2007 年度 修士論文
Recommendation 取り入れた
Deit Social Networking Systemの構築
早稲田大学大学院理工学研究科情報ネットワーク専攻 成田研究室 修士課程 2 年
片野 隆太郎
2008年2月4日
概要
目覚しい高度情報化社会を迎えており、インターネットが普及し、膨大なデジタル情報 が公開されています。そして、急激なコンピュータやインターネットの発展により、さまざ まなデータを世界中から大量に収集可能となってきました。現代社会はまさに情報によっ て成立していると言っても過言ではない世の中なのです。しかし、全ての情報が利用者にと って有用なわけではないということも事実で、 大量に集まった情報のなかから不要なもの を排除し,必要な情報を得るという作業が必要となってきます。普段私たちは、情報を捜す とき、Yahoo!!や Google と言った検索エンジンを利用し、情報を収集します。しかし、その膨 大な情報から、検索するのに適切なキーワード選択が難しかったり、検索結果が膨大に なりすぎたり、また検索結果を見ても、どれが自分に合っている情報なのかわからなか ったりといった問題が生じています。「検索(Search)」というものは、ネット上にある情 報を得るための手段の一つに過ぎなく、他の手段でいくらでも実現する可能性があるとも 考えられます。そこで、ここ数年注目を集めているのが、コンテンツや利用者の特徴等を用 いて、適切な情報を推薦するパーソナライゼーション技術やリコメンデーション手法で す。情報爆発(information explosion)や情報洪水(information overflow)とも呼ばれる情報 過多を克服するため,利用者が望む情報を見つけることを補助するシステムとして、近年、
推薦システムは多くの注目を集めているのです。
中古車販売会社大手のガリバーのサイトでは、過去の利用者の履歴分析に応じて、Aが検 索されたときには、自動的にBという車の情報も表示する仕組みを取り入れています。これ により、Bのことはなにも知らなかった利用者が、自分の好みに近い車種を一度に見ること ができるわけで、利便性は大いに上がると考えられます。また、イギリスの音楽サイトを運 営している会社では、自分のパソコンに好きな曲をダウンロードして楽しむことが出来る が、300曲以上ためるとパソコンが好みの曲を勝手にチョイスして流してくれるのです。
車も音楽も、人間の嗜好や好みを読み取って提案するという「検索から推薦へ」というのが 新しい潮流になってきています。
この推薦という考え方をダイエット・サプリメント関連に適用し、ソーシャル・ネット ワーキング・サービスを構築してみようというのが本研究です。ダイエット市場は米国で
は2兆2,500億円、日本の1兆円を越す巨大マーケットとなっており、毎年拡大し続けてい
るのです。肥満で悩む人々にとって、痩せたいという願望はどこの国でも同じなのです。と りわけ新種のダイエット方法は人々の興味を集めることができるため、テレビや雑誌でも 大々的にとりあげるのです。すると、消費者はそのダイエット手法を取り入れた商品をイン ターネット上で検索するため、オンライン販売が活発になるというのが今日の流れです。健 康に関連したブームには口コミが大きく作用しています。例えば、マスコミを介して「ヨー グルトが花粉症に効く」と紹介されると、ヨーグルトが売り切れ状態となる店舗が続出、メ ーカー側もこれを商機に増産するという現象にまでなっています。それまでは普通の食材 として話題にならなかったものも、「体によい」という口コミが広がることによって、「売れ 筋商品」にかけあがることは珍しくないのが最近の傾向です。特に「ダイエット」というテー マに関しては、いつの時代にも女性層を中心として人々の関心を集めているのです。
本稿は、第1章で検索から推薦の流れやダイエット・サプリメント業界の現状などの研究 背景について述べます。第2章では、推薦システムの定義と手法、第3章で、SNS(ソーシャ ル・ネットワーキング・サービス)のあり方について解説します。第4章、第5章において、
本システムの概要・詳細について説明します。第6章、第7章で、実際に使用したユーザから のアンケートをもとにシステム評価を行った結果や改善点、推薦システムの今後の展望に ついて記します。
Abstract
Today we live in an information age, the Internet has prevailed dramatically and a huge amount of digital information can be found. With the rapid development of computers and the Internet, we can now collect various data from all over the world. It is no exaggeration to say that modern society is based on the very information. It is true, however, that information is not always helpful to users, and it is necessary to exclude needless information and get what we need. When we search, we usually use search engines such as Yahoo! and Google to collect information. However we have difficulty to choose appropriate keywords for search, often get too many results, or have no idea of what information of the results is the most suitable. “Search” is nothing but a means to get information on the Internet and there are probably various possibilities of other means. With this factor, personalization technology and recommendation technology are receiving attention of late years, which recommend appropriate information by using contents and characteristics of users. This recommendation system is expected to help users find information they want in order to get over the glut of information, so-called “information explosion” or “information overflow”. For example Gulliver, the major used car dealership has adopted that system on its Website, which displays car B automatically when car A is searched according to historical analysis of past users. This system helps a user who knows nothing about car B to find a car which suits him/her better, and such system can be expected to enhance the convenience greatly. Also on the site of an England’s music company, where we can download songs we like, the system chooses us songs arbitrarily when we keep more than 300 songs in our computer. In these ways, “from search to recommendation” is getting a new trend, which reads our taste and recommends such things as a car or a song to us. I would like to apply this idea of recommendation to the diet and supplement industry and build a social networking system on this study. The diet market is continuing to spread every year, which exceeds 2.25 trillion in the U.S. and a trillion in Japan. Everyone worried about overweight wishes to lose weight regardless of national borders. Especially a new kind of diet can
interest them, and TV and magazines bring up the issue on a large scale. Then users search goods which adopt the new diet on the Internet, and therefore online sales become popular. A boom related to health has a lot to do with mouth-to-mouth advertising. For example, when mass media reports that yoghurt is good for hay fever, then yoghurt sells out in many stores and makers increase production hoping to profit from the popularity. It is not unusual today that a food which has not come up by then becomes “hot-selling product” by mouth-to-mouth advertising of “healthy”. Especially with regard to the theme of “diet”, it draws the interest of people, mainly women, in all ages.
On this writing, the first chapter is concerned with the background of this study such as the current “from search to recommendation” and the present condition of diet and supplement industry. The second chapter explains the definition and technique of recommendation system, and the third chapter the way of social networking system or SNS. The fourth and fifth chapters explain the outline and detail of this study, and the sixth and seventh chapters show the results of system assessment based on the questionnaires by actual users, improvements and the future prospects of recommendation system.
