31-1 2. 研究方法 2-1. 調査対象 本研究では、全国でも先進的な保幼小連携の取り組 みを行っている品川区を対象とする。また、区内で特 に積極的に保幼小連携の取り組みを行っている 6 校を 調査対象校とする ( 図 1)。 2-2. 調査の方法 調査概要を表 1 に示す。まず、行政資料等の資料調 査、保育課と教育委員会の方へのヒアリング調査を通 して、品川区の保幼小連携の取り組みの概要、実施状 況を把握した。その後、対象校を選定し、施設台帳や 平面図等の資料調査、管理職の方等へのヒアリング調 査、アンケート調査を行い、利用実態を把握・分析した。 以上の内容と観察・実測調査の内容を踏まえて、保幼 小連携の取り組みおける空間計画の分析・課題の抽出 を行った。 1. 研究の背景と目的 近年、小学校に入学した 1 年生が学校生活や学習に うまく適応できない状態が続く、いわゆる「小 1 プロ ブレム」文 1と呼ばれる問題が全国的に問題となってい る。この課題を解消するために保育園・幼稚園・小学 校をスムーズに接続することを目指して、保幼小連携 の取り組みを実践する自治体が増加している。一方で、 平成 22 年に閣議決定された「子ども・子育てビジョン」 においては、待機児童が都市部に集中し、これらにお いては保育所整備に必要なスペースの確保が容易では ないことから、小・中学校の余裕教室などを活用した 保育所の整備などを推進することを掲げている。この ような状況を受け小学校では様々な形で保幼小連携が 進められており、児童数の減少に伴って発生する余裕 教室を幼稚園や保育園として整備する例も見られるよ うになった。しかしながら、保幼小連携の取り組みは 制度上未整備な状態であることから、各自治体、各学 校で多様な独自の取り組みを行っている段階であり、 運営方法や施設整備など課題が多いと考えられる。 そこで本研究では、保幼小連携の先進的な取り組み を行っている品川区を対象に保幼小連携の取り組みに おける施設計画上の課題や利用実態を明らかにするこ とで、保幼小連携の取り組みにおける小学校の施設整 備の在り方、学校建築の余剰空間の活用の指針となる 知見を得ることを目的とする。
保幼小連携の取り組みにおける小学校の利用実態と空間計画
ー品川区の保幼小交流事業実施校を対象にー 日高 彩菜 図 1. 調査対象校概要 表 1. 調査概要 調査 調査時期 調査概要 資料調査① ヒアリング調査① 観察・実測調査 アンケート調査 資料調査② ヒアリング調査② 施設台帳や平面図をもとに施設整備状況や空間再 編の実態を把握する。 行政資料をもとに、品川区保幼小連携の取り組み の概要を整理する。 保育課、教育委員会にヒアリングを行い、保幼小 連携の取り組みの実施状況を把握する。 対象校に対して、幼稚園・保育園専用の室周辺の 家具配置の把握と実測を行い、活動の実態を把握 するため、観察調査を行った。 対象校、連携園の保幼小連携担当者に対し、保幼 小連携の取り組みの活動内容・活動場所・工夫に ついて尋ねた。 2013 年 9 月 2013 年 10 月 2013 年 10 月 2013 年 10 月 2013 年 11 月 2013 年 12 月 対象校の管理職の方・新設された小学校 (Dh 小学 校 ) 設計担当事務所に対してヒアリングを行い、保 幼小連携の取り組みの運営や施設整備の特徴を把 握する。 