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部分構造論理間の埋め込み定理の相意味論的証明 田中大海

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Academic year: 2021

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部分構造論理間の埋め込み定理の相意味論的証明

田中大海

(Hiromi Tanaka)

慶應義塾大学

   

相意味論(phase semantics)[1]で導入された線形論理の証明可能性を取り扱うため

の代数的意味論である。Kanovich-岡田-照井[3]は、直観主義線形論理ILLと古典線形 論理LLの相意味論的な関係として、任意の直観主義相空間(intuitionistic phase space) は、準古典相空間(quasi-classical phase space)と古典相空間(classical phase space) 部分空間になっている(つまり任意の相空間は三層構造を伴う)という結果を示した。

これを相空間の三層表現定理(three-layered representation theorem)という。ここで、

準古典相空間は古典相空間によく似た性質を持つ直観主義相空間を指す。彼らは三層 表現定理の系として、次の二つを得た:

1. ILLからLLへの埋め込み定理

2. 準古典相モデルに対するILLの完全性

本発表では、三層表現定理を用いることで線形論理以外のいくつかの部分構造論理

(substructural logic)に対して、上記二つに対応する結果が得られることを示す。具体

的には、ILLに無制限の弱化規則の使用を認めた体系(ILLW)と、ILLに無制限の縮 約規則の使用を認めた体系(ILLC)の二つに着目する。通常、ILLWILLCに対応す る相空間はそれぞれ、intuitionistic affine phase spaceintuitionistic contractive phase

space と考えられる(cf. [4])が、三層表現定理によって容易に次を得る:

1. ILLWquasi-classical affine phase modelに対して健全かつ完全である。

2. ILLCquasi-classical contractive phase modelに対して健全かつ完全である。

これら二つはオリジナルの三層表現定理の系の二つ目に対応する。

 また、ILLWILLCに対して三層構造を伴ったカノニカルモデルを構成すること により、ILLWからLLおよびILLへの埋め込み定理と、ILLCからそのinvolutive

体系(LLC)への埋め込み定理をそれぞれ得る。同様の方法により、ILLWの乗法・加

法的断片からLLおよびILLの乗法・加法的断片への埋め込み定理と、ILLCの乗法・

(2)

加法的断片からLLCの乗法・加法的断片への埋め込み定理を得ることもできる。

 さらに、これらの埋め込み定理で用いられている論理式の変換規則はすべて、直観 主義論理から様相論理S4への埋め込みに用いられるG¨odel翻訳[2] に非常によく似て いることが分かっている。発表ではこの点について多少の考察を加える。

参考文献

[1] J.-Y. Girard. Linear logic. Theoretical Computer Science, 50: 1–102, 1987.

[2] K. G¨odel. Eine Interpretation des intuitionistischen Aussagenkalk¨uls. Ergebnisse eines mathematischen Kolloquiums 4: 39–40, 1933. English translation in S. Fe- ferman (Ed.),Collected Works of Kurt G¨odel, Vol. I: Publications 1929–1936, pp.

301–302. Oxford University Press, 1986.

[3] M. Kanovich, M. Okada, and K. Terui. Intuitionistic phase semantics is almost classical.Mathematical Structures in Computer Science, 16(1): 67–86, 2006.

[4] M. Okada and K. Terui. The finite model property for various fragments of intu- itionistic linear logic.Journal of Symbolic Logic, 64(2): 790–802, 1999.

参照

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