Ⅲ 利水・環境に関する資料
(鯉川水系河川整備基本方針)
(平成 27 年度第 1 回兵庫県河川審議会)
目次
1 正常流量検討手順・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 2 河川環境の把握・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 3 河道状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8 4 社会環境・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 5 河川区分・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 6 項目別必要流量の設定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 7 項目別必要流量の検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12 8 維持流量・水利流量の設定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16 9 正常流量の設定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・171 正常流量検討手順
正常流量は、以下の検討フローに従って検討する。 河川環境の把握 項目別必要流量の算定 ・ 「動植物の生息地または生育地の状況」、「漁業」 ・ 「景観」 ・ 「流水の清潔の保持」 ・ 「舟運」 ・ 「塩害の防止」 ・ 「河口閉塞の防止」 ・ 「河川管理施設の保護」 ・ 「地下水位の維持」 等 代表地点の設定 期間区分 正常流量の検討 正常流量の設定 ・ 河川流況 ・ 河川への流入、河川からの取水量等 ・ 河道状況 ・ 自然環境 ・ 社会環境 ・ 既往の渇水状況 項目別必要流量検討方針の設定 項目別必要流量の検討 維持流量の設定 水利流量の設定 河川区分2 河川環境の把握
(1) 流況
鯉川水系では、水質調査や流況把握を目的とした低水流量観測は行っておらず、水系全体の流 況は不明である。 そのため、近傍の新湊川水系の流量観測資料(天王ダム管理日報)から、鯉川の渇水流量を推 定した。 ○天王ダムの概要 ・河川:新湊川水系天王谷川 ・目的:洪水調節、レクリエーション ・集水面積:4.6km2 ・管理者:兵庫県 図)天王ダム 流量図(2007 年~2015 年) 天王ダムでは、記録が残る 2007 年(H19)以降、直近8年間の流量データを用いて渇水流量を 算定した(下表)。8年平均値は 0.038 m3/s であるが、期間中にゼロを記録した年(2008 年(H20)) 天王ダム表 2.1 天王ダム 流況表 最大流量 豊水流量 平水流量 低水流量 最小流量 2007 H19 0.165 2.005 0.500 0.365 0.245 0.115 2008 H20 0.000 1.875 0.465 0.135 0.020 0.000 2009 H21 0.015 6.100 0.290 0.080 0.035 0.010 2010 H22 0.020 2.240 0.215 0.080 0.050 0.010 2011 H23 0.035 3.780 0.250 0.145 0.080 0.015 2012 H24 0.035 4.485 0.200 0.125 0.095 0.030 2013 H25 0.015 6.325 0.170 0.095 0.065 0.010 2014 H26 0.020 6.050 0.185 0.110 0.080 0.015 0.038 4.108 0.284 0.142 0.084 0.026 0.829 89.293 6.182 3.084 1.821 0.557 渇水流量 年度 (参考) 平均流量 平均比流量 豊水流量:1 年を通じで 95 日はこれを下回らない流量 平水流量:1 年を通じで 185 日はこれを下回らない流量 低水流量:1 年を通じで 275 日はこれを下回らない流量 渇水流量:1 年を通じで 355 日はこれを下回らない流量 観測した 365 日分の流量データを、大きい順に並べて、95 番目の流量を豊水流量、同 185 番目を平水流量、同 275 番 目を低水流量、同 355 番目を渇水流量という。
