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理科学習指導案

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Academic year: 2021

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第5学年 理科学習指導案

作成者 大阪市小学校教育研究会理科部 1.日 時 平成○年○月○日(○) 第○校時(○:○~○:○) 2.学年・組 第5学年○組 (在籍○名) 3.場 所 理科室 4.単 元 名 「海水から飲み水を作ったり、料理に食塩を入れて溶かすことでおいしくいただけ たりする。溶けているってどういうこと。」(物のとけ方) 5.単元目標 ○ 物を水に溶かし、水の温度や量などの条件に目を向けながら調べたり、物を水に溶かした ときの全体の重さを調べたりする活動を通して、物が水に溶けるときの規則性についての見 方や考え方をもつようにするとともに、物が水に溶ける現象の規則性を興味・関心をもって 計画的に追究する能力を育てる。 6.子どもに育てる力 自然事象への 関心・意欲・態度 ① 物が水に溶ける様子に興味をもち、物を水に溶かし、物の溶け方の規 則性を調べようとしている。 ② 物が水に溶けるときの規則性を適用し、身の回りの現象を見直そうと している。 科学的な 思考・表現 ① 自ら行った実験結果と照らし合わせて、水溶液について推論し、自分 の考えを表現している。 ② 自ら行った実験結果と照らし合わせて、飽和水溶液について推論し、 自分の考えを表現している。 ③ 物が水に溶ける量について、水の温度と関係づけながら予想や仮説を もち、条件を統一しながら実験を計画し、自分の考えを表現している。 観察・実験の 技能 ① 電子てんびんを使うなどして、水溶液の重さを調べ、結果を記録して いる。 ② 水の温度を変えて物の溶け方の規則性を調べて結果を記録し、まとめ ている。 ③ ろ過器具や加熱器具などを適切に操作し、安全で計画的に水溶液に溶 けているものを取り出している。 自然事象に ついての知識・理解 ① 物が溶けても、水と物とを合わせた重さは変わらないことを理解して いる。 ② 物が水に溶ける量には限度があることを理解している。 ③ 物が水に溶ける量は、水の温度や溶ける物によって違いがあることを 理解している。 7.単元について ① 単元観 本単元は「科学的で基本的な見方や概念」として、ものを粒子としてとらえるフレームワー クを身につけさせることをねらいの第一義とし、その中でも特に「粒子の保存性」の概念、つ まり物質保存、及び質量保存の概念をもたせることを主眼としている。 そこで、本単元では、ものを水に溶かし、その変化の様子を水の温度や量などの条件に着目

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して調べたり、溶かしたときの全体の重さを調べたりする活動を行う。そして、それぞれの状 態のイメージ図という映像的表現や、重さが保存されているという数字的表現、また、溶ける ということを言葉や文字で表現するという記号的表現など、多重的表象を通して、ものが水に 溶けるときの規則性についての見方や考え方をもつようにさせる。さらに、それらの諸活動を パフォーマンス課題を基に、興味・関心をもって自ら課題を見出し、計画的に追究することを ねらいとしている。 ものが水に溶ける現象は生活経験の中でよく知っているが、その素朴概念として、混合液と 水溶液の区別や、ものの溶け方の規則性についてまでの概念は形成されていない。あまりにも 溶けているものを日常的に活用しているため、溶けるということに対して探求的な関心までは 高くない。 食塩が水に溶けると n レベルの大きさの粒子になり、当然目には見えないのでその水溶液は 透明であり、あまりにも小さいため、分子運動により常に水中にあり、沈澱しない。混合液の 粒子は粒子の大きさがとても大きいため、目にも見え、自重で落下し沈殿する。つまり、水に 入ったとき、その物質がどの程度の粒子の大きさになるのか、水によって細かい粒子の大きさ に変化するのかどうかによって、混合物と水溶液は分類できる。しかし、指導要領ではここま で構造化した理解を求めているわけではなく、現象レベルの違いによる区別を求めている。 しかし、現在海水淡水化プラントによって、日常的に海水から真水つまり、飲み水を作って いる事実があり、この事実は子どもたちにも多く知られている。しかし、それがどのような仕 組みによってなされているのかは疑問の対象にもなっていない。企業が社会活動として極めて 細かい穴の開いた中空糸膜を教育現場へ持ち込み、理科の特別授業として粒子概念の形成を目 指した社会活動を行っている。海水をろ過できる n レベルの中空糸膜の実験は装置の大きさが 大きすぎ理科室まで持ち込めないが、μレベルの中空糸膜は簡単な操作で色水を濾し取ること ができる。 従来の学習計画では、現象の観察や実験結果の読み取りから、新たな学習課題を見出し、問 題解決を図っている。そこに「粒子で表してみるとどうなるか」という視点を与えることで、 溶けるという現象を具体的にイメージしやすくなり、溶けているという見えない世界を「溶け ているものとして見る」ことが少しでも行いやすくなり「粒子の保存性」の概念が形成しやす くなる。そのことで、物質が粒子からできているという科学な見方や考え方を育てていくこと ができると考える。しかし、科学としてのみ溶けるということを考えずに、社会との関わりで ある技術との関連を重視した。つまり、ものを水などに溶かすことによってその性質を人々の 生活に役立てることができるという視点である。今学んでいる知識が、人間の実際の生活のい ろいろな側面で役に立っている事実は、子どもたちに学ぶ意味と意義を感じさせるものである。 また、新しく学習する科学言語として、水にものが溶けて一様に広がり、すき通った状態を 水溶液ということ、ものが溶けていく状態をシュリーレン現象ということなどをとらえる。こ れは、現象レベルでの溶けるという定義であって、中空糸膜の実験を通して粒子の概念をもち こむことで、物質の構造性まで踏み込むことができ、溶けるということの意味をより深く考え、 解釈できるのではないかと考える。また、n レベルの膜でなければろ過することが出来ないほ ど小さくなっているという事実は、溶けるということの現象的の解釈が今までのときと異なり より深く考えるものと考える。 さらに液の中に溶けきれていない粒をろ紙でこすことをろ過ということも学習する。探究し ていく過程では、メスシリンダー、ピペット、計量スプーンなどを適切に使い、水に食塩やミ ョウバンを溶かしていき、ものが水に溶ける量には限りがあることや溶けた後の変化などの問

