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目次 1. はじめに 1 2. 茶品種をとりまく現状と問題点 4 3. 茶新品種の栽培特性 茶新品種の品質特性 茶の成分育種 病害虫抵抗性育種の現状と可能性について 新育種技術による品種開発 茶品質の官能評価法 緑茶および紅茶の

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平成 25 年度 普及指導員等研修

(農政課題解決研修 B37)

茶の新品種の特性と品質評価技術

平成 25 年 9 月 12 日~13 日

独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構

野菜茶業研究所 枕崎茶業研究拠点

(2)

目次

1.はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2.茶品種をとりまく現状と問題点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 3.茶新品種の栽培特性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 4.茶新品種の品質特性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16 5.茶の成分育種・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24 6.病害虫抵抗性育種の現状と可能性について・・・・・・・・・・・・・・ 30 7.新育種技術による品種開発・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37 8.茶品質の官能評価法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43 9.緑茶および紅茶の官能審査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47

本資料の取り扱いについて

本資料掲載の研究成果は、未公開のデータも含まれております。したがって、複製・転載お よび引用にあたっては、必ず原著者の承認を得るよう、特にご注意ください。

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1.はじめに

茶業研究監 木幡勝則 茶業をとりまく現状、本研修の意義などについて述べることにする。

1)茶業をとりまく現状

農林水産省が積極的に推進するとしている「攻めの農林水産業」に係わる茶に関する研 究課題に言及することで、茶業をとりまく現状紹介としたい。

「攻めの農林水産業」を実現する観点から、品種や生産技術を用いて我が国の農産物の 競争優位を築き、需要を拡大するために提示された施策方針の一つが、「消費者や中間加 工業者等実需者の変化するニーズに対応可能なスピード感をもった品種・生産技術開発を、

産官学連携により推進すること。」であるとされている。

その中で、茶における品種と生産技術に関する施策方針は以下の通りである。

・品種について:

茶等の地域作物については、我が国の土地、気候条件に適合し、実需者ニーズに対応し た品種開発や普及を推進する。茶については、実需者(茶商等)の評価を踏まえて、「や ぶきた」よりも香り、味等に優れ、耐病性等を強化した品種や機能性成分等の成分含量に 特徴のある品種の開発を進めるとともに、改植事業を活用してその普及を推進する。併せ て、カフェインを含まないなど近縁種がもつ多様な特性を解明し、国内栽培種に導入する ための技術を開発することによって、新たな商品価値を持つ茶品種を開発する。また、「や ぶきた」と加工適性は同等で収穫適期の異なる品種への更新を進め、作期の分散を図る。

なお、茶は「宇治茶」、「八女茶」等の産地によってブランドを確立している取組が多い ことから、地域団体商標等の商標権を活用した保護や認知度向上を図る。

・生産技術について:

品種の特性を活かし、機能性成分を高める等、高付加価値化に寄与する栽培技術の開発 を行う。また、加工用向けについては、実需者から求められる低コスト・安定供給体制を 構築するため、茶は永年性作物であり、経済樹齢に達するまでの期間が長いことを踏まえ、

早期成園化技術の開発を進めるほか、機械化による省力栽培体系を構築する。さらに、茶 とその加工品の多様な品質(機能性、食味、加工特性など)について、生産現場で迅速に 評価する新しい技術を開発する。

上述の施策方針に沿って、野菜茶業研究所が進めようとしている具体的な研究課題につ いて以下に紹介する。

(1) 多様化・高度化する消費者ニーズに応える茶新品種の育成

世界の茶生産国を品種でリードするため、保有する遺伝資源コレクションから病害虫高 度抵抗性の積極的活用や、遺伝子型を早期に判別して形質選抜に活用できる

DNA

マーカー の開発などにより、病害虫抵抗性、特徴ある香味特性や新たな機能性成分などを有する新 しい品種を効率的に育成する。特に、チャ樹栽培・製茶関係研究者との育成途上における 情報交換を密にして、品種リリースと同時となる現場普及開始を実現する。

(2) 日本緑茶の世界市場進出に寄与できる戦略品種を軸とした栽培・加工技術の開発 野菜茶業研究所で開発された病害虫複合抵抗性の茶新品種「なんめい」等を用い、国内

(4)

2

のみならず海外の消費者にも受け入れられる新たな香味を発揚できる緑茶の加工技術と組 み合わせて、日本緑茶生産の輸出拡大を目指した新たな展開を支援する。特に、緑茶特有 の香り特性の解析や、製茶工程における香り特性制御技術を案出するとともに、病虫害抵 抗性品種を活用した有機栽培もしくは無農薬栽培管理技術を開発し、栽培管理・製茶工程 の省力・省エネルギー化技術による低コスト生産体系の道筋をつける。

(3) 緑茶の新たな利用場面や機能性に関する日本発の情報発信および緑茶の品質審査 方法の国際規格化への対応

抹茶や緑茶粉末(インスタントティーを含む)を用いた和洋菓子やスムージーなどの新た なタイプの茶飲料等は、日本の消費者に強い支持を受けて急激に市場が拡大している。新 規の緑茶需要を日本国内および海外へ広く波及させるため、緑茶粉末はじめ茶葉のまるご と利用なども含め、多様な茶の摂取形態における有利性を、世界各地で需要が見込まれる 機能性食品としての効能を解明して情報発信する。さらに、粉末等消費ニーズに応じた品 質評価法の開発を行い、既存のリーフ緑茶の品質審査基準とともに、世界に通用する新た な緑茶品質の評価方法・評価用語の標準化を目指す。

2)本研修の意義

はじめに、本研修の位置づけについて述べる。

本研修である「革新的農業技術習得支援事業のうち革新的農業技術に関する研修の実施」

は、毎年農林水産省生産局が公募している「産地活性化総合対策事業のうち産地収益力向 上支援事業の全国推進事業」の中の対象事業(平成

25

年度は

10

件)の一つである。

補助の対象となる事業内容は、大学・試験研究機関等で開発された革新的な農業技術の うち、産地の農業収益の向上に資することが期待される新技術について、産地指導の中核 となる普及指導員等の技術指導者に習得させるため、以下の3つの研修課題ついて実施す る。

革新的な新技術の習得

農政課題に対応した技術について、地域での組み立て実証に資する実践的な研修

を実施する。

最先端の分析技術の習得

最先端の分析技術について、技術指導者が行う指導の高度化に資する実践的な研

修を実施する。

民間の先導的な技術の習得

民間が開発した先導的な技術について、生産現場への普及に資する実践的な研修

を実施する。

今年度枕崎茶業研究拠点で実施する「茶の新品種の特性と品質評価技術」は、上記「ア 革新的新技術の習得」に位置づけられ、茶の新品種普及のため、農研機構が育成した新品 種(「はるみどり、そうふう、さえあかり、なんめい、しゅんたろう、サンルージュ、べ にふうき」)の栽培・加工特性と利用法について、官能審査による品質評価技術について 講義および実習を行うものである。

すなわち、本研修は「攻めの農林水産業」の施策方針に沿って、野菜茶業研究所が進め ようとしている上述の3つの研究課題、(1)多様化・高度化する消費者ニーズに応える

(5)

