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図 1 ロシアの化粧品市場の規模と成長率 (10 億ドル ) (%)

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Academic year: 2021

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はじめに/38 1.化粧品市場の概況/38 2.輸入・卸売部門/40 3.小売部門/41 4.製造部門(メーカー)/44 まとめ/45

はじめに

ロシアでは、近年の消費市場全体の拡大と ともに、化粧品市場も好調な伸びが続いてい る。市場規模は、2004年にはドイツ、フラン ス、英国、イタリア、スペインに次いで欧州 で 第 6 位 と な っ た (MMC “Moskva” 、 2006.01.27)。これらの国々に比べてロシアは 格段に高い成長率を維持していることから、 今後も引き続き有望な市場といえる。ロシア の女性が化粧品に費やす金額は、2000年には 年間平均60ドルであったが、2005年には120 ドルに倍増したとのデータもある(『トレー ド・ニュース』誌No.9、2006.09)。 2005年のロシアの化粧品市場の成長率は 12.9%で、2003~2004年の急激な成長に比べ ると、やや減速傾向がみられた。日本メーカ ーを含む新規参入の可能性はまだ十分にある ものの、2~3年前に比べると、飽和状態に 近づきつつある面も否めない。消費者の意識 や志向の変化も指摘されている。 本誌では、2004年3月号でもロシアの化粧 品市場における主要プレーヤーについて紹介 している。これを踏まえ、本稿では最近の化 粧品市場の動向を中心にご紹介する。

1.化粧品市場の概況

市場規模 2005年のロシアの化粧品市場の 規模は70億ドルに達した。化粧品マーケティ ングのスターラヤ・クレーポスチ社によると、 2006年の市場規模は79億ドルとなり、前年同 様に12%程度の成長が見込まれている(図1)。 品目別の動向 「化粧品」というと、口紅 やファンデーションなどのメイクアップ用品 が想像されるが、主として以下のように分類 される。①スキンケア、②メイクアップ、③ フレグランス、④ヘアケア、⑤バス(浴用石 鹸など)、⑥口腔ケア(歯磨き粉など)、⑦男 性化粧品(シェービング剤など)。ロシアでは、 ⑥が化粧品の分類に含まれる点が特徴である。

ロシアの化粧品市場の動向

ロシアNIS経済研究所 研究員 山本 靖子

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ロシアの化粧品市場の動向 図1 ロシアの化粧品市場の規模と成長率 (10 億ドル) (%) (注)2006年は予測値。 (出所)『セールス・ビジネス』誌No.7、2006.07。原典はスターラヤ・クレーポスチ社。 図2 ロシア人女性が各化粧品に消費する金額の割合(2005年) (出所)『モードヌィ・マガジン』誌No.43、2006.09。原典はロシア香水・化粧品協会。 3.8 4 3.65 3.4 3.6 3.9 4.3 5.2 6.2 7 7.9 59.7 -6.8 10.3 -8.8 5.3 5.9 8.3 20.9 19.2 12.9 12 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 -20 -10 0 10 20 30 40 50 60 70 市場規模   成長率(前年比) ヘアケア 19.3% メイクアップ 17.2% 口腔ケア 13.75% スキンケア 11% バス 11.3% フレグランス 11.4%