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題を主体的に解決することが大切である。そのためには、与えられた手順で実験をこなしてい くのではなく、疑問や興味・関心を抱いた中から課題を見出し、学習計画を立てて、見通しを もちながらものの溶け方を多面的に追究する能力を育てることがねらいである。 ② 指導内容の関連 粒子の存在 粒子の結合 粒子の保存性 粒子のもつエネルギー ③ 子どもの実態 本単元の実施にあたり、児童に事前調査を行った。「理科の学習に自分から進んで取り組んでい る」と答えた児童は、23名中16名であった。その理由として、「実験が楽しい」「実験で予想 した内容と同じ結果がでたときうれしい」と答える児童が多く、実験や観察などの活動の楽しさ を味わいながら理科学習に意欲的に取り組んでいる様子が見られる。また、「身のまわりにあるい ろいろなものを水に溶かしてみたい」など、本単元の学習に対して興味をもつ児童も多い。 しかし、実験や観察は進んで取り組んでいるのだが、「実験方法を考えるのが好き」「実験結果 から、分かったことを考えることが好き」「学級の友だちに自分の考えを伝えることが好き」と答 えた児童が約半数にとどまり、仮説を立てたり、実験で得た結果から考察したり、またそれらを 学級の友だちに分かりやすく説明したりすることは、苦手としている児童が多く見られた。そこ で本単元を通し、現象をとらえ筋道を立てて追究する力や、結果を考察する力を伸ばしていきた い。 本単元の学習内容については以下のようになった。 小麦粉を溶かすことや砂と水を混ぜるという言葉は日常の生活 言語として使っている。こうした日常生活の影響で小麦粉と砂を 水に溶けると答えたのであろう。また、水溶液と混合液の区別が はっきりしておらず、水の中に入れて物が見えなくなったら、そ れで水に溶けたと判断しているようである。 水に溶けると思う物(人) 砂 5 さ と う 17 食 塩 19 小 麦 粉 7 3年 ものと重さ ・形と重さ ・体積と重さ 4年空気と水の性質 ・空気の圧縮 ・水の圧縮 4年 金属、水、 空気と温度 ・温度と体積の変化 ・温まり方の違い ・水の三態変化 5年 もののとけ方 ・物が水に溶ける量の限度 ・物が水に溶ける量の変化 ・重さの保存 6年 燃焼の仕組み ・燃焼の仕組み ・酸性、アルカリ性、中性6年 水溶液の性質 ・気体が溶けている水溶液 ・金属を変化させる水溶液

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①②では、児童の日常生活で経験してきた中で、水にものが溶けたときそのものはしばらくす ると底にたまってしまうと判断していると考えられる。また、色は絵の具のように全体に広がる イメージをもちやすいのだが、食塩や砂糖のように溶けて透明で見えなくなるものは、溶けると 水全体に広がっているととらえるのは児童には難しいようである。 ③では、ものが溶けて目に見えなくても水の中に残っているはずだと考えることができる児童 もいるが、見えなくなったことで、溶かしたものが残っていないと考える児童も少なくない。そ のため④のようにとかした後のものの重さもなくなると考えてしまうと思われる。 このような児童の実態をふまえ、本単元での学習では、イメージ図を活用しながら自分の粒子 についての考えを可視化できるようにしていく。そのことで溶けたものは見えなくなってもそこ にあるのだと考えるなど、「粒子の保存」についての理解を深めることができるようにしたい。 ④ 指導観 ○ 自然と社会との繋がりに焦点をあて、学ぶ意味と意義の視点からパフォーマンス課題を設 定する。全体を見通した課題から子どもによる問いを構成し、問題解決活動のデザインを行う。 いろいろな物質は、溶けることによってその物質の性質が顕在化する。その顕在化した性質 を人間が生活のさまざまな側面に活用することによって、人の役に立たせている。今回学習す る素材である食塩もそうである。漬け物やみそ汁、さらにさまざまな料理に食塩を適切な量の 食塩を入れることにより、食事がおいしくいただける。また、古来から濃い食塩水は防腐剤と しても活用されている。しかし、海水の溶けている食塩は海の生物にとっては命の水であるが、 人間が飲料水とするには濃すぎるため役に立たない。近年中空糸膜が発明され、その膜で海水 から食塩をこし取ることが可能になった。そのことにより、離島や砂漠地帯の人々に貴重な飲 料水を海水から作ることができるようになった。この意味はとても大きい。溶けることに役立 つ物もあれば、溶けた物を取り出すことにより役立つものもある。 そこで、導入でのパフォーマンス課題として、海水に溶けている食塩の取り出し、飲み水を 作るという事実から、食塩を「溶けたものを取り出す・溶かして活用する」ことで人の生活に 役に立っているという大きな課題を設定する。 溶ける物と溶かす物、溶ける物が見えなくなってもその物は保存されており、保存されてい るからこそその性質を人の役に立たせることができるという事実。また、溶ける量の限界、溶 けることと溶かす物の温度(熱エネルギーとの関係)、さらに、溶ける物の違いによるさまざま な性質の違い。これらの科学的事実を明らかにすることが、技術として人にどのように役立た せているのが明らかになる。 ○ 取り出した情報を可視化して交換できる場を設け、多様な質の情報を交流し、整理する学習 環境としての場を設定する。 水に溶けた物がどうなっているか 質問項目 そう思う そう思わない わからない ①コーヒーシュガーをとかすと、茶色の色がにじみ出て、水全体 に広がる。そして残りのつぶはすき通っていて底にたまる。 13 5 5 ②さとうをかきまぜてもしばらくするとだんだん下にしずむ。だ から下のほうがあまい。 12 8 3 ③溶けて見えなくなってもつぶはすき通って残っている。 11 10 2 ④物が溶けると見えなくなる。だから重さはなくなる。 6 13 4