(2) 河川への流入量、取水量等
① 下水道流入
汚水について、神戸市の下水道事業では、市街地を中心に全市人口の 98.6%を整備する計画 となっており、平成 26 時点において、全体計画 98.6%のうち 99.8%の整備が完了している。ま た、神戸市の生活排水処理率も 98.7%を達成している現状を踏まえ、鯉川への汚水流入はない(無 視し得る程度)ものと考えられる。 また、雨水排水については、JR 高架橋付近において、左岸側から旧北野川雨水幹線(Φ=1.00m) が、右岸側から元町駅北雨水幹線(Φ=0.80m)が鯉川に接続している。② 水利権
鯉川水系の検討対象区間においては、取水は行われておらず、農業用水、上水道、工業用水の 水利権は存在しない。③ 取水施設の確認
取水施設は存在しない。(3)河川水質
鯉川では、水質調査は実施していない。 なお、流域内には工場、農地、畜産場等、大規模な水質汚濁物質の発生源は存在しない。(4)河川の動植物
① 植 物
鯉川周辺の現存植生図を図 2.1 に示す。 鯉川流域の植生は、山間部ではアベマキ-コナラ群集、アラカシ群落が多く確認されている。 河川の植生としては、暗渠区間には植生は存在せず、開渠区間においても、コンクリートや石 積の三面張小水路であり、コケやシダ類などが一部に散見されるが、ほとんど植生は見られない。 凡例 アラカシ群落 アベマキ-コナラ群集 残存・植栽樹群をもった公園、墓地等 流域界 出典:自然環境保全基礎調査 1/25,000 現存植生図 図 2.1 現存植生図 残存・植栽樹群をもった 公園、墓地等 アラカシ群落 アベマキ-コナラ群集③底生動物
平成 27 年に実施した調査において、20 科 25 種の底生動物が確認されている。 調査地点(3 箇所)を図 2.2 に、確認種一覧を表 2.2 に示す。 地点1では、種数、個体数ともに少ない結果となった。これは、極めて単調な物理環境であり、 底生動物の生息環境としては非常に厳しい条件にあるものと考えられる。なお、重要種は確認されておら ず、外来種はサカマキガイの 1 種が確認されている。 地点2では、他地点に比べると個体数、種数とも多い結果となった。カゲロウ目、トビケラ目 などに加え、サワガニも確認された。これは、固定され安定した石張り河床の河床状態による環 境によるものと考えられる。なお、重要種や外来種は確認されていない。 地点3では、種数が少ない結果となった。これは、極めて単調な物理環境であり、底生動物の 生息環境としては非常に厳しい条件にあるものと考えられる。なお、重要種や外来種は確認されていない。 図 2.2 底生動物調査地点 1 2 3表 2.2 底生動物の確認種一覧 調査年月日:平成27年8月21日 定量 定性 定量 定性 定量 定性 瀬 瀬 瀬 瀬 瀬 瀬 1 腹足綱 盤足目 カワザンショウガイ科 ウスイロオカチグサガイ Paludinassiminea debilis 1 1 2 基眼目 モノアラガイ科 ヒメモノアラガイ Fossaria ollula 1 3 サカマキガイ科 サカマキガイ Physa acuta ○ 9 96 4 ミミズ綱 ツリミミズ目 フトミミズ科 フトミミズ科 Megascolecidae 2 5 軟甲綱 ワラジムシ目 ミズムシ科 ミズムシ Asellus hilgendorfi 2 1 4 7 6 エビ目 サワガニ科 サワガニ Geothelphusa dehaani 3 7 昆虫綱 カゲロウ目(蜉蝣目) コカゲロウ科 シロハラコカゲロウ Baetis thermicus 447 29 245 100+ 8 ウデマガリコカゲロウ Tenuibaetis flexifemora 38 3 9 トビケラ目(毛翅目) シマトビケラ科 ウルマーシマトビケラ Hydropsyche orientalis 1 10 クダトビケラ科 クダトビケラ科 Psychomyiidae 10 11 ヒメトビケラ科 ヒメトビケラ属 Hydroptila sp. 2 12 ナガレトビケラ科 クラマナガレトビケラ Rhyacophila