3

茶新品種の育成、(2)日本緑茶の世界市場進出に寄与できる戦略品種を軸とした栽培・

加工技術の開発、(3)緑茶の新たな利用場面や機能性に関する日本発の情報発信および 緑茶の品質審査方法の国際規格化への対応、に資するものである。

施策方針では、スピード感をもった品種・生産技術開発には、試験研究機関、都道府県 の普及組織との連携や生産者との連携による推進が不可欠とされている。従って、産地指 導の中核となる普及指導員等の技術指導者である参加者の皆さんに、野菜茶業研究者が進 めようとしている研究課題を認識してもらった上で、研修技術を習得してもらい、生産現 場等における普及活動に役立ててらうことは極めて意義深い。

(6)

4

2.茶品種をとりまく現状と問題点

茶育種研究グループ 根角厚司 1)「やぶきた」の果たした役割

幕末から明治にかけて、茶はわが国の経済を支えた重要な輸出作物であった(図 1)。

当時、すでに茶は中国やインドなどアジアの茶生産国における重要な輸出農産物であり、

日本の茶産業はいきなり世界との競争の中におかれたことになる。輸出産業としての茶業 を振興する中で、早くから品種の重要性は認

識されており、明治時代には、先進的な指導 者、生産者が品種探しに力を入れ、「やぶき た」を初めとする多くの品種が選抜された。

しかし、栄養系繁殖(挿し木)の技術が未発 達であったこと、品種の概念や重要性が広く 認識されなかったことなどから、品種化率は 戦後(1953年)においてもわずか

3.4%であ

った。国は品種を普及するため、品種登録制 度(1953年)や茶原種農場(種苗管理センタ ー)を整備し、品種の開発、広報、種苗(原 種苗)供給を行った。都府県や各地の茶関係 機関の取り組みもあり、

1960

年以降になって ようやく品種が全国に広がり始めたが、その 多くが「やぶきた」であった(図2)。民間 育種家の杉山彦三郎翁が「やぶきた」を発見 して、約半世紀が過ぎてからのことである。

1960

年以降の茶品種の普及は「やぶきた」

の普及と言い換えても良いかもしれない。「や ぶきた」が全国に普及するに従い、「やぶき た」の栽培法・加工法が確立され、その品質

が日本茶(煎茶)のスタンダードとなり、やがて「やぶきた」に勝るものはないという、

いわゆる茶業界における『やぶきた神話』ができあがった。一品種が全国を席巻したこと で、栽培や加工の技術が急速に進歩、高度化したこと、「やぶきた」の優秀性もあり日本 緑茶の品質を押し上げたことは、日本茶業における「やぶきた」という品種の大きな功績 といっても良い。一方で「やぶきた」と異なる個性も持った品種が普及しにくくなり、日 本茶の香味の画一化や病虫害の多発、多肥化に拍車を掛ける結果となってしまった。

2)品種の必要性

現在、わが国における農林登録品種(農林認定品種を含む)は、茶農林1号「べにほま れ」から茶農林

55

号「さえあかり」の

55

品種であるが、品種登録のみされた品種、品種 登録はされていないが、名前が付けられ普及しているものを含めると、100以上の品種が ある(別表)。言うまでもなく茶農林

6

号「やぶきた」も数ある茶品種の中の一つである。

しかし、「やぶきた」一品種独占状態が長期間続いたこともあり、「やぶきた」以外の品 種に対してのみ「品種茶」と呼ぶ場合も見受けられる。現在も、わが国の茶園の約

76%(品

0 10000 20000 30000 40000 50000 60000 70000

面積(

ha

図2 茶栽培面積と品種茶園面積の推移

栽培面積 全品種茶園 やぶきた園

0 20 40

1860 1861 1862 1863 1865 1867 1868

日本茶輸出割合(%)

図1 日本茶輸出開始期における総輸出額に占 める日本茶の割合

(7)

5

種茶園中の約

80%)を「やぶきた」一品種が占めている状況であり、90%を上回る地域も

少なくない。しかし、日本茶の消費や価格が低迷している中、本当にこのままの品種構成 で良いのかは検証する必要がある。

人が一日に飲料として摂取する水分量は1~2リットルと言われている。すなわち、こ れだけの量を様々な飲料で取りあっていることになる。かつて、嗜好飲料の中心が茶であ った時代、水分補給のために選択肢は限られており、茶を飲む頻度が高かったことは容易 に想像できる。しかし、今日の日本はコーヒー、紅茶、烏龍茶、ジュース、乳製品、炭酸 飲料、ミネラルウオーター等、様々な飲料が溢れており、飲料の中の一つである茶が選ば れる頻度が低下することは必然と言えるかも知れない。このような中で、日本茶に目をむ けてもらうためには、多様な消費者のニーズに応えていくための多様性が必要である。消 費者に味や香りの差を認識してもらうためには、茶業関係者が考えている以上に大きな差 が必要と思われ、「やぶきた」一品種では対応できないと思われる。

現在、食に対して消費者は安全性、安心感、信頼性、機能性を求める傾向が強く、茶に ついても同様である。海外ではこの傾向はより強く、健康イメージの強い緑茶の消費は拡 大している。これらの要求に応えるためには、化学農薬や化学肥料の使用量を減らす、あ るいは有機栽培ないしは無農薬栽培にする必要があり、病害虫抵抗性品種や機能性成分高 含有品種による対応が必要である。

このように、生産者・消費者 の両者にとって、多様な茶の生 産が必要であり、そのためには 品種の活用が不可欠であると考 えられる。

平成

24

年度ニュービジネス 育成・強化支援事業(農林水産 省)において、日本茶鑑定士、

日本茶インストラクター、日本 茶アドバイザーを対象に

55

品 種の品質評価を行った結果、「や ぶきた」の合計点は

16

位であっ た(表1)。茶の品質鑑定に慣れ た人においても、現在の品種群 の中では「やぶきた」が必ずし も最

高評価にならない結果となっ た。しかし、新しい品種がなか なか普及しない現状があり、打 開策が求められている。

3)品種普及上の問題点

茶の改植には苗や人件費などのコストと定植後3~4年の無収益期間が生じる。また、

幼木期には除草、かん水、敷き草などの多大な労力を要する。さらに、改植した品種が

1

品種の品質評価結果(評価の高かった品種)

平成

24

年度農林水産省補助事業 産地活性化総合対策事業のうち収 益力向上支援事業「ニュービジネス育成・強化支援事業報告書」より

(8)

6

必ずしも高値で取引される保証はない。このことが、改植が進まない大きな要因と考え られるが、新しい品種の導入が進まない理由としては、改植したい時すぐに目当ての品 種苗が入手できないことも上げられる。特に、品種登録出願直後の品種の場合は、種苗 法によって品種登録出願以前に外部に種苗を出してはならないこととなっているため、

出願公表後に初めて原種苗が苗生産者に配布されて増殖と苗生産が始まり、苗が流通す るまでには2~3年のタイムラグを生じることから、改植意欲が削がれてしまうことも 上げられる。