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課題を追究していく学習過程では、学習ノート(表・グラフ・短冊・イメージ図など)に実 験結果や考えを書く表現活動を重視する。表現することでその意味を深く考える。特に溶ける という可視化していない現象について、学習ノート(表・グラフ・短冊・イメージ図など)を 活用することで、そこに物質の存在とその変化が本人や周りの人間にとっても可視化され、考 えるためのツールとなる。そのことは、次の学習活動への見通しをもたせ、追究し続けるとい う意欲を育てることと考える。 また、素材や用具などを可視化できるように理科室の学習環境をデザインする。それをツー ルとすることで、子どもが主体的に多様な実験方法や実験装置を考えることができるようにす る。また、実験結果の交流では、結果だけの交流ではなく、実験で出た結果を実験の途中で他 の班が見ることができるようにすることで考えるツールとし、実験経過をも交流し、新しい課 題の創出を目指す。各班の結果が出るまでの過程も見ることができるようにすることは、「もの が水に溶ける」という現象のプロセスの可視化であり、自分の班の実験と他の班の実験を比較 検討するというメタ認知が働く。そのことが溶けることの意味をより深く考えるきっかけと考 える。 ○ 子どもそれぞれがイメージ図や言葉を自分自身の中に再構成する場と時間の保証を行い、そ れぞれの描いたポートフォリオについてのルーブリック評価を行う。その評価から次の理科学 習のデザインを構成する。 単元の中で、イメージ図をかく機会というメタ認知におけるモニタリング活動を多く取り入 れ、水に溶けるということのイメージを自分自身の中に再構成する場と時間の保証をする。 その描いたイメージ図をルーブリック評価することで、次時からの学習デザインに活用する。 見えない世界の可視化の活動を行わせることで、その現象という事実の多様な解釈が表現され る。その子どもなりの表現に含まれる意味をルーブリック評価を行うことで読み取るのである。 ○ 過去・現在・未来の自分をモニターできるメタ認知活動を行い、学びの文脈を意識させる。 メタ認知活動として「ある時、ない時」という今の状況を振り返る思考活動を促す。 導入では、日頃何気なく使っている「溶ける」「溶かす」という言葉の意味について、自分が わかっていないことを知ること(「無知の知」)をメタ認知によって知る活動となる。さらに、 溶けて見えなくなった食塩の粒子の重さが保存されるという概念については、超微粒子となっ た食塩の粒子には重さは存在しないとか、重さは減っているという素朴概念がみられる。つま り、1nm という小さな粒には重さが存在しないと、または、減るというそれぞれの子どもの概 念を友だちの考えと比較したり、実験したりする活動からメタ認知を行わせる。イメージ図に かくことで、自分の考えをモニターし、友だちの考えや実験事実を基に、自分の考えをコント ロールするという活動を行わせる。つまり、友だちの考えや実験事実はモニターした考えをコ ントロールするための基調なリソースとなる。 本単元の溶ける限界や温度による溶ける量の変化、また異なる物質によるとけ方の違いなど の学習においても、おなじようなメタ認知活動を意図的に取り入れることで、知識の創造とと もに問題解決能力の育成をねらったものである。 最後に日常生活で「溶ける」ことによって人々の生活に役立っているさまざまなものを自分 たちで考えさせる。それぞれの物は「溶ける」ことのどのような性質を活用して人々の役に立 っているのかを考えさせることで、「溶ける」ということの学ぶ意味と意義をもたせたい。それ が、「溶ける」ことについてわかっていなかった過去の自分から、溶けることの意味が分かる今 の自分、さらに、溶けることによってさまざまに人の役に立っているという視点をもつことで、 「溶ける」概念をさまざまに活用できる未来の自分を知ることになると考えている。

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温度を高くしても食塩の溶ける 量はあまり変わらなかった。 食塩はどれぐらいの量 までとけるんだろう。 限度はあるのかな。

水に溶けた食塩には、

重さがあるのだろうか。

水に溶ける食塩の量

には、限りがあるのだ

ろうか。

水の温度を上げると、

ものが水に溶ける量は

どうかわるだろうか。

身のまわりで溶かすことによって人の役に立っているものを探そう。

ほかに溶けるものも食塩と同じ性質なのだろうか。

沖縄は、河川が少ない地形のため、水が不足しやすい。沖縄に住む人々は、水を確保するために様々な工 夫をして生活している。実際に海水から水と食塩を分離して飲料水を作り、水の少ない離れ島や海沿いの砂 漠地域に住む人々に役立てられている。

