日 番号 試 料 名 重量 シャーレごとの
さ(9〉
シャーレの さ(助
朧(9/試料9)
10
1 コロッケ 1,001 111,742 111,705 0,037
11
23 ペッパーピラフ 1,001 96,555 96,530 0,052
2 蝦とわかめのワサビマヨネーズ 1,001 109,024 108,987 O,037 24 シーフードソース 1,002 106.〔)06 105,974 0,032
3 ドライカレー 1,OO2 97,124 97,071 0,053 25 和風スパゲティ 1,000 108,385 108,343 0,042
4 すきやき 1,006 91,904 9L872 0,032 26 コロッケゴールデンポッテ 1,000 95,296 95,274 0,022
5 串かつ 1,003 78,848 78,814 0,034 27 じゃがいもといんげん 1,000 106,501 106,467 0,034
6 スパゲティナポリタン 1,003 94,286 94,256 0,030 28 福神漬 0,997 85,499 85,470 0,029
7 マカロニサラダ 1,004 127,773 127,744 0,029
11
29 牛肉の豆板醤妙め 1,002 88,029 87,992 0,037
8 ポテトサラダ 1,003 113,399 113,360 0,039 30 かき揚げ 1,010 126,823 126,789 0,034 9 しそソース 1,000 103,499 103,480 0,019 31 大根とあさりの煮物 1,000 92,861 92,824 0,037
10 キャベッ グリーンリーフ 0,500 88,256 88,236 0,040 32 デミソース 1,000 99,928 99,901 0,027
11 みかん 1,007 98,650 98,611 0,039 33 トルコライス 1,000 g4,267 94,207 O,060
12 たくあん 0,505 93,239 93,222 0,034 34 コールスロー 0,490 93,414 93,381 0,066
11
13 鮭チャーハン 1,001 83,235 83,183 0,052 11
35 りんご 1,000 109,616 109,584 0,032
14 オリエンタルソース 1,001 98,635 98,608 0,027 36 牛丼 1,001 94,915 94,884 0,031 15 マーボー豆腐 1,001 94,005 93,967 0,038 37 湯どうふ 上,000 100,333 100,270 0,063 16 クリームコロッケ 1,000 93,817 93,794 0,033 38 ハンバーグ 1,001 85,945 85,914 0,031 17 タルタルソース 1,005 9L905 91,886 0,019 39 ハヤシライス 1,000 108,016 107,982 0,034
18 レモン 0,500 89,160 89,132 0,056 40 ジンジヤーソース 1,003 124,576 124,550 0,026
19 鶏肉のシチリア風 2,001 107,899 107,876 0,011
20 肉じゃが 1,000 87,618 87,588 0,030
21 きゅうり 0,500 103,751 103,737 0,028
22 レッドキヤベツ 0,480 96,265 96,244 0,042
結果から,大体が3肋9前後の食物繊維が含まれていた。野菜類では,キャベツグリーン リーフが40㎎,レッドキャベツ42㎎,コールスロー66㎎とキャベツが多かったのに対して,
きゅうりは2額9だった。果物類では,レモン5肋9,みかん3肋9,りんご3肋9で,レモンが 一番多かった。以外に多く含まれていたのは穀類だった。鮭チャーハン5肋9,ペッパーピ ラフ52㎎,トルコライス6伽gl和風スパゲティ42㎎,スパゲティナポリタン30㎎という結 果で,私たちが毎日食べているお米には結構含まれていることがわかった。サラダでは,
ポテトサラダ3肋g,マカロニサラダ2肋gとポテトサラダの方が多かった。肉類と野菜がミッ クスされた料理では,すきやき32㎎,串かつ34㎎,肉じゃが3肋g,牛肉の豆板醤妙め37㎎,
牛丼31艀g,ハヤシライス(ルゥのみ)3勲gと,あまり変わらなかった。肉料理である鶏肉 のシチリア風は1!耀gで一番少なかった。ソース類は全体的に低く,シーフードソース32ηg,
オリエンタルソース27濡g,デミソース27㎎,ジンジャーソース2欲g,しそソース19耀g,タ ルタルソース1肋gであった。マーボー豆腐は3額gだったが湯どうふは大変多く6訪gもあっ
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食物繊維含有率を図2に示した。