園庭 園庭 校庭 Nnの森 127(31)人 10(4) ※:()内の数値は特別支援学級 Nb保育園 236人 10 Ns保育園 172人 6 Db幼稚園 480(21)人 15(3) 325(19)人 12(3) 307人 12 Mg保育園 No幼稚園 Db保育園 Ng保育園 Ds園 (幼保一体) Dg保育園Jn幼稚園 Mn保育園 Mg 小学校 Nn 小学校 Db 小学校 Dh 小学校 Hk 小学校 Jn 小学校 児童数※ 学級数※ 施設竣工年 校地面積 連 携 園 建築面積 児童数※ 学級数※ 施設竣工年 校地面積 建築面積 6,844㎡ 3,994㎡ 1969年 7,347㎡ 3,978㎡ 1969年 11,839㎡ 6,292㎡ 2005年 3,335㎡ 7,702㎡ 1958年 4,999㎡ 1967年 7,563㎡ 8,593㎡ 13,652㎡ 2010年 N 校庭 校舎 校庭 校庭 N 0 1020 40 60 80 100 m 0 1020 40 60 80 100m 0 1020 40 60 80 100m 0 1020 40 60 80 100m 0 1020 40 60 80 100m 0 1020 40 60 80 100m N N 幼稚園 N N 校庭 園庭 幼稚園 校庭 凡例 園児専用門 児童専用門 共用門 園児専用玄関 児童昇降口 共用玄関 体育館 プール 園庭 第二校庭 ( 砂 ) 第一校庭 ( 芝生) 幼保一体施設 市民センター 階数 地上3階 連 携 園 階数 地上3階 児童数※ 学級数※ 施設竣工年 校地面積 連 携 園 建築面積 階数 地上3階 保育園 児童数※ 学級数※ 施設竣工年 校地面積 連 携 園 建築面積 階数 地下2階地上3階 児童数※ 学級数※ 施設竣工年 校地面積 連 携 園 建築面積 階数 地上3階 Hk幼稚園 Oi保育園 児童数※ 学級数※ 施設竣工年 校地面積 連 携 園 建築面積 階数 地上3階 ศ㞳 వ⿱ᩍᐊ⏝ 䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷䈜㻝 ศ㞳 ศ㞳 施設一体 వ⿱ᩍᐊ⏝ 䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷䚷䈜㻝 ศ㞳 併設 併設 併設 ศ㞳 ศ㞳 第二校庭 ※1:5歳児室のみ整備 వ⿱ᩍᐊ⏝ 2階に園専用玄関を設置31-2 3.品川区の保幼小連携の取り組みの特徴 3-1.品川区保幼小交流事業概要 品川区は保育の質の向上、保幼小連携の充実を目指 して、平成 19 年より保幼小交流事業を開始し、独自 の保育・教育課程文 2を編成した。区内の小学校にお いて、各学校様々な形で保幼小連携の取り組みが継続 的に行われている。また、就学前の 5 歳児が定期的に 小学校に滞在し教育時程を体験する「スクール・ステ イ事業」も一部エリアで実施されている。 3-2.余裕教室を活用した取り組み 「保幼小連携」の新しい形として、小学校の児童数減 少に伴い増加した余裕教室を活用した保育室の整備が 進められている。小学校敷地内に保育室がおかれるこ とで円滑な交流を進めることができることから、「ス クール・ステイ事業」の先導的役割を果たしていくと 考えられている。 3-3.保幼小連携の取り組みの実施状況 現在、区内の全小学校と 68 園(実施率 73%) の保育 園・幼稚園で連携活動が行われている。実施小学校と 連携園との距離の関係を見てみると、最遠で 1380m で、ほとんどの園が 1000 m圏内にある近接した小学 校と保幼小連携の取り組みを展開している(図 2)。 4.先進的な取り組みを行っている小学校の利用実態 4-1.連携形態別にみた交流活動の実態 対象校と連携している保育園・幼稚園の組み合わせ として、幼稚園・保育園と複合しているもの ( 施設一 体型 )、余裕教室を活用して保育室を整備しているも の ( 余裕教室利用型 )、保育園・幼稚園と小学校が同一 敷地内にあるもの ( 併設型 )、その他 ( 分離型 ) に分類 できる ( 図 1)。交流活動においてはこの分類により頻 度や内容が大きく異なっている。交流活動の頻度にお いては 94.6% を施設一体型と余裕教室利用型が占め、 学校施設内に保育室を整備する事で交流が起こりやす くなっていることが分かる。