目次
概要 Abstract
目次
第1章 研究背景
1.1 検索(Search)から推薦(Recommendation)へ 1.2 推薦(Recommendation)の優位性
1.3 ダイエットに対する認識 1.4 サプリメントの需要 1.5 研究目的
第2章 Recommendation System
2.1 商品(Product)ベースによるRecommendation 2.2 人(Consumer)ベースによるRecommendation 2.3 知識(Knowledge)ベースによるRecommendation 第3章 ソーシャル・ネットワーキング・サービス
3.1 SNSの定義と仕組み 3.2 SNSの歴史
3.3 SNSの現状 3.4 SNSの利用目的
3.5 SNSの分類 3.6 SNSの機能
第4章 Diet SNS(Diet Social Networking Service) 4.1 Diet SNSの概要
4.2 携帯端末との連携 4.3 開発環境
4.4 Diet SNSの機能 4.4.1 ログイン画面
4.4.2 メンバー登録画面(基礎情報・質問回答)
4.4.3 個人ページ 4.4.4 日記登録画面
4.4.5 お勧めのダイエット方法・サプリメントの紹介機能 4.4.6 ダイエット方法・サプリメントの推薦機能
4.5 推薦商品一覧
第5章 システム評価、今後の展望 5.1 システム運用
5.2 アンケート内容
5.3 アンケート結果と改善点
5.4 Recommendation Systemの考えられる効果 5.5 Recommendation Systemの今後の姿 参考文献
謝辞
第 1 章 研究背景
本研究を行うにあたり、情報化社会の発展、リコメンデーション技術の応用、ダイエット やサプリメントに対する意識の強さが研究背景としてあります。本章ではそれぞれについ て述べ、最後に本研究の目指す目的を示していきます。
1.1 検索(Search)から推薦(Recommendation)へ
近年、目覚しい高度情報化社会を迎えており、インターネットが普及し、膨大なデジタル 情報が公開されています。インターネットから送信される情報量は膨大なものであり、ま た、通常なら接触できないような人物にも接触できたり、あるいは自らが情報の送り手とな るようなことも可能なのです。急激なコンピュータやインターネットの発展により、さまざ まなデータを世界中から大量に収集可能となってきたのです。現代社会はまさに情報によ って成立していると言っても過言ではないのです。しかし、全ての情報が情報を得たい者に とって有用なわけではなく、蓄積された大量のデータから必要なデータを抽出して有効に 活用することは非常に重要であります。多くの場合、その膨大な情報から、自分が欲しい情 報を探すには検索ツールを用いるのが一般的ですが、検索するのに適切なキーワード選 択が難しかったり、検索結果が膨大になりすぎたり、また検索結果を見ても、どれが自分 に合っている情報なのかわからなかったりといった問題が生じているということも事 実として挙げられます。
私たちは、情報を捜すとき、Yahoo!! や Gooogle と言った検索エンジンを利用し、情報を 収集します。つまり、「検索(Search)」というものは、ネット上にある情報を得るため手段 の一つに過ぎなく、他の手段でいくらでも実現する可能性があるとも考えられます。ここ数 年、他の手段として、コンテンツや利用者の特徴を用いて、適切な情報を推薦するパーソ ナライゼーション技術やリコメンデーション手法が注目を集めています。情報が氾濫す る現代では、ある程度絞り込んだ情報が欲しいというのは、利用者にとって当たり前の考え 方です。そして現在、「推薦(Recommendation)」は検索に次ぐネットのコア技術になってき
ています。
中古車大手のガリバーのサイトでは、過去の利用者の履歴分析から、Aという車が好きな 人はBという車にも興味があるというデータを持っていて、そこで、Aが検索されたときに は、自動的にBという車の情報も表示する仕組みを取り入れています。これにより、Bのこ とはなにも知らなかった利用者が、自分の好みに近い車種を一度に見ることができるわけ で、利便性は大いに上がると考えられます。また、イギリスの音楽サイトを運営している会 社では、自分のパソコンに好きな曲をダウンロードして楽しむことが出来るうえに、300 曲以上ためるとパソコンが好みの曲を勝手にチョイスして流してくれるのです。つまり、そ の人の音楽の嗜好を読み取ってくれるということです。
車も音楽も、人間の嗜好や好みを読み取って提案するという「検索から推薦へ」というの が新しい潮流になってきています。
1.2 推薦(Recommendation)の優位性
Recommendation System の特徴として、時間節約、手間省略、そして消費者購買意欲、
購買効率の向上が挙げられます。
Recommendation System の一つの例として、ユーザ Aに対し、ユーザ Aが購入した商品 X について評価を行うように依頼し、同じく商品 Xを購入し、商品 Xについてユーザ Aと同じ 評価を与えたユーザ Bに対し、ユーザ Aが購入した商品Y を推薦するシステムがあるとしま す。この方法は単に売上ランキング上位の商品を推薦するよりも効果が期待出来ると考え られ、顧客の商品購買率を高められるとして近年、急速に普及しているのです。しかし、この 方法では過去のデータを利用するだけで、利用者の現在のニーズは考慮されていなかった り、なぜこの商品が自分に推薦されたのか分からないといった問題も出てきています。
現実社会において、溢れんばかりの情報が存在する中で、その莫大な情報から必要な情報 だけを抽出し、利用者のニーズに応じた情報を提供することは、今日迎えている情報化社会 では必要不可欠であり、そのようなシステムの構築が性急に求められているのです。
Recommendation System は、次世代インターネット・ビジネスに求められる重要な手法の 一つなのです。
1.3 ダイエットに対する認識
どれだけ多くの人がダイエットに興味を持っているだろうか。
キリンビール株式会社が「ダイエット」について2006年5月上旬に全国の20歳以 上の男女を対象にインターネット調査を実施し、5,123人の有効回答数をいただい た中から女性の意識を中心にまとめた調査によるデータを以下に示し、最後にデータの 考察を述べていきます。
「ダイエット」に関する女性の意識調査結果
(1)自分の体型をどう思いますか?
「太っている」、「やや太っている」と思っている人をあわせると全体で64.5%に達し ます。
(2)BMI値 はいくつですか?
BMI値とは、肥満度を示す値として、世界各国で使われています。BMI値に関しては、
次節で説明します。
「18.5以上~25未満」(標準体型)が69.1%。
「18.5未満」(やせ型)は15.1%
「25以上」(肥満型)は15.9%
(3)ダイエットをした経験がありますか?
「現在ダイエットをしている」「過去にダイエットをしたことがある」をあわせたダイエ ット経験者は77.4%。
(4)ダイエットの結果はどうでしたか?
「成功した(している)」はわずか27.9%。
(5)太った原因は何だと思いますか?
太った原因では「運動不足」が78.3%と圧倒的。
続いて、食べすぎ、食生活のバランスの悪さ。
(6)取り組んだのはどんなダイエットですか?
これまで取り組んだダイエットでは、「間食をやめる」が56.4%、「甘いものや脂っこ いものを控える」が52.6%、「食事の量を減らす」が51.8%など食事制限によるも のが中心でした。「ダイエットサポート食品の利用」は23.9%を示しています。
(7)ダイエットに関する情報源は?