一方、茶苗の生産は挿し木を行ってから

1

年ないし

2

年目に出荷することが多く、

3

年 以上経過すると管理が難しくなるため廃棄することが多い。従って、苗の生産者の立場 で考えると、売れ残りが少ない売れ筋の品種だけを大量に生産するという結果になる。

従って、新品種の導入を促すためには、新品種への需要喚起(消費者、流通関係者に 対する早期情報提供)、生産者の計画的な改植、苗の早期大量増殖技術の開発、改植コ ストの低減、軽労化技術が必要である。現在、農研機構が育成した品種については、苗 生産の許諾業者を公開し、直接苗の発注ができるようにしている。また、近年苗代は高 いが活着性に優れ、定植と定植後の管理が容易なセル苗(写真1)の生産も開始され、

セル苗を定植するための乗用型定植機も開発されている(写真2)。

種苗の流通上の問題点として、近年全国的に拡大しているチャトゲコナジラミの発生 が上げられる。本虫は、風や機械、人について徐々に拡大するが、未発生地に突然発生 する場合は、種苗に付いて拡大していると考えられ、未発生地において改植を行う時は、

既発生地からの苗の導入を避けなくてはならない。

写真1 セル苗(苗齢

10

ヶ月) 写真2 セル苗用に開発された定植機

4)育種・普及体制について

これまでの国費による育種事業は、独法(農研機構)と指定試験地(埼玉県、宮崎県)

で行われ、それぞれの気候や製造法に適した品種の育成を分担してきた。しかし、2010 年に国による指定試験事業が廃止されたため、2011年度より独法と埼玉県、宮崎県が研 究連携協定を締結し、情報を共有しながら品種育成を進めることになった。また、特性 検定・地域適応性検定試験(系適・特検試験)も、独法が育成した系統について評価を 行う育成系統評価試験として、独法が各府県に試験を委託する形になった。このような、

体制の中で迅速に有望な品種を開発し、普及に移していくため、各地域における普及ま で想定した試験設計を立てている。また、これまでは品種登録後に奨励品種決定試験等 がなされ、その後に普及の現場に紹介されることが多かったが、消費ニーズに迅速に対

(9)

7

応していくためには、育成された新品種は各府県の研究機関、普及機関とも連携しなが ら現地実証試験を行い、栽培、加工技術確立のための試験を行っていく必要がある。

別表1 煎茶用品種(命名登録・農林認定品種)

品種名 農林登録番号 来 歴 命名登録年 品種登録年 品種登録番号 育成場所

あさつゆ 茶農林2号 宇治在来種実生

1953

茶業試験場(金谷)

みよし 茶農林3号 宇治在来種実生

1953

茶業試験場(金谷)

さやまみどり 茶農林5号 宇治在来種実生

1953

埼玉県立農試茶業支場

やぶきた 茶農林6号 静岡在来種実生

1953

静岡県茶業試験場

まきのはらわせ 茶農林7号 静岡在来種実生

1953

静岡県茶業試験場

こやにし 茶農林8号 宇治在来種実生

1953

静岡県茶業試験場

ろくろう 茶農林9号 在来種

1953

静岡県茶業試験場

やまとみどり 茶農林10号 奈良在来種実生

1953

奈良県農試茶業分場

なつみどり 茶農林16号 静岡在来種実生

1954

茶業試験場(金谷)

やえほ 茶農林17号 静岡在来種実生

1954

静岡県茶業試験場

はつみどり 茶農林20号 三重県から導入した実生

1954

鹿児島県茶業試験場

おくむさし 茶農林26号 さやまみどり×やまとみどり

1962

埼玉県茶業研究所

かなやみどり 茶農林30号 S6×やぶきた

1970

茶業試験場(金谷)

さやまかおり 茶農林31号 やぶきた実生

1971

埼玉県茶業研究所

おくみどり 茶農林32号 やぶきた×静在16

1974

茶業試験場(金谷)

とよか 茶農林33号 さやまみどり×やぶきた

1976

埼玉県茶業試験場

おくゆたか 茶農林34号 ゆたかみどり×F1NN8(たまみどり×S6)

1983 1983 455

茶業試験場(金谷)

めいりょく 茶農林35号 やぶきた×Z1

1986 1987 1388

野菜・茶業試験場(金谷)

ふくみどり 茶農林36号 やぶきた×23F1107(さやまみどり×やぶきた)

1986 1988 1556

埼玉県茶業試験場 しゅんめい 茶農林37号 ゆたかみどり×F1NN8

1988 1990 2159

野菜・茶業試験場(金谷)

みねかおり 茶農林38号 やぶきた×うんかい

1988 1990 2157

宮崎県総農試茶業支場 みなみかおり 茶農林39号 やぶきた×宮A11

1988 1990 2158

宮崎県総農試茶業支場 さえみどり 茶農林40号 やぶきた×あさつゆ

1990 1991 2881

野菜・茶業試験場(枕崎)

ふうしゅん 茶農林41号 Z1×かなやみどり

1991 1993 3697

野菜・茶業試験場(金谷)

みなみさやか 茶農林42号 宮A-6(たかちほ×宮F1 9-4-48)×F1NN27

1991 1994 3932

宮崎県総農試茶業支場 ほくめい 茶農林43号 さやまみどり×5507(やぶきた自然実生)

1992 1995 4775

埼玉県茶業試験場 りょうふう 茶農林45号 ほうりょく×やぶきた

1997 2001 9204

野菜・茶業試験場(金谷)

むさしかおり 茶農林46号 さやまかおり×硬枝紅心実生

1997 2001 9306

埼玉県茶業試験場 さきみどり 茶農林47号 F1NN27×ME52

1997 2001 9203

宮崎県総農試茶業支場 はるみどり 茶農林48号 かなやみどり×やぶきた

2000 2003 11102

野菜・茶業試験場(枕崎)

そうふう 茶農林49号 やぶきた×静印雑131

2002 2005 12706

野菜茶業研究所(金谷)

さいのみどり 茶農林50号 さやまかおり実生

2003 2006 13753

埼玉県農総研茶業特産研究所 はるもえぎ 茶農林51号 F1NN27×ME52

2003 2006 13755

宮崎県総農試茶業支場 みやまかおり 茶農林52号 京研283×埼玉1号

2003 2006 13754

宮崎県総農試茶業支場

ゆめわかば 茶農林53号 やぶきた×埼玉9号

2006 2008 17051

埼玉県農総研茶業特産研究所 ゆめかおり 茶農林54号 さやまかおり×宮崎8号

2006 2009 17252

宮崎県総農試茶業支場 さえあかり 茶農林55号 Z1×さえみどり

2012 2010 22070

野菜茶業研究所(枕崎)

はるのなごり 茶農林56号 埼玉1号×宮崎8号

2012 2008 22068

宮崎県総農試茶業支場 なごみゆたか 茶農林57号 埼玉1号×京研283

2012 2010 22071

宮崎県総農試茶業支場 なんめい さやまかおり×枕崎13号 申請予定

2012 27028

野菜茶業研究所(枕崎)

おくはるか 埼玉20号×埼玉7号 申請予定

2013 27958

埼玉県農総研茶業特産研究所

(10)

8

別表2 煎茶用品種(品種登録のみ)

