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特集 基礎医学研究の活性化を目指して : はじめに : 医学教育は何を目指すべきか?

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Academic year: 2021

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特集 基礎医学研究の活性化を目指して

はじめに:医学教育は何を目指すべきか?

(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部機能解剖学分野) 基礎医学研究の活性化は難しい問題です。今回,特集 のテーマとして「基礎医学研究の活性化を目指して」を 選んだのは,この問題に日本における医学教育,卒後臨 床研修の矛盾が凝縮していると考えたからです。 谷憲治先生が指摘しているように,日本では基礎医学 の研究者(特に若手)は卒後すぐに研究をめざした者ば かりでなく臨床医学出身者が結構多いのです。基礎医学 研究は彼らによって活性化されるとともに,将来臨床研 究を担う優れた人材の養成にも貢献してきました。しか し卒後臨床研修制度義務化によって,研修医が都市部の 大病院に集中し地方の大学病院で研修する卒業生は減少 しています。基礎医学研究から学ぶことは実験技術のみ でなく,研究に対する姿勢や医学を科学としてみる考え 方など,将来臨床医として患者診療にあたる場合にも必 要な能力です。 坂口末廣先生が述べられているように,夢または願望 があってはじめて,人は何かに向かって動き始める。若 手研究者を育成するためには,夢を見させること,また は夢を持たせることが重要です。そのためには,指導者 自身が熱い夢を語れなければならないし,われわれ教室 運営にあたる者が心しなければならない重要な点です。 また,馬原文彦先生は臨床の立場,ご自身の日本紅班熱 の原因リケッチャ発見の経験より,知的好奇心を共有す ることが基礎医学,臨床医学を問わず大きな喜びであり, 医学生を含めた若い力を吸引する源であると述べられて います。統合生理学分野の藤木通弘先生は,7年間の米 国留学の経験から米国の研究システムは絶対のものでは なく,日本独自の医学研究体制を構築すべきだと述べて います。 われわれ研究室を主宰する者(教授,研究指導者), 大学の管理運営者(学長,理事,学部長)の義務として ぜひやらなければならないことは,若手研究者が集中し て研究に打ち込める環境(システムと設備)を提供して あげることだと考えます。このことは研究指導者だけに 任せるのではなく,大学(医学部)全体として取り組ん でいかねばならない重要な問題です。 四国医誌 64巻1,2号 1 APRIL25,2008(平20) 1

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