「テレビ」が72.8%、「雑誌」63.1%についで、3位が「ブログなどのインターネット」
(34.2%)となっています。
以上の調査を分かることを以下に示す。
・ 全体の90%近くの女性が、ダイエットに興味関心を持っていると答えている。
・ 女性の60%は自分が太っていると考えているが、BMI数値によると、やせ型から標準 体型の人が84%と実態以上に自分の体型を気にしている人が多いという現状であ る。
・ ダイエット経験者は女性全体の77%に上るが、その成功率は28%にとどまって いる。
・ 近年市場が拡大しているダイエットサポート食品(サプリメント)は、4人に1 人 が利用している。
・ ダイエットに関する情報源は、1位テレビ、2位雑誌についで、「ブログなどのインタ ーネット」がランクイン。孤独なダイエットからか、他人と情報を共有し、共感しあえ るツールが人気を集めている。
この調査から、実態以上に多くの女性が、孤独な中でも積極的に情報を得ながら、より美 しく理想的なスタイルを目指してダイエットに取り組んでいることが分かりました。そ して、ダイエットに対する意識の高さを示しているデータであると判断しました。
1.3.1 BMI指数
BMI (body-mass index)指数とは、国際的に通用する体格指数として用いられている概念で す。体格指数は、現在の体重と身長を基礎として一定の計算式から導びかれる指数です。通 常、BMI 指数による肥満度の判定は,身長でなく体脂肪と強く関連することが知られていま す。以下に、BMI指数の判定方法と体格度合いと数値の関係を示します。
肥満度の判定方法:
BMI(body-mass index)指数
BMI=体重(kg)/身長(m)2 (平均値:22.0)
判
定 やせ(低体重) ふ つ う 肥満Ⅰ度
肥満Ⅱ度 肥満Ⅲ度 肥満Ⅳ度BMI 18.5 未満
18.5 以上 25.0 未満
25.0 以上 30.0 未満
30.0 以上 35.0 未満
35.0 以上 40.0 未満
40.0 以上
1.4 サプリメントの需要
MDBネットサーベイによる、「サプリメント」に関する消費者アンケート調査をもとに、サ プリメントの「利用頻度」、「利用目的」、「購入場所」、「選択重視点」等を以下にまとめてみま した。(対象者は全国の20 才以上の男女7,913人)
1.全体の8割近くが現在、サプリメントを利用。
「毎日利用する」と答えた人は36.1%。「毎日ではないが定期的に使用する」(14.3%)、「必 要に応じてたまに利用」(27.8%)と合わせると78.2%と、全体の8割近くが現在サプリメ ントを利用していると答えている。
2 . サ プ リ メ ン ト 利 用 目 的 の ト ッ プ は 健 康 維 持 、 体 調 維 持
サプリメントの利用目的についてみると、「健康維持、体調維持」が79.8%でトップとなって おり、以下「疲労回復」(53.2%)、「栄養素補完」(51.7%)と続いています。食生活の乱れ やダイエットによる栄養不足、体調不良を補うことを目的に、サプリメントを利用している 人がいると考えられる。
3 . サプリ メ ン ト購入 の際の重視点は「商 品の 成 分」が7割以上 で ト ップ
サプリメントを選ぶ際に重視する点をみると、最も多いのは「商品の成分」の73.3%で、サプ リメント利用経験者の7割以上が挙げている。次いで「価格が安い」(50.6%)、「飲みやす い」(46.0%)、「商品説明・効能」(44.0%)の順となっている。
4 . サプリ メ ン ト購入場所は 「薬 局・ド ラ ッグス トア」 が約 7割で ト ップ
サプリメント利用経験者に対して、サプリメントの購入場所についてみると、「薬局・ドラ ッグストア」が68.8%と最も多い。2位は「インターネット通信販売」(28.7%)、3位は「通 信販売」(24.5%)、 4位「コンビニエンスストア」(24.4%)となっている。
5 .サプ リ メ ン ト 情 報 の 入 手先は「 イ ン タ ー ネ ッ ト」 が半数 で ト ッ プ
サプリメント情報の入手先についてみると、「インターネット」が50.2%と最も多く、サプリ メント利用経験者の半数となっている。以下、「テレビ番組」(34.0%)、「テレビCM」
(31.7%)、「新聞・雑誌広告」(30.5%)の順となっている。
6 .サプリ メ ン ト 選 択 の決め 手 は「価格が安か っ た」が4割 弱で ト ップ
サプリメントを選ぶ際に決め手となったことをみると、最も多いのは「価格が安かった」の 38.1%で、サプリメント利用経験者の4割弱があげている。次いで「ラベルの表示を見て判 断」(35.3%)、「メーカーが信頼できそう」(30.0%)、「飲みやすい形状だから」
(21.9%)の順となっている。
7 . サ プ リ メ ン ト に 対 す る 不 満 点 の ト ッ プ は 「 価 格 が 高 い 」 こ と
サプリメントに対する意に不満点で最も多いのは「価格が高い」(44.6%)で、全体の4割 以上があげている。次いで「効果が感じられない」(40.4%)、「飲み続けるのが面倒」
(31.4%)の順となっている。
1.5 研究目的
本研究は、リコメンでーションシステムを用いることにより、個々人に適したダイエット法 やサプリメントを提案することができるシステムの開発とともに、ダイエット版SNSの構 築を目的としています。昨今、インターネットビジネスの分野で広く用いられているレコメ ンでーションシステム。利用者の興味・関心を引くことができると言われているリコメン デーションを、女性の間で非常に興味・関心の高いダイエットやサプリメントの分野に応 用していきたいと考えています。
Recommendation Systemの利用者の中には、サイト運営者に個人情報を悪用されること
を恐れ、ウェブサイトのカスタマイズを避けているという現実もあります。利用者にストレ スを与えないニーズの聴取方法や質問項目の設定にノウハウが必要であったり、個人情報 を引き出そうとするウェブサイトに利用者が根深い疑念を抱いていることが、パーソナラ イゼーション浸透の障害になっているということが問題となっているのです。
本研究では、利用者に向けたマーケティングをより効果的に行うために、3つの手法を用い て、精度の高いコンテンツの推薦を行うシステムとして開発した。具体的には、(1)人は モノの各属性を判断した上で、そのモノを総合的に評価しているという考え方、(2)似た ような特徴や嗜好をもつ人は、同じようなモノを好むという考え方、(3)専門家等の第三 者の経験や知識に基づいて、対象者にとって価値があると考えられるモノを提案するとい う考え方__に基づいての手法です。これら3つの定義、手法に関しましては、第2章で詳し く紹介します。この手法により、個々人に適したダイエット方法・サプリメントを提案して いくことができると考えられます。他人が取り入れ成功したダイエットをやれば、必ず成功 するということではありません。しかし、ダイエットに取り組んでいる人、サプリメントを 服用している人の多くは、テレビで取り上げられたからとか、このサプリメントは値段が高
いからとか、の理由で購買しているケースが多いのです。この現状を打破し、利用者にとっ て、適切なダイエット方法、サプリメントの提案を可能にしようというのが、このシステム の狙いである。
次に、このシステムの重要性、ニーズついて述べます。