kuramana 1 1 13 カクスイトビケラ科 ハナセマルツツトビケラ Micrasema hanasense 2 4 14 ニンギョウトビケラ科 ニンギョウトビケラ Goera japonica 1 15 カクツツトビケラ科 カクツツトビケラ属 Lepidostoma sp. 5 16 チョウバエ科 チョウバエ科 Psychodidae 2 17 ヌカカ科 ヌカカ科 Ceratopogonidae 1 18 ユスリカ科 テンマクエリユスリカ属 Eukiefferiella sp. 24 19 ハモンユスリカ属 Polypedilum spp. 8 7 41 6 13 5 20 モンユスリカ亜科(ヤマトヒメユスリカ族) Tanypodinae(Pentaneurini) 1 2 1 21 エリユスリカ亜科 Orthocladiinae 1 1 22 ユスリカ亜科 Chironominae (蛹) 2 2 23 ブユ科 アシマダラブユ属 Simulium spp. 17 3 2 24 ナガレアブ科 ナガレアブ科 Athericidae (若齢) 1 25 コウチュウ目(鞘翅目) ガムシ科 マルガムシ亜科 Hydrobiinae (幼虫) 1 5 6 12 11 2 9 - - 22 - 585 57 258 -16 9 23 個体数/0.18㎡ 種数 0 1 8 1 2 3 重 要 種 外 来 種 鯉川 No. 綱名 目名 科名 和名 学名
④鳥 類
流域内では、カワラバト、キジバト、ツバメ、ヒヨドリ、スズメが確認されたが、河川に依存 する種は確認されていない。3 河道状況
(1) 周辺地形
流域の大部分は急峻な山地であり、下流部は高度に都市化された市街地が扇状地形に形成され ている。(2) 河床勾配
河床勾配は上流部で 1/20、下流部(暗渠区間)で 1/30~1/105 である。(3) 河床材料
全面石張りやコンクリート張りで整備されており、河床材料は存在しない。(4)
河道状況
河口から約 1.4km の山本通りまでの区間は暗渠となっている。山本通りより上流は開渠区間で あり、石積やコンクリート張の三面張の小水路にコケやシダ類などが一部に散見するが、ほとん ど植生や動植物は見られない。また、平時の流水は無しまたは僅少(水深は 1cm 程度)である。 急峻な勾配であるため、至る所に落差工が設置されている。(5) 主要横断工作物
堰等の横断工作物はない。(6) 河口閉塞
河口部(暗渠内部)では、閉塞(土砂堆積)の傾向は見られない。4 社会環境
(1) 景観
全区間にわたり特筆すべき自然景観はない。(2) 環境・景勝地
鯉川の開渠区間の西側は、旧外国人居留地に由来する近代洋風建築物や歴史的景観の価値があ る建物が数多く存在している。(3) イベント・親水
親水施設はない。(4)
漁業
漁業権は設定されていない。(5) 舟運
舟運利用はない。(6) 塩害
過去に被害は記録されておらず、塩害は生じていない。(7) 地下水利用
流域内における井戸の取水実態は不明であるが、工場等の大規模な地下水取水を要す る施設の立地はない。5 河川区分
河川環境の縦断的特性を踏まえ、複数の区間に河川区分を行う。 以下の観点を考慮して 3 区間に区分することとした。 ・区間1 河口から基準点 JR 高架橋下流(地下河川:圧力暗渠区間) ・区間2 基準点 JR 高架橋上流から城ケ口川合流点付近(地下河川:非圧力暗渠区間) ・区間3 城ケ口川合流点付近から二級河川上流橋 区間 3 区間 2 区間 16 項目別必要流量の設定
「正常流量検討の手引き(案)国土交通省河川局河川環境課 平成 19 年 9 月」に、必要流量 検討対象項目として9項目が挙げられている。 鯉川水系ではこれらの9項目について検討方針を以下の通り設定し、「流水の清潔の保持」に ついて、必要流量の検討を行った。 なお、区間1、2については、地下河川区間であるため、項目別必要流量の検討対象外とした。 表 6.1 項目別必要流量の検討項目 必要流量 検討項目 流量の変化による影響 検討方針 区間3 動植物の生息地 または 生育地の状況および漁業 平時における流水は無または僅か であり、調査においても魚類の生息 は確認されておらず将来も生息の可 能性は少ない。 特に検討の必要はない。 