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スターラヤ・クレーポスチ社によると、現 在、最も好調な伸びを示しているのは、メイ クアップ、スキンケア部門および男性化粧品 である(『ビジネス』紙、2006.03.09)。こうし た生活必需品にとどまらない種類の製品が売 れていることは、所得増加の影響であろう。 メイクアップ部門の市場規模は、2004年は 8億4,300万ドル、2005年は12億3,000万ドルに 上り、化粧品市場全体に占める割合も増えて いる。金額ベースによる品目の内訳は、アイ メイク34.6%、口紅28.3%、ベースメイク17.5%、 ネイル19%となっている。後述のとおり、メ イクアップ部門には、膨大な数の外国製ブラ ンドが割拠している状況である。外国製品が 80~85%と圧倒的に多く、今後もこの部門に おけるロシア製品のシェアはさらに減少する ものとみられる(『カンパニヤ』誌No.428、 2006.09.04)。 スキンケア用品では、アンチエイジング化 粧品やドクターコスメといった商品の売行き が伸びており、この2~3年で、消費者がよ り高品質の製品を求める傾向が強くなったよ うである。 男性化粧品市場の拡大は、世界的な傾向で ある。ロシアでは、2004年には化粧品市場全 体の13%程度を占めたが、今後もポテンシャ ルの高い部門として期待されている。 価格帯の動向 ロシアの化粧品市場におい て高級ブランドの割合は10~30%とされる1) なお、常に高級化粧品を使用するだけの購買 能力がある消費者は、モスクワでは住民の4 ~5%、その他の地域では1~2%程度にす ぎないとみられている(MMC “Moskva”)。た だし、高価格帯が今後の化粧品市場の成長に かかわる重要なセグメントであることは間違 いない。 化粧品市場の70~90%は低・中価格帯のマ ス向け製品が占めているわけだが、露天市場 を中心に売られる非常に低価格のロシア製品 のシェアが減少する一方で、1990年代半ば以 降、中価格帯の外国メーカー製品が大量に流 入した。たとえば、メイクアップ部門では L’Oreal、Max Factor、Maybelline、Lumeneなど が代表的だが、現在ではおよそ100のマスブラ ンドが割拠するといわれている。こうした商 品がスーパーマーケットや化粧品専門店チェ ーン、薬局の売上高の相当部分を占めている ものと思われる。

2.輸入・卸売部門

本誌2004年3月号でも述べられたとおり、 以前はロシア資本の輸入業者が外国メーカー と独占的輸入・販売契約を結んで輸入・卸売 を行っていたが、多くのメーカーがロシアに 現地法人を開設して直接卸売を実施するよう になり、いわば中間業者を「中抜き」にする 傾向が強まっている。 したがって、卸売業者を通さずに小売業者 とメーカーが直接取引をするケースが増えて おり、大手の輸入・卸売業者は、生き残りを 図るため、自ら小売部門に参入している。 輸入・卸売部門は、エジーナヤ・エヴロー パ・ホールディング(シェア20~25%)、 Luxe-Holding傘下のHermitage & Star Beaute (同20~25%)、クルス・グループ傘下のIFD (同15~20%)の3社が大部分を独占してい る(『モードヌィ・マガジン』誌No.43)2) 次節で述べるとおり、この3社も小売部門に 参入しており、それぞれに大手化粧品店チェ ーンを展開している。 その他の大手卸売業者としては、高級ブラ ンド化粧品の輸入を専門的に行うパルフュ ム・スタンダルトや、小売チェーンを展開す るマク・ダクなどが挙げられる。

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ロシアの化粧品市場の動向

3.小売部門

販売業態別の売上高 図3にみられるとお り、2005年現在、ロシアの化粧品小売部門に おいては、スーパーマーケット、化粧品専門 店、薬局といった店舗での販売が合計約60% を占めている。2003年には露天市場での売上 が20.4%を占めていたが、2004年には16%、 2005年には15%と年々減っており、今後も減 少するとみられる(『セールス・ビジネス』誌 No.7、2006.07)。その代わりに、上記のよう な店舗で化粧品を購入する人が増えている。 これは所得の増加にともない、より高価格・ 高品質の商品を購入する人が増えたためでも あるが、前述の通り、以前はほとんどみられ なかった低・中価格帯の商品が店舗で大量に 売られるようになり、「安さ」という露天市場 の唯一の利点が失われたことも、要因である。 図3から、直接販売も20%以上を占める見 過ごせない業態であることがわかる。また、 Euromonitor社によると、直接販売はメイクア ップ部門の45%、スキンケア部門の33%、フ レグランス部門の16%、バス部門の8%、ヘ アケア部門の4%を占めているという(『セー ルス・ビジネス』誌No.7)。この販売チャネ ルはOriflame、Avon、Mary Kay、Faberlicの4 社がほぼ独占しており、個人販売員を介した 販売で売上を伸ばしている。店舗販売の方が シェアは大きいが、無数のメーカーの商品を 扱っているため、直接販売を行う上記4社の 商品が化粧品市場において相当のシェアを確 保していることは、いうまでもない。 通信販売も増えている。とくに、ロシアで はインターネットによる様々な商品の販売が 急増しているが、そのうち化粧品が占める割 合はまだ0.8%に過ぎない(『セールス・ビジネ ス』誌No.7)。OriflameやAvonなど前述の直販 メーカーもネット販売を拡大しつつあるが、 まだそれほど大きなシェアにはなっていない。 以下では、ロシアの化粧品市場の主要なプ レーヤーである店舗を展開する小売業者につ いて述べる。 図3 ロシアの業態別化粧品売上高(2005 年) (出所)『セールス・ビジネス』誌No.7、2006.07。原典はスターラヤ・クレーポスチ社。 その他 5.4% 薬局 4% 露天市場 15% スーパー マーケット 30% 化粧品専門店 24% 直接販売 21.6%