海水に溶けている食塩と水をどうやって分けて飲料水を作るのだろう。その仕組みを知ろう。

RO膜でろ過すると食塩と 真水に分けられるんだね。 水も食塩も目には見えない程、とて も小さい粒からできているんだね。

膜でろ過する前の海水を作り、食塩が水に溶ける様子を見てみよう。

他 の も の も 溶 か し て み た いな。 水の温度を上げると たくさん溶けるんじ ゃないかな。 食塩は水の中を浮いて動くくら い小さい粒だけど、重さはどう なっているんだろう。重さは無 くなっているかもしれないよ。 膜で色水をろ過すると、本当に 透明の水が出てきたよ。すごいな。 食塩からもやもやした ものが出ているよ。 食塩の小さい粒が広が っているみたいだ。 食塩の粒がどんどん小 さくなっていくよ。 食塩が溶けて小さな粒になって も重さはなくならないんだね。 溶けて見えなくなっても食塩 はちゃんとあるんだね。 やはり溶ける量には限界が あるんだね。 溶け残った食塩をとかすこ とができないかな。 水の量を増やすとやはり溶け る量は増えた。食塩水の水が 蒸発すると、食塩が出てきた。 他のものもそうかな。 ものによって溶け方や 性質に違いがあるんだ ね。 ミョウバンや食塩はそ れぞれ溶け方がちがう ね。 ミョウバンは温度を高くすると溶ける量が増えた。 温度を下げるとその温度で溶けきれないミョウバンが出てきた。 料理・漬物・薬など生活の中には水に溶かすことで、それぞ れの性質を生かして利用しているものがたくさんあるんだね。 溶けて見えなくなっても水の中にあるから、溶か したものによっていろんな効果があるんだね。 社会科との関連 第1次 第2次 第3次 第3次 第5次 第4次 8.単元の流れ

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9.指導計画(全11時間) 問題 ○学習活動 ・予想される子どもの活動、反応 ◎目標 第1次《 問題発見 》 子 ど も の 学 習 活 動 評価と授業のデザイン(◆◇) 2 「海水を真水と食塩に分け、人々に役だっている。実際に 海水から水と食塩を分離して、水の少ない離れ島や海沿い の砂漠に住む人々に飲料水を提供している。」 ○ その装置を写真で見る。 「ここにその装置で作った飲み水があります。この水を 先に飲んでみよう。」 ○ 感想を言う。 ・ おいしいね。 ・ 普通の水の味だね。 「海水に溶けている食塩を濾し取るには、RO膜という膜 を使っている。 食塩を濾すRO膜は、1000km で1mm の穴を1mの 大きさにしたものだ。この穴の大きさでは、インフルエ ンザウイルスでも濾し取ってしてしまう。 それよりも粗い中空糸膜を使って色水をろ過してする。 それでも、1μmの中空糸膜でもとても小さな穴があい ている。」 ○ 中空糸膜を使って色水をろ過する。 ・ 色水も簡単に濾せた。 ・ すごい、色水が本当に透明になっている。 ○ 中空糸膜で食塩を分ける前の海水を作り、食塩が水に 溶ける様子を観察する。 ・ 食塩が溶けているときもやもやとしたけむりみた いなものになる。それが小さな粒になった食塩だろ うか。 ・ 食塩の粒がどんどん見えなくなっていく。 ○ 食塩がとても小さな粒になって溶けている食塩水に ついて、どのように考えるか3つの観点で自分の思いを 短冊に書く。 ◆写真を提示して、施設の紹 介をする。 ◆沖縄で実際に市販されて飲 まれている物であることを 知らせる。 ◆日本地図を使って説明し、 RO 膜の穴の小ささのイメー ジをつかめるようにする。 ◆ 中空 糸膜 の使 い方を教 え る。 ◇ 図や絵、言葉などを活用 し、3つの視点を参考にし て、一旦自分の意見をノー トにまとめてから、短冊に 書かせる。 ◇ 短冊は様々な大きさの物 を用意しておき、自分の意 見が書きやすい短冊を子ど もが自由に選べるようにす る。 関① 時 間 ②どうなる だろうと思 ったこと ①ぎもんに 思ったこと ③やってみ たいこと

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① ぎもんに思ったこと ・ 溶けた食塩はとても小さい。重さはあるのだろうか。 ・ とても小さいので、どこまでも溶けるのだろうか。 ・ 他のものもこのようにとても小さな粒になって溶け るだろうか。 ② どうなるだろうと思ったこと ・ とても小さな粒なので、下に落ちていくのだろうか。 ・ いつまでも、水の中でういているのだろうか。 ・ ものは、限りなく水に溶けるのだろうか。 ③ やってみたいこと ・ いろいろに物を溶かしてその様子をみたい。 ・ 重さの変化を調べてみたい。 ・ 小さな粒なので、温めたり、冷やしたり、温度を変 えると溶ける量が変わるか調べてみたい。 ・ RO膜以外の方法でも取り出すことができるかして みたい。 『水に溶けた食塩には、重さがあるのだろうか。』 『水に溶ける食塩の量には、限りがあるのだろうか。』 『他のものも溶かしてみたい。』 ○ 食塩が溶けた水の溶けている様子についてのイメー ジ図をかく。(かくことで、疑問ややってみたいことと の関連を連想しながら、イメージを構成する。) ○ 今後の学習課題を自分たちで作り、物の溶け方の規則 性を調べる見通しをもつ。 ◇ 取り出した情報を出し合 いながら、共通しているこ とを見つけたり、考えを交 流し合ったりするよう助言 する。 ◇ 今後、追究する課題が反 映されるよう、話し合いを 整理したり、不十分な視点 を補ったりする。 ◇ 必要な場合は再度観察す ることを助言する。