別表3 釜炒茶・玉緑茶用品種

品種名 来 歴 品種登録年 品種登録番号 育成場所

星野緑 福岡県在来種

1981 71

井上十二生

司みど り 静岡県在来種

1984 511

山崎裕司

たかねわせ やぶきた自然実生

1985 898

村松穂一

さとう早生 安倍1号自然実生

1986 1025

佐藤光輝

おくひかり やぶきた×静Cy225

1987 1387

静岡県

いなぐ ち やぶきた自然実生

1988 1676

稲口勝利

さわみずか やぶきた×ふじみど り

1995 4292

静岡県茶業試験場

みねゆたか やぶきた枝変わり

1996 4835

松下栄市

松寿 くりたわせ枝変わり

1996 4952

松下栄市

摩利支 杉山八重穂自然実生

1996 4953

山森美好・山森理佐雄

みえ緑萌1号 やぶきた自然実生

1996 4954

三重県農技セ茶業セン ター

あさのか やぶきた×Cp1号

1996 5013

鹿児島県茶業試験場

藤かおり 静印雑131×やぶきた

1996 5072

森園市二・小柳三義

山の息吹 やぶきた自然実生

1997 5430

静岡県茶業試験場

さがらひかり やぶきた自然実生

1998 6684

中村孫一

さがらみど り やぶきた自然実生

1998 6685

中村孫一

香駿 くらさわ×かなやみど り

2000 8131

静岡県茶業試験場

さがらかおり やぶきた自然実生

2000 8132

中村孫一

さがらわせ やぶきた自然実生

2000 8133

中村孫一

みど りの星 やぶきた自然実生

2001 9305

中村孫一

りょくふう 自然交雑実生

2002 9652

白鳥俊男

つゆひかり 静7132×あさつゆ

2003 11103

静岡県茶業試験場

みえうえじま 在来実生

2003 11368

上嶋 親

きら香 やぶきた枝変わり

2006 14307

竹内清美・竹内忠義

蓬莱錦 在来実生

2008 16019

吉野誠一

金谷いぶき さやまかおり×摩利支

2009 17960

水野昭南

金谷ほまれ さやまかおり×摩利支

2009 17961

水野昭南

しゅんたろう 埼玉9号×枕F1-33422

2011 21261

野菜茶業研究所(枕崎)

ゆめする が おくひかり×やぶきた

2012 22069

静岡県

希望の芽

2012 26200

水野昭南

しずかおり おくひかり×くりたわせ

2013 27925

静岡県

品種名 農林登録番号 来 歴 命名登録年 品種登録年 品種登録番号 育成場所

たまみど り 茶農林4号 宇治在来種実生

1953

茶業試験場(金谷)

たかち ほ 茶農林11号 宮崎県在来種実生

1953

宮崎県総農試茶業支場

いずみ 茶農林24号 べにほまれの実生

1960

九州農業試験場

やまなみ 茶農林27号 中国湖北省導入実生

1965

宮崎県総農試茶業支場

うんかい 茶農林29号 たかち ほ×宮F1 9-4-48

1970

宮崎県総農試茶業支場

みねかおり 茶農林38号 やぶきた×うんかい

1988 1990 2157

宮崎県総農試茶業支場

(11)

9

別表4 玉露・てん茶用品種

別表5 紅茶用品種

別表6 中間母本登録品種・その他の品種

品種名 農林登録番号 来 歴 命名登録年 品種登録年 品種登録番号 育成場所

あさぎり 茶農林18号 宇治在来種実生

1954

京都府立茶業研究所

きょうみど り 茶農林19号 宇治在来種実生

1954

京都府立茶業研究所

ひめみど り 茶農林23号 福岡在来種実生

1960

九州農業試験場

寺川早生 宇治在来種実生

1990 2092

寺川俊男

成里乃 宇治在来種実生

2002 10751

堀井信夫

奥の山 宇治在来種実生

2002 10752

堀井信夫

鳳春 さみど り自然交雑実生

2006 14534

京都府立茶業研究所

展茗 さみど り自然交雑実生

2006 14535

京都府立茶業研究所

品種名 農林登録番号 来 歴 命名登録年 品種登録年 品種登録番号 育成場所

べにほまれ 茶農林1号 多田系イ ン ド導入種実生

1953

茶業試験場(金谷)

いんど 茶農林12号 イ ン ド雑種実生

1953

鹿児島県茶業試験場

はつもみじ 茶農林13号 Ai2×NkaO5

1953

鹿児島県茶業試験場

べにたちわせ 茶農林14号 Ai2×NkaO1

1953

鹿児島県茶業試験場

あかね 茶農林15号 Ai2×NkaO3

1953

鹿児島県茶業試験場

べにかおり 茶農林21号 Ai21×NkaO3

1960

鹿児島県茶業試験場

べにふじ 茶農林22号 べにほまれ×C19

1960

茶業試験場(金谷)

さつまべに 茶農林25号 NkaO3×Ai18

1960

鹿児島県茶業試験場

べにひかり 茶農林28号 べにかおり×CN1

1969

茶業試験場(枕崎)

べにふう き 茶農林44号 べにほまれ×枕Cd86

1993 1995 4591

野菜・茶業試験場(枕崎)

農林登録番号

(品種名) 出願時の名称 品種登録番号 命名登録年 品種登録年 品種登録番号 育成場所 主要特性

茶中間母本農1号 チャツ バキ1号 さやまかおり×ヤブ ツ バキ

1988 1992 3047

野菜・茶業試験場(金谷) 耐病虫性

茶中間母本農2号 IRB89-15 やぶきた放射線突然変異

1994 1998 6449

農業生物資源研究所 自家和合性

茶中間母本農3号 MAKURA1号 イ ン ドからの導入実生

1998 2002 10244

野菜・茶業試験場(枕崎) 高タン ニン ・高カ フェ イ ン ・花香

茶中間母本農4号 KM8 金Ck17×さやまかおり

2004 2008 16018

野菜茶業研究所(枕崎) クワシロ カ イ ガラ ムシ・炭疽病・

輪斑病抵抗性 茶中間母本農5号 KM62 金Ck17×さやまかおり

2004 2008 16017

野菜茶業研究所(枕崎) クワシロ カ イ ガラ ムシ・炭疽病・

輪斑病抵抗性 茶中間母本農6号 F95181 タリエン シス×おくむさし

2004 2008 16016

野菜茶業研究所(枕崎) 高アン トシアニン

サン ルージュ 枕個03-1384 茶中間母本農6号実生

2011 21262

野菜茶業研究所(枕崎) 高アン トシアニン

(12)

10

別表7 命名登録・品種登録されていない品種

品種名 用途 来 歴 育成年 育成場所

ほうりょく 煎茶 多田系印雑の実生

1956

静岡県茶業試験場

する がわせ 煎茶 やぶきた自然実生

1962

静岡県茶業試験場

ふじみど り 煎茶 不明

1962

静岡県茶業試験場

くりたわせ 煎茶 静岡在来実生

1966

鹿児島県茶業試験場

ゆたかみど り 煎茶 あさつゆ自然実生(系統名:Y2)

1966

茶業試験場(金谷)