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表1 アルバート・プレステージのブランド別 表2 ルエトゥアリのブランド別 売上高トップ30(2004年) 売上高トップ30(2004年) 順 位 ブランド名 売上高 (ドル) 割合 (%) 順 位 ブランド名

L’OREAL 16,331,084 6.96CHRISTIAN DIOR CHANEL 11,099,642 4.73GUERLAIN 3 ESTEE LAUDER 8,374,753 3.57 3 GIVENCHY 4 LANCOME 8,345,315 3.55 4 ESTEE LAUDER 5 LUTEX 7,778,478 3.31YVES SAINT LAURENT GARNIER 7,650,715 3.26LANCOME 7 CLINIQUE 6,896,327 2.94 7 YLLOZURE 8 NIVEA 5,777,666 2.46 8 CLINIQUE 9 MAYBELLINE 5,647,816 2.41L’OREAL 10 ANTIQUITES 5,396,034 2.30 10 BE YU 11 BOURJOIS 4,245,089 1.81 11 CLARINS 12 LUMENE 4,230,269 1.80 12 CHANEL

13 ISADORA 4,138,642 1.76 13 HELENA RUBINSTEIN 14 MAX FACTOR 4,011,693 1.71 14 ISA DORA

15 SALLY HANSEN 3,892,962 1.66 15 VERSACE 16 CLARINS 3,793,759 1.62 16 SHISEIDO 17 HUGO BOSS 3,726,752 1.59 17 SISLEY 18 VICTORIA SHU 3,404,139 1.45 18 NINA RICCI 19 NINA RICCI 3,310,669 1.41 19 BOURJOIS 20 WELLA 3,218,094 1.37 20 DARPHIN 21 SHISEIDO 3,194,580 1.36 21 LANCASTER 22 PUPA 3,169,192 1.35 22 SANS SOUCIS 23 BIOTHERM 3,006,526 1.28 23 ELIZABETH ARDEN 24 GUCCI 2,739,895 1.17 24 ORLANE

25 GILLETTE 2,739,796 1.17 25 MAX FACTOR 26 CAROLINA HERRERA 2,620,173 1.12 26 NOUBA 27 YVES SAINT LAUREN 2,611,399 1.11 27 MANHATTAN 28 GIORGIO ARMANI 2,401,863 1.02 28 ANNAYAKE 29 DOLCE & GABBANA 1,973,120 0.84 29 ARCANCIL 30 ISSEY MIYAKE 1,971,688 0.84 30 ECLIPSE