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第2次《 水に溶けた物の重さのゆくえ 》 子 ど も の 学 習 活 動 評価と授業のデザイン(◆◇) 3 ○ 水に溶けた食塩はとても小さな粒になっている。その 小さな粒の食塩の重さについて話し合う。 ○ 水に溶けた食塩の重さはどうなるのか予想し、それぞ れの食塩が水に溶けたときの重さがどうなっているの かイメージ図にかく。 ・ 粒が見えなくなったのだから、重さもなくなった。 ・ 見えないが、重さは少しある。 ・ 食塩はなくなっていないので重さもなくならない。 ・ 食塩を入れた分、水かさが増えている。 ・ 下のほうが濃くなっている。 ○ 水に溶けた食塩に重さがどうなったのかを調べるた めにどうしたらよいのか考える。 ・ 溶かす前と溶かした後の重さを比べたらわかる。 ・ 水や食塩をこぼさないようにしないとだめだ。 ・ 重さを正確に量る道具はないかな。 ・ 正しく比べるためにはどうしたらいいかな。 ○ 食塩を溶かす前と溶かした後の重さの変化を調べる。 ・ 「水の重さ」+「食塩の重さ」 =「食塩水の重さ」 ◎ 水に溶けた物は、目には見えなくても、液の中にすべ てある。 ○ 溶かす前の食塩の様子をイメージ図にかき、溶かす前 と溶かした後の食塩の粒の数が同じであることを確認 する。 ◇ 現象を自分なりに解釈する 方法として、イメージ図を活用 する。(1回目) ◇ イメージをもちにくい子ども には、個別に助言する。 ◇ なぜそのように考えたか 自分なりの重さに対する考 えを根拠に発表したり、話 し合ったりできるよう、友 達の重さの考えなどを掲示 し、それを自分の考える道 具とする。 ◇ 電子てんびんを紹介し、 使い方を教える。 ◇ 実験で条件を統一するよ うに助言する。 技① 知① 思① ◇ 実験をもとにわかったこ とをもとに、始めにかいた イメージ図を修正するよう 指示する。 時 間 水にとけた食塩には、重さがあるのだろうか。

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第3次《 物が水に溶ける量には限りがあるのか 》 子 ど も の 学 習 活 動 評価と授業のデザイン(◆◇) 3 ・限りがあると思う。 ・限りなく溶けると思う。 ○ 物が水に溶ける量には限りがあると考えた子どもは 飽和水溶液の様子を、また限りがないと考えた子どもは 水溶液の様子をイメージ図にかき、発表し意見を交流す る。 ○ 水に溶かせる食塩の量には限りがあるか調べる方法 を考える。 ・ 「とけた」とは、溶け残りがない状態のことを言う よ。 ・ 水の量や溶かすものの量を決めよう。 ・ どれだけ溶けるのか調べるためにさじ1杯ずつ溶か していこう。 ○ 1杯溶けるごとに、表にシールを貼る。その際、シー ルには気づいたことを記入する。他の班の結果も見なが ら、実験をすすめる。 ○ 実験結果を交流する。 ・ 限りがあった。 ・ 最初はよく溶けたけど、だんだん溶けなくなった。 ・ 100mL の水に溶けた食塩は 50mL の2倍くらいになっ ているね。 ◎ 食塩が水に溶ける量には限りがある。 ◎ 水の量を増やすと溶ける量も増える ○ 実験結果(表・グラフ)を見て、食塩の飽和水溶液の 様子のイメージ図を修正する。 ◇ イメージをもちにくい子 どもには、「水」や「もの」 をそれぞれキャラクター等 に置き換えて考えるよう個 別に助言する。 ◇ 友だちのイメージ図を見 て、似ている点を見つけた り、考えを交流し合ったりす るよう助言する。 ◇ 水の量による溶ける量の違 いについても発見できるよ うに 50mL と 100mL の2種類 の水の量で実験する。 ◇ 自由に結果を貼りに行け るようにし、他の班の状況や 結果を自由に見に行けるよ うにする。 ◇ 「○回かきまぜた」「あと ○杯くらいは溶けるだろう」 という視点を参考にしてシ ールに気づいたことを記入 するよう指導する。 ◇ 表の配置を工夫し、水 50mL と 100mL が比較できるように する。 知② 科② ◇ 実験をもとにわかったこ とをもとに、始めにかいたイ メージ図を修正するよう指 示する。 時 間 水に溶ける食塩の量には限りがあるのだろうか。

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○ 生活経験を手がかりにして、水の量を変えずに、もっ とたくさん溶かす方法について考え、話し合う。 ・ 紅茶が熱いと、砂糖がよく溶けたよ。 ・ 食塩でも同じことが言えるのかな。 ○ 水の温度を変えながら、食塩の溶ける量を調べる。 ○ 実験結果をまとめる。 ○ 予想・できあがった実験結果(表・グラフ)を見て、 話し合う。 ・ 食塩は、水の温度を上げるても溶ける量が変わらな い。 ・ 他のものも水の温度を上げても溶ける量は変わらな いのかな。 ◎ 水の温度を上げると、溶ける量は増える。 科② ◇ 安全面を考えて、加熱する 温度は60℃を限界とする。 ◇ 水溶液の加熱の仕方を指 導する。 ◇ 実験結果だけでなく、実験 経過も交流できるようにす るためにお互いの実験結果 が見れる環境にする。 技② ①常温(温度を測る)の水 50mL をビーカーに用意する。 ②この水に食塩をさじ1杯ずつ入れていく。 ③さじ一杯溶けるごとに、表にシールを貼る。その際、 シールには気づいたことを記入する。 ④他の班の結果も見ながら、実験をすすめる。 ⑤溶ける量に限界がきたら、水溶液を30℃まで温め、 常温の時と同様に実験をすすめる。 ⑥再び溶ける量に限界がきたら、水溶液を60℃まで 温め、同様に実験をすすめる。 水の温度を上げることで、食塩が水に溶ける量はどう変わるのだうか。