やまかい 煎茶 やぶきた自然実生

1967

静岡県茶業試験場

くらさわ 煎茶 やぶきた自然実生

1967

静岡県茶業試験場

おおいわせ 煎茶 やえほ×やぶきた

1976

静岡県茶業試験場

ごこう 玉露・てん茶 宇治在来実生

1954

京都府立茶業研究所

うじひかり 玉露・てん茶 京都在来種

1954

京都府立茶業研究所

あさひ 玉露・てん茶 宇治在来実生

1954

京都府立茶業研究所

こまかげ 玉露・てん茶 宇治在来実生

1954

京都府立茶業研究所

さみど り 玉露・てん茶 京都在来種

1954

京都府立茶業研究所

おぐ らみど り 玉露・てん茶 京都在来種

1954

京都府立茶業研究所

うじみど り 玉露・てん茶 宇治在来実生

1985

京都府立茶業研究所

からべに 紅茶 中国湖北省実生

1956

静岡県茶業試験場

ただにしき 紅茶 多田系イ ン ド導入種実生

1958

静岡県茶業試験場

べにつくば 紅茶 茨城県在来種

1958

真壁地区農業改良普及所

(13)

11

3.茶新品種の栽培特性

茶育種研究グループ 佐波哲次 1)はるみどり

「はるみどり」は、「かなやみどり」を種子親に、「やぶきた」を花粉親として交配し た個体群から選抜された品種である。

挿し木生育は、挿し穂の状態が良好であれば、「やぶきた」との生育差は少ないが、挿 し穂の状態が不良の場合には「やぶきた」より劣る(図

3-1)。樹姿は「やぶきた」より

開張性を示すために、株張りの確保は容易である。生育が不良な挿し木苗を植えると、そ の後の生育が著しく劣るために、良質な苗を確保することが大切である(図

3-2)。

「はるみどり」は、秋芽の生育停止が早いために、

幼木期の樹体増大の期間が短く年間の樹体増加量が少 なくなるため、成木になるまでの年数が多くなる(表

3-1)。また、夏の整枝時期が遅いと充実した秋枝を得

られないことがある。その一方で耐凍性が高まる時期も早くなるため裂傷型凍害はほとん ど発生しない。

一番茶の萌芽、摘採期は「やぶきた」より

6

日程度遅い中晩生品種である。収量は「や ぶきた」よりやや多収である(表

3-1)。炭疽病に対してはやや強であるが、もち病に対し

ては中、輪斑病に対しては弱の抵抗性を示す。

系適試験では暖地から冷涼地まで成績が良好であったので、気候的な適応性は高いが、

幼木期の生育がやや緩慢なため、早期成園化を望む生産者には適さない。重粘質土壌のよ うに根の分布が浅くなるような条件下では、生育が抑制されることもあるので、根が深く まで入ることができるような土壌条件の場所に栽培することが望ましい。

2)そうふう

「そうふう」は「やぶきた」を種子親に、「静印雑

131」を花粉親として交配した個体

株張り(cm)

2年生 3年生 5年生 6年生 一番茶 三番茶 一番茶 三番茶 はるみどり

28 62 91 117 463 204 417 333

やぶきた

29 54 80 103 201 194 426 231

かなやみどり

40 68 94 144 454 282 528 444

おくみどり

28 55 77 93 315 162 241 287

品種名 7年生収量(kg/10a) 8年生収量(kg/10a)

3-1

挿し木床での生育状況

6

月挿し木 12月撮影

(左:やぶきた

右:はるみどり)

図 3-2 幼木園での生育状況(3年目)

左からやぶきた、はるみどり生育良好苗、はるみどり生育不良

3-1

「はるみどり」と比較品種の幼木時の生育と成木時の収量 (武田ら 2002)

(14)

12

群から選抜された品種である。

幼木期の生育は「やぶきた」より旺盛であるが、成木園では新芽重は多く、新芽数が少 ないため、収量は「やぶきた」とほぼ同程度である。しかし、冬季に厳しい寒さに遭遇す ると減収する。萌芽期は、「やぶきた」より

7

日程度早い極早生品種である。萌芽期が早 い地域ほど、萌芽や摘採が早くなる傾向にある(表

3-2)。

また、冬期の芽の耐凍性は「やぶきた」よりも弱いため、厳寒期や春先の低温だけでな く、初冬期においても低温障害を受けることがあり(図

3-4)、一番茶の芽揃いの悪いこ

とがある。

炭疽病に対してはやや強、輪斑病に対しては 強、もち病に対しては中程度の抵抗性を示すが、赤焼病に対しては弱い。

冬季の寒さに弱いため暖地に適する。また、赤焼病に弱いため、幼木期には防除を徹底 する必要がある。

3)さえあかり

「さえあかり」は「たまみどり」の実生選抜で ある

Z1

を種子親に、「さえみどり」を花粉親とし て交配した個体群から選抜された品種である。

夏季の良好な生育を種子親である「Z1」から引 き継いでおり、幼木時の生育は極めて良好である

(図

3-5)。系適試験のデータでは、萌芽期は「や

ぶきた」より3日程度早く、摘採期は

1

日程度早 くなっているので、やや早生品種である。暖地で ある育成地の枕崎では萌芽期で

5

日、摘採期で

4

茨城 三重 京都 高知 熊本 岐阜 岡山 香川 福岡 佐賀 長崎 大分 宮崎 鹿児島 そうふう平均萌芽日 4/18 4/6 3/29 3/26 3/24 3/25 4/14 4/1 3/31 3/23 4/1 4/1 3/27 3/27 やぶきたとの差

0 -3 -8 -6 -6 -3 2 -9 -4 -10 -1 -2 -6 -9

そうふう平均摘採日 5/27 4/29 5/5 4/20 4/22 4/28 5/22 5/3 4/29 4/25 4/29 5/7 4/19 4/22 やぶきたとの差

5 -1 -2 -5 -3 1 3 -1 -3 -2 -5 -1 -6 -5

一部場所を除き1997~1999年の平均

系適・県単場所名

3-3

同一日での新芽の状況

(左:やぶきた 右:そうふう)

3-4

初冬期の「そうふう」の低温障害

(2011

12

10

最低気温

-1.2

12

22

日撮影

)

3-5

「さえあかり」の幼木 定植

3

年目

8

月撮影

3-2

「そうふう」の一番茶萌芽日と摘採日および「やぶきた」との差(近藤ら

2003

(15)

13

日早い(表

3-3)。

一番茶収量は「やぶきた」よりやや多く、二番茶・三番茶収量は多い(表

3-3)。夏季

の新芽生育や芽揃いが良好なため、収量が多くなったと考えられる。

冬季の凍害に対する抵抗性は「やぶきた」より弱く、「さえみどり」より強い。寒干害 に対する抵抗性と裂傷型凍害に対する抵抗性は「やぶきた」とほぼ同等である。

炭疽病の発生程度は、系適などの試験場所においては中度抵抗性を示す「さえみどり」

や「ゆたかみどり」より少なかった。育成地では「さやまかおり」に隣接して栽培されて いる「さえあかり」での炭疽病の発生はほとんど認められず、炭疽病抵抗性は強と判断さ れる。輪斑病と赤焼病の抵抗性は強、もち病の抵抗性はやや弱と判断される(表