このシステムの開発にあたり、誰かに頼まれてこのシステムの開発に取り組んでいるので はありません。誰かにあったらいいなと言われて開発し始めたのではありません。私自身で、
このシステムの必要性を感じ、需要が生まれると思い、開発を決めました。新しいニーズを 発掘しようという試みです。新しいニーズ発掘のために、私が着目したのは以下の点です。
Diet Social Networking Service の必要性を感じ、開発に取り組んできました。
・ダイエットに対する興味・関心の高さ。
・ダイエット方法・サプリメント情報の多くをインターネットから入手しているという事 実。
・長続きしないダイエット生活、孤独になりがちなダイエットを、仲間を作り、コミュニテ ィーを形成し、楽しみながら進めていく。
・ダイエット方法が、口コミにより広まっているという事実と、リコメンデーションによる 推薦という概念の融合。
・人気ダイエット方法・お勧めサプリメントという口説き文句に弱い日本人。
目的のもう一つとして、このシステムを利用することで、ダイエット生活を楽しくしよう というのがあります。楽しいダイエット生活を送ってもらうことで、このシステムの優位性 が確立されると考えています。そして、利用者のニーズに合わせた開発・改良を施していく ことに意味があると考えています。
あくまでも、このシステム開発の目的は、個々人に適したダイエット方法の推薦と楽しい ダイエット生活の提案です。
第 2 章 Recommendation System
本章では、本研究においてシステムの中核となるRecommendation Systemについて、
Recommendationの定義と基本的なアルゴリズム説明する。Recommendationとは、対象と なる商品・サービス・情報等または対象者を分析し、グループ化を行なうことで、対象者に とって価値があると思われる商品・サービス・情報等のみを取捨選択して提示することを 指します。この定義自体は簡単ですが、Recommendationのために商品・サービス・情報等 を取捨選択する手法や名称は様々存在しているにも関わらず、体系的にはあまり整理され ていません。
2.1 Recommendation System の分類
どのような考え方に基づいて提示する商品を絞り込むのかによってRecommendationはま ず大きく3つに分類できます。以下に、その定義と手法を示す。
2.1.1 商品( Product )ベースによる Recommendation
定義
「人はモノの各属性を評価することでモノを総合的に評価している」という考え方に基づき、
商品を提示する手法。対象となる全ての商品の特徴・用途等を格納したデータを使用する。
レコメンデーションの精度は商品データベースの精度に依存する。この考え方に基づき、考 えられるRecommendationの手法を以下に示す。
手法
P-1.
商品のスペックや特性の優劣を基準に提示する商品を決める方法。図2.1 デジタルカメラ一覧
例:デジタルカメラを紹介するWebサイトにおけるRecommendation手法
「最も安い商品」
「最も軽い商品」
「画素数が多く、大変きれいに取れる商品など」など
P-2.
「チェックした商品と性能が近い商品」や「購入した商品に必要な消耗品」を提示するな ど、ある商品を購買した・チェックした人に対して、その商品に関連の深い商品を提 示する方法。図2.2 プリンタとインク
図2.3 VAAMとDAKARA
例:関連商品のRecommendation
P-3.
対象者が過去に購買・チェックした商品リストから、対象者が好む商品の特徴を抽 出し、商品データベースから同種の特徴を持つ商品を抽出して提示する方法。以下に、商品(Product)ベースによるRecommendationのアルゴリズムの一例を示す。
下の表はある顧客が最近見た映画を表しているとする。このリストを見るだけで、この 顧客は基本的にはアクション映画が好きであるということが分かる。俳優に対するこ だわりはあまり見られないだろう、また、ラブ映画も嫌いではないなどと、予測できる。
映画名 ジャンル 主演
エアーフォース・ワン アクション ハリソンフォード
ランボー アクション シルヴェスター・スタローン コンエアー アクション ニコラスケイジ
タイタニック ラブ ディカプリオ 図2.4 ある顧客の最近見た映画
このような推測に基づいて、この顧客にとってのそれぞれのジャンル・主演俳優(女 優)がどれほど価値を持っているかをスコア化し、スコアの高い商品を提示する。例え ば、次回作として、「ニコラスケイジ」が出演する「アクション映画」があれば、その情報
を事前に伝えることが出来る。
P-4.
対象者がどのようなニーズを持っているかを予め聴取し、対象者が求める理想の特 性を持った商品を定義する。その理想の商品を、対象者の理想の商品に最も近いと思 われる商品から順に提示する手法。対象者のニーズを直接質問するため、精度の高い レコメンドができる.図2.5 消費者の理想の商品
問題点
P-1.
導入へのコストが小さく、簡単に実装が可能だが、消費者が重視する属性を基準に絞 込みを行なう必要がある。P-2.
商品の類似性や相互補完性の程度を定義できる場合に有効。P-3.
対象者が好む商品の特徴をヒントに新商品であってもレコメンドすることが可能で ある一方で、商品の特徴をデータ化することが可能であること、対象者個人の十分な 購買履歴データがあることが前提となる。P-4.
対象者のニーズを直接質問するため、精度の高いレコメンドができる。しかし、対象者 にストレスを与えないニーズの聴取方法や質問項目の設定にノウハウが必要である と同時に、商品データベースを構築することが前提となる。2.1.2 人( Consumer )ベースによる Recommendation
定義
「似たような特徴を持つ人や、過去の購買履歴が似ている人は同じようなものを好む」とい う考え方に基づき、提示する商品を決める手法。対象者以外の人々がどのような購買行動を しているかに関するデータが必要となる。本や映画、音楽など同カテゴリの商品が繰り返し 購入される場合に適している。ただし、まだ誰も購入していない新商品には適用できない。
この考え方に基づき、考えられるRecommendationの手法を以下に示す。
手法
C-1.
人気商品を提示するというシンプルな手法。売れ筋商品紹介や人気投票上位商品の 紹介、閲覧数の多い情報の紹介などが該当する。最も一般的なレコメンド手法。図2.5 売れ筋ランキング
C-2.
ある対象者が商品をチェックまたは購買した際に、その商品を過去にチェックまた は購買した人が、他にチェックまたは購買した商品を提示する手法。例:「この商品を買った人は、こんな商品も買っています」(Amazon.co.jp)
:「〇〇証券に興味がある人は、こんな企業にも興味を持っています。」(みんなの就職活 動日記)
C-3.
代表的なRecommendation手法の一つで、対象者の購買履歴や行動履歴と似たよ うな購買履歴や行動履歴を持つ人々を抽出し、その人々が買っている商品や興味を持 っている商品で対象者がまだ出会っていないと考えられる商品を提示する方法。同じ ような購買履歴や好みを持っている人は同じようなものが好きであるという発想に 基づく。商品データベースがなくても対象者と対象者以外の購買履歴データのみがあ れば実行可能なことがメリット。この手法を協調フィルタリングとも呼ぶ。C-4.