この交流活動の内容を見 ていくと、学校・園行事においてはすべての分類にお いて 20% ~ 30% と分類によって違いは見られない。 しかしながら、施設利用については施設一体型と余裕 教室型が 97% を占めていることからこれが分類内の 違いに大きくかかわっていることが分かる。 4-2.学校別の特徴と交流活動の実態 保幼小連携の交流活動は、園児と児童が一緒に行事 や学習活動を展開する「園児・児童間交流」と園児の みが学校施設を訪れ活動を行う「施設利用」とに分け ることができる。その学校別の実態についてみると、 園児・児童間交流の頻度においては、Db 小と Dh 小が 120 52 57 27 63 44 2641 3004 連携形態別の交流活動 ■形態別にみた交流活動内容 ■形態別にみた交流活動の割合 凡例 単位:% 学校,園行事 学習活動 学校案内 読み聞かせ 年間総数 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ 安全教室 施設利用 交流給食 施設一体型 余裕教室型 併設型 分離型 合計 0 20 40 60 80 100 % ⑦ 61.2% ⑥ 32.1% 25% 42.9% ② 51.3% 32.4% 13.6% ④ 46.2% 35.9% 17.9% ⑤ 56.8% 16.8% 4.2% 22.1% ① 27.9% 30.2% 30.6% 37.5% 27.8% ③ 交流の 内容 59.6 35.2 4.7 0.47 94.8% 割合=形態別交流回数合計÷形態別連携園数 35.8%2.9% 4.2% 2.7% 20.9% 20.9% 図 3.連携形態別の交流活動 高くなっている。これは、この 2 校は小学校施設内に 本園を持っており、Db 小では合同職員室となってい るなど教職員間の打ち合わせがスムーズに行える環境 にあることが影響していると考えられる。さらに内容 別に見てみると Nn 小と Hk 小、Jn 小において交流活 動が 20% 程度と少ないのに対し、他の3校は 40% を 超えている。これは後者においては特別教室等の施設 が充実していることが影響していると考えられ、学校 ■小学校と連携園の距離 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000 1200 1300 (m) 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 (学級数 ) 8 凡例 1 園 小学校正門から実施園の最短距離 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 3 3 3 3 2 3 3 連携園数 図 4.学校別の特徴 Ns保育園 㐃ᦠᅬ Mg保育園 No幼稚園 Mg 園の職員室 園専用室 園庭 本園 門の距離 門 職員間連携 分園専用 登降園時指導 なし 連携形態 余裕教室※ 玄関 小 学 校 Ng保育園 Dh 職員室 園専用室 園庭 境界部設え 本園 門の距離 門 職員間連携 連携形態 玄関 小 学 校 Nn保育園 連携園 Ds園 Nn 職員室 園専用室 園庭 本園 門の距離 門 職員間連携 連携形態 玄関 小 学 校 Db幼稚園 連携園 Db保育園 Db 職員室 園専用室 園庭 境界部設え 本園 門の距離 門 職員間連携 連携形態 4 玄関 小 学 校 Hk幼稚園 連携園 Oi保育園 Hk 職員室 園専用室 園庭 境界部設え 本園 門の距離 門 職員間連携 連携形態 4 玄関 小 学 校 Jn幼稚園 連携園 Dg保育園 Mn保育園 Jn 職員室 園専用室 園庭 境界部設え 本園 門の距離 門 職員間連携 連携形態 4 