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ロシアの化粧品市場の動向 モスクワ市内のアルバート・ プレステージの店舗 化粧品専門店チェーン 前述のように、大手 卸売業者が小売部門に参入し、化粧品店チェ ーンを展開している。主要なチェーンは、ア ルバート・プレステージ、ルエトゥアリ、Ile de Beaute 、 Douglas-Rivoli 、 Rive Gauche 、 Yves Rocher、Brocardなどである。 アルバート・プレステージも、当初は輸入・ 卸売業者であったが、1998年に小売部門に参 入し、1999年には卸売部門をエジーナヤ・エ ヴローパに売却した。2003年から高級化粧品 のディスカウント販売を開始して急成長を遂 げた。1,000m2以上の大規模店舗と豊富な品揃 えが特徴で、350ブランドを扱っている。2006 年現在、モスクワとサンクトペテルブルグを 中心に35店舗を展開している。なお、同社は 2004年にフランスの大手化粧品小売チェーン Marionnaudとの合弁企業設立を発表していた が、Marionnaudが香港のA.S.Watsonに買収され、 提携の話はなくなった(『コメルサント』紙、 2005.09.05)4) ルエトゥアリは、前出の輸入・卸売業者IFD が同じクルス・グループのアリコル3)と合弁 で1998年に設立した。2005年にはアルバー ト・プレステージを抜き、売上高が第1位に なった。約150のブランドを扱い、2006年現在、 全国に262の小規模店舗を展開している。表2 をみてもわかるように、現在は高級化粧品が 中心だが、今後は中価格帯のマスブランドの 品揃えも増やすことを検討しているという (『ヴェードモスチ』紙、2006.11.13)。 Ile de Beauteは、エジーナヤ・エヴローパ・ ホールディングが2001年から展開するチェー ンである。260ブランドを扱い、2006年現在、 地方を中心に約60の小規模店舗をもつ。毎年 店舗を増やし、順調に業績を伸ばしている。

Douglas-Rivoliは、Hermitage & Star Beauteが ドイツのDouglas-Holdingと合弁で経営するチ ェーン。2006年現在、17店舗を展開している。 薬局(ドラッグストア) ロシアにおける薬局 全体の2005年の売上高は2億7,700万ドルに達 し、2004年よりも20%増えた。その結果、業 態別化粧品売上高に占める薬局のシェアも、 2.3%から4%に拡大した(図3)。

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最近では大都市を中心に薬局チェーンが多 角的に展開しており、扱う商品の約40%(モ スクワでは50%)は化粧品や健康食品など医 薬品以外の商品となっている(『トレード・ニ ュース』誌No.9)。 大手薬局チェーンは、薬局ならではの化粧 品の品揃えとイメージ戦略で成功している。 たとえば、全国に500以上の薬局を展開する 「36.6」は、2005年から4年間、英国の薬局チ ェーンBootsブランドの化粧品をロシアで独 占的に販売する契約を結んだ(RBK Daily、 2005.11.30)他、ドクターコスメや自然化粧品 を数多く取り揃え、最近の消費者の志向をう まく捉えているといえる。 化粧雑貨店(住宅隣接店舗) 住宅街にあり、 化粧品専門店チェーンよりも規模が小さい。 マスブランドを中心とする化粧品の他に洗剤 などの日用品も扱う新しいタイプのミニスト アで、シェアを拡大しつつある。代表的なチ ェーンは、ユージヌィ・ドヴォルとオル!グ ドである。 ユージヌィ・ドヴォルは、モスクワとその 他の大都市で130店舗以上を展開している。立 地に応じて扱う商品の価格を変えており、高 級化粧品を扱う店舗もある。 オル!グドは前出の化粧品輸入・卸売業者 マク・ダクが経営するチェーンである。同社 は1997年からカプリズMというチェーンを展 開していたが、2004年にこれを整理してオ ル!グドと改称した。ショッピングセンター などのテナント(40~170m2)と独立店舗(100 ~130m2)で合計80店舗以上を展開する。

4.製造部門(メーカー)

外国メーカー 既述の通り、ロシアの化粧品 市場には膨大な数の外国製品が流通している。 化粧品市場全体で外国製品が約60%を占め、 メイクアップ部門では80~85%に上る。 主要な外国メーカーとしては、Oriflame、 Avon、L’Oreal、Procter & Gamble、Mary Kay、 Ruby Rose、Revlon、Bourjois、Lumeneなどが 挙げられる。 外国メーカーが現地生産を開始する場合、 委託生産、既存の工場買収、新たな工場建設 という3つの選択肢がある。現在、多くの外 国メーカーがロシアで委託生産を行っている。 ただし、バスおよびスキンケア部門が大部分 で、メイクアップ部門については、ロシア企 業の技術に対する外国メーカーの信頼が低く、 生産委託はほとんど行われていない5) 直 接 販 売 で 高 い シ ェ ア を も つOriflame と Avonは、モスクワ郊外に工場を建設した。こ れに続き、Beiersdorf(Nivea)もロシアでの工 場建設を検討しているようだ(Gazeta.Ru、 2006.03.03)。 国内メーカー ロシアの化粧品市場におけ る国内製品のシェアは低下し続けている。 1999年には市場の70%を占めていたが、現在 では約40%にまで落ち込んでいる。大量に流 入する中・低価格帯の外国製品に押され、今 後も国内メーカーの苦戦は続くであろう。 上述のとおり、とくにメイクアップ部門で はその傾向が強く、国内製品のシェアは15% 程度に過ぎない。同部門の製品を製造する国 内メーカーは5社前後、多くても10社程度と されている(『カンパニヤ』誌No.428)。この 中には、自社ブランドを販売せずに委託生産 に特化するメーカーも含まれる。自社ブラン ドをもつ主要な国内メーカーは、カリーナ、 ネフスカヤ・コスメチカ、Faberlicの3社であ る。 カリーナは、ブランド戦略に成功した数少 ない国内化粧品メーカーの一つである。「チョ