予め対象者が申告していた対象者属性(性別・年齢・職業・興味関心事など)か ら、対象者と同じ属性あるいは近い属性を持つ人々や同じクラスターに属する人々が 多く購入している商品を提示するレコメンデーション。それぞれの属性の消費者がど の商品を購買しているか、あるいはどの商品に興味を持っているかに関して別途デー タを分析する必要がある。会員登録を要するサイト等であれば、一般的な対象者属性 は取得できている場合が多い。この場合、過去の購買データの分析などから、属性別の 購買行動の傾向を抽出することができる。また、過去の購買データが存在しない場合 でも、別途アンケート調査等を行なうことにより、属性別の傾向を抽出し、そこから各 属性に対して提示する商品を決めることも可能である。問題点
C-2.
同じ商品カテゴリ内で何度も購入される商品に適している一方、耐久消費財には適 用できるシーンが限られる(「この本を買った人は、この本も買っています」には意味があるが、「この冷蔵庫を買った人はこの冷蔵庫も買っています」には意味がないと考 えられるため)
C-3.
商品数が非常に多い場合では、対象者の購買履歴と似た購買履歴を持つ顧客を探す ことが困難であるため、大規模な購買履歴データがあることが前提となること、また、まだ他の誰も使っていない新商品を推奨することができないこと、同じカテゴリの中 で繰り返し購入されない商品では適用しづらいこと、他人のために何かを購買した場 合であってもそれが対象者の嗜好を反映したものとして扱われてしまうことなどが 短所として知られている。
2.1.3 知識( Knowledge )ベースによる Recommendation
定義
対象者の嗜好等との関係有無に関わらず、第三者(専門家や店員など)の知識や経験及び一般 常識に基づいて、対象者にとって価値があると考えられる商品を提示する手法。一見恣意的 とも見られるこの手法では、第三者意見の信頼性・妥当性をどのように評価・信頼するか がポイントとなる。この考え方に基づき、考えられるRecommendationの手法を以下に示す。
手法
K-1.
専門家や社員・販売員が考える普遍的なお薦めを一様に提示する方法。お薦め根拠 の信頼性や妥当性を担保することができれば、一定の効果が見込める。例:「当店のオススメ商品」
:「本日のオススメ商品」
:「評論家○○氏の一押し商品」
K-2.
第三者(専門家・販売員であるとは限らない)が独自の判断で、ある商品を買った人やチェックした人に、好ましいと思われる商品を提示する手法。
K-3.
対象者の過去の購買履歴や行動履歴を観察した結果、第三者(専門家・販売員であ るとは限らない)の独自の判断により、ある基準で推奨すべき商品や情報を提示する 手法。例えば、肉ばかり購入している対象者に、栄養のバランスを考慮して野菜を推奨 するなど。K-4.
対象者が申告した属性(性別・年齢・職業・興味関心)やニーズ、悩みに応じて、専門家や社員・販売員などのナレッジにより、ある基準で最適と考えられる商品を提 示する手法。顧客との対話の末の販売員による推奨や医師の処方等はこれに当てはま ると考えられる。
問題点
K-1.
お薦め根拠の信頼性や妥当性を担保することが必要不可欠になる。K-3.
お薦め根拠の妥当性や納得性が高ければ、対象者にとっては意外な提案を受けること ができるが、場合によっては「余計なお世話」ともなりかねないことに注意が必要であ る。2 . 2 協 調 フ ィ ル タ リ ン グ に よ る Recommendation System
協調フィルタリングとは、口コミの原理を用いて、推薦システムを実装したものの一つで 酢。潜在的な顧客にいかにその人が欲しい商品を勧めるかは広告主にとって重要な要素で す。この手法はインターネットユーザのサイト閲覧履歴やクリック履歴などをもとにユー ザの嗜好パターンを学習し、そのユーザが好みそうな商品をするための一般的な手法です。
推薦システムは、下のような手順で利用者Aさんが好みそうなものを推薦します。
(1) Aさんは幾つかの検索対象について、その好き嫌いを示すことで、嗜好を提示。
(2) システムは、Aさんと似た嗜好の人をデータベースから探す。
(3) これらの人が好む検索対象を見つけて、Aさんに推薦する。
口コミ情報と同様に、協調フィルタリングでは、自分と嗜好が似た人の推薦を参考にしてい きます。図2.1に協調フィルタリングの手順を記します。
図2.6 協調フィルタリングの手法
以下に協調フィルタリングのアルゴリズムの一例を示す。
ページ A ページ B ページ C ページ D ページ E ページ F 利用者4との相関性
利用者1 1 1 0 1 0 1
利用者2 0 0 1 0 0 -1
利用者3 1 0 1 0 1 0.5
利用者4 1 1 0 ? 1 ?
図2.7 相関係数法
上図は、利用者の閲覧履歴データを表す表であり、各利用者とWeb ページの商品の購買履歴 を示しているものとする。縦軸を利用者、横軸をWeb ページとして、履歴のうちどの利用者が どのWeb ページをクリックしたかを表している。「1」はクリックしたことを表し、「2」はそ うでないことを表す。そして、データの埋まっていない部分について、利用者のデータを用 いてその人の嗜好を予想するのがこの手法である。協調フィルタリングの手法として、相関 係数法を用いる。これは、利用者Aと利用者Bの嗜好パターンに高い相関性がある場合に、利 用者AがクリックしたWeb ページを利用者Bに推薦するという手法です。つまり、利用者の クリック歴がないWeb ページや嗜好が道の商品についても、その利用者との相関性が高い利 用者の嗜好を知ることで、その利用者の嗜好を予測するのである。単純にアクセス件数の多 いWeb ページや売れている商品を推薦するよりも、広告効果や利用者の購買意欲を高めるこ とが出来る。この図より、利用者4と利用者1の嗜好は近いものがある。よって、利用者4に は利用者1が好むページ D を推薦しようと決まるのである。
2.2 協調フィルタリング(相関係数法)の発展性
さまざまな分野で活躍している協調フィルタリング(相関係数法)。現在、注目を浴びてい るのが、資産運用における相関係数法の利用です。投資をするときに、忘れてはいけないの はリスクとリターンという観点です。この関係から生まれた「ポートフォリオ理論」につい て、相関係数法は適用されているのです。
ポートフォリオ理論では、「収益や稼ぎ」を期待リターンと呼んでおり、これに対してリス クは、「価格や収益のブレが大きいこと」と定義しています。ブレが大きいとは、つまり、たく さん儲かる可能性もあるし、たくさん損する可能性があるということ。そして、このブレ幅
=リスクと考えているのです。以下に、具体的にポートフォリオを組んだ時のメリットを下 図2.8に示します。
図2.8 株式の変動
上図より、どの株の組み合わせで、持った方が株式価格の変動に対し、耐久性が高いか が分かります。もちろん、関係性が低いA株とC株のケースであると考えられます。
このように、協調フィルタリング(相関係数法)は、ファイナンス理論にも応用でき る手法なのです。株を分散させ、運用するときに欠かせないのが、この相関関係なので す。