景観 特筆すべき景観はない。平時にお ける流水は無または僅かであり、ま た、川幅が狭く、水路状の河川であ るため、流量による影響は認められ ない。 特に検討の必要はない。 流水の清潔の保持 流域内に汚濁源はなく、水質の悪 化が懸念される状況にはないが、水 質維持、向上という観点において必 要流量を設定する必要がある。 想定される汚濁負荷量を 含む河川水に対し、一定の 基準まで希釈するために必 要な流量を検討する。 舟運 現在舟運は行われておらず将来も その可能性はない。 特に検討の必要はない。 塩害の防止 過去に塩害が生じておらず、また、 下流部は暗渠区間(圧力管方式)で あり、塩害の影響をうける可能性は ない。 特に検討の必要はない。 河口閉塞の防止 河口部(暗渠内部)の堆積土砂は、 出水時に海域へ排出されることか ら、特段の対策は不要。(適時撤去) 特に検討の必要はない。 河川管理施設の保護 流量の増減によって影響を受ける 木製施設はない。 特に検討の必要はない。 地下水位の維持 過去に地下水位の低下により、堤 内地で問題が発生したことはない。 特に検討の必要はない。7 項目別必要流量の検討
(8) 「流水の清潔の保持」からの必要流量
① 検討手順
「流水の清潔の保持」からの必要流量は、以下の手順により設定する。② 鯉川の水質の状況
水質評価指標となる BOD(生物化学的酸素要求量)や流況のデータは存在しないため、近傍河 川(宇治川)の水質調査結果を整理する。 宇治川では経年的に水質観測が実施されており、平成 22 年は BOD 値が 4.1mg/l と環境基準値 C 類型並の水質を示しているが、平成 24 年と平成 26 年の近年 2 回の調査結果では、環境基準 A 類を満足する良好な水質を示している。 年度 BOD値(mg/L) 平成20年 1.3 平成22年 4.1 平成24年 1.4 平成26年 1.5 図 7.1 水質の状況③ 鯉川の推定流況
前述の天王ダムの流況から推定した鯉川の流況は以下の通りである。 山本通り地点では、平均低水流量で 0.009m3/s 平均渇水流量で 0.004m3/s である。 表 7.1 鯉川(山本通り地点)の推定流況 流域面積 0.49 km2 最大流量 豊水流量 平水流量 低水流量 渇水流量 最小流量 2007 H19 0.214 0.053 0.039 0.026 0.018 0.012 2008 H20 0.200 0.050 0.014 0.002 0.000 0.000 2009 H21 0.650 0.031 0.009 0.004 0.002 0.001 2010 H22 0.239 0.023 0.009 0.005 0.002 0.001 2011 H23 0.403 0.027 0.015 0.009 0.004 0.002 2012 H24 0.478 0.021 0.013 0.010 0.004 0.003 年度 1)現況水質の把握 (公共用水域水質調査結果を整理) 2)水質項目の設定 (河川の有機汚濁の指標である BOD を設定) 3)検討箇所の設定 (河川区分を代表出来る地点を設定) 4)評価基準の設定 (目標水質の 2 倍値を設定) 4)検討箇所別必要流量の設定(水質評価基準を満たす流量を算定 )④ 水質項目の設定
「流水の清潔の保持」からの必要流量算定のための水質評価指標は、河川の有機汚濁の総合的 な指標である BOD(生物化学的酸素要求量)を、水質評価の項目に採用する。⑤ 検討箇所の設定
鯉川では、既設の環境基準点や水質基準点などは設定されていないことから、河川環境や水利 用の面から区間を代表できる地点として、開渠の最下流点である「山本通り」地点を設定する。 図 7.2 検討地点の位置図⑥ 評価基準の設定
評価基準の設定にあたっては、水質評価指標となる BOD(生物化学的酸素要求量)や流況のデ ータは存在しないため、近傍河川(宇治川)の水質調査結果を基に設定を行う。 宇治川では経年的に水質観測が実施されており、平成 26 年の水質調査結果において、清風橋 地点の BOD 値が 1.5mg/l となっている。宇治川では水質汚濁に係る環境基準の類型指定は設定さ れていないが、この観測値は環境基準 A 類型を満足していることから、鯉川も同程度とみなし、 基準値をA類型並の BOD:2mg/l に設定し、渇水時にあたっては、その 2 倍値 BOD:4mg/l を満足 ●検討地点:山本通り⑦ 必要流量の設定