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ロシアの化粧品市場の動向 ールヌィ・ジェムチュグ(ブラック・パール)」 などのラインをはじめとするスキンケア製品 が主力で、ロシアのスキンケア市場の38%を 占める(『エクスペルト』誌No.44、2005.11.21)。 2005年には中価格帯の男性化粧品ブランド 「Ultimatum」を発売した(製品の一部は国外 で委託生産している)。また同年には、ドイツ のDr.Shellerの株式の3分の1を買収して同社 製品の独占的販売契約を結んだ。国内メーカ ーのシェアが最も低いメイクアップ市場にも 参入している。ただし、売上を伸ばしている 大手の化粧品店チェーンや薬局チェーンは外 国製品を中心とする品揃えを強化しているた め、今後は販売ルートの確保がカリーナにと っての課題であろう。 ネフスカヤ・コスメチカは1839年に設立さ れた歴史あるメーカーで、現在は歯磨き粉や バス用品を主力とする。 Faberlicは1997年に設立され、直接販売で OriflameとAvonに次ぐ高いシェアを獲得して いる。近年、ロシアの消費者の間で飛躍的に 知名度を高めたメーカーである。

まとめ

以上に概観したとおり、近年のロシアの化 粧品市場は非常に好調な伸びを遂げており、 今後も拡大が見込まれる。今後10年間は年間 平均6~7%の成長率を保ち、2017年には市 場規模は150億~180億ドルに達するだろうと の 見 方 も あ る (『 ヴ ェ ー ド モ ス チ 』 紙 、 2006.11.13)。 冒頭で述べたとおり、市場は飽和状態に近 づきつつあり、これから競争の激化は避けら れないと思われるが、新規参入メーカーにと っても、まだポテンシャルの高い市場である。 ロシアの小売市場全般にいえることだが、 今後は、モスクワやサンクトペテルブルグの ような中央ではなく、地方都市での販売戦略 が鍵を握る。また、消費者の高品質志向(た だし必ずしも高価格志向とは限らない)に応 えるブランド戦略や他との差別化が重要にな るだろう。

【注】

1)ただし、この数字は、ロシアでは相当のシェア を有するグレーインポートを考慮していない可 能性が高い。 2)各輸入・卸売業者の概要については、坂口泉「ロ シアの消費財市場におけるビジネスチャンス- 家電と化粧品に関するケーススタディ-」『ロシ ア東欧貿易調査月報』(2004年3月号)を参照願 いたい。 3)アリコルは2003年からフランスの化粧品店チェ ーンSephoraのフランチャイジーでもある。 4)A.S.Watsonは2005年10月にサンクトペテルブル グのスペクトルという化粧品店チェーンを買収 し、外国企業として初めて、フランチャイズや 合弁という形ではなく、ロシアの化粧品小売市 場に直接参入した。同社はさらに、ロシアで200 店舗のドラッグストアを展開する方針を表明し ている(Xinhua-PRNewswire、2006.02.13)。 5)ロシア国内化粧品メーカーや化粧品会社(製造 を行わない)も、メイクアップ製品については、 外国の工場に委託するケースが多い(『カンパニ ヤ』誌No.428、2006.09.04)。 カリーナの主力ライン 「チョールヌィ・ジェムチュグ」

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