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第4次《 水に溶かしたものを取り出そう 》 子 ど も の 学 習 活 動 評価と授業のデザイン(◆◇) 2 ○ ミョウバンを知る。 ○ 水の温度を変えながら、ミョウバンの溶ける量を調べ る。 ○ 実験結果を交流する。 ・ ミョウバンにも水に溶ける量には限りがあった。 ・ ミョウバンは、常温では食塩よりも溶ける量が少な い。 ・ ミョウバンは、水の温度を上げると溶ける量がどん どん増えている。 ◎ ミョウバンが水に溶ける量には限りがある。 ◎ ミョウバンは水の温度を上げると溶ける量が増える。 ◎ ものによって、水に溶ける量は違う。 ◎ 水の温度を上げることで、ものが水に溶ける量は変わ り、ものによって溶け方には違いがある。 ○ ミョウバンの水溶液の様子を観察する。 ・ 白い粒が出てきた。 ・ この粒は、ミョウバンかな。 ○ ろ過の方法を知り、ミョウバンの水溶液をろ過して白 い粒と水溶液とに分ける。 ○ こし取った白い粒は何であるか考え、話し合う。 ◇ 漬け物の色をよくするた めに使われているという ことを知らせることで、日 常生活と結びつけてミョ ウバンを知る。 科③ ◇ 自由に結果を貼りに行く ようにし、他の班の状況や 結果を自由に見に行くよう にする。 ◇ 「○回かきまぜた」「あと ○ 杯 く ら い は 溶 け る だ ろ う」という視点を参考にし てシールに気づいたことを 記入するよう指導する。 知③ ◇ ろ過に使う器具の名前や 使い方を知らせる。 ◇ こし取った白い粒はミョ 時 間 ほかに溶けるものも食塩と同じ性質なのだろうか。 ①常温(温度を測る)の水 50 mL をビーカーに用意す る。 ②この水に食塩をさじ1杯ずつ入れていく。 ③さじ一杯溶けるごとに、表にシールを貼る。その際、 シールには気づいたことを記入する。 ④他の班の結果も見ながら、実験をすすめる。 ⑤溶ける量に限界がきたら、水溶液を30℃まで温め、 常温の時と同様に実験をすすめる。 ⑥再び溶ける量に限界がきたら、水溶液を60℃まで

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・ 前時に使ったミョウバンの水溶液には、水とミョウ バンしか入ってないはずだから、きっと白い粒はミョ ウバンだ。 ○ ろ過した水溶液には、ミョウバンが溶けていることを 前時までの学習をふり返って確認する。 ・ 水溶液の温度は10℃ぐらいだから、この水溶液に は、さじ○杯分のミョウバン溶けているんだね。 ○ ろ過してできた水溶液から、溶かしたミョウバンを取 り出す方法を考える。 ○ 自分たちの考えた方法で実験し、結果をまとめる。 ○ 食塩の水溶液から、溶かした食塩を取り出す方法を考 える。 ・ ミョウバンとは溶け方が違うから、冷やしても出て こない。 ・ 水を蒸発させればいいだろう。 ・ ミョウバンのように食塩も取り出せるかな。 ○ 自分たちの考えた方法で実験し、結果をまとめる。 ○ 2つの実験の結果について話し合う。 ・ ミョウバンの水溶液は冷やすと、ミョウバンをたく さん取り出せた。ミョウバンは、食塩と違って、温度 によって溶ける量の差が大きいからだ。 ・ 食塩の場合、水を減らす方法が効果的に食塩を取り 出せる。 ◎ 水溶液の温度を下げたり、水を蒸発させたりすること により、溶けている物を取り出すことができる。物によ って効果的に取り出す方法は違う。 ○ 塩田法による塩の取り出しを知る。 ウバンであることを知らせ る。 ◇ ろ過した液体には何が溶 けているのか考えるよう助 言する。 ◇ 今まで学習してきたこと をふり返りながら、水溶液 から溶かした物を取り出す 方法について、根拠を明ら かにしながら、考えること ができるよう助言する。 ◇ 水の温度を変えて取り出 したミョウバンの量につい て、第3次での実験結果と 照らし合わせて、考えるよ う指導する。 技③ ◇ 食塩は、ミョウバンと違 い、水の温度の上げ下げで 取 り 出 せ な い こ と を 確 認 し、どうすればよいか意見 交流しながら紹介するよう にする。 ◇ 大量の海水から、大量の 食塩を取り出すために、自然 のエネルギーを使っている ことに気づかせるようにす る。 自 然 乾 燥 さ せ て、食塩だけを 取り出す。 食 塩 水 を 熱 し て、水を蒸発さ せる。 温 風 を 利 用 し て、水を蒸発さ せる。 水の温度を下 げてみたらいい のではないか。 水を蒸発させ たら、いいので はないか。 水の量を減ら したら、いいの ではないか。 水溶液から、とかしたものを取り出すには、どうしたらよいだろうか

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第5次《 身の回りで溶かすことによって人の役にたっているものを探そう 》 子 ど も の 学 習 活 動 評価と授業のデザイン(◆◇) 1 ○ 日常生活では、ものが溶けることによって、人の役に 立っていることがたくさんある。どのようなことがある か考えてみよう。 ・ 塩、砂糖などの調味料は料理に溶かして使っている ね。 ・ 食品も体内で溶けて吸収されているんだね。 ・ 薬も溶けないと役に立たないね ・ 体の中でどのくらいの大きさになると吸収されるの かな。 ○ 資料で調べまとめる。 ・ 塩、漬物、吸い物、薬、食品の吸収・吸収されるに は、腸ではどの程度の粒の大きさになると吸収される のか。 ・ トイレ用洗浄錠、入浴剤の粒の大きさ 関② ◇ 溶けないと、そのものの 性質を活用できないものは 多いことに気づかせるよう にする。 時 間 ○溶けることによって、人の役に立っているものは何があるのだろうか。