第3章 ソーシ ャル ・ ネットワーキン グ・サービス(SNS)
3.1 SNS の定義と仕組み
SNSとはSocial Networking Serviceの略で、参加するユーザーが互いに自分の趣味、好み、
友人、社会生活などのことを公開しあったりしながら、幅広いコミュニケーションを取り合 うことを目的とした「コミュニティ型Webサイト」、友人やそのまた友人達とWebサイト上 での交流の輪を広げていく…という、新たなインターネット上のコミュニケーション・ツ ールのことを指します。もともとは実社会での友人同士が、インターネット上でも同じよう に便利で、親密な情報交換を行うために設立されたコミュニティー・サイトでした。その後、
このSNS上での友人の輪が次々につながり、広がっていった結果、共通の友人関係や趣味・
嗜好といった側面を通じて、見ず知らずの者同士でも、SNS上で新たな人間関係をつくれる 場へと発展、昨今のSNSの急速な普及をもたらしました。今までのインターネット上のコミ ュニケーションのツール、例えばブログや掲示板等のコミュニティーは、誰でもアクセスし て発言を書き込んだり、書き込まれた発言を自由に読むことができました。ネット上には、
これまでも「フォーラム」や「掲示板」と呼ばれるコミュニティがありました。SNSは、これら の仮想コミュニティの進化版とも言えますが、その新規参加者の参加登録過程が大きく異 なっています。つまり、不特定多数の人との自由な情報交流、具体的に言うと、お互いの「顔」
が見えない匿名でのやり取りが基本となってしまいます。SNSの場合、そのほとんどが、原 則として友人や知人の紹介がないとSNSに参加できない仕組みになっている。つまり、フェ イス・トゥー・フェイスの知り合いや友人グループがSNSに参加し、その上で知り合いの 輪が拡がっていく仕組みになっているのです。その結果、気軽に発言・発信出来る一方、心 のないコメントや誹謗中傷にさらされる危険が常につきまとい、「匿名」を超えた深い信頼 に基づく人間関係を築くことが難しかったのが現実です。通常、SNSに新たに参加するため には、既にそのサービスに登録している人から、「招待状」を受け取る必要があります。すな わち、SNSの構成員は入会時に、ゆるやかながらも既存のメンバーから「身元保証」をもらっ
た人になる訳です。またSNS内で新たに構築した友人関係も、他の人から確認出来るように 工夫されています。 この「顔が見える」人間関係の存在が、「匿名性」といったこれまでのネ ット上の制約を超えてSNS特有の安心感を生み出し、ユーザ同士の活発な交流を支えてい るのです。当然、発言者が「見える」ということは、各自のコメント内容も責任をもったもの になり、信用度の高い情報が流通することにもつながります。これならばインターネット上 だって、実名を使ったり、相手を信頼して個人的な情報を出すことにも抵抗感が薄まります よね? まさにこの現実世界により近い、コミュニケーションの仕組みがSNSの大きな魅 力になっているのです。
多くのSNSが登場し、現状のサービス形態では、誰でも自由に参加できるサービスと、既存 の参加者からの招待がないと参加できないというシステムになっているサービスがあるが 明確な定義はなく日々変化している。
3.2 SNS の歴史
SNSを提供しているウェブサイトは加速度的に増えており、いまや世界中に相当数が存 在しています。これらのサービスがどのように広まっていったのか、以下にその歴史を簡単 に記します。
世界初のSNSは2003年3月、米国のFriendster社が開始した「Friendster」であると言わ れています。招待がなくても誰もが登録可能であったことから、サービス開始わずか3ヵ月 で100万のユーザーを集め、今や1300万人を超える全米最大のSNSとして、一つのメデ ィアになっています。同サービスの成功により、以後様々な企業がこぞってSNSに参加す ることになりました。日本においてSNSの火付け役となったのは、2004年1月に登場した
米国の「Orkut(オーカット)」です。米Googleの社員であったオーカット氏が、個人的なプ
ロジェクトとして始めた完全招待制のサービスで、IT関係の職に就く人を中心に瞬く間に 世界中に広がりました。2004年2月には、日本人ユーザー数も2万人を超えるなどかなりの 盛り上がりを見せましたが、サービス内の対応言語が英語のみであったこともあり、Orkut は次第に終息していきました。しかし、Orkutの登場によりSNSそのものの存在が社会に 認知され、あまり馴染みのない招待制という概念を定着させた、という意味では大きな功績 があったといえます。一方、日本でもOrkutからわずかに遅れた2004年2月、mixiとGR
EEという2つの純日本製SNSが開始されました。両サービスの基本構造は、ともに
Friendsterがベースになったといわれていますが、その内容は日本人の国民性や文化など
を加味し、独自のサービスが展開されています。また、日記やコミュニティが中心のmixiに 対し、友人の紹介文が中心のGREEというコンセプトが異なるSNSの登場は、Orkutに 欲求不満気味だったユーザーに熱狂的に受け入れられ、瞬く間に10万人規模のユーザーを 獲得したのです。その後もmixiとGREEを追って、4月には「Echoo!」、7月には「キヌガ サ」がスタートし、現在は30サイト以上に増えてSNSは一般に認知されるようになりま した。
年表
2003年11月 米国で世界初の SNS Friendster が公開される。
2004年 1月 Orkut(運営:米国Google)サービス開始 2月 GREEサービス開始
3月 ミクシィ、トモモト(運営:Life On)サービス開始
4月 echoo!(運営:ゆびとま)、フレンドマップ(運営:アイ・
エム・ジェイ) サービス開始 6月 キヌガササービス開始
2005年 8月 ミクシィが100万アカウントを超える。
3.3 SNS の現状
日本では、以前から多くあった「Web日記サイト」「グループウェアサイト」「インターネット コミュニティ」などの機能を上手く取り込み、一種のポータルサイトとして機能しつつある。
企業・教育機関でも内部向けコミュニケーションから始まり、内定者や学校の卒業生の囲 い込みなど、色々な用途に使われている。最近ではグリー、imapuなどでも携帯電話にも応 用されており、さまざまな形でSNSは普及している。
3.4 SNS の利用目的
SNSの利用目的は「趣味仲間との出会いの場」、「情報収集・調査目的」、「ビジネス関連の出 会いの場」などが考えられます。SNSというコミュニケーションの仕組みが、人間関係を形 成する上で重要なインフラとなりつつあると言えるのです。利用者の中でも、SNSの書き込 み内容に信憑性があると考えている人は多く、SNSを利用して、「商品を知る」、「商品の内容 を理解する」人が増えてきています。
3.5 SNS の分類