1.検討対象負荷量の設定 汚濁発生源は大きく 4 つ(生活系、工業系、畜産系、自然(面源)系)に分類される。 工場系負荷量、畜産系負荷量については、発生源となる施設が流域内に存在しないことから、 生活系、自然系を対象とした。 生活系負荷量については、下水道整備率も 99.8%(H26)を達成していることで生活排水の河 川への流入はほとんどないと考えられるが、上流部では河川に家屋が近接している箇所もあり、 少量ではあるが鯉川への汚水流入も考えられることから検討対象とした。 なお、自然系については、河川の低水流量時を対象とするため、山林などの自然地域からの汚 濁のみとし、「流総指針」より基準地点の水質に一律 0.5mg/l を見込むこととした。 2.流出負荷量の算定 鯉川水系では、水質調査や流況把握を目的とした低水流量観測は行っておらず、水系全体の流 況は不明である。そのため、近傍の宇治川水系の清風橋地点における流出負荷量から、市街地の 流域面積比により鯉川の流出負荷量を推定した。 清風橋地点の低水流量流下時の流出負荷量を以下に示す。 表 7.2 流出負荷量(宇治川) 項目 BOD 水質 (mg/l) 流量 (m3/s) 流出負荷量 (kg/日) 宇治川 清風橋地点 1.0 0.062 5.357 表 7.3 市街地面積 項目 流域面積 (km2) 市街地面積 (km2) 宇治川 清風橋地点 3.4 0.59 鯉川 山本通り地点 0.49 0.09 表 7.4 流出負荷量(鯉川) 項目 流出負荷量(kg/日) 鯉川 山本通り地点 0.8173.必要流量の設定 以上の検討より、目標水質を満足するための「流水の清潔の保持からの必要流量」は、山本 通り地点において、0.003m3/s と設定する。 ・計算式 必要流量=流出負荷量(kg/日)÷(目標 BOD-自然系 BOD(mg/l))×86.4) ※正常流量検討の手引き(案)H19.9 P36 表 7.5 必要流量検討結果 検討地点 河川区分 BOD 目標水質 (mg/l) 必要流量 (m3/s) 山本通り 区間 3 4 (内 0.5 は自然系 BOD) 0.003
8 維持流量・水利流量の設定
(1) 維持流量の設定
① 区間別・期間別維持流量の設定
区間別維持流量は、河川区分した各々の区間において求めた項目別必要流量を満足する流量と して設定する。 表 8.1 区間別維持流量設定表 単位(m3/s) 区間1 区間2 区間3 項目 期間 動植物の生息または生 育、漁業 通年 - - - 魚類の生息は確認されてい ない 景観 通年 - - - 流水の清潔の保持 通年 - - 0.003 必要流量 通年 - - 0.003 河川名 鯉川 備考 区間名 検討箇所 暗渠 (圧力区間) 暗渠 (非圧力区間) 鯉川 山手幹線~上流端(2) 水利流量の設定
鯉川では水利権はなく、水利用はない。 山本通り9 正常流量の設定
(3) 代表地点の設定
正常流量を設定する代表地点は、河川の低水管理を行うために基準となる地点として下記の地 点を設定した。 代表地点:山本通り(4)
期間区分
正常流量の期間区分は、維持流量や水利流量の期別パターンを勘案し、期間区分を行うことが 一般的であるが、鯉川は水利用がないため、維持流量の期間区分を正常流量の期間区分とする。(5)
流入量・取水量の設定
○流入量の設定 前項で推定した 1/10 渇水比流量(0m3/s/100km2)より、河川への流入量はゼロと設定する。 ○取水量・還元量の設定 鯉川では水利権はなく、水利用はない。 ○伏没量・還元量の設定 覆没量・伏没量は見込まないものとした。(6) 代表地点における正常流量