玄関 小 学 校 連携園 分離 20m 園専用門 小学校と共有 園専用玄関 正面玄関 なし 年1回の情報交換・連携行事ごとに打合せ 3階にSSR※,読み聞かせ室設置 1階に分園※3 第2校庭 なし 常時分園との間を木柵で区画 分園専用の職員室 なし 余裕教室※ 10m 園専用門 集中昇降口(5・6年)と共有 年4回の情報交換・連携行事ごとに打合せ 1階に分園※3 校庭 常時分園との間を木柵で区画 小学校と合同 昇降口から正門まで職員が立ち指導する 余裕教室 併設 0m 小学校と共有 集中昇降口(全学年)と共有 なし 朝礼への参加・連携行事ごとに打合せ 3階にSSR※4を設置 1階に分園※3 専用園庭 なし 必要時のみ可動間仕切りとパーテーション なし 施設一体 分離 0m 園専用門 小学校と共有 園専用玄関 正面玄関 なし 毎日のMT※2・連携行事ごとに打合せ 2階に育児支援室兼預かり保育室を設置 専用園庭 なし 併設 分離 0m 小学校と共有 正面玄関 なし 連携行事ごとに打合せ なし なし 幼稚園と校庭の間に三角コーンを設置 10m 境界部設え 境界部設え 常時園庭と校庭の間を植栽で区画 専用園庭 なし 併設 分離 0m 小学校と共有 正面玄関 なし 連携行事ごとに打合せ なし 第2校庭 なし なし 520m 840m 790m 1200m 580m 280m ※余裕教室:余裕教室利用型 ※1境界部の設え:連携園と小学校の間の設え ※3分園:5歳児室のみを設け、本園と行き来しながら保育が行われている※4:SSR:スクールステイ専用の部屋※2MT:ミーティング 登降園時指導 登降園時指導 登降園時指導 登降園時指導 登降園時指導 玄関から正門まで職員が立ち指導する 図 2.実施校と連携園の距離と学校規模
31-3 施設に余裕があり活動場所の選択の幅があることが交 流学習において重要であることがわかる。また、給食 交流では Hk 小と Jn 小で 5% 程度と少なくなっており、 これはこの 2 校にはランチルームが無く、教室で行う 必要があり準備を行う上で学校側の負担が大きいこと が影響していると考えられる。施設利用の内容を見て みると遊びの項目で最も大きな違いがみられるが、こ れは Mg 小と Nn 小では校庭が園庭として利用されて いる事が影響していると考えられる ( 図 4)。 4-2.配置上の特徴と交流活動の実態 校庭利用の頻度をみてみると、Db 小では通常、主 に保育室南側の園庭が利用されているため、余裕教室 利用型の2校に比べると校庭の利用が30%程度と少な くなっている。一方で、施設一体型の Dh 小も独自に 園庭を持ってはいるが、校庭と園庭が隣接して設けら れており、児童・園児の行き来が自由に行えることか ら校庭の利用頻度は高い。また、Nn 小では Nn の森と いった自然学習園が校庭に付属しており、校庭での授 業の邪魔をせず遊べる空間があることも校庭が比較的 自由に利用できる要因であると考えられる。 図書室やランチルーム、特別教室の利用頻度を見る と、Db 小学校と Dh 小学校が比較的多く利用されてい る。Db小学校においては保育室の周辺にメディアルー ムや和室が連続的に配置されている事、Dh 小学校で は計画段階から保幼小の連携が見込まれており、連携 を見越して連携利用可能なランチルームやメディアス ペースなどを Ds 園の近くに配置されているなど利用 しやすい環境づくりがされているためと考えられる。 5. 保幼小連携の取り組みにおける空間計画 5-1.保育室の整備とその周辺環境の計画 図 6. 