3-4)。

「さえあかり」は「やぶきた」と同程度の耐寒性を有しており、耐寒性の弱い「さえみ どり」が栽培困難であった地域においても栽培が可能なやや早生品種である。また、もち 病を除く主要病害に抵抗性を有しているため、殺菌剤の散布回数を削減することができる。

さらに夏季の新芽生育が良好なため、二番茶以降も多収が期待できる。

4)なんめい

「なんめい」は「さやまかおり」を種子親に、「やぶきた」とアッサム雑種の交配から 選抜された枕崎

13

号を花粉親にして交配した個体群から選抜された品種である。

クワシロカイガラムシと輪斑病に対する抵抗性が強いため、これらの病虫害を目的とし た農薬散布は不要である。炭疽病に対する抵抗性は中程度のため、場合によっては発生が 目立つことがある。赤焼病ともち病の抵抗性がないためにこれらの病害が発生する場合に は農薬散布は必要となる。

幼木期の生育は「やぶきた」と同程度かやや良好である。樹姿は直立性を示すため、低 く仕立てて下部からの分枝を促すことで株張りを速やかに確保することが必要である。育 成場所の枕崎では、一番茶の萌芽・摘採期は「さえみどり」と同程度の早生で、収量は「や

二番茶 三番茶

萌芽期 摘採期 摘採期 摘採期 一番茶 二番茶 三番茶 年間 さえあかり 3/17 4/14 5/31 7/6

384 406 339 1130

さえみどり 3/12 4/10 5/30 7/7

226 256 197 679

やぶきた 3/22 4/18 6/8 7/14

252 176 145 577

2006~2009年(5年生~8年生)の平均値を示す

品種名 一番茶 生葉収量(kg/10a)

さえあかり

1.3

3.2

53

やや弱

やぶきた

2.9

8.6

24

やや弱

さえみどり

73.2

8.6

さやまかおり

422.0

極弱 やや強

くらさわ

100

おくひかり

5

極弱

ほ場接種に よる赤焼病

抵抗性 炭疽病自

然発病葉 数/㎡

炭疽病 抵抗性

輪斑病菌付傷 接種による病 斑長径(mm)

輪斑病 抵抗性

くらさわを100 としたときのも ち病発病葉数

もち病 抵抗性

3-4

「さえあかり」と比較品種の病害抵抗性(吉田ら

2012

吉田

2011

炭疽病:枕崎

2008

2009

年平均 輪斑病:枕崎

2010

もち病:特性検定試験(静岡)成績

2003

2007

年平均 赤焼病:枕崎

2010

20111

年平均

3-3

育成地での「さえあかり」と比較品種の一番茶萌芽摘採期と生葉収量(吉田ら

(16)

14

ぶきた」や「さえみどり」より多い(表

3-5)。

耐寒性や赤焼病に対する抵抗性が「やぶきた」より劣るため、冬季にこれらの障害を受け ると著しく生育が抑制されることはある。早生の病害虫複合抵抗性品種であることから、

暖地における減農薬あるいは無農薬での栽培が可能である

5)しゅんたろう

「しゅんたろう」は埼玉

9

号(やぶきた自然交雑 実生)を種子親に、枕

F 1 -33422(べにたちわせ×く

りたわせ)を花粉親にして交配した個体群から選抜 された品種である。

育成地である枕崎における一番茶の萌芽期は「や ぶきた」よりも

2

週間以上早く、「くりたわせ」よ り

1

日程度早い極早生品種で、収量は「くりたわせ」

より多い(表

3-6)。炭疽病抵抗性は「くりたわせ」

より強いが、耐寒性は「やぶきた」や「くりたわせ」

より劣るため、「くりたわせ」の栽培適地である種

子島などのように霜がほとんどない地域での栽培が適する。

萌芽期 摘採期 一番茶 二番茶 三番茶 なんめい 3/12 4/14

352 298 229

やぶきた 3/22 4/20

249 166 164

さえみどり 3/13 4/13

224 219 166

育成地における4~8年生データの平均

一番茶 生葉収量(kg/10a) 品種名

一番茶 二番茶 一番茶 二番茶 三番茶 一番茶 二番茶 一番茶 二番茶 しゅんたろう

106 145 310 334 193 201 279 300 223

くりたわせ

59 84 193 221 176 74 149 130 113

やぶきた

118 142 198 126 66 128 107 241 211

4年生 5年生 6年生 7年生

品種名

3-6

「なんめい」の一番茶

3-5

「なんめい」と比較品種の一番茶萌芽・摘採期と生葉収量(谷口ら

2012

3-6

「しゅんたろう」と比較品種の生葉収量(

kg/10a

(

根角ら

2012)

3-7

「しゅんたろう」の一番茶

(17)

15

6)サンルージュ

「サンルージュ」は茶中間母本農

6

号(近縁種の

C.taliensis×C.sinensis

)の自然交雑 実生から選抜された。機能性成分であるアントシアニン高含有品種である。本品種の種苗 は日本製紙のみで販売されており、光独立栄養培養法で生産されるプラグ苗の活着率は高 い。一方、自家増殖のための地床への挿し木は活着率が低く、健全な挿し木苗栽培は困難 である。萌芽・摘採期および生葉収量は「やぶきた」とほぼ同等であるが、摘み遅れると、

アントシアニン含量は低下するため、適期摘みが必要である(表

3-7)。炭疽病と輪斑病

は「やぶきた」より強いが、赤葉枯病に弱い。耐寒性はさほど強くないことから暖地での 栽培に適する。

3-8

「サンルージュ」の一番茶新芽

引用文献

1)武田善行ら(2002):煎茶用新品種‘はるみどり’の育成. 野菜茶研報

1:1-13.

2)近藤貞昭ら(2003):緑茶及び半発酵茶用新品種‘そうふう’の育成.野菜茶研報

2:71-82.

3)吉田克志ら(2012):炭疽病・輪斑病複合抵抗性のやや早生緑茶用品種‘さえあかり’

の育成.野菜茶研報

11:73-88.1

4)吉田克志(2011):チャ幼木園における赤焼病抵抗性の品種・系統間差異.茶研報

112(別) 98-99.

5)谷口郁也ら(2012):病虫害複合抵抗性の暖地向き早生緑茶用新品種「なんめい」.

茶研報

113(別)130-131.

6)根角厚司ら(2012):暖地向け緑茶用早生品種‘しゅんたろう’の育成とその特性.野 菜茶研報

11:89-97.

7)

Nesumi,A et al.(2012):‘Sunrouge’, a New Tea Cultivar with High Anthocyanin.

JARQ, 46(4), 321-328.