図2 調理済み食品中の食物繊維含有率
月日 番号 試 料 名
鱗含有率(鮒
10
1 コロッケ 3,696
2 大根と拗吻ワサビマヨネーズ 3,696
3 ドライカレー 5,289
4 すきやき 3,181
5 串かつ 3,389
6 スパゲティナポリタン 2,991
7 マカロニサラダ 2,888
8 ポテトサラダ 3,888
9 しそソース 1,900
lO キャベッ グリーンリーフ 4,000
11 みかん 3,873
12 たくあん 3,366
11
13 鮭チャーハン 5,195
14 オリエンタルソース 2,697
15 マーボー豆腐 3,796
16 クリームコロッケ 3,300
17 タルタルソース 1,891
18 レモン 5,600
19 鶏肉のシチリア風 1,149
20 肉じゃが 3,000
21 きゅうり 2,800
22 レッドキヤベツ 4,375
O 5 10(%) 月日番号 試 料 名 鰍含有率(輸
11
23 ペッパーピラフ 5,195
24 シーフードソース 3,194
25 和風スパゲティ 4,200
26 コロッケゴーレデンポッテ 2,200
27 じゃがいもといんげん 3,400
28 福神漬 2,909
29 牛肉の豆板醤妙め 3,693
30 かき揚げ 3,366
31 大根とあさりの煮物 3,700 32 デミソース 2,700
33 トルコライス 6,000
34 コールスロー 6,735
11
35 りんご 3,200
36 牛丼 3,097
37 湯どうふ 6,300
38 ハンバーグ 3,097
39 ハヤシライス 3,400
40 ジンジヤーソース 2,592
0 5 10(%)
実験に用いた40種類の調理済み食品の食物繊維含有率を高い順にまとめてみると図3の 通りであった。
図3 調理済み食品中の食物繊維含有の高順位
順番 試料 名
㈱含有率(鳴
1 コールスロー 6,735
2 湯どうふ 6,300
3 トルコライス 6,000
4 レモン 5,600
5 ドライカレー 5,289
6 鮭ヤーハン 5,195 7 ペッパーピラフ 5,195 8 レッドキャベツ 4,375 9 和風スパゲテイ 4,200
10 キャベツ グリーンリーフ 4,000
11 ポテトサラダ 3,888
12 みかん 3,873
13 マーボー豆腐 3,796
14 大根とあさりの煮物 3,700
15 コロッケ 3,696
16 大恨とわかめのワサビマヨネーズ 3,696
17 牛肉の豆板醤妙め 3,693 18 じゃがいもといんげん 3,400
19 ハヤシライス 3,400
20 串かつ 3,389
21 たくあん 3,366
22 かき揚げ 3,366
0 5 10(%) 順番 試 料 名 顯含有率(嚇
23 クリームコロッケ 3,300
24 りんご 3,200
25 シーフードソース 3,194
26 すきやき 3,181
27 牛丼 3,097
28 ハンバーグ 3,097
29 肉じゃが 3,000
30 スパゲティナポリタン 2,991
31 福神漬 2,909
32 マカロニサラダ 2,888
33 きゆうり 2,800
34 デミソース 2,700
35 オリエンタルソース 2,697
36 ジンジヤーソース 2,592
37 コロッケゴールデンポッテ 2,200
38 しそソース 1,900
39 タルタルソース 1,891
40 鶏肉のシチリア風 1,149
0 5 10(%)
コールスロー6.74%>湯どうふ6.30%>トルコライス6.00%>レモン5。60%>ドライカ レー5.29%>鮭チャーハン5.20%,ペッパーピラフ5。20%>レッドキャベツ4.38%>和風 スパゲティ4.20%>キャベツグリーンリーフ4.00%>ポテトサラダ3.89%>みかん3.87%
>マーボー豆腐3.80%>大根とあさりの煮物3.70%,コロッケ3.70%,大根とわかめのワ サビマヨネーズ3.70%>牛肉の豆板醤妙め3.69%>じゃがいもといんげん3.40%,ハヤシ ライス3.40%>串かつ3.39%>たくあん3.37%,かき揚げ3.37%>クリームコロッケ3.30
%>りんご3.20%>シーフードソース3.19%>すきやき3.18%>牛丼3.10%,ハンバーグ 3.10%>肉じゃが3.00%>スパゲティナポリタン2.99%>福神漬2。91%>マカロニサラダ 2.89%>きゅうり2.80%>デミソース2.70%>オリエンタルソース2.70%>ジンジャーソー ス2.59%>コロッケゴールデンポッテ2.20%>しそソース1.90%>タルタルソース1.98%
>鶏肉のシチリア風1.15%という結果になり,食物繊維含有率が一番高かったのはコール スローで,最も低かったのは鶏肉のシチリア風であった。
考察
実験の最終段階で,アルコールを加えて食物繊維を沈殿させ凍結乾燥後,重量を計った 結果,試料の30種類の繊維量が2.09以上になり,最初の試料の重量よりも重くなった。