ソーシャル・ネットワーキング・サービスの中心であり主目的は、人と人とのコミュニケ ーションにあります。友人・知人間のコミュニケーションを円滑にする手段や場を提供し たり、趣味や嗜好、居住地域、出身校、あるいは「友人の友人」といったつながりを通じて新た な人間関係を構築する場を提供しているのです。人のつながりを重視して「既存の参加者か らの招待がないと参加できない」というシステムになっているサービスが多いが、最近では 誰でも自由に登録できるサービスも増えてきています。
現在、国内には数多くのSNSが存在しています。それらを様々な視点から分類していきます。
まず、参加目的によって分類すると、①生活者の視点から純粋に社交を楽しむ目的と②ビ ジネスへの発展を目的とした社交に分けられます。 参加者の種類によって分類すると、① 一般生活者同士が社交を楽しむ目的、②ビジネスマンが会社組織を超えた交流しようとす る目的、③企業や製品の顧客同士が社交を楽しむ目的、④社員が社交を楽しむ目的などに分 類されます。さらに、交流方法で分類すると、①お互いのプロフィールや友人を開示する仕 組み、②ブログにより会話を楽しむもの、③隔たりの中でお互いのプライベートな紹介に力 点を置いたもの、④顔を合わせた交流を支援するものに分類されます。
最後の分類にあるように、一部のSNSではオフ会(実際に顔を合わせるイベントや集まり)
が頻繁に行われるのも重要な特徴です。オフ会は、テーマ別の交流イベントや、スポーツ大 会などが開かれています。ネット上だけでなく、実際に顔を合わせることで、人脈を拡大し ていくのです。お互いに顔を合わせているうちに、気心が知れて、転職をしたり、ビジネスを 立ち上げたりという現象が自然に起こっています。
3.6 SNS の機能
SNSに最低限必要な機能として、以下の機能が挙げられます。
ユーザ向け機能
機能名 機能概要
ユーザー登録・認証機能 SNSへの登録・認証機能 マイページ機能 ユーザー固有のホームページ 日記(Blog)機能
ユーザー間のコミュニケーション手段として用いられる日記 機能
コメント機能
日記にコメントを付ける機能。コメント投稿・閲覧・削除が可 能
ブックマーク機能 他のユーザーの日記帳をブックマークする機能 トラックバック機能
他の人の日記に対して関連する日記を記述してリンクする 機能
メール機能 ユーザー及び、グループメンバーへのメール送信 新着管理機能 新着情報をユーザーページに表示する機能
アルバム機能 ユーザーが投稿した画像を蓄積するストレージ機能 カレンダー機能
ユーザーの予定を管理するスケジューラ。リマインダーも可 能
招待・申請機能 友達の招待、グループの参加申請機能 検索機能 ユーザー、グループ、日記帳を検索する機能 足跡機能 自分のページを訪れたユーザーを確認する機能 ユーザ設定機能
ユーザーのプロフィールを登録し、公開レベルを設定する機 能
グループ機能
SNS内のユーザー間コミュニティ。
掲示板・共有カレンダー・投票機能
SNSポータル機能
SNSのポータルページであり、各種のイベント情報や、人気 日記、人気グループ、新着日記、新着グループなどを表示 表示最適化機能 各携帯電話ごとに合わせて絵文字・画像を最適化する機能 コンテンツエンジン
占い、おみくじ、インスタントウィン等のコンテンツエンジンの 提供
■管理ツール機能
機能名 機能概要
ユーザー管理機能 ユーザーのアカウント、利用動向の管理機能 検索機能 ユーザーを特定条件で検索する機能
計数管理機能 入退会者数などの計数を確認する機能
一斉メール配信機能 ユーザーの各属性ごとに一斉メール配信ができる機能 コンテンツ管理システム ユーザーが投稿した文章、画像を確認できる機能
■オプション機能
機能名 機能概要
広告配信システム SNS上で広告を配信する機能 課金決済システム
インターフェース SNS上での課金・決済システムインターフェース ポイント管理システム ユーザー行動と連動したポイント付与システム ECシステム
インターフェース SNS上でのECシステムインターフェース 表1.SNS機能一覧
第 4 章 Diet SNS ( Diet Social Networking Service )
4.1 Diet SNS(Diet Social Networking Service) の概要
Diet Social Networking Service (以下、Diet SNS)とは、孤独になりがちなダイエットを 友人や他人と情報を共有し、共感しあえるツールへと発展させたWebサイトです。さらに、
個々人に適したダイエット方法やサプリメントをさまざまな角度から推薦していくシステ ムです。また、自分が取り組んでいるダイエット方法や服用しているサプリメントもリスト に追加し、利用者の中で共有できるシステムになっています。
4.2 携帯端末との連携
Diet SNSでは、携帯からもアクセスできるようになっています。ダイエット方法の閲覧や
オススメのサプリメントも携帯電話から確認できる。もちろん、日記への書き込みも出来る ようになっている。
4.3 開発環境
本システムを開発する際に用いた機材、ソフトウェアを以下に記載する。
・OS Microsoft Windows XP Service Pack 2
・CPU Celelon(R) CPU 2.0GHz
・メモリ 256MB RAM
・開発言語 Java 6 JavaScript
HTML
・Web フレームワーク Seasar2
・Web サーバ Apache 2.2
・AP サーバ Tomcat 5.5
・DB Java DB
4.4 Diet SNS の機能
Diet SNSの三大機能は「ダイエット生活日記機能」、「ダイエット方法・サプリメント推薦
機能」、そして「ダイエット方法・サプリメント登録機能」です。
まず、「日記機能」です。友人・知人とダイエット日記を共有し、お互いに刺激しあってダイ エットを楽しく継続していくという反面、友人・知人には相談しづらい体やダイエットの 悩みを、このシステムを利用し、相談に乗ってもらうという面もあります。体重だったり、体 の悩みだったりといろいろと悩みを抱えている人は多くいるのです。
そして、「推薦機能」です。サプリメントに関して、価格の高い商品なら誰にでも聞くという わけではありません。ある人が成功したからその商品がすべての人に効果があるというわ けではありません。あくまでも、人それぞれに適したサプリメントは異なります。そこで、個々 人のデータをもとに、適したサプリメントを提案していこうというのが、このシステムなの です。また、自分と似たような症状・目的を持っている人が行っているダイエット方法やサ プリメントの推薦もできるようになっています。
最後に、「登録機能」です。利用者お薦めのダイエット方法やサプリメントを登録し、紹介す ることができるのです。これにより、利用者のダイエットに対するモチベーションを高める ことができ、孤独なダイエットを楽しく行えると考えられます。以下の節より、Diet SNSの 機能を説明していきます。
4.4.1 ログイン画面
本システムのトップページ及びログイン画面を図4.1に示します。