代表地点における正常流量の設定にあたっては、まず設定した区間別維持流量と流入量・取水 量を考慮し、すべての区間別維持流量と水利流量を満足しうる流量を求め、正常流量として設定 する。 検討の結果、正常流量は期間により異なるが、代表地点である山本通り地点では、最大で 0.684m3/s となった。 表 9.1 代表地点における正常流量 (m3/s) 比流量m3/s・100km2 鯉川 区間3 山手幹線 通年 0.49 0.003 0.612 河川 区間 代表地点 期間 流域面積 (km2) 正常流量設定値 表 9.2 正常流量の設定(通年) ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ 地点 流域面積 (km2) 直上流 (前ステップ の⑦) 流入・還元 分派・取水 直下流量 ①+②-③ 維持流量 過不足量 ④-⑤ (不足は-) 修正流量 ④≧⑤:④ ④<⑤:⑤ 残流域 0.05 0.000 0.000 0.000 0.003 -0.003 0.003 代表地点(山手幹線) 0.003 0.003 0.003 0.000 0.003 0.003 + 0.000 = 0.003 鯉川正常流量の検討 区間 鯉川 区間3 代表地点(山手幹線)の正常流量=維持流量+不足量の合計= 図 9.1 正常流量の設定(通年) 山本通り 山本通り 山本通り鯉川水系
河川環境検討シート
目 次 概要書 ... 1 ①資料収集 ①-A 調査文献シート ... 2 ①-B ヒアリング結果概要シート ... 3 ①-C 現地調査一覧シート ... 4 ①-D 現地調査概要シート ... 5 ②整理 ②-A 河道の変遷シート ... 8 ②-C 河川区分の検討シート ... 9 ②-D 環境区分と生物の関連シート ... 10 ②-D’ 環境区分毎の生物の利用及び整備と保全のための配慮事項 ... 11 ②-G 河川環境情報図(区間図) ... 12 ③分析 ③-A 基本的な方針の検討シート ... 13概
要
書
水 系名 鯉川 級種 2級 都道府県 兵庫県 関 係市町村 名 神戸市(人口:約 153 万人 ) 河 川概要 流域面積 1.0km2 幹川延長 1,725m(法定) 源流標高 TP+337.6m(堂徳山) 基準地点 川幅 JR 高架橋 6.0m ・住宅密集地を流下する都市河川 ・河口から約 1.4km までの 区間は暗渠、上流は主に三面張コンクリート開渠 工 事実施基 本計画 計画規模 - 基本高水 - 計画高水 - 河 川整備基 本方針 計画規模 1/100 基本高水 30m3/s 計画高水 30m3/s 河 川整備計 画 目標規模 - 目標流量 - 河道流量 - 既 設ダム及 び堰 正 常流量 該当施設なし 正 常流量 設定なし 主 な名勝地 、景 勝地等 神戸港、メリケンパーク、旧外国人居留地、神戸市水の科学博物館、再度山 生 息する貴 重種 なし 河 川 環 境 の 整 備 と 保 全 のポイン ト 【水質改善】 水質の維持・向上①-A
調 査 文 献 シ ート
兵庫県 鯉川水系 主な調査項目 調査文献名(作成者、対象年度等) 流 量 概 要 河 川 特 性 水 環 境 ・ 水 利 用 動 植 物 社 会 特 性 そ の 他 ○ 5 万分の 1 都道府県土地分 類基本調査<神戸>地形分布図(国土交通省) ○ 5 万分の 1 都道府県土地分 類基本調査<神戸>表層地質図(国土交通省) ○ ○ ○ ○ ○ ○ 地理院地図:地理院タイル国土電子基本図(国土地理院) ○ ○ ○ ○ 地形図 1/25,000:西宮、宝塚 ○ ○ 気象統計情報 神戸地方気象台 1990-2015 気温・降水 量(気象庁) ○ ○ 神戸の統計 人口、製造品出荷額、農業 (神戸市) ○ 「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」 ○ 「文化財保護法・文化財保護条例」 における天然記念物。 ○ 「環境省レッドリスト(環境省、2013)」掲載種(EN:絶滅危 惧 Ⅰ B 類 、VU: 絶滅危惧Ⅱ類、NT:準絶滅危惧種、DD:情報不足) ○ 「兵庫県の貴重な自然(兵庫県、2003、2013、2014)」掲載種(A~C:A ランク~Cランク、要注:要注目、要調:要調査) ○ ○ 鯉川周辺航空写真 (昭和 23 年、昭和 49 年、 平成 21 年) ○ 神戸市水質年報「環境水質」①-B
ヒアリング結果概要シート
兵庫県 鯉川水系 ヒアリング 対象者 (所属等) 日 時 ヒアリング者 (所属等) 概 要 吉岡英二教授 (神戸山手大学) 平成 28 年 1 月 18 日 10:00~ 11:40 株式会社パスコ <生物環境について> ・特筆すべき生物の利用はないであろう。①-C