これは,繊維だけでなくて何か別のものが含まれているためで,おそらく最後に使用した 緩衝液であるリン酸塩が含まれている可能性が考えられ,このリン酸塩系緩衝液40m4にエ
チルアルコール160ccを加えて一晩放置したところ,かなり沈殿物が得られた。このリン 酸塩を取り除かないと正確な繊維量が得られないため,透析で除去することにした。
食品群別の食物繊維量を図4に示した。
図4 調理済み食品中の食物繊維の食品群別含有率
(%)
5
6,735
4,375
5,600 6・0005,289
5,1955,195
6,300
4,000 2,800
3,873 3,200
4,200
2,991 3,366 2,909
3.7963.696 2・697 3・300 3.1942.700 2.200
2,592 1,9001,891
1.149
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鶏 肉 の シ チ リ ア 風
この図から,野菜中心の料理には食物繊維量が多く,野菜があまり含まれていない魚肉 中心の料理には少ないということがわかった。キャベッ,レモン,みかんは,他のものと 比べてやはり高い値を示した。しかし,キャベツ6欲gに対してきゅうりが2勘gとかなり少 なかった。また,みかんよりもりんごの方が繊維量が多いと思っていたが,みかん39ηg,
りんご3肋gとりんごの方が低かった。お米を使った料理には,以外と多くの繊維が含まれ ていた。ドライカレー,鮭チャーハン,ペッパーピラフ,トルコライスなどは,すべて50 耀gを超えるという高い値だった。お米と同じように炭水化物を多く含むものにめん類があ
るが,めんを使った料理であるスバゲティナポリタンや和風スパゲティも他のものに比べ ると,繊維量は多かった。油を多く使った揚げ物は,串かつ,かき揚げ共に3勲gの繊維量 だった。油や肉には繊維は含まれていないので,これはそれぞれに材料として用いられて いる野菜(串かつでは玉ねぎ,かき揚げではごぼうやにんじんなど)に含まれている繊維 量だといえる。コロッケ類は大変興味のあるデータが得られた。同じコロッケでも種類に よって食物繊維量に違いが見られた。普通のコロッケは37㎎,クリームコロッケ3諏g,コ ロッケゴールデンポッテ2肋g含まれていて,普通のコロッケとクリームコロッケはあまり 差はみられなかったが,コロッケゴールデンポッテは一番少なく,これは,ひき肉を多く 使ってあることが原因だと考えられる。普通のコロッケが一番多かったのはじゃがいもを 使ってあるためと思われる。漬けもの類は,たくあん3勲g,福神漬2肋gでたくあんの方が 多かった。豆腐を使った料理では,湯どうふが63㎎で大変多かった。それに比べてマーボー 豆腐は3蹴gと少なく,これも全体量の半分くらいひき肉が使ってあるからだと考えられる。
ソース類は,カロリーが高い割には繊維量が非常に少なく,しそソース1肋g,タルタルソー ス1肋g,シ_フ_ドソ_ス32耀g,デミソ_ス2伽g,ジンジャーソース2肋gという結果だっ た。シーフードソースが多いのは,ベースがホワイトソースであるため,他のソースに比 べて使ってある小麦粉の量が多いためと考えられる。デミソースもベースがブラウンソー スなので他に比べて高い値を示した。肉類には繊維は含まれていないので肉を使った料理
である鶏肉のシチリア風の繊維量は当然低くll㎎と,40種類の試料の中で最も低かった。
鶏肉のシチリア風とは,鶏肉の上にピーマンとチーズをのせて焼いた料理で,ll㎎という 繊維量はおそらくピーマンに由来するものだといえる。
要約
調理済み食品に含まれている食物繊維量は,調理に使われている野菜の量や肉の量によっ て違うことがわかった。野菜をたくさん使ってある料理の食物繊維含有率は高く,おもに 肉が中心で野菜が少ししか使われていない料理の食物繊維含有率は低かった。お米を使っ た料理(チャーハン,ピラフなど)は,他の料理に比べて食物繊維含有率がかなり高かっ た。ハヤシライスや牛丼などはごはんを除いたルゥだけの食物繊維含有率であるが,ルゥ だけではそれほど高い値は示さなかった。最も多かったのは,コールスロー,湯どうふ,
トルコライスで6.0%以上も含まれていた。それに対して,しそソースやタルタルソース などのソース類や,肉を中心とした料理である鶏肉のシチリア風は,含有率が最も低く 2.0%未満であった。
謝辞
協同研究者の平成元年度卒業生の岩永礼子氏(現 長崎大学生協食品部の皆様にお礼申し上げます。
K TN)及び試料をご提供下さった
文献
印南 敏,桐山修八:食物繊維(1982),第一出版(東京).
D.P.バーキット,H.G.トローウェル編,細谷憲政監修,阿部 岳,阿部啓子訳:食物繊維と 現代病(1982),自然社(東京〉.
3.中埜 拓,前崎祐二,青江誠一郎,大田冨貴雄,綾野雄幸1栄食誌,42(3),267(1989).