余裕教室利用型の施設整備概要 Mg 小学校 N 第 1 校庭 第 2 校庭 0 1020 40 60 80 100m 放送 保育園 事務室 保育室 (5 歳児) 放課後 学習 放課後 学習 昇降口 更衣 更衣 WC WC ・1 階普通教室を 保育室に改修 ・1 階普通教室を 職員室に改修 ・黒板をホワイトボード に変更 ・水周りを幼児用に改修 ・1 階に専用の玄関を設置 ・専用電子ロック門の設置 ・専用玄関前に スロープを設置 ・インターホンの設置 ア プ ロ ー チ 保 育 室 周 辺 改修工事内容 1 階保育室部分平面図 校庭 0 1020 40 60 80 100m N 保育室 主事 給食 昇降口 WC ・1 階普通教室を 保育室に改修 ・1 階普通教室を 職員室に改修 ・黒板をホワイトボード に変更 ・水周りを幼児用に改修 ア プ ロ ー チ 保 育 室 周 辺 改修工事内容 ・共用玄関に スロープを設置 ・専用電子ロック門の設置 ・絵柄のタイルを敷く ・インターホンの設置 1 階保育室部分平面図 Nn 小学校 Db 小学校 校庭 校舎 0 1020 4060 80100m N 事 務 室 玄関 昇降口 体育館 国際交流 遊戯室 保育室 (年長) 保育室 (年少) 教材室 控え室 和室 放 課 後 学 習 メディア センター PTA 会 議 室 園庭 保育園 ・1 階普通教室 (2 室分 ) を 保育室に改修 ・1 階普通教室 (2 室分 ) を 遊戯室に改修 ・幼稚園オープンスペース 上部につりさげ看板 を設置 ・水周りを幼児用に改修 保 育 室 周 辺 改修工事内容 ・インターホンの設置 園庭 1 階保育室部分平面図 :園児入口 :児童入口 :保育園・幼稚園専有部分 凡例 余裕教室を活用した 3 校の改修の内容をみてみる と、1 階のトイレの近くに配置され、水周りの改修や アプローチ空間の改修が行われており、安全面・管理 面への配慮がうかがえる(図 6)。また、余裕教室利用 型の保育室内の工夫をみると、保育室内では安全・衛 生面への配慮と広い空間の確保が工夫として多く挙げ られている。これは 4 歳児~ 5 歳児を保育・教育する 空間であり、グループで工作を行ったり、体を動かす ような遊びを多く行うためと考えられる(図7)。また、 Nn 小ではマット敷いて着替えをする様子も見られ、 床の仕上げも重要であると考えられる(図8)。さらに、 保育室外の工夫では、準備スペースの設置の割合が多 くなっている。また Db 幼稚園では、保育室前のスペー スに本棚やマットなどを使って、コーナーが作られて いたり、床にテープを張っていたりと遊びの手掛かり 図 5.交流活動の内容 ■園児・児童間交流場所と活動内容 学校別の交流活動・施設利用実態 活 動 内 容 凡 例 割合=場所別活動内容回数÷年間の活動回数 10 0 20 30 % :Mg小 :Nn小 :Db小 :Hk小 :Jn小 :Dh小 校 庭 図 書 室 ラ ン チ ル ー ム 学校,園行事 行事の練習 遊び 交流学習 安全教室 給食体験 スクール ステイ 園行事 預かり保育 読書 遊び 預かり保育 体 育 館 学校,園行事 交流学習 安全教室 教 室 ■施設利用場所と活動内容 保護者活動 プ ー ル 交流学習 学校, 園行事 活 動 内 容 0 10 20 30 % 0 20 40 60 80 100 % N=40 30.4% N=480 62.2% 30% N=756 N=64 ②33.3% 37.8% 31.1% N=474 60.2% 27.8% N=572 0 20 40 60 80 100 % Jn小 N=37 Nb小17.4% 25% N=24 Dh小 N=78 Hk小 20.6% N=29 12% N=28 Mg小 Db小 20.1% N=61 Jn小 Nb小 Dh小 Hk小 Mg小 Db小 交流給食 学校体験 読み聞かせ 教 室 特 別 教 室 交流学習 交流学習 校 庭 園行事 体 育 館 行事の練習 園行事 図 書 室 読み聞かせ 読み聞かせ 読み聞かせ 交流学習 