現 地 調 査 一 覧 シ ー ト
兵庫県 鯉川水系 項目 調査年月 植物 河道内 平成 27 年 8 月 動物 魚類 平成 27 年 8 月 底生動物 平成 27 年 8 月 鳥類 平成 27 年 8 月①-D
現 地 調 査 概 要 シ ー ト(1/3)
兵庫県 鯉川水系 調査年 平成 27 年度 調査項目 鳥類 調査実施者 株式会社パスコ 概要 4科5種の鳥類が確認された。 河川周辺の市街地で、カワラバト、キジバト、ツバメ、ヒヨドリ、ス ズメ等が確認された。 貴重種は確認されていない。①-D
現 地 調 査 概 要 シ ー ト(2/3)
兵庫県 鯉川水系 調査年 平成 27 年度 調査項目 魚類底生動物調査 調査実施者 株式会社 パスコ 概要 ■魚類 確認されなかった。 ■底生動物 23 種の底生動物が確認された。出現種のほとんどは、河川中流域を中 心 に 分 布 し 、 兵 庫 県 を 含 む 西 日 本 の 河 川 で ふ つ う に み ら れ る も の で あ る。 貴重種は確認されていない。①-D
現 地 調 査 概 要 シ ー ト(3/3)
兵庫県 鯉川水系 調査年 平成 27 年度 調査項目 植物群落 調査実施者 株式会社 パスコ 概要 確認されなかった。 (開渠のコンクリート表面にシダや苔類が生息)②-A
河 道 の 変 遷 シ ー ト
兵庫県 鯉川水系 写真 年 河道への影響要因 昭 和 23 年 S13 S36 S42 S55 S62 H5 (阪神大水害) (S36 災 集中豪雨) (S42 災 台風7号) 都市 小河 川 改修 事 業と して 河道 改修に着手 都市 河川 緊 急整 備 事業 とし て暗 渠化工事に着手 改修完了 昭 和 49 年 平 成 21 年 鯉川 鯉川 追谷川 城ヶ口川 鯉川 鯉川 追谷川 城ヶ口川 鯉川 追谷川 城ヶ口川 JR 元 町 駅 JR 元 町 駅 三 宮 地 下 街河川区分の検討シート ②-C 0.0 0.5 1.0 1.5 魚類 底生生物 鳥類、は虫類、両 生類、昆虫等 1/200~1/20 1/20 なし 市街地 山地 観光・景勝地 漁業権 自 然 環 境 河川水質BOD 動 物 6m 不明(計測地点なし) 社 会 環 境 土地利用 セグメント 瀬淵等 川幅 河床状況 河道状況 植物(群落) 距離(km) 略図 河 川 特 性 周辺地形 勾配 平地 - 人工河床で水深が浅く 明確な瀬や淵にない。 3m (生息なし。) コンクリート コンクリートまたは石張 セグメント1 - (生息なし。) (生息なし。)
開渠
暗渠
1.5m ・コカゲロウ科 ・ミズムシ科 ・スズメ ・ドバト ・ツバメ JR元町駅 鯉川 ・旧外国人居留地 ・南京町商店街 ・シダ、苔類 追谷川 城ヶ口川 ・メリケンパーク ・相楽園環境区分と生物の関連性シート 開 渠 区 間 兵 庫 県 鯉 川 水 系
環境区分
主な群落
主な植物
主な動物
利用状況
淵 瀬 水際 背後地 樹林地 ア ラ カ シ 群 落 ア ラ カ シ ク ス ノ キ ク ヌ ギ 河 川 ( 水 辺 ) に 特 に 依 存 し な い 鳥 類 や 昆 虫 類 が 生 息す る。 ②-D 水域 陸域 河道は急勾配のコンクリート水路(または石張)であり、平時における流水は無または僅少。環境区分毎の生物の利用及び整備と保全のための配慮事項 兵庫県 鯉川水系 背後地(樹林) 開渠区間 生物の利用 ・河道は三面張コンクリート水路であり、平時の流水は無または僅少。目地等に苔類やシダ類が生息す る程度で特筆すべき生物の利用はみられない。 ・隣接する背後地の樹林等では、河川環境(水辺)に特に依存しない昆虫や鳥類等が生息すると推察さ れる。 保全のための配慮事項 河道を維持管理する際は、河道内に転落した昆虫や小型ほ乳類等が這い上がり易い構造・仕様とする 等、河道の縦断的・横断的な連続性に配慮する。 ②-D’ 河川区域 [コンクリート水路] [住宅] [ 転 落 防 止 柵 ]
鯉川環境情報図(区間図)
基本的な方針の検討シート 河川の区域分けと その理由 ・下流域・・・・・・・河口から JR 高架橋まで 圧力暗渠区間 ・中流域・・・・・・・JR 高架橋から城ヶ口川合流点まで 非圧力暗渠区間 ・上流域・・・・・・・城ヶ口川合流点から上流端まで 開渠区間 区間