萌芽期

枯死率 2010年 2011年 2011年 一番茶 二番茶 三番茶 サンルージュ

1.7%

4/20 4/22 3/18

103 217 184

茶中間母本農6号

10.0%

4/13 4/12 3/12

106 280 333

やぶきた

0

4/19 4/21 3/22

121 227 149

生葉収量は4年生のデータ

一番茶摘採期 生葉収量(kg/10a) 品種名

3-7 「サンルージュ」と比較品種の一番茶萌芽摘採期と生葉収量( Nesumi, A et al. 2012

(18)

16

4.茶新品種の品質特性

茶育種研究グループ 吉田克志

本稿では、農研機構野菜茶業研究所で近年育成された茶品種の中から、現在、戦略的品 種として重点的に普及を進めている「さえあかり、なんめい、はるみどり、そうふう、し ゅんたろう、べにふうき、サンルージュ」の品質特性について紹介する。これらの品種は

「やぶきた」とは異なる品質特性を持っており、それを最大限に引き出す加工・仕上げに より、付加価値の高い茶生産が可能になる。

1)さえあかり(茶農林

55

号)

①品質特性

13)

「さえあかり」は「Z1×さえみどり」の交配群から育成された品種で、2012年

11

14

日に品種登録された。やや早生・耐病性・多収・の栽培特性を持ち、花粉親の「さえみど り」の良好な製茶品質の特性を受け継いでいる。「さえあかり」の一番茶荒茶品質は「さ えみどり」に準じ、「やぶきた」より優れる。一番茶芽は薄く柔らかいため、適期に栽培 した場合、形状は細よれ、色沢は鮮緑、水色は青みを帯び、うま味が強い。また、育成地 の枕崎では、摘採時期が遅れた場合、白茎は目立つようになるものの、全窒素やアミノ酸 含量の減少は少なく、製茶品質の低下が遅いため、摘採時期が長い品種と考えられている。

一方、香気に関しては、「やぶきた」とは全く異なる「あさつゆ」様の独特の品種香が感 じられることがあり、人により評価が分かれる。一方、「さえあかり」の二番茶と三番茶 以降の品質は「さえみどり」より優れており、「さえみどり」の露地栽培の二番茶芽がや や赤みを帯びるのに対し、「さえあかり」は鮮緑を保つ。また、荒茶の色沢は鮮緑であり、

水色も赤みを帯びること無く青みを保ち、渋みが少ない。茶成分分析計による測定では、

「やぶきた」と比較すると、一番茶から三番茶まで全窒素や遊離アミノ酸含量がより多く、

タンニンが少ないことが明らかにされており、これらが、品質の良さに反映されていると 考えられる。系統適応性検定試験(2002~2009)では、熊本県と宮崎県において小型機に よる釜炒り茶の試作も行われ、釜炒り茶適性も確認されている。

図1.「さえあかり」一番茶荒茶外観(短期被覆・15kg 機)と水色

②品質特性を生かした加工法

現在、被覆栽培し、外観・内質を向上させた製品が茶市場で高評価されることが多い。

露地栽培でも「さえあかり」の製茶品質は優れているが,被覆による品質向上効果につい ては不明であったため、育成地の野菜茶業研究所枕崎拠点で「さえみどり」を比較品種と

(19)

17

し、短期被覆(70%遮光資材、中4日)が製茶品質に及ぼす影響を試験した。一番茶から 三番茶まで試験した結果、被覆により、外観・内質ともに評点が向上し、全窒素・遊離ア ミノ酸の増加、タンニンの減少が確認され、短期被覆による品質向上が認められるととも に、品種香の軽減効果も認められた。さらに、胴回転式蒸し機で普通蒸しと深蒸しの二通 りで蒸熱処理し、15kg 機で製茶したところ、深蒸しの場合に品種香の軽減効果が確認され た。また、荒茶を篩い分けした後で、小型火入れ機による火入れ試験を行ったところ、「さ えあかり」は短時間の火入れで良好な火香が付き、仕上げ茶の段階では、品種香をほのか に感じる程度まで軽減された。なお、2番茶を

16℃暗黒下で低温除湿萎凋を行って製茶し

たところ、ほとんど萎凋香は感じられず、萎凋香を付与することを目的とした新香味茶の 製造には不向きである。

「さえあかり」は露地栽培でも、一番茶ならびに夏茶の品質も良好であり、外観・内質 ともに優れ、うま味が強い。また、短期被覆を行うことにより、さらに茶品質を向上させ ることができる。また、人により評価が分かれる品種香については、被覆や深蒸しで軽減 され、さらに仕上げ茶の段階では、品種香は合組などに影響を与えるような問題とはなら ない。

2)なんめい

①品質特性

11)

「なんめい」は「さやまかおり×枕崎

13

号」の交配群より選抜された早生品種で、

2012

9

12

日に品種登録出願公表された。「なんめい」の一番茶新芽は濃緑であり、荒茶の 形状は第

3

葉が「さやまかおり」の様に大きくなるため、やや大ガラになりやすいが、色 沢は濃鮮緑で、「さやまかおり」の様に黒みを帯びることは無い。香気はやや甘い香りが 感じられる良い香りで、水色は青みが強く、うま味が強い。種子親の「さやまかおり」に 比べ、荒茶では全窒素やアミノ酸含量が多く、タンニンが少ない特徴を持つ。早生で高品 質の「さえみどり」と比較すると、形状はやや劣るものの、他の製茶品質は「さえみどり」

と同等であり、「やぶきた」より優れる。二番茶の製茶品質は「さえあかり」並に優れて いる。

図2.「なんめい」一番茶荒茶外観(手摘み)と水色

②品質特性を生かした加工法

「なんめい」は普及を開始したばかりであり、育成地の枕崎でも、大型製茶機での製茶 試験は試作しか行われていない。以下、2kg 小型製茶機による試験で明らかになった、「な

(20)

18

んめい」の品質特性を生かした加工法を記載する。「なんめい」は露地栽培でも、葉色が 濃く、製茶後も葉色の濃さが色沢の良さに反映される。また、特異な品種香はなく、甘い 良い香りであるため、普通蒸しの煎茶に適している。ただし、形状に関しては、第

3

葉が 大きくなりやすいので、出開きが進む前に摘採しないと、小型製茶機では大ガラになりや すく、また 15kg 機での試作においても、やや扁平の形状になることがあった。一方、中6 日の被覆を行うと、外観・内質ともに品質が向上することが確認されており、その場合、

深蒸し茶として加工することも可能であると考えられる。近年、「ゆたかみどり」等の早 生品種では、一番茶の萌芽期から摘採期にかけて低温に遭遇し、被覆しても葉色が濃くな らず、色沢・水色が悪くなる事例が増えている。「なんめい」は葉色が濃く、露地でも内 質が優れることから、「ゆたかみどり」の代替品種としての可能性がある。

3)はるみどり(茶農林

48

号)

①品質特性

10)

「はるみどり」は「やぶきた×かなやみどり」の交配群より選抜された晩生品種で、

2003

3

17

日に品種登録された。新芽の手触りは柔らかく、出開きが進んでも硬化が遅いた め、摘採適期の長い特性を持つが、その反面、若摘みすると、特異香となりやすいので、

若摘みは避ける必要がある。一番茶新芽の色は濃緑であり、蒸しても色沢が失われること が無い。荒茶色沢は鮮緑であり、「かなやみどり」の様に黒みを帯びることは無く、形状 は細よれする。香気はミルキーな良い香りが感じられ、滋味は渋みが少なくうま味が強い 濃度感のある良好な滋味である。一番茶荒茶の成分分析を行うと、「やぶきた」に比べ、

