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英語動名詞研究 : フェイズ理論に基づく極小主義分 析

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

英語動名詞研究 : フェイズ理論に基づく極小主義分 析

下仮屋, 翔

http://hdl.handle.net/2324/1806779

出版情報:Kyushu University, 2016, 博士(文学), 課程博士 バージョン:

権利関係:Public access to the fulltext file is restricted for unavoidable reason (3)

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(様式6-2)

氏 名 下仮屋 翔

論 文 名 English Gerunds: A Minimalist Analysis Based on the Phase Theory

(英語動名詞研究: フェイズ理論に基づく極小主義分析)

論文調査委員 主 査 九州大学 教授 西岡 宣明 副 査 九州大学基幹教育院 教授 大橋 浩 副 査 九州大学 教授 久保 智之 副 査 長崎大学 教授 稲田 俊明

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

生成文法理論は、ミニマリストプログラム(MP)のフェイズ理論により大きく進展した。フ ェイズ理論はChomsky (2000)以降、様々な提案がなされ、Chomsky (2007)の素性継承理論が、大 きな影響力をもつが、本論文は、素性継承理論を理論的、経験的側面から批判し、Chomsky (2000) の分析がMPの本来の主張と合致していることを英語の動名詞構文を用いて実証的に示したもので ある。英語動名詞構文は近年、理論的側面からはあまり注目されてこなかったが、本論文は、動名 詞構文の時制機能範疇(T)の欠如性とそれと連動するフェイズ性に着目し、3種類の動名詞構文の類 似点と相違点を併合操作の論理的可能性の一つである外的ペア併合(external pair-merge)に基づく 派生の違いにより、見事に解き明かした。さらに、その分析が動名詞以外の様々な言語現象の解明 にも寄与することを示した。

1章では、分析対象となる対格動名詞構文、PRO動名詞構文、属格動名詞構文の3種類の動 名詞構文の分類、およびそれぞれの特徴を概観した。第2章で、本分析の理論的背景となるフェ イズ理論の先行モデルを通言語的観点から吟味し、近年の素性継承理論や、ラベル付けアルゴリ ズム分析(Chomsky 2013, 2015)の問題点を指摘し、Chomsky (2000)の理論モデルが理論的にも妥 当であり、最もうまく言語事実を捉えることを主張した。第3章では、対格動名詞構文に関する 先行研究とその問題点を指摘した上で、分裂文、等位構造に関する経験的な事実から,当該構文 が定形節と同様のCP 構造をもつことを示し,主要部Tの時制素性の欠如性に基づき、3種の動 名詞構文の内部構造に関する諸特徴と分布を原理的に導出した。第4章では,フェイズ形成の可 否と,フェイズ主要部のエッジ素性に駆動される内的併合可能性に基づき,数量詞句の作用域解 釈を原理的に捉えた。さらに、外的ペア併合分析に基づき,属格動名詞構文の統語構造と対格動 名詞構文との交替可能性も引き出し、主格独立分詞構文や名詞的動名詞や不定詞などの文法現象 の適用可能性を示した。第5章では,日本語の「ガ・ノ交替」現象の先行研究の問題点を指摘し た上で、外的ペア併合に基づく動名詞構文の派生を基に,より自然な統語派生を提示した。さら に、叙実動詞補文の派生を動名詞構文との類似点と相違点に基づき分析した。第6章で議論を総 括した。

本論文の最大の特徴と利点は、最先端の理論的分析を注意深く吟味した上で、MP の基本に立ち 返り、理論的側面と経験的側面の両方から最適のモデルを提案し、英語動名詞構文の分析を通じて、

その妥当性を実証的に示した点にある。その論考は、従来の研究の問題点を克服し、動名詞構文と

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それ以外の様々な文法現象に潜むメカニズムを明らかにしたものであり、今後のフェイズ理論研究 の方向性を示したのみならず、従来のアプローチではうまく説明できなかった現象そのものに対す る理解を深めた重要な分析として、生成文法における理論研究に大きな貢献をするものと評価でき る。

以上のことから、本調査委員会は、本論文の提出者が博士(文学)の学位を授与されるに相応し いと認めるものである。

参照

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