余 裕 教 室 ※ スクールステイ ■交流活動※と頻度 ■施設利用※場所と頻度 保護者活動 特 別 教 室 凡例 学校,園行事交流学習 読み聞かせ学校案内 交流給食安全教室 21.3% 40.2% 24.1% 25.6% 13% 12% 40.5% 16% 43.5% 23.3% 17.2 20.2% 28% 36% 18.2% 17.8% 校庭 体育館 図書館 教室 特別教室 ランチルーム 余裕教室 36.4% 28.5% 33.4% 23.4% 31.1% 30.4% 39.2% ※保幼小交流事業年間計画表(昨年度)をもとに集計 凡例 ※連携している園へのアンケートより集計 15.5% ラ ン チ ル ー ム 交流給食 交流学習 68% 72% 13.2% 15%
31-4 下足入 下 足 入 靴をはき替えた園児 から整列する 体育から帰ってくる児童 下足入 ( 児童 ) 小 学 校 ・ 保 育 園 小 学 校 時 制 Nn Nn 9:00 10:00 12:00 13:00 15:00 1 校時 2 校時 中休み 4 校時 給食 昼休み 6 校時 :児童と園児が接触した時間 遅れてきたため廊下で準備を行う 着替えのためのマット を準備 専用トイレ 手洗い場 職員室 小 学 校 ・ 保 育 園 小 学 校 時 制 園 活 動 Nn 9:00 10:00 12:00 13:00 15:00 1 校時 2 校時 中休み 給食 6 校時 :児童と園児が接触した時間 ②本園への移動の様子 ①朝の会の様子 :園児保護者 :園児 :保育士 ① ② :活動の起点 :時制の起点 凡例 マット 朝の会 分園へ移動 朝の会 昼食 掃除 本園へ戻る Nn 校庭 ② ① 配置図 昼休み 昼食準備 :児童 凡例 共用玄関 境界に立って指導する 保育室 給食 昇降口 校長 WC WC WC 昇降口 昇降口 下足入 ( 園児 ) 遊戯室 洋服掛けを移動させ 帰りの準備をする 隣の教室で授業 ( 英語 ) を配慮して パーティーション で一時的に区切る 保護者に連絡事項を 伝える 楽器コーナー 図書コーナー ままごとコーナー 作業スペース 洋服掛け 教師コーナー 昇降口 給食の配膳 昇降口 歯磨きセット置き 呼ばれたグループごと に手を洗い、 給食を取りに行く 手洗い場 トイレ 事 務 室 玄関 昇降口 体育館 遊戯室 保育室 (年長) 保育室 (年少) 放 課 後 学 習 メディアセンター PTA ① ② 配置図 小 学 校 ・ 保 育 園 小 学 校 時 制 Nn Nn 9:00 10:00 12:00 13:00 15:00 1 校時 2 校時 4 校時 給食 昼休み 6 校時 朝の会 中休み 昼食 小 学 校 ・ 保 育 園 小 学 校 時 制 園 活 動 Db Db 9:00 10:00 12:00 13:00 15:00 1 校時 2 校時 給食 昼休み 6 校時 登園 読み聞かせ会 中休み 帰りの会 :児童と園児が接触した時間 ②降園の様子 ①給食準備の様子 :園児保護者 :園児 :保育士 ① ② :活動の起点 :時制の起点 凡例 :調理師 凡例 降園 預かり保育 昼食準備 :児童と園児の交流 になるような設えが見られた(図 9)。このことから、 廊下は単なる動線ではなく保育室の補助的な役割を果 たしているといえる。特に保育園は園児が登園する時 間に差があるため、準備スペースをうまく設けること が重要である。 5-2.アプローチ空間と動線計画 余裕教室利用型や施設一体型では、安全管理上、専 用の門を設置することが望ましいが、幼稚園の本園と する場合においては、登・降園時間が決められている ため共用の門とすることも可能である。また、併設型 においては、門から園までを園児ができるだけ小学校 施設を横切らないような動線とすることがスムーズな 登降園、登下校につながる。