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9.本時の学習(第2次 第3時) ① 主 題「食塩は水に溶けるとその重さはどうなっているのだろうか。」 ② 目 標 ・ 物が水に溶けても、水と物とを合わせた重さは変わらないことを、自ら考えた 実験で検証することを通して理解する。 ③ 展 開 子どもの活動と見方や考え方 評価と授業のデザイン(◆◇) 【前時】 〇 食塩は水に溶けるとその重さどうなるのか、水に溶けた 食塩とその重さについてのイメージ図を描きながら考え、 それぞれが発表する。 A「小さいから重さが減る、無くなる」 ・ 小さな粒になっている様子を描こう。小さくなってい るからやっぱり重さはないと思うな。 ・ 中空糸膜でろ過できないぐらい小さな粒なので、重さ はなくなっていると思うよ。 ・ なんとなくだけど、食塩の重さは半分ぐらい残るんじ ゃないかな。 B「重さ保存」 ・ 粒になっても食塩は水の中にあるから、重さはあると 思うよ。 ・ おもりを持って体重計に乗ったら体重が増えるのと同 じように、入れた食塩の分だけ重さは増えると思うな。 C「浮いているから、軽くなる」 ・ 小さくなっているけど、食塩の粒は浮いているから半 分ぐらいは重さがあると思うよ。 ○ これらの考えについて、話し合いをする。 ・ A、BとCとは考えが違う。 ・ 私は、CとAなのでほとんど重さはない。 ・ 私は、BだがCも考えているので重さは減る。 ・ 私は、重さは全て底にかかるから、Aなので重さは減 る。 ・ 私は、重さは全て底にかかると考える。小さな粒にな っても重さは無くなることは無いと思うので、変化しな い。 ○ どのように実験をすればよいか、まとめる。 ・ Cを確かめてから、AまたはBを行う人 ・ 最初から、AまたはBを行う人それぞれ、自分の考え にしたがって方法別グループに移動する。 ○ どのようにして、実験で確かめるか、自分たちのグルー プで具体的な実験方法をデザインする。 ◇ 子どもが予想しやすいように、 「水に食塩を5g溶かしたら」等、 具体的な条件を出して推論させる ようにする。 ◇ 食塩だけに着目することのない ように、水という言葉も使って説 明するように支援する。 ◆ 子どもが考えを明確にできるよ うに、自分の考えと友だちの考え を比較しながら聞くように助言す る。 ◆ 単に溶けた様子をかくのではな くて、重さがどうなるのかという 観点でかくようにする。 ◆ 子どもが考えを明確にできるよ うに、周りの友だちのイメージ図 も参考にしてよいことを助言す る。 ◇ 重さを扱うので、誤差をどのよ うに考えるかを話し合っておく。 ◇ 実験方法を考えやすくするため

食塩は水に溶けるとその重さどうなるのだろうか。

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・ 実際に、5gの食塩を水に溶かして重さを量ってみよ う。 ・ ビーカーを電子てんびんに乗せたまま、5gの食塩を 入れて溶かしてみよう。 ・ 水に浮いていると軽くなるのか、水に木を浮かべて重 さを量ってみよう。 【本時】 ○ それぞれの考えのグループに別れて実験する。 ・ 食塩をこぼしてしまうと重さが変わるので気をつけよ う。 ・ 溶けるまでかき回したけど、入れた分だけ重さが増え ているよ。 ・ 木は、水に浮かんでいても重さがあるね。軽くならな いんだ。 ○ それぞれの実験結果からイメージ図を描きながら自分な りの言葉で考察を行う。 ・ 小さくても重さがあるということを付け加えよう。 ・ 予想通りだったので変更はないけど、わかりやすくす るために言葉で説明を加えよう。 ・ 友だちのイメージ図が分かりやすかったのでそれを真 似て描いてみよう。 ・ 5gの食塩を入れると、5gだけ重さが増えたので、 溶けた食塩の重さはあるということが分かったよ。 ・ 何回か実験したら、食塩の重さが少なくなったのが一 回あったけど、その他は入れた食塩の分だけ重さが増え ていたので、水に溶けた食塩の重さはあるということが 分かった。 ・ 水に木を浮かべて重さを量っても、木の分だけ重さは 増えていたから、浮いているものでも重さはちゃんとあ ることが分かったよ。 ○ それぞれの解釈したことをもとに、わかったことをまと める。 ・ 食塩は水に溶けて小さくなっても重さは残っているこ とが分かった。 ・ 水に浮いているものも重さがあるということも分かっ たね。 ・ 重さが増えたり、減ったりした結果があったけど、全 体を考えれば、水に溶けた食塩の重さはあるということ がわかった。 ◎ 物が水に溶けても、水と物とを合わせた重さは変わらな いことを理解している。 に、よく使われる電子てんびんや 棒ビン等を指導者用の机に用意し ておく。 ◆ 解決方法の交流を行うことで、 自ら立案した解決方法の客観化を 行い、解決方法を明確にする。 技① ◆ 他グループの実験結果は、途中 経過も含めて、可視化のために、 板書できるようにする。 科① ◆ 自分の考えをイメージ図に表現 することで、自分の考えに変化が あったのかを具体的にとらえられ るようにする。 ◇ 結果と結論を分けて発言できる ように、「~のような結果から~が 分かった」という発表ができるよ うに助言する。 ◆ 総合的に物事を見ることができ るように、自分のグループの結果 だけでなく、他のグループの結果 もまとめに使うようにうながす。 知①