図4.1 ログイン画面
4.4.2 メンバー登録画面(登録完了までの流れ)
登録完了までの流れを説明します。まず、トップ画面下にある「初めての方はこちら」から、
メンバー画面に移ることができます。メンバー登録画面は基礎情報入力画面と質問回答画 面に分かれています。基礎情報入力画面を図4.2、質問回答画面を図4.3に示します。
その後、入力確認画面に移り、登録完了となります。
図4.2 メンバー登録画面
図4.3 質問回答画面
図4.4 入力確認画面
4.4.3 個人ページ
メンバー登録後、ログインするとこのページに移ります。Diet SNSでは個人のページが用 意されていて、個人ページでは、基礎情報と質問回答のデータ、日記、お薦めのダイエット方 法・サプリメント(ナレッジベース、ヒューマンベース)が一覧できるようになっていま す。個人ページを図4.5に示します。
図4.5 個人ページ
4.4.4 日記登録画面
Diet SNSには、日記画面も各個人に用意されていて、現在人気のあるブログ形式になって
います。Diet SNS 日記は、ブログで公開されている日記同様、日々の進捗情報やダイエット
方法やサプリメントの効果、ダイエット生活の悩みや疑問を書くところになっていて、Diet SNS参加者が閲覧できるようになっています。ブログとの決定的な違いは、似たような症状・
目的の利用者にのみの公開となっているところです。他のSNSでは、名前や情報が公表され ているが、Diet SNSでは、匿名性としているので、利用者を誰か特定することは非常に難し く、体系に関する悩みや食生活に対する悩みなど、一歩踏み込んだ相談を共有できます。日 記を書くたびに、体重の変化もわかります。
また、この画面のダイエット方法の下にある「※新しいダイエット方法を登録する場合はこ ちら」から新しいダイエット方法やお薦めのサプリメントを追加することができます。詳細 は次の節で説明します。日記登録画面を図4.6、日記一覧画面を図4.7に示します。
図4.6 日記登録画面
4.4.5 ダイエット方法・サプリメントの登録機能
新しいダイエット方法やお薦めのサプリメントを登録し、商品リストに追加することがで きる機能です。この機能により、自分が知らなかったダイエット方法や効果の高いサプリメ ントを知ることができるようになります。ダイエット方法・サプリメントの登録画面を図 4.8に記します。
図4.8 ダイエット方法・サプリメントの登録画面
4.4.6 ダイエット方法・サプリメントの推薦機能
DietSNSには、ナレッジベースの推薦、ヒューマンベースの推薦、モノベースの推薦を取り
入れています。
①ナレッジベースの推薦
ナレッジベースの推薦とは、利用者の年齢、体重、身長、食生活など、簡単なデータをもとに、
効果・症状を分析し、ふさわしいと思われるサプリメントを推薦しています。サプリメント においても、高ければいいとか、人気があるからいいとは限りません。そこで、専門家の方々 の意見や個人の基礎情報・事前データを参考に、サプリメントの推薦をしています。
②ヒューマンベースの推薦
ヒューマンベースの推薦では、利用者と似たような症状や悩みで困っている人が取り組ん でいるダイエット方法・サプリメントを推薦できる仕組みになっています。これにより、孤 独なダイエット生活の中でも、悩みを共有し、楽しみながらダイエット生活を送れるように なっています。基礎情報、質問回答のデータをもとに、人を32パターンにグループけ分け を行います。そのグループを一つのコミュニティとし、そのグループ内で日記を共有したり、
ダイエット方法・サプリメントを推薦できたりします。
③モノベースの推薦
モノベースの推薦では、商品間の関連性が高い商品を推薦したり、同時に利用すると効果が 高まる商品などを推薦する仕組みになっています。これにより、商品知識の幅が広がり、よ り効率良くなっていくと考えられます。
ダイエット方法・サプリメントの推薦画面(ナレッジベース)を図4.9、ダイエット方 法・サプリメントの推薦画面(ヒューマンベース)を図4.10、ダイエット・サプリメ ント商品画面を図4.11に示します。
図4.9 ダイエット方法・サプリメントの推薦画面(ナレッジベース)
図4.10 ダイエット方法・サプリメントの推薦画面(ヒューマンベース)
図4.11 ダイエット方法・サプリメントの推薦画面(モノベース)
図4.11 ダイエット方法・サプリメントに対するコメント入力画面
4.5 Diet SNS の推薦商品一覧
基礎データ情報、質問回答に合わせて、ダイエット商品を推薦(ナレッジベース&モノベー ス)しています。以下に、商品を示します。
A:甘いものが好きである。
①ビタミンB1(大塚製薬株式会社)
内容量/1日の摂取量 :80粒 1日2粒/約40日分
糖質を燃やし、エネルギーをつくるのに重要なため、多忙な方、スポーツをする方にもお 勧め。
②ビタミンBミックス(株式会社センセリテ札幌)
内容量/1日の摂取量 :60粒 1日2粒/30日分
脂肪を燃焼したり、脂肪の吸収を阻害する働きのあるサプリメント
B:朝食をとらない
①マルチビタミン(大塚製薬株式会社)
内容量/1日の摂取量 :50粒 1日1粒/約50日分
1日1粒で12種類のビタミンの栄養所要量をクリアできます。
②ドリンカブル マルチビタミン(大塚製薬株式会社)
内容量/1日の摂取量 :48個 1日1 個/約48日分
水に溶かして飲む、新しいタイプのサプリメント。食事で不足しがちな11 種類のビタミン を1 個で手軽に。
③マルチビタミン&ミネラル(大塚製薬株式会社)
内容量/1日の摂取量 : 100粒 1日2粒/約50日分
ベースサプリメントとしてマルチビタミン&ミネラルを。2粒で、12種類のビタミン7種 類のミネラルが手軽に摂ることができます。
C:便秘
①ファイバー(食物繊維)(大塚製薬株式会社)
内容量/1日の摂取量 : 240粒 1日9粒/約26日分
10粒でリンゴ約 1 個分の食物繊維。お腹の掃除をするために必要な栄養素。
野菜嫌い・野菜不足の方に是非。
②ドリンカブル C1000 (大塚製薬株式会社)
内容量/1日の摂取量 : 48個 1日1 個/約48日分
水に溶かして飲む、新しいタイプのサプリメント。レモン20個分のビタミンCが1 個で手 軽に。
③ビタミン C500with ローズヒップ (大塚製薬株式会社)
内容量/1日の摂取量 : 80粒 1日2粒/約40日分
1粒で500mg のビタミンCがとれます。美容、お酒・たばこ・プレッシャーの多いときに どうぞ!!
D:外食が多い
①Bコンプレックス(ビタミンB群)
内容量/1日の摂取量 :60粒 1日1粒/約60日分
1日1粒で8種類のビタミンB群がとれます。ダイエット、美容、忙しいとき、お酒の多いと きなどにいいです!!
②ビタミン B6 (大塚製薬株式会社)
内容量/1日の摂取量 : 80粒 1日2粒/約40日分
アミノ酸の合成や分解に必須のビタミン。美容、偏食しがちな時に。
③コエンザイム COQ10 (コーキューテン) (株式会社ディーエイチシー)
内容量/1日の摂取量 : 60粒 1日2粒/約30日分