タンニン含量が少なく、全窒素と遊離アミノ酸量が多いことが明らかにされており、二番 茶も同じ傾向が認められる。

図3.「はるみどり」一番茶荒茶外観(15kg 機)と水色

②品質特性を生かした加工法

「はるみどり」は煎茶、かぶせ茶、蒸し製玉緑茶に適性があることが明らかとされてい る。荒茶品質は外観・内質ともに良好であり、高級煎茶として香気・形状を生かすために は、普通蒸しで蒸熱処理することが望ましい。深蒸しの場合の滋味は良好であるが、水色 が赤身を帯び、香気を生かすことが難しくなる。福岡県総合農業試験場八女分場の試験で は、「はるみどり」一番茶のかぶせ茶品質は「やぶきた」より色沢が優れ、内質は同等と 評価されている

1)

。また、佐賀県茶業試験場による露地栽培の蒸し製玉緑茶の 60kg 機によ る製造試験と市場評価では、晩生品種の中では評価が最も高く、蒸し製玉緑茶としての適 性を有することが確認されている

5)

。晩生品種の場合、茶市場への出荷時期が遅くなるこ とから、相対的に茶価が低くなりがちであるが、「はるみどり」は製茶品質が優れている

(21)

19

ことから、寒冷・冷涼地における高品質煎茶用品種として普及することが期待される。

4)そうふう(茶農林

49

号)

①品質特性

2)

「そうふう」は「やぶきた×静印雑

131」の交配群から選抜され、2005

2

7

日に緑 茶および半発酵茶用品種として品種登録された。「そうふう」の最大の品質特性は、東洋 蘭の様な花香である。Sawai ら

8)

は「そうふう」の花香がアントラニル酸メチルに起因す ることを報告したが、近年、アントラニル酸メチル以外にジャスモン酸メチルも花香に寄 与することが明らかになった

4)

。摘採時期の違いが花香に及ぼす影響を調査したところ、

みる芽摘み、早摘みの場合には良好な花香が感じられるが、伸ばし摘みした場合は硬葉臭 が強くなり、花香がマスクされる

3)

。この花香は短期被覆では失われないが、深蒸しした 場合には失われる。一番茶新芽の葉色は鮮緑で色沢も良好である。荒茶水色は優れ、滋味 はやや渋みが感じられるが、うま味があり、花香が感じられる。茶成分分析計による測定 では、枕崎では「そうふう」は「やぶきた」に比較すると全窒素やアミノ酸含量が少なく、

タンニン含量が多く、二番茶ではその傾向が強く現れ、花香が感じられるが、渋みも強く 感じられる。また、香気の強さは施肥量に影響を受けることが経験的に知られており、多 肥栽培より減肥栽培で香気が強く感じられる。さらに、野菜茶研・金谷拠点よりも枕崎拠 点で製造された「そうふう」煎茶のほうが、花香が強く感じられること、早生品種である ことから暖地での栽培で品質特性を生かすことができる。

図4.「そうふう」一番茶荒茶(中揉上げ)と水色

②品質特性を生かした加工法

「そうふう」の香気を生かす加工法として、煎茶では浅蒸しが適している。深蒸しで

は、渋みは低減され,水色は濃くなるが、特徴的な香気が失われる。煎茶の一番茶製造で は出開き度

20%程度の早摘みの場合に香気が強くなり、遅摘みの場合には香気が薄れ、品

質も全体的に低下する。また、短期被覆を併用した場合、花香が失われること無く、外観・

内質ともに品質が向上することが確認されている。また、蒸し製玉緑茶の場合も蒸し時間 は短くしたほうが良く、滋味は精揉で揉み込まない分、煎茶に比べると渋みが軽減される。

二番茶以降は露地栽培の場合、渋みが強く、水色が赤みを帯び、夏茶臭や硬葉臭が強く感 じられる。その場合、短期被覆を行うと、花香が維持され外観・内質も良好となる。また、

煎茶を作る場合、室内で

4-8

時間萎凋すると、「そうふう」の香気が強まることが確認さ れている

3)

。萎凋時間が長くなると「そうふう」の花香は萎凋香にマスクされるため、品 種の特徴がかえって薄まる危険性が高い。一方、「そうふう」は釜炒り茶適性があり、蒸 熱処理を行う煎茶よりも、香気の発揚は良好であり、葉を強く揉み込まないため、渋みも

(22)

20

少なく感じられる。また露地栽培の夏茶は渋みが強いが、夏茶を用いて半発酵茶を製造し た場合、その品質は青心ターパンなどと比較した場合、甘い花香の香気に優れ、滋味も優 れていた

2)

。ただし、半発酵茶製造の場合、生葉の水分含量、摘採時期、気温および湿度 によって香気発揚に必要な萎凋時間が異なる。そのため、現在、近赤外線や棚乾燥機を用 いた加温により、安定した萎凋香発揚を可能とする半発酵茶製造法が開発されつつある。

5)しゅんたろう

①品質特性

6)

「しゅんたろう」は「埼玉

9

号×枕

F 1 33422」の交配群から選抜され、2011

12

20

日に品種登録された極早生品種であり、種子島の主要な極早生品種である「くりたわせ」

の代替品種として開発された。一番茶新芽は葉の形状は細長く、色は淡緑色で、節間はや や長めである。極早生品種であるため、摘採期前に低温に遭遇した場合、色のりが悪くな り、露地栽培の場合は製茶時に色沢がやや笹色になる傾向がある。形状は細よれするが、

摘み遅れた場合は白茎がやや目立つ。香気は「やぶきた」とは異なるすっきりとした良い 香気であり、水色はやや薄く、滋味は「くりたわせ」より優れる。育成地の枕崎における 露地栽培の製茶品質は「やぶきた、くりたわせ、ゆたかみどり」より優れている。

図5.「しゅんたろう」一番茶荒茶(被覆・手摘み)と水色

②品質特性を生かした加工法

「しゅんたろう」

はもともと露地栽培で色沢良好な極早生品種を目指して育成されたが、

製茶品質を良好に保つためには、気温条件にもよるが、中4日から1週間程度の被覆を行 ったほうが良い。被覆により製茶品質は改善され、形状は細よれ、色沢は鮮緑となり、す っきりとした良好な香気はそのまま維持され、青みのある水色となり、滋味はうま味が感 じられる。また、「しゅんたろう」の特徴的な香気を生かすためには、普通蒸し(40秒程 度)が適している。「しゅんたろう」はまだ栽培面積が少なく、市場評価も十分にされて いない。その一方、東京の茶商の中には、「しゅんたろう」は極早生品種の中で品質が優 れ、香気の特徴と希少性を評価し、高価格で買い付ける人もいる。

6)べにふうき(茶農林

44

号)

①品質特性

9)

「べにふうき」は「べにほまれ×枕

Cd86」の交配群から選抜され、1995

8

17

日に 紅茶・半発酵茶用品種として品種登録された。カテキンとカフェインの含量が多く、発酵 性が高い。その後の研究により、「べにふうき」緑茶に抗アレルギー成分のエピガロカテ キン-3-

O -(3- O -メチル)ガレート(以下、メチル化カテキン)が多く含まれることが発見

図 1  「さえみどり」「さえあかり」の育成系統図

参照

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