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※本時の修正案 9.本時の学習(第2次 第3時) ① 主 題「食塩は水に溶けるとその重さはどうなっているのだろうか。」 ② 目 標 ・ 物が水に溶けても、水と物とを合わせた重さは変わらないことを、自ら考えた 実験で検証することを通して理解する。 ③ 展 開 子どもの活動と見方や考え方 評価と授業のデザイン(◆◇) 【前々時・前時】 〇 食塩は水に溶けるとその重さどうなるのか、水に溶けた 食塩とその重さについてのイメージ図を描きながら考え、 それぞれが発表する。 A「重さ保存」 ・ 粒になっても食塩は水の中にあるから、重さはあると 思うよ。 ・ おもりを持って体重計に乗ったら体重が増えるのと同 じように、入れた食塩の分だけ重さは増えると思うな B B1「小さいから重さが減る」「浮いているから、軽くなる」 ・ 小さな粒になっている様子を描こう。小さくなってい るからやっぱり重さはないと思うな。 ・ 中空糸膜でろ過できないぐらい小さな粒なので、重さ はなくなっていると思うよ。 ・ なんとなくだけど、食塩の重さは半分ぐらい残るんじ ゃないかな。 ・ 小さくなっているけど、食塩の粒は浮いているから半 分ぐらいは重さがあると思うよ。 B2「とても小さい粒になっているので重さは無くなる」 ・1ナノメートルというとても小さな粒にので重さはない。 ・とても小さな粒なので、水から外へ飛んでいくので重さ は無くなる。 C「水と食塩が合体するから。重くなる」 ・食塩の粒が水に包み込まれるので重くなる。 ○ これらの考えについて、話し合いをする。 ・ A、B、Cとは考えが違う。 ・ Cは合体説だから考え方は違う。 ・ 私は、B2なのでほとんど重さはない。 ・ 私は、B1で、浮くと小さい両方を考えているので重 さはたくさん減る。 ・ 私は、重さは全て底にかかるから、重さは減らない 科①知① ◇ 子どもが予想しやすいように、 「水に食塩を5g溶かしたら」等、 具体的な条件を出して推論させる ようにする。 ◇ 食塩だけに着目することのない ように、水という言葉も使って説 明するように支援する。 ◆ 子どもが考えを明確にできるよ うに、自分の考えと友だちの考え を比較しながら聞くように助言す る。 ◆ 単に溶けた様子を描くのではな くて、重さがどうなるのかという 観点で描くようにする。 ◆ 子どもが考えを明確にできるよ うに、周りの友だちのイメージ図 も参考にしてよいことを助言す る。 ◆ルーブリック評価

食塩は水に溶けるとその重さどうなるのだろうか。

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・ 私は、重さは全て底にかかると考える。小さな粒にな っても重さは無くなることは無いと思うので、変化しな い。 ○ どのように実験をすればよいか、まとめる。 ・ A、B、Cを行う人それぞれ、自分の考えにしたがっ て方法別グループに移動する。 ○ どのようにして、実験で確かめるか、それぞれの考え方 のグループで具体的な実験方法をデザインする。 ・ 実際に、5gの食塩を水に溶かして重さを量ってみよ う。 ・ ビーカーを電子てんびんに乗せたまま、5gの食塩を 入れて溶かしてみよう。 ・ 水に浮いていると軽くなるのか、水に木を浮かべて重 さを量ってみよう。 【本時】 ○ グループの実験方法の特徴を確認し、実験する。 ・ 食塩をこぼしてしまうと重さが変わるので気をつけよ う。 ・ 溶けるまでかき回したけど、入れた分だけ重さが増え ているよ。 ・ 木は、水に浮かんでいても重さがあるね。軽くならな いんだ。 ○ それぞれの実験結果からイメージ図を描きながら自分な りの言葉で考察を行う。 ・ 小さくても重さがあるということを付け加えよう。 ・ 予想通りだったので変更はないけど、わかりやすくす るために言葉で説明を加えよう。 ・ 友だちのイメージ図が分かりやすかったのでそれを真 似て描いてみよう。 ・ 5gの食塩を入れると、5gだけ重さが増えたので、 溶けた食塩の重さはあるということが分かったよ。 ・ 何回か実験したら、食塩の重さが少なくなったのが一 回あったけど、その他は入れた食塩の分だけ重さが増え ていたので、水に溶けた食塩の重さはあるということが 分かった。 ・ 水に木を浮かべて重さを量っても、木の分だけ重さは 増えていたから、浮いているものでも重さはちゃんとあ ることが分かったよ。 ○ それぞれの解釈したことを基に、わかったことをまとめ る。 ◇ 重さを扱うので、誤差をどのよ うに考えるかを話し合っておく。 ◇ 実験方法を考えやすくするため に、よく使われる電子てんびんや 棒ビン等を指導者用の机に用意し ておく。 ◆ 解決方法の交流を行うことで、 自ら立案した解決方法の客観化を 行い、解決方法を明確にする。 ◆ 他グループの実験結果は、途中 経過も含めて、可視化のために、 板書できるようにする。 ◆ 自分の考えをイメージ図に表現 することで、自分の考えに変化が あったのかを具体的にとらえられ るようにする。 ◇ 結果と結論を分けて発言できる ように、「~のような結果から~が 分かった」という発表ができるよ うに助言する。 ◆ルーブリック評価

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・ 食塩は水に溶けて小さくなっても重さは残っているこ とが分かった。 ・ 水に浮いているものも重さがあるということも分かっ たね。 ・ 重さが増えたり、減ったりした結果があったけど、全 体を考えれば、水に溶けた食塩の重さはあるということ がわかった。 ◎ 物が水に溶けても、水と物とを合わせた重さは変わらな いことを理解している。 ◆ 総合的に物事を見ることができ るように、自分のグループの結果 だけでなく、他のグループの結果 もまとめに使うようにうながす。

参照

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