園が利用する玄関は正面 玄関が多く、安全管理上は正面玄関を利用することが 望ましいといえる。園に対する小学校側の配慮を見る と、玄関に園用の下足入れを準備する、保護者用の駐 輪場を設置するなどの工夫が多く、保育園児や保護者 がなじみやすくなるような工夫をすることが重要であ ると考えられる(図 10)。 5-3.外部空間の計画 余裕教室利用型の Db 小のように園庭が設けられる と日ごろの外遊びでは園庭を使い、校庭は運動遊びの ような教育活動の際に利用しするなど、多様な活動の 展開が期待できる。また、施設一体型では、園庭は小 学校の校庭に隣接するような計画が望ましい。併設型 では、Jn 小や Hk 小のように隣接した形で校庭と園庭 が配置されても園庭に近い場所の校庭の設えがサッ カーゴールなど高学年用のものであると利用が少ない ことから、園に隣接する校庭などは低学年向けの設え にするなど園児も利用しやすい工夫も必要である。 8.まとめ 本研究では、1) 学校施設内に保育室が整備される と、保幼小連携の取り組みの中での園児の交流活動が 促進されている傾向にある。2)交流学習においては特 別教室などの学校施設が充実していることで活動場所 の選択の幅が広がり交流が促進される。3) 校庭やラ ンチルーム、図書室等は交流活動において頻繁に利用 されるため保育室に隣接配置することが望ましい。4) 保育室の整備を行う際は、保育室内においては広いス ペースが求められ、廊下も園児の遊び場や準備スペー スとなるためこれらのスペースをバランス良く設える 必要がある。5)小学校職員と幼稚園・保育園職員が 打ち合わせしやすいように、顔を合わせることができ るような動線にすることが望ましい。6)小学校施設 内に保育室を設ける場合は校庭に隣接した形で園庭を 設けると多様な活動の展開が期待できる。7)玄関周 りに園児や保護者が小学校になじみやすくなるような 設えを行うと効果的である。 今後は、より詳細な実態分析等を通じて保幼小連携 の取り組みを行う上での学校空間の在り方を提示する ことが求められると考える。 参考文献 1)「保幼小連携の原理と実践」 酒井朗・横井紘子,2011年8月 2)「のびのび育つしながわっこ」 品川区子ども未来事業部保育課,2011年12月 謝辞 本研究を行うにあたり、品川区教育委員会および保育課と各調査対象校の諸先生方、R設計事務所の 設計担当者様に多大なご協力をいただきました。記して心より感謝申し上げます。 図 8.Nn 小学校と Nn 保育園 (5 歳児)の活動 図 9.Db 小学校と Db 保育園 (5 歳児)の活動 ■余裕教室型の園の家具配置の工夫 割合 (%)=工夫内容ごとの回答数 ÷ 工夫内容に関する回答総数 工夫内容 : 音 , 視線への配慮 : 安全,衛生面への配慮 : 動線の確保 : コーナーの設置 : 広いスペースの確保 : 展示 , 掲示 : 教材 , 荷物置き : 準備スペースの確保 a b c d e f g h a b c d e f g h 10 0% 20 30 40 50 保育室内 保育室周辺 ※凡例 4.8 7.0 7.0 7.09.37.0 4.7 2.3 39.5 51.2 14.0 35.5 20.9 11.6 図 7.余裕教室型の工夫 ■学校側の保育園,幼稚園への配慮 割合 (%)=内容ごとの回答数 ÷ 内容に関する回答総数 工夫内容 a b c d e f a b c d e f 10 0% 20 30 40 50 7.0 12.1 15.3 3.5 4.9 : コーナーの設置 : 園用の下足入れの設置 : 展示,掲示 : 屋外空間の演出 : 教材,荷物置き場の提供 : 花壇や畑などの提供 40.2 g: 保護者用の駐輪(車)場の提供 g 17 図 10.学校側の園への配慮